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JP6978091B2 - 密度測定装置および密度測定方法 - Google Patents
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JP6978091B2 - 密度測定装置および密度測定方法 - Google Patents

密度測定装置および密度測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、建設現場などの盤体の密度を検出するための密度測定装置および密度測定方法に関する。
建設現場などにおいては、密度測定装置を用いて建設現場などの盤体(測定対象)の物質の密度を測定する。
密度を測定する回数は測定する面積ごとに規定されており、「規定点数」と呼ばれている。工事請負業者などの測定者は、測定対象内で移動して規定点数に対応する測定点を位置決めし、測定点の地表面や地中に密度測定装置を搬送、設置し、測定点の密度の測定を規定点数に至るまで繰り返し行っている。
密度測定装置は、放射線を発生する放射線源と、放射線を検出する放射線(より正確には、物質の原子と反応して放出された電子)を検出する放射線検出器とを備えている。
放射線にはアルファ線、ベータ線、ガンマ線の3種類があるが、密度測定装置ではその透過力からガンマ線がよく採用される。ガンマ線を発生する放射線源(ガンマ線源)として、たとえばコバルト60(Co−60)、セシウム137(Cs−137)、バリウム133(Ba−133)、カリフォルニウム252(Cf−252)等の放射性同位元素が使用される。
密度測定装置で使用される放射線検出器として、たとえばガイガーミュラー(GM)計数管、シンチレーション式ガンマ線検出器、半導体検出器などが挙げられるが、本発明の要部ではないため、その説明を省略する。
測定されたガンマ線は、単位時間あたりに放射線検出器に入射したガンマ線の数(カウント数)を示す「計数率」で主に表される。
放射線検出器で検出されたガンマ線線量(計数率)と、測定対象の物質の密度とは一定の関係があることが知られており、これらの関係は校正式で表される。すなわち、あらかじめ準備された校正式をもとに、放射線検出器で検出されたガンマ線線量から測定対象の密度が算出される。
ところで、ガンマ線を含む放射線は宇宙や空気、土壌からも放出されており、自然界にも当然に存在している。自然界から放出された放射線はバックグラウンド(自然放射線)と呼ばれている。バックグラウンドは、たとえばカリウム40(K−40)によるガンマ線などが含まれている。
測定対象においては、密度測定装置の外部からバックグラウンドが入射すると密度測定装置(具体的には放射線検出器)の測定値に誤差が生じ、測定対象の放射線(ガンマ線)線量が正確に測定できない。
そのため、バックグラウンドの影響を除いた補正処理を密度測定装置内で行うことが知られている(たとえば、特開2018−151225号公報、特開平06−323980号公報)。
特開2018−151225号公報では、まず放射線の線源を取り外してからバックグラウンドの測定を行い、その後、線源を再度取り付けて測定対象物の測定を行っている。このように、バックグラウンドの測定値と測定対象物の測定値との差分を算出(減算)して測定対象物のみの放射線線量とする方法が、通常よく行われている。
また、特開平06−323980号公報では、ガンマ線は毎日値が異なることから、まず測定する日ごとにガンマ線線量を測定して標準値を求めている。具体的に、まずガンマ線源(放射線源)を除いて標準的なバックグラウンドの計数率NSBGを測定し、それからガンマ線源(放射線源)を取り付けて標準的なガンマ線の計数率NSを測定している。そして、標準値となるガンマ線の計数率NSをNS=NS−NSBGとして補正処理を行っている。
次に、規定点数に対応する測定点を位置決めし、測定点において、放射線源を除いたバックグラウンドのガンマ線の計数率NFBG、ガンマ線源(放射線源)を取り付けたガンマ線線量NFをそれぞれ測定し、測定値となるガンマ線の計数率NFをNF=NF−NFBGとして補正処理を行っている。
