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JP6969903B2 - 合成床版 - Google Patents
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Description

本発明は、底鋼板とコンクリートを一体成形してなる合成床版に関する。
底鋼板とコンクリートを一体成形した合成床版は、長支間化が可能で高い疲労耐久性を有するため、道路橋や鉄道橋の床版として用いるケースが増えている(例えば、特許文献1参照)。合成床版を道路橋や鉄道橋の床版として用いる場合には、底鋼板が型枠を兼ねるメリットを活かすため、一般に工場製作した鋼板パネルを架設現場に輸送し、現場でコンクリートの打込みを行うようにしている。
特許文献1に記載された合成床版は、底鋼板の上面に樹脂製で中空の埋め殺し用型枠を所定間隔で縦横方向に配列固定し、コンクリート層に埋設している。そして、4つの埋め殺し用型枠で囲まれた中央空間にスタッドを植設して格子状に配列し、更に多数の鉄筋を埋め殺し用型枠の頂部で十字に交差させて配列している。
これにより、合成床版の重量を軽量化して底鋼板とコンクリートの付着性とせん断耐力を高めるとしている。
特開2010−216187号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来の合成床版においては、軽量化のために中空で樹脂製の埋め殺し用型枠をコンクリートに埋設するため床版の剛性が小さくなり、剛性と重量とはトレードオフの関係になる。そのため、合成床版の軽量化を進めると、それに比例して剛性が小さくなるという問題がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、剛性と軽量化を共に確保できるようにした合成床版を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、本発明による合成床版は、底鋼板の一方の面にコンクリートが打設され、底鋼板とコンクリートが一体成形されてなる合成床版において、底鋼板の一方の面に固着された管状部材と、底鋼板の一方の面に設置された埋設型枠と、がコンクリートに埋設されており、前記埋設型枠は、平面視において前記管状部材の間に配設されていてコンクリートに接する端部が凸部形状または凹部形状に湾曲して形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、合成床版のコンクリート打設部の剛性への寄与が小さい箇所に管状部材と埋設型枠を設置してコンクリートに埋設する構成を採用したため、コンクリートを削減できて軽量化と剛性向上の両方を達成できる。しかも合成床版の構成が簡単で製造時の組立が容易である。埋設型枠は管状部材より軽量であることが好ましい。
また、軽量な埋設型枠の端部は凸部形状または凹部形状を有しているために、コンクリートの応力集中を避けることができる。
また、埋設型枠は発泡性樹脂部材であることが好ましい。
埋設型枠を発泡性樹脂部材で形成することで、合成床版がより軽量になり加工が容易である上に施工性が向上する。
また、管状部材は底鋼板の一端側から他端側に延びていると共に、埋設型枠は管状部材の間で長手方向中央部に設置されていることが好ましい。
合成床版は中央領域がコンクリート打設部の剛性への寄与が小さい領域であるため、埋設型枠を配置して軽量化しても剛性を確保できる。
本発明に係る合成床版によれば、底鋼板の一方の面に管状部材と埋設型枠を設置してコンクリート中に埋設したためコンクリートの量を削減でき、管状部材によって剛性向上と軽量化を実現できると共に埋設型枠によって軽量化を一層増大できる。そのため、剛性と軽量化を共に達成できる。
しかも、合成床版の軽量化によって施工性を向上できて部材を大型化できる上に、構成が簡単であるため製造を容易にして製造コストを低減することできる。
本発明の第一実施形態による合成床版の斜視図である。 図1に示す合成床版のA−A線水平断面図である。 図2における合成床版の発泡スチロールを示すもので、(a)は平面図、(b)は同図(a)のB−B線断面図である。 第二実施形態による合成床版の図2と同様な水平断面図である。 図4における合成床版の発泡スチロールを示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態による合成床版を添付図面により説明する。
