本発明は、フィブリン分解または崩壊(フィブリン溶解とも呼ばれる)、より詳細には、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態の治療のための組成物及び方法に関する。
特に、本発明は、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成(例えば、血栓形成)に関連する病理学的状態の治療または予防において、バルプロ酸(VPA)またはその薬学的に許容される塩を使用する方法に関する。
本発明はまた、VPAまたはその薬学的に許容される塩の放出を、そのような方法における使用に適した様式で遅延させるように処方された薬学的組成物を提供する。
医学的治療
本明細書に記載するように、VPAまたはその薬学的に許容される塩は、それ自体がt−PAの阻害剤であるPAI−1の活性を(例えば、PAI−1レベルの低下を通して)阻害することができることが見出されている。結果として、VPAまたはその薬学的に許容される塩は、t−PAの効果を増加させることができ、したがって、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態の治療または予防に使用される。
特に、VPAで治療したヒト対象がPAI−1の循環レベルを低下させたことが予想外に見出された。健康な男性では、PAI−1の循環血漿レベルは、VPA治療後50%以上、冠動脈アテローム性動脈硬化症患者で約45%有意に減少し、その結果は、本明細書で提供される実施例1にさらに記載されている。
VPA治療がPAI−1の血漿中レベルを低下させるという知見は、培養された内皮細胞(血漿PAI−1の考えられる産生株の1つ)からのインビトロデータが、VPA治療後のPAI−1 mRNAレベルの減少を示さず、むしろPAI−1産生のわずかではあるが有意な30%の増加を考慮すると予想外のことであった。これらの研究はまた、ブタ(Svennerholm et al.,PLoS One.2014 May 12;9(5):e97260.doi:10.1371/journal.pone.0097260. eCollection 2014)またはマウス(Larsson,Alwis et al,J Thromb Haemost.2016 Dec,14(12):2496−2508)のインビボモデルにおける血漿PAI−1に対するVPAの効果を検出しなかった。
本発明の第1の態様では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するのに使用するための、バルプロ酸(VPA)またはその薬学的に許容される塩であって、該治療が、患者において、VPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の最大血漿濃度(Cmax)が、該患者におけるPAI−1の最大血漿濃度(Cmax)の4時間前〜1時間後までの期間中に生じるように、少なくとも1回用量のバルプロ酸またはその薬学的に許容される塩を該患者に投与することを含む、VPAまたはその薬学的に許容される塩が提供される。
本発明の別の第1の態様では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するのに使用するための薬剤の製造における、VPAまたはその薬学的に許容される塩であって、該治療が、患者において、VPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の最大血漿濃度(Cmax)が、該患者におけるPAI−1の最大血漿濃度(Cmax)の4時間前〜1時間後までの期間中に生じるように、少なくとも1回用量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を該患者に投与することを含む、VPAまたはその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
本発明のさらに別の第1の態様では、患者において、VPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の最大血漿濃度(Cmax)が、該患者におけるPAI−1の最大血漿濃度(Cmax)の4時間前〜1時間後までの期間中に生じるように、少なくとも1回用量の治療有効量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を該患者に投与することを含む、それを必要とする該患者における過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防する方法がある。
当業者であれば、本発明の特定の態様の実施形態に対する言及は、本発明の態様の他のすべての実施形態への言及を含むことを理解するであろう。このように、本発明の任意の態様の任意の1つ以上の実施形態は、本明細書で提供される本発明の開示から逸脱することなく、より特定の実施形態を形成するために、任意の1つ以上の他のそのような実施形態と組み合わせることができる。
本明細書で使用されるように、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態への言及は、特に、血栓形成に関連する病理学的状態を指す。
本発明の第1の態様の特定の実施形態では、患者において、VPAまたはその塩(例えば薬学的に許容される塩)及び/もしくは代謝産物の最大血漿濃度(Cmax)は、患者におけるPAI−1の最大血漿濃度(Cmax)の4時間前〜その時間までの期間中に生じる。
本発明の第1の態様の別の特定の実施形態では、患者において、VPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の最大血漿濃度(Cmax)は、患者におけるPAI−1の最大血漿濃度(Cmax)の3時間前〜(例えば2時間)1時間後までの期間中に生じる。
本発明の第1の態様のより特定の実施形態では、患者において、VPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の最大血漿濃度(Cmax)は、該患者におけるPAI−1の最大血漿濃度(Cmax)の3時間前〜(例えば2時間)その時間までの期間中に生じる。
本発明の第2の態様では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するのに使用するための、VPAまたはその薬学的に許容される塩であって、該治療は、患者がPAI−1の最大血漿濃度(Cmax)を経験した時点で、患者が、少なくとも約10〜約100μg/ml(例えば、少なくとも約10、少なくとも約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、または約100μg/ml)等であるVPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の血漿濃度を有するように、少なくとも1回用量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を該患者に投与することを含む、VPAまたはその薬学的に許容される塩が提供される。
本発明の別の第2の態様では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するのに使用するための薬剤の製造における、VPAまたはその薬学的に許容される塩の使用であって、該治療は、患者がPAI−1の最大血漿濃度(Cmax)を経験した時点で、患者が、少なくとも約10〜約100μg/ml(例えば、少なくとも約10、少なくとも約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、または約100μg/ml)等であるVPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の血漿濃度を有するように、少なくとも1回用量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を該患者に投与することを含む、VPAまたはその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
本発明のさらなる別の第2の態様では、該患者がPAI−1の最大血漿濃度(Cmax)を経験した時点で、該患者が少なくとも約10〜約100μg/ml(例えば、少なくとも約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、または約100μg/ml)であるVPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の血漿濃度を有するように、少なくとも1回用量の治療上有効なVPAまたはその薬学的に許容される塩を該患者に投与することを含む、それを必要とする患者における過剰のフィブリン沈着に関連する病的状態を治療または予防する方法が提供される。
本明細書中で使用される場合、ミリリットル当たりの量(/ml)への言及は、血漿1ミリリットル(すなわち、患者の血漿)の量を指すと理解される。本明細書中で使用される場合、モル濃度に関する言及は、血漿中の濃度(すなわち、患者の血漿)を指すと理解される。
特定の実施形態では、患者は、約50〜約170μg/ml未満(例えば、約50、約70、約90、約110、約130、約150、または約170μg/ml未満等)であるVPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の濃度を有し得る。
さらなるこのような実施形態では、患者は、少なくとも約70〜約700μM(例えば、少なくとも約70、約140、約210、約280、約350、約420、約490、約560、約630、または約700μM等)であるバルプロ酸またはその塩及び/もしくは代謝産物の血漿濃度を有する。
なおさらなるこのような実施形態では、患者は、約350〜約1200μM未満(例えば、約350、約490、約630、約770、約910、約1050、または約1190μM未満等)であるバルプロ酸またはその塩及び/もしくは代謝産物の血漿濃度を有する。
疑義を避けるために、当業者であれば、本明細書における血漿中の特定の最大量及び濃度への言及は、該血漿中に最小限の治療有効量を必要とし得ることを理解するであろう。
特に、当業者であれば、血漿中の特定の最大値(すなわち、値が「未満」であると示される)及び最小値(すなわち、値が「少なくとも」であると示される)量及び/または濃度への言及は、範囲を形成するために組み合わせ得ることを理解するであろう。(すなわち、血漿中の量は、最小値から最大値までの範囲内にある)。
例えば、本発明の第2の態様の一実施形態では、患者が、約10〜約170μg/mlであるバルプロ酸またはその塩及び/もしくは代謝産物の血漿濃度を有する。
他のこのような実施形態において、患者が、バルプロ酸の血漿濃度、またはその塩及び/もしくは代謝産物の血漿濃度を有し、すなわち、
約10〜約70μg/ml(または約50〜約90、約70〜約110、約90〜約130、約110〜約150、約130〜約170、または約150〜約190μg/ml)、
約10〜約50μg/ml(例えば、約10〜及び約100、約30〜約120、約50〜約170、または約70〜約190μg/ml)、または
約30〜約190μg/ml(例えば、約50〜約170、約70〜約150、約90〜約130、約30〜約110、約50〜約130、または約70〜約170μg/ml)である。
当業者であれば、本明細書中の特定の最小血漿レベルへの言及は(例えば、本発明の第2の態様において)、患者が血漿中の、VPA、またはその塩及び/もしくは代謝産物の定常状態に達したときのそのようなレベルへの言及を含む。さらに、当業者であれば、定常状態に到達する患者への言及は、該患者がVPAで(その治療有効用量で)少なくとも2〜5日間(例えば、少なくとも5日間)治療された後に達成される血漿レベルを指し得る。
当業者であれば、本発明の第2の態様(すべての実施形態及びその代替態様を含む)における最大及び最小血漿レベルへの言及は、本発明の他の態様(本発明の第1の態様のような)において言及されるような、VPA、またはその塩及び/もしくは代謝産物のCmaxについて観察された血漿レベルにも適用され得ることを理解するであろう。
本発明の第3の態様では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するのに使用するための、VPAまたはその薬学的に許容される塩であって、該治療が、約20:00時〜約06:00時までの期間中に、ある用量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、VPAまたはその薬学的に許容される塩が提供される。
本発明の別の第3の態様では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するのに使用するための薬剤の製造における、VPAまたはその薬学的に許容される塩であって、該治療が、約20:00時〜約06:00時までの期間中に、VPAまたはその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、VPAまたはその薬学的に許容される塩が提供される。
本発明のさらに別の第3の態様では、約20:00時〜約06:00時の期間中に、VPAまたはその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、それを必要とする患者における過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防する方法が提供される。
本発明の第3の態様の特定の実施形態では、治療が、約21:00時〜約05:00時(例えば、約22:00時〜約04:00時)の期間中に、治療上有効な用量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む。
本発明の第3の態様の特定の実施形態(特に、該治療が、有効成分の遅延放出のために製剤化されていない薬学的組成物として投与される)では、該治療が、約02:00時〜約06:00時の期間中(例えば、約03:00時〜約05:00時、約04:00時等)に、治療有効量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む。
本発明の第3の態様の別の特定の実施形態(特に、該治療が、本明細書の本発明の第8の態様に記載されているような有効成分の遅延放出のために製剤化された薬学的組成物として投与される)では、該治療が、約20:00時〜約00:00時の期間中(例えば、約21:00時〜約23:00時、約22:00時等)に、治療有効量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む。別のこのような実施形態では、期間は約18:00時〜約22:00時である。
本発明の第3の態様の別の実施形態では、治療が、約18:00時〜約06:00時(例えば、約18:00時〜約00:00時、約18:00時〜約22:00時等)の期間中に、治療上有効な用量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む。
本発明の第3の態様のさらなる別の実施形態では、該治療が、本発明の第1及び/または第2の態様において必要とされるように、VPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の血漿濃度を提供するために、その製剤の放出プロフィールに基づいて決定された期間中、治療有効量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む。
本明細書に記載されているように、当業者であれば、本明細書に記載されるパラメータ(例えば、本明細書の第1及び第2の態様に記載されているもの)を達成するために、ある様式(例えば、ある期間中)で本発明の化合物をどのように投与するかを決定することができるであろう。
疑義を避けるために、本発明の第3の態様の特定の実施形態では、言及される用量は単回用量であり、該用量が(例えば、関連する)24時間の期間中に患者に投与される化合物の唯一の用量であることを示しうる。
本発明の第4の態様では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するのに使用するための、VPAまたはその薬学的に許容される塩であって、該治療が、約02:00時〜約06:00時の期間中に、実質的に全てのVPAまたはその薬学的に許容される塩が、組成物から放出されるような時間及び形態で、VPAまたはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を患者に投与することを含む、VPAまたはその薬学的に許容される塩が提供される。
本発明の別の第4の態様では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するのに使用するための薬剤の製造における、VPAまたはその薬学的に許容される塩の使用であって、該治療が、約02:00時〜約06:00時の期間中に、実質的に全てのVPAまたはその薬学的に許容される塩が、組成物から放出されるような時間及び形態で、ある用量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を患者に投与することを含む、VPAまたはその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
本発明のさらに別の第4の態様では、約02:00時〜約06:00時の期間中に、実質的に全てのVPAまたはその薬学的に許容される塩が、組成物から放出されるような時間及び形態で、治療有効量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を患者に投与することを含む、それを必要とする患者における過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防する方法が提供される。
本発明の第4の態様の特定の実施形態では、該治療が、実質的に全てのVPAまたはその薬学的に許容される塩が、約03:00時〜約05:00時までの期間中(例えば約04:00〜約05:00時、例えば約05:00時)に組成物から放出されるような時間及び形態で、治療上有効な用量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を患者に投与することを含む。
当業者であれば、24時間システムを使用して指されたタイミングは、12時間システムを(すなわち、午後12:00の前後をそれぞれ示すAM及びPMで)使用するタイミングとして指され得ることを理解するであろう。たとえば、20:00は午後8:00、及び6:00は午前6:00を指し得る。
本発明の第4の態様の特定の実施形態では、該治療が、本明細書の以下に記載される本発明のさらなる態様(そのすべての実施形態を含む)に記載の薬学的組成物を投与することを含む。
本発明の第5の態様では、患者における過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するのに使用するために、VPAまたはその薬学的に許容される塩であって、該治療が、
(i)PAI−1の最大血漿濃度が生じる時間または期間を決定するために、患者におけるPAI−1の血漿濃度をモニタリングすること、
(ii)少なくとも1回用量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を、該患者において、VPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の最大血漿濃度(Cmax)が、PAI−1の最大血漿濃度が生じる時間または期間の4時間前〜1時間後までの期間中に生じるように、該患者に投与することを含む、VPAまたはその薬学的に許容される塩が提供される。
本発明の別の第5の態様では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するのに使用するための薬剤の製造において、VPAまたはその薬学的に許容される塩の使用であって、該治療が、
(i)PAI−1の最大血漿濃度が生じる時間または期間を決定するために患者のPAI−1の血漿濃度をモニタリングするステップと、
(ii)少なくとも1回用量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を、該患者において、VPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の最大血漿濃度(Cmax)が、PAI−1の最大血漿濃度が生じる時間または期間の4時間前〜1時間後までの期間中に生じるように、該患者に投与することを含む、VPAまたはその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
本発明のさらなる別の第5の態様では、それを必要とする患者における過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防する方法であって、ステップが
(i)PAI−1の最大血漿濃度が生じる時間または期間を決定するために患者のPAI−1の血漿濃度をモニタリングするステップと、
(ii)少なくとも1回の治療有効用量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を、該患者において、VPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の最大血漿濃度(Cmax)が、PAI−1の最大血漿濃度が生じる時間または期間の4時間前〜1時間後までの期間中に生じるように、該患者に投与するステップとを含む、方法が提供される。
