JP6969629B2 - 鉱物原料の改質方法 - Google Patents
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Description
原料ヤードだけでなくベルトコンベヤ設備も屋外にあるため、雨に曝されて、石炭はさらに湿潤な状態となる。このような石炭は、ボイラーに石炭を供給する配管(給炭管)やベルトコンベヤ、シュート、ホッパー等の処理設備の接触面に付着しやすく、さらに固着し、配管等が詰まる場合がある。
このような問題に対して、特許文献1では、湿潤な鉱物原料に改質剤として高吸水性樹脂を接触させることにより、前記鉱物原料の搬送設備での付着及び詰まり防止方法を提案している。
このような問題に対して、特許文献2では、湿潤な鉱物原料を貯留設備で貯留する際に、湿潤な鉱物原料に、改質剤として高吸収性樹脂及び/又は水溶性高分子化合物を接触させることにより、前記湿潤な鉱物原料が貯留設備から漏出することを防止する方法、及び/又は水が漏出することを防止する方法を提案している。
このような問題に対して、特許文献3では、コークス炉に装入される石炭の輸送ラインにおいて、粒径3mm以下の粒分が75%以上となるように粉砕された石炭に対して、改質剤として嵩密度向上剤を添加することを特徴とするコークス製造用石炭の嵩密度向上方法を提案している。
[1]鉱物原料に改質剤を添加して、該鉱物原料を改質する方法であって、
搬送される前記鉱物原料の水分率を連続的に測定する工程と、
前記水分率に基づいて、前記改質剤の添加量を算出する工程と、
前記添加量の前記改質剤を前記鉱物原料に添加する工程とを含み、
前記改質剤の添加により、前記鉱物原料の、処理設備への付着、該処理設備内における詰まり、該処理設備内及び該処理設備外への噴出、並びに嵩密度低下の少なくともいずれかを防止する、鉱物原料の改質方法。
[2]鉱物原料に改質剤を添加して、該鉱物原料を改質する方法であって、
搬送される前記鉱物原料の水分率及び搬送量を連続的に測定する工程と、
前記水分率及び前記搬送量に基づいて、前記改質剤の添加量を算出する工程と、
前記添加量の前記改質剤を前記鉱物原料に添加する工程とを含み、
前記改質剤の添加により、前記鉱物原料の、処理設備への付着、該処理設備内における詰まり、該処理設備内及び該処理設備外への噴出、並びに嵩密度低下の少なくともいずれかを防止する、鉱物原料の改質方法。
[3]前記処理設備が、配管、ベルトコンベア、コンベアチェーン、シュート、ホッパー、サイロ、及びコークス炉の少なくともいずれかである、上記[1]又は[2]に記載の鉱物原料の改質方法。
[4]前記改質剤が、JIS K7223(1996)及びJIS K7224(1996)で定義される高吸水性樹脂を含む、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の鉱物原料の改質方法。
[5]前記高吸水性樹脂が、ポリアクリル酸ナトリウムである、上記[4]に記載の鉱物原料の改質方法。
[6]前記改質剤が、界面活性剤を含む、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の鉱物原料の改質方法。
[7]前記界面活性剤が、アニオン系界面活性剤である、上記[6]に記載の鉱物原料の改質方法。
[8]前記改質剤が、水溶性高分子化合物を含む、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の鉱物原料の改質方法。
[9]前記水溶性高分子化合物が、アニオン系エマルションポリマーである、上記[8]に記載の鉱物原料の改質方法。
したがって、本発明の方法を用いれば、鉱物原料を効率的に搬送することができ、鉱物原料を用いた工業製品の生産性向上に寄与できる鉱物原料の改質方法を提供することができる。
なお、本発明における「鉱物原料の処理設備への付着防止」とは、まったく付着しない場合のみならず、一部付着する場合であっても、鉱物原料の搬送が妨げられない程度に付着が十分に抑制される場合も含む意味で用いるものとする。
本発明の他の態様において、本発明の鉱物原料の改質方法は、搬送される前記鉱物原料の水分率及び搬送量を連続的に測定する工程と、前記水分率及び前記搬送量に基づいて、前記改質剤の添加量を算出する工程と、前記添加量の前記改質剤を前記鉱物原料に添加する工程とを含む。
