JP6972899B2 - 酸化亜鉛粒子及びそれを含む樹脂組成物 - Google Patents
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Description
バリスタとしては、Bi2O3、Co2O3、MnO、NiO、Cr2O3、Sb2O3等の金属酸化物を粒子径1μm以下の酸化亜鉛と混合して焼成し、更に粒子同士を焼結させることで得られる、酸化亜鉛が上記添加金属酸化物の絶縁粒界層によって取り囲まれた構造を有する焼結体であるセラミックバリスタが最も一般的であるが、セラミックバリスタは所望の形状に成形することが難しいうえ、焼結による酸化亜鉛のサイズ制御も難しいため、バリスタ特性が不安定なものとなっていた。
また、前記樹脂をポリアセタール樹脂の様な高絶縁性樹脂に置き換え、添加金属酸化物に代わる絶縁層と見なす、つまり、高絶縁性の樹脂に半導体の酸化亜鉛粒子を分散してバリスタ特性を発現する技術が提案されている(特許文献3参照)。
また、フィラー全般への親和性が低い高耐熱性樹脂に対して酸化亜鉛を高充填することは容易ではなく、従来のセラミックバリスタに匹敵するバリスタ特性を得ることが出来ていない。このように、従来のバリスタは性能の面で充分とはいえず、更なる改善の余地があった。
そこで本発明者らは、バリスタ特性を安定化させることができる酸化亜鉛粒子について検討し、酸化亜鉛粒子からなる凝集体、酸化亜鉛粒子と樹脂とが混練された樹脂組成物、又は該樹脂組成物を成形して得られる成形体のいずれかをクロスセクションポリッシャにより切断して断面を走査電子顕微鏡で撮影し、任意に抽出した100個の酸化亜鉛粒子の断面にある0.1μm以上の細孔を数えたとき、断面積100μm2あたりの細孔の平均数が8個未満である酸化亜鉛粒子であれば、樹脂との混練加工や成形加工において粒子が破壊され難く、樹脂に対して高い割合で配合することが可能であることを見出した。そして、このような酸化亜鉛粒子を樹脂に高い割合で配合した組成物とすることで、バリスタ特性や特性の安定性に加え、成形性にも優れたバリスタ材料となることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の酸化亜鉛粒子は、酸化亜鉛粒子からなる凝集体、酸化亜鉛粒子と樹脂とが混練された樹脂組成物、又は該樹脂組成物を成形して得られる成形体のいずれかをクロスセクションポリッシャにより切断して断面を走査電子顕微鏡で撮影し、任意に抽出した100個の酸化亜鉛粒子の断面にある0.1μm以上の細孔を数えたとき、断面積100μm2あたりの細孔の平均数が8個未満であることを特徴とする。
酸化亜鉛粒子と樹脂とを混練したり成形加工する際に酸化亜鉛粒子が割れたり崩れたりすることはバリスタ特性の低下や特性の安定性の低下の原因となるが、このような条件を満たす酸化亜鉛粒子は、樹脂と混練したり成形加工する場合に割れたり崩れたりすることが少ない。このため、本発明では酸化亜鉛粒子を樹脂に高配合することができ、しかもその場合にも粒子の割れや崩れが少ないため、バリスタ特性や特性の安定性、及び成形性に優れた材料を得ることができる。
走査電子顕微鏡で撮影した酸化亜鉛粒子の断面における細孔数の計測は、例えば酸化亜鉛粒子をプレス機などで押し固めて凝集体とした酸化亜鉛粒子に対して行ってもよく、酸化亜鉛粒子と樹脂とが混練された樹脂組成物に対して行ってもよく、樹脂組成物を成形して得られる成形体に対して行ってもよい。
また本発明において、「0.1μm以上の細孔」とは、細孔の外周上の2点間の距離の最大値が0.1μm以上となる細孔を意味する。
なお、本発明において酸化亜鉛粒子は、酸化亜鉛粒子1個を指す場合と酸化亜鉛粒子からなる粉体を指す場合があり、樹脂と混練する材料としての酸化亜鉛粒子という場合には、酸化亜鉛粒子からなる粉体を指す。
上記割合は、より好ましくは、70%以上であり、更に好ましくは、80%以上である。
酸化亜鉛粒子の平均粒子径は、より好ましくは、1〜80μmであり、更に好ましくは、5〜60μmである。
酸化亜鉛粒子の平均粒子径は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