本明細書に記載のように、PAI−1の血漿濃度は、当業者に周知の技術を用いてモニターすることができる。例えば、PAI−1レベルは一般に血漿中で測定される。血液は、定期的に例えば1時間毎、2時間毎、または3時間毎に24時間にわたって、瀉下注射器から採取することができる。血液試料を直ちに遠心分離して血清から血漿を分離する。その後、血漿中のPAI−1レベルを、Coaliza(登録商標)PAI−1(Chromogenix)、TriniLIZE(登録商標)PAI−1(Trinity Biotech)、Imubind(登録商標)Plasma PAI−1(American Diagnostica)、Zymutest PAI−1 (Hyphen Biomed)、Milliplex PAI−1(MerckMillipore)、Novex PAI−1 human Elisa kit(Life technology)、PAI1(SERPINE1)Human ELISA Kit(Abcam、ab108891)等の市販のELISAキットを用いて決定する。
あるいは、患者のモニタリングへの言及は、患者の一般的な状態(患者の年齢、性別、及び/または一般的な健康状態等)を決定し、対応する患者群で観察されるパラメータを参照することによってPAI−1の最大血漿濃度が生じる時間または期間を決定することに言及し得る。
本発明の第5の態様の特定の実施形態では、患者において、VPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の最大血漿濃度(Cmax)は、該患者におけるPAI−1の最大血漿濃度(Cmax)の4時間前〜(例えば3時間前、2時間前、または1時間前、または0.5時間前等)その時間までの期間中に生じる。
本発明の第5の態様の別の特定の実施形態では、患者において、VPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の最大血漿濃度(Cmax)は、患者におけるPAI−1の最大血漿濃度(Cmax)の3時間前〜(例えば2時間)1時間後までの期間中に生じる。
本発明の第5の態様のより特定の実施形態では、患者において、VPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の最大血漿濃度(Cmax)は、該患者におけるPAI−1の最大血漿濃度(Cmax)の3時間前〜(例えば2時間)その時間までの期間中に生じる。
当業者であれば、VPAまたはその塩もしくは代謝産物のCmaxのタイミング及びレベルが、投与される該用量(及びある程度は、その用量が投与される形態)に依存することを理解するであろう。当業者であれば、VPAまたはその代謝物及び/もしくはその塩の血漿濃度を測定し、Cmaxのタイミング及びレベルを決定することができる(必要に応じて投与されるVPAの用量及び形態を調整する)。投与され得るVPAの特定の用量(すなわち治療用量)及び得られ得るCmaxレベルには、本明細書に記載のものが含まれる。
本発明の第6の態様では、患者における過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するのに使用するために、VPAまたはその薬学的に許容される塩であって、該治療が、
(i)PAI−1の最大血漿濃度が生じる時間または期間を決定するために患者のPAI−1の血漿濃度をモニタリングすることと、
(ii)該患者がPAI−1の最大血漿濃度(Cmax)を経験した時点で、該患者が少なくとも約10〜約100μg/ml(例えば、少なくとも約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90または約100μg/ml)であるVPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の血漿濃度を有するように、少なくとも1回用量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を、該患者に投与することとを含む、VPAまたはその薬学的に許容される塩が提供される。
本発明の別の第6の態様では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するのに使用するための薬剤の製造において、VPAまたはその薬学的に許容される塩の使用であって、該治療が、
(i)PAI−1の最大血漿濃度が生じる時間または期間を決定するために患者のPAI−1の血漿濃度をモニタリングすることと、
(ii)該患者がPAI−1の最大血漿濃度(Cmax)を経験した時点で、該患者が少なくとも約10〜約100μg/ml(例えば、少なくとも約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90または約100μg/ml)であるVPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の血漿濃度を有するように、少なくとも1回用量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を、該患者に投与することとを含む、VPAまたはその薬学的に許容される塩が提供される。
本発明のさらなる別の第6の態様では、それを必要とする患者における過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防する方法であって、
(i)PAI−1の最大血漿濃度が生じる時間または期間を決定するために患者のPAI−1の血漿濃度をモニタリングするステップと、
(ii)該患者がPAI−1の最大血漿濃度(Cmax)を経験した時点で、該患者が少なくとも約10〜約100μg/ml(例えば、少なくとも約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90または約100μg/ml)であるVPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の血漿濃度を有するように、少なくとも1回用量の治療上有効なVPAまたはその薬学的に許容される塩を、該患者に投与するステップとを含む、方法が提供される。
特定の実施形態では、患者は、約50〜約170μg/ml未満(例えば、約50、約70、約90、約110、約130、約150、または約170μg/ml未満等)であるVPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の血漿濃度を有し得る。
さらなる実施形態では、患者は、少なくとも約70〜約700μM(例えば、少なくとも約70、約140、約210、約280、約350、約420、約490、約560、約630、または約700μM等)であるVPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の血漿濃度を有する。
なおさらなる実施形態では、患者は、約350〜約1200μM未満(例えば、約350、約490、約630、約770、約910、約1050、または約1190μM未満等)であるVPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の血漿濃度を有する。
再度、当業者であれば、本発明の第6の態様における血漿中の特定の最大量及び濃度への言及は、該血漿中に最小限の治療有効量を必要とし得ることを理解するであろう。さらに、当業者であれば、血漿中の特定の最大値(すなわち、値が「未満」であると示される)及び最小値(すなわち、値が「少なくとも」であると示される)量及び/または濃度への言及は、範囲を形成するために組み合わせ得ることを理解するであろう。(すなわち、血漿中の量は、最小値から最大値までの範囲内にある)。
例えば、本発明の第6の態様の一実施形態では、患者が、約10〜約170μg/mlであるVPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の血漿濃度を有する。他のこのような実施形態において、患者が、VPAの血漿濃度、またはその塩及び/もしくは代謝産物の血漿濃度を有し、すなわち、
約10〜約70μg/ml(または約50〜約90、約70〜約110、約90〜約130、約110〜約150、約130〜約170、または約150〜約190μg/ml)、
約10〜約50μg/ml(例えば、約10〜及び約100、約30〜約120、約50〜約170、または約70〜約190μg/ml)、
約30〜約190μg/ml(例えば、約50〜約170、約70〜約150、約90〜約130、約30〜約110、約50〜約130、または約70〜約170μg/ml)である。
本発明の第7の態様では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するのに使用するための、VPAまたはその薬学的に許容される塩であって、該治療が、単回用量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を24時間以内に患者に投与することを含む、VPAまたはその薬学的に許容される塩が提供される。
本発明の別の第7の態様では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するのに使用するための薬剤の製造における、VPAまたはその薬学的に許容される塩の使用であって、該治療が、単回用量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を24時間以内に患者に投与することを含む、VPAまたはその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
本発明のさらに別の第7の態様では、単回の治療有効量の用量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を24時間以内に患者に投与することを含む、それを必要とする患者における過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防する方法を提供する。
特記しない限り、または文脈から明らかでない限り(例えば、特定の製剤について論じる場合)、本発明の化合物の用量(例えば、ある用量のバルプロ酸またはその薬学的に許容される塩)への言及は、その治療有効量を指すと理解される。さらに、このような化合物の用量は、化合物自体の用量(例えば、バルプロ酸自体の用量)、またはその1つ以上の塩(例えば、バルプロ酸の1つ以上の塩)を含む、もしくはこれらからなる形態で投与される場合の化合物の有効な(すなわち同等の)用量を指し得る。
当業者は、そのような化合物に関して公開された科学文献に頼って、本発明の化合物の治療有効量を構成するものを決定することができるであろう。
本発明の第7の態様の特定の実施形態(その全ての代替の態様及び/または実施形態を含む)において、24時間に投与される用量は、約10mg〜約2000mg、約50mg〜約1300mg(例えば、約100mg〜約1200mg)または約50mg〜約1000mg(例えば、約100mg〜約800mg、約100mg〜約600mg、または約200mg〜約600mg、例えば、約100mg〜約800mg、または約200mg〜約600mg)である。
疑義を避けるために、当業者であれば、本明細書に記載の用量を、それぞれが必要用量の一部分を含む単回投与単位または単位の組み合わせで投与できることを理解するであろう。例えば、520mgの用量は、それぞれ260mgを含む2つの単位、それぞれ130mgを含む4つの単位、または同様の組み合わせとして投与することができる。
本発明の第7の態様の特定の実施形態(その全ての代替の態様及び/または実施形態を含む)において、24時間に投与される用量は、約100mg〜約600mg、例えば、約120mg〜約540mg(例えば、約130mgもしくは約260mg、または約390mgもしくは約520mg、この後者の2回の用量は2回の別個の用量として、適切な間隔(例えば、本明細書に記載されているもの)で、例えば、約130mgの1回の用量及び約260mgの1回の用量、または約260mgの2回の用量(この後者の用量はそれぞれ130mgを含む2つの単位として投与され得る)で投与され得る)である。
あるいは、本明細書に記載の治療が、24時間の期間(例えば、朝用量及び夕方用量)の2回の別個の用量の投与を必要とする場合、夕方用量は約100mg〜約600mg、例えば、約120mg〜約540mg(例えば、約130mgもしくは約260mg、または約390mgもしくは約520mg、この後者の2回の用量は2回の別個の用量として、適切な間隔(例えば、本明細書に記載されているもの)で、例えば、約130mgの1回の用量及び約260mgの1回の用量、または約260mgの2回の用量(この後者の用量はそれぞれ130mgを含む2つの単位として投与され得る)で投与され得る)であり得る。そのような場合、約10mg〜約500mgの対応する朝用量が存在し得、これは同様の単位で投与され得る。
特記しない限り、または文脈から明らかでない限り(例えば、特定の製剤について論じる場合)、VPAの用量への言及は、VPAの用量、またはその1つ以上の塩を含む、もしくはこれらからなる形態で投与される場合のVPAの有効な(すなわち同等の)用量を指すと理解される。
本発明の第7の態様の特定の実施形態において、用量は、約200mg〜約500mg、例えば約230mg、約280mg、約320mg、約380mg、約450mg、または約490mgである。本発明の第7の態様の別の特定の実施形態において、用量は、約220mg〜約560mg、例えば約240mg〜約530mg、約280mg〜約560mg、約240mg、約270mg、約310mg、約370mg、約410mg、約460mg、または約530mgである。本発明の第7の態様の別の特定の実施形態において、用量は、約300mg〜約500mg、例えば約360mgまたは約470mgである。本発明の第7の態様の別の特定の実施形態において、用量は、約400mg〜約600mg、例えば約450mgまたは約550mgである。本発明の第7の態様の別の特定の実施形態において、用量は、約400mg〜約800mg、例えば約575mg、約650mg、または約700mgである。
さらなる特定の実施形態において、用量は、約200mg〜約400mg、例えば約400または約300mgである。別の特定の実施形態において、用量は、約300mg〜約500mg、例えば約350mgである。
再び、疑義を避けるために、本発明の特定の態様(例えば、本発明の第1の態様)へのすべての言及は、本発明のすべての代替態様(例えば、本発明の代替的及びさらに代替的な第1の態様)への言及を含む。
さらに、当業者であれば、本明細書で言及されるすべての実施形態、嗜好、特定の定義等が、本明細書でも言及される任意の1つ以上の他の実施形態、嗜好、特定の定義等と組み合わせられ得ることを理解するであろう。
値または量(時間量を含む)に関して本明細書で使用される場合、用語「about(約)」、「around(約)」、及び「approximately(約)」は、定義された値の10%以内の値を指すものとして理解される。特定の時点(ある期間の開始または終了を含む)に関して本明細書で使用される場合、about(約)、around(約)という用語は、30分以内の値(例えば20分以内、例えば10分以内)を指すものとして理解される。さらに、用語「about(約)」、「around(約)」、及び「approximately(約)」(例えば、時間及び量に関して)の各言及は、全体を通して削除されてもよいと考えられる。
本明細書で使用される「本発明の化合物」という用語は、VPA及びその薬学的に許容される塩を指す。当業者であれば、VPA及びその薬学的に許容される塩への言及(例えば、「バルプロ酸(VPA)またはその薬学的に許容される塩」への言及)は、VPA及びその異なる薬学的に許容される塩への言及、ならびにこうした塩の混合物への言及を含んでもよく、これらの全てが本発明の化合物を指し得ることを理解するであろう。
本明細書中で使用される場合、当業者であれば、特定の状態を「予防する」という言及は、該状態の「予防」を指していてもよく、逆もまた同様であることを理解するであろう。したがって、状態を「予防する」ための本明細書の各言及は、該状態の「予防」への言及に置き換えてもよい。
当業者であれば、本明細書において使用される場合、用語「治療」及び「治療する」は、医学の分野においてそれらの正常な意味を取ることを理解するであろう。特に、これらの用語は、関連状態に関連する1つ以上の臨床症状の重篤度の低下を達成することを指してもよい。
当業者であれば、本明細書で使用される場合、用語「予防」及び「予防する」は、医学の分野におけるそれらの正常な意味を取ることを理解するであろう。特に、これらの用語は、関連状態を発症する可能性の低減を達成すること(例えば、少なくとも20%の減少、より具体的には、少なくとも30%の減少等、ベースラインレベルと比較して少なくとも10%の減少)を指す。
本明細書中で使用される場合、医学的状態に関して使用される場合の「予防(prevention)」及び「予防する(preventing)」という用語は、その状態の予防(prophylaxis)とも呼ばれ得る。
当業者であれば、特定の状態の予防(または予防)への言及は、別の状態の治療も含み得ることを理解するであろう。例えば、一次状態の治療は、二次状態の予防(または予防)の一形態であると考えられてもよい。
本発明の第1〜第7の態様の特定の実施形態(すべての代替態様を含む)では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態(特に、血栓形成)の予防での使用(ならびに/または使用及び/もしくは方法)のための化合物を提供する。
本明細書中で使用される場合、用語「病理学的状態」は、同定可能な疾患または障害を指すと理解される。
本明細書に記載されるように、過剰フィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する本発明に従って治療または予防され得る病理学的状態。これらには、限定はされないが、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、虚血性脳卒中、深部静脈血栓症、表在静脈血栓症、血栓性静脈炎、肺塞栓症、播種性血管内凝固、腎血管疾患及び間欠性跛行(例えばアテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、虚血性脳卒中、深部静脈血栓症、肺塞栓症、播種性血管内凝固、腎血管疾患及び間欠性跛行)を含む。
したがって、本発明の第1〜第7の態様の特定の実施形態では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態は、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、虚血性脳卒中、深部静脈血栓症、肺塞栓症、播種性血管内凝固、腎血管疾患及び間欠性跛行からなる群から選択される。
したがって、本発明の第1〜第7の態様のより特定の実施形態では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態は、心筋梗塞、虚血性脳卒中、及び肺塞栓からなる群から選択される。
本発明の第1〜第7の態様の他のより特定の実施形態では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態は、心筋梗塞、及び虚血性脳卒中(心筋梗塞のような)からなる群から選択される。
当業者であれば、虚血性脳卒中への言及は、主要な脳卒中事象(すなわち、血流の長期障害によって引き起こされるもの)、軽度脳卒中、及び一過性虚血発作(TIA)への言及を含むことを理解するであろう。
したがって、本発明の第1〜第7の態様のより特定の実施形態では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態は、虚血性脳卒中、例えば、主要虚血性脳卒中、軽度虚血性脳卒中、またはTIAである。
本発明の第1〜第7の態様のなおさらに特定の実施形態では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態は、虚血性脳卒中、例えば、主要虚血性脳卒中、及び軽度虚血性脳卒中である。
特に、本発明の化合物は、上記定義の投与計画(例えば、本発明の第1〜第7の態様)に従って投与される場合、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成(虚血性脳卒中及び/または心筋梗塞のような)に関連する病理学的状態を予防するのに特に有用であり得ると考えられる。したがって、本明細書中のこのような状態の治療及び予防への言及は、そのような状態を予防するための特定の言及を含む。
したがって、本発明の第1〜第7の態様のなおさらに特定の実施形態では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防することは、虚血性脳卒中、主要虚血性脳卒中、軽度虚血性脳卒中、またはTIAを予防することを指す。
上述のように、血栓性心血管事象は、2つの異なるプロセス、すなわち、一方で血管壁のゆっくりと進行する長期血管アテローム性動脈硬化症と、他方で急速に血流停止を引き起こす突然の急性血餅形成の結果として生じる。治療され得る特定の病理学的状態は、後者の過程に関連するものである。
本発明の第1〜第7の態様の特定の実施形態では、本発明に従って治療または予防することができる病理学的状態は、局所または全身性の炎症によるフィブリン沈着の増加及び/またはフィブリン溶解能の低下によって全体的にまたは少なくとも部分的に引き起こされるものである。これらには、これらに限定されないが、心筋梗塞、安定狭心症、不安定狭心症、急性冠症候群、間欠性跛行、虚血性脳卒中、一過性虚血発作、深部静脈血栓症、及び肺塞栓症が含まれる。これらの状態は、血漿中でPAI−1レベルの上昇を示し得る。
