JP6981163B2 - 硬化性組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、封止材としての硬化性能を維持しながらも、屈折率が高く、塗布性、透明性に優れた硬化性組成物を提供することを目的とする。
以上のように、光硬化性があり、無溶剤で低粘度、そして高屈折率の硬化性組成物が有機EL素子の封止素材として求められている。
(A)ビニル基を有する芳香族炭化水素基が1個以上直接結合した構造を有する化合物、
(B)1個以上のチオール基を有する化合物、および
(C)重合開始剤、
を含有する、粘度が1〜100mPa・sである、硬化性組成物。
(2)上記(A)化合物のビニル基を有する芳香族炭化水素基が、ビニルフェニル基である前記(1)記載の硬化性組成物。
(3)上記(A)化合物の分子量が100以上1000以下である前記(1)または(2)に記載の硬化性組成物。
(4)前記(1)から(3)のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させて得られる、屈折率1.60以上の硬化膜。
(5)有機EL素子の封止膜形成に用いる前記(1)から(3)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(6)前記(5)に記載の封止膜を含有する有機EL素子。
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物は、少なくとも(A)ビニル基を有する芳香族炭化水素基が1個以上直接結合した構造を有する化合物、(B)1個以上のチオール基を有する化合物、および(C)重合開始剤、を含有する、粘度が1〜100mPa・sである、硬化性組成物であることを特徴とする。
本発明では、(A)化合物と(B)化合物が異なる化合物であってもよいし、1分子中にビニル基を有する芳香族炭化水素基が1個以上直接結合した構造と1個以上のチオール基を有する構造の両方を有する(A)化合物と(B)化合物を兼ねる化合物であってもよい。
本発明の(A)化合物は、1分子中にビニル基を有する芳香族炭化水素基が1個以上直接結合した構造を有する化合物である。
本発明の芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、クリセン環、ピレン環、トリフェニレン環等を挙げることができ、ベンゼン環、ナフタレン環が好ましい。
本発明の(B)化合物は、1個以上のチオール基を有する化合物である。2個以上のチオール基を有することが好ましい。具体的には(B−1)〜(B−17)を挙げることができる。好ましくは(B−2)〜(B−16)、さらに好ましくは(B−7a)〜(B−7c)である。
ビニル基とチオール基の比率はビニル基100モル部に対してチオールが10〜1000モル部、好ましくは50〜200モル部である。この比率だと、光エン−チオール反応により良好な硬化膜を得ることができる。
アウトガスの点から、沸点は、150℃以上であり、200℃以上であることが好ましい。(A)化合物および(B)化合物の総計は、硬化性組成物の30〜99質量%含有される。
本発明で好ましく使用される重合開始剤は光開始剤が好ましく、光ラジカル開始剤が挙げられる。
本発明の(C)重合開始剤は、硬化性組成物の1〜10質量%含有される。
光ラジカル開始剤としては、例えば、O−アシルオキシム化合物、アセトフェノン化合物、ビイミダゾール化合物、感放射線性カチオン重合開始剤、ベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物、α−ジケトン化合物、多核キノン化合物、キサントン化合物、ホスフィン化合物、トリアジン化合物などを挙げることができる。
これらO−アシルオキシム化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
これらの具体例としては、α−アミノケトン化合物として、例えば2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンなど;
α−ヒドロキシケトン化合物として、α−アミノケトン化合物が好ましく、特に2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オンまたは2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オンが好ましい。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて増感剤、重合禁止剤、酸化防止剤、界面活性剤等を含有させてもよい。溶媒は必要であれば使用することは可能であるが、使用することなしに硬化性組成物とすることができる。
酸化防止剤は、露光や加熱により発生したラジカル、又は酸化によって生成した過酸化物を分解し、重合体分子の結合の開裂を防止することができる成分である。その結果、得られる硬化膜は経時的な酸化劣化が防止され、例えば硬化膜の輝度低下を抑制することができる。
本実施形態の硬化性組成物に含有可能な界面活性剤は、硬化性組成物の塗布性の改善、塗布ムラの低減、放射線照射部の現像性を改良するために添加することができる。好ましい界面活性剤の例としては、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤の例としては、市販されている商品名で、SH200−100cs、SH28PA、SH30PA、ST89PA、SH190、SH 8400 FLUID(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