そして、ガンマ計数比RG=NF/NSを算出し、これを校正式に当てはめて、測定対象の密度を算出している。
特開2018−151225号公報 特開平06−323980号公報
特開2018−151225号公報によれば、減算という簡単な補正で実際の放射線(ガンマ線)線量を求めることができる。
特開平06−323980号公報によれば、標準値および測定値のいずれにおいても、測定した放射線(ガンマ線)の計数率からバックグラウンドの計数率を減算し、補正している。特開平06−323980号公報においても、特開2018−151225号公報と同様に、減算という簡単な補正で実際の放射線(ガンマ線)線量を求めることができる。
しかし、建設現場などの測定対象における放射線測定は、特開2018−151225号公報のように通常、まずバックグラウンドの測定を一回のみ行い、それから建設現場の地中の測定を規定点数に至るまで繰り返す測定フローを採用している。つまり、規定点数に至るまで各測定点で複数回測定した計数率から、一回のみ測定したバックグラウンドの計数率を減算する補正処理は、バックグラウンドが一定であることが前提となっている。
また、広大な現場や土質が一定ではない現場等、バックグラウンドが一定とはいえない現場においては、一回のみのバックグラウンドの測定に基づいて減算する補正処理では、実際の計数率を正確に算出することができない。
バックグラウンドの測定を一回のみではなく、特開平06−323980号公報のように複数回行うことも考えられる。バックグラウンドの測定を複数回行えば、バックグラウンドが一定でない現場でもバックグラウンドの計数率を正確に把握することができる。
しかし、バックグラウンドを複数回測定すると測定時間がかかり、測定者の負担が増大する。また、密度測定装置はその内部に放射線源や放射線源からの放射線の影響を遮断する遮蔽体などを備えており、大型化、重量化する可能性が否定できない。
本発明は、測定対象である盤体に対して、その密度の測定回数を減らして測定者の負担を軽減するとともに、小型化、軽量化を実現することのできる密度測定装置の提供を目的としている。
また、本発明は、測定対象である盤体に対して、その密度の測定回数を減らして測定者の負担を軽減するとともに、小型化、軽量化を実現することのできる密度測定方法の提供を別の目的としている。
上記目的を達成するために、密度測定装置は放射線源およびバックグラウンドによるガンマ線を合わせて検出し、検出した値からバックグラウンドによるガンマ線のみの計数率(エネルギー領域)を自動的に推定している。
すなわち、請求項1に係る本発明によれば、測定対象に対して放射線を発生する放射線源と、入射した放射線を検出する放射線検出器と、を少なくとも備え、放射線により測定対象の密度を測定する密度測定装置において、放射線はガンマ線とされ、前記放射線検出器は、前記放射線源およびバックグラウンドによるガンマ線を検出可能とするとともに、制御装置を有し、前記制御装置は、前記放射線検出器により検出されたガンマ線のスペクトルにおいて、ピークの半値幅の倍に相当するガンマ線のエネルギー値を閾値として算出、設定し、前記閾値以上のガンマ線のエネルギー領域のみを抽出し、前記抽出したエネルギー領域から前記閾値未満のガンマ線のエネルギー領域を推定し、前記推定した閾値未満のガンマ線のエネルギー領域と、前記抽出した閾値以上のエネルギー領域とを合算してバックグラウンドによるガンマ線の全エネルギー領域としている。
また、請求項3に係る本発明によれば、密度を測定する測定対象に対してガンマ線を発生、照射する発生工程と、前記発生工程で発生されたガンマ線とバックグラウンドによるガンマ線とを検出する検出工程と、前記検出工程で検出されたガンマ線のスペクトルにおいて、ピークの半値幅の倍に相当するガンマ線のエネルギー値を閾値として算出、設定する算出工程と、前記閾値以上のガンマ線のエネルギー領域のみを抽出する抽出工程と、前記抽出工程で抽出した閾値以上のエネルギー領域から前記閾値未満のガンマ線のエネルギー領域を推定し、前記推定した閾値未満のガンマ線のエネルギー領域と、前記抽出工程で抽出した閾値以上のエネルギー領域とを合算してバックグラウンドによるガンマ線の全エネルギー領域とする推定工程と、を少なくとも備えている。