本発明の第1〜第7の態様の特定の実施形態では、病理学的状態は、深部静脈血栓症及び肺塞栓症からなる群から選択され得る。
本発明の第1〜第7の態様の特定の実施形態では、病理学的状態は深部静脈血栓症である。
本発明の第1〜第7の態様の特定の実施形態では、病理学的状態は、表在静脈血栓症及び血栓性静脈炎からなる群から選択され得る。
本発明の第1〜第7の態様の特定の実施形態では、病理学的状態は、急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇型心筋梗塞、ST上昇型心筋梗塞を含む)であり得る。
本発明の第1〜第7の態様のより特定の実施形態では、病理学的状態は表在静脈血栓症である。
本発明の第1〜第7の態様のより特定の実施形態では、病理学的状態は血栓性静脈炎である。
さらに、本発明に従って治療することができる病理学的状態は、局所的または全身的な炎症によるフィブリン沈着の増加及び/またはフィブリン溶解能の低下によって全体的にまたは少なくとも部分的に引き起こされるものである。これらには、アテローム性動脈硬化症、メタボリックシンドローム、糖尿病、播種性血管内凝固、慢性関節リウマチ、糸球体腎炎、全身性エリテマトーデス、血管炎、自己免疫性ニューロパチー、及び肉芽腫性疾患、ならびに他の状態に関連する炎症に限定はされないが、(メタボリックシンドローム、糖尿病、播種性血管内凝固、慢性関節リウマチ、糸球体腎炎、全身性エリテマトーデス、血管炎、自己免疫性ニューロパチー、及び肉芽腫性疾患ならびに他の状態に関連する炎症等)が含まれる。
当技術分野で知られている医師による全身または局所炎症の伝統的な診断に加えて、局所または全身性炎症は、炎症に結合した1つ以上のバイオマーカーを使用する患者において決定することができる。これらのバイオマーカーには、C反応性タンパク質、TNF−アルファ、高感受性C反応性タンパク質(hs−CRP)、フィブリノーゲン、IL−1ベータ及びIL−6が含まれるが、これらに限定されない。患者が全身または局所の炎症を有するかどうかを決定するための特定の方法には、以下に記載するものが含まれる。
さらに、アテローム性動脈硬化性プラークは、非常に局在化した炎症プロセスと関連していることが知られている。したがって、局所的な炎症は、血管超音波または他のイメージング技術によって診断されるアテローム性動脈硬化プラークの存在によって間接的に決定されてもよい。
当業者であれば、患者におけるフィブリン溶解のレベルが低いこと(すなわちフィブリン溶解能の低下)を同定するために、利用可能ないくつかの選択肢があることを理解するであろう。例えば、高い循環レベルのPAI−1は、一般に、フィブリン分解が不良であることを示すと考えられ、これは市販の方法(Coaliza(登録商標)PAI−1(Chromgenix)、TriniLIZE(登録商標)PAI−1、Imubind(登録商標)プラズマPAI−1(American Diagnostica)、Zymutest PAI−1(Hyphen Biomed)、Milliplex PAI−1(MerckMillipore)、Novex PAI−1ヒトElisaキット(Life technology)、PAI1(SERPINE1)Human ELISA Kit (Abcam、ab108891))によって血漿中で測定され得る。さらに、遊離の活性型t−PAの全身レベルが低いこともまた、t−PA−7351 C/T多型の低産生株(T)遺伝子型の存在と同様に、一般的な乏しいフィブリン溶解の指標であり、また商業的方法(TriniLIZE(登録商標)t−PA抗原及び活性(Trinity Biotech))によって測定され得る。血栓溶解時間を測定する機能アッセイも、全身フィブリン溶解を評価するために使用されている。(Thrombinoscope(商標)(Synapse、BV、Maastricht、the Netherlands)、IL/ROTEM(登録商標)(Term International GmbH、Munich、Germany)、TEG(登録商標)(Haemoscope、Niles)、CloFALアッセイ(Peikang Biotechnology Co.Ltd.Shanghai,China))。
当業者であれば、フィブリンの沈着の増加及び/またはフィブリン溶解の低下した能力が、本明細書で使用される「局所または全身性炎症」に起因するかどうかは、(例えば、当該技術分野において知られているような対照レベルに関してこれらのバイオマーカーの1つ以上の濃度の増加によって)、C反応性タンパク質、TNF−アルファ、高感受性C反応性タンパク質(hs−CRP)、フィブリノーゲン、IL−1ベータ、及びIL−6を含むが、これらに限定されない炎症に結合した1つ以上のバイオマーカーを用いて決定され得る。これらのバイオマーカーを定量するために使用することができる市販の分析プラットフォームには、限定されるものではないが、Afinion(商標)(Medinor AB、Sweden)、CA−7000(Siemens Healthcare Diagnostics Inc、NY、US)、Immulite(登録商標)2000 Immunoassay System(Siemens Healthcare Diagnostics Inc)が含まれる。
局所または全身の炎症を特定することができる特定のバイオマーカーには、高感受性C反応性タンパク質(hs−CRP)(2.0mg/l血清以上)及びフィブリノーゲン(血清3g/l以上)が含まれる(Corrado E.,et al.An update on the role of markers of inflammation in atherosclerosis,Journal of atherosclerosis and Thrombosis,2010;17:1−11,Koenig W.,Fibrin(ogen) in cardiovascular disease:an update,Thrombosis Haemostasis 2003;89:601−9)。
別段の指定がない限り、本明細書で使用する「患者」という用語には、哺乳類の患者(ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、霊長類、マウス、ラット、ならびに犬、猫、モルモット、フェレット、及びウサギを含む一般的なペット等)を含む。特に、「患者」という用語は、ヒトを指す。
本明細書で使用される場合、当業者であれば、血漿への言及が患者の血漿を指すことを理解するであろう。
本明細書で使用される場合、特定の物質の最大血漿濃度(または「Cmax」)への言及は、血漿中のその薬剤の最大濃度(すなわち、患者の血漿)を指すことを当業者は理解するであろう。その薬剤の投与に関して、Cmaxは、そのような投与の直接の結果として生じるもの(すなわち、その薬剤の吸収の結果として生じるCmax)を指す。
本明細書中で使用される場合、特定の物質のCmaxが生じる時間はまた、Tmaxと呼ばれ得る。
当業者であれば、Cmaxが特定の時間(すなわち、血漿濃度の特定のピーク)または長期間(すなわち、血漿濃度がプラトーに達する場合)に起こり得て、これらの両方がCmaxが生じる時間(Tmax)を指し得ることを理解するであろう。長期間にわたりCmaxが生じる場合、Cmaxが生じる時間は、その期間の中間点にも取られ得るが、Cmaxは、特定の時点で明確に区別可能なピークとして生じると一般に理解される。
本明細書に記載されるように、患者(特にヒト)におけるPAI−1の血漿濃度は、概日リズムに従うことが知られている。典型的には、PAI−1の最大血漿濃度(Cmax)は約06:00時に生じると予想される。
したがって、PAI−1のCmaxが現れる時点の言及は、約06:00時の言及と置き換えてもよい。
本明細書に示される絶対時間(すなわち、特定の時点、及び特定の時点の間にあると定義される期間)は、患者が経験する実際の現地時間(すなわち、「時計」時間)を指す。さらに、該時間は、患者が現地時間に調節されていることを前提としている(例えば、時間帯の変化調節をするのに十分な時間を有する、いわゆる「夏時間」の時間調節を有する)。
当業者であれば、PAI−1及び本発明の化合物(またはその塩及び/または代謝物)の最大血漿濃度のタイミングは、当業者に周知の技術を用いて、例えば関連する期間中の血漿中のPAI−1及び本発明の化合物(またはその塩及び/もしくは代謝産物)の濃度をモニターすることにより、決定され得ることを理解するであろう。
本明細書に記載するように、本発明の化合物(またはその塩及び/もしくは代謝産物)の血漿レベルは、当業者に周知の技術を用いてモニターすることができる。例えば、バルプロ酸血漿レベルは、臨床ルーチン、例えば、試料中のバルプロ酸と、試験に加えられた酵素標識バルプロ酸との間の抗体の競合に基づいて、均一な酵素免疫アッセイ技術を使用することによって測定することができる。(例えば、VALP2、Roche/Cobas、art nr 05108438190(Roche Diagnostics Scandinavia AB))酵素標識バルプロ酸が抗体に結合すると、酵素グルコース6−リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PDH)が遮断され、試験酵素基質を消費することができない。逆に、酵素標識バルプロ酸が抗体に結合していない場合、基質は酵素に利用可能であり、消費することができる。基質の消費は、NADからのNADHの生成(補酵素反応)によって間接的に測定される。NADHは340nmでUV光を選択的に吸収する。これは、試料中のバルプロ酸濃度が高いと、340nmでの吸光度が大きく変化し、逆に低いバルプロ酸濃度では、340nmでの吸光度がわずかな変化であり得ることを意味する。基質の消費は、340及び415nmで調光的に測定される色変化を生じさせる。吸光度は、試料中のバルプロ酸濃度に正比例する。
当業者であれば、血漿中に存在する化合物を本発明の化合物の代謝産物であると同定することができるであろう。挙げることができる本発明の化合物の特定の代謝産物には、バルプロ酸アニオン(例えば、バルプロ酸アニオン部分を含む代謝産物)が含まれる。
当業者であれば、PAI−1の血漿濃度(すなわち、患者の血漿中濃度)をモニタリングすることは、少なくとも1つ(例えば1つ)の24時間にわたるモニタリング(例えば、本発明の化合物による治療の開始前)を指すことができることを理解するであろう。そのようなモニタリングは連続的であってもよく、またはこの期間に設定された間隔で測定を行うことを伴い得る(これは、特に後者の場合、最初の測定と最後の測定との間の時間が約20時間等の24時間未満である)。
当業者であれば、そのようなモニタリングが、当業者によって推定されるように、PAI−1のCmaxを含むと予想される期間、実施され得ることも理解するであろう。例えば、PAI−1のCmaxが約06:00時に発生すると予想される場合、そのようなモニタリングは、04:00時〜08:00時(例えば、05:00時〜07:00時)に行われ得る。
投与される本発明の化合物の用量のタイミング及び大きさはまた、特定の時間における低血漿濃度のVPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物をもたらすであろう。
本発明の第1〜第7の態様の特定の実施形態では、本発明の化合物の投与は、VPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の血漿濃度が約14:00時〜約18:00時(例えば約15:00時〜約17:00、例えば約16:00時)は、約350μM未満(例えば、約300μM未満、例えば約250μM未満、より具体的には200μM未満、例えば約150μM未満、または約100μM未満等)である。
本発明の第1〜第7の態様のより特定の実施形態では、本発明の化合物の投与は、バルプロ酸またはその塩及び/もしくは代謝産物の血漿濃度が約15:00時〜約17:00時(約15:30時または約16:30時等)は、約300μM未満(例えば、約200μM未満(例えば、約150μM未満、または約100μM未満)である。
さらに、当業者であれば、Cmaxのタイミングの要件及び/または特定の時点での血漿中の最大または最小濃度の存在を満たすために、本発明の化合物の投与のタイミング及び用量の両方を調節することができるであろう。
本明細書で使用される場合、用語「治療有効量」及び「治療有効用量」は、患者に必要な薬理学的または治療的効果を、好ましくは過度の有害な副作用なしに付与する活性剤(すなわち、本発明の化合物)の量を指す。治療有効量は、患者によって異なることが理解される。
特に、本発明による化合物の治療上有効な用量は、特に、副作用(すなわち、治療薬の作用によってもたらされる有害事象)を最小限に抑えるように選択された場合に、関連する病理学的状態及びその合併症を治療または予防するのに十分な量である。本明細書中の開示を考慮して、当業者であれば、当業者に既知の技術を使用して所望の生物学的効果を達成するために投与される本発明の化合物の用量を調整することができるであろう。
当業者であれば、本発明の化合物の用量は、少なくとも約20%(少なくとも約30%等)のPAI−1血漿レベルの低下を達成する用量が決定されるように滴定することができることを理解するであろう。
本発明の特定の実施形態(例えば、本発明の第1〜第7の態様の特定の実施形態)において、本発明の化合物の用量は、少なくとも約20%(例えば少なくとも約30%)のPAI−1血漿レベルの低下を達成するのに十分であり、すなわちPAI−1の血漿レベルの必要な低下を達成する用量が滴定される。
本発明のより特定の実施形態(例えば、本発明の第1〜第7の態様の特定の実施形態)では、用量が、少なくとも約40%(少なくとも約50%等、例えば、少なくとも約60%)のPAI−1血漿レベルの減少を達成するのに十分である。
同様の用量滴定が当技術分野で知られており、PAI−1測定(一般的には朝の試料から)の開始用量、増分及び間隔の両方、PAI−1の所望の減少及び潜在的な用量増加を当業者によって選択することができる。
特定の実施形態では、このような用量滴定の開始用量は、例えば、50、60、70、80、90、100、110、120、130、135、140、150、160、180、190、195、200、220、240、250、260、270、280、300、350、または400mgの範囲であり得、用量増分は、新しいPAI−1測定後7〜28日毎に20〜180mg(例えば、約40、60、65、70、80、120、140、及び160mg)であり得る。例えば、1つのこのような実施形態では、用量滴定の開始用量は50mgであり、循環PAI−1レベルの20%の低下が達成される(すなわち、患者が循環PAI−1レベルの少なくとも20%の低下を示す)まで、用量を7日毎に50mgずつ増加させる。別のこのような実施形態では、用量滴定の開始用量は100mgであり、循環PAI−1レベルの20%の低下が達成されるまで、用量を14日毎に100mgずつ増加させる。
1つの特定の実施形態では、用量滴定の開始用量は約55〜95mg(例えば、約55、60、65、70、75、80、85、90、または95mg)であり、循環PAI−1レベルの20%の低下が達成されるまで、用量を7日〜8週間(例えば、7〜28日または2〜8週間)毎に約55〜95mg(例えば、約55、60、65、70、75、80、85、90、または95mg)ずつ増加させる。別のこのような実施形態では、用量滴定の開始用量は約60〜80mgであり、循環PAI−1レベルの20%の低下が達成されるまで、用量を7日〜8週間毎に60〜80mgずつ増加させる。
別の特定の実施形態では、用量滴定の開始用量は約110〜190mg(例えば、約110、120、130、140、150、160、170、180、または190mg)であり、循環PAI−1レベルの20%の低下が達成されるまで、用量を7日〜8週間(例えば、7〜28日または2〜8週間)毎に約55〜95mg(例えば、約55、60、65、70、75、80、85、90、または95mg)ずつ増加させる。別のこのような実施形態では、用量滴定の開始用量は約120〜160mgであり、循環PAI−1レベルの20%の低下が達成されるまで、用量を7日〜8週間(例えば、7〜28日または2〜8週間)毎に約60〜80mg(例えば、約60、65、70、75、及び80mg)ずつ増加させる。
別の特定の実施形態では、用量滴定の開始用量は約110〜190mg(例えば、約110、120、130、140、150、160、170、180、または190mg)であり、循環PAI−1レベルの20%の低下が達成されるまで、用量を7日〜8週間(例えば、7〜28日または2〜8週間)毎に約110〜190mg(例えば、約110、120、130、140、150、160、170、180、または190mg)ずつ増加させる。別のこのような実施形態では、用量滴定の開始用量は約120〜160mg(例えば、約120、130、140、150、または160mg)であり、循環PAI−1レベルの20%の低下が達成されるまで、用量を7日〜8週間(例えば、7〜28日または2〜8週間)毎に約120〜160mg(例えば、約120、130、140、150、または160mg)ずつ増加させる。
別の特定の実施形態では、用量滴定の開始用量は約210〜290mg(例えば、約210、220、230、240、250、260、270、280、または290mg)であり、循環PAI−1レベルの20%の低下が達成されるまで、用量を7日〜8週間(例えば、7〜28日または2〜8週間)毎に約110〜190mg(例えば、約110、120、130、140、150、160、170、180、または190mg)ずつ増加させる。別のこのような実施形態では、用量滴定の開始用量は約230〜280mg(例えば、約230、240、250、260、270、または280mg)であり、循環PAI−1レベルの20%の低下が達成されるまで、用量を7日〜8週間(例えば、7〜28日または2〜8週間)毎に約115〜140mg(例えば、約115、120、130、または140mg)ずつ増加させる。別の特定の実施形態では、用量滴定の開始用量は約210〜290mg(例えば、約210、220、230、240、250、260、270、280、または290mg)であり、循環PAI−1レベルの20%の低下が達成されるまで、用量を7日〜8週間(例えば、7〜28日または2〜8週間)毎に約210〜290mg(例えば、約210、220、230、240、250、260、270、280、または290mg)ずつ増加させる。別のこのような実施形態では、用量滴定の開始用量は約230〜280mg(例えば、約230、240、250、260、270、または280mg)であり、循環PAI−1レベルの20%の低下が達成されるまで、用量を7日〜8週間(例えば、7〜28日または2〜8週間)毎に約230〜280mg(例えば、約230、240、250、260、270、または280mg)ずつ増加させる。
代替的なそのような実施形態では、循環PAI−1レベルの20%低下を達成することへの言及は、循環PAI−1レベルの30%低下を達成することへの言及に置き換えることができる。
さらに別のそのような実施形態では、循環PAI−1レベルの20%低下を達成することへの言及は、循環PAI−1レベルの40%低下を達成することへの言及に置き換えることができる。
同様に、当業者は、そのような滴定における用量の増加または最初に投与される用量が、望ましくない効果(許容できないレベルの有害事象等)及び/または必要以上の治療効果をもたらす場合、用量が、許容可能なレベル(すなわち、有害事象及び/または治療効果)が得られるまで、用量滴定実験における用量の増加に関して本明細書に記載されているような増分で減少され得ることを理解するであろう。
理論に拘泥するものではないが、本明細書に記載された本発明の化合物の投与から生じる驚くべき効果は、有意なレベルの有害事象をもたらすことが予想されないレベルの用量の投与によって得ることができると考えられる。
したがって、本発明の第1〜第7の態様の特定の実施形態では、治療は、そのような治療から生じる有害事象のレベルを最小限にするために選択された(例えば、そのような有害事象の発生を避けるために十分に低いレベルである)、ある用量(すなわち、治療有効用量)のVPAまたはその薬学的に許容される塩(例えば、24時間における1つのそのような用量)を投与することを必要とし得る。
本発明の第1〜第7の態様の特定の実施形態では、治療は、そのような治療から生じる有害事象のレベルを最小限にするために選択された(例えば、そのような有害事象の発生を避けるために十分に低いレベルである)、ある用量のVPAまたはその薬学的に許容される塩(例えば、24時間における1つのそのような用量等24時間における1つまたは2つのそのような用量)を投与することを必要とし得る。
そのような量は、投与の頻度及び様式、治療される対象の性別、年齢、体重及び全身状態、治療される状態の性質及び重症度、及び/または個体によって使用される他の治療によって変わり得、及び従来のフィールドの技術によって決定され得る。特定の治療目的に有効な量は、状態の重篤度、ならびに対象の体重及び全身状態に依存する。適切な投薬量の決定は、ルーチンの実験を用いて、値のマトリックスを構築し、マトリックス中の異なる点を試験することによって達成することができ、その全ては当業者の通常の技能の範囲内であることが理解される。
本明細書で提供されるような特定用量の考察にもかかわらず、当業者であれば、本明細書に記載された過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するために必要な本発明の化合物の量及び投与計画が、処方する医師の定型的な技術を用いて決定されてもよいことを理解するであろう。
本発明の第1〜第7の態様の特定の実施形態では、VPAまたはその薬学的に許容される塩は、24時間毎の単回用量(すなわち、1日1回用量)として投与され得る。
例えば、本発明の第1〜第7の態様の特定の実施形態では、VPAまたはその薬学的に許容される塩は、
(i)24時間毎の単回用量(すなわち、1日1回用量)として、及び/または
