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JP6970542B2 - 撥水撥油性膜形成用塗布組成物及び撥水撥油性膜 - Google Patents
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JP6970542B2 - 撥水撥油性膜形成用塗布組成物及び撥水撥油性膜 - Google Patents

撥水撥油性膜形成用塗布組成物及び撥水撥油性膜 Download PDF

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Description

本発明は、撥水性、撥油性を発現可能なフッ素を含まない撥水撥油性膜形成用塗布組成物及び撥水撥油性膜に関する。
これまで撥水性、撥油性を発現するために、フルオロアルキル基のようなフッ素を含む官能基の導入が一般に行われている。特許文献1によれば、フルオロアルキル基を含むシルセスキオキサンが撥水撥油性に優れた表面処理剤として有効あることが開示されている。また、特許文献2によれば、ペンタフルオロスルファニル基を有する重合性化合物が撥水撥油性を付与できる化合物として開示されている。
フッ素を含まない撥水撥油性の検討も行われており、例えば、特許文献3によれば、オクタデシル基のような長鎖炭化水素を導入する事で撥水撥油性が付与できることが開示されている。
さらに、本発明者らは、フッ素を含まない撥水撥油膜に関して特許文献4の特許出願をし、フッ素を含まない撥水撥油性膜形成用塗布組成物に関して特許文献5の特許出願をしている。
特開2012−1724号公報. 特開2010−222279号公報 特開2011−148718号公報 特開2015−44983号公報 特開2016−30763号公報
撥水性、撥油性の発現にフッ素を含む官能基の適用が最も有効であるが、フッ素を含む撥水撥油膜の分解、廃棄における環境へのフッ素の拡散が問題となっており、フッ素を含まない撥水撥油材料の開発が求められている。
本発明者らは、特許文献4及び特許文献5に係る撥水撥油材料の特許出願をしているが、より高性能の撥水撥油材料、特に、高い撥油性能を発揮する撥水撥油材料が求められている。
本発明の撥水撥油材料は、環境汚染の一因となるフッ素原子を含まずに優れた撥水性、撥油性を発現することが可能な撥水撥油材料であって、以下の特徴を有する撥水撥油材料である。
〔1〕 複数のイソシアネート基を有する化合物、イソシアネート基と反応する複数の官能基を有する変性シリコーン化合物、ポリエチレングリコール及び架橋剤を含むことを特徴とする撥水撥油性膜形成用塗布組成物。
〔2〕 前記変性シリコーン化合物が、両末端水酸基変性シリコーン化合物を主成分とし、さらに両末端アミン変性シリコーン化合物を含むことを特徴とする前記〔1〕に記載の撥水撥油性膜形成用塗布組成物。
〔3〕 前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の撥水撥油性膜形成用塗布組成物の硬化物であって、親水性ドメインが撥水性ドメインの最表面に分散して存在して形成されたことを特徴とする撥水撥油性膜。
本発明で得られるフッ素を含まない撥水撥油材料は、フッ素を含まないことにより環境負荷が非常に小さな材料となる。また、従来得ることのできなかった撥水撥油性を向上すること、特に高い撥水性能を維持してより高い撥油性能を実現することができた。
本発明の撥水撥油性膜形成用塗布組成物は、複数のイソシアネート基を有する化合物、イソシナネート基と反応する複数の官能基を有する変性シリコーン化合物、ポリエチレングリコール及び架橋剤を含むことを特徴とする。
複数のイソシアネート基を有する化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、変性ジフェニルメタンジイソシアネート(変性MDI)、水添化キシリレンジイソシアネート(H−XDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHMDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(m−TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)等が挙げられる。これらのイソシアネート化合物は単独、もしくは二種類以上組み合わせて使用しても良く、アダクト体,ビュレット体,イソシアヌレート体のプレポリマーとして使用してもよい。
