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JP6983031B2 - コンクリート片剥落防止工法 - Google Patents
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JP6983031B2 - コンクリート片剥落防止工法 - Google Patents

コンクリート片剥落防止工法 Download PDF

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Description

本発明は、透明なコンクリート片剥落防止工法に関し、詳しくはコンクリート構造物の表面に塗付して形成され、無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンを含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して形成される透明補強層を有し、全体として透明なコンクリート片剥落防止工法に関する。
従来、コンクリート表層の劣化の程度を適時に確認することが可能で、塗膜強度を高強度として高い剥落防止性能を発揮するコンクリート片剥落防止工法が提案されている。該コンクリート片剥落防止工法は、コンクリート構造物の表面に塗付して形成するコンクリート片剥落防止工法であって、コンクリートの表面に、アミノ基含有アクリル樹脂とエポキシシランを含むシリコンアクリル樹脂プライマーを塗付して透明プライマー層を形成し、該透明プライマー層の上に、NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと透明補強短繊維と親水性微粉シリカとレオロジーコントロール剤と光安定剤と紫外線吸収剤を含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して透明補強層を形成すると共にガラス繊維製クロスを該透明補強層内に積層し、該透明補強層の上に、光安定剤と紫外線吸収剤を含むアクリルシリコーン樹脂塗材を塗付して透明保護層を形成することを特徴とするコンクリート片剥落防止工法である(特許文献1参照)。
特開2016−30716号公報
しかしながら、該特許文献1に係るコンクリート片剥落防止工法は、コンクリート表面に塗付する透明プライマー層としてアミノ基含有アクリル樹脂とエポキシシランを含むシリコンアクリル樹脂プライマーを使用しているため、コンクリート表面が脆弱の場合には該シリコンアクリル樹脂プライマーのコンクリート表面に対する含浸補強効果が不十分な場合があるという課題があり、またコンクリート表面が湿潤状態にあると、該透明プライマー層の上に塗付して形成される透明補強層に膨れが生じる場合があるという課題がある。
本発明の課題は、コンクリート表面が脆弱な場合であっても、該コンクリート表面に含浸し補強し、またコンクリート表面が湿潤状態であっても透明補強層に膨れを生じさせることが無い、透明なコンクリート片剥落防止工法並びにこれに使用する脂環式ポリアミンを提供することにある。
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、コンクリート構造物の表面に塗付して形成され、無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンを含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して形成される透明補強層を有し、全体として透明なコンクリート片剥落防止構造を形成するコンクリート片剥落防止工法であって、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂とアルキルフェノール型液状エポキシ樹脂と反応性希釈剤とポリアミドアミンと脂肪族変性ポリアミンとから成る透明性下塗材をコンクリート構造物の表面に塗布して下塗層を形成し硬化させ、該下塗層の上に無撚糸の縦糸と横糸から成る平織りのポリエステル繊維シートと、無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと硅砂から成るポリウレア樹脂塗材と、を一体化した状態で透明補強層を形成して硬化させ、該透明補強層の上に透明保護層を形成することを特徴とするコンクリート片剥落防止工法を提供する。
また請求項2記載の発明は、脂環式ポリアミンは式I:
Figure 0006983031

(式中Xはイソシアネート基に対して不活性であり、脂環式炭化水素に結合したm個の第1級アミノ基を含む数平均分子量88〜400の有機ポリアミンから第1級アミノ基を除去することにより得られるm価基であり、R及びRは同一または異なっていて、炭素原子数1〜18の有機基であり、mは少なくとも2の整数である)
で表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする請求項1記載のコンクリート片剥落防止工法を提供する。