(ii)約50mg〜約1200mg(特に約50mg〜約1000mg、例えば約100mg〜約800mg、例えば約200mg〜約600mg、例えば約300mg〜約500mg、例えば約240mg〜約560mg、例えば約260mg〜約520mg)の24時間毎の合計用量(すなわち、1日合計用量)で、投与され得る。
より詳細には、上記の1日1回用量(例えば、直上の点(i))は、約20:00時〜約06:00時の時間に投与することができる。
より特定の実施形態では、1日1回用量(例えば、上記の点(i)に記載されている)は、約21:00時〜約05:00時(例えば、約22:00時〜約04:00時、例えば約22:00時から約00.00時)の時間で投与することができる。
さらに特定の実施形態(特に、治療が、有効成分の遅延放出のために製剤化されていない薬学的組成物として投与される)では、一日用量(例えば、上記の点(i)に記載される)が、約02:00時〜約06:00時(例えば、約03:00時〜約05:00時、例えば約04:00時)の時間で投与され得る。
さらなる特定の実施形態(特に、治療が、本明細書の本発明の第8の態様に記載されているような有効成分の遅延放出用に製剤化された薬学的組成物として投与される)では、一日用量(例えば、上記の点(i)に記載される)が、約20:00時〜約00:00時(例えば、約21:00時〜約23:00時、例えば約22:00時)の時間に投与され得る。別のそのような実施形態では、期間は約18:00時〜約22:00時である。
別の実施形態(特に、本発明の第8の態様に記載されているような有効成分の遅延放出のために製剤化された薬学的組成物として投与される)では、一日用量(例えば、上記の点(i)に記載される)は、睡眠の前に(すなわち、患者が寝ようとする直前に投与することができ、「寝る前」、「寝る前に」等と記載することもできる)。
さらに別の実施形態(特に、本発明の第8の態様に記載されているような有効成分の遅延放出のために製剤化された薬学的組成物として、治療が投与される)では、一日用量(例えば、上記の点(i)に記載される)は、夕食(例えば、夕食等)と共に(すなわち、ほぼ同時に)投与することができる。
本発明の特定の実施形態(例えば、本発明の第1〜第7の態様の特定の実施形態)において、本発明の化合物は、VPAまたはその塩及び/または代謝物の血漿濃度が特定の期間(例えば、24時間の期間)に、同じ期間のPAI−1の血漿濃度を模倣するように投与することができる。
本明細書で使用されるように、別のものを「模倣する」血漿レベルへの言及は、2つの薬剤の相対血漿レベルが実質的に類似の変動パターンに従うことを意味すると理解される(例えば、2つの薬剤の血漿濃度をプロットすることによって得られる曲線は、実質的に重ね合わせることができるが、2つの薬剤の絶対濃度/濃度は異なってもよい)。「模倣物」という用語は、当該技術分野における通常の意味を有しており、すなわち、模倣、近似、追従または偽装するが、必ずしも厳密にまたは正確に複製する必要はない。
当業者であれば、夕方用量に加えて、PAI−1レベルが午後遅くに上昇し始めるときに吸収される低用量の朝用量を投与することができることを理解するであろう。例えば、1つのそのような治療では、10〜600mg、例えば、10〜500mg(例えば、50〜300mg、より詳細には100または200mg)のVPAまたはその薬学的に許容される塩が、夕方投与後約10〜14時間(例えば、12時間等)投与される。
したがって、本発明のより特定の実施形態では、夕方用量に加えて、より低い朝用量が投与され、その用量は約10〜約500mgで構成され(例えば、約50〜約300mg、より具体的には約100、約200mg、または約270mg)、それは夕方投与後約10〜約14時間(例えば、約12時間)の期間中に投与される。特定の実施形態では、この朝用量は、夕方用量の約20〜約50%(例えば、約20、30、または約40%)である。
より特定の実施形態では、直前の実施形態に記載される朝及び夕方用量と同じ効果を提供する、VPAまたはその薬学的に許容される塩の1日1回製剤が提供され、これは、PAI−1の上昇と一致する第2の小さなピークを与えるコア、またはこのような放出プロフィールのために製剤化された異なってコーティング及び/もしくは製剤化された微粒子(例えば、顆粒)を有する二重層製剤の形態で提供され得る。
本明細書に記載されているように、VPAは血漿PAI−1レベルを強力に低下させ得、そのような減少は内因性t−PAの活性の増加を可能にすることが見出された。特に、その血漿レベルがPAI−1のピーク血漿レベルと一致するようなVPAの投与は、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態の治療または予防を可能にし得る。
したがって、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防する際の本明細書中(例えば、本発明の第1〜第7の態様)の言及はまた、PAI−1の活性の低下(により、すなわち治療または予防された)による利益を受けると予想される病理学的状態を治療または予防することを指す。
疑義を避けるために、当業者に知られているように(特に、本明細書に記載されているように)、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連すると言われる特定の状態もまた、血漿中のPAI−1レベルの低下に起因すると理解され得るPAI−1活性の低下(により、すなわち治療または予防された)による利益を受けると予想されることも理解され得る。
特に、本発明のさらなる側面において、(本明細書に記載されているように)治療有効量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、それを必要とする患者においてPAI−1レベル(すなわち、血漿中のPAI−1のレベル)を低下させる方法が提供される。
同様に、本明細書で言及する過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する状態を治療または予防する具体的な方法は、それを必要とする患者においてPAI−1レベルを低下させる方法であると理解することもできる。
例えば、本発明のさらに別の第1の態様では、患者において、VPAまたはその塩及び/もしくは代謝産物の最大血漿濃度(Cmax)が、該患者におけるPAI−1の最大血漿濃度(Cmax)の4時間前〜1時間後までの期間中に生じるように、(本明細書に記載されているように)少なくとも1回用量の治療有効量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を該患者に投与することを含む、それを必要とする該患者のPAI−1レベルを低下させる方法が提供される。
本明細書で使用されるように、PAI−1のレベルを低下させることへの言及(及び同様に、低下した(阻害された)PAI−1活性、例えば、PAI−1を阻害することへの言及)は、本発明の化合物(すなわちVPA)での治療前のPAI−1のレベルより低い(例えば、少なくとも10%低い、例えば少なくとも20%、例えば少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、または少なくとも60%低い)レベルの(例えば、ここまで低下した、またはこれで維持した)、本発明の化合物での治療中の血漿中のPAI−のレベルのPAI−1を指し得る。
本発明の化合物
ここでも示されるように、「本発明の化合物」という用語は、その混合物(その薬学的に許容される塩とのこうした混合物)を含む、VPA及びその薬学的に許容される塩を指す。当業者であれば、バルプロ酸が、とりわけ、2−プロピルペンタン酸及びVPAとも呼ばれ得ることを理解するであろう。
本明細書に提示される化合物には、関連する場合、すべてのジアステレオマー、エナンチオマー、及びエピマー形態が含まれる。互変異性体として存在する本明細書に記載の化合物については、全ての互変異性体が本明細書に記載の式の範囲内に含まれる。さらに、本明細書に記載の化合物は、塩(例えば、薬学的に許容される塩)として形成され得、及び/または塩として使用され得る。当業者であれば、本明細書における化合物の塩への言及は、薬学的に許容される塩への言及を含むことを理解するであろう。
本明細書に記載の化合物は、当業者に既知の技術及び手順を用いて調製することができる。本出願において化合物を合成するために有用な例示的な合成方法には、例えば、Nogrady(1985)Medicinal Chemistry A Biochemical Approach、Oxford University Press、New York、388〜392頁; Silverman(1992); Fieser and Fieser´ s Reagents for Organic Synthesis、Volumes 1〜17(John Wiley and Sons、1991); Rodd´ s Chemistry of Carbon Compounds、Volumes 1−5及びSupplementals(Elsevier Science Publishers、1989);Organic Reactions,Volumes 1〜40(John Wiley and Sons、1991)、March´ s Advanced Organic Chemistry(John Wiley and Sons、第4版)、及びLarock´s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.、1989)を参照されたい。
本明細書に記載の本発明の化合物は、当業者に知られている、及び/または本明細書に記載されているように、市販されていてもよく、及び/または公表された手順に従って合成されてもよい。
特に、VPAは、例えばSigma−Aldrich(2014年10月1日付けの製品番号P4543)から市販されている。VPAの薬学的に許容される塩(例えば、そのナトリウム塩)も市販されている。VPAまたはその薬学的に許容される塩は、当業者に周知の技術を用いて合成することができることも理解されよう。
本明細書に記載されるように、VPAは、その薬学的に許容される塩の形態で処方及び/または投与され得る。
言及することができる薬学的に許容される塩(及び一般的には塩)としては、これらに限定されないが、
(a)酸性プロトンが金属イオン、例えばアルカリ金属イオン(例えばリチウム、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類イオン(例えばマグネシウムまたはカルシウム)もしくはアルミニウムイオン等で置換されるか、またはアンモニウムカチオン(NH4 +)で置換される場合に形成される塩、
(b)化合物と、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンのようなアルキルアミンを含む、薬学的に許容される有機塩基とを反応させることにより形成される塩、及びアルギニン、リジン等のアミノ酸を含む塩、
(c)化合物と、酸付加塩を提供する薬学的に許容される酸とを反応させることによって形成される塩が挙げられる。薬学的に許容される酸には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタリン酸等、または有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−メチルビシクロ−[2.2.2]オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4´−メチレンビス−(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等が含まれる。
挙げることができる追加の薬学的に許容される塩には、Berge et al.,J.Pharm.Sci.1977,66,1−19、及び“Handbook of Pharmaceutical Salts,Properties,and Use”,Stah and Wermuth,Ed.、Wiley−VCH and VHCA,Zurich,2002(その内容は全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているものが含まれる。
挙げることができるVPAの特定の薬学的に許容される塩には、上記の点(a)で挙げたものが含まれる。言及し得るより特定の薬学的に許容される塩には、カルボン酸プロトンがアルカリ土類イオン(例えばマグネシウムまたはカルシウム)またはより詳細にはアルカリ金属イオン(例えばリチウム、ナトリウムまたはカリウム)で置換されたものが含まれる。
本発明の各態様の特定の実施形態では、VPAは、そのナトリウム塩(すなわち、バルプロ酸ナトリウム)の形態で(適切な場合には)投与及び/または製剤化される。より特定の実施形態では、VPAは、VPA(すなわち、非塩形態)及びそのナトリウム塩(すなわち、バルプロ酸ナトリウム)の混合物の形態で、適切な場合には、投与され及び/または製剤化される。
例えば、本発明の特定の実施形態(すなわち、本発明の各態様の実施形態)において、本発明の化合物はVPAであり、VPAは、そのナトリウム塩(すなわち、バルプロ酸ナトリウム)及びバルプロ酸の混合物の形態で(適宜)投与及び/または製剤化され得る。例えば、Depakote and Depakote ER(AbbVie Inc)によって市販されているバルプロ酸ナトリウム(バルプロ酸とバルプロ酸ナトリウムとの1:1モル比の関係)としても知られているバルプロ酸セミソディウム及びバルプロ酸ナトリウム(バルプロ酸とバルプロ酸ナトリウムとの1:2.3の比)を含み、これは例えばEpilex Chronoとして市販されている。疑義を避けるために、特定の実施形態では、本発明の化合物はバルプロ酸ナトリウムである。
本発明の化合物の「塩」への言及は、アニオンまたはカチオンの、例えば血漿中での、本発明の化合物との交換によって生じ得る塩形態を指すと理解される。特に、「塩」という用語はまた、本明細書に記載されるような薬学的に許容される塩を指してもよい。
本明細書に記載されるように、VPAはまた、そのプロドラッグ、または該プロドラッグの薬学的に許容される塩の形態で製剤化及び/または投与され得る。
本明細書で使用される場合、プロドラッグという用語は、本発明の化合物に関して使用される場合、インビボで(すなわち、投与後に)本発明の化合物に変換され得る化合物を指すと理解される。
そのようなプロドラッグは、当業者によって同定されてもよく、本発明の化合物のエステル(例えば、メチルまたはエチルエステル)またはアミド誘導体を含み得る。挙げることができるVPAの特定のプロドラッグには、2−プロピルペンタンアミド(バルプロミドとしても知られる)及びその薬学的に許容される塩が含まれる。
本発明の化合物がそのプロドラッグの形態で投与される場合、当業者であれば、必要に応じて本発明の化合物の同等の用量を達成するために、投与される用量を調整することができるであろう。
バルプロ酸及び/もしくはバルプロ酸ナトリウム、またはそのプロドラッグを含有する市販の製品としては、これらに限定されないが、
Depakote(AbbVie Inc.)、Absenor(Orion Corporation)、Convulex(Pfizer)、Convulex CR、Depakene/Depakine/Depalept/Deprakine(AbbVie Inc./Sanofi Aventis)、Depakine Chrono(Sanofi)、Depakene−R(Kyowa Hakko Kogyo)、Selenica−R(Kowa)、Encorate(Sun Pharmaceuticals India)、Encorate Chrono(Sun Pharmaceuticals)、Epival(Abbott Laboratories)、Epilim(Sanofi)、Epilim Chronospheres改変放出顆粒、Epilim Chrono制御放出錠剤、Epilim Chrono持続放出錠剤、Stavzor(Noven Pharmaceuticals)、Valcote(Abbott Laboratories)、Valpakine(Sanofi Aventis)、Depamide(Sanofi−Avetis)、Dipexil−R(Bial)、Eliaxim(Bial)、バルプロ酸ナトリウムSandoz錠(Sanofi)、Valpro錠(Alphapharm)、バルプロ酸Winthrop錠(Sanofi)、Valprease(Sigma)、Epilim EC改変放出錠剤(Sanofi−Aventis)、Oriept(Wockhardt)、Epilim Chrono(Sanofi)(バルプロ酸とバルプロ酸ナトリウムの比1:2.3)、Epilim EC200(Sanofi)、Valprol CR(Intas Pharmaceutical)、Episenta持続放出(Beacon)、バルプロ酸カプセル、USP(Teva)、Stavzor(Noven)、Orfiril(Desitin Pharmaceuticals)が挙げられる。
バルプロ酸及び/もしくはバルプロ酸ナトリウム、またはそのプロドラッグを含有する市販の製品はまた、異なる名称で販売され得る、上記の製剤のジェネリック版を含む。
化合物の投与
当業者であれば、本発明の第1〜第7の態様(その全ての実施形態を含む)に記載されている過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するのに使用(またはその方法において使用)するために、VPAまたはその薬学的に許容される塩を含み、任意で1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む、薬学的組成物も提供されることを理解するであろう。
本発明の化合物は、当該技術分野で知られているように、経口、静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、鼻腔内、口腔内、経皮、皮内、または坐薬経路等の便利な様式で対象に投与することができる。特に、本発明の化合物は、経口経路によって投与することができ、経口投与に適した薬学的製剤(例えば、錠剤、カプセル、口腔内フィルム、スプレー等)として投与することができる。
特に、経口投与に適した薬学的製剤は、各々が所定量の活性成分を含有し、1つ以上の適切な賦形剤を含み得る、カプセルまたは錠剤(例えば、ミニ錠剤または顆粒のような錠剤または多粒子)のような別個の単位として提供されてもよい。さらに、経口で利用可能な製剤は、粉末もしくは多粒子、水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液、または水中油型もしくは油中水型液体エマルジョンの形態であってもよい。
経口使用のための組成物は、任意の既知の方法に従って調製することができ、そのような組成物は、薬学的にエレガントで口当たりの良い調製物を提供するために、甘味剤、着香剤、着色剤、及び保存剤からなる群から選択される1つ以上の薬剤を含み得る。
本明細書で使用される場合、多粒子という用語は、顆粒、ビーズ、ミクロスフェア、微粒子、ペレット、スフェロイド、及びミニ錠剤のような小さな別個の単位を指す。いくつかの多粒子を組み合わせて最終剤形にすることができる。多粒子は、それぞれ未被覆または被覆単位であってもよい。特定の実施形態では、本明細書の各例において、多粒子という用語は、顆粒、ペレット、及び/またはミニ錠剤を指すことができる。
特定の実施形態では、薬学的組成物は、ミニ錠剤、ペレット、または顆粒(例えば、ミニ錠剤または顆粒)の形態で提供することができ、このミニ錠剤、ペレット、または顆粒は、本明細書に記載のように(例えば、遅延放出コーティングで)被覆することができる。このようなミニ錠剤、ペレット、または顆粒(特に、ミニ錠剤または顆粒)は、別個の単位(すなわち、共に単一用量を構成する複数の別個の単位)として、またはカプセル(例えば、硬ゼラチンカプセルのような硬カプセル)のような、適切なハウジング内に含まれるものとして投与することができる。
疑義を避けるために、組成物が多粒子(例えば、ミニ錠剤、ペレット、または顆粒、特に、ミニ錠剤または顆粒)を含有するカプセルの形態で投与される場合、本明細書に記載の適切なコーティングを個々のミニ錠剤、ペレット、または顆粒に適用することができる。
疑義を避けるために、本明細書に記載の多粒子(特に、ミニ錠剤、ペレット、または顆粒)は、錠剤について記載したのと同じ方法で個々に処理することができ、そのように言及することができる。
例えば、錠剤または多粒子は、意図された剤形(例えば、錠剤または多粒子)の製造に適した無毒性の薬学的に許容される賦形剤との混合物中に有効成分を含有し得る。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウムのような希釈剤、顆粒化剤及び崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸、結合剤、例えばデンプン、ゼラチン、またはアカシア、ならびに潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクを含み得る。錠剤または多粒子は、(錠剤中の放出改変剤の有無にかかわらず)被覆されていなくてもよく、または胃腸管における崩壊及び吸収を遅延させ、それにより長期間にわたって持続する作用を提供する既知の技術によって被覆されていてもよい。一実施形態では、グリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレートのような時間遅延材料を使用することができる。別の実施形態において、錠剤または多粒子はまた、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,356,108号、第4,166,452号、及び第4,265,874号に記載の技術によって被覆され、制御放出のための浸透圧治療用錠剤を形成し得る。