請求項1、3に係る本発明では、放射線源からのガンマ線とバックグラウンドによるガンマ線とを合わせて検出しても、自動的にバックグラウンドの全エネルギー領域を推定することができる。そのため、検出した値(計数率)からバックグラウンドによるガンマ線の影響(値)を分離して、放射線源からのガンマ線のみの影響(値)を把握することができる。
これにより、(密度測定方法を具体化した)密度測定装置から放射線源を取り外してバックグラウンドのガンマ線を事前に測定する必要はなく、測定回数そのものを減らすことができる。測定回数が減ることで、測定者の負担を軽減させることができる。また、バックグラウンドの測定のために放射線源を地中に埋設するための容器が不要となり、密度測定装置の小型化、軽量化を実現することができる。
本発明の一実施例に係る密度測定装置(本発明の実施例に係る密度測定方法を具体化した装置)の概略側面図を示す。 測定したセシウム137およびカリウム40のエネルギースペクトル(スペクトル)を表したグラフを示す。 密度測定装置による密度測定(推定)のフロー図を示す。 バックグラウンドにおいて、閾値以上のガンマ線のエネルギー領域における計数率から全エネルギー領域の計数率を導出する関係式および相関関係を示すグラフを示す。
測定対象に対して放射線を発生する放射線源と、入射した放射線を検出する放射線検出器と、を少なくとも備え、放射線により測定対象の密度を測定する密度測定装置において、放射線はガンマ線とされ、前記放射線検出器は、前記放射線源およびバックグラウンドによるガンマ線を検出可能とするとともに、制御装置を有し、前記制御装置は、前記放射線検出器により検出されたガンマ線のスペクトルにおいて、ピークの半値幅の倍に相当するガンマ線のエネルギー値を閾値として算出、設定し、前記閾値以上のガンマ線のエネルギー領域のみを抽出し、前記抽出したエネルギー領域から前記閾値未満のガンマ線のエネルギー領域を推定し、前記推定した閾値未満のガンマ線のエネルギー領域と、前記抽出した閾値以上のエネルギー領域とを合算してバックグラウンドによるガンマ線の全エネルギー領域としている。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例に係る密度測定装置(本発明の実施例に係る密度測定方法を具体化した装置)の概略側面図を示す。
(密度測定方法を具体化した)密度測定装置10は、たとえば散乱型RI(ラジオアイソトープ)密度測定装置とされている。密度測定装置10は、図示しない水分量測定装置を併設してもよい。
密度測定装置(RI(ラジオアイソトープ)密度測定装置)10は、建設現場などの盤体(測定対象、地中)20の物質の密度を測定するため、建設現場の地表面22上を移動可能に設置されている。なお、密度測定装置10の底面と建設現場の地表面22との間で隙間を形成することなく充填材(図示しない)を充填する場合があるが、本発明の趣旨ではない。図1では地表面22は一点鎖線で表されている。
図1を見るとわかるように、密度測定装置10は、測定対象(地中)20に対して放射線を発生する放射線源12と、入射した放射線を検出する放射線検出器14とを少なくとも備えて構成されている。また、図1では、放射線源12、放射線検出器14の間に放射線を遮蔽する遮蔽体16を設けているが、この構成に限定されない。
放射線源12は、格納部30に厳重に封入、格納されており、たとえば密度測定装置10の側部に設けられている。格納部30には放射線源12のほか、たとえば中性子源(図示しない)などが封入される場合もあり、必要に応じて封入する物質を追加することができる。放射線源12は、地表面22からわずかに離反した位置から測定対象である地中20に向けて放射線(後述するガンマ線γ)を発生、散乱放射している。
