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JP6979408B2 - 標的検体の細胞内局在 - Google Patents
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JP6979408B2 - 標的検体の細胞内局在 - Google Patents

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Description

本出願は、2016年3月18日に出願された、米国仮特許出願第62/310,595号に対する優先権を主張し、その内容は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、細胞試料中の標的検体の細胞内検出及び分析のための方法、物品並びに組成物に関する。
フローサイトメトリーによる細胞内のマーカーの分析は、それぞれの細胞内に存在するそれぞれの染料又は蛍光マーカーにより放出される絶対シグナルの測定に依存する。これらのデータは、かかるシグナルの細胞内局在を付与するものではなく、可能な場合は、染料又は標的分子の既存の知識によって局在を推定することが利用者に託される。例えば、転写因子などの活性化可能なタンパク質の活性化を分析する場合、従来のフローサイトメトリーによる唯一の既存の方法は、それらのリン酸化又は他の修飾のレベルを分析し、この情報が最終的な核局在と相関すると仮定することである。
これらの分子のいずれかを分析する際に重要な要因は、それらが実際に存在するか否か又は核内へ移行される否かである。シグナル伝達性転写因子(STAT)ファミリーのメンバーを伴うなどのいくつかの事例では、STATは、リン酸化されるとただちに核内へ移行するため、この情報は、かなり正確であり得る。しかし、細胞シグナル伝達は、多くの場合非常に複雑であることから、これは必ずしも当てはまらず、ほとんどのタンパク質は、核内への移行の前に必要とされる遠回りの事象のセットを有する。付加的な活性化工程も、核内で一度、転写修飾を開始するために必要とされ得る。
更に、細胞内局在の情報なしに、修飾状態にのみ依存するあらゆる方法は、1)かかる修飾に対する有用な抗体の必要性と、2)それぞれの及び全てのタンパク質/分子に多数の異なる種類の修飾が存在し、全てが、存在し得ないそれら独自の抗体を必要とする、という事実(例えば、リン酸化、カルバミル化、メチル化、アセチル化、スルホン化、ニトロシル化、ユビキチン化など)と、3)ほとんどのタンパク質/分子に関してほとんどの修飾が実際には識別されていない、という事実と、4)経時的なタンパク質の細胞内局在と、又はタンパク質の発現レベル自体と、必ずしも直接相関しない、修飾状態の短命な性質(すなわち、修飾されなくなったタンパク質がなお存在し、標的コンパートメント内で機能している場合がある)と、5)かかる修飾を評価するために利用される透過処理キットの適合性と、6)染色のための修飾に対する抗体のアクセスを可能にするために、分析される分子の表面に修飾が存在するか、又はかかる修飾の生化学的曝露のいずれかの必要性と、を含む、様々な問題によって妨害される。実際に、リン酸化は、STATファミリーの核内移行の誘発と完全に相関するが、後半の問題は、市場で最も荒い固着/透過処理キット以外でのSTATリン酸化の評価を不可能にし、これらのキットは、典型的に、その荒さによって他のタンパク質を検出するという問題を有する。
細胞がサイトメーターを通過するときの細胞の低解像度から中解像度の顕微鏡画像を用いたイメージングフローサイトメトリーは、タンパク質の細胞内局在を視覚的に評価するために使用されてきた。あるいは、細胞は、精製されてから、従来の顕微鏡法、生化学的細胞亜分画に続くタンパク質溶解物のウェスタンブロッティング、又は他の分子生化学的方法のいずれかによって分析されてきた。
これらの先行技術の方法はいずれも、欠点を有する。イメージングフローサイトメトリーは、高価な器具類を必要とする。また、これは主に定性的であり、三次元細胞の二次元画像を撮るため、画像中の核の前方又は後方に位置する核周囲タンパク質又はコンパートメント内のタンパク質の細胞質対核の局在を効果的に区別することができない。同様に、従来の顕微鏡法は良好に作用するが、ほぼ定性的であり、核周囲タンパク質の三次元局在を解決することが困難である。共焦点顕微鏡法などのより高度な顕微鏡技術は、細胞の多数の画像スライスを撮り、その後、それらを三次元画像に再生させることにより、この問題をほぼ解決するが、これらの顕微鏡は、イメージサイトメーターよりもはるかに高価であり、顕微鏡スライドに付着する細胞に最もよく作用する。加えて、最先端の顕微鏡でも、核周囲膜結合タンパク質が核膜の内部に位置するか、外部に位置するかを見分けることはなお困難である。
分子生化学的手法の主な欠点は、分析用のタンパク質抽出物を処理し、調製するために必要な時間と手間であり、ウェスタンブロッティングを含むほとんどの手法が数日を要し得る。加えて、全血などの複雑な試料を分析するために使用される場合、顕微鏡法及び分子生化学的手法の両方に共通する主要な欠点は、標的細胞集団を最初に精製してから、更なる実験及び分析に先立って数日間から数週間、細胞を休止させ、培養し、できる限り増殖させる必要があるという点である。
本発明は、活性化可能なタンパク質などの標的検体の細胞内局在を検出するための従来技術による方法のこれらの欠点及び他の欠点に対処する。
本発明は、細胞の試料内の検体を定量化する方法を提供する。この方法は、細胞の第1のアリコートを、細胞質膜を透過処理するが核膜を透過処理しない、第1の透過処理試薬で処理することと、細胞の第2のアリコートを、細胞質膜と核膜との両方を透過処理する第2の透過処理試薬で処理することと、第1及び第2のアリコートを、BSA若しくはFBSを有する又は有しないPBSなどの洗浄緩衝液で洗浄することと、第1のアリコート及び第2のアリコートを、検体に特異的に結合可能な標識化試薬で染色することと、第1のアリコートの細胞における標識化試薬からの第1のシグナルと、第2のアリコートの細胞における標識化試薬からの第2のシグナルと、を測定することと、第1のシグナルを第2のシグナルと比較して検体の分布を判定することと、を含む。検体は、限定するものではないが、NF−κB、Rel、STAT、TRAF、FoxO、カテニン、CREB、ATF、ステロイド受容体、HOX、TFII、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ、ヒストン脱アセチル化酵素、SP−1、活性化因子タンパク質、C/EBP、E4BP、NFIL、p53、熱ショック因子、Jun、Fos、Myc、Oct、NF−I、又はNFATファミリーのメンバーなどの転写因子又は調節因子;ERK、AKT、GSK、MAPK、MAP2K、MAP3K、MAP4K、MAP5K、MAP6K、MAP7K、MAP8K、PI3K、CaM、PKA、PKC、PKG、CDK、CLK、TK、TKL、CK1、CK2、ATM、ATR、GPCR、又は受容体チロシンキナーゼファミリーのメンバーなどのキナーゼ;MKP、SHP、カルシニューリン、PP1、PP2、PPM、PTP、CDCが、CDC14、CDKN3、PTEN、SSH、DUSP、タンパク質セリン/スレオニンホスファターゼ、PPP1−6、アルカリ性ホスファターゼ、CTDP1、CTDSP1、CTDSP2、CTDSPL、DULLARD、EPM2A、ILKAP、MDSP、PGAM5、PHLPP1−2、PPEF1−2、PPTC7、PTPMT1、SSU72、UBLCP1、ミオチューブラリン、受容体チロシンホスファターゼ、非受容体型PTPs、VH−1様若しくはDSP、PRL、又は非定型DSPファミリーのメンバーなどのホスファターゼ;ヒストン、一本鎖DNA結合タンパク質、二本鎖DNA結合タンパク質、ジンクフィンガータンパク質、bZIPタンパク質、HMGボックスタンパク質、ロイシンジッパータンパク質、ヌクレアーゼ、ポリメラーゼ、リガーゼ、ヘリカーゼ、転写因子、共活性化因子、共抑制因子、足場タンパク質、エンドヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼ、リコンビナーゼ、テロメラーゼ、ポリアデニラーゼ、RNAスプライシング酵素、及びリボソームファミリーのメンバーなどのDNA及び/又はRNA結合並びに修飾タンパク質;核内及び核外輸送受容体;BCL2ファミリーのメンバー及び多様なチェックポイントタンパク質を含む、アポトーシス又は生存の調節因子;並びにユビキチン及びユビキチン様タンパク質ファミリーのリガーゼ及びそれらの対応する、デユビキチナーゼ、脱SUMO化酵素、脱ISG化酵素、USP、及びシステインプロテアーゼファミリーのメンバーなどの脱共役酵素を含む、活性化可能なタンパク質又は疾患細胞若しくは異常細胞内で差次的に発現又は活性化されるタンパク質であり得る。検体はまた、限定するものではないが、構造的微小繊維、微小管、及び中間径フィラメントタンパク質、小器官特異的マーカー、プロテアソーム、膜貫通タンパク質、表面受容体、核膜孔タンパク質、タンパク質/ペプチド転位酵素、タンパク質フォールディングシャペロン、シグナル伝達足場、及びイオンチャネルを含む、典型的にいずれかのコンパートメントに恒常的に存在するタンパク質であってもよい。検体はまた、DNA、染色体、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、RNA、mRNA、tRNA、rRNA、マイクロRNA、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、脂質、イオン、糖類(単糖類、少糖類、又は多糖類など)、リポタンパク質、糖タンパク質、糖脂質又はそれらのフラグメントあってもよい。
この方法は、フローサイトメトリー、イメージングフローサイトメトリー、又はマスサイトメトリーなどによって、細胞ごとにシグナルを測定することを含み得る。試料はまた、顕微鏡法などの他のサイトメトリック法を使用して分析されてもよい。
