JP6979743B2 - 建物 - Google Patents
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Description
本発明は、例えば、外壁に木質部分を有する建物に関する。
従来、複数の木質板材を繊維方向が直交するように積層接着したCLT(Cross Laminated Timber:直交集成板)を用いた建築物の普及が図られているが、CLTを外壁に用いる場合、その耐候性の低さが懸念される。
そこで、CLTの外側に空間を介してガラスを設け、ダブルスキン構造とすることが考えられる。
しかし、このダブルスキン構造はCLTからの吸放湿によりダブルスキン内ガラス面で結露する恐れがあり、前記空間の層を薄くするとその内側に作業者が入り込めず、発生した結露の拭き取り等のメンテナンスが不可能となり兼ねない。
そこで、前記空間を厚くすると、有効床面積が減少し、かつ、外部からのCLTの視認性も低下する、という問題がある。
以上は、CLTに限らず、木製パネル等、外壁に木質部分を設けた場合について全般的に当て嵌まることである。
本発明は、外壁に木質部分を設けた場合に、メンテナンスに係る手間等の軽減を図りつつ、有効床面積の増大及び外部からの木質部分の視認性の向上をも図ることが可能な建物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る建物は、外壁の木質部分の外側に空間を介して透光壁を設け、前記空間を囲んで密封し、前記空間に乾燥圧縮空気を供給可能とし、前記空間の下方に前記乾燥圧縮空気及び該空間内で生じた結露水を排出するための排出部を設けた(請求項1)。
上記建物において、前記排出部に逆流防止弁を設けてもよい(請求項2)。
本願発明では、外壁に木質部分を設けた場合に、メンテナンスに係る手間等の軽減を図りつつ、有効床面積の増大及び外部からの木質部分の視認性の向上をも図ることが可能な建物が得られる。
すなわち、本願の各請求項に係る発明の建物では、前記透光壁を例えば透明ガラスとすることにより、外壁の木質部分を外部に現すことが可能となる。また、前記空間内に結露がいわば日常的に生じないように乾燥圧縮空気を供給すれば、該空間内をメンテナンスフリーとすることができ、この場合、人が該空間内に立ち入る必要が無くなるので、該空間の薄型化を図って、有効床面積の増大や外部からの木質部分の視認性の向上を図ることも可能となる。さらに、前記空間内に供給した乾燥圧縮空気を排出部から排出することで該空間内の圧力を低下させることが可能である。また、仮に前記空間内に結露が生じた場合でも、排出部から結露水を排出することもできる。
請求項2に係る発明の建物では、逆流防止弁を設けることにより、外部から前記排出部を経て前記空間内に至るような風雨等の侵入が防止されるので、該空間の除湿の確実化を図ることが可能となる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら以下に説明する。
まず、本例に係る建物では、図4に示す原理図から把握されるように、外壁の木質部分1の外側に空間2を介して透光壁3を設け、適宜の部材により木質部分1の周縁と透光壁3との隙間を塞ぎ(空間2を囲んで密封し)、空間2に乾燥圧縮空気Aを供給し、空間2内に供給された乾燥圧縮空気A及び空間2内で生じた結露水を、空間2の下方に設けた複数(図示例では五つ)の排出部4から外部に排出する。
このような本例の建物では、透光壁3を例えば透明ガラスとすることにより、外壁の木質部分1を外部に現すことが可能となる。
また、本例の建物において、空間2内に結露がいわば日常的に生じないように乾燥圧縮空気Aを供給すれば、空間2内をメンテナンスフリーとすることができ、この場合、人が空間2内に立ち入る必要が無くなるので、空間2の薄型化を図って、有効床面積の増大や外部からの木質部分1の視認性の向上を図ることも可能となる。しかも、空間2内がメンテナンスフリーでない場合には、室内側から空間2内のメンテナンスを行えるようにするのが合理的であるが、例えばそのために木質部分1を全て取り外さなければならないなら、木質部分1の数や重量によっては全ての木質部分1の脱着に多大な労力が必要となる上、木質部分1に構造的な負担をさせられなくなる。そこで一部の木質部分1のみを取り外せるようにすることも考えられるが、この場合、構造が複雑化するのに加え、空間2全体のメンテナンスが不十分になる恐れもあり、さらに空間2の薄型化を図ろうとした場合には空間2全体のメンテナンスはますます困難化したり不可能になったりすることになる。以上より、空間2内をメンテナンスフリーとするのは非常に有意といえる。