また、経口使用のための製剤はまた、有効成分が固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、ラクトース、リン酸カルシウム、もしくはカオリンと混合される硬カプセル(例えば、ゼラチンまたはHPMCから作製される)、または有効成分が液体もしくは半固体媒体(例えば、水混和性液体、例えばポリエチレングリコール)もしくは油性媒体、例えばピーナッツ油、液体パラフィン、もしくはオリーブ油と混合される軟ゼラチンカプセルとして提供され得る。そのような硬カプセル(例えば、ゼラチンカプセル)は、有効成分の多粒子(例えば、顆粒、ペレット、またはミニ錠剤)を含有するように製剤化することができ、この多粒子は、錠剤について本明細書に記載されるような方法で製剤化(例えば、被覆)することができる。
さらに、経口使用のための製剤は、圧縮された多粒子(例えば、圧縮された複数の別個の顆粒)からなる錠剤の形態で提供されてもよく、この多粒子は、個々に被覆されてもよい。
したがって、製剤が多粒子(例えば、カプセルまたは錠剤中、例えば圧縮多粒子(すなわち、複数の粒子)からなる錠剤、または顆粒、ペレット、もしくはミニ錠剤等の多粒子を収容するカプセル)を含む実施形態では、そのような多粒子は、異なるコーティングを有し(または後述するようなポリマーを用いる遅延放出のために製剤化され)得、このコーティング/製剤は、例えば、吸収を制御し、血漿プロフィールがPAI−1血漿プロフィールを模倣するために、本発明の化合物の放出を調節するように選択され得る。特定の薬物の吸収/放出を制御するためのこのようなコーティング/製剤の使用は、当該技術分野において知られており、例えば、アクリル酸またはセルロース(それらの誘導体を含む)をベースとする異なるポリマーに基づくことができ、以下でより広範に記載される。
一実施形態では、ミニ錠剤は、直径が1.0〜3.0mmの平坦または湾曲した錠剤と定義される。本明細書に記載されているように、そのようなミニ錠剤は、複数の別個の単位として投与されてもよく、例えば、適切なハウジング中で、硬カプセル(例えば、硬ゼラチンカプセル)に充填されて提供されてもよい。
理論に縛られることを望むものではないが、例えば、ミニ錠剤、顆粒、またはペレットのような複数の単位剤形は、胃の充満度にあまり依存せず、したがって、異なる患者における、例えば、吸収プロファイルの変動性を低下させる可能性があると考えられる。
複数の単位剤形の単一多粒子は、造粒、ペレット化、押出、ホットメルト押出、錠剤化、及び/またはコーティング技術を含む一般に知られている方法によって調製することができる。被覆顆粒/微小錠剤からの錠剤及び/またはカプセルの製造に関する例は、例えば、WO96/01621、WO96/01624、Siddique, Khanam and Bigoniya, AAPS PharmSciTech 2010を参照されたい。これらの参考文献はまた、錠剤またはカプセル(または該錠剤またはカプセル中の顆粒)からの薬物の放出を制御するために異なる材料をどのように使用できるかについての情報を提供する。
特に、当業者であれば、バルプロ酸が液体であり、バルプロ酸ナトリウムが吸湿性粉末であることを認識するであろう。これらのタイプの成分の適切な賦形剤及び調製プロセスは、当該技術分野において知られ、吸湿性の低下を達成するために、例えば、液体担体としてのシリカゲル、ならびに適切なポリマー(例えば、異なるタイプのメタクリル酸コポリマー)及び/またはワックス/脂肪酸等の水不溶性材料での成分のコーティングを含む。そのようなポリマーはまた、本発明による薬物の放出及び/または吸収を遅延させるために使用され得る。
口腔内及び舌下使用のために、本発明の化合物を含有する錠剤、パッチ、クリーム、軟膏、ゼリー、溶液、懸濁液等を使用することができる。
薬学的組成物はまた、本発明の化合物の直腸投与のための坐剤、直腸カプセル、直腸溶液、乳濁液、及び懸濁液、直腸発泡体、ならびに直腸タンポンの形態であってもよい。これらの坐剤は、本発明の化合物を、常温では固体であるが、直腸温度では液体であり、したがって直腸内で溶解して薬物を放出する、適切な非刺激性賦形剤と混合することによって調製することができる。そのような材料としては、例えば、カカオバター及びポリエチレングリコールが挙げられる。本発明の化合物を含む薬学的組成物はまた、小さな単層ベシクル、大きな単層ベシクル、及び多層ベシクルのような、リポソーム送達システムの形態で提供され得る。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリン等の様々なリン脂質から形成され得る。
注射用途に適した薬学的形態には、無菌水溶液(水溶性の場合)または分散液、及び無菌注射溶液または分散液の即時調製のための無菌粉末が含まれるが、これらに限定されない。すべての場合において、形態は無菌でなければならず、容易な注射針通過性が存在する程度に流動性でなければならない。それは、製造及び貯蔵の条件下で安定でなければならず、細菌及び真菌のような微生物の汚染作用に対して保存されなければならない。担体は、例えば、無菌水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール等)、これらの適切な混合物、ならびに植物油を含有する溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチン等のコーティングの使用、分散液の場合には必要とされる粒子サイズの維持、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物の作用の予防は、様々な抗細菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チオメルサール等によってもたらされ得る。多くの場合、等張剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含むことが好ましいであろう。注射用組成物の持続的吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム、及びゼラチンの組成物中での使用によってもたらされ得る。
無菌注射用溶液は、必要に応じて、濾過殺菌に続いて、上記に列挙した様々な他の成分と共に適切な溶媒中に必要量の活性材料を組み込むことによって調製される。一般に、分散液は、様々な殺菌された有効成分を、基本的な分散媒及び上記に列挙したものから必要な他の成分を含有する無菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。無菌注射溶液の調製のための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、有効成分の粉末プラスその予め殺菌濾過された溶液からの任意の追加の所望の成分を生じる、真空乾燥及び凍結乾燥技術である。
特に、本発明の化合物は、経口経路により、特に錠剤またはカプセル(例えば、錠剤)の形態で、対象に都合よく投与され得ることが見出された。さらに、発明者らは、本発明で考慮される特定の投与計画が、経口投与後の錠剤またはカプセル(または該錠剤もしくはカプセル中の多粒子)からの本発明の化合物の放出が遅延されるように製剤化された、錠剤またはカプセル(または該錠剤もしくはカプセル中の多粒子)の形態での経口投与に特に適していることを見出した。
本明細書で使用されるように、遅延放出または制御放出を可能にする製剤への言及は、当業者に理解されるであろう。これに関して、遅延及び制御という用語は、交換可能に使用され得ることが理解されるであろう。
本発明の第8の態様では、VPAまたはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物が提供され、その組成物は、経口投与のための錠剤またはカプセルの形態であり、VPAまたはその薬学的に許容される塩の実質的にすべてが投与後約4〜約8時間(例えば、約4〜約7時間)の期間中に放出されるように製剤化される。
本明細書中で使用される場合、カプセルへの言及は、有効成分を粉末形態で、または特に多粒子(例えば、顆粒、ペレット、及び/またはミニ錠剤)の形態で充填したカプセルを含み、この多粒子が本明細書に記載のように被覆されてもよく、このカプセル自体が被覆されてもよい。さらに、多粒子は、例えば、異なる遅延/制御放出ポリマーを使用して(及び/または顆粒もしくはミニ錠剤等の微粒子を被覆して)、特定の放出プロフィール用に製剤化することができる。
本明細書中で使用される場合、錠剤への言及は、ミニ錠剤、及び圧縮多粒子(例えば、顆粒、ペレット、及び/または微粒子)から形成される錠剤を含み、この微粒子は本明細書に記載のように被覆され得、この錠剤も被覆され得る。
本明細書中で使用される場合(特に、そのすべての実施形態を含む本発明の第8の態様に関して)、「実質的にすべて」という用語は、存在する合計量(すなわち、組成物中に含まれる合計量)の少なくとも60%の量を指す。特に、この用語は、合計の少なくとも70%、例えば合計の少なくとも80%の量を指し得る。より具体的には、この用語は、合計の少なくとも90%、例えば合計の少なくとも95%(例えば少なくとも99%)の量を指し得る。
本発明の第8の態様の特定の実施形態では、放出されるVPAまたはその薬学的に許容される塩の実質的にすべてへの言及は、その1つの用量(すなわち、少なくとも1つの治療有効用量)の実質的にすべてを指し得る。
当業者であれば、組成物が食物と共に、または食後すぐに投与される場合、有効成分の放出が遅延し得ることを理解するであろう。したがって、有効成分が放出されるのに要する時間への言及は、組成物が患者に、その患者が食物を摂取してから少なくとも2時間後に投与される(空腹時投与等と呼ばれ得る)場合に、そのような放出に要する時間を指し得る。
本発明の化合物を食物と共に投与することが(例えば、胃腸の副作用を軽減するために)有益であり得ることも理解されるであろう。したがって、本発明の第1〜第7の態様の特定の実施形態では、治療は、VPAまたはその薬学的に許容される塩を食物と共に投与することを含む(例えば、投与前の2時間以内に食物を摂取した、または投与の30分以内に食物を摂取するよう指される患者に投与される)。
本明細書で使用される場合(特に、その全ての実施形態を含む本発明の第8の態様に関連して)、「放出」される(すなわち、薬学的製剤からの)有効成分への言及は、周囲の媒体中に分散または溶解した形態等、吸収(すなわち、経口投与される場合、胃腸(GI)管からの体内吸収)に利用可能である(またはそうなるであろう)形態の有効成分を指す。経口投与のための錠剤及び/またはカプセルに関して使用される場合、この用語は、有効成分が該錠剤またはカプセル内に含まれず(該錠剤またはカプセル内に収容された多粒子(例えば、被覆顆粒、ペレット、またはミニ錠剤)内にもはや含まれていない有効成分を含み得る)、代わりにGI管中に分布していることを示す。
本発明の第8の態様の特定の実施形態において、薬学的組成物は、VPAまたはその薬学的に許容される塩の実質的にすべてが、投与後約6〜約8時間(例えば投与後約6〜約7時間、または例えば投与後約7〜約8時間、例えば投与後約7時間)の期間中に放出されるように製剤化される。
本発明の第8の態様のより特定の(代替の)実施形態では、薬学的組成物は、VPAまたはその薬学的に許容される塩の実質的にすべてが、
(i)投与後約3〜約5時間(投与後約4〜約5時間)、
(ii)投与後約4〜約6時間、
(iii)投与後約5〜約7時間、
(iv)投与後約6〜約8時間、
(v)投与後約7〜約9時間、
(vi)投与後約8〜約10時間(例えば、投与後約8〜約9時間)、
(vii)投与後約9〜約11時間、
(viii)投与後約10〜約12時間、
(ix)投与後約11〜約13時間、
(x)投与後約12〜約14時間の期間中に放出されるように製剤化される。
本発明の第8の態様のなおさらに特定の(代替の)実施形態において、薬学的組成物は、VPAまたはその薬学的に許容される塩の実質的にすべてが、投与後約4〜約6時間の期間中に放出されるように製剤化される。
本発明の第8の態様の別の特定の(代替の)実施形態において、薬学的組成物は、VPAまたはその薬学的に許容される塩の実質的にすべてが、投与後約5〜約7時間の期間中に放出されるように製剤化される。
本発明の第8の態様の別の特定の(代替の)実施形態において、薬学的組成物は、VPAまたはその薬学的に許容される塩の実質的にすべてが、投与後約6〜約8時間の期間中に放出されるように製剤化される。
本発明の第8の態様の別の特定の(代替の)実施形態において、薬学的組成物は、VPAまたはその薬学的に許容される塩の実質的にすべてが、投与後約7〜約10時間の期間中に放出されるように製剤化される。
本発明の第8の態様のまた別の特定の(代替の)実施形態において、薬学的組成物は、VPAまたはその薬学的に許容される塩の実質的にすべてが、投与後約7〜約9時間(例えば、約8〜約9時間)の期間中に放出されるように製剤化される。
本発明の第8の態様の別の特定の(代替の)実施形態において、薬学的組成物は、VPAまたはその薬学的に許容される塩の実質的にすべてが、投与後約8〜約10時間の期間中に放出されるように製剤化される。
特定の実施形態において、薬学的組成物は、VPAまたはその薬学的に許容される塩が、指定の関連放出窓より前に(例えば、投与後約4時間より前に)実質的に全く放出されない(例えば、10%未満、例えば5%未満、例えば3%、2%、または1%未満で放出される)ように製剤化され得る。
本明細書に記載されているように、有効成分(すなわち、VPAまたはその薬学的に許容される塩)の放出プロフィールは、持続放出製剤によって提供され得る持続性の徐放ではなく、遅延放出及びそれに続く急速放出(すなわち、即時放出製剤において期待され得るような放出速度)によって特徴付けられ得る。
したがって、さらなる実施形態では、薬学的組成物は、有効成分(すなわち、VPAまたはその薬学的に許容される塩)の放出プロフィールが、本明細書の図3に示すような放出プロフィール例を模倣するように、製剤化することができる。
当業者であれば、本明細書に記載の薬学的製剤の放出プロフィールを、標準的なインビトロモデルの使用等、関連分野で周知の技術を用いて決定できることを理解するであろう。
例えば、インビトロ放出プロフィールの決定は、Ph.Eur.2.9.3に記載のUSP溶解装置2(パドル)を使用することによって行うことができ、温度37.0±0.5℃及びパドル速度75rpmのような標準化された条件が使用されてもよい。このような分析を実施するには、従来の溶液での酸段階(pH1、例えば2時間)及び/または従来の緩衝液での緩衝液段階(例えば、pH6.8またはpH7.0)を使用することができ、ドデシル硫酸ナトリウムが含まれても除外されてもよい。さらに、複数の機会でpHを上昇させることによる延長された持続インビトロ放出モデルを使用することができる。このようなモデルは、胃腸管の一部、具体的には胃及び小腸を模倣するように、pH1、6.4、6.8、及び7.3を含むことができる(例えば、Fallingborg et al, pH−profile and regional transit times of the normal gut measured by a radiotelemetry device, Aliment Pharmacol Ther.1989 Dec;3(6):605−13を参照されたい)。特に、当業者であれば、適切な放出プロフィール(例えば、そのように投与された腸溶錠の場合)を決定するために、GI通過中に(すなわち、胃及び腸において)経口投与された錠剤が遭遇するpHを模倣するように、そのような溶解試験において利用される媒体のpHを変更することができるであろう。あるいは、当業者は、溶解が開始すると予想される時点でのpHを模倣するように設計されたpHで、溶解分析を開始することができる(例えば、製剤がpH7.0を有する環境に到達したときに溶解が開始すると予想される場合、実験はそのpHで開始することができる)。
疑義を避けるために、当業者であれば、1つ以上のコーティングを有する錠剤、多粒子(例えば、顆粒、ペレット、またはミニ錠剤)またはカプセル(すなわち、顆粒またはペレット等の固体投与単位を含むカプセル)の場合、錠剤の経口投与と、VPAまたはその薬学的に許容される塩の実質的に全ての放出との間の遅延は、1つ以上のコーティングの除去(例えば、溶解による)に要する時間及び、未被覆の(すなわち裸の)、錠剤コアからの放出に要する時間によって引き起こされる遅延の組み合わせであり得ることを理解するであろう。例えば、任意で1つ以上の追加のコーティングを有する腸溶コーティングを有する錠剤の場合、遅延は、その要素として、錠剤の胃の通過、次いで裸の錠剤コアを露出させるコーティングのその後の溶解に要する時間を、その錠剤コアからVPAまたはその薬学的に許容される塩の実質的に全てを放出するのに要する時間から生じる要素と共に有し得る。
例えば、本明細書で提供される実施例に記載されるような製剤は、そのようなインビトロ溶解アッセイ(pH7で開始)で試験した場合、(有効成分の実質的にすべて(例えば、少なくとも60%)の放出について)以下の溶解時間を示すことができる:
本明細書に記載の細孔形成コーティングを有する錠剤:約2〜約4時間、約4〜約6(約6.5時間等)、約6〜約8時間(約8.5時間等)、特に約4〜約8時間(または、あるいは、約3〜約6時間、約3〜約7時間、約4〜約7時間)、
本明細書に記載の腸溶性コーティングのみを有する錠剤:約1〜約2時間、約1〜約2.5時間、約1〜約3時間、約0.5〜約1.5時間、約0.5〜約2時間、約1.5〜約2.5時間、約1.5〜約3時間。
本発明の第8の態様の特定の実施形態において、薬学的組成物は、本明細書に記載されているような、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤(例えば、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤、または担体)をさらに含み得る。そのような実施形態では、本発明の化合物は、その1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と混合して提供されてもよい。
当業者であれば、本発明の化合物(例えば、その実施形態を含む本発明の第8の態様に記載されるもの)を含む薬学的製剤(すなわち、錠剤またはカプセル)が、本発明の化合物の治療有効用量の全部または一部を含むことを理解するであろう。
疑義を避けるために、そのような用量は、組成物の単一の単位(例えば、単一の錠剤またはカプセル)で提供されてもよく、またはそれぞれが用量の対応する部分を含むいくつかの単位の製剤の併用投与(例えば、それぞれ必要な用量の半分を含む2つの錠剤、またはそれぞれ必要な用量の必要な部分を含有する複数の多粒子)によって提供されてもよい。
特に、その製剤(例えば、経口投与用の錠剤)は、単一の治療有効用量を含み得る。したがって、本発明の第8の態様の特定の実施形態では、組成物は、本発明の第1〜第7の態様(そのすべての実施形態を含む)のいずれか1つ以上において定義されるような、ある用量(例えば、1日合計用量)のVPAまたはその薬学的に許容される塩を含む。
必要とされる用量に応じて、挙げることができる薬学的製剤は、有効成分が少なくとも1重量%(または少なくとも10重量%、少なくとも30重量%、または少なくとも50重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%)で存在するものを含む。すなわち、薬学的組成物の他の成分(例えば、薬学的に許容される賦形剤)に対する有効成分の重量比は、少なくとも1:99(または少なくとも10:90、少なくとも30:70、少なくとも50:50、少なくとも70:30、少なくとも80:20、少なくとも90:10、または少なくとも95:5)である。
したがって、当業者であれば、本発明が、本明細書に記載の薬学的製剤(例えば、その実施形態を含む本発明の第8の態様に記載されるもの)の調製プロセスをさらに提供し、このプロセスが、本発明の化合物を本明細書に記載の方法で製剤化することを含むことを理解するであろう。特に、そのようなプロセスは、
(a)本発明の化合物を1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と(例えば、これらの混合物を形成するために)会合させるステップと、
(b)(本明細書に記載されるように)錠剤またはカプセル剤として製剤化するステップと、を含むことができる。
当業者であれば、会合という用語が、関連成分を互いに共に投与するのに適したものにすることを意味することを理解するであろう。
本明細書に記載されているように、本発明の化合物は、有効成分の放出を遅延させる材料によって被覆された形態で投与及び/もしくは製剤化されてもよく、またはこれと共に投与されてもよい。特に、錠剤の形態の製剤は、そのような材料によって被覆されてもよく、及び/または放出を調節するポリマーと共に製剤化されてもよい。さらに、カプセルの形態の製剤は、カプセルが、ある量(すなわち、有効量)の、そのような材料からなる、またはこれを含むように製剤化されてもよい。
特定の実施形態では、本発明の第8の態様の組成物は、有効成分(すなわち、VPAまたはその薬学的に許容される塩)の放出を遅延させるために、1つ以上のコーティング及び/または賦形剤(例えば、1つ以上のコーティング)を含むことができる。
したがって、本発明の第8の態様の薬学的組成物は、「遅延放出」または「制御放出」組成物または製剤等と称され得る。
そのような場合、当業者であれば、有効成分の放出を遅延させる材料が、必要な時間(例えば、約6または、特に、約4時間)にわたって有効成分の放出を遅延させるように選択及び/または製剤化されることを理解するであろう。