放射線源12として、実施例ではガンマ線γを発生するガンマ線源を使用する。符号γは、放射線源12から発生して地中内の物質20−1(より正確には、物質20−1の原子と反応して放出された電子)で反射したガンマ線を含み、放射線源によるガンマ線を表わしている。
また、実施例では、ガンマ線γを発生する放射線源(ガンマ線源)12として、セシウム137(Cs−137)を使用している。セシウム137は、散乱型RI(ラジオアイソトープ)密度測定装置の放射線源として通常よく使用されている。
放射線検出器14は、放射線源12およびバックグラウンドによるガンマ線を検出可能とするとともに、制御装置14−1を有している。また、放射線検出器14は、放射線、特にガンマ線を検出可能とするように、密度測定装置10の底部、すなわち地表面22付近に固定される。
密度測定装置10内へは、放射線源(ガンマ線源)12による発生した放射線(ガンマ線)のみならず、放射線検出器の外部から自然界にある放射線(ガンマ線;バックグラウンド)がわずかながら入射する。つまり、放射線検出器14では、セシウム137を用いた放射線源12によるガンマ線γと、バックグラウンドによるガンマ線γ’との双方が同時に入射し、検出される。符号γ’はバックグラウンドによるガンマ線を表わしている。
制御装置14−1は、放射線検出器14に接続されている。制御装置14−1は、たとえば、情報処理機能を有するCPU14−1’(プロセッサ)などから構成されて密度測定装置10を制御するとともに、各種のプログラムを実行する制御部14−1a、フラッシュメモリなどの記憶媒体から構成されて情報を記憶する記憶部14−1b、タッチパネルやキーボード、ボタンなどの入力手段14−1c’からの入力を受け付ける入力部14−1c、ディスプレイなどの出力(表示)手段14−1d’に出力する出力部14−1dなどを有している。そのほか、制御装置14−1は、ネットワークを介して外部と通信する通信部(図示しない)などを有していてもよく、この構成に限定されない。
制御装置の記憶部14−1bには、たとえば密度測定プログラム(図示しない)や密度を算出する校正式が記憶されている。制御部14−1aは、記憶部14−1bに記憶された密度測定プログラム(図示しない)を実行することで、たとえば放射線検出器14で検出したガンマ線γ、γ’のエネルギーに対する計数率を算出してガンマ線のスペクトルを作成し、そのスペクトルにおいて、ピークの半値幅の倍に相当するガンマ線のエネルギー値を閾値として算出、設定する算出手段14−1a1(ステップS2−1;算出工程。後述する図3参照)、閾値以上のガンマ線のエネルギー領域のみを抽出する抽出手段14−1a2(ステップS2−2;抽出工程)、抽出したエネルギー領域から閾値未満のガンマ線のエネルギー領域を推定し、推定した閾値未満のガンマ線のエネルギー領域と、抽出した閾値以上のエネルギー領域とを合算してバックグラウンドによるガンマ線の全エネルギー領域とする推定手段14−1a3(ステップS2−3;推定工程)などとして機能する。
図2は、測定したセシウム137およびカリウム40のエネルギースペクトル(スペクトル)を表したグラフを示す。縦軸は計数率(カウント数;cpm)、横軸はガンマ線のエネルギー(keV)である。
図2の破線は、放射線源としてセシウム137を使用して放射線検出器14で検出されたセシウム137のスペクトルを示している。なお、図2の実線はカリウム40のスペクトルを示している。
図2の破線で示すセシウム137のスペクトルには、放射線検出器14により検出される2つのガンマ線、つまり放射線源12からのガンマ線γおよびバックグラウンドによるガンマ線γ’の双方のエネルギーが合算されて表されている。放射線検出器14で検出されたガンマ線の値(計数率)のみを見ても、射線源12からのガンマ線γに由来する値(計数率)と、バックグラウンドによるガンマ線γ’に由来する値(計数率)とを分離することはできない。
図2の符号X1、X2はエネルギースペクトルのピークをそれぞれ表し、ガンマ線のエネルギーの低い方から第1ピーク、第二ピークとされる。第二ピークX2におけるガンマ線のエネルギー(横軸)はおよそ662keVとされる。