粒度分布におけるD95/D10は、より好ましくは、3.3未満であり、更に好ましくは、3.1未満であり、特に好ましくは、2.8未満であり、最も好ましくは、2.5未満である。
酸化亜鉛粒子の粒度分布は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
焼却残分は加工時に割れ、崩れが起こった、あるいは起こらなかった、酸化亜鉛粒子と考えられるので、上記値は樹脂との混練及び成形加工後に酸化亜鉛粒子が形状を維持している割合を示す。
上記値が10未満であればよいが、8未満であることが好ましい。より好ましくは、6未満であり、更に好ましくは、4未満である。
本発明の酸化亜鉛粒子の製造方法は特に制限されないが、原料酸化亜鉛と融剤を混合する工程と、該混合物を乾燥して造粒する工程と、その造粒物を焼成する工程とを含む製造方法で製造することが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、樹脂に対して、本発明の酸化亜鉛粒子を70重量%以上の割合で含むことを特徴とする。このような樹脂組成物は、バリスタ特性や特性の安定性、成形加工性に優れることから、プラスチックバリスタの材料として好適に用いることができる。樹脂組成物中の酸化亜鉛粒子の割合は、72重量%以上であることが好ましい。より好ましくは、74重量%以上である。また、成形加工性の観点から、96重量%以下であることが好ましい。より好ましくは、94重量%以下である。
プラスチックバリスタに用いる樹脂の耐熱性が低い場合には、雷サージによる発熱や、高温下に晒される環境によっては樹脂が変質、劣化してしまい、バリスタ特性が失われる恐れがあるところ、融点が200℃以上の熱可塑性樹脂、または熱分解温度が350℃以上の熱硬化性樹脂のいずれかの高耐熱性樹脂を用いることで、このような恐れを低減することが可能となる。
融点が200℃以上の熱可塑性樹脂、または熱分解温度が350℃以上の熱硬化性樹脂のいずれかの高耐熱性樹脂は一般的にフィラー全般に対する親和性が低いためフィラーを高配合することが難しく、酸化亜鉛の配合割合が低い高耐熱性樹脂は電流−電圧特性が直線抵抗特性となり易く、バリスタ特性が発現しない場合がある。しかし本発明の酸化亜鉛粒子は、高耐熱性樹脂に対しても高配合することが可能であるため、バリスタ特性に優れ、かつ、高温環境下で特性を失わないプラスチックバリスタを作製することが可能である。
V9.9mA/V1mAは、2.8以下であることが好ましい。より好ましくは、2.5以下であり、更に好ましくは、2.2以下である。
その他の成分の含有量は、樹脂組成物全体100質量%に対して、1.0質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、0.5質量%以下である。
混練する時間は、5〜60分であることが好ましく、より好ましくは、10〜40分である。
混練速度を回転数で制御する場合は5〜600rpmであることが好ましく、より好ましくは、10〜300rpmである。
混練用の装置としては、加熱機構を備えたバンバリミキサー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、ニーダー、2〜4本ロール、押出機などが挙げられる。
本発明はまた、本発明の樹脂組成物を用いてなるプラスチックバリスタでもある。プラスチックバリスタは、本発明の樹脂組成物を熱プレス成形や射出成形、押出形成、ロール成形、ブロー成形、圧縮成形、シートモールディングコンパウンド成形、バルクモールディングコンパウンド成形、トランスファー成形、真空成形、圧空成形、カレンダー成形、3次元プリンター成形等により成形加工して作製することができる。
上述したとおり、本発明の樹脂組成物は、樹脂に対して本発明の酸化亜鉛粒子を高配合したものであり、本発明の酸化亜鉛粒子はプレス成形時にも粒子の割れや崩れが少ないため、本発明の樹脂組成物を用いてなるプラスチックバリスタはバリスタ特性や安定性、及び、成形性に優れたものとなる。
また成形圧力は、5〜400MPaが好ましく、10〜300MPaがより好ましい。