当業者であれば、特に経口組成物(錠剤及びカプセル等)の形態で投与される場合、有効成分の放出を遅らせる(すなわち遅延させる)ために使用される材料に精通しているであろう。そのような材料は、例えば、Remington´ s Pharmaceutical Science and U.S. Pharmacopeia(The United States Pharmacopeia−National Formulary(USP−NF)), Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 19th Ed.(Easton, Pa.:Mack Publishing Company, 1995)、Hoover, John E., Remington´ s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pa.1975、Liberman, H.A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, NY, 1980、及びPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 7th Ed.(Lippincott Williams Wilkins 1999)に記載され得、その内容はその全体が本明細書に組み込まれる。
例えば、有効成分の放出を遅延させるのに使用される材料としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キトサン、アロエ粘液、ペクチン、エチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、アクリルコポリマー等の持続放出ポリマー(例えば、商品名Eudragit(登録商標)で知られるポリマー及びポリビニルピロリドン(PVP)(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キトサン、アロエ粘液、ペクチン、エチルセルロース、ポリ塩化ビニル、及びポリエチレン))を挙げることができる。さらに、持続放出コーティングを達成する1つの方法は、HPMC等の水溶性ポリマーをエチルセルロース等の水不溶性ポリマーと混合することである。当業者であれば、使用される異なる材料及びその異なる比が、異なる放出パターンをもたらし、それに応じて製剤を調整する(すなわち、所望の放出プロフィールを達成する)ことができることを理解するであろう。
当業者であれば、組成物が、有効成分の放出を遅延させる材料によって被覆された形態で投与及び/もしくは製剤化され、またはこれと共に投与される場合、その材料が、1つ以上の薬学的に許容される物質(例えば、1つ以上の薬学的に許容されるコーティング)からなり得ることを理解するであろう。例えば、本発明の第8の態様の組成物が、錠剤の形態で投与される場合、その錠剤は、有効成分の放出を遅延させる材料の1つ以上の薬学的許容されるコーティングを含むことができる。
そのような場合、当業者であれば、組成物(例えば、錠剤)からの有効成分の放出の遅延が、これらのコーティングの複合効果として達成されることを理解するであろう。例えば、錠剤、カプセル、または多粒子(例えば、顆粒、ペレット、またはミニ錠剤)が、経口投与後合計6時間にわたって放出を遅延させるように被覆される場合、各コーティングが3時間にわたって放出を遅延させる(または1つのコーティングが2時間にわたって放出を遅延させ、さらなるコーティングが4時間にわたって放出を遅延させる)、すなわち、第1のコーティングを除去して第2のコーティングを露出させる等(換言すれば、そのコーティングを連続的に露出させる)、2層のコーティングを含むことができる。
本発明の第8の態様の特定の実施形態では、本発明の第8の態様の組成物が1つ以上のコーティングを含む(例えば、被覆錠剤の形態である)場合、そのコーティングの1つ以上は、胃において、活性成分の放出を防止する、またはさらなるコーティングの露出を防止するためのコーティングであってもよい。特に、そのコーティングの1つ以上(例えば、1つ)は、腸溶コーティングであってもよい。その腸溶コーティングは、当業者には周知であろう。
本発明の第8の態様の特定の実施形態(特に、1つ以上のコーティングを有する錠剤に関するもの)において、コア成分(例えば、被覆錠剤のコア成分)は、水性媒体中での崩壊を促進するように設計された1つ以上の成分を含み得る。
したがって、本発明の第8の態様の特定の実施形態では、製剤は、1つ以上の被覆コア(例えば、単一の被覆コア、または各々がこうしたコアを有する複数の被覆多粒子(例えば、ミニ錠剤、ペレット、または顆粒))を含む経口投与用の錠剤(またはカプセル)として提供され、そのコアは、VPAまたはその薬学的に許容される塩を含有し、
(i)そのコーティングは、必要な時間(例えば、約6時間)にわたって有効成分の放出を遅延させるように選択及び/または製剤化された材料で形成され、
(ii)そのコアは、水性媒体(例えば、1つ以上の崩壊剤を含む)中での崩壊を促進するように設計された方法で製剤化される。
したがって、特定の実施形態では、製剤は、VPA及び/またはその薬学的に許容される塩を含有する内部コアが腸溶コーティング層で被覆された形態(例えば、錠剤または多粒子、例えばミニ錠剤、顆粒、またはペレット)で提供することができる。そのような実施形態では、腸溶コーティング層は、GI管のpHが、腸溶コーティングが溶解するpHに到達するまで、VPA及び/またはその薬学的に許容される塩の放出を遅延させることができる。そのような場合、本明細書で提供される教示を考慮して、当業者であれば、必要な放出プロフィールを達成するように腸溶コーティングポリマーの選択を調整することができるであろう。
したがって、特定の実施形態では、製剤は、VPA及び/またはその薬学的に許容される塩を含有する内部コアが持続放出コーティングで被覆された形態(例えば、錠剤または多粒子、例えばミニ錠剤、顆粒、またはペレット)で提供することができる。そのような実施形態では、持続放出コーティング層は、所望の放出プロフィールに到達するために、VPA及び/またはその薬学的に許容される塩の放出を遅延させることができる。そのような場合、当業者であれば、必要な放出プロフィールを達成するように持続性コーティングポリマーの選択を調整することができるであろう。
さらなるそのような実施形態では、VPA及び/またはその薬学的に許容される塩を含有する内部コアは、1つ以上の腸溶コーティングポリマーと1つ以上の持続放出コーティングポリマーとの混合物によって被覆される。そのような実施形態では、持続放出ポリマーは、GI管のpHが、腸溶コーティングが可溶性であるpHに到達する際の、腸溶コーティングポリマーの溶解及び放出を遅延させ、これによってVPA及び/またはその薬学的に許容される塩の放出をさらに遅延させることができる。
より特定の実施形態では、VPA及び/またはその薬学的に許容される塩を含有する内部コアは、最初に持続放出コーティングで、その後腸溶コーティングで被覆される。そのような実施形態では、コーティングは、GI管のpHが、腸溶コーティングが溶解するpHに到達するまで、VPA及び/またはその薬学的に許容される塩の放出を遅延させ、その後持続放出コーティングによって放出をさらに持続させることができる。
またさらなる実施形態では、コア成分(すなわち、内部コア)は、(例えば、本明細書に記載のタイプ及び量の)腸溶フィルム、次いで(本明細書に記載のタイプ及び量の)持続放出フィルムで被覆され得る。
適切な崩壊剤は、水性媒体との接触時に膨潤するように設計された薬剤を含み、当業者には周知であろう。
同様に、当業者であれば、錠剤、カプセル、及び/または多粒子単位剤形上に腸溶コーティングを形成するために使用できるいくつかの材料があることを理解するであろう。これらには、シェラック、ワックス、脂肪酸、ポリマー、プラスチック、及び植物繊維が含まれるが、これらに限定されない。
このようなポリマーの例としては、これらに限定されないが、ヒプロメロースフタレート(ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、HPMCP)、ヒプロメロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートトリメリテート、アクリル酸/メタクリル酸コポリマー(例えば、ポリ(メタクリル酸−co−メチルメタクリレート)、セルロースアセテートフタレート(CAT)、ポリ(ビニルアセテートフタレート、PVAP)、及びエチルアクリレートが挙げられる。腸溶コーティングのための他の材料には、デキストリン、アミロースデンプン及びデンプン誘導体、アルギン酸ナトリウム、Zein及びAqua−Zein Rが含まれる。
このようなポリマーのより特定の例としては、これらに限定されないが、ヒプロメロースフタレート(ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、HPMCP HP−50、HP−55、HP−55S)、ヒプロメロースアセテートスクシネート(Aqoat AS−HF/HG、Aqoat AS−LF/LG、Aqoat AS−MF/MG)、セルロースアセテートトリメリテート、腸溶ポリメタクリレート(例えば、ポリ(メタクリル酸−co−メチルメタクリレート)、1:1(Eudragit(登録商標)L 100、Eudragit(登録商標)L 12.5)、ポリ(メタクリル酸−co−エチルアクリレート)1:1(Eudragit(登録商標)L 30 D−55、Eudragit(登録商標)L 100−55、Acryl−EZE(登録商標)93A、Acryl−EZE MP、Kollicoat(登録商標)MAE 30 DP、Kollicoat(登録商標)MAE 100 P、Eastacryl 30D)、ポリ(メタクリル酸−co−メチルメチルメタクリレート)1:2(Eudragit(登録商標)S 100、Eudragit(登録商標)S 12.5)、ポリ(メチルアクリレート−co−メチルメタクリレート−co−メタクリル酸)7:3:1(Eudragit(登録商標)FS 30 D))、セルロースアセテートフタレート(CAP、Aquacoat(登録商標)CPD)、ならびにポリ(ビニルアセテートフタレート、PVAP、Sureteric(登録商標))及びエチルアクリレートが挙げられる。
特定の実施形態において、腸溶コーティングポリマーは、腸溶ポリメタクリレート(例えば、ポリ(メタクリル酸−co−メチルメタクリレート)1:1(Eudragit(登録商標)L 100、Eudragit(登録商標)L 12.5)、ポリ(メタクリル酸−co−エチルアクリレート)1:1(Eudragit(登録商標)L 30 D−55、Eudragit(登録商標)L 100−55、Acryl−EZE(登録商標)93A、Acryl−EZE MP、Kollicoat(登録商標)MAE 30 DP、Kollicoat(登録商標)MAE 100P、Eastacryl 30D)、ポリ(メタクリル酸−co−メチルメタクリレート)1:2(Eudragit(登録商標)S100、Eudragit(登録商標)S12.5)、ポリ(メチルアクリレート−co−メチルメタクリレート−co−メタクリル酸)7:3:1(Eudragit(登録商標)FS 30 D)の群から選択される。
挙げることができる特定の腸溶コーティングには、Eudragit(登録商標)L 30 D−55及びEudragit(登録商標)FS 30 Dが含まれる。
一実施形態では、腸溶コーティングは、Eudragit(登録商標)L 30 D−55またはEudragit(登録商標)FS 30 Dである。
当業者であれば、異なる材料は、溶解pHに関連するような異なる特性を有し、したがって、特定の時間にわたって薬物の放出を遅延させる等、吸収パターンを制御するために使用できることを理解するであろう。
腸溶コーティングの使用に関するさらなる情報は、例えば、Singh Deep Hussan, et al., IOSR Jounal of Pharmacy(2012)、及びHandbook of Pharmaceutical Excipients Rowe, Raymond C; Sheskey, Paul J; Cook, Walter G; Fenton, Marian E., Seventh editionに提供され、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
当業者であれば、錠剤、カプセル、及び/または多粒子単位剤形上に持続放出コーティングを形成するために使用できるいくつかの材料があることを理解するであろう。
例えば、持続放出材料は、これらに限定されないが、エチルセルロース(Aquacoat(登録商標)ECD、Aqualon(登録商標)EC、Ethocel(商標)、Surelease(登録商標))、非水溶性ポリメタクリレート(例えば、ポリ(エチルアクリレート−co−メチルアクリレート−co−トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)(例えば、Eudragit(登録商標)RL 100、Eudragit(登録商標)RL PO、Eudragit(登録商標)RL 30 D、Eudragit(登録商標)RL 12.5、Eudragit(登録商標)RS 100、Eudragit(登録商標)RS PO、Eudragit(登録商標)RS 30 D、Eudragit(登録商標)RS 12.5)、非水溶性アクリレートコポリマー(例えば、ポリ(エチルアクリレート−co−メチルメタクリレート)2:1(Eudragit(登録商標)NE 30D、Eudragit(登録商標)NE 40 D、Eudragit(登録商標)NM 30 D)、ポリ酢酸ビニル(Kollicoat(登録商標)SR 30 D)を含む、持続放出ポリマーの群から選択され得る。
特定の実施形態では、持続放出ポリマーは、非水溶性ポリメタクリレート(例えば、ポリ(エチルアクリレート−co−メチルメタクリレート−co−トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)(例えば、Eudragit(登録商標)RL 100、Eudragit(登録商標)RL PO、Eudragit(登録商標)RL 30 D、Eudragit(登録商標)RL 12.5、Eudragit(登録商標)RS 100、Eudragit(登録商標)RS PO、Eudragit(登録商標)RS 30 D、Eudragit(登録商標)RS 12.5)、ポリ(エチルアクリレート−co−メチルメタクリレート)2:1(Eudragit(登録商標)NE 30 D、Eudragit(登録商標)NE 40 D、Eudragit(登録商標)NM 30 D)の群から選択される。
挙げることができる特定の持続放出コーティングは、Eudragit(登録商標)RL 30 D、Eudragit(登録商標)RS 30 D、Eudragit(登録商標)NE 30 D、及びEudragit(登録商標)NE 40 Dを含む。
腸溶コーティング及び持続放出のためのコーティングの市販のシステムとしては、OPADRY(登録商標)(Colorcon)、Surelease(登録商標)(Colorcon)、Nutrateric(登録商標)(Colorcon)、Kollicoat(BASF)、Eudragit(登録商標)(Evonic)、(例えば、Eudragit(登録商標)RL、Eudragit(登録商標)RS、Eudragit(登録商標)S、Eudragit(登録商標)L、Eudragit FS、及びEudragit(登録商標)E)、Sheffcoat EC、及びSheffcoat Ent(Kerry)の多様体が挙げられる。
当業者であれば、いくつかのコーティングが、所要の結果を得るために1つ以上の可塑剤の使用を必要とし得ることを理解し、このような薬剤の使用は当業者に知られているであろう。このような可塑剤は、例えば、クエン酸エステル、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジブチルセバケート、クエン酸トリブチル、アセチル化モノグリセリド、トリアセチン、及びグリセリントリアセテートを含み得る。
例えば、膜の技術的特性を改善するため、及び/または製剤の放出特性を改変するために、顔料、抗粘着剤(例えばタルク)、及び/または可塑剤を、例えば、ポリマーコーティング溶液に添加することができる。
当業者はまた、製剤の放出特性を制御及び/または改変するために、ポリマーコーティングに他の物質を含めることもできることを理解するであろう。そのような物質は、例えば、塩、糖、及び可溶性ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース)等の細孔形成可溶性物質であり得る。
例えば、本明細書に記載の持続放出コーティングは、その中に細孔を形成することを可能にするように設計されたコーティングであってもよく、これは細孔形成コーティングと呼ぶことができる。
上述したような細孔形成フィルムを使用して、持続(改変とも呼ばれる)放出を達成するための多くのポリマーの組み合わせが可能である。適合性は、各システムにおける選択されたポリマーの適合性に基づいており、これは当業者には知られている。適切なポリマーの組み合わせとしては、これらに限定されないが、エチルセルロースとヒドロキシプロピルメチルセルロースのブレンド、エチルセルロースとEudragit(登録商標)Lのブレンド、Eudragit(登録商標)NM 30 DとEudragit(登録商標)L 30 D−55のブレンド、Eudragit(登録商標)NEとEudragit(登録商標)Lのブレンド、Kollicoat(登録商標)SRとKollicoat(登録商標)MAEのブレンド、及びKollicoat(登録商標)SR 30 DとKollicoat(登録商標)IRのブレンドが挙げられる。
挙げることができる一実施形態において、持続放出コーティングは、Kollicoat(登録商標)SR 30 D及びKollicoat(登録商標)IRまたはEudragit(登録商標)NM 30 D及びEudragit(登録商標)L 30 D−55のブレンドを含む。
さらなる実施形態において、持続放出コーティングは、Kollicoat(登録商標)SR 30 D及びKollicoat(登録商標)IRのブレンドを含む。
特定の実施形態において、持続放出コーティングは、Kollicoat(登録商標)SR 30 D及びKollicoat(登録商標)IRのブレンドを含み、ポリマー比は、約75%〜約95%(例えば、約75%〜約85%、約85〜約95、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%)である。
疑義を避けるために、細孔形成コーティングは、本明細書に記載の構成において持続放出コーティングとして(すなわち、その代わりに)適用することができる。
例えば、VPA及び/またはその薬学的に許容される塩を含有する(本明細書に記載の)製剤のコア成分は、(1つは水溶性であり、1つは水不溶性であり、持続放出のための細孔形成フィルムをもたらす)2つのポリマーのブレンドで被覆される。前述のように、そのような持続放出コーティングは、持続放出コーティングの前または後のいずれか(特に、持続放出コーティングの前)に、腸溶コーティングと組み合わせることができる。そのような実施形態では、コーティングは、これらの2つのポリマーの比を変更することによって、VPA及び/またはその薬学的に許容される塩の放出を改変することができる。典型的には、ポリマー比(2つのポリマーのブレンド中の乾燥重量による非水溶性ポリマーの合計パーセンテージとして表される)は、10〜99%であり得る。より具体的には、ポリマー比は、20〜99%、30〜99%、40〜99%、50〜99%、60〜99%、70〜99%、80〜99%、または90〜99%であり得る。さらにより具体的には、ポリマー比は、60〜70%、70〜80%、または80〜90%であり得る。特定の実施形態において、ポリマー比は、約75%〜約95%(例えば、約75%〜約85%、約85%〜約95%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%)である。
疑義を避けるために、当業者であれば、所望の放出プロフィールを達成するために1つ以上のコーティング材料を組み合わせるいくつかの方法があることを理解するであろう。例えば、材料は、第2の腸溶コーティングによって覆われた第1の持続放出コーティングのように、異なるコーティング層で組み合わされるか、または腸溶コーティングポリマーが溶解すると、持続放出ポリマーに細孔が形成される、持続放出ポリマーと腸溶コーティングポリマーとの組み合わせのように、1つ以上のコーティング層で一緒に(すなわち混合されて)組み合わされ得る。持続放出ポリマーと腸溶コーティングポリマーとのこのような組み合わせには、例えば、Colorcon(登録商標)によって市販されているNutrateric(登録商標)システムが含まれる。
当業者であれば、本明細書で言及されるコーティング(例えば、腸溶及び持続放出コーティング)が、本明細書で言及されるような適切なポリマーの組み合わせから形成され得ることを理解するであろう。
さらに、当業者であれば、特定の放出パターンを達成するためにコーティング層の厚さを変更することもできることも理解するであろう。さらに、被覆多粒子が、例えば、カプセルまたは圧縮錠剤において使用される場合、本発明の化合物のPAI−1血漿濃度のパターンを模倣するために、異なるコーティング(及び/またはコーティング厚さ)を使用することができる。より具体的には、化合物のPAI−1血漿濃度のパターンを模倣する際に所望の効果を達成するために、いくつか(例えば、2〜5つ)の異なる被覆多粒子の組み合わせを使用することができる。
特に、当業者であれば、必要な放出プロフィール(または、別々に被覆された多粒子を使用する場合には、必要な複数の放出プロフィール)を得るために、腸溶コーティングのような関連するコーティングの量を調節することができるであろう。特定の剤形(例えば、錠剤、カプセル、または多粒子(例えば、ミニ錠剤及び顆粒))に適用されるコーティングの量は、コーティングの添加時にその剤形について観察される重量増加またはmg/cm2として表すことができる。