この方法はまた、細胞の第3のアリコートを、核の透過処理を伴い又は伴わずに、細胞質及び1つ以上の小器官膜を透過処理する第3の透過処理試薬で処理することを含み得る。
第1の透過処理試薬は、ジギトニンを0.001〜0.25%含んでもよい。例えば、第1の試薬は、約0.01〜0.15%のジギトニン、pH4.5〜6.5を有する約1〜100mMのMES、0〜274mMのNaCl及び0〜5.2mMのKClを含んでもよい。
第2の透過処理試薬は、>0.01%のジギトニン又は>0.0125%のTX−100のうちの1つを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2の試薬は、約0.025〜0.5%のジギトニン又は約0.0125〜0.25%のTriton X−100のうちの1つを含んでもよい。第2の試薬はまた、pH4.5〜6.5を有する約1〜100mMのMES、0〜274mMのNaCl及び0〜5.2mMのKClを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、この方法は、細胞を1〜10%のパラホルムアルデヒドなどの固定剤で固定する工程を含む。
標的細胞は、多形核細胞(例えば、顆粒球)から構成されてもよく、その場合、第1の透過処理試薬は、細胞質膜を透過処理するための約0.01〜0.15%のジギトニンと約0.0125〜0.25%のTX−100との混合物のうちの1つを含み、第2の試薬は、細胞質膜+核膜を透過処理するための約0.01〜0.15%のジギトニン及び>0.0125%のTween 20の混合物又は細胞質膜+ミトコンドリア膜を透過処理するための>0.05%のTween 20を含み得る。
この方法は、第1のアリコート及び第2のアリコートを、細胞の表面マーカーに特異的に結合可能な標識化試薬で染色する工程を含んでもよい。
本発明はまた、本発明の方法を実行するためのキットを提供する。キットは、細胞の細
胞質膜を透過処理し、核膜を透過処理しない第1の透過処理試薬と、細胞の細胞質膜及び
核膜の両方を透過処理する第2の透過処理試薬と、を含んでもよい。第1の透過処理試薬
は、約0.01〜0.15%のジギトニン、又は約0.01〜0.15%のジギトニン及
び約0.0125〜0.25%のTX−100の混合物のうちの1つを含んでもよい。第
2の透過処理試薬は、約0.025〜0.5%のジギトニン、0.0125〜0.25%
のTX−100、0.01〜0.15%のジギトニン及び>0.0125%のTween
20、又は>0.05%のTween 20のうちの1つを含んでもよい。キットは、
固定剤を更に含んでもよい。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
細胞の試料内の検体を定量化する方法であって、
細胞質膜を透過処理するが、核膜を透過処理しない第1の透過処理試薬を用いて、前記細胞の第1のアリコートを処理することと、
前記細胞質膜及び前記核膜の両方を透過処理する第2の透過処理試薬を用いて、前記細胞の第2のアリコートを処理することと、
前記第1のアリコート及び前記第2のアリコートを洗浄することと、
前記検体に特異的に結合できる標識化試薬を用いて、前記第1のアリコート及び前記第2のアリコートを染色することと、
前記第1のアリコートの細胞における前記標識化試薬からの第1のシグナルと、前記第2のアリコートの細胞における前記標識化試薬からの第2のシグナルと、を測定することと、
前記第1のシグナルを前記第2のシグナルと比較して前記検体の分布を判定することと、を含む、方法。
(項目2)
前記測定する工程が、前記第1のアリコートの複数の細胞からの前記第1のシグナルと、前記第2のアリコートの複数の細胞からの前記第2のシグナルと、を、細胞ごとに測定することを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記細胞ごとに測定する工程が、サイトメーターで測定することを含む、項目1又は2のいずれか一項に記載の方法。
(項目4)
前記細胞質膜及び小器官膜を透過処理する第3の透過処理試薬を用いて、前記細胞の第3のアリコートを処理することを更に含む、項目1〜3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
前記第1の試薬が、0.001〜0.25%のジギトニンを含む、項目1〜4のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記第1の透過処理試薬が、約0.01〜0.15%のジギトニンを含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記第1の透過処理試薬が、pH4.5〜6.5の約1〜100mMのMESと、0〜274mMのNaClと、0〜5.2mMのKClと、を含む、項目5に記載の方法。
(項目8)
前記第1の透過処理試薬が、約137mMのNaClと、約2.7mMのKClと、を含む、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記第2の透過処理試薬が、>0.01%のジギトニン又は>0.0125%のTX−100のうちの1つを含む、項目1〜8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記第2の透過処理試薬が、約0.025〜0.5%のジギトニン又は約0.0125〜0.25%のTriton X−100のうちの1つを含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記第2の透過処理試薬が、pH4.5〜6.5の約1〜100mMのMESと、0〜274mMのNaClと、0〜5.2mMのKClと、を含む、項目9に記載の方法。
(項目12)
前記細胞の前記第1のアリコートを処理する前記工程が、固定剤を用いて前記細胞を固定することを含む、項目1〜11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記固定剤が、約1〜10%のパラホルムアルデヒドを含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記細胞が、単核球を含む、項目1〜13のいずれかの一項に記載の方法。
(項目15)
前記検体が、活性化可能なタンパク質、いずれかのコンパートメントに恒常的に存在するタンパク質、疾患試料若しくは異常な試料において差次的に発現若しくは活性化するタンパク質、DNA、RNA、ペプチド、又は糖類である、項目1〜14のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
前記活性化可能なタンパク質が、転写因子、キナーゼ、ホスファターゼ、DNA若しくはRNA結合若しくは修飾タンパク質、核内若しくは核外輸送受容体、アポトーシス若しくは細胞生存の調節因子、ユビキチン若しくはユビキチン様タンパク質、又はユビキチン若しくはユビキチン様修飾酵素である、項目15に記載の方法。
(項目17)
いずれかのコンパートメント内に恒常的に存在する前記タンパク質が、構造タンパク質、小器官特異的マーカー、プロテアソーム、膜貫通タンパク質、表面受容体、核膜孔タンパク質、タンパク質/ペプチド転位酵素、タンパク質フォールディングシャペロン、シグナル伝達スカフォールド、又はイオンチャネルである、項目15に記載の方法。
(項目18)
前記検体がまた、前記DNA、染色体、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、RNA、mRNA、tRNA、rRNA、マイクロRNA、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、脂質、イオン、モノサッカライド、オリゴサッカライド、ポリサッカライド、リポタンパク質、糖タンパク質、糖脂質又はそれらのフラグメントであり得る、項目15に記載の方法。
(項目19)
前記細胞が、顆粒球を含み、前記第1の透過処理試薬が、約0.01〜0.15%のジギトニン及び約0.0125〜0.25%のTX−100の混合物のうちの1つを含み、前記第2の試薬が、約0.01〜0.15%のジギトニン及び>0.0125%のTween 20の混合物又は>0.05%のTween 20を含む、項目1〜18のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記第1のアリコート及び前記第2のアリコートを染色する前記工程が、前記第1のアリコート及び前記第2のアリコートを、前記細胞の表面マーカーに特異的に結合可能な標識化試薬で染色することを含む、項目1〜19のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
細胞の試料内の検体を定量化するためのキットであって、
前記細胞の前記細胞質膜を透過処理するが前記細胞の前記核膜を透過処理しない第1の透過処理試薬と、
前記細胞の前記細胞質膜と前記核膜との両方を透過処理する第2の透過処理試薬と、を含む、キット。
(項目22)
前記第1の透過処理試薬が、約0.01〜0.15%のジギトニン、又は約0.01〜0.15%のジギトニンと約0.0125〜0.25%のTX−100との混合物のうちの1つを含む、項目21に記載のキット。
(項目23)
前記第2の透過処理試薬が、約0.025〜0.5%のジギトニン、0.0125〜0.25%のTX−100、0.01〜0.15%のジギトニン及び>0.0125%のTween20、又は>0.05%のTween 20のうちの1つを含む、項目21又は22に記載のキット。
(項目24)
固定剤を更に含む、項目21〜23のいずれか一項に記載のキット。
本発明の方法を使用して、全血を溶解するワークフローである。