上記工程を有することにより、前記鉱物原料の、処理設備への付着、該処理設備内における詰まり、該処理設備内及び該処理設備外への噴出、並びに嵩密度低下の少なくともいずれかを防止することができる。
鉱物原料の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、石炭、鉄鉱石、鉄鉱石以外の金属鉱石、ダスト、スラグ、スラッジ、コークス、焼結鉱、石灰石等が挙げられる。これらは、1種単独であっても、2種以上の混合物であってもよい。
また、鉱物原料の形状、大きさ等は、特に限定されるものではないが、詰まりを防止する観点から、詰まりやすい形態のもの、例えば、粒子1個の粒子径が0.1μm〜10mmの粒状、粉末状等のものが好適に適用される。
鉱物原料中の水分は、その由来は特に限定されるものではなく、鉱物原料自体に由来するものでもよく、あるいはまた、搬送や保管中に接触した雨や粉塵防止のための散水等の水でもよい。
改質剤は、特に限定されるものではなく、例えば、高吸水性樹脂、水溶性高分子化合物、界面活性剤等の有機物、製鉄所内で発生するダスト、スラグ、石炭、鉄鉱石、珪藻土、セラミック等の無機物等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上をそれぞれ単独で用いても、2種以上の混合物として用いてもよい。
鉱物原料の、処理設備への付着、該処理設備内における詰まり、該処理設備内及び該処理設備外への噴出を防止する観点から、改質剤は、高吸水性樹脂及び水溶性高分子化合物を含むことが好ましく、高吸水性樹脂を含むことがより好ましい。
また、鉱物原料の嵩密度向上の観点から、改質剤は界面活性剤を含むことが好ましい。
本発明における高吸水性樹脂とは、JIS K7223(1996)及びJIS K7224(1996)で定義される、「水を高度に吸収して、膨潤する樹脂で、架橋構造の親水性物質で水と接触することにより吸水し、一度吸水すると圧力をかけても離水しにくい特徴を持っている」ものである。すなわち、吸水量が多く、保水性に優れた樹脂である。
湿潤な鉱物原料に前記高吸水性樹脂を添加混合した場合、水溶性高分子化合物は鉱物原料中の水分の少なくとも一部を吸収する。これにより、鉱物原料の表面の水分率が低減して、処理設備の接触面において、鉱物原料の滑り性が向上し、付着しにくくなり、処理設備への付着、該処理設備内における詰まり、該処理設備内、該処理設備外への噴出等を防止することができる。なお、処理設備の接触面に対する付着性が抑制されればよく、鉱物原料中の水分の全量が、高吸水性樹脂に吸収される必要はない。
ポリ(メタ)アクリル酸エステルを構成する単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
ポリアルキレンイミンを構成する単量体としては、エチレンイミン、メチルエチレンイミン等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンを構成する単量体としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が挙げられる。
前記共重合体を構成する他の単量体としては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、N−エチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン等が挙げられる。
また、高吸水性樹脂は、他の吸水剤と併用してもよい。他の吸水剤としては、シリカゲル、ゼオライト、活性炭等が挙げられる。
高吸水性樹脂の性状は、鉱物原料に均一に混合させること、また、取り扱い容易性等の観点から、鉱物原料と同等以下の粒径の粒状又は粉末状であることが好ましい。例えば、粒径0.1μm〜2mmの石炭の場合、粒径が好ましくは10〜1000μm、より好ましくは50〜600μmである高吸水性樹脂を用いる。また、有機溶剤に液体状の高吸水性樹脂を分散させたものを用いてもよく、液体状の高吸水性樹脂を用いてもよい。有機溶剤は特に限定されないが、芳香族系有機溶剤などの高沸点溶剤を用いることが好ましい。
本発明における水溶性高分子化合物とは、吸水量が多く保水性に優れる特性を備えるものである。本発明において水溶性とは、25℃の水100gに対して、0.01g以上溶解することをいう。
