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JP6978362B2 - 薬剤シート用包装体 - Google Patents
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Description

本発明は、薬剤を封入した薬剤シートを収容可能な薬剤シート用包装体に関する。
錠剤等の経口投与薬を包装するPTP(Press Through Package)シートは、複数のポケット(「ブリスター」ともいう。)を有しており、それぞれのポケットには通常1個ずつ薬剤が封入される。疾病者は、PTPシートのポケットを潰して所要数量の薬剤を取り出し、それらを服用している。
このようなPTPタイプの薬剤シートは利便性があり、日常の生活を送ることができる疾病者が家庭内で薬剤を服用する場合も多い。しかし、家庭内に持ち込まれる処方薬の中には、例えば抗がん剤など、副作用のリスクが高い薬も含まれることがある。そのような危険な薬剤に対しては、子供や幼児などが不用意に取り出したり、誤飲したりしないように、薬剤シートを特別な場所などに保管するなど、十分注意して管理する必要がある。
従来、子供などが簡単に薬剤を取り出せないように対策を施した包装体や器具が提案されている。
例えば特許文献1には、薬剤シートのホイル面(薬剤が取り出される側の面)に対向する保護パネルを一体的に備えたブリスターパックが開示されている。この保護パネルは、薬剤を封入するポケットの配列に実質的に等しい孔の配列を備え、該孔がポケットから部分的にオフセットされる第1の位置と、該孔がポケットに位置合わせされた第2の位置との間でスライドが可能となっている。また、薬剤シートと保護パネルとの間に形成されたスプリングウェブにより、薬剤シートを前記第1の位置に付勢するようにしてある。
また、例えば特許文献2に記載のブリスターパックを保持する器具は、ブリスターパックを収容するハウジングに、複数のポケットに対応する開口部が配列して形成されたベース部が備えられ、ブリスターパックが、ポケットとベース部材の開口部とがずれた第1の位置と、ポケットと開口部とが位置合わせされた第2の位置との間で移動可能となっている。また、特許文献2の器具には、ポケットを前記第1の位置にロックするロック機構が備えられ、更に該ブリスターパックを前記第1の位置にロックするロック位置から、前記第2の位置に移動可能な非ロック位置へと操作可能な操作手段が備えられている。
米国特許出願公開第2004/0188314号明細書 特開2009−507728号公報
しかし、特許文献1に記載のブリスターパックでは、スプリングウェブの付勢力に抗して薬剤シートを孔の半径分の距離だけ移動させることで、全てのポケットが孔の位置に一致してしまうため、比較的に簡単に薬剤が取り出せてしまう。
また、特許文献2に記載のブリスターパックを保持する器具によれば、ブリスターパックが第1の位置であるロック位置にあるときには薬剤を取り出すことができない。しかし、服用者がブリスターパックから薬剤を取り出すためには、先ずブリスターパックをロック位置から非ロック位置に移動させ、次に非ロック位置から前記第2の位置へ移動させる必要があり、薬の服用者にとっては薬剤の取り出し操作が煩雑である。
上述したように、家庭内で使用される薬剤シートは、子供などが悪戯などで不用意に薬剤を取り出せないようにする、いわゆるチャイルドレジスタンス機能を備える必要性がある一方で、服用者にとっては簡単な操作で薬剤を取り出せるほうが、利便性が高いともいえる。上述した従来の特許文献1及び2に記載の薬剤包装体や器具は、このような薬剤の取り出し性能に関する相反する課題を解決するものではなかった。
また、PTPシートは、薬剤の種類、大きさ、服用数等に応じて様々な態様のものが流通している。しかし、従来の包装体では、PTPシートのポケットの寸法や配列及び個数等に応じて設計した専用のものを準備しなければならず、様々な薬剤シートに対して汎用性のあるものではなかった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、薬剤を取り出す操作性能と保護機能を兼ね備え、また様々な薬剤シートにも対応可能な汎用性がある薬剤シート用包装体を提供することを目的とする。
本発明は、薬剤を封入した複数のポケットの列を配した薬剤シートを包装するための薬剤シート用包装体であって、ベースシートと、前記ベースシートに対向してスライド可能に配置されるインナーシートとを備え、薬剤シートが前記ポケットを前記インナーシートに係合させた状態で当該インナーシート及び前記ベースシート間に包装可能とされている薬剤シート用包装体である。