細胞質膜対核膜の透過処理に最適な濃度を決定するためのジギトニン及びTX−100の滴定。A)全血中の細胞質膜は、およそ0.031%のジギトニンで完全に透過処理され、核はまた、およそ0.5%のジギトニン又は0.125%のTX−100で透過処理される。B)PBMC中の細胞質膜は、およそ0.0016%のジギトニンで完全に透過処理され、核はまた、およそ0.05%のジギトニン又は0.025%のTX−100で透過処理される。この図において、カルセインシグナルの減少は原形質膜の透過処理を示し、HDAC1染色のピークは、完全な核の透過処理を示している。完全な溶解の前にHDAC1で生じる出っ張りは、同じくHDAC1を含む小胞体の溶解によるものである。 細胞質膜対核膜の透過処理に最適な濃度を決定するためのジギトニン及びTX−100の滴定。A)全血中の細胞質膜は、およそ0.031%のジギトニンで完全に透過処理され、核はまた、およそ0.5%のジギトニン又は0.125%のTX−100で透過処理される。B)PBMC中の細胞質膜は、およそ0.0016%のジギトニンで完全に透過処理され、核はまた、およそ0.05%のジギトニン又は0.025%のTX−100で透過処理される。この図において、カルセインシグナルの減少は原形質膜の透過処理を示し、HDAC1染色のピークは、完全な核の透過処理を示している。完全な溶解の前にHDAC1で生じる出っ張りは、同じくHDAC1を含む小胞体の溶解によるものである。
MCF−7細胞の細胞質対核を透過処理するのに最適な濃度を測定するためのジギトニン及びTX−100の滴定。A)ジギトニンは0.031%で細胞質を、また0.25%で核を透過処理した。B)TX−100は、0.0156%で細胞質を、また0.125%で核を透過処理した。この図において、細胞質膜の透過処理は、HSP60染色によって示され、核膜の透過処理は、HDAC1染色によって示されている。
MCF−7細胞を用いた原形質膜の透過処理を評価するために変更されたプロトコル。細胞には、CytoCalcein Violetが予め装填されており、細胞質膜の透過処理は、このシグナルの損失により示されている。この実験では、0.025%のジギトニン又はTX−100が細胞質のみを透過処理し、いずれかの0.25%が細胞質膜及び核膜の両方を完全に透過処理した。
最適な緩衝液組成物を使用した全血試料中の細胞質膜対核膜の透過処理。A)溶解後の試料のCD45対SS及びFS対SSの特性。B)T細胞におけるミトコンドリア対核膜の透過処理の度合い。C)単球におけるミトコンドリア対核膜の透過処理の度合い。この実験で使用された全ての洗剤濃度は、原形質膜を完全に透過処理し、HSP60及びラミンA/Cは、それぞれミトコンドリア内膜及び核膜の透過処理の度合いを示している。 最適な緩衝液組成物を使用した全血試料中の細胞質膜対核膜の透過処理。A)溶解後の試料のCD45対SS及びFS対SSの特性。B)T細胞におけるミトコンドリア対核膜の透過処理の度合い。C)単球におけるミトコンドリア対核膜の透過処理の度合い。この実験で使用された全ての洗剤濃度は、原形質膜を完全に透過処理し、HSP60及びラミンA/Cは、それぞれミトコンドリア内膜及び核膜の透過処理の度合いを示している。
顆粒球の細胞質膜対核膜の透過処理に最適な濃度を識別するための洗剤の滴定。細胞質+核の最適な透過処理は、0.0625%のジギトニン+0.5%のTween 20に見ることができる。全細胞緩衝液に匹敵する、細胞質のみの最適な透過処理は、0.0625%のジギトニン+0.25%のTX−100である。>0.5%のTween 20のみが、細胞質+ミトコンドリアを完全に透過処理することになる。これらのグラフでは、Tween 20の濃度は、他の洗剤に対して示された数字の2倍であり、0.0625%〜1%で滴定された。図5に示すように、HSP60及びラミンA/Cが、それぞれミトコンドリア内膜及び核膜の透過処理の度合いを示すために使用された。
1μg/mLのLPSによる単球の刺激。A)緩衝液1の溶解と緩衝液2の溶解との間の散乱特性の比較、並びにゲーティングワークフロー。B)全血単球における細胞質対核シグナル伝達。C)T細胞における細胞質対核シグナル伝達。LPSは、予期されたとおり、単球におけるNF−κB及びAKTシグナル伝達を刺激したが、T細胞は刺激しなかった。 1μg/mLのLPSによる単球の刺激。A)緩衝液1の溶解と緩衝液2の溶解との間の散乱特性の比較、並びにゲーティングワークフロー。B)全血単球における細胞質対核シグナル伝達。C)T細胞における細胞質対核シグナル伝達。LPSは、予期されたとおり、単球におけるNF−κB及びAKTシグナル伝達を刺激したが、T細胞は刺激しなかった。
1μg/mLのLPS対100ng/mLのGM−CSFによって誘発される単球における示差的シグナル伝達。A)LPS及びGM−CSFはいずれも、S133でCREBリン酸化を誘発し、10分で核内に最大限に蓄積した。B)LPS刺激は、優勢に核内ではあるが、細胞質及び核の両方において10分でRelAリン酸化を最大限に誘発した。C)LPS及びGM−CSFはいずれも、主に細胞質においてERKリン酸化を、GM−CSFの場合は5分、LPSの場合は10分で最大限に刺激した。
CD3/CD28によるT細胞における細胞内シグナル伝達の刺激。CD3/CD28は、CREB S133リン酸化を2.5分で最大限に誘発し、RelA S536リン酸化を5分で最大限に誘発し、いずれも主に核内に蓄積した。HDAC1コントロールも、優勢に核内にあることが示されている。
IL2刺激に続くTregにおけるSTAT5核内移行の分析。A)CD4及びCD8 T細胞集団における異なるCD25サブセットのゲーティング。B)パートAでゲーティングされた異なるT細胞サブセットにおけるFoxP3の発現の分析。このグラフでは、FoxP3は、CD4+CD25hi集団の核内に優勢に見ることができ、これは、Treg集団であることから予期される。C)異なるCD4 T細胞集団におけるIL2刺激に続くSTAT5の核内移行。IL2刺激は、Treg集団内で最大のSTAT5移行を最も迅速に誘発し、2.5分でピークに達した。CD25+集団をCD25low集団よりも強く刺激した状態で、残りのCD4 T細胞は10分でピークに達した。D)異なるCD8 T細胞集団におけるSTAT5の核内移行。STAT5の移行は、CD8+CD25low集団では誘発されなかったが、CD8+CD25+集団では10分でピークに達した。これらの結果はいずれも予期される。この実験でSTAT5染色に使用された抗体は、リン酸化部位ではなく、STAT5タンパク質全体を対象とした。
概要
本発明は、フローサイトメトリーなどの多様なコンテキストにおいて標準的な標識手法を使用して、細胞内のタンパク質の細胞内局在の定量的測定を有効にする。本発明は、特定の洗剤の差次的能力を利用して、それぞれ異なる脂質組成物からなる、異なる細胞内小器官の膜を透過処理する。
例えば、本発明は、数時間で全血に直接使用して、時間及び資源を節約し、それによって、処理量を高め、コストを削減することができる。本発明はまた、最初に精製を必要とする従来の手法による調査を効果的に可能にするのに十分な量では存在し得ない、血液中の希少細胞集団の分析に非常に有用である。均質な細胞集団の精製を必要としないため、本発明は、従来の手法に比べて必要とされるよりもはるかに少ない試料量で、内因性状態での細胞の分析を可能にする。このように、本発明は、少ない試料容量での調査を可能にし、希少かつ貴重な試料(例えば、小児患者からの血液)中の細胞シグナル伝達を研究するために使用することができ、試料の全容量は、典型的に、従来の調査研究を実施することができないほど少なくなる。
細胞試料
本発明の方法における細胞試料は、例えば、血液、骨髄、脾臓細胞、リンパ節細胞、骨髄穿刺液(又は骨髄から得た任意の細胞)、尿(洗浄)、唾液、脳脊髄液、尿、羊水、間質液、糞便、粘液、組織(例えば、腫瘍試料、分離した組織、分離した充実性腫瘍)、又は細胞株であり得る。特定の実施形態では、試料は血液試料である。いくつかの実施形態では、血液試料は全血である。標準的な臨床手順を使用して、被験者から全血を得ることができる。いくつかの実施形態では、試料は、全血からの1つ以上の細胞のサブセット、又は細胞由来の微小胞若しくはエキソソーム(例えば赤血球、白血球、リンパ球(例えば、T細胞、B細胞又はNK細胞)、食細胞、単球、マクロファージ、顆粒球、塩基好性白血球、好中球、好酸球、血小板、又は1つ以上の検出可能なマーカーを有する任意の他の細胞、小胞、若しくはエキソソーム)である。いくつかの実施形態では、細胞、又は細胞由来の微小胞若しくはエキソソームは、細胞培養のものであり得る。
被験体は、ヒト(例えば、癌に罹患した患者)、又は商業的に有意な哺乳動物、例えば、サル、ウシ若しくはウマであり得る。また、試料は、例えば、イヌ又はネコを含む家庭で飼育されるペットから得ることもできる。いくつかの実施形態では、被験体は、疾患の動物モデルとして使用される又は薬物スクリーニング用の実験動物、例えば、マウス、ラット、ウサギ、又はモルモットである。試料は、かかる生物由来の一次又は二次組織若しくは細胞であってもよい。
標的検体及びシグナル伝達経路の活性化
本発明の標的検体は、典型的には「シグナル伝達経路タンパク質」又は「活性化可能タンパク質」である。これらの用語は、特定の生物学的、生化学的、又は物理的特性、例えば、酵素活性、修飾(例えば、リン酸化などの翻訳後修飾)、又はコンフォメーションを有するタンパク質の特異的な形態に対応する、少なくとも1つのイソ型を有するタンパク質を指すときに使用される。典型的な実施形態では、タンパク質はリン酸化を介して活性化される。活性化の結果として、タンパク質は、異なる細胞コンパートメントに(例えば、細胞質から核へ)移行される。
本発明の方法において標的とされる特定の活性化可能なタンパク質は、本発明に重要ではない。例としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5(STAT5A及びSTAT5B)、及びSTAT6などのSTATファミリーのメンバーが挙げられる。サイトカインの細胞外結合は、STATタンパク質内の特異的なチロシン残基をリン酸化する、受容体関連のヤーヌスキナーゼの活性化を誘発する。活性化タンパク質は次いで、核に輸送される。
