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JP6973780B2 - チーズ削り器 - Google Patents
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本発明は、削り器に関し、特にチーズや鰹節を始めとした魚節、サラミや漢方薬等の削り節製造器に関する。
我が国におけるチーズの歴史は古く、飛鳥時代には既に食されていた。チーズを楽しむ伝統は一時中断したものの、今日では再び様々なチーズが食されるようになっている。近年では諸外国で生産された特徴的なチーズも親しまれており、我が国の食卓に欠かせない食材となっている。
チーズは、原料や加工法によって分類されており、一説によると1000種類以上存在すると言われている。その分類方法はいくつか存在しているが、外観や硬さによって分類する方法が一般的である。超硬質チーズ、硬質チーズといった硬いチーズから、ブルーチーズ等の半硬質チーズ、カマンベールチーズやフレッシュチーズといった軟質チーズなどである。
軟質チーズはそのまま食されることが多いが、硬質チーズや超硬質チーズは非常に硬いため、ナイフで小さく切り取ったり、粉状に加工して食されることが多い。そのための器具として、チーズナイフやチーズおろしなどが開発されている。
ところで、薄くスライスする食物として著名な食品として鰹節がある。鰹節を非常に薄くスライスし、削り花とするための器具の開発も数多くなされており、大量に削り花を製造するための機械も我が国を中心に多数流通している。例えば、特許文献1には、モーターによって回転する刃によって削り節を製造する業務用鰹節削り器が記載されている。
チーズも鰹節も薄くスライスして食するという点では共通している。だが、チーズに対して削り花を連想させるまで薄くスライスしている例はまだない。削り花は我が国において発展してきた食文化であり、チーズの本場である欧米では馴染みが薄いためと考えられる。そこで発明者は、新たな食文化を切り開くべく、業務用鰹節削り器を用いてチーズをスライスすることにより、これまでにない食品であるチーズ削り花を実現しようとの着想を得た。
特開2014−161994号公報
実際にチーズを業務用鰹節削り器にかけてみると、想像以上にやっかいな問題を引き起こすことが判明した。
チーズは、鰹節よりも脂肪分や水分を多く含んでいる。そのため、業務用鰹節削り器内部の様々な箇所に癒着し、容易には剥離できない状態になる。そのまま放置すると、時間とともに腐敗し、悪臭を放つ。何かの拍子に削り花に混入する恐れもあるため、衛生上の理由のみならず削り花の品質を高く保つためにも、定期的な清掃が必須である。
鰹節の切片や粉を削り器内に放置しても、特段の支障はない。水分及び脂肪が極端に少なく、いわば木材のような状態となっているため腐敗が進行しないためである。そのため、業務用削り器は内部を水などで清掃可能な構成になっていない。したがって、内部を水に対して強く設計する必要はなく、モーターなどの電動部品がむき出しであるし、部材も鉄がそのまま用いられる。
だが、癒着したチーズを剥離するのは容易ではない。比較的大きな切片や粉であれば、布巾などで乾拭きをすればある程度は除去することができる。しかし、業務用削り器の部材にこびりついた脂肪分を完全に除去することはできない。様々な手法を検討したが、界面活性剤や洗剤を用いた上で水や湯で洗い流す必要があることがわかった。
そこで本発明では、ステンレスで構成されたチーズ削り器であって、
前記チーズ削り器は、動力室、回転刃室から構成されており、
前記動力室には電気を動力としてモーター回転軸を中心に回転するモーターが備えられており、
前記回転刃室には、円盤軸を中心に回転する1以上の箇所に刃を備えた円盤である回転刃を備え、
上記モーター回転軸と、上記円盤軸は1つの軸で貫かれており、
上記動力室を覆う隔離カバーによって、動力室と回転刃室は分離されていることを特徴とするチーズ削り器を提供する。
本発明のチーズ削り器は、動力室と回転刃室が隔離カバーで分離されているため、回転刃室でスライスされたチーズが動力室に混入する恐れがない。電動部品が存在する動力室が回転刃室と隔離されているため、回転刃室内を水で洗い流すことも可能である。さらにステンレスで構成されているため、水洗いしても錆びる心配がない。
