JP6982179B2 - 成形用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
このため、接着剤の塗装状況や、パイプの接合状態を目視で確認可能な透明継手が用いられている。
また、透明性及び耐熱変形性以外にも、継手には耐衝撃性が要求されるが、例えば、特許文献1に記載のような従来の透明継手では、使用に伴い割れやクラックが生じやすく、パイプの抜けや水漏れの原因となっている。
以下に本発明を詳述する。
上記塩素化塩化ビニル系樹脂は、下記式(a)〜(c)に示す構成単位(a)〜(c)を有し、下記構成単位(a)、(b)及び(c)の合計モル数に対して、構成単位(a)の割合が5〜90モル%、構成単位(b)の割合が5〜40モル%、構成単位(c)の割合が5〜55モル%である。このような塩素化塩化ビニル系樹脂は、溶融混練時に均一なゲル化特性を示し、表面にムラの少ない成形品を得ることができる。
本発明において、下記構成単位(a)、(b)及び(c)の割合は、高透明性を担保する上で重要となる。下記構成単位(a)、(b)及び(c)の割合は、脱塩酸の起こりやすさの目安となり、隣接する塩素原子が存在すると脱塩酸(ヤケ)が生じ易くなり透明性が損なわれることがある。また、脱塩酸化は、屈折率にも影響し、光の散乱が生じた場合は透明性が低下することがある。
一方で、本発明では、構成単位(a)、(b)及び(c)のモル比を上述の範囲内とすることで、塩素化塩化ビニル系樹脂の均一性が高くなり、溶融混練時に良好なゲル化特性を発揮することができる。
上記範囲内とすることで、透明性が損なわれること無く光学性能が良好な成形物を得る事が出来る。
上記付加塩素化量を6.3質量%以上とすることで、成形品としての耐熱変形性が充分なものとなり、15.2質量%以下とすることで、成形性が向上する。
上記付加塩素化量は、9.3質量%以上であることがより好ましく、12.3質量%以下であることがより好ましい。
上記塩素化塩化ビニル系樹脂中の付加塩素化量は、まず、当該樹脂をJIS K 7229に記載の方法により塩素含有量を測定する。次に、その塩素含有量を塩化ビニル樹脂の塩素含有量(56.8質量%)から差し引くことで求めることができる。
上記重合度を上述の範囲内とすることで、成形時の流動性と成型品の強度を両立することができる。
また、上記塩素化塩化ビニル系樹脂と塩化ビニル系樹脂とのガラス転移温度の差(塩素化塩化ビニル系樹脂のガラス転移温度−塩化ビニル系樹脂のガラス転移温度)は、5〜90℃であることが好ましく、20〜75℃であることがより好ましい。なお、上記ガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量測定(DSC)装置(TA Instruments Waters社製、DSC Q20)を用い、所定の昇温速度、降温速度で温度変化させた場合に得られるDSC曲線より、求めることができる。
特に、前記塩化ビニル系樹脂を塩素化する方法において、ボルテックス体積、塩素化条件(塩素化時の温度、塩素圧力等)を適宜調整することで、本発明を構成する塩素化塩化ビニル系樹脂を作製することができる。
上記光エネルギーによる塩素化反応の場合、PVCが塩素化されるのに必要な光エネルギーの大きさは、PVCと光源との距離に大きく影響を受ける。そのため、PVC粒子の表面と内部とでは、受けるエネルギー量が相違し、塩素化が均一に生じない。その結果、均一性の低いCPVCが得られる。一方、紫外線照射を行わず、熱により塩素化する方法では、より均一な塩素化反応が可能となり、均一性の高いCPVCを得ることができる。
上記過酸化水素を添加する場合、塩素化速度が向上するため、加熱温度を比較的低くすることができる。例えば、65〜110℃の範囲であってよい。
上記方法で塩素化を行うことにより、塩素化状態の不均一性が少なく、熱安定性の優れたCPVCを得ることができる。
上記比が0.009以上であることにより、反応器内の気相部の塩素を液相部に充分に取り込むことができ、上記比が0.143以下であると液相部に取り込んだ塩素が気相部に再放出されにくくなるため、均一に塩素化することが可能となる。
なお、上記ボルテックス体積は、攪拌の際に気液界面に発生する渦の体積を意味する。
上記ボルテックス体積は、例えば、熱流体・粉体解析ソフト「R−FLOW」(アールフロー社製)を用いて算出することができる。
具体的には、攪拌翼の中心と攪拌時の気相部と液相部との界面との距離に基づいて算出することができる。なお、攪拌時には、攪拌動力である攪拌翼により液中には圧力が生じ、液相部はプラス圧、気相部はマイナス圧となる。このため、気相部と液相部との界面は、プラス圧とマイナス圧との境界部分として確認することができる。
なお、攪拌時の攪拌翼の回転数は、10〜500rpmであることが好ましく、容器の容量は0.01m3〜100m3であることが好ましい。
上記塩化ビニル系樹脂を塩素化塩化ビニル系樹脂と併用することで、充分な熱安定性を付与することができ、幅広い成形方法に好適に使用することができる。
本発明において、塩化ビニル系樹脂とは、上記式(a)に示す構成単位(a)を主に有する重合体である。具体的には、構成単位(a)の割合が51〜100モル%であることが好ましい。