湿潤な鉱物原料に水溶性高分子化合物を添加混合した場合、水溶性高分子化合物は鉱物原料中の水分の少なくとも一部を吸収する。これにより、鉱物原料の表面の水分率が低減して、処理設備の接触面において、鉱物原料の滑り性が向上し、付着しにくくなり、処理設備への付着、該処理設備内における詰まり、該処理設備内、該処理設備外への噴出等を防止することができる。なお、処理設備の接触面に対する付着性が抑制されればよく、鉱物原料中の水分の全量が、水溶性高分子化合物に吸収される必要はない。
水溶性高分子化合物は、人工的につくられる合成高分子化合物でも、天然に存在する天然高分子化合物でもよく、例えば、合成水溶性高分子化合物、半合成水溶性高分子化合物、天然水溶性高分子化合物等が挙げられる。
前記アクリルアミド系又はアクリル酸系ポリマーの平均分子量は、好ましくは1,000,000〜10,000,000、より好ましくは5,000,000〜9,000,000(固有粘度法)とするのが好適である。
また、アニオン性高分子の場合、前記アクリル酸系及び/又はアクリルアミド系ポリマーを生成する際のアクリル酸単位の含有量は、使用する単量体の全合計量(100モル%)に対して、好ましくは5モル%以上、より好ましくは20〜100モル%とするのが好適である。
前記水溶性高分子化合物を使用するときの状態としては、特に限定されず、粉末状、液体状又はエマルジョン状で使用するのが好適である。特に処理対象の水分を増加させずに使用できる粉末状とエマルジョン状で使用するのが好適である。W/O型エマルジョン状の水溶性高分子化合物は、公知の手法(例えば、特公昭52−039417号公報、特開昭51−41090号公報)にて製造することができる。
界面活性剤としては、例えば、ジアルキルスルホコハク酸(アルキル基の炭素数は8〜16が好適である。)又はその塩(例えば、ナトリウム塩、アンモニウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルカンスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレン(POE)付加重合物又はその塩等のノニオン系界面活性剤等を用いることができる。
湿潤な鉱物原料に前記界面活性剤を添加混合した場合、鉱物原料の滑り性が向上し、鉱物原料の嵩密度が向上する。嵩密度が向上することにより、鉱物原料を用いた工業製品の生産性向上に寄与できる。
界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、あるいはまた、2種以上を併用してもよい。鉱物原料の嵩密度向上の観点から、アニオン性界面活性剤が好ましく、アルカンスルホン酸ナトリウムがより好ましい。
本発明における処理設備とは、例えば、原料ヤード等の鉱物原料の保管場所から、鉱物原料を使用する設備まで、所定のラインで鉱物原料を送り込む搬送ライン内の処理設備を指し、シュート、ホッパー、サイロ等の一時的に貯蔵する機能を有するものも含む。船やトラック等による輸送や、バケツによる搬送等とは区別されるものである。
本発明においては、処理設備の中でも付着及び詰まりによる不都合が生じやすい箇所、具体的には、配管、ベルトコンベヤ、コンベヤチェーン、シュート、ホッパー、サイロ、コークス炉等において、鉱物原料の付着、詰まり、該処理設備内及び該処理設備外への噴出等の防止効果が得られる。
湿潤な鉱物原料は、これらの処理設備において付着や詰まり、噴出等の問題が生じやすく、問題が生じた場合は、ラインの運転を停止した上で問題を解消する必要があり、手間を要していた。
これに対して、本発明においては、後述の方法により、改質剤の添加量を算出し、鉱物原料に前記添加量で添加した場合、処理設備の接触面において、鉱物原料の滑り性が向上し、付着や詰まり、噴出が防止されることにより、ラインの運転を停止させることなく、鉱物原料を効率的に搬送することが可能となる。
本発明の一態様において、本発明における測定する工程とは、搬送される鉱物原料の水分率を連続的に測定する工程である。
本発明の他の態様において、本発明における測定する工程とは、搬送される鉱物原料の水分率及び搬送量を連続的に測定する工程である。
本発明において連続的に測定するとは、1回のみの測定ではなく、測定を続けて行うことを意味し、例えば、搬送される鉱物原料の水分率又は搬送量を、特定の間隔で複数回行うことを言う。
水分率を測定する間隔は、特に限定されるものではなく、鉱物原料の種類、性状、搬送量等により異なるが、鉱物原料として石炭を用い、搬送量が1〜20t/分の場合、0.01〜60秒毎に測定することが好ましい。