また、請求項3記載の発明は、ポリエステル繊維メッシュシートの目付量60g〜130g/mであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンクリート剥落防止工法を提供する。
また、請求項4記載の発明は、ポリエステル繊維メッシュシートの目付量75g〜110g/mであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンクリート剥落防止工法を提供する。
本願に係るコンクリート片剥落防止工法は、透明下塗材がコンクリート構造物の表面に塗付されることにより、コンクリート表面に含浸し、該表面を補強する効果を有すると共に、透明性下塗材を塗付して形成された下塗層の上に、同じく塗付して形成された透明補強層と十分な接着性を有する効果があり、例えコンクリート表面が湿潤であっても該透明補強層に膨れが生じることが無いという効果がある。
また、本願に係るコンクリート片剥落防止工法は、透明性下塗材を使用するため、コンクリート表面が脆弱であっても、該表面を含浸補強する効果があり、例えコンクリート表面が湿潤であっても透明補強層に膨れが生じることが無いという効果がある。
以下本発明について詳細に説明する。
まず、本願に係る透明性下塗材が使用されるコンクリート片剥落防止工法について説明する。該コンクリート片剥落防止工法は、コンクリート構造物の表面に塗付して形成され、無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンを含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して形成される透明補強層を有している。
ポリウレア樹脂塗材は、NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンから成り、NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーにはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族2官能イソシアネートや、イソホロンジイソシアネート(IPDA)等の脂環式2官能イソシアネートや、4,4´―ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)や4,4´―メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水素化MDI)等を多価アルコールでプレポリマー化したものを使用することができる。
脂環式ポリアミンは、イソホロンジアミン等の少なくとも一つのアミノ基がシクロヘキサン環等に直接結合しているポリアミンであり、第1級アミノ基を含まない第2級アミノ基のみを有するアミンが使用される。重量平均分子量(理論値)は300〜1000が好ましい。300未満では可使時間が短くなって施工性が不良となり、1000超では反応速度が低下し、指触乾燥までの時間および塗膜強度の立ち上がりが遅延する。第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンを使用することによって初めて、ポリウレア樹脂塗材を鏝等で塗付することが可能な可使時間を十分に確保することができ、さらには無黄変イソシアネートプレポリマーと組み合わせて使用することにより、硬化塗膜が紫外線で黄変することが無い。
脂環式ポリアミンは前記式Iで表され、X、R、R、mが上記のとおりの1種以上のポリアミンである。この脂環式ポリアミンはポリアスパラギン酸エステルまたはポリアスパルテートであり、mは2が好ましい。Xが炭素数6〜30の2価の炭化水素基、たとえば4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’メチレンビス(シクロヘキシルアミン))、3,3’−ジメチルー4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン))、1−アミノ−3,3,5−トリメチルー5−アミノメチルシクロヘキサン、ヘキサヒドロ−(少なくとも2,4−ジアミノトルエンまたは2,6−ジアミノトルエンのいずれかを含む)、異性C−モノメチルジアミノジシクロヘキシルメタン及び3(4)−アミノメチルー1−メチルシクロヘキシルアミンから1級アミノ基を除去することにより得られる基を表すポリアスパラギン酸エステルを好適に使用することができる。特にはXが4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’メチレンビス(シクロヘキシルアミン))または3,3’−ジメチルー4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン))から1級アミノ基を除くことにより得ることができる2価の炭化水素基を表す式Iの化合物がより好ましい。