本発明では自然由来の放射線(バックグラウンド)はカリウム40(K−40)によるものが大部分と考え、セシウム137と比較してカリウム40のスペクトルも併せて図2に表している。図2を見るとわかるように、セシウム137、カリウム40のスペクトルは、ガンマ線のエネルギーの高い領域(図2の領域α)において、およそ一致している。すなわち、ガンマ線のエネルギーの高い領域αにおいては、セシウム137のガンマ線の計数率とバックグラウンドのガンマ線の計数率との挙動がほぼ同じであることがわかる。
ここで、セシウム137、カリウム40のスペクトルの挙動の分岐となる閾値として、実施例ではセシウム137のスペクトルのうち、ガンマ線のエネルギーの高い方のピークにおけるスペクトルの半値幅により閾値を算出、設定している。具体的にはまず、セシウム137の第二ピークを形成するスペクトルにおいて、この第二ピーク値の半分になる幅、つまり半値幅を算出する。そして、半値幅の倍となる値を第二ピークにおけるガンマ線のエネルギー(およそ662keV)に加算し、この値を閾値とする。実施例のセシウム137を使用する場合、閾値は800〜900keVとされる(実施例の図2ではおよそ800keV)。
つまり、放射線源12としてセシウム137を使用してガンマ線のエネルギーを測定し、測定したガンマ線のエネルギーのスペクトル(図2の破線)において閾値以上のガンマ線のエネルギー領域αのみを抽出すれば、閾値未満のカリウム40のエネルギー領域βを推定することができる。推定に用いる関係式については後述する。カリウム40のエネルギー領域は、上述のとおりバックグラウンドのエネルギー領域とほぼ同じである。そのため、セシウム137を使用してガンマ線のエネルギーを測定した場合のスペクトルにおいて、閾値以上のガンマ線のエネルギー領域αから、バックグラウンド(カリウム40)によるガンマ線γ’のエネルギー領域α、βすべてを推定することができる。
図3は密度測定装置による密度測定(推定)のフロー図を示す。
バックグラウンドによるガンマ線γ’のエネルギー領域すべてを推定するための密度測定装置10による密度測定方法は、図3を見るとわかるように、概略、測定工程(ステップS1)、抽出・推定工程(ステップS2)を含んでいる。後述するように、測定工程(ステップS1)、抽出・推定工程(ステップS2)は放射線検出器の制御装置14−1により行われる。
測定工程(ステップS1)は、密度測定装置10を測定対象の地表面22に設置し、放射線源12からガンマ線γを発生させて測定対象20の密度を測定する工程である。測定工程(ステップS1)は、放射線源12からガンマ線γを発生させる発生工程(ステップS1−1)と、放射線源およびバックグラウンドによるガンマ線γ、γ’を合わせて検出、測定する検出工程(ステップS1−2)とを含んでいる。
抽出・推定工程(ステップS2)は、検出されたガンマ線γ、γ’のスペクトルを作成し、閾値を算出、設定する算出工程(ステップS2−1)と、閾値以上のエネルギー領域のみを抽出する抽出工程(ステップS2−2)と、抽出工程で抽出した閾値以上のエネルギー領域から閾値未満のガンマ線のエネルギー領域を推定し、推定した閾値未満のガンマ線のエネルギー領域と、抽出工程で抽出した閾値以上のエネルギー領域とを合算してバックグラウンドによるガンマ線の全エネルギー領域とする推定工程(ステップS2−3;ステップS2−3a、b)とを含んでいる。
図1〜3を用いて、密度測定装置による密度測定(推定)方法について説明する。
まず、密度測定装置10を建設現場の地表面22上に設置する。そして、セシウム137を用いた放射線源12から放射線(ガンマ線γ)を発生させ、測定対象の地中20へ散乱放射する(ステップS1−1、発生工程)。そして、放射線検出器14へ入射したガンマ線γ(より正確には、物質20−1の原子と反応して放出された電子)と、密度測定装置10の外部より入射するバックグラウンドによるガンマ線γ’とを放射線検出器14で検出する(ステップS1−2、検出工程)。これにより現場におけるガンマ線、つまり、放射線源12によるガンマ線γとバックグラウンドによるガンマ線γ’とが密度測定装置10で同時に検出、測定される。