成形時間は0.1〜30分であることが好ましく、より好ましくは、0.5〜15分である。
硬化させる工程における硬化温度は、樹脂の耐熱性にもよるが、20〜600℃が好ましく、100〜400℃がより好ましい。
また硬化時間は、10〜1200分であることが好ましく、より好ましくは、60〜600分である。
より具体的には、例えば、ポリアミド66樹脂(旭化成ケミカルズ社製レオナ1300S、融点260℃)10重量%と該酸化亜鉛粒子を90重量%からなる樹脂組成物を二軸押出機(混練温度280℃、滞留時間1分)で混練し、プレス機(成形温度280℃、プレス圧25MPa)で熱プレス成形したもの、または、マレイミド樹脂組成物(大和化成工業社製BMI−1100Hと大和化成工業社製DABPAを3対1のモル比で混合したもの。硬化物の熱分解温度440℃)12.5重量%と該酸化亜鉛粒子を87.5重量%からなる樹脂組成物を2本ロール(混練温度140℃)で25分間混練し、混練物をプレス機(加熱なし、25MPa)で成形した後、180℃で2時間、続いて200℃で2時間、続いて230℃で2時間、続いて250℃で2時間熱硬化処理を行ったもの、のいずれかを、大気中500〜900℃で加熱することにより樹脂成分を焼却除去し、焼却残分の粒度分布を測定した時のD50を(b)としたとき(a−b)/a×100より求まる値が10未満であることである。
<電子顕微鏡写真撮影>
酸化亜鉛粒子の外観は、走査電子顕微鏡JSM−6510A(日本電子社製)で観察した。酸化亜鉛粒子の断面は、混練物または成形体をクロスセクションポリッシャ(日本電子社製)により切断し、走査電子顕微鏡JSM−7000F(日本電子社製)で観察した。
<比表面積測定>
比表面積(%)は、全自動BET比表面積測定装置Macsorb Model HM−1200(Mountech社製)により測定した。
<ZnO純度測定>
ZnO純度(%)は、蛍光X線分析装置ZSX PrimusII(理学電機工業社製)により測定した。
<粒度分布、加工変化率測定>
本明細書において、D50、D10、D95は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置マイクロトラックMT−3300 EXII(日機装社製)によって測定した体積換算径の値である。測定時の溶媒として水を用いて測定を行った。
また、加工変化率は以下の様に測定した。
ポリアミド66樹脂(旭化成ケミカルズ社製レオナ1300S、融点260℃)10重量%と酸化亜鉛粒子90重量%からなる樹脂組成物を二軸押出機(混練温度280℃、滞留時間1分)で混練し、プレス機(成形温度280℃、プレス圧25MPa)で熱プレス成形してディスク状の成形体としたもの、または、マレイミド樹脂組成物(大和化成工業社製BMI−1100Hと大和化成工業社製DABPAを3対1のモル比で混合したもの、硬化物の熱分解温度440℃)12.5重量%と酸化亜鉛粒子を87.5重量%からなる樹脂組成物を2本ロール(混練温度140℃)で25分間混練し、混練物をプレス機(加熱なし、25MPa)で成形した後、180℃で2時間、続いて200℃で2時間、続いて230℃で2時間、続いて250℃で2時間熱硬化処理を行いディスク状の成形体にしたもの、のいずれかを試験に用いた。
加工変化率(%)は、樹脂との混練加工前の該酸化亜鉛粒子の粒度分布のD50を(a)とし、前記成形加工によって得られる成形体の樹脂成分を500〜900℃で焼却除去することによって得られる該酸化亜鉛粒子の粒度分布のD50を(b)としたとき、(a−b)/a×100により求められる。ここで、焼却除去の温度が500℃未満であると樹脂が残存する可能性があり、900℃を超えると粒子が融着して変化率が正確に測定出来ない恐れがある。
加工変化率(%)の算出において、加工前後で酸化亜鉛粒子が殆ど変化しなかった場合の粒度分布測定の際、測定ばらつきの影響でaよりもbの値が僅かに大きくなり、加工変化率の値がマイナスとなる場合がある。このときの値が0〜−0.1であれば測定ばらつきの範囲であるため加工変化率は0とする。−0.1を下回る場合は再測定を行う。
<電流−電圧非直線抵抗特性測定>