イソシアネート基と反応する複数の官能基を有する変性シリコーン化合物としては、官能基はシリコーンの直鎖の末端又は側鎖の末端に複数官能基を有する者であれば良いが、好ましくは両末端水酸基変性シリコーン化合物及び両末端アミン変性シリコーン化合物を挙げることができる。
ポリエチレングリコールは、各種分子量の市販のポリエチレングリコールを用いることができる。その中でも、平均分子量が200〜4000程度のポリエチレングリコールを用いることが好ましい。
架橋剤は、前記イソシアネート基を有する化合物、前記変性シリコーン化合物及びポリエチレングリコールと反応する基を有する化合物であれば良いが、特に、エポキシ基を有する化合物であることが好ましい。
本発明の撥水撥油性膜形成用塗布組成物は、撥水撥油性膜を形成するために組成物中に前記イソシアネート基を有する化合物、前記変性シリコーン化合物、前記ポリエチレングリコール及び前記架橋剤を含んでいるが、前記イソシアネート基を有する化合物が、前記変性シリコーン化合物、前記ポリエチレングリコール及び前記架橋剤とそれぞれ反応し、前記架橋剤が、前記変性シリコーン化合物及び前記ポリエチレングリコールと反応する。
撥水撥油性膜形成用塗布組成物を構成する各成分の割合は、以下のようになるよう混合するのが好ましい。
前記イソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基(−NCO)に対する前記変性シリコーン化合物と前記ポリエチレングリコールの水酸基(−OH)とアミノ基(−NH)総量が、当量比で{(−OH)+(−NH)}/(−NCO)=2〜20になるように、好ましくは、2〜11になるようにし、かつ、前記変性シリコーン化合物が前記変性シリコーン化合物と前記ポリエチレングリコールの合計に対して、重量%で2〜10%の範囲になるようにして配合するのが好ましい。
そして、架橋剤は、複数のイソシアネート基を有する化合物、イソシアネート基と反応する複数の官能基を有する変性シリコーン化合物、ポリエチレングリコール及び架橋剤の合計重量の3〜15重量%、好ましくは4〜10重量%の割合で加える。
更には、本発明の撥水撥油性膜形成用塗布組成物には、撥水撥油性膜形成用塗布組成物中の化合物の反応を促進するための硬化触媒や反応開始剤を添加しても良い。
硬化触媒としては、公知の硬化触媒を広く用いることができ、特に制限はないが、例えば、有機金属化合物や第3級アミン類が挙げられ、特に有機錫系触媒、有機チタン系触媒、有機ジルコニウム化合物系触媒を用いることが好ましい。前記有機金属化合物としては、スタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナスジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジラウレート、オクチル酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクチル酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。これらを1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。硬化触媒の使用量は特に限定される訳ではないが、前記イソシアネート基を有する化合物の質量100質量部に対して0.01〜3質量部であることが好ましい。
前記反応開始剤としては、カチオン重合開始剤及びラジカル重合開始剤から選択されるが、カチオン重合開始剤を用いることが好ましい。前記カチオン重合開始剤としては、公知のカチオン重合開始剤を広く用いることができる。
前記反応開始剤の使用量は特に限定される訳ではないが、前記架橋剤の質量100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましい。
市販のカチオン開始剤の例としては、例えば、アデカオプトンCP77」、「アデカオプトンCP66」(以上、(株)ADEKA製)、「CI−2639」、「CI−2624」(以上、日本曹達(株)製)、「サンエイドSI−45」「サンエイドSI−60L」、「サンエイドSI−80L」、「サンエイドSI−100L」(以上、三新化学工業(株)製)、イルガキュア250(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)等が挙げられる。これらを1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の撥水撥油性膜形成用塗布組成物が液体である場合は、そのままあるいは溶媒で希釈することにより撥水撥油性膜形成用塗布液(以下適宜「本発明の塗布液」という。)として用いることができる。