上記α−オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、ブチレン等が挙げられ、上記ビニルエステル類としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられ、上記ビニルエーテル類としては、ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル酸エステル類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート、フェニルメタクリレート等が挙げられ、上記芳香族ビニル類としては、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
更に、上記ハロゲン化ビニル類としては、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等が挙げられ、上記N−置換マレイミド類としては、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
なかでも、エチレン、酢酸ビニルが好ましい。
上記PVCの重合方法は、特に限定されず、従来公知の水懸濁重合、塊状重合、溶液重合、乳化重合等を用いることができる。
上記塩素含有量を上記範囲内とすることで、成形性が向上するとともに、成形品としての耐熱変形性が高くなる。好ましくは36.8〜56.7質量%である。
上記塩化ビニル系樹脂の含有量の好ましい下限は5質量部、好ましい上限は20質量部である。
また、本発明の成形用樹脂組成物全体に対する上記塩化ビニル系樹脂の含有量は、0.8〜18質量%であることが好ましく、2〜18質量%であることがより好ましい。
加えて、本発明の成形用樹脂組成物全体に対する上記塩素化塩化ビニル系樹脂及び塩化ビニル系樹脂の合計含有量は、55〜96質量%であることが好ましい。
また、本発明の成形用樹脂組成物において、塩素化塩化ビニル系樹脂と塩化ビニル系樹脂の総量に対する、塩化ビニル単位の含有量は10〜80質量%であることが好ましい。これにより、良好な透明性を付与することができ、様々な透明成形体を得ることができる。なお、「塩素化塩化ビニル系樹脂と塩化ビニル系樹脂の総量に対する、塩化ビニル単位の含有量」は、成形用組成物中の塩素化塩化ビニル系樹脂と塩化ビニル系樹脂の総量、及び、塩素化塩化ビニル系樹脂の構成単位(a)に相当する量と、塩化ビニル系樹脂の構成単位(a)に相当する量との合計質量によって算出することができる。
上記230℃における加熱減量率が5質量%以上であると、成形品内部に気泡が含まれることで強度不足になったり、表面近傍に筋状の模様が発生し外観不良が生じたりすることがある。
上記230℃における加熱減量率は、3質量%未満であることがより好ましい。
下限については特に限定されないが0.1質量%が好ましい。
なお、上記230℃における加熱減量率は、熱重量測定(TG)装置によって測定することができる。
上記安定化助剤としては、重金属を含まないものを用いることができる。例として、有機酸塩、エポキシ化合物、リン酸化合物、金属水酸化物、アジピン酸ナトリウム、グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、オキセタニル化合物、ビニルエーテル化合物及びゼオライト化合物が挙げられる。
上記エポキシ化合物としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ豆油エポキシ化テトラヒドロフタレート、エポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノールA型エポキシ化合物等が挙げられる。
上記リン酸化合物としては、有機リン化合物、亜リン酸エステル、リン酸エステル等が挙げられる。
上記金属水酸化物としては、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
これらは単独で使用しても良く、2種以上を併用してもよい。なお、上記安定化助剤は、アルキルカルボン酸カルシウム及び亜鉛化合物とは異なるものである。
また、上記安定化助剤は、200℃における加熱減量率が5質量%未満であることが好ましい。
上記ジエン系ゴム粒子は、得られる成形体の耐衝撃性を改質する目的で用いられるものであり、ジエン系ゴム成分を含有するものである。
上記ジエン系ゴム成分としては、不飽和ニトリル、α−オレフィンおよび芳香族ビニルからなる群から選ばれるモノマー成分を含む共重合体が挙げられる。その他、不飽和ニトリルとジエン系成分との共重合体、芳香族ビニルとジエン系成分との共重合体、オレフィンとジエン系成分との共重合体、(メタ)アクリレートモノマー成分とジエン系成分との共重合体等が挙げられる。
また、上記ジエン系ゴム成分としては、メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴム共重合体、メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴム−スチレン共重合体が好ましく使用される。なかでも、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体及び/又はアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体がより好ましい。