ここで、空間2内に供給した乾燥圧縮空気Aを排出部4から排出することで空間2内の圧力を低下させることが可能であるから、乾燥圧縮空気Aの供給によって空間2内が高圧になり、空間2まわりの部材が破損等することは防止される。また、仮に空間2内に結露が生じた場合でも、排出部4から結露水を排出することもできる。
以下、本例の建物につき、詳細に説明する。
図1(A)及び(B)に示すように、本例の木質部分1は、建物の外壁において市松模様を描くように並び、各木質部分1の外側に空間(図1(A)における斜線部分)2を介して透光壁(本例ではガラス板)3を配してある。
ここで、本例の木質部分1は、前述のCLT、LVL(Laminated Veneer Lumber)、集成材、合板等の木質面材(木質パネル材)によって形成され、図3に示すように、柱(例えば角形鋼管で形成された鉄骨柱)5及び梁(例えばH形鋼で形成された鉄骨梁)6で構築された架構(本例では鉄骨造の架構)7内に設けられ、正面視矩形状を呈し、梁幅と略同じ厚さとされている。
そして、図3に示すように、木質部分1は、引張力伝達部材としての引きボルト8及びせん断力伝達部材としてのブラケット9によって上下の梁6に接合されている。すなわち、木質部分1の上下には、引きボルト8が挿入される挿入孔、ブラケット9が挿入されるスリット(溝部)等が設けられている。
また、図3に示すように、木質部分1とその上下の梁6の間には、セメント系硬化体(本例では無収縮モルタル)10が充填されている。
このように木質部分1を設ける本例では、引きボルト8、ブラケット9を介した木質部分1、梁6間のせん断力及び曲げモーメントの伝達により、建物の耐震性能が向上するのに加え、セメント系硬化体10による曲げモーメントの伝達効率の上昇が、耐震性能の一層の向上に資することになる。その上、セメント系硬化体10により、木質部分1及び梁6の施工誤差等を吸収することができ、梁6から木質部分1への熱伝達防止を図ることも可能である。
図1(A)及び図2に示すように、空間2は、木質部分1の前面と透過壁3の背面とで挟まれ、さらに、木質部分1の周縁と透過壁3との隙間は、透過壁3を支持する部材、木質部分1の下方に設けられた化粧板11等で塞がれ、これにより、空間2は、外気がその内部に自由に出入りしないように密閉されている。
そして、図3に示すように、木質部分1の左右にある隙間12の上部に、送風管(例えばチューブ)13の先端が配され、この送風管13の先端から空間2内に乾燥圧縮空気Aが供給可能となっている。なお、隙間12は、送風管13を残した状態で、図外のシール材によって充填される。
ここで、送風管13の上流側には、図5に示すように、例えば1階等の所定階に配置される外気を取り込むためのコンプレッサー等の装置15の他、取り込んだ外気を除湿する除湿手段、清浄化する清浄化手段(例えばフィルタ)16、適宜に減圧する減圧手段(例えば減圧弁)17、空間2に供給する乾燥圧縮空気Aの流量調整を行うための流量調整手段(例えばスロットルバルブ等)18が設けられ、空間2に供給する空気が適宜に乾燥・加圧されたものとなるようにしてある。そして、乾燥圧縮空気Aは、所定階から送風管19を通って各階に至り、各階でさらに分岐して各部屋あるいは特定の一又は複数の部屋に送られるのであって、部屋内における送風管13は、図1(A)に示すように、天井裏を通り、適宜に分岐して、図3に示すように、木質部分1の左右の隙間12の上部に至る。
一方、図2に示すように、透光壁3の下方に設けられる排出部4の各々には、逆流防止弁14を設けてあり、これにより、外部から排出部4を経て空間2内に至るような風雨等の侵入が防止されるので、空間2の除湿の確実化を図ることが可能となる。
以上の構成からなる本例の建物では、上述のように、空間2内に乾燥圧縮空気Aを供給することにより、空間2内における結露防止を図ることができ、結露している場合にはその除湿(解消)を図ることができる。
ここで、空間2内への乾燥圧縮空気Aの供給は、定期的に行ってもよいし、空間2内で結露したときや結露しそうなとき等に不定期に行ってもよい。例えば、空間2の下方の結露受けとなる部分や排出部4等に漏水センサを設け、かつ、この漏水センサが結露水を漏水として検知したときにその検知信号を受けて乾燥圧縮空気Aをその空間2に供給させる制御部を設ければ、結露解消の自動化を図ることも可能である。
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