式Iで表される脂環式ポリアミンはR及びRがメチル、エチル、n−ブチルまたは2−エチルヘキシルが好ましく、式X−(−NH)mで表される1級ポリアミンを式ROOC−CH=CH−COORで表されるマレイン酸エステルまたはフマル酸エステルと反応させることにより製造される。
4,4’メチレンビスシクロヘキシルアミン1モルをマレイン酸ジエチル2モルとを反応させて得られる、第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンは、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルアミン・マレイン酸ジエチル付加物として市場に供給され、その重量平均分子量(Mw)は548(理論値)、粘度2000mPa・s/23℃である。また、4,4’メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)1モルとマレイン酸ジエチル2モルとを反応させて得られる、第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンとしては、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)・マレイン酸ジエチル付加物として市場に供給され、その重量平均分子量(Mw)は578(理論値)、粘度;2000mPa・s/23℃である。
NCO重量%が10〜30重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーには、上記のようにヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族2官能イソシアネートや、イソホロンジイソシアネート(IPDA)等の脂環式2官能イソシアネートや、4,4´―ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)や4,4´―メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水素化MDI)等を多価アルコールでプレポリマー化したものを使用することができる。特には、ポリカプラクトン変性ポリオールと1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートとの反応によって得られる無黄変イソシアネートプレポリマーが適していて、該プレポリマーとしてデュラネートTSE−100(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製、NCO重量%:12.0%、粘度1650mPa・s/25℃、固形分100%)がある。NCO重量%が10重量%未満では塗膜強度が不十分となり、30重量%超では本材料を夏場に使用するときの可使時間が短くなる。
無黄変イソシアネートプレポリマーのNCO基と脂環式ポリアミンの活性水素基の当量比(NCO基数/活性水素基数)は0.8〜1.2が好ましい。0.8未満では無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンを混合後の粘度上昇が速くなり可使時間が短くなる。1.2超では指触乾燥までの時間および塗膜強度の立ち上がりが遅延する。
ポリウレア樹脂塗材には上記無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンの他に、光安定剤と紫外線吸収剤を含むことが好ましく、これらを含むことにより、長期間紫外線に曝されても透明補強層の強度の低下が生じない。光安定剤にはヒンダードアミン系光安定剤を使用することができ、紫外線吸収剤にはヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使用することができる。市販のヒンダードアミン系光安定剤としては、TINUVIN292(商品名、化学名;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート)、チバ・ジャパン株式会社製)が、市販のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、TINUVIN400(商品名、化学名;2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルとオキシランとの反応生成物、チバ・ジャパン株式会社製)が、市販のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、TINUVIN928(商品名、化学名;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、チバ・ジャパン株式会社製)がある。