なお、上記ジエン系ゴム成分が、ジエン系成分を含有する共重合体である場合、上記ジエン系成分の含有量は30〜90質量%であることが好ましく、40〜85質量%であることがより好ましく、50〜80質量%であることが更に好ましい。
また、上記ジエン系ゴム成分が、アクリル成分とジエン系成分との共重合体からなる場合、上記アクリル成分とジエン系成分との比率(アクリル成分/ジエン系成分)は0.05〜3.0の範囲内であることが好ましく、0.1〜2.5の範囲内であることがより好ましく、0.1〜2.0の範囲内であることが更に好ましい。
上記非ジエン系成分としては、オレフィン、およびオルガノシロキサンからなる群から選ばれる1種又は2種以上のモノマー成分を含む重合体が挙げられる。より具体的には、オレフィンゴム(たとえば、エチレン−プロピレンゴムなど)およびシリコーンアクリルゴムが挙げられる。
上記(メタ)アクリレートモノマー成分としては、炭素数1以上12以下のアルキル(メタ)アクリレート、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどが挙げられる。これらモノマー成分は、単独で用いられてもよいし、2種以上(たとえば3種)が併用されてもよい。また、メチルメタクリレート−(アクリル・シリコーン複合体)共重合体が挙げられる。
なお、上記ジエン系ゴム粒子を構成する重合体中の(メタ)アクリレートモノマー成分の含有量は特に限定されないが、たとえば25質量%以上であることが好ましい。
上記ジエン系ゴム粒子の平均粒子径の好ましい下限は0.001μm、好ましい上限は1.0μmである。上記平均粒子径を上述した範囲内とすることで、透明性と衝撃性を両立させることができる。なお、上記平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒子径分布計によって測定することができる。
上記ジエン系ゴム粒子の含有量の好ましい下限は10.5質量部、好ましい上限は18.0質量部である。
なお、上記屈折率はJIS K 71142に従ってアッベ法による屈折計によって測定することができる。
また、上記ジエン系ゴム粒子の屈折率とCPVCの付加塩素化量との比(ジエン系ゴム粒子の屈折率/CPVCの付加塩素化量)が0.130〜0.700であることが好ましい。上記範囲内であることで、ジエン系ゴムの成分とCPVCとの屈折率の比の相乗効果により、透明性と衝撃性の両方の性能を達成することができる。
上記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン酸系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等を用いることができる。これらは、単独で使用しても良く、二種以上を併用しても良い。なかでも、フェノール系酸化防止剤が好ましく、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。
上記200℃における加熱減量率が5質量%以上であると、成形品内部に気泡が含まれて強度不足になったり、表面近傍に筋状の模様が発生し外観不良が生じたりすることがある。
なお、上記200℃における加熱減量率は3質量%未満であることがより好ましい。
上記滑剤としては、内部滑剤、外部滑剤が挙げられる。内部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂の流動粘度を下げ、摩擦発熱を防止する目的で使用される。また、上記外部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂と金属面との滑り効果を上げる目的で使用される。
上記ポリオレフィンワックスとしては、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
上記高級脂肪族系アルコール系滑剤としては、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール等が挙げられる。
上記高級脂肪酸系滑剤としては、炭素数16以上の高級脂肪酸が好ましく、例えば、ステアリン酸、モンタン酸等が挙げられる。また、やし油、大豆油、なたね油等の植物油からの精製物等が挙げられる。
上記脂肪酸エステル系滑剤としては、2,3−ジヒドロキシプロピルオクタデカノエート、ブチルステアレート、グリセリンモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等のペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル等が挙げられる。
これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上記重量平均分子量は、GPCを用いて測定することができる。
また、本発明において、上記滑剤は、重量平均分子量が1000以下の低分子量滑剤と、重量平均分子量が1000を超える高分子量滑剤とを含有することが好ましい。これにより、充分な成形成と透明性を確保することができる。