したがって、本発明のチーズ削り器は安定して非常に薄いチーズ、チーズ切り花を提供することが可能となり、これまでにない新たなチーズの食べ方、チーズの食感、濃厚な香りを楽しむことが可能となった。
本発明の機械を示した図
以下、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。
チーズには様々な種類があるが、本発明が対象とするチーズは硬質、または超硬質のチーズである。より具体的には、パルミジャーノ・レッジャーノ、ミモレット、ペコリーノ等のチーズ(以下、「硬質チーズ」という。)である。コンテチーズよりも柔らかいものは対象外である。
図1は、本発明のチーズ削り器1である。チーズ削り器1は、大きく動力室と回転刃室から構成されている。
動力室内には、モーター2が備えられており、外部から供給される電力によって動作する。モーター2は耐水性があればなおよいが、通常のモーターでも差し支えない。
モーター2のトルクは、硬質チーズを削る上で出力が足りないのが通常であり、変速機構が必要であることが多い。チーズ削り器1では、巻掛電動装置を用いており、原動車となるモーター2からベルト3を介して従動車4に動力が伝達される。従動車4と原動車となるモーター2の直径の比率は、硬質チーズを削るのに必要なトルクを勘案して設計すればよい。
従動車4の中央部には伝達軸5が接続されている。伝達軸5は細長い円柱であり、ステンレスなど水に強い金属で構成される。伝達軸5は動力室内から回転刃室まで伸びており、モーター2の動力を回転刃まで伝達する。なお、硬質チーズを削るのに必要なトルクを上回っているモーターを採用した場合は、ベルト3及び従動車4は不要であり、モーター2の回転軸と伝達軸5を直結すればよい。
回転刃室は、回転刃支持円盤6が備え付けられている。回転刃支持円盤6はその中央部に伝達軸5が接続されており、伝達軸5を中心に回転する。回転刃支持円盤6には多数の刃口が一定の間隔で備えられている。羽口は円盤の一面から他面まで貫通した穴であり、削刀7を取り付けるための器具、例えばネジ穴などを備えている。回転刃支持円盤6あたり4から12程度備えていることが望ましい。
刃口に削刃7の刃先がどの程度回転刃支持円盤6からのぞかせるかによって、硬質チーズをどの程度の薄さで削るかが決定される。そのため、刃口を複数種類構成し、必要に応じて削刀7の角度を簡易に変更可能とすることや、ネジなどで刃口の角度を調整可能とする機構を備えてもよい。以下、回転刃支持円盤6の削刀7が顔をのぞかしている側を表面、逆側を裏面と呼ぶ。
回転刃支持円盤6の表面近傍にはシューター8が設置されている。シューター8はチーズを誘導するための斜路である。シューター8には、硬質チーズを回転刃支持円盤6へ押し付ける機構を内蔵させると、回転する削刀7による負傷の危険なく最後までチーズを削ることができるため便利である。どのような構成であってもチーズ削り器1に採用可能であるが、例えば押し当て板をバネの反発する力によって常に回転刃支持円盤6側へテンションがかかる状態とすればよい。
回転刃室の下方には、受け皿9が設置されている。受け皿9は箱であるが、回転刃支持円盤の表側の直下にある領域に図示しない粉受け室10が備えてられている二重箱となっている。硬質チーズを回転刃支持円盤6の表側にあてて削刃7によって削り出される際に、チーズ削り花8となったものは削刃7と羽口の間の空間を経由して回転刃支持円盤6の裏側へ到達し、そこから下方へ重力によって落下していくのに対し、その際に一定発生する削りカスとでもいうべき硬質チーズの粉が回転刃支持円盤6の表側に発生する。この粉も重力によって下方に落下していくが、粉受け室10は、それらの粉を収集するための機構である
回転刃室の受け皿9の少し上方には、回転刃室の四方の側面から中央部にむかって図視しない斜壁11が設けられている。斜壁11は、受け皿9と回転刃室の側面の間にある隙間に硬質チーズが入り込むことがないための傘として機能する。