またポリウレア樹脂塗材は、本願に係る透明性下塗材の上に重ねて塗付されるが、透明性下塗材はコンクリート表面に含浸して該表面を補強し、この上層として塗付される該ポリウレア樹脂塗材と強固に接着する。コンクリート片剥落防止工法全体として透明性を長期間に亘り保持するためには、黄変しやすいエポキシ樹脂を含む該透明性下塗材のコンクリート表面への塗付厚み(塗付量)は少ないことが好ましく、具体的には本願発明においては0.15〜0.30kg/m程度の塗付量が好ましい。該塗付量ではコンクリート表面の大小の空隙(凹凸)を全て埋めて不陸調整することが難しく、好ましくは上記ポリウレア樹脂塗材には該コンクリート表面の大小の空隙を埋めることが出来る程度の粒径を有する硅砂等の骨材を含むことが好ましい。
該硅砂としては累積積算重量が50%となる粒径(平均粒径D50)が100〜500μmが好ましく、またポリウレア樹脂塗材100重量部に対して該硅砂を20〜80重量部含むことが好ましい。20重量部未満では下地に凹凸がある場合の不陸調製が不十分となる場合があり、80重量部超では透明性が低下する。市販の硅砂としては瑞浪硅砂6号(商品名、平均粒径D50:400μm、トーカイマテル社製)がある。
透明補強層内にはコンクリート片剥落防止性能を高めるため、繊維メッシュシートが配設されることが好ましく、該繊維メッシュシートは特にポリエステル繊維メッシュシートが好ましい。該ポリエステル繊維メッシュシートは、特に、無撚糸の縦糸と横糸から成る平織りが好ましく、また、目付け量としては60g〜130g/mのポリエステル繊維シートが好ましく、さらに目付け量は75g〜110g/mが作業性と透明性の点で特に好ましい。
目付量が60g/m未満では、該ポリエステル繊維メッシュシートを下塗層の上に配設し、無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと硅砂から成るポリウレア樹脂塗材と一体化させる際に、ポリエステル繊維メッシュシートの縦糸と横糸がほつれてしまって作業性が不良となる。目付量が130g/m超となると、透明性が低下する。本願発明に特に好適に使用することが出来る市販のポリエステル繊維メッシュシートとしてはユニチカ5500(商品名、目付け:95g/m、ユニチカ社製)がある。
上記のような透明補強層を有するコンクリート片剥落防止工法に使用する透明性下塗材は、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂とアルキルフェノール型液状エポキシ樹脂と反応性希釈剤とポリアミドアミンと脂肪族変性ポリアミンとから成る。
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂は、エポキシ当量が180〜195のビスフェノールA型ジグリシジルエーテルであって液状であり、アルキルフェノール型液状エポキシ樹脂は、エポキシ当量が200〜250で、水酸基を有するアルキルジフェノール型液状エポキシ樹脂が好ましい。ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂の配合量は、透明性下塗材全体100重量部中25〜40重量部が好ましく、25重量部未満では硬化が不十分となり、40重量部超では低温時での作業性が低下する。
またアルキルフェノール型液状エポキシ樹脂の配合量は、透明性下塗材全体100重量部中15〜25重量部が好ましく、15重量部未満では低温時の作業性が低下し、25重量部超では50℃での押し抜き試験が1.5kNを下回る場合がある。市販のアルキルフェノール型液状エポキシ樹脂としてはアルキルジフェノール型液状エポキシ樹脂であるエピクロンHP―820(商品名、エポキシ当量:200〜250、粘度1000−3000mPa・s/25℃、DIC製)がある
透明性下塗材には、これらのエポキシ樹脂に加えて反応性希釈剤が配合されるが、該反応性希釈剤はエポキシ樹脂の粘度を低減させることを目的に使用され、分子内に2つのグリシジル基を有する2官能の反応性希釈剤が好ましい。反応性希釈剤の配合量は、透明性下塗材全体100重量部中10〜20重量部が好ましく、10重量部未満では低温時の作業性が不十分となり20重量部超では硬化物の硬度が不足する。市販の2官能の反応性希釈剤としては、アデカグリシロールED−503(商品名、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エポキシ当量:165、ADEKA社製)がある。
透明性下塗材に含まれるポリアミドアミンは、多塩基酸とポリアミン化合物の脱水縮合物であり、多塩基酸としてはアジピン酸やダイマー酸等が、ポリアミン化合物としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等を使用することができる。活性水素当量は100〜150が好ましく、100未満では透明補強層との接着が不十分となる場合があり、150超では低温での硬化が不十分となる。配合量は透明性下塗材100重量部中15〜30重量部が好ましく、15重量部未満では透明補強層との接着が不十分となる場合があり、30重量部超では硬化物の硬度が不足する。市販のポリアミンドアミンとしては、トーマイド2500(商品名、活性水素当量:125、アミン価:375〜405、粘度:500〜1000mP・s/25℃、T&K TOKA社製)がある。