なお、上記融点は、DSC(示差走査熱量測定)で測定することができる。
また、本発明において、上記滑剤は、融点が80℃以下の低融点滑剤と、融点が80℃を超える高融点滑剤とを含有することが好ましい。これにより、充分な成形成と透明性を確保することができる。
なお、上記凝固点は、DSC(示差走査熱量測定)で測定することができる。
本発明において、上記滑剤は、凝固点が45℃以下の低凝固点滑剤と、凝固点が85℃を超える高凝固点滑剤とを含有することが好ましい。これにより、高い温度で凝固するため、結晶性が低くなり、濁り等が発生し難くなる。
これにより、充分な透明性を確保することができる。また、上記融点−凝固点のより好ましい下限は7℃、更に好ましい下限は11℃である。
加熱減量率が5質量%未満であることで成形品表面に曇りが発生しにくくなる。また、発生した揮発分により成形品中に気泡混入し透明性が損なわれる不具合を防止することができる。
上記耐熱向上剤としては特に限定されず、例えばα−メチルスチレン系、N−フェニルマレイミド系樹脂等が挙げられる。
上記光安定剤としては特に限定されず、例えば、ヒンダードアミン系等の光安定剤等が挙げられる。
上記アクリル系樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸や、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、又は、これらを含む(メタ)アクリル共重合体が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート等がある。ただし上記の(メタ)アクリル酸とはアクリル酸もしくはメタクリル酸を示す。本発明では、上記アクリル加工助剤として、メチル(メタ)アクリレート(MMA)の重合体を用いることが好ましい。
上記顔料としては特に限定されず、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ系等の有機顔料;二酸化チタン等の酸化物系、硫化物・セレン化物系、フェロシアニン化物系などの無機顔料などが挙げられる。
上記ニトリル系熱可塑性エラストマーとしては、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)等が挙げられる。
上記オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体(EVACO)等のエチレン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。
上記塩化ビニル系熱可塑性エラストマーとしては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体や塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体等が挙げられる。
これらの熱可塑性エラストマーは、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
なお、上記重量変化率は、TG/DTA(日立ハイテクサイエンス社製、TG/DTA6200、AST−2)を用い、窒素雰囲気下で昇温速度10℃/minで30℃から250℃まで昇温することによって測定することができる。
上記酸化防止剤、ジエン系ゴム粒子、滑剤等を混合する方法としては、特に限定されず、例えば、ホットブレンドによる方法、コールドブレンドによる方法等が挙げられる。
上記成形の方法としては、従来公知の任意の成形方法が採用されてよく、例えば、押出成形法、射出成形法等が挙げられる。
これらの中でも、パイプ、継手が好ましく、給水・給湯用、床下暖房用、温水暖房用、温泉配管用、薬剤散布用、排水用、散水用、洗濯機用、食洗機用、トイレ用、浴室用、ソーラーシステム用、ミスト発生装置用、農耕用などの液体輸送パイプおよびその継手に用いられる。
本発明の成形用樹脂組成物から成形された継手もまた本発明の1つである。
本発明の継手は、透明であることが好ましい。
上記継手の種類は、フランジ、ソケット、チーズ、エルボ、ベンド、キャップ、バルブ、レデューサー等が好適なものとして挙げられる。
また、本発明によれば、成形機内での混練性が良好であるとともに、接合部に用いる接着剤による接合不良を防止することが可能な成形用樹脂組成物、並びに、成形用樹脂組成物を用いた成形体及び継手を提供できる。
内容積300Lのグラスライニング製反応容器に、脱イオン水130kgと平均重合度800の塩化ビニル樹脂50kgを投入し、攪拌して塩化ビニル樹脂を水中に分散させ水懸濁状態にした後、反応容器内を加熱して水懸濁液を100℃に昇温した。次いで、反応容器中を減圧して酸素を除去(酸素量100ppm)した後、攪拌によって気液界面に発生するボルテックス体積が8.3Lとなるように攪拌翼により攪拌しながら塩素分圧が0.40MPaになるように塩素(酸素含有量50ppm)を導入して熱塩素化を開始した。