以上の回転刃室内の構造は、すべて水に強い材質で作られている。好ましくはステンレスや樹脂である。剛性が求められる回転刃支持円盤6や削羽7はステンレス、受け皿10は樹脂で作るなど複数の材質が混在していてもよい。
動力室は、隔離カバー12によって覆われている。隔離カバー12は動力室全体をつつんでいるが、車軸5よりも少し大きい程度の孔13が開口しており、そこから車軸5が回転刃室内へと伸びている。隔離カバー12も水に強い材質でなくてはならない。
車軸5の隔離カバー12の内側部分には車軸受け14が備えられており、車軸5のまわりを取り囲む形になっている。この車軸受け14は孔13よりも大きく構成されており、孔12から水などが侵入した場合であっても車軸受け14が障害となって動力室内にそれ以上侵入できない。
以上の構成を採用することによって、硬質チーズをシューター8に投入すると、押し付け手段によって硬質チーズが回転刃支持円盤6の表面からのぞく削刃7により次々の削り出され、裏面からチーズ削り花として押し出されて受け皿9に溜まっていく。その際にどうしても発生してしまう削り残しや粉状となった硬質チーズは、表面の下方の粉受け室10に溜まっていく。
従来のチーズを限界まで薄くスライスする方法は、生ハムや肉をスライスする機械であるスライサーを用いてチーズを切る方法である。スライサーの回転刃の厚みの最小が0.5mmのため、チーズの最小の薄さも0,5mmとなり、これが限界の薄さであった。
これに対し、鰹節削り器を活用した本発明では、非常に硬いチーズを用いた場合では、0.01mmから最小で0.003mm程度の薄さにまで薄くすることができる。少し柔らかめの硬質チーズを用いた場合では、押し付け手段によって硬質チーズが削刀7に食い込まされる分だけ厚くなってしまい、0.05mmから0.03mm程度となる。
発明者やイタリア料理やフランス料理のシェフによる評価では0.1mmより薄くなると、従来の薄くスライスしたチーズである0.5mmの薄さのチーズとは全く異なる食感、テクスチャ、性質をもち、新しい食材といえるほどのインパクトをもつとのことであり、本発明によってはじめて可能となった新食材といえる。
より客観的に表現すると、通常は口腔内で溶けることがない硬質チーズであっても、そのあまりの薄さゆえに溶けていくかのような感覚を与えることができる。そのため、サラダ等にふりかけた場合、これまでにない新しい触感を加えることができる。チーズを粉末状にしてふりかける場合とくらべても、よりボリューム感のある外見となるので、見栄えも非常によい。
その薄さから熱に対する反応性も格段に上昇する。具体的には、熱をもったパスタやリゾットにふりかえると、通常では溶けない硬質チーズであるにもかかわらず、溶け出す。味わいはそのままであるので、従来にない感覚を提供可能である。
粉受け室10にたまった硬質チーズは、残念ながらこのような性質を示すことはないが、それでも従来と同様の食材としては十分活用可能であり、用途に応じて利用すればよい。
硬質チーズを削ると、回転刃支持円盤6をはじめ、回転刃室内のあちこちにチーズ削り花やチーズの粉末が付着し、癒着し、こびりつく。チーズは保存食品であり、特に硬質チーズは長期間の保存が可能であるが脂肪分を含むために劣化、腐敗することは避けられない。そのため、一定期間内に清掃する必要が生じる。
本発明のチーズ削り器1では、その回転刃室内のすべての構造物が水に強いため、水洗いすることが可能である。そのため、チーズをきれいに水で洗い流すことができ、清潔な状態を保つことができる。汚れが酷い場合は界面活性剤などの洗剤を用いて、その後で水洗いしてもよい。
動力室は隔離カバー12で保護されているため、回転刃室内を水洗いしているときでも水が動力室内に入り込むおそれがない。車軸5が伸びている孔13からわずかに水が侵入する可能性はあるものの、その水も車軸受け14によって遮断されるため、動力室内のモーター2といった電動部品をはじめとする水に濡れると不具合が生じる構造に水がかかる心配がない。
本発明のチーズ削り器1は、薄くスライスしたいが脂肪分を多く含むため、従来の鰹節削り器では到底削ることができないと諦められてきた食材を削り花とすることができる。そのため、サラミを生ハムよりも薄くスライスしたり、脂肪分を含む漢方材料を薄くスライスする等の用途にも最適である。