本発明の撥水撥油性膜形成用塗布組成物が、個体あるいは粘性の高い液体である場合は、溶媒に溶かして撥水撥油性膜形成用塗布液として用いることができる。本発明の撥水撥油性膜形成用塗布組成物の溶液の濃度は、撥水撥油性膜の薄膜を作製する場合、1wt%〜90wt%程度であることが望ましい。
前記溶媒としては、アセトン、クロロホルム、エタノール、イソプロパノール、メタノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、水、ベンゼン、ベンジルアルコール、1,4−ジオキサン、プロパノール、四塩化炭素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、フェノール、ピリジン、トリクロロエタン、酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、アセトニトリル、N−メチルモルホリン−N−オキシド、ブチレンカーボネート、1,4−ブチロラクトン、ジエチルカーボネート、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジオキソラン、エチルメチルカーボネート、メチルホルマート、3−メチルオキサゾリジン−2−オン、メチルプロピオネート、2−メチルテトラヒドロフラン、スルホランを用いることができる。
本発明の塗布液は、前記撥水撥油性膜形成用塗布組成物を混合し、場合によっては溶媒に溶かした後、撹拌して得られる。撹拌は、室温によっても行うことができるが、長時間を要するので、40℃から80℃に加温して行うことが好ましい。
撹拌時間としては、温度および組成物の組み合わせによって異なるが、通常、40〜60℃に加温した場合は、1時間以上24時間程度である。好ましくは、3時間から24時間である。時間が短いと後述する親水性ドメインと撥水性マトリックスのドメインマトリックス形成が不十分のため撥水撥油効果が十分に得られない。また、時間が長すぎてもドメインマトリックス形状が大きくなり過ぎ撥水撥油効果のある親水性ドメインと撥水性マトリックスの相分離構造が得られない。
本発明の撥水撥油性膜は、本発明の塗布液を基板上に塗布することにより、前述の化合物群が自己組織化により、親水性ドメインと撥水性ドメインの相に分散して形成される。
自己組織化とは、比較的小さな分子が自然に集まって高次構造を構築するものである。例えば、結晶やミセル、単分子膜、メソポーラス構造化等が挙げられる。本発明の自己組織化で形成される相は、親水性ドメインと撥水性ドメインである。
本発明では、本発明の塗布液を基板上に塗布することにより、極性の違いにより相分離構造を形成するものである。この時、塗布液中の化合物を硬化処理をすることにより撥水撥油性膜を形成させることができる。
すなわち、本発明の撥水撥油性膜は、前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の撥水撥油性膜形成用塗布組成物の硬化物であって、親水性ドメインが撥水性ドメインの最表面に分散して存在して形成されたことを特徴とする。
本発明の撥水撥油性膜は、フッ素含有官能基を含まないものであり、親水性ドメインが撥水性ドメイン中分散して存在する構造により、単一物質のみで達成可能な撥油特性を超える撥水撥油性を発現するものである。
本発明の撥水撥油性膜は、親水性ドメインが撥水性ドメイン中に分散する構成が最表面に形成されることでその特性が発現される。更には、最表面の親水性、撥水性の構成比率や形状が後述の形態を満足するのが好ましい。
すなわち、本発明の撥水撥油性膜は、膜表面における親水ドメイン面積が20から70%が好ましい。20%に満たない場合は目的とする撥油性を得ることが出来ない。70%を超える場合、親水性が高くなり目的とする撥水性を発現する事が出来ない。好ましくは、30から60%である。
本発明での親水性ドメインと撥水性ドメインの面積は、走査型プローブ顕微鏡の位相モードによる測定により得られデータの位相の異なる状態により測定する。(位相差が小さい状態が撥水、位相差が大きい状態が親水)。すなわち、位相の異なる状態をイメージングした後、親水性ドメイン面積比率は、異なる位相像の面積比率により算出することができる。