その後、塩素化温度を100℃、塩素分圧を0.40MPaに保ち、付加塩素化量が4.2質量%に到達した後、200ppmの過酸化水素水を、塩化ビニル樹脂に対して過酸化水素として15ppm/Hrとなるように添加開始し、平均塩素消費速度が0.02kg/PVC−kg・5minになるように調整した。その後、付加塩素化量が10.5質量%に達した時点で、過酸化水素水と塩素ガスの供給を停止し、塩素化を終了した。
次いで、窒素ガスを通気して、未反応塩素を除去し、得られた塩素化塩化ビニル樹脂スラリーを水酸化ナトリウムで中和し、水で洗浄し、脱水した後、乾燥して、熱塩素化された粉末状の塩素化塩化ビニル樹脂(付加塩素化量が10.5質量%)を得た。
塩素化塩化ビニル樹脂(A)[付加塩素化量:10.5質量%、重合度:800]100質量部に対して、熱安定剤としてブチルスズメルカプタン系化合物(日東化成社製、TVS#1360)3.0質量部を添加した。更に、ジエン系ゴム粒子としてMBS(メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂からなる粒子10.0質量部、塩化ビニル樹脂(塩素含有量:56.8質量%、重合度:700、ガラス転移温度:87℃)8.5質量部を添加し混合した。なお、MBS樹脂からなる粒子としては、平均粒子径:0.105μm、屈折率:1.542、屈折率/付加塩素化量:0.148、比重:1.00のものを用いた。
更に、酸化ポリエチレンワックス0.5質量部、2,3−ジヒドロキシプロピルオクタデカノエート1.5質量部、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル1.0質量部を添加した。なお、酸化ポリエチレンワックス、2,3−ジヒドロキシプロピルオクタデカノエート、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステルとしては、以下のものを用いた。
・酸化ポリエチレンワックス:三井化学社製、Hiwax4202E、融点100℃、重量平均分子量2600、
・2,3−ジヒドロキシプロピルオクタデカノエート:花王社製、エキセルT−95、融点65℃、分子量350、
・ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル:理研ビタミン社製、リケスターSL−02、融点63℃、分子量1853
その後、スーパーミキサーで均一に混合して、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
なお、得られた塩素化塩化ビニル樹脂(A)について、FT−NMRJEOLJNM−AL−300を用いて、構成単位の含有量を測定した。NMR分析は、R.A.Komoroski,R.G.Parker,J.P.Shocker,Macromolecules,1985,18,1257−1265に記載の方法に準拠して行うことができる。結果を表1に示した。
また、MBS樹脂からなる粒子の比重は、乾式自動密度計(島津製作所社製、アキュピックII1340)を用いて測定した。
得られた塩素化塩化ビニル系樹脂組成物を、直径30mmの2軸異方向コニカル押出機(長田製作所社製、OSC−30)に供給し、樹脂温度190℃でペレットを作製した。
得られたペレットを射出成形機(JSW社製、J350ADS)に供給し、ノズルからパージした際の樹脂温度220℃で、外径34.7mm、内径26.9mmのソケット形管継手を得た。
表2、3に示すような種類、添加量の塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、熱安定剤、ジエン系ゴム粒子、滑剤を用いた以外は、実施例1と同様に塩素化塩化ビニル系樹脂組成物及びソケット形管継手を作製した。
なお、使用した塩素化塩化ビニル樹脂の構成単位含有量、付加塩素化量、重合度を表1に示した。
実施例及び比較例で得られた塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物について以下の評価を行った。結果を表2、3に示した。
<機械物性(アイゾット衝撃強度、引張強度、引張弾性率、熱変形温度)>
得られた塩素化塩化ビニル系樹脂組成物を2本の8インチロールに供給し、205℃で3分間混練して、厚さ1.0mmのシートを作製した。得られたシートを重ね合わせて、205℃のプレスで3分間予熱した後、4分間加圧して、厚さ3mmのプレス板を得た。得られたプレス板から、機械加工により試験片を切り出した。この試験片を用いて、ASTM D256に準拠してアイゾット衝撃強度を測定し、ASTM D638に準拠して引張強度及び引張弾性率を測定した。また、ASTM D648に準拠して負荷荷重186N/cm2で熱変形温度を測定した。尚、熱変形温度は、得られたプレス板を90℃のギヤオーブンで、24時間アニール処理した後測定した。
JIS K 7206:2016(プラスチック−熱可塑性プラスチック−ビカット軟化温度(VST)の求め方 B50法)に準拠した方法で、ビカット軟化温度を測定した。
得られた塩素化塩化ビニル樹脂について、示差走査熱量測定(DSC)装置(TA Instruments Waters社製、DSC Q20)を用い、昇温速度5℃/minの条件で40℃から200℃まで昇温し、更に、降温速度5℃/minの条件で200℃から40℃まで冷却した。更に、同様の操作を再度行い、2回目の昇温時に得られたDSC曲線より、ガラス転移温度を求めた。ガラス転移温度は、変曲点前の低温側からの外挿直線と変曲点の接線との交点から求めた。なお、塩化ビニル樹脂のガラス転移温度についても上記と同様の方法で測定した。