透明性下塗材に含まれる脂肪族変性ポリアミンは、脂肪族ポリアミンをマンニッヒ変性したものやエポキシ樹脂を付加したものを使用することができ、活性水素当量は60〜80が好ましく、60未満では透明補強層との接着が不十分となる場合があり、80超では低温での硬化が不十分となる。配合量としては透明性下塗材全体100重量部中5〜20重量部が好ましく、5重量部未満では低温での硬化が不十分となり、20重量部超では湿潤したコンクリートに対して接着性が不十分となる。市販の脂肪族変性ポリアミンとしては、フジキュア8116(商品名、活性水素当量:71、アミン価:100〜400、粘度100〜400mP・s/25℃、T&K TOKA社製)がある。
透明性下塗材に係るエポキシ樹脂中のエポキシ基の数とポリアミドアミンと脂肪族変性ポリアミンの活性水素基の数の当量比(エポキシ基の数/活性水素基の数)は0.8〜1.2が好ましい。0.8未満では低温時に透明補強層との接着性が不十分となり、1.2超では湿潤したコンクリートに対して接着性が不十分となる。
透明性下塗材には、これらの他にスチレン化フェノール等のフェノール類を添加しても良く、また塗付した際にタレが生じないよう非結晶性の微粉末ヒュームドシリカや、ヒュームドシリカの粒子表面のシラノール基と水素結合を形成し、該水素結合によりシリカ粒子と3次元構造を形成するフリーのOH基を有するレオロジーコントロール剤を使用することが出来る。該レオロジーコントロール剤としてはポリヒドロキシカルボン酸アミドを好適に使用することが出来、市販のレオロジーコントロール剤としては、BYK−405(商品名、株式会社ビックケミー社製、ポリヒドキシカルボン酸アミド含有量51%)がある。また、この他にシランカップリング剤等の接着性付与剤や消泡剤を配合しても良い。
本発明のコンクリート片剥落防止工法に使用する透明保護層は、透明性を有し、その下層となるポリウレア樹脂塗材と接着性が良好であれば、どのようなものでも良い。特には、透明性が良好でポリウレア樹脂塗材との接着性が良好で、耐久性に優れるアクリルシリコーン樹脂塗材を好適に使用することが出来る。
アクリルシリコーン樹脂塗材は、例えばアルコキシシリル基を有するアクリルシリコーンオリゴマーを主剤とし、硬化剤にスズ系の硬化触媒を使用することができ、既に形成された透明補強層の上に該アクリルシリコーン樹脂塗材を塗付する直前に主剤と硬化剤を均一に混合してローラ刷毛等により塗付する。主剤のアルコキシシリル基は硬化剤のスズ系の硬化触媒により架橋されて安定なシロキサン結合を形成し、優れた耐久性を発現する。
該、アクリルシリコーン樹脂塗材を透明保護層の形成に使用する際のアルコキシシリル基の含有量は、2重量%〜30重量%が好ましい。2重量%未満では耐候性が低下し、30重量%超では粘度増加により作業性が低下する。市販のアルコキシシリル基を有するアクリルシリコーンオリゴマーとしては、カネカゼムラックYC4383(商品名、シロキサン架橋形反応性ポリマー、粘度4000mP・s/23℃、アルコキシリル基含有量;15重量%、株式会社カネカ製)がある。市販のスズ系の硬化触媒としては、BT405Z(商品名、化学名;有機錫化合物、有効錫成分;1.3%、株式会社カネカ製)がある。
アクリルシリコーン樹脂塗材にはは、光安定剤及び紫外線吸収剤が含まれることが好ましく、これらが含まれることにより長期間紫外線に曝されても透明保護層の強度の低下が生じない。光安定剤にはヒンダードアミン系光安定剤を使用することができ、市販のヒンダードアミン系光安定剤としては、TINUVIN292(商品名、化学名;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート)、チバ・ジャパン株式会社製)があり、紫外線吸収剤にはヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使用することができ、市販のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、TINUVIN400(商品名、化学名;2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルとオキシランとの反応生成物、チバ・ジャパン株式会社製)が、市販のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、TINUVIN928(商品名、化学名;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、チバ・ジャパン株式会社製)がある。
以下、実施例及び比較例にて具体的に説明する。
<実施例及び比較例>
実施例及び比較例のコンクリート片剥落防止工法の評価は、下記に示した、透明性下塗材A、B、C、D、E、Fと、ポリウレア樹脂塗材、及び繊維メッシュシートA、B、C、D、E、F、を表1のように組み合わせて行なった。
