JP6966774B2 - 吸音材 - Google Patents
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Description
しかし、このような内装材は、吸音性能の点において十分ではなかったり、発泡体が嵩張るため取り扱いが困難であったりした。また、ポリウレタン樹脂の発泡体は、吸音性能には比較的優れるものの、燃焼時にシアンが発生するので環境性の点から好ましくなく、近年では脱ウレタンの傾向にある。
ガラス繊維を使用した吸音材は、皮膚を刺激したり、密度の大きさから吸音材が重くなったりするため、取り扱いが困難である場合があった。
このようなマット状の吸音材は、表面がフラットで審美性に欠けるという問題がある。
該吸音側シート層表面において、該凹部の密度が10m/m2以上400m/m2以下であり、該吸音側シート層の通気度が、0.31cm3/cm2・s以下であることを特徴とする吸音材を提供するものである。
更に、本発明の吸音材は、三次元構造の美しい表面により、優れた審美性を発揮することができる。凹凸構造は、様々な形状にすることができ、外見を趣味性に富んだものとすることもできる。
吸音側シート層10は、凸部11と、線状の凹部12とからなる凹凸構造となっている。
裏側シート層20は、吸音側シート層10とは反対側のシート層であり、裏側シート層20と吸音側シート層10の間に、中間層30が設けられている。
本発明の吸音材1は、吸音側シート層10が音の通過しにくい材料であり、かつ、凹凸構造となっている。本発明の吸音材1においては、音波が吸音側シート層10の表面に衝突して凸部が微小振動し、音エネルギーが消費される膜振動型吸音による吸音効果が支配的であると推定される。
人間の耳は、1000〜5000Hz付近において特に感度がよいが、吸音側シート層10を、通気性がほとんどない素材で構成させることにより、このような周波数域における吸音効果が向上しやすい。
合成皮革の場合、その表層は、ポリ塩化ビニル又はポリウレタンであることが好ましい。
高分子フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム等が例示できる。
凹部12は、ミシン糸又は超音波でキルト加工された状態とすることができる。
また、凹部12の密度は、20m/m2以上が好ましく、40m/m2以上が特に好ましい。また、300m/m2以下が好ましく、200m/m2以下が特に好ましい。
凹部12の密度が上記範囲内であると吸音性(特に、人間の耳の感度が特によい1000〜5000Hzにおける吸音性)が向上しやすい。上記下限以上であると表面における音波の衝突回数を十分に確保できるので、吸音性が向上しやすい。また、上記上限以下であると、後述のように、裏側シート層30を加熱収縮させた際に、凹部11が十分に膨らむので、吸音性が向上しやすい。
上記下限以上であると、凹部12をキルト加工等で形成した際に破損等が少なく、音波を吸音側シート層10に十分に衝突させることができ、吸音性が向上する。上記上限以下であると、コスト面で有利であり、また、吸音材を軽量にすることができる。
吸音側シート層10は、キルト加工等によって凹部12を形成させるが、キルト加工の前後で吸音側シート層10の平均厚さはほとんど変化しない。
上記下限以上であると、音波を吸音側シート層10に十分に衝突させることができ、吸音性が向上しやすい。また、後述のように、本発明の吸音材1は、裏側シート層30を加熱により収縮させることにより、吸音側シート層10を膨らませることにより作製することができるが、かかる方法で作製する場合、最高点の高さと最低点の高さの差が上記上限以下であるものを作製しやすい。
後述のように、裏側シート層30を加熱により収縮させると、中間層30に含まれる繊維シートは、吸音側シート層10の側に押し出され、吸音側シート層10の凸部11が高くなる。この結果、吸音側シート層10の単位面積当たりの表面積が大きくなるので、表面に音波が衝突しやすくなり、吸音性が向上する。
中間層30を構成する繊維の具体例としては、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ビニロン、レーヨン、アラミド、綿、ウール、ガラス繊維等が例示できる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
裏側シート層20は、例えば、織物、編物等により構成されている。
また、裏側シート層20の素材としては、アクリル繊維、ポリエステル繊維等が挙げられる。
吸音側シート層10と裏側シート層20の間に中間層30を構成する繊維シートを挟み込んだ状態で、キルト加工等をすることにより、本発明の吸音材1を作製することができるが、さらに、この状態で加熱することにより、裏側シート層20が収縮し、中間層30に含まれる繊維シートが、吸音側シート層10の側に押し出され、吸音側シート層10の凸部11が高くなり、結果、吸音性が向上する。
上記範囲内であると、凸部11が十分に高くなり、また、吸音材に歪みが生じにくい。
加熱時間は、1分以上であることが好ましく、2分以上であることが特に好ましい。また、30分以下であることが好ましく、15分以下であることが特に好ましい。
加熱温度や加熱時間が上記範囲内であると、十分に凸部11が膨らみ吸音性が向上しやすく、また、コストを抑えられる。
裏側シート層20は、織物や編物で構成されているので、このような方法で容易に設置することができる。
目付の下限が上記以上であると、十分な強度を得ることができ、また、吸音性能に優れたものになる。上限が上記以下であると、十分に軽量で取り扱いがしやすくなる。