なお、本発明のチーズ削り器1は硬質チーズという脂肪分を多く含む硬質食材を削り花とするために開発されたが、水洗い可能という性質は鰹節削り器にとっても有益であることから、鰹節を始めとする魚節を削る用途に用いてもよい。
以上、本発明について説明したが、本発明の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載される。
[付記1]
ステンレスで構成されたチーズ削り器であって、
前記チーズ削り器は、動力室、回転刃室から構成されており、
前記動力室には電気を動力としてモーター回転軸を中心に回転するモーターが備えられており、
前記回転刃室には、円盤軸を中心に回転する1以上の箇所に刃を備えた円盤である回転刃を備え、
上記モーター回転軸と、上記円盤軸は1つの軸で貫かれており、
上記動力室を覆う隔離カバーによって、動力室と回転刃室は分離されていることを特徴とするチーズ削り器。
[付記2]
ステンレスで構成された動力室及び回転刃室を備えたチーズ削り器であって、
前記動力室は、モーターと従動車が備えられており、
前記モーターが供給された電力を動力源として回転する動きをベルトによって従動車に伝達し、
前記従動車は前記ベルトによって伝達された回転する動きを、従動車の中心部に接続された車軸に伝達し、
前記回転刃室は、回転刃支持円盤と受け皿とシューターを備えており、
前記回転刃支持円盤の中心部には前記車軸が接続されており、かつ、回転刃支持円盤の表面には複数の削刀が顔を覗かせており、
回転刃支持円盤の表面近傍にはシューターが設置され、当該シューターは硬質チーズを回転刃支持円盤の表面へと押し付やるための押し付け板を備えており、
前記動力室は前記車軸の一部を除いてカバーで覆われており、かつ、前記車軸のカバーで覆われている領域に車軸受けが備えられていることにより、回転刃室を水洗いした場合であっても動力室内のモーターが水にかからないことを特徴としているチーズ削り器。
[付記3]
付記2に記載のチーズ削り器であって、
前記回転刃支持円盤の下方には受け皿が設置されており、
前記受け皿には、回転刃支持円盤の表側の下方にあたる領域に粉受け室がさらに備えられていることを特徴とするチーズ削り器。
[付記4]
付記1乃至3に記載のチーズ削り器を用いて削られたチーズ削り花。
[付記5]
厚さ0.1mm以下であることを特徴とする硬質チーズの削り花。
1 チーズ削り器
2 原動車
3 ベルト
4 受動車
5 車軸
6 回転刃支持円盤
7 削刃
8 シューター
9 受け皿
10 粉受け室
11 斜壁
12 隔離カバー
13 孔
14 車軸受け


Claims (3)

  1. ステンレスで構成された動力室及び回転刃室を備えたチーズ削り器であって、
    前記動力室は、モーターと従動車が備えられており、
    前記モーターが供給された電力を動力源として回転する動きをベルトによって従動車に伝達し、
    前記従動車は前記ベルトによって伝達された回転する動きを、従動車の中心部に接続された車軸に伝達し、
    前記回転刃室は、回転刃支持円盤と受け皿とシューターを備えており、
    前記回転刃支持円盤の中心部には前記車軸が接続されており、かつ、回転刃支持円盤の表面には複数の削刀が顔を覗かせており、
    回転刃支持円盤の表面近傍にはシューターが設置され、当該シューターは硬質チーズを回転刃支持円盤の表面へと押し付るための押し付け板を備えており、
    前記動力室は前記車軸の一部を除いてカバーで覆われており、かつ、前記車軸のカバーで覆われている領域に車軸受けが備えられていることにより、回転刃室を水洗いした場合であっても動力室内のモーターが水にかからないことを特徴としているチーズ削り器。
  2. 請求項に記載のチーズ削り器であって、
    前記回転刃支持円盤の下方には受け皿が設置されており、
    前記受け皿には、回転刃支持円盤の表側の下方にあたる領域に粉受け室がさらに備えられていることを特徴とするチーズ削り器。
  3. 請求項1、2に記載のチーズ削り器を用いて削られたチーズ削り花。
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