耐電圧試験器TOS5051A(菊水電子工業社製)によって測定した。なお、実施例、比較例のうち電流−電圧非直線抵抗特性を示すものには〇、非直線抵抗特性を示さず単純な直線抵抗特性となったものは×として表1に記載した。
微細酸化亜鉛(堺化学工業社製、比表面積:10m2/g)10kgを純水にリパルプし、酸化亜鉛濃度が200g/Lとなるスラリーを調製し、続いて酢酸61.5g(酸化亜鉛に対して0.615重量%)、ポイズ532A(花王社製、ポリカルボン酸アンモニウム塩)250g(酸化亜鉛に対し2.5重量%)を添加した。続いて、噴霧乾燥による造粒物を1250℃で3時間焼成することで、粒子径25.79μm、ZnO純度99.5%の酸化亜鉛粒子Aを得た。得られた酸化亜鉛粒子Aの走査電子顕微鏡写真を図1、粒度分布を図2に示した。
得られた上記酸化亜鉛粒子Aをマレイミド樹脂組成物(大和化成工業社製BMI−1100Hと大和化成工業社製DABPAを3対1のモル比で混合したもの、硬化物の熱分解温度440℃)にフィラー充填率87.5重量%(60体積%)となるように計量し、2本ロール(東洋精機製作所社製デスクトップロールミル)で混練温度140℃、混練速度20rpm、混練時間25分で混練し、混練物をプレス機(加熱なし、成形圧力25MPa、成形時間10分)にて成形した。その後、箱型乾燥機にて180℃で2時間、続いて200℃で2時間、続いて230℃で2時間、続いて250℃で2時間熱硬化処理を行うことによってディスク状成形体1(直径20mm×厚み2.5mm)を得た。ディスク状成形体1をクロスセクションポリッシャにより切断した断面の写真を図3に示した。ディスク状成形体1の断面写真から、粒子を100個任意に抽出し、面積100μm2あたりの0.1μm以上の細孔の数を確認したところ、全て8個未満であり、平均は、3.2個であった。
このディスク状成形体1の電流−電圧非直線抵抗特性を以下の方法により測定した。得られた電流−電圧非直線抵抗特性のグラフを図4に示した。またV9.9mA/V1mAは1.18となった。また成形体10個当りのV1mAの平均値に対する変化幅(%)は、−13.8〜13.3となった。
更にディスク状成形体1を800℃で3時間焼成することにより樹脂成分を除去し、残分を走査電子顕微鏡で観察したところ、製造直後の酸化亜鉛粒子Aの形態と変化がなく、加工変化率は0.50%であった。このことから、得られた酸化亜鉛粒子は堅牢、強固な酸化亜鉛粒子であることが確認された。抽出した残分の走査電子顕微鏡写真を図5、粒度分布を図6に示した。酸化亜鉛粒子や酸化亜鉛粒子を含む樹脂組成物の調製条件、成形体の成形条件や各種物性の測定結果等を表1に示した。
実施例1で得られた酸化亜鉛粒子Aをポリアミド66樹脂(旭化成ケミカルズ社製レオナ1300S、融点260℃)にフィラー充填率90.0重量%(65体積%)となるように計量し、二軸押出機(東洋精機製作所社製ラボプラストミル)で混練温度280℃、混練速度40rpm、混練時間1分で混練し、プレス機にて成形温度280℃、成形圧力25MPa、成形時間5分で熱プレス成形してディスク状成形体2(直径22mm×厚み2.5mm)を得た。ディスク状成形体2をクロスセクションポリッシャにより切断した断面の写真から、粒子を100個任意に抽出し、面積100μm2あたりの0.1μm以上の細孔の数を確認したところ、全て8個未満であり、平均は、3.4個であった。
得られたディスク状成形体2について、電流−電圧非直線抵抗特性を測定した。得られた電流−電圧非直線抵抗特性のグラフを図7に示した。またV9.9mA/V1mAは1.75となった。また成形体10個当りのV1mAの平均値に対する変化幅(%)は、−16.7〜16.7となった。
更にディスク状成形体2を800℃で3時間焼成することにより樹脂成分を除去し、残分を走査電子顕微鏡で観察したところ、製造直後の酸化亜鉛粒子Aの形態と変化がなく、加工変化率は1.20%であった。このことから、ディスク状成形体2中においても、酸化亜鉛粒子は堅牢、強固な状態を維持していることが確認された。抽出した残分の走査電子顕微鏡写真を図8、粒度分布を図9に示した。酸化亜鉛粒子や酸化亜鉛粒子を含む樹脂組成物の調製条件、成形体の成形条件や各種物性の測定結果等を表1に示した。