他の活性化可能なタンパク質の例としては、限定するものではないが、ヒストン脱アセチル化酵素1(HDAC1)、RELA(p65)、cAMP応答エレメント結合タンパク質(CREB)、フォークヘッドボックスP3(FoxP3)、ERK、S6、AKT、及びp38が挙げられる。
別のシグナル伝達経路の例としては、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)経路が挙げられ、これは、遺伝子調節に影響を与えるシグナル伝達経路であり、細胞外シグナルに応答して細胞の増殖及び分化を制御する。この経路は、ERK1/2などの活性化可能なタンパク質を含む。この経路は、リポ多糖(LPS)、インターロイキン−1(IL−1)及び腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)などのサイトカイン、CD40配位子、ホルボール12−ミリスチン酸13−アセテート(PMA)によって活性化され、Mos、Raf、Ras、TPL2、及びV12HaRasなどのタンパク質によって恒常的に活性化され得る。
別のシグナル伝達経路は、ホスファチジルイノシトール−3−キナーゼ(PI3K)経路である。PI3K経路は、細胞アポトーシスを媒介し、調節する。PI3K経路はまた、増殖、成長、分化、運動性、血管新生、有糸分裂誘発、形質転換、生存力、及び老化を含む、細胞プロセスを媒介する。PI3K経路を媒介する細胞因子としては、PI3K、AKT及びBADが挙げられる。
このように、いくつかの実施形態では、本発明の方法は、細胞試料への活性化試薬の添加を含む、活性化工程を含んでもよい。活性化試薬は、細胞内の少なくとも1つのシグナル伝達経路をトリガー/活性化するように適合される。適切な活性化試薬として、例えば、LPS、CD40L、PMA又はサイトカイン(例えば、IL−1、TNF又はGM−CSF)が挙げられる。活性化試薬はまた、シグナル伝達経路を恒常的に活性化するものであってもよい。例としては、Mos、Raf、Ras、TPL2及びV12HaRasなどのタンパク質が挙げられる。
固定及び透過処理
本発明の方法は、タンパク質、脂質、及び核酸分子を架橋するのに十分な量の固定剤に試料を接触させることを含み得る、固定(又は保存)工程を含んでもよい。試料中に細胞を固定するための試薬は、当業者に周知である。例としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド及びグルタルアルデヒドなどのアルデヒド系固定剤が挙げられる。他の固定剤としては、エタノール、メタノール、四酸化オスミウム、重クロム酸カリウム、クロム酸及び過マンガン酸カリウムが挙げられる。いくつかの実施形態では、固定剤は、加熱型、凍結型、乾燥型、架橋剤、又は酸化剤であってもよい。
前述のように、本発明の方法は、少なくとも2つの透過処理工程を含む。この方法は、それぞれ異なる脂質組成物からなる、異なる細胞内小器官の膜を透過処理するための洗剤の差次的能力を利用する。典型的な実施形態では、細胞試料からの細胞の1つのアリコートを、細胞質膜(並びにおそらくはミトコンドリア膜及びER膜などの他の膜)を破壊又は溶解するが、核膜を破壊せず、溶解もしない、第1の透過処理試薬と接触させる。細胞の第2のアリコートは、細胞質膜(及び第1の透過処理試薬によって溶解された他の膜)に加え、核膜を破壊又は溶解する第2の透過処理試薬と接触させる。いくつかの実施形態では、核膜の透過処理を伴い又は伴わずに細胞質膜及び付加的な小器官膜を溶解するために、第3の透過処理試薬を使用してもよい。
典型的な実施形態では、それぞれの後続の透過処理試薬は、前の透過処理試薬よりも高濃度の洗剤を有することになる。あるいは、透過処理試薬は、異なる濃度の複数の洗剤で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、透過処理工程は、同一試料に対して順次実行されてもよい。
細胞を透過処理するために使用される透過処理試薬(例えば、洗剤)は、様々な要因に基づいて選択することができ、例えば、イオン性又は非イオン性の洗剤にすることができる。好適な洗剤は、細胞を透過処理し、検出されるタンパク質の表面エピトープの完全性を維持するものである。洗剤は、典型的には非イオン性洗剤である。例示的な非イオン性洗剤としては、ジギトニン及びエトキシル化オクチルフェノール(TRITON X−100(登録商標))が挙げられる。他の有用な透過処理剤(例えば、洗剤)としては、サポニン、ポリソルベート20(TWEEN(登録商標)20)、オクチルフェノール(エチレンオキシ)エタノール(IGEPAL(登録商標)CA−630)又はNonidet P−40(NP−40)、Brij−58、及びPLURAFAC(登録商標)A−38(BASF Corp)又はPLURAFAC(登録商標)A−39(BASF Corp)として市販されているリニアアルコールアルコキシレートが挙げられる。いくつかの実施形態では、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、デオキシコリン酸ナトリウム又はN−ラウロイルサルコシンなどのイオン性洗剤を使用することができる。
結合剤
本発明の「結合剤」は、標的検体(例えば、活性化可能なタンパク質)に特異的に結合できる任意の分子又は分子の複合体であり得る。本発明の結合剤としては、タンパク質、小有機分子、炭水化物(多糖類を含む)、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、脂質などの任意の分子が挙げられる。いくつかの実施形態では、結合剤は、抗体又はそのフラグメントである。本発明のコンテキストにおける特異的結合は、タンパク質及び他の生物学的分子の異種集団の存在下で標的タンパク質の存在の決定要因である結合反応を指す。このように、指定されたアッセイ条件下において、指定の結合剤は、特定のタンパク質又は特定のタンパク質のイソ型に優先的に結合し、試料中に存在する他のタンパク質又は他のイソ型に有意な量では結合しない。
結合剤が抗体である場合、それらはモノクローナル又はポリクローナル抗体であってもよい。本明細書で使用するとき、抗体という用語は、免疫グロブリン及び免疫グロブリン(Ig)分子の免疫学的に活性な部分を指す。このような抗体としては、限定するものではないが、ポリクローナル、モノクローナル、単一特異的ポリクローナル抗体、抗体模倣、キメラ、単鎖、Fab、Fab’及びF(ab’)フラグメント、Fv、並びにFab発現ライブラリが挙げられる。
本発明の結合剤は、標識されてもよく、その場合、「標識結合剤」と称される。標識は、直接的に(すなわち、一次標識)又は間接的に(すなわち、二次標識)検出され得る分子である。標識は、検出可能なシグナルによってその有無を検出され得るように、可視化及び/若しくは測定されるか、ないしは別の方法で識別され得る。例としては、蛍光分子、酵素(例えば、西洋わさびペルオキシダーゼ)、粒子(例えば、磁性粒子)、金属タグ、発色団、蛍光体、化学発光体、特異的結合分子(例えば、ビオチン及びストレプトタビジン、ジゴキシン及び抗ジゴキシン)などが挙げられる。
典型的な実施形態では、標識は、その固有の蛍光特性を介して検出され得る任意の分子である、蛍光標識である。好適な蛍光標識としては、限定するものではないが、フルオレセイン、ローダミン、テトラメチルローダミン、エオシン、エリスロシン、クマリン、メチルクマリン、ピレン、マラカイトグリーン、スチルベン、ルシファーイエロー、Cascade Blue(商標)、テキサスレッド、IAEDANS、EDANS、BDIPY FL、LC Red 640、Cy 5、Cy 5.5、LC Red 705、オレゴングリーン、緑色蛍光タンパク質(GFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)、増強黄色蛍光タンパク質(EYFP)、及びルシフェラーゼが挙げられる。本発明に使用するための付加的な標識としては、Alexa−Fluor染料(Alexa Fluor 350、Alexa Fluor 430、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 660、及びAlexa Fluor 680など)、共益高分子染料、デントリマー系染料、量子ドット、ポリマードット、及びフィコエリトリン(PE)が挙げられる。
特定の実施形態では、複数の蛍光標識が、本発明の捕捉分子に採用される。いくつかの実施形態では、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ペアのメンバーである、少なくとも2つの蛍光標識が使用されてもよい。本発明に有用なFRETペア(ドナー/受容体)としては、限定するものではないが、PE−Cy5、PE−Cy5.5、PE−Cy7、APC−Cy5、APC−Cy7、APC−AF700、APC−AF750、EDANS/フルオレセイン、IAEDANS/フルオレセイン、フルオレセイン/テトラメチルローダミン、フルオレセイン/LC Red 640、フルオレセイン/Cy5、フルオレセイン/Cy5.5、及びフルオレセイン/LC Red 705が挙げられる。
捕捉分子への標識の接合は、当該技術分野において周知の標準手順を使用して実施され得る。例えば、従来の方法は、標識部分をタンパク質又はポリペプチドに共有結合させるために利用できる。カップリング剤、例えば、ジアルデヒド、カルボジイミド、ジマレイミド、ビスイミダート、ビスジアゾ化ベンチジンなどを使用して、前述の蛍光標識、化学発光標識、及び酵素標識により抗体を標識することができる。
本発明の方法は、結合剤を本願の方法で使用できるように、結合剤を活性化可能なタンパク質の活性化(例えば、リン酸化)形態に特定することを必要としない。抗体は、タンパク質のリン酸化イソ型に特異的に結合するが、タンパク質の非リン酸化イソ型には特異的に結合しないものが産生されており、その多くは市販されている。p−ERKに対する例示的な抗体としては、Cell Signaling Technologyから市販されている、Phospho−p44/42 MAPK(ERK1/2)クローンE10又はD13.14.4Eが挙げられる。