本発明の親水性ドメインの形状は特に限定されない。親水性ドメインの形状は、相分離による自己組織化により形成され、粒子状(球状、楕円球状及びその変形した形状)、繊維状等の形状をとる。親水性ドメインのサイズは5から100nmである事が好ましい。5nmに満たない場合は目的とする撥油性を得ることが出来ない。100nmを超える場合、親水性が高くなり目的とする撥水性を発現する事が出来ない。好ましくは、8から50nmである。
親水性ドメインとしては、極性を有し表面自由エネルギーを大きくする効果を有する親水性の極性を有する基及び反応により極性基が結合したものが集まったものである。極性を有する基としては、例えば、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アミノ基、(メタ)アクロイル基、エポキシ基、チオール基、カルボキシル基、酸無水物変性基、シアノ基が挙げられ、反応により極性基が結合したものとしては、例えば、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、ペプチド結合、エーテル結合、エステル結合、スルフィド結合、チオエステル結合等が挙げられる。
撥水性ドメインとしては、極性が低く表面自由エネルギーを小さくする効果を有する非極性基及び反応により非極性基が結合したものが集まったものである。非極性基を有する基としては、例えば、ビニル基、脂肪族炭化水素基(アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルケニレン基、アルコキシ基、アダマンチル基)、芳香族炭化水素基(アリール基、アラルキル基、アリーレン基)が挙げられ、反応により非極性基が結合したものとしては、炭素−ケイ素結合、シロキサン結合、アルカン、シクロアルカン等が挙げられる。
これらは、単独、もしくは二種類以上組み合わせでドメインを形成する。
本発明の撥水撥油性膜は、撥水性ドメインに親水性ドメインを分散させてあることを特徴とし、撥水性組成物に対して親水性組成物を後記する割合で混合することによって生産することが可能である。親水性組成物の混合割合は、撥水性組成物に対して50%以下であればよいが、少なくとも撥水撥油性膜の表面において親水性ドメインの面積が2%以上になるように混合する必要がある。
本発明の塗布液は、従来既知の方法により被処理物に塗布することができる。本発明の塗布液をそのまま基材へ浸漬塗布、スプレー塗布、泡塗布などのような既知の方法により塗布させても良いし、塗布した後加熱や紫外線照射等により硬化固定化しても良い。又は、撥水撥油性膜形成用塗布組成物を有機溶剤または水に分散して希釈して塗布液とした後、既知の方法により基材の表面に塗布後、乾燥させ、加熱や紫外線照射等により硬化固定化させても良い。好ましくは、本発明の塗布液に適当な架橋剤を加えて混合してから既知の方法により基材の表面に塗布後、硬化固化を行うのがよい。
本発明の撥水撥油性膜形成用塗布液に架橋剤を加えて架橋することにより、3次元網目構造が構築され機械的特性や耐熱性が向上する。さらに、本発明の撥水撥油性膜形成用塗布液に他の紫外線吸収剤、熱戦吸収材、抗菌剤、帯電防止剤、塗料定着剤、などの機能性成分や着色のための顔料、染料を添加して併用することも可能である。
本発明の実施例について具体的に説明するが、実施例が本発明を限定するものではない。(「部」は「重量部」を意味し、「%」は「重量%」を意味する。)
〈熱硬化性組成物溶液の調整〉
〔実施例1〕
イソシアネート化合物100部(D−101:三井化学ポリウレタン製)と両末端水酸基変性ポリシロキサン12部(1,3−Bis(4−hydroxybutyl)tetramethyldisiloxane:東京化成工業製)と両末端アミン変性ポリシロキサン0.4部(KF−8010:信越化学工業製)を混合する。ついで硬化触媒:4価のスズ化合物0.8部(No.918:三共有機合成製)と架橋成分:ノボラック樹脂26部(YDCN−700−2:東都化成製)、熱開始剤0.8部(サンエイドSI−60L:三新化学工業製)を混合し、後で加えるポリエチレングリコールを含む溶質の合計が20%になるようTHF溶液に溶解し、50℃で3時間撹拌した。その後、ポリエチレングリコール(PEG#400:ナカライテスク製)を237部加え熱硬化性組成物溶液とした。
この溶解液は、イソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基(−NCO)に対する変性シリコーン化合物とポリエチレングリコールの水酸基(−OH)とアミノ基(−NH2)総量が、当量比[{(−OH)+(−NH2)}/(−NCO)]で約4当量に相当する。