本発明の第一実施形態による合成床版1を図1乃至図3に基づいて説明する。本第一実施形態による合成床版1は例えば道路橋や鉄道橋等に用いられる合成床版を示すものである。図1及び図2に示すように、本実施形態による合成床版1は、底鋼板2を型枠の底面とし、その一方の面である内面2aにコンクリート3を打設充填し、底鋼板2とコンクリート3を一体成形して構成されている。底鋼板2の四辺の側面には型枠の側面が形成されているが、図では省略されている。
本実施形態による合成床版1は、底鋼板2の内面2aに後述する角鋼管4と埋設型枠7を交互に配列してその周囲の隙間をコンクリート3で埋設すると共に、その上面をコンクリート3の層で被覆して一体形成されている。また、必要に応じて角鋼管4と埋設型枠7の上側に圧縮側となる鉄筋を配置する。
図2に示す合成床版1の水平断面図において、底鋼板2のコンクリート3を打設する側の内面2aに、例えば管状部材として断面略四角形筒状をなす中空の角鋼管4を一方向、例えば底鋼板2の長手方向に所定間隔で略平行に配列した。引張側の鋼材を底鋼板2に配列した角鋼管4は中空構造体5の一部を構成している。
また、角鋼管4を底鋼板2の内面2aに溶接することで、底鋼板2及び角鋼管4の一体構造部の剛性が所望の剛性に高められている。
図2において、底鋼板2の内面2a上で隣り合う2本の角鋼管4の間には、例えば発泡スチロール(発泡性樹脂部材)からなる埋設型枠7が設置されている。この埋設型枠7は、図3(a)、(b)に示すように発泡スチロールの中実構造または中空構造であり、軽量である。埋設型枠7は短手方向の長さが隣り合う2本の角鋼管4の間の長さであり、長手方向の長さは底鋼板2及び角鋼管4の長さより短い。埋設型枠7は角鋼管4の長手方向中央領域に設置されている。埋設型枠7は隣り合う角鋼管4の間に嵌合されていてもよいし、接着剤等で底鋼板2に接着されていてもよい。
埋設型枠7の長手方向の対向する端部7aは適宜の形状に形成可能であるが、図2及び図3に示す例では、互いに近接する方向に凹曲面形状に切り欠いて湾曲形成された凹部7bを有している。凹部7bの両側に先端側が湾曲した一対の脚部7cが形成されている。埋設型枠7の長手方向の両側端部7aは凹曲面状の凹部7bによってコンクリート3に当接しているため、コンクリート3の応力集中を避けることができ、軽量でありながらその端面形状を維持できる。
底鋼板2の内面2aにおいて、埋設型枠7の両側端部7aにおける一対の脚部7c間の凹部7bにコンクリート3のずれ止め用の板状のスタッド9が起立している。このスタッド9は埋設型枠の脚部7cに係合していてもよい。
底鋼板2の内面2a上で、複数の埋設型枠7と角鋼管4との間にはコンクリート3が打設充填されてコンクリート3の層を形成している。合成床版1の長手方向に沿う端部はコンクリート3で端面が形成され、短手方向に沿う端部は角鋼管4の端部とコンクリート3で端面が形成されている。角鋼管4及び埋設型枠7の上面にもコンクリート3の層が形成され、その内部に圧縮側となる鉄筋が配置されている。これによって、本実施形態による合成床版1が構成されている。合成床版1に埋設された角鋼管4と埋設型枠7はコンクリート3を充填しない領域である中空構造体5を構成する。
次に、第一実施形態による合成床版1の試験例について説明する。
従来技術である、底鋼板2上にコンクリート3と鉄筋のみを配設した既存のRC床版を比較例として用い、本第一実施形態による合成床版1を実施例とした。比較例と実施例を同一寸法に形成したものを用いて、FEM(有限要素法)解析によって各床版の中央でのたわみ量を解析した。解析の条件として、境界条件は単純梁と同等とし、荷重は各床版表面に100kN/mを作用させた。
重量とたわみ量について解析結果を示すと下記の表1ようになった。表1の結果から実施例の方が比較例よりも軽量であり、しかもたわみ量が小さく高剛性であるという結果が得られた。
Figure 0006969903