薬剤シート用包装体は、前記ベースシートに薬剤を取り出すための孔が形成されており、前記インナーシートを一方にスライドしたとき、前記薬剤シートの何れかのポケットが前記孔の位置に合う薬剤取出可能状態と、何れのポケットも前記孔の位置に合わない薬剤取出不可状態とを交互に繰り返して節度感を生じさせながら前記薬剤シートを保持する弾性保持部が、前記ベースシート及び前記インナーシートの係合部に形成されていることが好ましい。
また、薬剤シート用包装体は、前記弾性保持部が、前記ベースシートの折返部の縁に沿って所定ピッチで形成された波状凹部と、前記インナーシートの端部において前記所定ピッチと同一又は整数倍のピッチで形成された波状凸部とが係合してなるものであることが好ましい。
また、薬剤シート用包装体は、前記インナーシートが、前記薬剤シートのポケットの列を露出させる長孔を有していることが好ましい。
本発明の薬剤シート用包装体によれば、薬の服用者による薬剤を取り出す操作性能を良好にし、また子供などによって偶発的に又は不用意には薬剤が取り出せない保護機能を兼ね備えることができる。また、ベースシートを共通化し、インナーシートを交換するだけで様々な薬剤シートにも対応することが可能となる。
包装体を構成するベースシート、インナーシート、及びそれに包装される薬剤シートの斜視図である。 展開したベースシートの(a)正面図、(b)側面図及び(c)前面図である。 インナーシートの(a)正面図、(b)側面図及び(c)前面図である。 弾性保持部における、波状凹部のピッチP1、深さD、内径R1、並びに波状凸部のピッチP2、高さH、外径R2の寸法例を示す図である。 薬剤シートを包装した包装体を前方から見た図である。 包装体の使用方法を説明するための図である。 包装体の使用方法を更に説明するための図である。 包装体の使用方法を更に説明するための図である。 包装体の使用方法を更に説明するための図である。 他の実施例によるインナーシートの平面図である。 更に他の実施例によるインナーシートの平面図である。 更に他の実施例によるインナーシートの平面図である。
図1は、包装体を構成するベースシート20、インナーシート30、及びそれに包装される薬剤シート40の斜視図である。図2は、展開したベースシートの(a)正面図、(b)側面図及び(c)前面図である。図3は、インナーシートの(a)正面図、(b)側面図及び(c)前面図である。図示されるように、包装体10は、ベースシート20と、このベースシート20に対向してスライド可能に配置されるインナーシート30とを備えて構成される。例えばPTPシートである薬剤シート40は、ベースシート20及びインナーシート30間に包装される。なお、インナーシート30は、薬剤シート40とともにベースシート20上においてスライド可能とされており、そのスライドする長手方向を、ここでは「前後」方向として説明する。
ベースシート20及びインナーシート30は、それぞれ可撓性(曲げ弾性)を有する熱可塑性透明樹脂のシート状成形体(以下「シート状成形体」という。)から一体形成される。シート状成形体の素材としては、厚さが例えば0.1〜1.0mm、好適には、0.25〜0.8mmのA−PETを用いることができる。試作したシート状成形体の機械的特性を示す引張弾性係数は2020MPaである(厚さ0.3mm、ISO527−3:2012(JIS K 7127)試験法により測定した実測値)。
先ず、ベースシート20は、図2の展開図で示されるシート状成形体を適宜のプレス成形法(真空成形又は熱成形等)により加工し、所定箇所を折り曲げる工程を経て形成される。ベースシート20は、前後方向に長い本体シート部21と、本体シート部21の左右で折り返され、インナーシート30をスライド可能にその両側部を挟持する右折返部22及び左折返部23とを備えている。更に本体シート部21の後部には後折返部24が形成されている。右折返部22、左折返部23及び後折返部24には、それぞれ本体シート部21の上側面に折り返された際に相互に重ならないように、ランドカット部22a、23a及びテーパカット部24a、24aが形成されている。
また、本体シート部21の前部中央には、薬剤シート40から薬剤を取り出すための薬剤取出孔25が形成されている。薬剤取出孔25は、前後方向に長い長孔であることが好ましい。薬剤取出孔25の短径は、対象とする薬剤シート40のポケット42の直径よりも大きい。薬剤取出孔25の長径は、対象とする薬剤シート40の隣接するポケット42、42の間隔(ポケット42の直径2個分と両ポケットの間隔との総和分の長さ)よりも小さい。ポケット径がφ7.5〜10.0mmの実施例による薬剤取出孔25は、短径が12mm、長径が15mmである。