放射線検出器の制御装置14−1は、検出したガンマ線γ、γ’のエネルギーに対する計数率(カウント数、単位cpm)を算出してスペクトルを作成する。なお、スペクトルは、ピークを明確化するために平滑化処理を施したものが好ましい。
そして、制御装置の制御部14−1aは、上述のとおり、検出したガンマ線のスペクトルにおいて、この第二ピーク値の半分になる幅、つまり半値幅を算出する。そして、半値幅の倍となる値を第二ピークにおけるガンマ線のエネルギー(図2ではおよそ662keV)に加算し、この値を閾値として算出、設定する(ステップS2−1、算出工程)。実施例のセシウム137を使用する場合、閾値は800〜900keVとなる(図2)。算出工程(ステップS2−1)で作成されたスペクトルは、制御装置の制御部14−1aを介して出力手段(ディスプレイ)14−1d’に表示してもよい。
制御装置の制御部14−1aは、算出工程(ステップS2−1)で算出された閾値以上のエネルギー領域のみを抽出する(ステップS2−2、抽出工程)。すなわち、算出工程(ステップS2−1)で作成されたスペクトルについて、閾値以上のガンマ線のエネルギー領域αのみを抽出する。
次に、制御装置の制御部14−1aは、抽出工程(ステップS2−2)で抽出したエネルギー領域αから閾値未満のガンマ線のエネルギー領域βを推定する(ステップS2−3a)。推定に用いる関係式については後述する。
そして、制御装置の制御部14−1aは、抽出工程(ステップS2−2)で抽出された閾値以上のガンマ線のエネルギー領域αと、推定工程(ステップS2−3)で閾値未満のガンマ線βとを合算し、これをバックグラウンドの全エネルギー領域とする(ステップS2−3b)。出力手段(ディスプレイ)14−1d’に、閾値以上のガンマ線のエネルギー領域αと、閾値未満のガンマ線のエネルギー領域βとを合算した一連のバックグラウンドの全エネルギー領域をスペクトルとして表示してもよい。あるいは、出力手段(ディスプレイ)14−1d’に、測定されたガンマ線のエネルギー領域から推定されたバックグラウンドの全エネルギー領域を除いて放射線源12からのエネルギー領域を算出し、これをスペクトルとして表示してもよい。
規定点数が規定されている場合は、ステップS1−1〜S2−3の工程を規定点数に至るまで繰り返す。
図4は、バックグラウンドにおいて、閾値以上のガンマ線のエネルギー領域における計数率から全エネルギー領域の計数率を導出する関係式および相関関係を示すグラフを示す。
密度測定装置10による密度測定(推定)方法で、放射線源12として実施例のセシウム137を使用するとともに、閾値を900keVと設定したところ、図4の関係式を得た。図4を見るとわかるように、関係式は1次関数として表すことができる。図中のRは近似曲線の決定係数である。決定係数Rが0.9522であり、バックグラウンドにおいて、閾値以上のガンマ線のエネルギー領域αにおける計数率と全エネルギー領域α、βの計数率とが高い相関関係にあることが理解される。
つまり、図4に示す関係式を使用すれば、推定工程(ステップS2−3)において、抽出工程(ステップS2−2)で抽出したエネルギー領域αから閾値未満のガンマ線のエネルギー領域βを推定し、さらに、推定した閾値未満および抽出した閾値以上のバックグラウンドのエネルギー領域α、βを合算してバックグラウンドの全エネルギー領域とすることが可能である。
(密度測定方法を具体化した)密度測定装置10において、制御装置の制御部14−1aは、測定したガンマ線γ、γ’からスペクトルを作成して閾値を算出し(ステップS2−1)、測定したガンマ線γ、γ’の閾値以上のエネルギー領域αから、バックグラウンドによるガンマ線γ’のエネルギー領域βを含むすべてのバックグラウンドのエネルギー領域を推定している(ステップS2−2、3)。すなわち、自動的にバックグラウンドの全エネルギー領域を推定して、測定されたガンマ線のエネルギー領域からバックグラウンドによるガンマ線の影響(計数率)を分離して、放射線源からのガンマ線のみの影響(計数率)を把握することができる。