難燃剤としては、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、硫黄系難燃剤、ホウ素系難燃剤、ハロゲン系難燃剤等の公知の難燃剤を適宜使用することができる。
本発明の吸音材は、吸音側シート層10がほとんど通気性の無い素材で構成されており、吸音側シート層10には凹凸構造が存在する。凹凸構造を密に設けることにより、吸音側シート層10の表面において、凹部12で音波が何度も衝突して、凸部11を微小振動させ、そのエネルギーが熱に変換され、吸音効果を発揮しているものと考えられる。
また、後述の比較例から明らかなように、吸音側シート層が通気性の大きい素材の場合、凹凸構造を密にしても吸音性はほとんど変化しない。すなわち、中間層30を構成するシート状の繊維が吸音性に及ぼす効果は小さく、ほとんど通気性の無い吸音側シート層10が吸音性に大きく寄与しているものと考えられる。
以下のようにして、図1(a)に示すような菱形形状の凸部11を有する吸音材(凹部12の密度については表1を参照)1を作製した。
その後、150℃で5分間乾熱加熱させることで、裏側シート層20である織物を収縮させ、表層がポリ塩化ビニルの合成皮革である吸音側シート層10の凸部11を膨らませ、吸音材1を作製した。
なお、JIS L1096:2010 A法に準拠して測定したポリ塩化ビニルの合成皮革の通気度は、0.31cm3/cm2・s(測定限界)以下であった。
各サンプルに関して菱形形状の凸部11の数、線状の凹部12の密度、凹凸構造の最高点の高さH1、凹凸構造の最低点の高さH2を測定した(表1)。
結果を図3に示す。
以下のようにして、図1(a)に示すような菱形形状の凸部11を有する吸音材1を作製した。
その後、表2に記載の条件で乾熱加熱させることで、裏側シート層20である織物を収縮させ、表層がポリ塩化ビニルの合成皮革である吸音側シート層10の凸部11を膨らませ、吸音材1を作製した。
各サンプルに関して、凹凸構造の最高点の高さH1、凹凸構造の最低点の高さH2を測定した(表2)。
結果を図4に示す。
実施例1において、合成皮革の代わりに、ポリエステルの編物(目付:160g/m2、厚さ:0.96mm、110dtex使用トリコット、ウェール:28/インチ、コース:37/インチ)を使用した以外は、実施例1と同様にして、図1(a)に示すような菱形形状の凸部11を有する吸音材1を作製した。
なお、JIS L1096:2010 A法に準拠して測定したポリエステルの編物の通気度は、265.2cm3/cm2・sであった。
各サンプルに関して菱形形状の凸部11の数、線状の凹部12の密度、凹凸構造の最高点の高さH1、凹凸構造の最低点の高さH2を測定した(表3)。
結果を図5に示す。
一方、吸音側を、通気性の高い素材で構成した場合、周波数が上がるにつれ吸音率は上昇していったが、吸音性に与える凹部12の密度の影響はほとんど無かった。
10 吸音側シート層
11 凸部
12 凹部
20 裏側シート層
30 中間層
Claims (11)
- 吸音側シート層と、裏側シート層と、該吸音側シート層と該裏側シート層に挟まれた中間層から構成されており、該吸音側シート層が、凸部と、線状の凹部とからなる凹凸構造となっている吸音材であって、
該吸音側シート層表面において、該凹部の密度が20m/m2以上200m/m2以下であり、該吸音側シート層の通気度が、0.31cm3/cm2・s以下であることを特徴とする吸音材。 - 上記吸音側シート層が、合成皮革、人工皮革、天然皮革又は高分子フィルムで構成されている請求項1に記載の吸音材。
- 上記凹凸構造の最高点の高さと最低点の高さの差が1.0mm以上20mm以下である請求項1又は請求項2に記載の吸音材。
- 1000〜5000Hzの騒音の吸音用である請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の吸音材。
- 上記裏側シート層が、150℃で5分間乾熱加熱した時の収縮率が20%以上の織物又は編物で構成されており、上記中間層が有機繊維又は無機繊維の短繊維又は長繊維で構成されている請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の吸音材。
- 上記凹部が、ミシン糸又は超音波でキルト加工された状態となっている請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の吸音材。
- 上記吸音側シート層の平均厚さが0.2mm以上2.0mm以下である請求項1ないし請求項6の何れかの請求項に記載の吸音材。
- 上記中間層を構成する繊維が、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ビニロン、レーヨン、アラミド、綿、ウール及びガラス繊維からなる群より選ばれる1種以上の繊維である請求項1ないし請求項7の何れかの請求項に記載の吸音材。
- 上記裏側シート層がアクリル繊維又はポリエステル繊維からなる織物又は編物で構成されている請求項1ないし請求項8の何れかの請求項に記載の吸音材。
- 目付が650g/m2以上である請求項1ないし請求項9の何れかの請求項に記載の吸音材。
- 上記吸音側シート層が合成皮革で構成されており、該合成皮革の表層がポリ塩化ビニル又はポリウレタンである請求項1ないし請求項10の何れかの請求項に記載の吸音材。
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