Figure 0006983031

<透明性下塗材>
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂としてjER828(商品名、エポキシ当量:184〜194、三菱化学社製)を、アルキルフェノール型液状エポキシ樹脂としてエピクロンHP―820を、反応性希釈剤としてアデカグリシロールED−503を、ポリアミドアミンAとしてトーマイド2500を、ポリアミドアミンBとしてTXE524(商品名、活性水素当量:130、アミン価:55〜285、粘度:80〜180、T&K TOKA社製)を、脂肪族変性ポリアミンとしてフジキュア8116を、使用して、表2に示す配合にて均一に混合し、コンクリート片剥落防止工法の透明性下塗材A、B、C、D、E、Fとした。
Figure 0006983031

<ポリウレア樹脂塗材>
透明なポリウレア樹脂塗材としては、無黄変イソシアネートプレポリマーにデュラネートTSE−100(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製、NCO重量%:12.0%、粘度:1650mPa・s/25℃、固形分:100%、NCO当量:350)を主剤とし、脂環式ポリアミンとして、4,4’−メチレンビスシクロヘキサンアミン・マレイン酸ジエチル付加物 (重量平均分子量(Mw):548(理論値)、粘度:2000mPa・s/23℃)と4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)・マレイン酸ジエチル付加物(重量平均分子量(Mw):578(理論値)、粘度;2000mP・s/23℃)を140:460(重量部)で混合したものを硬化剤として、主剤:硬化剤を重量配合比にて120:100で混合したものをポリウレア樹脂塗材Aとして使用した。
<繊維メッシュシート>
また、透明補強層内にポリウレア樹脂塗材と一体化させる繊維メッシュシートとして、表3に示す繊維メッシュシートA、B、C、D、E、Fを使用した。
Figure 0006983031
<評価方法>
<透明性>
JISA5371の300mm×300mm×厚さ60mmの乾燥したコンクリート平板(ケット水分計HI−520コンクリートレンジにて5%以下)上に、0.2mm、0.5mm、1.0mm、2.0mm幅のラインを市販油性マジックにて作成して乾燥させる。実施例及び比較例の各透明性下塗材を0.25kg/mを塗付して硬化させて透明下塗層を形成後、ポリウレア樹脂塗材に硅砂瑞浪珪砂6号をポリウレア樹脂塗材100重量部に対して50重量部混合した該混合物を1.0kg/mを塗付し、直ちに実施例及び比較例の各繊維メッシュシートを伏せ込んで積層状態とし、これが硬化後さらにポリウレア樹脂塗材に硅砂瑞浪6号をポリウレア樹脂塗材100重量部に対して25重量部混合した該混合物を0.3kg/mを塗付して乾燥させて透明補強層を形成する。透明補強層が硬化乾燥後、溶剤型アクリルシリコーン樹脂クリア塗材JUU−630(商品名、溶剤含有率:38重量%、アイカ工業社製)を0.07kg/mで塗付して乾燥させ透明保護層を形成させる。23℃、RH50%条件下にて7日間養生後に目視にてコンクリート表面の0.2mmのラインが明確に視認できるものを○と評価し、視認できないものを×と評価した。
<押し抜き最大荷重>
JIS A 5372(プレキャスト鉄筋コンクリート製品)付属書5に規定する上ぶた式U形側溝(ふた)の1種呼び名300(400×600×60mm)(以下、「U形ふた」という。)のコンクリート中央部裏面を、φ100mmの形状かつ55mm±3mmの深さで、コンクリート用コアカッターにより切り込みを入れる。表面を、サンディング処理し、この処理面に、実施例又は比較例の各透明性下塗材を0.25kg/mを塗付して硬化させて透明下塗層を形成後、ポリウレア樹脂塗材に硅砂瑞浪6号をポリウレア樹脂塗材100重量部に対して50重量部混合した該混合物を1.0kg/mを塗付し、直ちに実施例又は比較例の各繊維メッシュシートを伏せ込んで積層状態とし、これが硬化後さらにポリウレア樹脂塗材に硅砂瑞浪6号をポリウレア樹脂塗材100重量部に対して25重量部混合した該混合物を0.3kg/mを塗付して乾燥させて透明補強層を形成する。さらに該透明補強層の上に溶剤型アクリルシリコーン樹脂クリア塗材JUU−630(商品名、溶剤含有率:38重量%、アイカ工業社製)を0.07kg/mで塗付して乾燥させ透明保護層を形成させる。23℃、RH50%条件下にて7日間養生して、押し抜き最大荷重測定用試験体を得る。その後、該試験体をJSCE−K 533 2013(コンクリート片のはく落防止に適用する表面被覆材の押し抜き試験方法)に準じて試験を行ない、最大荷重を押し抜き最大荷重(kN)とした。1.5kN以上を○とし、これ以外を×と評価した。試験時の温度は23℃及び50℃とした。
<接着性>