そのため、測定対象での測定前にバックグラウンドを測定する必要がなく、全体の測定時間を大幅に短縮し、測定者の負担を軽減させることができる。
測定対象20の測定にあたり、密度測定装置10を測定対象の地表面22上に設置して、放射線源12からガンマ線γを照射すれば足りる。つまり、放射線源12の格納部30を取り外して測定対象20である地中に埋設する必要がなく、この点からも測定者の負担を軽減させることができる。また、密度測定装置10を測定対象の地表面22上に設置すれば足りることから、測定対象の地表面を走行する自走装置に設置することができ、この点でも測定者の負担を軽減させることができる。
さらに、放射線源12を地中に埋設するための容器が不要となり、密度測定装置の小型化、軽量化を実現することができる。また、放射線源12の容器を埋設のために脱着可能に設ける必要がないため、放射線源を紛失するおそれがない。
上述した実施例は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
本発明は、(密度測定方法を具体化した)密度測定装置に適するとはいえ、密度測定装置、水分量測定装置の双方を備えるRI密度水分量測定装置にも応用できる。そして、(密度測定方法を具体化した)密度測定装置を設置した自走装置にも応用できる。
10 密度測定装置
12 放射線源
14 放射線検出器
14−1 制御装置
γ、γ’ 放射線源によるガンマ線、バックグラウンドによるガンマ線
α 閾値以上のガンマ線のエネルギー領域
β 閾値未満のガンマ線のエネルギー領域
S1−1 発生工程
S1−2 検出工程
S2−1 算出工程
S2−2 抽出工程
S2−3 推定工程

Claims (3)

  1. 測定対象に対して放射線を発生する放射線源と、
    入射した放射線を検出する放射線検出器と、
    を少なくとも備え、放射線により測定対象の密度を測定する密度測定装置において、
    放射線はガンマ線とされ、
    前記放射線検出器は、前記放射線源およびバックグラウンドによるガンマ線を検出可能とするとともに、制御装置を有し、
    前記制御装置は、前記放射線検出器により検出されたガンマ線のスペクトルにおいて、ピークの半値幅の倍に相当するガンマ線のエネルギー値を閾値として算出、設定し、前記閾値以上のガンマ線のエネルギー領域のみを抽出し、前記抽出したエネルギー領域から前記閾値未満のガンマ線のエネルギー領域を推定し、前記推定した閾値未満のガンマ線のエネルギー領域と、前記抽出した閾値以上のエネルギー領域とを合算してバックグラウンドによるガンマ線の全エネルギー領域とする密度測定装置。
  2. 前記放射線源としてセシウム137が使用され、
    前記制御装置は、セシウム137のスペクトルのピークのうち、ガンマ線のエネルギーの高い方のピークにおけるスペクトルの半値幅により閾値を算出、設定する請求項1記載の密度測定装置。
  3. 密度を測定する測定対象に対してガンマ線を発生、照射する発生工程と、
    前記発生工程で発生されたガンマ線とバックグラウンドによるガンマ線とを検出する検出工程と、
    前記検出工程で検出されたガンマ線のスペクトルにおいて、ピークの半値幅の倍に相当するガンマ線のエネルギー値を閾値として算出、設定する算出工程と、
    前記閾値以上のガンマ線のエネルギー領域のみを抽出する抽出工程と、
    前記抽出工程で抽出した閾値以上のエネルギー領域から前記閾値未満のガンマ線のエネルギー領域を推定し、前記推定した閾値未満のガンマ線のエネルギー領域と、前記抽出工程で抽出した閾値以上のエネルギー領域とを合算してバックグラウンドによるガンマ線の全エネルギー領域とする推定工程と、
    を少なくとも備えた密度測定方法。




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