〔実施例2〕
イソシアネート化合物100部(D−101:三井化学ポリウレタン製)と両末端水酸基変性ポリシロキサン19部(1,3−Bis(4−hydroxybutyl)tetramethyldisiloxane:東京化成工業製)と両末端アミン変性ポリシロキサン0.6部(KF−8010:信越化学工業製)を混合する。ついで硬化触媒:4価のスズ化合物0.8部(No.918:三共有機合成製)と架橋成分:ノボラック樹脂35部(YDCN−700−2:東都化成製)、熱開始剤1.1部(サンエイドSI−60L:三新化学工業製)を混合し、後で加えるポリエチレングリコールを含む溶質の合計が20%になるようTHF溶液に溶解し、50℃で3時間撹拌した。その後、ポリエチレングリコール(PEG#400:ナカライテスク製)を356部加え熱硬化性組成物溶液とした。
この溶解液は、イソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基(−NCO)に対する変性シリコーン化合物とポリエチレングリコールの水酸基(−OH)とアミノ基(−NH2)総量が、当量比[{(−OH)+(−NH2)}/(−NCO)]で約6当量に相当する。
〔実施例3〕
イソシアネート化合物100部(D−101:三井化学ポリウレタン製)と両末端水酸基変性ポリシロキサン31部(1,3−Bis(4−hydroxybutyl)tetramethyldisiloxane:東京化成工業製)と両末端アミン変性ポリシロキサン0.9部(KF−8010:信越化学工業製)を混合する。ついで硬化触媒:4価のスズ化合物0.8部(No.918:三共有機合成製)と架橋成分:ノボラック樹脂55部(YDCN−700−2:東都化成製)、熱開始剤1.7部(サンエイドSI−60L:三新化学工業製)を混合し、20%になるようTHF溶液に溶解し、50℃で24時間撹拌した。その後、ポリエチレングリコール(PEG#400:ナカライテスク製)を593部加え熱硬化性組成物溶液とした。
この溶解液は、イソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基(−NCO)に対する変性シリコーン化合物とポリエチレングリコールの水酸基(−OH)とアミノ基(−NH2)総量が、当量比[{(−OH)+(−NH2)}/(−NCO)]で約10当量に相当する。
〔実施例4〕
イソシアネート化合物100部(D−101:三井化学ポリウレタン製)と両末端水酸基変性ポリシロキサン37部(1,3−Bis(4−hydroxybutyl)tetramethyldisiloxane:東京化成工業製)と両末端アミン変性ポリシロキサン1.1部(KF−8010:信越化学工業製)を混合する。ついで硬化触媒:4価のスズ化合物0.8部(No.918:三共有機合成製)と架橋成分:ノボラック樹脂35部(YDCN−700−2:東都化成製)、熱開始剤1.1部(サンエイドSI−60L:三新化学工業製)を混合し、後で加えるポリエチレングリコールを含む溶質の合計が20%になるようTHF溶液に溶解し、50℃で5時間撹拌した。その後、ポリエチレングリコール(PEG#400:ナカライテスク製)を330部加え熱硬化性組成物溶液とした。
この溶解液は、イソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基(−NCO)に対する変性シリコーン化合物とポリエチレングリコールの水酸基(−OH)とアミノ基(−NH2)総量が、当量比[{(−OH)+(−NH2)}/(−NCO)]で約6当量に相当する。
〔実施例5〕
イソシアネート化合物100部(D−101:三井化学ポリウレタン製)と両末端水酸基変性ポリシロキサン8部(1,3−Bis(4−hydroxybutyl)tetramethyldisiloxane:東京化成工業製)と両末端アミン変性ポリシロキサン0.2部(KF−8010:信越化学工業製)を混合する。ついで硬化触媒:4価のスズ化合物0.8部(No.918:三共有機合成製)と架橋成分:ノボラック樹脂36部(YDCN−700−2:東都化成製)、熱開始剤1.1部(サンエイドSI−60L:三新化学工業製)を混合し、後で加えるポリエチレングリコールを含む溶質の合計が20%になるようTHF溶液に溶解し、50℃で5時間撹拌した。その後、ポリエチレングリコール(PEG#400:ナカライテスク製)を372部加え熱硬化性組成物溶液とした。