得られた塩素化塩化ビニル系樹脂組成物を2本の8インチロールに供給し185℃で、3分間混練して、厚さ0.5mmのシートを作製した。得られたシートを重ね合わせて180℃のプレスで1分間予熱した後、1分加圧、さらに2分冷却して厚さ3mmのプレス板を得た。得られたプレス板をヘイズメーター(日本電色工業社製、Hazemeter NDH2000)を用いてヘイズ、全光線透過率を測定した。
上記ヘイズは、80%以下であることが好ましい。より好ましくは、75%以下である。
下限については特に限定されないが、1%が好ましい。上記ヘイズが80%を超えると、成形品の透明性が低下し、例えば継手にパイプを挿入した際、挿入状態を確認することが出来なくなる。
得られた塩素化塩化ビニル系樹脂組成物について、TG/DTA(日立ハイテクサイエンス社製、AST−2、TG/DTA6200)を用い、窒素雰囲気下で昇温速度10℃/minで30℃から250℃まで昇温した際の重量変化率を測定した。重量変化率(質量%)は、測定結果を元に、下記式に数値を代入して求めた。
重量変化率=((30℃の質量−250℃の質量)/(30℃の質量))×100
上記重量変化率は、5質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、4質量%以下である。下限については特に限定されないが0.1質量%が好ましい。
上記重量変化率を5質量%以下とすることで、成形品内部に気泡が含まれたり、表面近傍に筋状の模様が発生し透明性に不良が生じたりする不具合を防止できる。
<接合目視評価>
得られた継手の内面に色つきの接着剤(エスロン接着剤、NO83Sホワイト)を塗布した。同様に、面取りをしたパイプ20Aの外面にも色つきの接着剤を塗布し、パイプを継手に挿入した後、1日乾燥させ接合サンプルを作製した。
目視にて接合サンプルの接合部分において接着剤が正しく確認できた場合を○、接合部分において接着剤の不具合(ムラ、接着不良、製品のフラッシュによる可視性悪化)が確認された場合を×として、合否判定を行なった。
(継手の作製)で得られたペレットを射出成形機(JSW社製、J350ADS)に供給し、ノズルからパージした際の樹脂温度220℃に調整後、射出ユニットを金型に接触させ、スクリュー回転数25rpm、背圧10MPaとして計量した際のスクリューの回転トルクを測定した。回転トルクが定格の90%以下である場合を○、90%を超えた場合を×として合否判定を行った。なお、安定的に生産を行うためには、回転トルクが定格の90%以下であることが好ましい。
得られた継手を150℃のオーブンに入れて、1時間静置した。取出した継手について、目視にて発泡が無いか、ウェルドラインに亀裂が無いかを確認した。発泡が無く、かつ、ウェルドラインに亀裂が無い場合を○、発泡が生じた場合及び/又はウェルドラインの亀裂が生じた場合を×として合否判定を行った。
Claims (12)
- 更に、ジエン系ゴム粒子を含有することを特徴とする請求項1記載の成形用樹脂組成物。
- ジエン系ゴム粒子は、平均粒子径が0.001〜1.0μmであることを特徴とする請求項2記載の成形用樹脂組成物。
- 更に、滑剤を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の成形用樹脂組成物。
- 滑剤は、融点が80℃以下の低融点滑剤と、融点が80℃を超える高融点滑剤とを含有することを特徴とする請求項4記載の成形用樹脂組成物。
- 塩素化塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、熱安定剤を0.4〜10質量部含有することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の成形用樹脂組成物。
- ヘイズが80%以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の成形用樹脂組成物。
- ジエン系ゴム粒子の屈折率と、塩素化塩化ビニル系樹脂の付加塩素化量との比(ジエン系ゴム粒子の屈折率/塩素化塩化ビニル系樹脂の付加塩素化量)が0.130〜0.700であることを特徴とする請求項2、3、4、5、6又は7記載の成形用樹脂組成物。
- 熱安定剤が、有機スズ系安定剤であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の成形用樹脂組成物。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の成形用樹脂組成物から成形されてなることを特徴とする成形体。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の成形用樹脂組成物から成形されてなることを特徴とする継手。
- 透明であることを特徴とする請求項11記載の継手。
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