1℃下でJISA5371の300mm×300mm×厚さ60mmの乾燥したコンクリート平板(ケット水分計HI−520コンクリートレンジにて5%以下)の表面をサンディング処理し、該処理面に、実施例又は比較例の各透明性下塗材を0.25kg/mを塗付して透明下塗層を形成して48時間養生する。その後、ポリウレア樹脂塗材に硅砂瑞浪6号をポリウレア樹脂塗材100重量部に対して50重量部混合した該混合物を1.0kg/m塗付して透明補強層を形成し、さらに48時間養生する。その後23℃下に24時間放置し、カッターナイフにて下地、透明下塗層、ポリウレア樹脂塗材で形成された透明補強層のそれぞれの層間に切込を入れ剥離力を加えて接着性を評価する。いずれの層間も接着性が良好なものを○とし、これ以外を×と評価した。
<耐ふくれ性>
23℃下でJIS A 5372(プレキャスト鉄筋コンクリート製品)付属書5に規定する上ぶた式U形側溝(ふた)の1種呼び名300(400×600×厚さ60mm)(以下、「U形ふた」という。)のコンクリート板を24時間以上水中に浸漬する。透明性下塗材を塗付する直前にコンクリート板の厚さ30mmまで水位を下げた状態を保持してコンクリート板の表面の水をウエスで拭き取る。拭き取ってから5分以内に実施例又は比較例の各透明性下塗材を0.25kg/m塗付して透明下塗層を形成して24時間養生する。次に、ポリウレア樹脂塗材に硅砂瑞浪6号をポリウレア樹脂塗材100重量部に対して50重量部混合した該混合物を1.0kg/mを塗付し、直ちに実施例又は比較例の各繊維メッシュシートを貼り付け24時間養生する。その後ポリウレア樹脂塗材に硅砂瑞浪6号をポリウレア樹脂塗材100重量部に対して25重量部混合した該混合物を0.3kg/mを塗付し透明補強層を形成し24時間養生する。さらに該透明補強層の上に溶剤型アクリルシリコーン樹脂クリア塗材JUU−630(商品名、溶剤含有率:38重量%、アイカ工業社製)を0.07kg/mで塗付して乾燥させ透明保護層を形成させる。透明保護層を形成後6日間養生後、コンクリート板を水中(半浸漬状態)より取り出し、さらに48時間23℃下で養生する。その後目視にて透明下塗層、透明補強層及び透明保護層によって構成される塗膜の膨れの有無を観察し、直径10mm以上の膨れがあるものを×、直径10mm未満のふくれがあるものを△、膨れの発生が無いものを○と評価した。
<作業性>
上記透明性の評価の際に、繊維メッシュシートをスムーズに伏せこめたものを○、伏せこむ作業に少し手間がかかるものを△、伏せこみ作業がスムーズに行なえなかったものを×を評価した。
<評価結果>
評価結果を表4に示す。
Figure 0006983031

Claims (4)

  1. コンクリート構造物の表面に塗付して形成され、無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンを含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して形成される透明補強層を有し、全体として透明なコンクリート片剥落防止構造を形成するコンクリート片剥落防止工法であって、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂とアルキルフェノール型液状エポキシ樹脂と反応性希釈剤とポリアミドアミンと脂肪族変性ポリアミンとから成る透明性下塗材をコンクリート構造物の表面に塗布して下塗層を形成し硬化させ、該下塗層の上に無撚糸の縦糸と横糸から成る平織りのポリエステル繊維メッシュシートと、無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと硅砂から成るポリウレア樹脂塗材と、を一体化した状態で透明補強層を形成して硬化させ、該透明補強層の上に透明保護層を形成することを特徴とするコンクリート片剥落防止工法。
  2. 脂環式ポリアミンは式I:
    Figure 0006983031

    (式中Xはイソシアネート基に対して不活性であり、脂環式炭化水素に結合したm個の第1級アミノ基を含む数平均分子量88〜400の有機ポリアミンから第1級アミノ基を除去することにより得られるm価基であり、R及びRは同一または異なっていて、炭素原子数1〜18の有機基であり、mは少なくとも2の整数である)で表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする請求項1記載のコンクリート片剥落防止工法。
  3. ポリエステル繊維メッシュシートの目付量60g〜130g/mであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンクリート剥落防止工法。
  4. ポリエステル繊維メッシュシートの目付量75g〜110g/mであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンクリート剥落防止工法。
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