リン酸エステル化合物としては、2−ヒドロキシエチルメタクリレートの6−ヘキサノリド付加重合物と無水リン酸の反応生成物 (日本化薬社製「KAYAMER PM−21」)、アルキル(C12,C14,C16,C18)アシッドホスフェート(城北化学工業社製「JB−512」等が挙げられる。このようなリン酸エステル化合物は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.01質量部〜10質量部、より好ましくは0.05質量部〜5質量部である。リン酸エステル化合物の使用量を0.01質量部〜10質量部とすることによって、本実施形態の硬化性組成物から得られる硬化膜の基板に対する密着性を向上させることができる。
接着助剤は、本実施形態の硬化性組成物から得られる絶縁膜と、その下層に配置される層や基板等との接着性をさらに向上させる目的で使用することができる。接着助剤としては、カルボキシル基、メタクリロイル基、ビニル基、イソシアネート基、オキシラニル基等の反応性官能基を有する官能性シランカップリング剤が好ましく用いられ、例えば、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
[有機溶剤]
必要に応じて有機溶剤を用いることができる。有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネート等のエステル類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等が挙げられる。
本発明の硬化材料は、粘度が1〜100mPa・sであることを特徴とする。なお粘度は、JIS K2283に準拠して、E型粘度計(東機産業社製「TVE22L」)を用いて、25℃で測定した値である。この粘度とすることで硬化性組成物が被硬化物(有機EL素子)に適当な濡れ性を有することとなり、封止性を確保することができる。
この粘度は、硬化性組成物に含有される(A)化合物、(B)化合物の分子量、添加量比によって調整することができ、特に(A)化合物の分子量によって調整することが好ましい。またこの粘度範囲は、経時による粘度上昇が起こりにくい範囲でもある点で好ましい。
工程(1)では、当該硬化性組成物の溶液を基板表面に塗布し、必要に応じてプレベークを行うで塗膜を形成する。工程(1)で使用する基板としては、例えばガラス基板、シリコンウエハー、プラスチック基板、およびこれらの表面に窒化珪素等の各種無機膜が形成された基板が挙げられる。プラスチック基板としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチックを主成分とする基板などが挙げられる。
工程(2)では、工程(1)で形成した塗膜に所定のパターンを有するマスクを介して放射線を照射する。このときの放射線としては、例えば紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等が挙げられる。
必要に応じて塗膜を加熱・焼成処理(ポストベーク処理)することによって塗膜の硬化を行ってもよい。また、工程(3)における焼成温度の下限としては、80℃が好ましい。一方、この上限としては、250℃が好ましい。焼成時間としては、加熱機器の種類により異なるが、例えばホットプレート上で加熱処理を行う場合には5分以上40分以下、オーブン中で加熱処理を行う場合には30分以上80分以下とすることができる。
本発明の硬化性組成物を硬化した硬化物は、屈折率が1.60以上であり好ましくは1.65以上である。硫黄原子等の重量元素の使用、または縮合炭化水素環の含有割合を増やすことによって、高屈折率の硬化物を設計することができる。本発明の硬化膜は液晶表示素子や有機EL素子の封止、マイクロレンズ、反射防止膜、AR素子の回折格子などに用いることができる。
[合成例1]
<化合物(1−1)の合成>
リアクティブ アンド フアンクショナルポリマー(Reactive&Functional Polymers)73(2013)624−633に従い合成した。(1−1)の分子量は150.24である。
<化合物(1−2)の合成>
温度計、窒素導入管を備えた500mLの三口フラスコに(1−1)15.2g、15%水酸化ナトリウム水溶液、プロピレンスルフィド35.1g、トルエン200mL、4−メトキシフェノール0.02gおよびベンジルトリメチルアンモニウムクロリド0.1gを仕込み、室温で12時間撹拌した。反応終了後、5℃以下に氷冷した後、濃塩酸を加えてpH1に調整し、分液ロートにて水層を除去し、さらに、水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。つづいて、シリカカラム精製(展開溶剤:ヘキサン)を行った後、濃縮、乾固して(1−2)を15.7g得た。(1−2)の分子量は224.39である。
<化合物(1−3)の合成>
特許3444682の実施例1に従い化合物テトラメルカプト体(1−3B)を合成した。(1−3B)の分子量は366.74である。ついで温度計および窒素導入管を備えた500mLの三口フラスコに(1−3B)9.17g(0025mol)、エタノール200mL、4−メトキシフェノール0.02gおよびトリエチルアミン10.1gを加えた。次に、ビニルベンジルクロリド7.78g(0.051mol)を加えて一昼夜、室温で撹拌した。反応終了後、ろ過して得られた濃縮し、塩化メチレン300mLを加えて、水で3回分液洗浄を行った。次に、有機層を濃縮し、300mLのヘキサンを加え上澄みを除去することでオイル状の物質を得た。この操作を再度行い、オイル状物質を真空乾燥することで(1−3:メルカプト基の2置換体)を10.48g得た。プロトンNMRで求めた変性率は50mol%であった。(1−3)の分子量は599.06である。
<(1)硬化性組成物の調製>
表1に示す組成で調整後、0.2μmのフィルターを用いてろ過を行い、硬化性組成物(J−1)〜(J−8)、(RJ−1)〜(RJ−3)を得た。表1に示す材料は、下記に示した通りである。