上記実施の形態では、図1(B)に示すように、木質部分1を市松模様状に並べているが、これに限らず、例えば木質部分1を格子状、千鳥状等、規則的に並べてもよいし不規則的に並べてもよく、さらに外壁の全面にわたって並べる(架構7の各桝目に設ける)などしてもよい。また、木質部分1は、例えば構造的な負担をする耐力壁等であり取り外せないものであってもよいし、着脱可能な非耐力壁等であってもよい。
上記実施の形態では、図3に示すように、柱5、梁6で構成される架構7の一つの桝目内に一つの木質部分1を設け、さらに図1(A)及び(B)に示すように、一つの木質部分1に対して上下に並ぶ二つの透光壁3を設けているが、これに限らず、架構7の一つの桝目内に二つ以上の木質部分1が外壁に沿う方向に並ぶようにしてもよい。また、架構7の一つの桝目内に設けられた一又は複数の木質部分1に対して設ける透光壁3の数は、上下に並ぶ二つとするものに限らず、一つとしてもよいし三つ以上としてもよく、複数とする場合、その並ぶ方向は上下に限らない。
上記実施の形態では、柱5、梁6で構成される架構7の桝目単位で空間2を区切り、各空間2を密封するようにしているが、左右に隣接する複数の桝目単位で空間2を区切り、各空間2を密封するようにしてもよい。
上記実施の形態では、図3に示すように、引きボルト8、ブラケット9、セメント系硬化体10等を用いて木質部分1を上下の梁6に接合しているが、木質部分1の支持方法はこれに限らず、例えば、部材8〜10の何れかを無くして代わりの部材を用いたり、上下の梁6のみならず左右の柱5に木質部分1を接合したりしてもよい。
上記実施の形態では、図3に示すように、送風管13を木質部分1の左右の隙間12のそれぞれ上部に接続しているが、これに限らず、例えば、木質部分1の左右の隙間12の何れか一方の上部のみに送風管13を接続するようにしてもよい。また、送風管13を部屋の天井裏に通すのではなく、例えばOAフロアの場合には床下に通してもよく、この場合、隙間12の上部ではなく下部に送風管13を接続すればよい。
さらに、送風管13は、空間2に連通すればよいのであって、木質部分1の左右に形成される隙間12に限らず、木質部分1の上下に形成される隙間がある場合にはその隙間に通してもよく、さらには木質部分1に前後を貫く貫通孔(あるいは切欠き)を設け、この貫通孔(切欠き)に送風管13が接続・挿通するようにしてもよい。
図4の例では、排出部4を五つ設けているが、排出部4の数は単数を含む四つ以下でもよいし、六つ以上としてもよい。
透光壁3の内面下部や空間2の下面に、結露吸水材を接着固定してもよい。
なお、上記変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
1 木質部分
2 空間
3 透光壁
4 排出部
5 柱
6 梁
7 架構
8 引きボルト
9 ブラケット
10 セメント系硬化体
11 化粧板
12 隙間
13 送風管
14 逆流防止弁
15 装置
16 清浄化手段
17 減圧手段
18 流量調整手段
19 送風管
A 乾燥圧縮空気
2 空間
3 透光壁
4 排出部
5 柱
6 梁
7 架構
8 引きボルト
9 ブラケット
10 セメント系硬化体
11 化粧板
12 隙間
13 送風管
14 逆流防止弁
15 装置
16 清浄化手段
17 減圧手段
18 流量調整手段
19 送風管
A 乾燥圧縮空気
Claims (2)
- 外壁の木質部分の外側に空間を介して透光壁を設け、
前記空間を囲んで密封し、
前記空間に乾燥圧縮空気を供給可能とし、
前記空間の下方に前記乾燥圧縮空気及び該空間内で生じた結露水を排出するための排出部を設けたことを特徴とする建物。 - 前記排出部に逆流防止弁を設けてある請求項1に記載の建物。
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| JP2018236358A JP6979743B2 (ja) | 2018-12-18 | 2018-12-18 | 建物 |
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| JP2018236358A Active JP6979743B2 (ja) | 2018-12-18 | 2018-12-18 | 建物 |
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2018
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