実施例1で得られた酸化亜鉛粒子Aに対し、気流分級機ターボクラシファイアTC−25M(日清エンジニアリング社製)を用いて気流分級することにより、粒子径27.09μm、ZnO純度99.5%の酸化亜鉛粒子Bを得た。得られた酸化亜鉛粒子Bの走査電子顕微鏡写真を図10、粒度分布を図11に示した。得られた上記酸化亜鉛粒子Bを用い、表1記載の成型条件にした以外は実施例1と同様の方法で成型し、表1記載の大きさのディスク状成形体3を得た。得られたディスク状成形体3をクロスセクションポリッシャにより切断した断面の写真を図12に、電流−電圧非直線抵抗特性を測定した結果のグラフを図13に示した。また、実施例1と同様の方法によりディスク状成形体3を焼成して樹脂成分を除去した後の残分の走査電子顕微鏡写真を図14、粒度分布を図15に示した。
得られたディスク状成形体3に対して実施例1と同様の方法で行った測定結果等を表1に示す。
微細酸化亜鉛(堺化学工業社製、比表面積:10m2/g)10kgを純水にリパルプし、酸化亜鉛濃度が600g/Lとなるスラリーを調製し、続いて酢酸61.5g(酸化亜鉛に対して0.615重量%)、ポイズ532A(花王社製、ポリカルボン酸アンモニウム塩)350g(酸化亜鉛に対し3.5重量)%を添加した。続いて、噴霧乾燥による造粒品を1250℃で3時間焼成することで、粒子径41.09μm、ZnO純度99.7%の酸化亜鉛粒子Cを得た。得られた酸化亜鉛粒子Cの走査電子顕微鏡写真を図16、粒度分布を図17に示した。また、得られた酸化亜鉛粒子Cを用い、表1記載の成型条件にした以外は実施例2と同様の方法で成型し、表1記載の大きさのディスク状成形体4を得た。得られたディスク状成形体4をクロスセクションポリッシャにより切断した断面の写真を図18に、電流−電圧非直線抵抗特性を測定した結果のグラフを図19に示した。また、実施例1と同様の方法によりディスク状成形体4を焼成して樹脂成分を除去した後の残分の走査電子顕微鏡写真を図20、粒度分布を図21に示した。
得られたディスク状成形体4に対して実施例2と同様の方法で行った測定結果等を表1に示す。
微細酸化亜鉛(堺化学工業社製、比表面積:10m2/g)10kgを純水にリパルプし、酸化亜鉛濃度が200g/Lとなるスラリーを調製し、続いて酢酸61.5g(酸化亜鉛に対して0.615重量%)、ポイズ532A(花王社製、ポリカルボン酸アンモニウム塩)250g(酸化亜鉛に対し2.5重量%)を添加した。続いて、噴霧乾燥による造粒を行い、1220℃で3時間焼成することで、粒子径23.62μm、ZnO純度99.5%の酸化亜鉛粒子Dを得た。
得られた上記酸化亜鉛粒子Dを用い、表1記載の成型条件にした以外は実施例2と同様の方法で成型し、表1記載の大きさのディスク状成形体5を得た。
得られたディスク状成形体5に対して実施例2と同様の方法で行った測定結果等を表1に示す。
微細酸化亜鉛(堺化学工業社製、比表面積:10m2/g)10kgを純水にリパルプし、酸化亜鉛濃度が200g/Lとなるスラリーを調製し、続いて酢酸61.5g(酸化亜鉛に対して0.615重量%)、ポイズ532A(花王社製、ポリカルボン酸アンモニウム塩)250g(酸化亜鉛に対し2.5重量%)を加えて噴霧乾燥した造粒品を、1100℃で3時間焼成することで、粒子径22.24μm、ZnO純度99.4%の酸化亜鉛粒子Eを得た。得られた酸化亜鉛粒子Eの走査電子顕微鏡写真を図22、粒度分布を図23に示した。
得られた酸化亜鉛粒子Eを280℃の耐熱性を有するポリアミド66樹脂(旭化成ケミカルズ社製レオナ1300S、融点260℃)にフィラー充填率90.0重量%(65体積%)となるように計量し、二軸押出機(東洋精機製作所社製ラボプラストミル)で混練温度280℃、混練速度40rpm、混練時間1分で混練し、プレス機にて成形温度280℃、成形圧力25MPa、成形時間5分で熱プレス成形して比較ディスク状成形体1(直径22mm×厚み2.5mm)を得た。比較ディスク状成形体1をクロスセクションポリッシャにより切断した断面の写真を図24に示した。比較ディスク状成形体1の断面写真から、粒子を100個任意に抽出し、面積100μm2あたりの0.1μm以上の細孔の数を確認したところ、20個であり、細孔の平均数は、24.3個であった。