典型的には、関連するコーティングの添加時の重量増加は、剤形(例えば、錠剤、カプセル、または多粒子(例えば、ミニ錠剤及び顆粒))の重量の約1%〜約200%、例えば約2%〜約100%、例えば約2%〜約50%である。より具体的には、重量増加は、剤形の重量の約2%〜約30%、例えば約2%、約4%、約6%、約8%、約10%、約12%、約14%、約16%、約18%、約20%、約22%、約24%、約26%、約28%、または約30%であり得る。さらにより具体的には、重量増加は、剤形の重量の約2%〜約20%であり得る。さらにより具体的には、各被覆層の重量増加は、剤形の重量の約2%〜約20%であり得る。
典型的には、剤形((例えば、錠剤、カプセル、または多粒子(例えば、ミニ錠剤、ペレット、及び顆粒))のコア成分上の関連するコーティングのそれぞれの適用量は、約1mg/cm2〜約110mg/cm2、例えば約1mg/cm2〜約55mg/cm2、例えば約1mg/cm2〜約30mg/cm2である。より具体的には、重量増加は、剤形の重量の約1mg/cm2〜約25mg/cm2、例えば約1mg/cm2、約2mg/cm2、約3mg/cm2、約4mg/cm2、約5mg/cm2、約6mg/cm2、約7mg/cm2、約8mg/cm2、約9mg/cm2、約10mg/cm2、約11mg/cm2、約12mg/cm2、約13mg/cm2、約14mg/cm2、または約15mg/cm2、約16mg/cm2、約17mg/cm2、約18mg/cm2、約19mg/cm2、約20mg/cm2、約21mg/cm2、約22mg/cm2、約23mg/cm2、約24mg/cm2、または約25mg/cm2であり得る。さらにより具体的には、適用量は、約1mg/cm2〜約20mg/cm2(例えば、1〜18mg/cm2)であり得る。
挙げることができる特定の実施形態では、コーティングは、以下の量で適用することができる:
(本明細書に記載されるような)保護コーティング−約1〜15mg/cm2、約2〜10mg/cm2、約3〜8mg/cm2、3〜6mg/cm2(例えば、約3〜5mg/cm2、約4〜6mg/cm2、約3mg/cm2、約4mg/cm2、約5mg/cm2、または約6mg/cm2)
(本明細書に記載されるような)腸溶−約3〜25mg/cm2、約5〜20mg/cm2、約11〜23mg/cm2、6〜18mg/cm2(例えば、約8〜16mg/cm2、約10〜18mg/cm2、約12〜17mg/cm2、または約14〜17mg/cm2)
(本明細書に記載されるような)細孔形成システム−約2〜15mg/cm2(例えば、約2〜12mg/cm2)、約3〜12mg/cm2、約4〜11mg/cm2(例えば、約4〜10mg/cm2、約4〜9mg/cm2、約5〜8mg/cm2、または約5〜9mg/cm2)
さらなるコーティング層は、保護コーティング層(例えば、湿気保護)及び薬物の溶解性を制御する酸を含むコーティング層のような他の目的のために添加することもできる。
一実施形態では、内部保護フィルム(放出プロフィールに関して非機能的)を用いてコアをシールし、それにより内部コアとそれに適用された、本明細書に記載のような、腸溶または持続放出(すなわち機能的)フィルムとの間の可能な相互作用を低減する。
例えば、挙げることができる特定の実施形態では、本明細書に記載の錠剤(同様に、ミニ錠剤、ペレット、及び顆粒のような多粒子を含む)は、下記(中央コアで始まり、そこから外側に向かって、すなわち層で記載される):
(a)錠剤コア、保護フィルム、腸溶コーティング、持続放出コーティング、
(b)錠剤コア、保護フィルム、持続放出コーティング、腸溶コーティング、
(c)錠剤コア、保護フィルム、持続放出コーティング、
(d)錠剤コア、保護フィルム、腸溶コーティング、
(e)錠剤コア、腸溶コーティング、持続放出コーティング、
(f)錠剤コア、持続放出コーティング、腸溶コーティング、
(g)錠剤コア、持続放出コーティング、
(h)錠剤コア、腸溶コーティング、
から構成され得、適切な錠剤コア、保護フィルム、持続放出コーティング、及び腸溶コーティング(ならびにその適用量及び方法)は、本明細書に記載されているような当業者に知られている。
挙げることができる特定のこうした実施形態には、上記の点(a)〜(d)に記載したものが含まれる。
疑義を回避するために、二次酸成分(secondary acid component)(本明細書に記載の成分(b))(特許請求の範囲において追加の酸と記す)が(コアの成分としてではなく)コーティング層として含まれる場合、そのような層は追加の層として、任意の間隔で、上記点(a)〜(h)に記載されている配置において提供することができる。
(湿気保護、酸素保護、及び/または味マスキングを提供し得る)保護コーティング/フィルムのためのポリマーの例としては、これらに限定されないが、Kollicoat(登録商標)Protect(ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールコポリマー及びポリビニルアルコール、BASF(登録商標))、Kollicoat(登録商標)Smartseal 30 D(メチルメタクリレート(MMA)及びジエチルアミノエチルメタクリレート)、Opadry(登録商標)amb II(Colorcon(登録商標))、Eudragit(登録商標)E 100、Eudragit(登録商標)E 12.5、Eudragit(登録商標)E PO、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Methocel(登録商標)、Anycoat(登録商標)、Pharmacoat(登録商標))、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Coatcel(登録商標)及びKlucel(登録商標))、ヒドロキシエチルセルロース(例えば、Natrosol(登録商標))、ポリ(ビニルピロリドン)(例えば、Kollidon(登録商標)、ポリ(ビニルピロリドン)/ポリ(ビニルアセテート)コポリマー、ポリ(ビニルアルコール)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー(例えば、Kollicoat(登録商標)IR)、ポリ(エチレングリコール)、マルトデキストリン、及びポリデキストロースが挙げられる。
一実施形態では、保護フィルムポリマーは、Kollicoat(登録商標)Protect、Kollicoat(登録商標)Smartseal 30 D、Opadry(登録商標)amb II、Eudragit(登録商標)E 100、Eudragit(登録商標)E 12.5、Eudragit(登録商標)E PO、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Methocel(登録商標)、Anycoat(登録商標)、Pharmacoat(登録商標))、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Coatcel(登録商標)及びKlucel(登録商標))、ヒドロキシエチルセルロース(例えば、Natrosol(登録商標))、ポリ(ビニルピロリドン)(例えば、Kollidon(登録商標))、ポリ(ビニルピロリドン)/ポリ(ビニルアセテート)コポリマー、ポリ(ビニルアルコール)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー(例えば、Kollicoat(登録商標)IR)、及びポリ(エチレングリコール)の群から選択される。
一実施形態では、保護フィルムポリマーはKollicoat(登録商標)IRである。
当業者であれば、異なる材料は、例えば、溶解pHに関連する場合、異なる特性を有し、したがって、当業者によって、例えば、特定の時間にわたって薬物の放出を遅延させる、吸収パターンを制御するために使用され得ることを理解するであろう。加えて、特定のパターンを達成するためにコーティングの厚さを変更することもできる。さらに、被覆多粒子が、例えば、カプセルまたは圧縮錠剤において使用される場合、本発明の化合物のPAI−1血漿濃度のパターンを模倣するために、異なるコーティング(及び/またはコーティング厚さ)を使用することができる。より具体的には、本発明の化合物のPAI−1血漿濃度のパターンを模倣する際に所望の効果を達成するために、いくつか(例えば、2〜5つ)の異なる被覆多粒子(例えば、ミニ錠剤及び顆粒等)の組み合わせを使用することができる。
本明細書に記載されるように、腸溶コーティングの吸収の遅延を延長する1つの方法は、例えば、10%の持続放出アクリルポリマー(Eudragit NE30D)を90%の腸溶アクリルポリマー(Eudragit L 30 D−55)と混合させた、Tirpude and Puranik, J Adv Pharm Technol Res 2011に記載されているように、腸溶コーティングポリマーを少量の持続放出ポリマーと混合することである。したがって、異なる溶解特性を有するポリマーのような材料は、本発明による所望の吸収パターンを達成するために異なる比率で組み合わせることができる。様々なグレードの親水性ポリマーを使用することによって異なる吸収パターンを達成する方法及び顆粒からマトリックス錠剤を作製する方法の他の例は、Roy, Brahma, Nandi and Parida, Int J Appl Basic Med Res. 2013に記載されている。
マトリックス錠剤を使用して制御された放出を達成する異なる方法ならびに異なるポリマー及びマトリックスの説明はhttp://www.pharmainfo.net/reviews/matrix−tablets−important−tool−oral−controlled−release−dosage−formにも記載され、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の化合物は、それらの不活性化を防止する材料によって被覆されていてもよく、またはこれと共に投与されてもよい。例えば、活性材料は、アジュバント中で投与されてもよく、例えば、酵素阻害剤と共に、またはリポソーム中で同時投与されてもよい。本明細書で考慮されるアジュバントには、レゾルシノール、ポリオキシエチレンオレイルエーテル及びn−ヘキサデシルポリエチレンエーテル等の非イオン性界面活性剤が含まれるが、これらに限定されない。酵素阻害剤には、膵臓トリプシン阻害剤、ジイソプロピルフルオロリン酸(DFP)、及びトラジロールが含まれるが、これらに限定されない。リポソームには、水中油中水型P40エマルジョン及び従来のリポソームが含まれる。分散液は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物中、ならびに油中で調製することもできる。貯蔵及び使用の通常の条件下で、これらの調製物はまた、微生物の増殖を防止するための保存剤を含み得る。
本明細書に記載されているように、当業者であれば、経口投与される場合、活性化合物は、希釈剤または食用担体と組み合わされ得るか、または硬質もしくは軟質シェルゼラチンカプセルに封入され得るか、または錠剤に圧縮され得るか、または食事の食物と共に直接取り込まれ得ることを理解するであろう。経口治療投与について、活性材料は賦形剤と共に組み込まれ、摂取可能な錠剤、口腔錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハー等の形態で使用されてもよい。さらに、活性材料は、持続放出調製物及び製剤に組み込むことができる。例えば、活性材料は、腸溶錠/カプセル及び/または二相放出製剤に組み込むことができ、これらの製剤は当業者に知られている。例えば、二相放出製剤は、US2007/0232528A1に記載されているタイプであってもよく(その内容は、その全体が本明細書に組み込まれる)、その製剤は、約22:00〜00:00時(例えば、約23:00時)の期間中の投与に適し得る。
本明細書に記載されるように、本発明による薬学的組成物は、1つ以上の賦形剤を含み得る。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、当業者に知られているように、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤、及び担体を含む。これは、任意の及びすべての溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤及び抗真菌剤、等張剤、ならびに吸収遅延剤等を含み得る。
錠剤ならびにミニ錠剤及び顆粒のような多粒子の調製に適した薬学的賦形剤の例としては、結合剤、充填剤または希釈剤、潤滑剤、流動促進剤、及び崩壊剤が挙げられるが、これらに限定されない。
疑義を避けるために、活性物質の放出を制御する賦形剤を含めることができる。さらに、賦形剤の組み合わせも使用することができる。例えば、異なる機能を有する賦形剤を含有する共処理材料である、HFE(高機能性賦形剤)として知られるタイプの賦形剤を使用することもできる。
当業者であれば、使用される賦形剤の量は、どのくらいの活性剤が使用されるかに依存することを理解するであろう。さらに、1つの賦形剤は2つ以上の機能を果たすことができる。
例えば、結合剤としては、これらに限定されないが、ジャガイモデンプン、小麦デンプン、トウモロコシデンプン等のデンプン、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース、アカシア、アルギン酸、グアーガム、トラガカントのような天然ゴム、液体グルコース、デキストリン、ポビドン、コポビドン、シロップ、ポリエチレンオキシド、ポリ−N−ビニルアミド、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ポリプロピレングリコール、それらの組み合わせ、ならびに当業者に知られている他の材料及びそれらの混合物が挙げられる。
一実施形態では、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、HPMC、ポビドン、コポビドン、及びゼラチンからなる群から選択される。
挙げることができる特定の結合剤には、コポビドン及びHPMCからなる群から選択されるものが含まれる。
さらに、充填剤または希釈剤としては、これらに限定されないが、粉砂糖、圧縮糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、フルクトース、ラクチトール、マンニトール、スクロース、デンプン、ラクトース、キシリトール、ソルビトール、タルク、微結晶セルロース、炭酸カルシウム、二塩基性または三塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられ得る。
挙げることができる特定の充填剤には、マンニトール、デンプン、ラクトース、微結晶セルロース、及び二塩基性リン酸カルシウム(微結晶セルロース等)からなる群から選択されるものが含まれる。
さらに、言及され得る潤滑剤としては、これらに限定されないが、(Mg、Al、Ca、またはZn等のステアリン酸)ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール、ベヘン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、鉱油、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油、及びタルクが挙げられる。
挙げることができる特定の潤滑剤には、ステアリン酸Mg、ステアリン酸Ca、及びステアリルフマル酸ナトリウム(例えば、ステアリン酸Mg)からなる群から選択されるものが含まれる。
さらに、言及することができる流動促進剤としては、これらに限定されないが、二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、デンプン、タルク、及び三塩基性リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、シリコンヒドロゲル、シリカゲル、及び当業者に知られている他の材料が挙げられる。
挙げることができる特定の流動促進剤には、タルク、コロイド状二酸化ケイ素、及びシリカゲル(コロイド状二酸化ケイ素等)からなる群から選択されるものが含まれる。
本明細書に記載されているように、本発明による製剤はまた、投与後の剤形または剤形の一部(例えば、二層錠剤の層の1つ)の急速崩壊を確保するために、経口剤形の全部または一部に含まれ得る崩壊剤を含むことができる。
言及することができる特定の崩壊剤としては、これらに限定されないが、微結晶セルロース、アルギン酸、アルファ化デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グアーガム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム及びデンプン、ならびに当業者に知られている他の材料及びそれらの組み合わせが挙げられる。
言及され得る特定の崩壊剤には、微結晶セルロース、アルファ化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、及びデンプングリコール酸ナトリウム(クロスカルメロースナトリウム等)の群から選択されるものが含まれる。
本明細書に記載されているように、本発明による製剤は、放出制御物質も含むことができる。
言及することができる特定の放出制御物質としては、これらに限定されないが、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キトサン、アロエ粘液、ペクチン、エチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリレート(Eudragit(登録商標)の商品名で知られているポリマー等)、カルボマー、及びポリビニルピロリドン(PVP)のような、ポリマーが挙げられる。有効成分の放出を制御するために使用することができるさらなる賦形剤には、ワックス、脂肪、脂肪アルコール、脂肪酸エステル等のような疎水性賦形剤が含まれる。
挙げることができるより具体的な放出制御物質には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリエチレンオキシド、及びアクリルコポリマー(ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)からなる群から選択されるものが含まれる。
疑義を避けるために、当業者であれば、所与の添加剤がしばしば当該分野の異なる実施者によって異なって分類されるか、または一般的にいくつかの異なる機能のいずれかで使用されるので、一般的な使用において上記の賦形剤の間にかなりの重複が存在し得ることを理解するであろう。したがって、上記の添加剤は、本発明の組成物に含まれ得る賦形剤のタイプの単なる例示であって限定的なものではないと考えられるべきである。
これらの賦形剤の1つ以上は、過度の負担を伴うことなく通常の実験によって剤形の特定の所望の特性を考慮して当業者が選択して使用することができる。さらに、使用される各タイプの賦形剤の量は、当業者に知られている範囲内で変化してもよい。
したがって、本明細書に記載のように、錠剤、トローチ、丸剤、カプセル等の形態の薬学的製剤は、下記:トラガカントガム、アカシア、トウモロコシデンプン、またはゼラチン等の結合剤、リン酸二カルシウムのような賦形剤、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、スクロース、ラクトース、またはサッカリンのような甘味剤、またはペパーミント、ウィンターグリーンの油、もしくはチェリー香味のような香味剤を含有し得る。投与単位形態がカプセルである場合、それは、上記タイプの材料に加えて、液体担体を含有してもよい。様々な他の材料が、コーティングとして、またはそうでなければ投与単位の物理形態を改変するために存在し得る。例えば、錠剤、丸剤、またはカプセルは、シェラック、糖、またはその両方でコーティングすることができる。シロップまたはエリキシルは、活性化合物、甘味剤としてのスクロース、防腐剤としてのメチル及びプロピルパラベン、染料、ならびにチェリーまたはオレンジフレーバーのような香味を含有することができる。もちろん、任意の投与単位形態の調製に使用される任意の材料は、薬学的に純粋かつ、使用される量で実質的に非毒性でなければならない。
賦形剤の使用については、例えば、Remington´ s Pharmaceutical Science and U.S. Pharmacopeia(The United States Pharmacopeia−National Formulary(USP−NF)), Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 19th Ed.(Easton, Pa.:Mack Publishing Company, 1995)、Hoover, John E., Remington´ s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pa.1975、Liberman, H.A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, NY, 1980、及びPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 7th Ed.(Lippincott Williams Wilkins 1999)にさらに記載され、その内容は本明細書に参照により組み込まれる。
特に、(本発明の第8の態様における使用に必要とされ得るような)その中に含まれる本発明の化合物の放出を遅延させることができる薬学的組成物は、本発明の化合物がさらなる(二次)酸成分と組み合わせて存在する製剤の調製によって提供され得ることが見出された。
したがって、本発明の第9の態様では、