搬送量を測定する間隔は、特に限定されるものではなく、鉱物原料の種類、性状、搬送速度等により異なるが、鉱物原料として石炭を用い、石炭の水分率が5〜25質量%の場合、1秒〜1分毎に測定することが好ましい。
これらの中でも、設置が容易であり、容易に使用できる観点から、原料に対して赤外線を照射し、反射光強度を測定する赤外線式による測定が好ましい。例えばNDC Technologies社製CM710e等を採用することができる。
鉱物原料の水分率の測定に要する時間は、生産性、鉱物原料の水分率に対応した適切な添加量で改質剤を添加する等の観点から、0.1〜60秒であることが好ましく、1〜10秒であることがより好ましい。
荷重測定装置では、ベルトコンベア上の鉱物原料の質量値とベルトコンベアの移動速度から搬送量を算出する。また、距離測定装置では、ベルトコンベア上部に距離センサーを設置し、距離センサーとベルトコンベア底部までの距離と、距離センサーとベルトコンベア上の鉱物原料までの距離の差から、搬送量を算出する。
鉱物原料の搬送量の測定に要する時間は、生産性、鉱物原料の水分率に対応した適切な添加量で改質剤を添加する等の観点から、0.1〜60秒であることが好ましく、1〜10秒であることがより好ましい。
本発明の一態様において、水分率と搬送量とを測定する場合、水分率の測定を搬送量の測定より先に行ってもよく、搬送量の測定を水分率の測定より先に行ってもよく、水分率と搬送量の測定を同時に行ってもよい。鉱物原料が搬送されていない時は、水分率を測定する必要がないことから、搬送量の測定を水分率の測定より先に行うことが好ましい。
本発明の一態様において、本発明における算出する工程とは、搬送される前記鉱物原料の水分率の測定結果に基づいて、改質剤の添加量を算出する工程である。
改質剤の添加量は、鉱物原料の種類、性状等により異なるが、例えば、鉱物原料が石炭である場合、石炭の水分率が約7質量%未満であると、処理設備への付着、該処理設備内における詰まり、該処理設備内及び該処理設備外への噴出は生じ難く、嵩密度も比較的高いため、改質剤の添加量は0と算出される。つまり、改質剤の過剰な添加が抑制される。 石炭の水分率が約7質量%以上である場合、改質剤の添加が必要となり、予めシミュレーションや検量線等により求めた、鉱物原料の水分率に対する適切な添加量である基準値と、石炭の水分率の測定結果に基づいて、改質剤の添加量が算出される。改質剤の添加量は、石炭の水分率が高いほど増加する。
改質剤の添加量は、鉱物原料の種類及び性状等により異なるが、例えば、鉱物原料が石炭である場合、石炭の水分率が約7質量%未満であると、上述の本発明の一態様と同様の理由により、鉱物原料の搬送量に関係なく、改質剤の添加量は0と算出される。つまり、改質剤の過剰な添加が抑制される。
石炭の水分率が約7質量%以上である場合、改質剤の添加が必要となり、予めシミュレーションや検量線等により求めた、鉱物原料の水分率に対する適切な添加量である基準値と、石炭の水分率の測定結果に基づいて、改質剤の添加量が算出される。改質剤の添加量は、石炭の水分率が高いほど、また、搬送量が多いほど増加する。
また、本発明においては、鉱物原料の水分率の測定結果、または鉱物原料の水分率と搬送量の測定結果に基づいて、改質剤の添加量を算出することから、改質剤の添加が過剰となることを防止することもでき、改質剤コストを低減することが可能となる。また、予めシミュレーションや検量線等により求めた、鉱物原料の水分率に対する適切な添加量である基準値と、水分率の測定結果とが大幅に異なる場合は、原料がベルトコンベアに存在しないと判断し、改質剤の添加を停止することが可能となる。
なお、算出する工程は、測定する工程の後に行う工程であり、後述の添加する工程の前に行う工程である。
本発明における添加する工程とは、算出する工程で算出された添加量の改質剤を、鉱物原料に添加する工程である。すなわち、算出した改質剤の添加量に応じて、添加量を変化させながら連続的に鉱物原料に改質剤を添加する工程である。