この溶解液は、イソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基(−NCO)に対する変性シリコーン化合物とポリエチレングリコールの水酸基(−OH)とアミノ基(−NH2)総量が、当量比[{(−OH)+(−NH2)}/(−NCO)]で約6当量に相当する。
〔実施例6〕
イソシアネート化合物100部(D−101:三井化学ポリウレタン製)と両末端水酸基変性ポリシロキサン61部(1,3−Bis(4−hydroxybutyl)tetramethyldisiloxane:東京化成工業製)と両末端アミン変性ポリシロキサン1.9部(KF−8010:信越化学工業製)を混合する。ついで硬化触媒:4価のスズ化合物0.8部(No.918:三共有機合成製)と架橋成分:ノボラック樹脂54部(YDCN−700−2:東都化成製)、熱開始剤1.6部(サンエイドSI−60L:三新化学工業製)を混合し、後で加えるポリエチレングリコールを含む溶質の合計が20%になるようTHF溶液に溶解し、50℃で5時間撹拌した。その後、ポリエチレングリコール(PEG#400:ナカライテスク製)を550部加え熱硬化性組成物溶液とした。
この溶解液は、イソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基(−NCO)に対する変性シリコーン化合物とポリエチレングリコールの水酸基(−OH)とアミノ基(−NH2)総量が、当量比[{(−OH)+(−NH2)}/(−NCO)]で約10当量に相当する。
〔実施例7〕
イソシアネート化合物100部(D−101:三井化学ポリウレタン製)と両末端水酸基変性ポリシロキサン13部(1,3−Bis(4−hydroxybutyl)tetramethyldisiloxane:東京化成工業製)と両末端アミン変性ポリシロキサン0.4部(KF−8010:信越化学工業製)を混合する。ついで硬化触媒:4価のスズ化合物0.8部(No.918:三共有機合成製)と架橋成分:ノボラック樹脂56部(YDCN−700−2:東都化成製)、熱開始剤1.7部(サンエイドSI−60L:三新化学工業製)を混合し、後で加えるポリエチレングリコールを含む溶質の合計が20%になるようTHF溶液に溶解し、50℃で5時間撹拌した。その後、ポリエチレングリコール(PEG#400:ナカライテスク製)を620部加え熱硬化性組成物溶液とした。
この溶解液は、イソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基(−NCO)に対する変性シリコーン化合物とポリエチレングリコールの水酸基(−OH)とアミノ基(−NH2)総量が、当量比[{(−OH)+(−NH2)}/(−NCO)]で約10当量に相当する。
〔実施例8〕
イソシアネート化合物100部(D−101:三井化学ポリウレタン製)と両末端水酸基変性ポリシロキサン19部(1,3−Bis(4−hydroxybutyl)tetramethyldisiloxane:東京化成工業製)と両末端アミン変性ポリシロキサン0.6部(KF−8010:信越化学工業製)を混合する。ついで硬化触媒:4価のスズ化合物0.8部(No.918:三共有機合成製)と架橋成分:ノボラック樹脂35部(YDCN−700−2:東都化成製)、熱開始剤1.1部(サンエイドSI−60L:三新化学工業製)を混合し、後で加えるポリエチレングリコールを含む溶質の合計が20%になるようTHF溶液に溶解し、50℃で3時間撹拌した。その後、ポリエチレングリコール(PEG#400:ナカライテスク製)を356部加え熱硬化性組成物溶液とした。
この溶解液は、イソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基(−NCO)に対する変性シリコーン化合物とポリエチレングリコールの水酸基(−OH)とアミノ基(−NH2)総量が、当量比[{(−OH)+(−NH2)}/(−NCO)]で約2.7当量に相当する。
〔実施例9〕
イソシアネート化合物100部(D−101:三井化学ポリウレタン製)と両末端水酸基変性ポリシロキサン66部(1,3−Bis(4−hydroxybutyl)tetramethyldisiloxane:東京化成工業製)と両末端アミン変性ポリシロキサン1.98部(KF−8010:信越化学工業製)を混合する。ついで硬化触媒:4価のスズ化合物0.8部(No.918:三共有機合成製)と架橋成分:ノボラック樹脂109部(YDCN−700−2:東都化成製)、熱開始剤3.3部(サンエイドSI−60L:三新化学工業製)を混合し、後で加えるポリエチレングリコールを含む溶質の合計が20%になるようTHF溶液に溶解し、50℃で5時間撹拌した。その後、ポリエチレングリコール(PEG#4000:ナカライテスク製)を1248部加え熱硬化性組成物溶液とした。