標識結合剤の他の例としては、限定されないが、以下の抗体が挙げられる:Mouse anti−Stat5(pY694)−PE(BD Biosciences Pharmingen San Jose Calif.)、Mouse Phospho−p44/42 MAPK(ERK1/2)(Thr202/Tyr204)(E10)Alexa Fluor 647、Phospho−p38 MAPK(T180/Y182)Alexa Fluor 488、Phospho−Stat1(Tyr701)(58D6)Alexa Fluor 488、Phospho−Stat3(Tyr705)(3E2)Alexa Fluor488(Cell Signaling Technology Inc.,Danvers,Mass.)、Phospho−AKT(Ser473)(A88915)、Phospho−p44/42 MAPK(ERK1/2)(Thr202/Tyr204)(A88921)、Phospho−Stat3(Tyr705)(A88925)、Phospho−p38 MAPK(Thr180/Tyr182)(A88933)、Phospho−S6 Ribosomal Protein(Ser235/236)(A88936)、Phospho−Stat1(Tyr701)(A88941)、及びPhospho−SAPK/JNK(Thr183/Tyr185)(A88944,Beckman Coulter Inc.(BCI),Brea,Calif.)。
いくつかの実施形態では、細胞表面抗原又は表面マーカーを特異的に結合する結合剤を使用することができる。表面マーカーの例としては、膜貫通タンパク質(例えば、受容体)、膜関連タンパク質(例えば、受容体)、膜成分、細胞壁成分、及び少なくとも部分的に細胞外にある薬剤によってアクセス可能な細胞の他の成分が挙げられる。いくつかの実施形態では、表面マーカーは、細胞のタイプ又はサブタイプ(例えば、リンパ球又は単球のタイプ)のマーカー又は識別子である。いくつかの実施形態では、表面マーカーは、CD1、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD10、CD11a、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD24、CD25、CD26、CD27、CD28、CD29、CD30、CD31、CD32、CD33、CD34、CD38、CD40、CD45、CD45RA、CD45RO、CD49a−f、CD53、CD54、CD56、CD61、CD62L、CD64、CD69、CD70、CD80、CD86、CD91、CD95、CD114、CD117、CD120a、CD120b、CD127、CD134、CD138、CD152、CD153、CD154、CD161、CD181、CD182、CD183、CD184、CD185、CD186、CD191、CD192、CD193、CD194、CD195、CD196、CD197、CD198、CD199、CD252、CD257、CD268、CD273、CD274、CD275、CD278、CD279、CD281、CD282、CD283、CD284、CD286、CD288、CD289、CD290、CD326、及びCD357からなる群から選択される。
測定システム
細胞内で結合した分子を定量化するための結合剤及び標識を利用した測定システムは、周知である。かかるシステムの例としては、フローサイトメーター、スキャニングサイトメーター、イメージングサイトメーター、イメージングフローサイトメーター、蛍光顕微鏡、共焦点蛍光顕微鏡、及びマスサイトメーターが挙げられる。
いくつかの実施形態では、フローサイトメトリーを使用して、蛍光を検出することができる。この用途に好適な多くのデバイスが使用可能であり、当業者に既存である。例としては、Beckman Coulter Navios、Gallios、Aquios、及びCytoFLEXフローサイトメーターが挙げられる。いくつかの実施形態では、金属タグ付き抗体を利用する場合、細胞は、マスサイトメトリーを使用して分析することもできる。
キット
本発明の方法において有用な試薬はまた、キットの形で製造することもできる。かかるキットは、例えば、(a)細胞の細胞質膜を透過処理するが細胞の核膜を透過処理しない、第1の透過処理試薬と、(b)細胞の細胞質膜と核膜との両方を透過処理する、第2の透過処理試薬と、の基本要素を含む、パッケージ化された組み合わせである。キットはまた、(c)コントロール(例えば、小器官特異的又は細胞骨格タンパク質)又は活性化可能なタンパク質(例えば、リン酸化形態、非リン酸化形態、又はその両方)を特異的に結合する、標識結合剤と、(d)固定剤と、(e)これらの試薬を使用した方法の実施方法に関する説明書と、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、洗浄緩衝液も含まれてよい。
例示的なキットは、全血単核球(すなわち、リンパ球+単球)に対する2つの別個の緩衝液で構成される。1)第1の緩衝液は、ER、エンドソーム系、及びミトコンドリア外膜を含む、細胞質を透過処理するためのものであり、2)第2の緩衝液は、第1の緩衝液で透過処理される全てに加えて、核(及び、いくつかの実施形態では、内部ミトコンドリア基質)を透過処理するためのものである。緩衝液1(細胞質)は、1〜100mM MES pH 4.5〜6.5、0〜274mM Nacl、0〜5.4mM KCl、及び0.01〜0.15%ジギトニンで構成され得る。緩衝液1に最適な洗剤濃度は、0.001〜0.25%ジギトニンであり、細胞質は溶解されるが、核は溶解されない。緩衝液2(全細胞)は、1〜100mM MES pH 4.5〜6.5、0〜274mM Nacl、0〜5.4mM KCl、及び>0.01%ジギトニン又は>0.0125%Triton X−100で構成され得る。緩衝液2に最適な洗剤濃度は、試料タイプによって異なり、上界は、発生する表面マーカーの損失及び細胞の崩壊によって制限され、いずれもおよそ2%で発生する。
緩衝液1及び緩衝液2のいずれの塩濃度も、生理食塩水の所与の1倍濃度の0〜4倍のいずれであってもよく、すなわち、0〜274mM Nacl+0〜5.2mM KClとなる。いくつかの洗剤では、塩濃度の差異が、特定の細胞質膜の標的化の効率に影響を及ぼすことがある。固定剤は、例えば、1X PBS(10〜20mM NaH2PO4 pH 7.4、137mM Nacl、及び2.7mK KCl)に8〜10%のパラホルムアルデヒドで構成され、最終固定剤濃度4〜5%を提供し得る。緩衝液1及び2はまた、1〜10%のいずれの最終固定剤濃度でも作用するが、細胞シグナル伝達を伴うタンパク質修飾は、濃度が低いほど保存されにくく、RBCの溶解は、濃度>4%でより効率的になる。固定剤中の塩濃度は、所与の1倍濃度の0〜2倍で作用するが、WBCの光散乱特性は低い濃度で少しの影響を受け得、洗剤の有効性は、濃度が2倍に近づくにつれて減少する。
以下の実施例は、限定するものではないが、本願の発明を例示するために提供される。
本発明の目的は、フローサイトメトリー並びに他のサイトメトリック手法によって、細胞内のタンパク質の細胞内局在の定量的測定を可能にすることである。本システムは、特定の洗剤の差次的能力を利用して、それぞれ異なる脂質組成物からなる、異なる細胞内小器官の膜を透過処理することによって機能する。
全血試料を処理するためのプロトコルは以下のとおりである(ワークフローについては図1を参照のこと)。1)試料を最初に固定剤と1:1で混合し、ボルテックスし、次いで10分間インキュベートする。余分のコントロール管を緩衝液ごとに取り入れ、バックグラウンドシグナルを差し引くため、試験される特異的なシグナル伝達又は標的抗体を除く全ての抗体を用いて染色する。バックグラウンドコントロールはまた、特に好中球のような特徴的に高い非特異的結合を有する細胞における、非特異的結合のより正確な測定のために、イソ型コントロール抗体で標識されてもよい。間接抗体標識のため、一次抗体を省略するが、なお二次抗体を利用することは、二次抗体に起因する非特異的バックグラウンドシグナルの度合いを測定するための一般的な方法であり、この度合いは、標的抗体の直接共役よりも典型的に高くなる。2)固定期間中、試料を、一方は細胞質溶解用、及び他方は全細胞溶解用の2つの別個の分画に分裂させる。あるいは、それぞれの試料がいずれも同様に処理されることを前提として、2つの別個の管を試料ごとに予め設定してもよい。3)固定後、それぞれの管内の試料を緩衝液1又は緩衝液2とそれぞれ1:5で混合する(例えば、200μLの試料(固定剤を含む)+1mLの溶解緩衝液)バックグラウンドコントロールはまた、それぞれの緩衝液で溶解されるが、両方の緩衝液が同じ洗剤で構成されている場合(異なる濃度であっても)、2つのうちの1つで溶解することのみが必要であり得る。次いで、管を15〜30秒間、室温でボルテックスし、インキュベートする。4)溶解後、試料を2倍のPBS又は標準的な洗浄緩衝液(例えば、PBS+1%のBSA)で洗浄し、次いで、所望の抗体カクテルで30分間染色する。5)非共役の一次抗体を使用する場合は、試料を洗浄し、免疫表現型検査用抗体のある/ない二次抗体で染色してもよい。免疫表現型検査用抗体は、それらの宿主種を標的とするあらゆる二次抗体への非特異的な結合を防止するため、別の洗浄とその後の遮断工程を必要とし得る。6)染色した後は、試料を再び2倍のPBS又は洗浄緩衝液で洗浄し、PBS+0.5%のPFAで再懸濁し、フローサイトメーターを読み取る。