改質剤の添加量は、鉱物原料の種類及び性質により異なり、かつ鉱物原料の水分率、または水分率と搬送量により算出されるものであるが、鉱物原料が粒径0.1μm〜2mm、水分率7質量%以上の石炭であり、改質剤が高吸水性樹脂を含む場合、高吸収樹脂の石炭中の濃度が0.001〜50質量%となるように添加することが好ましく、0.005〜5質量%となるように添加することがより好ましく、0.05〜0.5質量%となるように添加することがさらに好ましい。また、鉱物原料が粒径0.1μm〜2mm、水分率7質量%以上の石炭であり、改質剤が水溶性高分子化合物を含む場合、水溶性高分子化合物の石炭中の濃度が0.001〜50質量%となるように添加することが好ましく、0.005〜5質量%となるように添加することがより好ましく、0.05〜0.5質量%となるように添加することがさらに好ましい。上記範囲の添加量とすることで、鉱物原料の、処理設備への付着、該処理設備内における詰まり、並びに該処理設備内及び該処理設備外への噴出の少なくともいずれかを防止することが可能となる。
鉱物原料が粒径0.1μm〜2mm、水分率7質量%以上の石炭であり、改質剤が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の石炭中の濃度が0.001〜50質量%となるように添加することが好ましく、0.005〜5質量%となるように添加することがより好ましく、0.05〜0.5質量%となるように添加することがさらに好ましい。上記範囲の添加量とすることで、鉱物原料の嵩密度低下を防止することが可能となる。
また、鉱物原料が粒径0.1μm〜2mm、水分率10質量%以上の鉄鉱石であり、改質剤が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の鉄鉱石中の濃度が0.001〜50質量%となるように添加することが好ましく、0.005〜5質量%となるように添加することがより好ましく、0.05〜0.5質量%となるように添加することがさらに好ましい。上記範囲の添加量とすることで、鉱物原料の嵩密度低下を防止することが可能となる。
改質剤を鉱物原料に添加する方法は、特に限定されるものではないが、ベルトコンベヤ等により搬送されている鉱物原料に対して、改質剤を鉱物原料の上方から散布することが好ましい。
また、改質剤は、1カ所で添加してもよく、2カ所以上で添加してもよい。
改質剤として2種以上の成分を用いる場合、各成分がそれぞれ添加されてもよく、予め調製混合されたものを添加してもよい。また、1種単独で添加した後、2種以上を予め調製混合されたものを添加してもよく、2種以上を予め調製混合されたものを添加した後、1種単独で添加してもよい。
混合方法は、特に限定されるものではないが、鉱物原料と改質剤とが均一に混合されて、相互に接している状態のものが得られることが好ましい。混合方法としては、例えば、ベルトコンベアの乗り継ぎ部における混合、混練機又は重機による混合等が挙げられる。
また、改質剤を、鉱物原料を収容した所定の容器内に添加して撹拌混合することにより、混合することもできる。
鉱物原料の水分率は、約20gの鉱物原料について、質量(A)を測定し、これを105℃の乾燥器で2時間乾燥した後の質量(B)を測定し、その減量(A−B)を水分量とみなして、下記式から算出した。
水分率[質量%]=(A−B)/A×100
付着性の評価は、電動フルイ「ANF−30」(日陶科学株式会社製)の上部に、フルイに代えて、模擬ホッパー(投入口:180mm×140mm、排出口:30mm×60mmの逆四角錘台状外形;鋼製)を取り付けた振動試験装置の模擬ホッパーに、それぞれの実施例及び比較例で調整した試料を投入し、振動試験装置下部の受け皿に落下させ、排出時間を測定するとともに、模擬ホッパーにおける試料の付着の有無を目視で観察した。
なお、試料投入開始から、振動試験装置下部の受け皿に落下し終わるまでの排出時間が10.0秒以下である場合、試験後の模擬ホッパーには試料の付着がなく、改質剤を添加していない時に比べ排出時間が短縮されることから、試料の付着、及び詰まりを防止していると判断した。
ただし、排出時間が10秒以下であっても、試料の水分が多く、泥状で流動性が高く、模擬ホッパー上部に付着がみられるものについては、得られた試料は十分に改質されていないと判断した。
円筒状の1Lメスシリンダー(ガラス製)の上端部から、実施例及び比較例で調整した試料500gを万遍なく均一に落下充填させた後、体積を測定し、その体積と質量(500g)から嵩密度を計算した。
なお、嵩密度は下記式から算出した。
嵩密度(kg/m3)=(試料質量/1Lメスシリンダー充填後の試料体積)
試料の嵩密度の値が695kg/m3超の場合、十分な嵩密度を有していると判断した。
鉱物原料として石炭(水分率10質量%、粒径10mm以下)を用い、改質剤として高吸水性樹脂「クリラインS−200」(栗田工業株式会社製;ポリアクリル酸ナトリウム)を、含有量が0.05質量%となるように添加して、均一に撹拌混合し、試料を調製した。続いて、その試料の付着性評価試験を行った。