インナーシート30の後端が後折返部24に接するエンド位置(後述する収容位置)のときには、薬剤シート40の前部によって当該孔25の全部又は一部が塞がれる。なお、このエンド位置では、インナーシート30の後部が本体シート部21と後折返部24との間に入り込み、インナーシート30の後方への更なる移動が規制される。
薬剤取出孔25の周縁部には、凹凸の環状部25aが押出成形されることが好ましい。このような環状部25aにより、薬剤取出孔25周縁部の曲げ剛性を増すことができる。特に薬剤を取り出すためポケット42を押し潰す力に対し、本体シート部21の変形量をできるだけ抑えて十分な反力を生じさせることができる。
また、ベースシート20の右折返部22及び左折返部23の縁に沿って、左右対称に波状凹部221、231が形成されている。なお、これらの波状凹部221、231は、後述するように、インナーシート30の波状凸部321、331とともに、本発明に係る弾性保持部を構成する。
次に、インナーシート30は、上述したベースシート20と同様のプレス成形法により、図3に例示したようなシート状成形体として形成される。インナーシート30は、上述したベースシート20の本体シート部21と略同一寸法の長方形状を有するスライドシート部31を備えている。スライドシート部31には、右押出成形部32、左押出成形部33及び前押出成形部34がそれぞれ同じ高さで連続して形成されている。
右押出成形部32は、スライドシート部31の右部において長手方向に沿って延び、左押出成形部33は、スライドシート部31の左部において長手方向に沿って延びて形成されている。右押出成形部32と左押出成形部33とは左右対称形となっている。前押出成形部34は、右押出成形部32及び左押出成形部33の前部においてこれらを連結している。
右押出成形部32の外側端部には、その長手方向に沿って波状凸部321が形成されている。また、左押出成形部33の外側端部には、その長手方向に沿って波状凸部331が形成されている。これら波状凸部321、331は、上述したベースシート20の波状凹部221、231に係合可能なように、そのピッチ(P2)が、波状凹部221、231のピッチ(P1)に対し同一又は整数倍(本実施形態では2倍、つまりP2=2×P1)となっている。
図4に、一実施例による弾性保持部における、波状凹部のピッチP1、深さD、内径R1、並びに波状凸部のピッチP2、高さH、外径R2の寸法例を示す。
右押出成形部32及び左押出成形部33で挟まれるインナーシート30の中心には、薬剤シート40のポケット42、42、・・・の列に対応して、これらポケット42、42、・・・全てを挿通して露出させる長孔35が形成されている。
次に、本実施形態による包装体10の使用方法について説明する。包装体10に包装される薬剤シート40は、図5に示すように、インナーシート30及びベースシート20間に挟持される。
ここで、薬剤シート40は、複数のポケット(「ブリスター」ともいう。)42、42、・・・の列を配しており、それぞれのポケット42には、通常、錠剤が1錠ずつ封入されている。なお、1回に服用する錠剤の個数に応じて、薬剤シート40を縦に切り分けてもよい。本実施例では、1回に服用する錠剤の数が1個の場合であり、それに合わせて薬剤シート40のポケット42、42、・・・が1列に切り分けられている。ただし、本発明の実施にあたっては、複数列のポケットを有する薬剤シートを切り分けずに包装する態様であってもよい。
具体的には、先ず、ポケット42、42、・・・がある側を上にした薬剤シート40に対し、インナーシート30をその下面側(押出成形部がない平坦面側)から被せながら長孔35に全てのポケット42、42、・・・を挿通させる。インナーシート30と薬剤シート40とが対向して接した状態では、ポケット列が長孔35から露出するとともに、両端のポケット42、42が長孔35の半円状端部に係合した状態となる。
次に、薬剤シート40に重ね合わせたインナーシート30を、ベースシート20の本体シート部21と右折返部22及び左折返部23との間のスペースに挿入し、薬剤シート40を本体シート部21に接しさせながらインナーシート30をベースシート20の内部に向けてスライドさせる。このとき、右折返部22の波状凹部221とインナーシート30の波状凸部321とが弾性的に嵌合し、左折返部23の波状凹部231とインナーシート30の波状凸部331とが弾性的に嵌合する。これらにより構成される弾性保持部により、インナーシート30をスライドさせたときにそれに伴う節度感(クリックフィーリング)を生じさせている。