この溶解液は、イソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基(−NCO)に対する変性シリコーン化合物とポリエチレングリコールの水酸基(−OH)とアミノ基(−NH2)総量が、当量比[{(−OH)+(−NH2)}/(−NCO)]で約4当量に相当する。
〔比較例1〕
イソシアネート化合物100部(D−101:三井化学ポリウレタン製)と両末端水酸基変性ポリシロキサン49部(1,3−Bis(4−hydroxybutyl)tetramethyldisiloxane:東京化成工業製)と両末端アミン変性ポリシロキサン1.5部(KF−8010:信越化学工業製)を混合する。ついで硬化触媒:4価のスズ化合物0.8部(No.918:三共有機合成製)と架橋成分:ノボラック樹脂10部(YDCN−700−2:東都化成製)、熱開始剤0.3部(サンエイドSI−60L:三新化学工業製)を混合し、後で加えるポリエチレングリコールを含む溶質の合計が20%になるようTHF溶液に溶解し、50℃で4時間撹拌したのち熱硬化性組成物溶液とした。
〈膜状硬化物作製〉
実施例1から8と比較例1で得られた熱硬化性組成物溶液をシリコンウェハ基板上にキャストし、180℃で4時間加熱硬化し、厚さ2μmの透明な膜状硬化物を得た。
〈膜状硬化物の撥水撥油性評価〉
実施例1から8と比較例1で得られた膜状硬化物の接触角を接触角計(協和界面科学株式会社製 Drop Master、解析ソフトウェア FAMAS)により測定した。滴下液は撥油性評価にオレイン酸(OA)とn−ヘキサデカン(HD)、撥水性評価に蒸留水(DW)を用いた。滴下量は2μLで行い、測定液が膜に着滴1秒後の接触角を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006970542
実施例1から3は、OA接触角が100°以上得られた。PEG未添加の比較例1のOA接触角が低い値であったのと比べ、PEGの過剰添加により優れた撥油性を有することが分かる。
実施例4から7でOA接触角が100°以上得られ、親水成分が未添加の比較例1のOA接触角が低いことから、疎水成分に対し親水性成分の比率が多い方が撥油性を有することが分かる。
実施例8では、オレイン酸の接触角が100°以上得られた。PEGの分子量が1000でも400と同様に優れた撥油性を有することが分かる。
また、実施例2と9では、n−ヘキサデカン接触角が49°、59°と比較例1に示された39°に比べ大きな値が得られることが確認された。
以上に示すように、本発明の撥水撥油性膜形成用塗布組成物はこれまでのフッ素フリー材料では到達できなかった撥水性を維持した状態でオレイン酸やn−ヘキサデカンに対する大きな接触角、言い換えれば撥油特性を得る事が可能であった。
本発明のフッ素含まない撥水撥油材料は、透明性、防汚性、撥水撥油性、表面滑り性、耐擦傷性及び耐熱性等の特性を有し、光ファイバーの鞘材、ガラスフィルター用保護膜、太陽電池等の光学材料関係、ガラストップコンロ、IHヒータ用天板、摺動表面処理膜等の耐熱性と耐摩耗性が求められる各用途に好適であるのに加えて、化粧用用途にも好適である。

Claims (2)

  1. 複数のイソシアネート基を有する化合物、イソシアネート基と反応する複数の官能基を有する変性シリコーン化合物、ポリエチレングリコール及び架橋剤を含む撥水撥油性膜形成用塗布組成物であって、
    前記変性シリコーン化合物が、末端水酸基変性シリコーン化合物を主成分とし、さらに両末端アミン変性シリコーン化合物を含み、
    前記イソシアネート基を有する化合物100質量部に対して、前記水酸基変性シリコーン化合物が8〜66質量部、前記両末端アミン変性シリコーン化合物が0.2〜1.98質量部、前記ポリエチレングリコールが237〜1248質量部及び架橋剤が26〜109質量部であることを特徴とする撥水撥油性膜形成用塗布組成物。
  2. 請求項1に記載の撥水撥油性膜形成用塗布組成物の硬化物であって、親水性ドメインが撥水性ドメインの最表面に分散して存在して形成されたことを特徴とする撥水撥油性膜。
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