この比較ディスク状成形体1の電流−電圧非直線抵抗特性を上記と同じ方法により測定したところ、電流−電圧特性は単純な直線抵抗特性を示し、バリスタ特性を得ることが出来なかった。電流−電圧直線抵抗特性を示したグラフを図25に示した。V9.9mA/V1mAは3.40となった。また成形体10個当りのV1mAの平均値に対する変化幅(%)は、−63.0〜66.7となった。
更に比較ディスク状成形体1を800℃で3時間焼成することにより樹脂成分を除去し、残分を走査電子顕微鏡で観察したところ、製造直後の酸化亜鉛粒子Eと比べて酸化亜鉛粒子が割れて崩れている様子が観察され、更に加工変化率は17.22%であった。このことから、酸化亜鉛粒子Eは堅牢、強固な酸化亜鉛粒子となっていないことが確認された。抽出した残分の走査電子顕微鏡写真を図26、粒度分布を図27に示した。酸化亜鉛粒子や酸化亜鉛粒子を含む樹脂組成物の調製条件、成形体の成形条件や各種物性の測定結果等を表1に示した。
微細酸化亜鉛(堺化学工業社製、比表面積:10m2/g)10kgを純水にリパルプし、酸化亜鉛濃度が200g/Lとなるスラリーを調製し、続いて酢酸61.5g(酸化亜鉛に対して0.615重量%)、ポイズ532A(花王社製、ポリカルボン酸アンモニウム塩)250g(酸化亜鉛に対し2.5重量%)加えて噴霧乾燥した造粒品を行い、1200℃で3時間焼成することで、粒子径22.26μm、ZnO純度99.4%の酸化亜鉛粒子Fを得た。得られた酸化亜鉛粒子Fの走査電子顕微鏡写真を図28、粒度分布を図29に示した。
得られた酸化亜鉛粒子Fを用いたこと以外は比較例1と同様にポリアミド66樹脂と混練して得られた混練物をクロスセクションポリッシャにより切断した断面の写真を図30に示した。また、表1記載の成型条件にした以外は比較例1と同様の方法で成型し、表1記載の大きさの比較ディスク状成形体2を得た。得られた比較ディスク状成形体2の電流−電圧非直線抵抗特性を測定したところ、電流−電圧特性は単純な直線抵抗特性を示し、バリスタ特性を得ることが出来なかった。電流−電圧直線抵抗特性を示した結果のグラフを図31に示した。また、比較例1と同様の方法により比較ディスク状成形体2を焼成して樹脂成分を除去した後の残分の走査電子顕微鏡写真を図32、粒度分布を図33に示した。
得られた比較ディスク状成形体2成形体に対して比較例1と同様の方法で行った測定結果等を表1に示す。
一方、比較例1、2より、上記細孔平均数が8個以上となる酸化亜鉛粒子は、堅牢、強固な酸化亜鉛粒子とはならず、樹脂との混練・成形加工の工程において酸化亜鉛粒子が破壊されてしまい、加工変化率も高いものとなった。そしてこのような酸化亜鉛粒子と樹脂との混練・成形加工によって得られた成形体は、良好なバリスタ特性を有するものではないことが確認された。さらに、比較例1の酸化亜鉛粒子を含む樹脂組成物は熱プレス成形時にきれいなディスク状成形体が成形しにくく、一部ひけ(欠け)やボイドがでることが多かった。ポリアミド樹脂に対する酸化亜鉛粒子の分散性が悪く樹脂の流動性が低いことが推測された。
Claims (4)
- 酸化亜鉛粒子からなる凝集体、酸化亜鉛粒子と樹脂とが混練された樹脂組成物、又は該樹脂組成物を成形して得られる成形体のいずれかをクロスセクションポリッシャにより切断して断面を走査電子顕微鏡で撮影し、任意に抽出した100個の酸化亜鉛粒子の断面にある0.1μm以上の細孔を数えたとき、断面積100μm2あたりの細孔の平均数が8個未満であることを特徴とする酸化亜鉛粒子。
- 前記樹脂に対して、請求項1に記載の酸化亜鉛粒子を70重量%以上の割合で含むことを特徴とする樹脂組成物。
- 前記樹脂は、融点が200℃以上の熱可塑性樹脂、または熱分解温度が350℃以上の熱硬化性樹脂のいずれかの高耐熱性樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の樹脂組成物。
- 請求項2又は3に記載の樹脂組成物を用いてなることを特徴とするプラスチックバリスタ。
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