インナーシート30の後部がベースシート20の後折返部24の下に入る位置(この位置を「収容位置」という。)では、上述の弾性保持部によりインナーシート30及びこれに係合する薬剤シート40が保持され、それとともに、薬剤シート40の前部によって薬剤取出孔25の全部又は一部が塞がれる(図6参照)。すなわち、インナーシート30がこの収容位置では、薬剤シート40の何れのポケット42も薬剤取出孔25の位置に合致しない薬剤取出不可状態となる。この状態では、薬剤シート40から薬剤が不用意に零れ落ちることがなくなり、包装体10を安全に保管したり持ち運ぶことができるようになる。また、幼児などの悪戯等により偶発的に薬剤が取り出される危険性も小さくすることができる。
また、薬剤の服用者は、インナーシート30をベースシート20の前方にスライドさせることで、包装体10から簡単に薬剤を取り出すことができる。すなわち、上記の収容位置からインナーシート30を2ピッチ(2×P1)だけ前方にスライドさせると、先頭のポケット42が薬剤取出孔25の位置に合致し、当該ポケット42から薬剤取出孔25を通して薬剤を取り出すことが可能な薬剤取出可能状態に保持される(図7参照)。
図7の薬剤取出可能状態から更にインナーシート30を1ピッチ(P1)だけ前方にスライドさせると、何れのポケット42も薬剤取出孔25の位置に合致しない薬剤取出不可状態に再び保持される(図8参照)。そして、更にインナーシート30を1ピッチ(P1)スライドさせると、次に第2番目のポケット42が薬剤取出孔25の位置に合致し、当該ポケット42から薬剤を取り出すことが可能な位置に再び保持される(図9参照)。
このように、インナーシート30を前方にスライドしたとき、薬剤シート40の何れかのポケット42が薬剤取出孔25の位置に合う薬剤取出可能状態と、何れのポケット42も薬剤取出孔25の位置に合わない薬剤取出不可状態とが交互に繰り返されて、それぞれの状態で節度感を生じさせながら、薬剤シート40が包装体10に弾性的に保持される。インナーシート30の一方向のみのスライド操作で薬剤の取り出しが可能となるため、服用者による薬の取り出し操作性を簡易化しかつ良好にすることができる。
また、本実施形態の包装体10においては、ポケットの径寸法や個数が異なる薬剤シート40であっても、その薬剤シートに適したインナーシート30に交換して対応することができる。ここで、図10Aのインナーシートは、ポケットの直径がφ7.8mm、個数が5個のPTPシート用の実施形態である。図10Bのインナーシートは、ポケットの直径がφ9mm、個数が5個のPTPシート用の実施形態である。図10Cのインナーシートは、ポケットの直径がφ10mm、個数が5個のPTPシート用の実施形態である。このように、それぞれの薬剤シートにフィットしたインナーシートを用いることで、ベースシート20を共通化することができ、汎用性が高い包装体10を提供することができる。
10 包装体
20 ベースシート
21 本体シート部
22 右折返部
23 左折返部
24 後折返部
25 薬剤取出孔
30 インナーシート
31 スライドシート部
32 右押出成形部
33 左押出成形部
34 前押出成形部
35 長孔
40 薬剤シート
221、231 波状凹部
321、331 波状凸部

Claims (3)

  1. 薬剤を封入した複数のポケットの列を配した薬剤シートを包装するための薬剤シート用包装体であって、
    ベースシートと、前記ベースシートに対向してスライド可能に配置されるインナーシートとを備え、
    薬剤シートが前記ポケットを前記インナーシートに係合させた状態で当該インナーシート及び前記ベースシート間に包装可能とされており、
    前記ベースシートに薬剤を取り出すための孔が形成されており、
    前記インナーシートを一方にスライドしたとき、前記薬剤シートの何れかのポケットが前記孔の位置に合う薬剤取出可能状態と、何れのポケットも前記孔の位置に合わない薬剤取出不可状態とを交互に繰り返して節度感を生じさせながら前記薬剤シートを保持する弾性保持部が、前記ベースシート及び前記インナーシートの係合部に形成されている、薬剤シート用包装体。
  2. 前記弾性保持部が、前記ベースシートの折返部の縁に沿って所定ピッチで形成された波状凹部と、前記インナーシートの端部において前記所定ピッチと同一又は整数倍のピッチで形成された波状凸部とが係合してなるものである、請求項に記載の薬剤シート用包装体。
  3. 前記インナーシートが、前記薬剤シートのポケットの列を露出させる長孔を有している、請求項1又は2に記載の薬剤シート用包装体。
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