データ収集後、試料をゲーティングし、補正し、標準的なフローサイトメトリー試料として分析する。細胞質局在対核局在を判定するため、結果のデータを以下のように更に処理する。1)細胞質の場合:緩衝液1に対するバックグラウンドコントロールからの標的シグナルを未処理の細胞質データから差し引く。2)核の場合:緩衝液2に対するバックグラウンドコントロールからの標的シグナルを最初に全細胞データから差し引き、次いで、この結果から処理済みの細胞質データを更に差し引く。例えば、細胞質及び全細胞のバックグラウンドMFIが1.5で、未処理のFoxP3シグナルが、それぞれ、細胞質の場合は3.5、全細胞の場合は31.5である、FoxP3の細胞内分布に対する染色の場合、細胞質膜のMFIは、2(すなわち、3.5(未処理)−1.5(バックグラウンド)=2)として計算され、核のMFIは、28(すなわち、31.5(未処理)−1.5(バックグラウンド)−2(細胞質)=28)として計算されることにある。緩衝液1及び2の両方に同じ洗剤を使用する場合、バックグラウンドを断続的に差し引かずに、全血から未処理の細胞質データを差し引いて核データを得ることにより、データ処理を簡略化することができ得る。このことはまた、前の例にも示されている(すなわち、核のMFIは、31.5(未処理)−3.5(未処理の細胞質)=28)のように単純に計算されることになる)。いくつかの選出されたタンパク質がわずかな割合で内部ミトコンドリア基質内に存在し得るが、これは、(シグナルの非常に小さいフラグメントが)存在する場合は、このようなタンパク質の核局在データにごくわずかな影響しか与えないことが予期され、ミトコンドリア外膜及びミトコンドリア内膜の両方を交差させるためのタンパク質の変性の必要条件と、機能を実施するために内部ミトコンドリア基質内でリフォールディングさせる必要性と、ミトコンドリアは、ほとんどの細胞タンパク質を利用しない、単純に異なる系である(残存細菌である)という事実と、により、転写因子を含む、ほとんどのタンパク質に関する活性化依存の移行シグナルを変更しないことが期待される。
末梢血単核球(PBMC)、細胞株、及び他の精製細胞の場合、緩衝液1及び緩衝液2は、全血の場合と異なる組成物を有するが、プロトコルはその他の点では同じである。ほとんどの細胞株は、PBMCと同様に機能する。加えて、全血顆粒球は、その細胞質対核のコンパートメントを適切に透過処理するために、異なる緩衝液の組み合わせを必要とする場合がある。具体的には、0.0625%ジギトニン+0.25%TX−100で構成される緩衝液1は、ミトコンドリア又は核を溶解せずに原形質膜を溶解する一方、0.0625%ジギトニン+>0.125%Tween 20で構成される緩衝液2は、原形質膜を溶解し(緩衝液1に相当)、核も完全に溶解する。また、>0.5%Tween 20自体は、核を溶解せずに、原形質膜を溶解し、ミトコンドリアを完全に溶解する一方、低濃度のTX−100又はジギトニンのみは、それぞれミトコンドリア又は核を溶解するが、高濃度では溶解しない。
実施例1
図2は、異なる濃度のジギトニン又はTX−100によるT細胞及び単球の細胞質対核の透過処理の効率の比較である。図2Aは、全血に対して実施された滴定であり、図2Bは、PBMCに対して実施された滴定である。いずれの場合も、試料には最初に1時間、CO2調節した37℃のインキュベータ内で1μMのCytoCalcein Violet(AAT Bioquest,Inc)を予め装填した。1時間後、試料を4%のPFAで10分間固定し、次いで、試料混合物と1:5の比率でdiH2O中に希釈した、異なる濃度の洗剤を用いて、常温で30分間インキュベートした。次いで、試料を洗浄し、抗HDAC1−FITC(Abcam,Plc)で染色し、再び洗浄し、最終的にGalliosフローサイトメーター(BCI)を読み取った。この図では、細胞質溶解は、原形質膜が透過処理された後に細胞から放出されるCytoCalcein Violetシグナルの損失によって示され、核溶解は、核膜が透過処理されたときに増加したHDAC1シグナルによって示される。ジギトニン溶解の場合、原形質膜が溶解された後、完全な核溶解の前に、HDAC1染色の出っ張りがあるが、これは、HDAC1の貯蔵所も含む小胞体の溶解を示している。全血では、略0.015%〜0.125%のジギトニンの作用範囲があり、原形質膜は溶解されるが、核は溶解されない。PBMCの場合、この範囲は略0.001%〜0.0125%である。TX−100は、この作用範囲を提供せず、原形質膜の透過処理に十分な濃度に達したほぼ直後に、核の溶解を開始する。細胞の完全な溶解は、全血の場合は0.25%のジギトニン又は0.125%のTX−100のいずれか、PBMCの場合は0.025%のジギトニン又は0.025%のTX−100のいずれかの濃度で達成される。
実施例2
図3は、MCF−7細胞、乳癌細胞株を用いたジギトニン又はTX−100の滴定を示す。図3Aは、ジギトニンの滴定であり、図3Bは、TX−100の滴定である。いずれの事例でも、細胞を、実験の前に24時間、8ウェルガラス顕微鏡スライド(Nunc)で培養した。実験の日には、細胞を最初に4%のPFAで10分間固定し、次いで、1X PBSで稀釈した異なる濃度の洗剤を用いて常温で30分間インキュベートした。次いで、試料を洗浄し、マウス抗ヒトHSP60及びウサギ抗ヒトHDAC1抗体(Santa Cruz Biotechnologies)を用いて常温で1時間標識した。1時後、試料を再び洗浄し、ニワトリ抗マウスAF488及びニワトリ抗ウサギAF647抗体(Molecular Probes)を用いて常温で30分間標識した。最後に、試料を洗浄し、VectasheldのDAPI入り封入剤(Vector Laboratories)で封入処理し、Zeiss Axioskop 2 Plus蛍光顕微鏡を63倍油浸レンズと一緒に使用して画像を取り込んだ。図3Aでは、ジギトニンは、細胞質及びミトコンドリアにおけるHSP60染色によって示されているように、およそ0.031%から細胞質を透過処理し始め、核内で増加したHDAC1染色によって示されるように、およそ0.25%で核を完全に透過処理し始めたことが見られ得る。図3Bでは、TX−100は、およそ0.016%から細胞質を透過処理し始め、次いで、核をおよそ0.125%から透過処理し始めたことが見られ得る。
実施例3
図4は、原形質膜の透過処理をより明瞭に示すために、かつ、二次抗体の非特異的結合によって明白なHSP60染色のレベルが低下し得る可能性を除去するために、MCF−7細胞を染色するためのプロトコルを変更したものである。この実験では、細胞を24時間プレーティングした後、1μMのCytoCalcein Violetを用いて1時間予め装填し、次いで、図3に示すように処理した。試料を封入処理用に準備する際に、DAPIなしの封入剤を使用した。画像は、Zeiss Axioskop 2 Plus顕微鏡に63倍油浸レンズを用いて取り込んだ。この図では、透過処理されなかったMCF−7細胞は、CytoCalceinが装填されていることが見られ得、この染色は、原形質膜が透過処理されると失われる。CytoCalcein Violetの細胞内局在の精密検査は、細胞に装填するときに利用した時間枠に予期されるように、CytoCalcein Violetがエンドソーム系内に装填されることを示している。次いで、細胞質透過処理時のCytoCalcein Violet染色の損失は、エンドソーム系も透過処理されることを示しており、このことは、エンドソーム膜が原形質膜から摘み取られることから予期される。この実験では、ジギトニン及びTX−100のいずれも0.025%で、原形質膜を透過処理することが見られ得ると同時に、いずれも0.25%で全細胞を透過処理することが見られ得る。この変更されたプロトコルは、図2の結果に対するものも含め、フローサイトメトリーによる全血及びPBMCを用いた、異なる洗剤の性能の後続試験に使用された。
実施例4
図5は、RBCの溶解を改善するために変更された緩衝液条件を含む、全血に最適な溶解パラメータを示している。洗剤は、diHOで希釈したときに細胞質膜を差次的に透過処理するために良好に機能することが発見されたが、diHOは、固定時間がプロトコルより2〜3分を超えて延長された場合は特に、非常に低い洗剤濃度でのRBCの溶解の有効性に矛盾があることが発見された。RBCの溶解を改善するため、溶液を、最終的にpH 4.5〜6.5(例えば、pH5.5)のMESを用いて緩衝し、これによって塩濃度も生理的レベルまで増加した。これにより、更に、WBCの散乱特性が改善され、完全な溶解に必要な時間が約15分まで減少し、固定時間がプロトコルをはるかに超えて延長された場合に(>20分)緩衝液がなお作用するところまで、RBCの溶解効率が改善された。同時に、性能の改善により、固定剤濃度を5%まで増加させた。図5Aでは、最適な溶解パラメータの散乱特性が見られ得、細胞質膜の透過処理には0.0625%のジギトニンが最適であり、全細胞膜の透過処理には、0.5%のジギトニン又は0.25%のTX−100のいずれかが最適である。CD45対SSのプロットでは、RBCは完全に溶解されていることが見られ得、FS対SSのプロットは、異なる濃度で保持されたWBC散乱特性を示している。図5Bは、T細胞におけるミトコンドリア(HSP60)及び核(ラミンA/C)膜の透過処理の有効性を示し、図5Cは、単球における同様の有効性を示している。いずれの場合も、透過処理特性は、規定の最適な洗剤濃度と一致することが見られ得る。
実施例5
図6は、顆粒球の特異的な透過処理のための最適な洗剤の組み合わせを示している。いくつかの事例では、細胞内局在キットに規定の緩衝液を使用と、単核球に対するようには顆粒球を有効にかつ再現性よく透過処理することができず、異なる洗剤濃度でより良好に標的化され得る。図6に見られ得るように、顆粒球の細胞質膜+核膜は、0.0625%のジギトニン+0.5%のTween 20(グラフ中のTween 20の濃度は、他の洗剤に示された濃度の2倍である)によって最適に透過処理され、細胞質膜のみは、0.0625%のジギトニン+0.25%のTX−100によってほとんど同等に透過処理される。濃度>0.5%のTween 20は、核膜を透過処理せずに細胞質膜+ミトコンドリア膜を透過処理したことが見られ得、低濃度のジギトニン及びTX−100のみは、核膜又はミトコンドリア膜をそれぞれ透過処理することになる。最終的に、標的小器官に応じて、顆粒球の差次的な透過処理は単核球よりも複雑になり得る。