上述のように本実施形態による合成床版1によれば、中空構造体5とした複数の角鋼管4及び埋設型枠7の分だけコンクリート3の体積が減少するため、従来技術の合成床版やRC床版と比較して軽量化と剛性を向上できる。しかも、軽量の発泡スチロールからなる埋設型枠7は合成床版1の中央領域にのみ設置されているために、従来技術の合成床版や既存のPC床版と比較して軽量でありながら撓み量を小さくすることができて高い剛性を確保できる。
特に、埋設型枠7は発泡スチロール製であるから、軽量である上に成形が容易である。また、埋設型枠7は長手方向の両側端部7aの端面形状を凹部7bと円弧状の脚部7cとで湾曲形成したため、コンクリート3による応力集中を避けることができる。
さらに、底鋼板2に複数の角鋼管4が固着されていることで底鋼板2側の剛性が高まり、平板に比べて鋼板の厚さを薄くすることができる。この点からも合成床版1の軽量化を図ることができる。
しかも、本実施形態による合成床版1は、剛性向上と軽量化を実現できるため施工性が向上し且つ大型化できると共に、構成が簡単で施工工数が少なく製造工程を減少させることができて製造コストを低減できる。
なお、本発明による合成床版1は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や置換等が可能である。以下に本発明の他の実施形態や変形例について上述した実施形態と同一または同様な部分、部材には同一の符号を用いて説明する。
次に本発明の第二実施形態による合成床版11について図4及び図5に基づいて説明する。
本第二実施形態による合成床版11においても、底鋼板2上に所定間隔で角鋼管4を配列し、角鋼管4の間に埋設型枠12を配列して中空構造体5とし、その両側と上面にコンクリート3を充填して一体形成したものである。
本第二実施形態による合成床版11では、底鋼板2上に固定する角鋼管4の配置間隔を例えば第一実施形態より短く設定した。そして、角鋼管4の間に設置する埋設型枠12の長手方向両側端部12aに凸部12bを形成した。これによって、埋設型枠12の両側端部12aが凸部12bで、これに当接するコンクリート3の面が凹部の当接面形状を有している。これによって、コンクリート3の応力集中を避けることができる。なお、埋設型枠12の凸部12bの両側部にコンクリートずれ止め用のスタッド9を設置してもよい。
上述した各実施形態では、管状部材として角鋼管4を用いたが円筒状の鋼管でもよく、鋼管の断面形状は任意である。
また、上述した各実施形態の合成床版1、11において、コンクリート3として繊維補強コンクリートを用いてもよい。この場合には、繊維補強コンクリートを用いることで、床版厚さをより薄くすることができる。よって、合成床版1、11の一層の軽量化を実現することが可能になる。
また、角鋼管4で挟まれた埋設型枠7,12の端部7a,12aの端面形状は凹部7bや凸部12bの曲面形状に限定されるものではなく、適宜の形状を採用できる。
さらに、床版厚さが薄い場合には圧縮側の鉄筋を省略することも可能である。
上述した各実施形態では、埋設型枠7,12として発泡スチロール等の発泡性樹脂部材で形成したが、コンクリート3や角鋼管4や底鋼板2等の鋼材より軽量でコンクリート打設時に変形しなければ材質は問わない。例えば合成樹脂製の中空枠体等で形成してもよい。
1、11 合成床版
2 底鋼板
3 コンクリート(繊維補強コンクリート)
4 角鋼管
5 中空構造体
7、12 埋設型枠
7b 凹部
9 スタッド
12b 凸部

Claims (3)

  1. 底鋼板の一方の面にコンクリートが打設され、前記底鋼板と前記コンクリートが一体成形されてなる合成床版において、
    前記底鋼板の一方の面に固着された管状部材と、
    前記底鋼板の一方の面に設置された埋設型枠と、
    が前記コンクリートに埋設されており、
    前記埋設型枠は、平面視において前記管状部材の間に配設されていてコンクリートに接する端部が凸部形状または凹部形状に湾曲して形成されていることを特徴とする合成床版。
  2. 請求項1に記載された合成床版において、
    前記埋設型枠は発泡性樹脂部材であることを特徴とする合成床版。
  3. 請求項1または請求項2に記載された合成床版において、
    前記管状部材は前記底鋼板の一端側から他端側に延びていると共に、前記埋設型枠は前記管状部材の間で長手方向中央部に設置されていることを特徴とする合成床版。
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