石炭の水分率及び改質剤の含有量を下記表1に示すように変更し、それ以外は実施例1と同様にして、試料を調整し、付着性評価試験を行った。
また、参考例1〜3から分かるとおり、石炭の水分率が約7質量%であると、改質剤の添加の有無に関わらず付着性は低く、改質剤を添加する必要がないと言える。
このように、石炭の水分率が7質量%超である場合、水分率に応じて適切な量の高吸水性樹脂を添加することにより、石炭の設備の接触面に対する付着が抑制され、滑り性が向上し、処理設備への付着、該処理設備内における詰まり、並びに処理設備内及び該処理設備外への噴出を防止することが可能となると言える。
石炭の代わりに鉄鉱石(水分率11質量%、粒径10mm以下)を用い、高吸水性樹脂の添加量を下記表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、試料を調整し、付着性評価試験を行った。
また、比較例5、7及び8では、排出時間が10秒以下ではあるものの、試料の水分が多く、泥状で流動性が高く、模擬ホッパー上部に付着がみられた。
このように、鉄鉱石の水分率が約11質量%以上である場合、水分率に応じて適切な量の高吸水性樹脂を添加することにより、鉄鉱石の設備の接触面に対する付着が抑制され、滑り性が向上し、処理設備への付着、該処理設備内における詰まり、並びに処理設備内及び該処理設備外への噴出を防止することが可能となると言える。
鉱物原料として石炭(水分率10.5質量%、粒径10mm以下)を用い、改質剤として石炭嵩密度向上剤「アルカンスルホン酸ナトリウム」(栗田工業株式会社製)を、含有量が0.05質量%となるように添加して、均一に撹拌混合し、試料を調製した後、嵩密度を算出した。
石炭の水分率及び改質剤の含有量を下記表3に示すように変更し、それ以外は実施例12と同様にして、嵩密度を算出した。
なお、参考例4〜6から分かるとおり、石炭の水分率が約9質量%であると、界面活性剤を添加していなくても嵩密度は高い値となる。
Claims (9)
- 鉱物原料に改質剤を添加して、該鉱物原料を改質する方法であって、
搬送される前記鉱物原料の水分率を赤外線式により連続的に測定する工程と、
前記水分率に基づいて、前記改質剤の添加量を算出する工程と、
前記添加量の前記改質剤を前記鉱物原料に添加する工程とを含み、
前記改質剤の添加により、前記鉱物原料の、処理設備への付着、該処理設備内における詰まり、該処理設備内及び該処理設備外への噴出、並びに嵩密度低下の少なくともいずれかを防止する、鉱物原料の改質方法。 - 鉱物原料に改質剤を添加して、該鉱物原料を改質する方法であって、
搬送される前記鉱物原料の水分率を連続的に測定する工程と、
前記水分率に基づいて、前記改質剤の添加量を算出する工程と、
前記添加量の前記改質剤を、前記水分率測定後、10分以内に前記鉱物原料に添加する工程とを含み、
前記改質剤の添加により、前記鉱物原料の、処理設備への付着、該処理設備内における詰まり、該処理設備内及び該処理設備外への噴出、並びに嵩密度低下の少なくともいずれかを防止する、鉱物原料の改質方法。 - 前記処理設備が、配管、ベルトコンベア、コンベアチェーン、シュート、ホッパー、サイロ、及びコークス炉の少なくともいずれかである、請求項1又は2に記載の鉱物原料の改質方法。
- 前記改質剤が、JIS K7223(1996)及びJIS K7224(1996)で定義される高吸水性樹脂を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の鉱物原料の改質方法。
- 前記高吸水性樹脂が、ポリアクリル酸ナトリウムである、請求項4に記載の鉱物原料の改質方法。
- 前記改質剤が、界面活性剤を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の鉱物原料の改質方法。
- 前記界面活性剤が、アニオン系界面活性剤である、請求項6に記載の鉱物原料の改質方法。
- 前記改質剤が、水溶性高分子化合物を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の鉱物原料の改質方法。
- 前記水溶性高分子化合物が、アニオン系エマルションポリマーである、請求項8に記載の鉱物原料の改質方法。
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