実施例6
図7は、LPSで刺激された単球における細胞シグナル伝達の分析を示している。全血を、指示された時間、1μg/mLのLPSで刺激した。次いで、試料を5%のPFAで固定し、緩衝液1の場合は0.0625%のジギトニン、緩衝液2の場合は0.5%のジギトニンを使用して、細胞内局在キットの緩衝液組成物で処理した。図7Aでは、異なるWBC集団に対するゲーティングワークフローと共に、緩衝液1対緩衝液2の溶解の散乱特性が見られ得る。図7Bでは、IκBαは、細胞質及び核の両方において劣化し、AKTは、細胞質及び核の両方においてS473でリン酸化し、S529でリン酸化したRelAは、核内に蓄積して10分で最大限になることが見られ得る。対照的に、図7Cは、T細胞内で誘発されるシグナル伝達の欠如を示している。LPSは、CD14を共受容体として使用して、T細胞には存在しない単球のTLR4受容体を刺激するため、これらの結果は予期される。
実施例7
図8は、1μg/mLのLPS又は100ng/mLのGM−CSFのいずれかを用いた、単球の別の刺激を示している。この実験では、細胞を4%のPFAで固定し、いずれもdiHOで稀釈した、緩衝液1の場合は0.05%のジギトニン、及び緩衝液2の場合は0.5%のジギトニンを用いて処理した。図8Aでは、S133でのCREBリン酸化の誘発が示されており、いずれの刺激でも10分で核内に最大に蓄積している。図8Bでは、S536でのRelAリン酸化の誘発は、LPS刺激に続き、核内においておよそ10分でピークに達し、細胞質内にはより低い度合いで蓄積していることが見られ得る。GM−CSFは、S536ではRelAリン酸化を刺激しなかった。図8Cでは、S202/T204でのERKリン酸化は、主に細胞質内でLPS及びGM−CSFの両方によって誘発され、核内にはより小さい度合いであることが見られ得る。このリン酸化は、GM−CSFの場合は5分、LPSの場合は10分でピークに達した。
実施例8
図9は、0.25μg/mLのCD3(OKT3)+2.5μg/mLのCD28(CD28.2)(BD Biosciences)+10μg/mLのヤギ抗マウス架橋剤(Jackson ImmunoResearch)を用いたT細胞の刺激を示している。この実験では、試料を4%のPFAで固定し、いずれもdiHOで希釈した、緩衝液1の場合は0.05%のジギトニン、緩衝液2の場合は0.5%のジギトニンを用いて処理した。CD3/CD28刺激に続いて、pCREB S133は、核内に2.5分で最大限に蓄積し、pRelA S536は、5分で核内に、及びより小さい度合いで細胞質内に蓄積した。HDAC1染色はまた、予期されるとおり、核内に優勢に位置することが示されている。
実施例9
図10は、50IU/mLのIL2による刺激に続く、TregにおけるSTAT5核内移行の優先活性化を示している。この実験では、試料を4%のPFAで固定し、いずれもdiHOで希釈した、緩衝液1の場合は0.05%のジギトニン、緩衝液2の場合は0.5%のジギトニンを用いて処理した。図10Aは、CD4及びCD8 T細胞のCD25hi、CD25+、及びCD25lowのゲーティングを示している。図10Bは、抗FoxP3−AF647(BCI)で染色された、FoxP3+の細胞質対核の局在を示している。このグラフでは、FoxP3は、CD4+CD25hi細胞の核内に優勢に局在することが見られ得、このことは、これが核内のFoxP3発現によって画成されるTreg集団であることから予期される。図10Cは、抗STAT5−FITC(Abcam)を使用して検出されたSTAT5タンパク質全体の核内移行を示している。この図では、STAT5は、Treg集団の核内へ最も迅速に移行し、2.5分近くでピークに達したことが見られ得る一方、その移行は、CD4+CD25+細胞ではよりゆっくり誘発され、10分でピークに達した。STAT5の移行はまた、CD8+CD25+細胞において、軽度ではなるが、10分で最大限に誘発された。STAT5リン酸化の検出を必要とせずに、STAT5タンパク質全体の核内移行を検出する能力は、タンパク質修飾における差異のみを検出できる既存の手法の制限を回避するためのこの手法の力を実証するものであり、タンパク質全体に対する抗体のエピトープが露出していない場合、常に、使用可能な異なるエピトープに対する別の抗体が存在する。これは、特異的なタンパク質修飾部位に当てはまることではない。
代替アプローチ:
本発明の方法は、1つの管で細胞質膜に加え、可能な限り多くの細胞質成分を、また他の管で核を含む全細胞を、緩やかに溶解するため、異なる洗剤又は洗剤濃度に依存する。このことから、このタスクを達成するために、様々な洗剤が作用することになる。いくつかは、以下のように、全血での性能を基準とする。
細胞質:
サポニン(キラヤ樹皮):>0.03%は、何らかの明らかな細胞内小器官を透過処理せずに、リンパ球及び単球の細胞質膜を透過処理する。顆粒球の場合、低濃度で核膜も透過処理する。これは、細胞質膜の透過処理のためのジギトニン(サポニンファミリーの別のメンバー)の生存可能な代替物であり得るが、高濃度では核膜を透過処理しない。高濃度のサポニンはまた、必要に応じて2つの緩衝液の容量オスモル濃度に一致させるために、緩衝液1に使用され得る。ただし、サポニンは、ジギトニンよりも高いバックグラウンドシグナルを産生する。
Tween 20:略0.0625%〜0.25%の範囲で、リンパ球及び単球の原形質膜を完全に透過処理し、核には影響を与えない。上に示したように、濃度が上がるにつれ、顆粒球における細胞質膜+ミトコンドリア膜は完全に透過処理される。Tween 20はまた、溶液の表面張力を大きく変化させ、試験管をコーティングしてそれらを非常に滑らかにする。これは、洗浄間のデカント時にほとんど労力を掛けずに緩衝液の管を完全に空にするのに役立つという1つの利益をもたらすが、染色用の小容量の抗体カクテルで試料を適切に再懸濁することは困難であるという大きな欠点を生む。
TX−100:ちょうど0.0313%からおそらく最大0.0625%と狭い範囲で、リンパ球及び単球の核に影響せずに細胞質膜を透過処理する。ただし、これは、異なるドナーとの一貫した性能を得るには狭すぎる可能性がある。
NP−40(Igepal CA−630)は、TX−100と同等に機能する。
ドデシル硫酸ナトリウム、デオキシコリン酸ナトリウム、又はN−ラウロイルサルコシンなどの低レベルのイオン性洗剤を、細胞質膜を透過処理するための低レベルの非イオン性洗剤と一緒に滴定することにより、細胞質膜+ミトコンドリア膜は完全に透過処理されるが、低い濃度では核膜の透過処理は阻害される。略0.125%〜0.25%よりも高い濃度では、イオン性洗剤は、核を透過処理するのに十分な高さの濃度に達する前にタンパク質を変性させ始める。核を透過処理する濃度に達すると、散乱特性が劣化し始め、典型的に追加の1回の滴定工程で試料は完全に崩壊される。これは、低濃度の緩衝液1を用いてミトコンドリアを区画化するのに有用であり得るが、緩衝液1と緩衝液2との間のタンパク質変性のレベルの差異が、最終的にアッセイの信頼性を複雑化させることになる。また、異なるタンパク質が異なる濃度のイオン性洗剤で変性されるため、プロテオーム全体に対して期待される性能を事前に定義することが不可能であり得る。
全細胞:
0.0625%のジギトニン+0.125〜0.25%のTX−100は、ジギトニンのみ又はTX−100のみのいずれかよりも細胞を完全に透過処理する。しかし、試料の散乱特性は、いずれかの洗剤のみよりも劣化し、試料品質の劣化の度合いは必ずしも一貫していない。
0.0625%のジギトニンを用いて細胞質膜を透過処理することにより、CHAPS及びデオキシコール酸ナトリウムなど、低レベルの他の洗剤と組み合わせて、核を透過処理することも可能になる。しかし、CHAPSの性能は、低pHでは低下し、デオキシコール酸ナトリウムは、濃度にかかわらず〜7.0よりも低いpHでは溶液からただちに沈降する。したがって、これらは、全血ではなく、低下したpHを必要としないPBMC又は細胞株には有用であり得る。
サポニンは、他の洗剤と組み合わせて全細胞の透過処理を実現することに関して、ジギトニンとの互換性があり得る。しかし、前述のとおり、バックグラウンドは典型的に他の洗剤のものよりも少し高くなる。
NP−40は、全細胞の透過処理に関してTX−100との互換性がある。
ドデシル硫酸ナトリウム及びN−ラウロイルザルコシンなどのイオン性洗剤は、高濃度で単独使用すると、細胞を完全に透過処理する。しかし、前述のとおり、これらはまた、タンパク質を変性し、緩衝液1と緩衝液2との間の同等性の実現を困難にし得る。
緩衝液のpHは、RBC及び血小板溶解での性能に影響を及ぼす。緩衝液に最適なpH範囲は、4.5〜6.5である。4.5を下回るpHは、散乱特性に大きな障害を与え、血小板粒度を増加し始める一方、6.5を上回るpHは、10〜15分の固定後に、RBC溶解効率の減少をもたらす。最適なpHは、5〜6である。このpH範囲は、クエン酸塩、リン酸塩、及びpH4.5〜6.5の範囲と少なくとも部分的に重なっている有用な範囲を有するその他の緩衝液を含む、MES以外の様々な緩衝液を使用して実現され得る。