比較例4として特許第5479248号実施例1記載の組成物を作製した。
粘度は、JIS K2283に準拠して、E型粘度計(東機産業社製「TVE22L」)を用いて、実施例および比較例で得られた硬化性組成物の25℃での値を測定した。
(C−1):DAROCUR TPO(BASF(株)製)
(C−2):Irg.OXE−01(BASF(株)製)
VNA :1−ビニルナフタレン
DVNA:1,5−ジビニルナフタレン
DVB :ジビニルベンゼン m、p混合物
(S−1):SH 190(東レ・ダウコーニング(株)製)
以上の硬化性組成物について、下記の評価を行った。結果を表2に示す。なお、特に断りの無い限り、測定は25℃55%RHの雰囲気下が行った。
4インチシリコンウエハー上に膜厚が5μmになるようスピンコーターの回転数を調整して塗布した。この塗膜に下記露光量の紫外線を照射して得た硬化膜のタック有無を観察した。なお、露光量は365nm換算である。
AA:1J/cm2露光でタック無し
AB:2J/cm2露光でタック無し
BB:2J/cm2露光でタックが少しあり
CC:2J/cm2露光で液状
上記硬化膜(2J/cm2露光)をプリズムカプラ法によりModel201(Metricon社製)を使用して測定した。
硬化組成物を40℃の恒温槽に3日間保管し、粘度変化率を評価した。
(粘度変化率)=((保管後粘度)−(初期粘度))/(初期粘度)×100(%)
粘度変化率
AA:5%未満
AB:5〜10%
BB:10〜20%
CC:20%以上もしくはゲル化
紫外線照射装置付きピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドから、硬化性組成物1〜16の吐出試験を行い、下記の判断基準で評価した。
AA:室温(20〜25℃)で硬化性組成物をヘッドから吐出可能であり、
目視に於いて全てのノズルからインクジェット吐出可能であった。
BB:40〜60℃の加温により硬化性組成物をヘッドから吐出可能であり、
目視に於いて全てのノズルからインクジェット吐出可能であった。
CC:硬化性組成物をヘッドから吐出の初期段階で吐出不可能であった。
ガラス基板上にSiNxを膜厚100nmで成膜した評価基板に対して、50μm×50μmピッチで、ピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドから、硬化性組成物1〜16のインクジェット吐出を行い、10cm角の塗布膜を作製した。さらに5分後に前記395nmLEDランプを用いて露光量1000mJ/cm2を照射し、塗布膜を硬化させた。その際、硬化膜の膜厚が10μmまたは5μmとなる様にインクジェットヘッドに印可する電圧を変化させ、吐出されるインクドット1滴の量を調整した。得られた硬化膜に対して以下の基準で評価を行った。
AA(優) :目視にて塗布膜ムラが観察されない。
BB(良) :目視にて部分的な膜厚変化による塗布膜ムラが観察される。
CC(不可):目視にて未塗布箇所が観察される。
≪有機EL素子の作製≫
アレイ状にITO透明電極が形成されたガラス基材(日本電気硝子社製「OA−10」)と、前記ITO透明電極の一部のみが露出したコンタクトホールを有する、膜厚3μmの平坦化層とを有するアレイ基材を複数用意した。
続いて電子注入層上に、マグネシウムおよびAgを抵抗加熱蒸着法により正孔注入層と同様の排気条件で同時に成膜し、膜厚5nmの第1陰極層を形成した。成膜速度は、0.5nm/sec以下の条件であった。
以上のようにして、評価用有機EL素子を得た。
得られた有機EL素子に対して、以下の手順にて薄膜封止層を形成した。成膜室(スパッタ室)に前記有機EL素子を移送し、陰極層上に、SiNxターゲットを用いてRFスパッタリング法により、膜厚100nmの無機封止層(SiNx膜)を形成した。続いて、前記有機EL素子をN2置換されたグローブボックス中に移送し、ピエゾ方式インクジェットプリンタによって、硬化性組成物1〜16を所定のパターンに吐出し、続いてウシオ電機社製UniJetE110ZHD 395nm LEDランプを用いて露光量1000mJ/cm2を照射し、製膜された硬化性組成物を硬化させ、膜厚10μmの有機封止層を形成した。
上記で得られたそれぞれの有機ELデバイスについて、85℃85%RH湿熱条件下で100h保管した後、順方向電流を10mA/cm2で通電し、発光外観(ダークスポット)を観察した。下記基準に基づき、評価した。
A(優):ダークスポットが観察されない。
C(不可):ダークスポットが1箇所以上観察される。
有機EL素子サンプルを室温(25℃)、2.5mA/cm2の定電流条件下による点灯を行い、点灯開始直後の発光輝度(L)[cd/m2]を測定することにより、外部取り出し効率を評価した。ここで、発光輝度の測定は分光放射輝度計(TOPCON社製SR-3AR)を用いて行い、外部取り出し効率を評価した。比較例4の輝度を100とした相対強度で結果を示す。
Claims (4)
- 有機EL素子の封止膜形成に使用する硬化性組成物であって、
少なくとも、
(A)ビニル基と芳香族炭化水素基とが1個以上直接結合した構造および(B)1個以上のチオール基、を有する、分子量が135以上1000以下である化合物、ならびに
(C)重合開始剤、
を含有し、粘度が1〜100mPa・sである、硬化性組成物。 - 前記化合物のビニル基を有する芳香族炭化水素基が、ビニルフェニル基である請求項1記載の硬化性組成物。
- 前記請求項1または2記載のいずれか一項に記載の硬化性組成物を硬化させて得られる、屈折率1.60以上の硬化膜。
- 前記請求項1に記載の封止膜を含有する有機EL素子。
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