プロトコルはまた、以下のように必要な洗剤量を低減するように変更されてもよい。1)最初に、試料を固定し、いずれの付加洗剤も用いずに、MES緩衝生理食塩水(すなわち、1〜100mM MES、pH4.5〜6.5、0〜274mM Nacl、及び0〜5.4mM KCl)のみでRBCを溶解する。2)次いで、試料を洗浄し、遠心分離によってWBCを濃縮し、緩衝液及び壊死組織片をデカントする。3)最後に、細胞質又は全細胞に対して、MES緩衝生理食塩水又は更にはPBSのいずれかに0.01〜0.15%のジギトニン50〜200uLなど、それぞれ小容量の洗剤中で濃縮されたWBCを透過処理する。小容量の場合には、染色抗体は、透過処理緩衝液と一緒に含まれてもよく、その結果、略同等の処理時間となる。MES緩衝食塩水のみによるRBC溶解の速度は、MES又は他の緩衝液の濃度を増加させるか、緩衝液を切り換えるか(例えば、クエン酸塩は同等の濃度ではMESよりも速い)、塩濃度を変更するか、又はおそらくは低濃度のサポニン又はジギトニンで緩衝液を補うか、のいずれかによって、実際には増加され得るが、これらの変更が、工程3における細胞質膜と全細胞との透過処理の特異性に影響しない場合に限られる。RBC溶解工程中に細胞質膜をサポニンなどで透過処理する場合、第2の透過処理工程は、細胞質管に必要とされるいっさいの付加的な洗剤を用いずに、最初に原形質膜を克服する必要がある場合に典型的に可能である濃度よりも低い濃度の洗剤を用いて特定の膜を標的にする可能性を伴い、特定の細胞内小器官を標的にするように変更することができる。しかし、複数の洗剤の使用及び/又は複数の洗剤溶解工程の使用は、洗剤の組み合わせに関係なく、試料の品質、エピトープ、及び散乱特性を大幅に劣化させる傾向にある。
プロトコルはまた、個々の細胞内でシグナルを見て比較できるように、順次実施することができる。この方法は、以下のように実施され得る。1)試料を固定し、0.0625%のジギトニンで細胞質膜+RBCを透過処理する。2)試料を洗浄する。3)第1の抗体又は他のマーカーを用いて細胞質検体を染色する。4)試料を再び洗浄し、好ましくは続行する前に、工程3から抗体又は他のマーカーを架橋する。5)残りの検体を染色するための残りの抗体又はマーカーあり又はなしのいずれかで、核を透過処理する。6)任意:核の透過処理と一緒に染色しなかった場合は、この工程で残りの検体を染色する。7)PBS/0.5%のPFAで洗浄及び再懸濁する。8)フローサイトメーター又は顕微鏡で試料を分析する。第2の透過処理工程は、1mLの容量を使用して溶解した場合は第1の工程と同じ0.0625%のジギトニン濃度、又は上記のように、より少ない50〜200μLの容量を利用する場合は>0.0625%のジギトニンのいずれかを必要とし得る。この事例では、核シグナルから細胞質を弁別するため、2つの抗体は異なる標識を必要とし、ゆえに2つのコンパートメントのシグナルを直接、定量的に比較することができない(すなわち、これらはコンパートメント間で定性的となる)。ただし、コンパートメント内の差異は定量的となる。このプロトコルの主な欠点は、連続的な透過処理の実施に要する時間であり、染色及び洗浄の工程は、標準のプロトコルの略2倍になる。
本明細書に記載の実施例及び実施形態は、例示的な目的のみのものであり、その範囲内での様々な改良又は変更は、当業者に対して示唆され、また、本出願の趣旨及び範囲内に、かつ添付された請求の範囲の範囲内に含まれるべきであることが理解される。本明細書に記載の全ての公開、特許、及び特許出願は、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (24)

  1. 細胞の試料内の少なくとも1つの検体を定量化する方法であって、
    細胞質膜を透過処理するが、核膜を透過処理しない第1の透過処理試薬を用いて、前記細胞の第1のアリコートを処理することと、
    前記細胞質膜及び前記核膜の両方を透過処理する第2の透過処理試薬を用いて、前記細胞の第2のアリコートを処理することと、
    前記第1のアリコート及び前記第2のアリコートを洗浄することと、
    前記検体に特異的に結合できる標識化試薬を用いて、前記第1のアリコート及び前記第2のアリコートを染色することと、
    フローサイトメトリーを使用して、前記第1のアリコートの細胞における前記標識化試薬からの第1のシグナルと、前記第2のアリコートの細胞における前記標識化試薬からの第2のシグナルと、を測定することと、
    前記第1のシグナルを前記第2のシグナルと比較して前記少なくとも1つの検体を定量化することと、を含む、方法。
  2. 前記測定する工程が、前記第1のアリコートの複数の細胞からの前記第1のシグナルと、前記第2のアリコートの複数の細胞からの前記第2のシグナルと、を、細胞ごとに測定することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記細胞質膜及び小器官膜を透過処理する第3の透過処理試薬を用いて、前記細胞の第3のアリコートを処理することを更に含む、請求項1〜2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記第1の透過処理試薬が、0.001〜0.25%のジギトニンを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第1の透過処理試薬が、0.01〜0.15%のジギトニンを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記第1の透過処理試薬が、pH4.5〜6.5の1〜100mMのMESと、0〜274mMのNaClと、0〜5.2mMのKClと、を含む、請求項4に記載の方法。
  7. 前記第1の透過処理試薬が、137mMのNaClと、2.7mMのKClと、を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記第2の透過処理試薬が、>0.01%のジギトニン又は>0.0125%のTX−100のうちの1つを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記第2の透過処理試薬が、0.025〜0.5%のジギトニン又は0.0125〜0.25%のTriton X−100のうちの1つを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記第2の透過処理試薬が、pH4.5〜6.5の1〜100mMのMESと、0〜274mMのNaClと、0〜5.2mMのKClと、を含む、請求項8に記載の方法。
  11. 前記細胞の前記第1のアリコートを処理する前記工程が、固定剤を用いて前記細胞を固定することを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記固定剤が、1〜10%のパラホルムアルデヒドを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記細胞が、単核球を含む、請求項1〜12のいずれかの一項に記載の方法。
  14. 前記検体が、活性化可能なタンパク質、いずれかのコンパートメントに恒常的に存在するタンパク質、疾患試料若しくは異常な試料において差次的に発現若しくは活性化するタンパク質、DNA、RNA、ペプチド、又は糖類である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記活性化可能なタンパク質が、転写因子、キナーゼ、ホスファターゼ、DNA若しくはRNA結合若しくは修飾タンパク質、核内若しくは核外輸送受容体、アポトーシス若しくは細胞生存の調節因子、ユビキチン若しくはユビキチン様タンパク質、又はユビキチン若しくはユビキチン様修飾酵素である、請求項14に記載の方法。
  16. いずれかのコンパートメント内に恒常的に存在する前記タンパク質が、構造タンパク質、小器官特異的マーカー、プロテアソーム、膜貫通タンパク質、表面受容体、核膜孔タンパク質、タンパク質/ペプチド転位酵素、タンパク質フォールディングシャペロン、シグナル伝達スカフォールド、又はイオンチャネルである、請求項14に記載の方法。
  17. 前記検体がまた、前記DNA、染色体、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、RNA、mRNA、tRNA、rRNA、マイクロRNA、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、脂質、イオン、モノサッカライド、オリゴサッカライド、ポリサッカライド、リポタンパク質、糖タンパク質、糖脂質又はそれらのフラグメントであり得る、請求項14に記載の方法。
  18. 前記細胞が、顆粒球を含み、前記第1の透過処理試薬が、0.01〜0.15%のジギトニン及び0.0125〜0.25%のTX−100の混合物のうちの1つを含み、前記第2の透過処理試薬が、約0.01〜0.15%のジギトニン及び>0.0125%のTween 20の混合物又は>0.05%のTween 20を含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記第1のアリコート及び前記第2のアリコートを染色する前記工程が、前記第1のアリコート及び前記第2のアリコートを、前記細胞の表面マーカーに特異的に結合可能な標識化試薬で染色することを含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記細胞の試料が、全血からの血液細胞である、請求項1に記載の方法。
  21. 請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法を実施するためのキットであって、前記キットが、
    前記細胞の細胞質膜を透過処理するが前記細胞の核膜を透過処理しない第1の透過処理試薬と、
    前記細胞の前記細胞質膜と前記核膜との両方を透過処理する第2の透過処理試薬と、を含、キット。
  22. 前記第1の透過処理試薬が、0.01〜0.15%のジギトニン、又は0.01〜0.15%のジギトニンと0.0125〜0.25%のTX−100との混合物のうちの1つを含む、請求項2に記載のキット。
  23. 前記第2の透過処理試薬が、0.025〜0.5%のジギトニン、0.0125〜0.25%のTX−100、0.01〜0.15%のジギトニン及び>0.0125%のTween20、又は>0.05%のTween 20のうちの1つを含む、請求項2又は2に記載のキット。
  24. 固定剤を更に含む、請求項2〜2のいずれか一項に記載のキット。
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