(a)バルプロ酸(VPA)及び/またはその薬学的に許容される塩と、
(b)1つ以上の二次酸及び/またはその薬学的に許容される塩と、を含む1つ以上の成分を有する薬学的製剤が提供される。
当業者であれば、1つ以上の成分を有する薬学的製剤への言及は、製剤が1つの(固体及び別個の)単位としてまたはそのような単位の組み合わせとして提供され得ることを示すことを理解するであろう。疑義を避けるために、挙げることができる特定の薬学的製剤には、錠剤(すなわち、経口投与用の固体錠剤)、またはあるいは、同様に経口投与用の、固体多粒子(例えば、ミニ錠剤、ペレット、または顆粒)を含むカプセルが含まれる。
したがって、本発明の第9の態様の製剤は、錠剤、または固体多粒子を含有するカプセルの形態の、固体薬学的製剤と呼ぶこともでき、
(a)バルプロ酸(VPA)及び/またはその薬学的に許容される塩と、
(b)1つ以上の二次酸及び/またはその薬学的に許容される塩と、を含む。
本明細書で使用されるように(特に本発明の第9の態様に関して)、二次酸及び/またはその薬学的に許容される塩への言及は、VPAまたはその薬学的に許容される塩以外の酸(すなわち、さらなる追加の酸成分)を指し得る。
当業者であれば、本明細書における二次酸の言及は、プロトン(すなわち、ブレンステッド−ローリー)酸を指すであろう。
当業者であれば、適切な二次酸及びその薬学的に許容される塩が、薬学的に許容される酸(本明細書に薬学的に許容される塩の形成に適していると記載されるもの等)として当該分野で知られるものであることを理解するであろう。
特定の実施形態では、本発明の第9の態様の製剤中の成分(b)は、本明細書に記載されているような1つ以上の二次酸である(すなわち、その塩ではない)。
挙げることができる特定の二次酸(すなわち、成分(b)を形成する酸)には、有機酸(すなわち、薬学的に許容される有機酸)が含まれる。有機酸への言及は、1つ以上(例えば、1つまたは2つ、例えば2つ)の酸性部分(すなわち、酸性プロトンを含む部分)を有する有機(すなわち、炭素ベースの)化合物を指すものとして当業者には容易に理解されるであろう。
疑義を避けるために、成分(b)が1つ以上の有機酸である(すなわち、その塩ではない)場合、当業者であれば、適切な成分は非塩形態で(すなわち、遊離酸として)存在する少なくとも1つのカルボン酸基を有するが、その成分中に存在する追加のカルボン酸基は、本明細書に記載のように塩形態であってもよいことを理解するであろう。
成分(b)が1つ以上の有機酸である特定の実施形態では、このような酸中に存在する各カルボン酸基は、非塩(すなわち、遊離酸)形態である(これは、疑義を避けるために、こうした基が組成物の調製時に遊離酸形態であることを指す)。
挙げることができるより具体的な二次酸には、これらに限定されないが、アジピン酸、クエン酸、フマル酸、グリシン、リジン、マレイン酸、リンゴ酸、乳酸、ソルビン酸、一塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、コハク酸、アセチルサリチル酸、及び酒石酸が含まれる。
特定の実施形態では、適切な二次酸は、ソルビン酸、アセチルサリチル酸、フマル酸、アジピン酸、及びコハク酸からなる群から選択される。
特定の実施形態では、適切な二次酸は、ソルビン酸、アセチルサリチル酸、フマル酸、及びアジピン酸からなる群から選択される。
特定の実施形態では、適切な二次酸は、ソルビン酸、アセチルサリチル酸、及びフマル酸からなる群から選択される。
特定の実施形態では、適切な二次酸は、アセチルサリチル酸、コハク酸、及びフマル酸からなる群から選択される。
より特定の実施形態では、適切な二次酸は、フマル酸である。
特定の実施形態では、1つ以上の適切な二次酸は、アセチルサリチル酸(アスピリン)ではない(すなわち、それ以外である)。
別の実施形態では、1つ以上の適切な二次酸は、アセチルサリチル酸(アスピリン)である。
言及することができる特定の実施形態では、適切な二次酸は、水(例えば、25℃の蒸留水)中で約60g/l未満(例えば、約50、約40、約30、約20、約10、約8、または約5g/l未満)の溶解性を有する。
当業者であれば、1つ以上の適切な二次酸がアセチルサリチル酸(アスピリン)である場合、その成分は、VPAまたはその薬学的に許容される塩と組み合わせた場合、治療における相乗効果等の治療効果も提供し得ることを理解するであろう。そのような場合、当業者であれば、必要な治療効果を提供し、必要な放出プロフィールを有する組成物をもたらす、ある量のアセチルサリチル酸を選択することができるであろう。
特定のそのような実施形態では、アセチルサリチル酸の量は、24時間毎に投与される用量に関して約30mg〜約500mgである。別のそのような実施形態では、アセチルサリチル酸の量は、24時間毎に投与される用量に関して約50mg〜約350mgである。
さらなるそのような実施形態では、アセチルサリチル酸の量は、24時間毎に投与される用量に関して約75mg〜約325mg、例えば約75mg、約160mg、または約320mg(例えば、約75mg〜約160mg)である。
特定の実施形態では、1つ以上の二次酸への言及は、1つまたは2つ(例えば、1つ)の二次酸を指し得る。
当業者であれば、必要な放出プロフィールを得るために、関連する成分(すなわち、VPA及び/またはその薬学的に許容される塩ならびに二次酸を含む成分)中に必要とされる二次酸の量(絶対量またはVPA及び/もしくはその薬学的に許容される塩の量に対する相対量のいずれか)を選択することができるであろう。
特定の実施形態では、二次酸(すなわち、成分(b))は、一般に、関連する成分中(すなわち、製剤中、例えば製剤のコア成分中)のVPA及び/またはその薬学的に許容される塩の重量の約1%〜約200%の量で存在し得る。あるいは、二次酸(すなわち、成分(b))は、一般に、VPA及び/またはその薬学的に許容される塩の重量の約0.1%〜約200%の量で存在し得る。
例えば、二次酸は、一般に、関連する成分中のVPA及び/またはその薬学的に許容される塩の重量の約5%〜約150%(例えば、約5%〜約100%)、例えば約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約100%の量で存在し得る。
特定の実施形態では、二次酸の量は、一般に、関連する成分中のVPA及び/またはその薬学的に許容される塩の重量の約10%〜約70%である。
より特定の実施形態において、二次酸の量は、一般に、関連する成分中のVPA及び/またはその薬学的に許容される塩の重量の約10%〜約50%、例えば約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、及び約50%である。
特定の実施形態では、二次酸の量は、一般に、関連する成分中のVPA及び/またはその薬学的に許容される塩の重量の約80%〜約120%、例えば約90%〜約110%である。
疑義を避けるために、特定の実施形態では、二次酸は、関連する成分中のVPA及び/またはその薬学的に許容される塩の重量の約1%〜約15%、例えば、約1%〜約10%、約1%〜約5%、約5%〜約15%、約5%〜約10%(例えば、約1%もしくは約5%、または約2〜約5%、約2〜約7%、約3〜約7%、約4〜約8%、約8〜約12%、または約7〜約13%)の量で存在し得る。
別の実施形態では、二次酸は、関連する成分中のVPA及び/またはその薬学的に許容される塩の重量の約0.1%〜約15%、例えば約0.5%〜約10%または約0.5%〜約5%(例えば、(例えば、約0.1〜3%、約0.5〜約3%、約0.1〜約5%、または約0.5〜約5%)の量で存在し得る。
当業者であれば、薬学的製剤中の様々な成分の比をモルパーセントとしても表すことができることを理解するであろう。したがって、本明細書で提供される重量による二次酸の量を記載する各パーセントは、モルパーセントとしても表すことができる。
本明細書に記載されるように(例えば、本発明の第8の態様に関して)、本発明の化合物を含む薬学的製剤は、1つ以上のコーティングを含み得る。
特に、そのようなコーティングは、VPA及び/またはその薬学的に許容される塩ならびに二次酸を含む1つ以上の成分上に存在してもよく、この場合、そのような成分の各々は、コア成分と呼ばれ得る。
本明細書に記載されているように、このようなコア成分は、単一の(被覆された)錠剤を形成してもよく、または多粒子の形態で提供されてもよく、その多粒子は、個別に被覆されてもよく、単一用量として送達(例えば、錠剤に圧縮、または硬カプセル、例えば硬ゼラチンカプセル等のカプセル中で送達)されてもよい。
本明細書に記載されているように、そのような製剤に使用され得る特定のコーティングは、本明細書に記載されるもの(疑義を避けるために、本発明の第8の態様に記載されるものを含む)等の腸溶コーティング及び持続放出コーティングを含み得る。
疑義を避けるために、特定の実施形態では、コーティングは、(例えば、本明細書に記載のタイプ及び量の)腸溶コーティングであってもよい。
さらなる実施形態では、コア成分は、(例えば、本明細書に記載のタイプ及び量の)持続放出コーティングと(例えば、本明細書に記載のタイプ及び量の)腸溶コーティングとの組み合わせで被覆することができる。疑義を避けるために、こうしたコーティングは、例えば、腸溶コーティング(すなわち、第1のコーティング層)、次いで持続放出コーティング(すなわち、第2のコーティング層)で被覆されたコア組成物を提供することによって、別々に(すなわち、別個の層で)適用することができ、適切な腸溶コーティング及び持続放出コーティングは、本明細書に記載のものを含む。
またさらなる実施形態では、コア成分は、(例えば、本明細書に記載のタイプ及び量の)持続放出コーティング、次いで(例えば、本明細書に記載のタイプ及び量の)腸溶コーティングで被覆することができる。
またさらなる実施形態では、コア成分は、(例えば、本明細書に記載のタイプ及び量の)腸溶コーティング、次いで(例えば、本明細書に記載のタイプ及び量の)持続放出コーティングで被覆することができる。
疑義を避けるために、特定の実施形態では、コア成分は、本発明の第8の態様に記載されるような保護フィルムで被覆されてもよい。
特定の実施形態では、本明細書に記載の本発明の第9の態様の薬学的製剤の二次酸成分(成分(b))は、それ自体が、VPAまたはその薬学的に許容される塩を含む成分(成分(a))上のコーティング(すなわちコーティング層)として存在することができ、このコーティング層は、他のコーティング層(例えば、腸溶及び/または持続放出コーティング)とは異なるか、またはそのようなコーティングと組み合わせられ(例えば、混合され)得る。
例えば、特定の実施形態では、本明細書に記載の本発明の第9の態様の薬学的製剤の二次酸成分(成分(b))は、それ自体が、VPAまたはその薬学的に許容される塩を含む成分(成分(a))上のコーティング(すなわちコーティング層)として存在することができ、この組成物は次に、(例えば、腸溶及び/または持続放出コーティング)でさらに被覆される。このような場合、製剤は成分(a)であるコアを有するものとして記載することができ、これは成分(b)である第1のコーティング及び(例えば、1つ以上の腸溶及び/もしくは持続放出コーティング、またはそれらの混合物であり得る)任意の第2の(またはさらなる)コーティングによって被覆される。
疑義を避けるために、本発明の第8の態様に記載されている製剤(特定の実施形態に記載されているもの及びその実施形態の組み合わせを含む)のすべてのタイプ及び成分は、本発明の第9の態様の製剤にも適用できる。
例えば、本発明の第9の態様の特定の実施形態では、薬学的組成物は、本明細書に記載されるような1つ以上の薬学的に許容される賦形剤(例えば、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤、または担体)をさらに含み得る。
二次酸を含む製剤(例えば、錠剤または多粒子)は、活性薬学的成分(すなわち、バルプロ酸またはその薬学的に許容される塩、本明細書において成分(a)と称される)の高装填を伴う有益な溶解プロフィールを可能にすることもまた見出されている。
したがって、特定の実施形態では、製剤は、成分(a)を含む固体コアを有する1つ以上の成分を含み、成分(a)は、その少なくとも30重量%(例えば、少なくとも35%、例えば少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、または少なくとも70%)の量で存在し、任意でその固体コアは成分(b)をさらに含む。
特定の実施形態において、成分(a)は、一般に、製剤のコア成分(すなわち、任意のコーティング層が適用され得る固体コア)の少なくとも30重量%の(例えばこれを超える)量で存在し得る。
より特定の実施形態では、成分(a)は、製剤のコア成分の35重量%を超える量、例えば少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、または特に少なくとも50重量%で存在する。
さらにより特定の実施形態では、成分(a)は、製剤のコア成分の55重量%を超える量、例えば少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、または特に少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%で存在する。
疑義を避けるために、当業者であれば、製剤のコア成分(すなわち、経口投与用の固体錠剤または多粒子の形態)への言及は、コーティング層が適用され得る、製剤の中心成分を形成する固体部分を指すことを理解するであろう。疑義を避けるために、成分(a)は製剤のコア成分の一部を形成する。したがって、コアは、成分(a)に加えて、本明細書に記載の賦形剤及び/または(例えば及び)本明細書に記載の成分(b)をさらに含み得、当業者は、必要に応じてコア組成物中のその成分の適切な量を計算することができる。
疑義を避けるために、当業者であれば、製剤中の成分(例えば、成分(a)のような製剤のコア成分)の合計量(重量%)は、製剤の他の成分またはその特定の成分を考慮して、計算されなければならず、定義上、製剤またはその特定の成分の100重量%を超えることはできないことを理解するであろう。
本明細書に記載されているように、本発明の第9の態様に記載の薬学的製剤は、本発明の第8の態様で必要とされる放出プロフィールを提供するのに有用であり得る。
よって、特定の実施形態では、本発明の第9の態様の薬学的組成物は、本発明の第8の態様(そのすべての実施形態を含む)に記載の放出プロフィールを有する。
疑義を避けるために、製剤(例えば、本発明の第9の態様の製剤)の個別の特徴に関するものとして本明細書に記載される実施形態は、本発明の教示から逸脱することなく、そのような製剤におけるそれらの特徴の組み合わせに関するさらなる実施形態を記載するように組み合わされ得る。
例えば、実施形態は、以下の特徴のうちのどの1つ以上が存在するかについて存在する:
(I)製剤は、成分(a)及び、特定の実施形態では、成分(b)を含み、任意で1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む、1つ以上の固体コア成分を有する
(II)成分(b)は、フマル酸である
(III)成分(a)は、固体コア成分中に、その少なくとも30重量%(例えば、少なくとも50重量%)の量で存在する
(IV)成分(b)は、約0.1重量%(例えば、約1重量%)〜約15重量%(例えば、約10%)の量で(例えば、コア成分中に)存在する。
さらに、以下の特徴が存在し得る:
(a)(本明細書に記載のタイプの)コアに適用された保護コーティング、
(b)保護フィルムに適用された腸溶コーティング(Eudragit FS 30 D等)、任意で
(c)腸溶コーティングと保護フィルムとの間、または特に腸溶コーティング(Eudragit L 30 D 55等)上に適用され得る、細孔形成コーティング(本明細書に記載)。
腸溶コーティングのみが使用される場合、成分(b)は、約5〜15重量%(例えば、約8〜12、約10重量%)の量で(例えば、コア成分中に)存在し得る。
細孔形成コーティングが使用される場合、成分(b)は、約1重量%〜約5重量%の量で(例えば、コア成分中に)存在してもよい。
理論に縛られることを望むものではないが、二次酸成分はVPA及び/またはその薬学的に許容される塩の溶解性を改変するように作用し得ると考えられる。さらに、コア成分が(例えば、適切な腸溶コーティングで)被覆される場合、酸成分は、そのコーティングの近傍でpHを低下させ、よってその溶解を遅延させるように作用し得、それにより、有効成分(すなわち、VPA及び/またはその薬学的に許容される塩)の放出をさらに遅延させる。
本明細書に記載されているように、(本発明の第8の態様及びその実施形態に記載される)経口投与後の錠剤からの本発明の化合物の放出を遅延させるように製剤化された本発明による薬学的組成物(錠剤及び/またはカプセル等)は、本明細書に記載の特定の投与計画に従って、過剰のフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態の治療または予防に用いるのに特に適している。
したがって、本発明の第10の態様では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するのに使用するための、本発明の第8または第9の態様(その1つ以上の実施形態を含む)に記載の薬学的組成物が提供され、その治療は、本発明の第1〜第7の態様(そのいずれか1つ以上の実施形態を含む)のいずれか1つに記載の通りである。
本発明の別の第10の態様では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するのに使用するための薬剤の製造における、本発明の第8または第9の態様(その1つ以上の実施形態を含む)に記載の薬学的組成物の使用が提供され、その治療は、本発明の第1〜第7の態様(そのいずれか1つ以上の実施形態を含む)のいずれか1つに記載の通りである。
本発明のさらに別の第10の態様では、治療有効量の、本発明の第8または第9の態様(そのいずれか1つ以上の実施形態を含む)に記載の薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、本発明の第1〜第7の態様のいずれか1つに記載の過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防(例えば、本明細書に記載のように、発症のリスクを低減)する方法が提供される。
本発明のさらに別の第10の態様では、治療有効量の、本発明の第8または第9の態様(そのいずれか1つ以上の実施形態を含む)に記載の薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、本発明の第1〜第7の態様のいずれか1つに記載の過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療またはその発症のリスクを低減する方法が提供される。
本明細書に記載されるように、当業者であれば、所望のタイミング及び/または特定の薬剤の血漿濃度のレベルのような、所望のパラメータを達成するために、本発明の化合物の製剤及び投与方法を調整することができるであろう。
例えば、当業者であれば、本発明の化合物の様々な製剤が市販されており、とりわけ、本発明の第1〜第7の態様に記載されているような治療において使用するのに適した方法で投与され得ることを認識するであろう。
したがって、本発明の特定の実施形態(例えば、本発明の第1〜第7及び第9の態様の特定の実施形態)では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態の治療または予防における、VPAまたはその薬学的に許容される塩の使用が提供され、その治療は、ある用量のVPAまたはその薬学的に許容される塩を、患者にある形態(すなわち、特定の製剤)で、以下の表に示される特定の用量及び時間で投与することを含む。
本明細書において使用されるように、特定の製剤の名前への言及は、2014年10月1日時点で関連する地域(例えば、米国、英国、またはスウェーデン)において販売/市販される対応する製剤を指す。
上記の表における特定の製剤への特定の名称による言及は、別の名称で呼ばれ得る実質的に同一の製剤(例えば、異なる製品名を用いて販売及び/または市販されている同一の製剤)への言及を含む。
本明細書に記載されているように、当業者であれば、食物と同時または食後すぐの患者への製剤の投与は、有効成分の放出を遅延させ得、それに応じて投与時間を調整することができることを理解するであろう。特に明記しない限り、本明細書における特定の時間(例えば、特定の時間内)での特定の製剤の投与への言及は、空腹時の患者への投与を指す。
併用治療
本発明の化合物はまた、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態の治療または予防に有用な他の治療剤と組み合わせて(例えば、併用製剤で)投与することができる。
特に、本発明の第8の態様(その実施形態を含む)に記載される薬学的組成物は、本発明の化合物を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、ならびに過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態の治療または予防に有用な1つ以上の他の治療剤と共に含むことができる。
本発明の第1〜第7の態様の特定の実施形態では、VPAまたはその薬学的に許容される塩は、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するのに有用な1つ以上(例えば、1つ)の他の治療剤と組み合わせて投与される。
本発明の第8の態様の特定の実施形態では、薬学的組成物は、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するのに有用な1つ以上(例えば、1つ)の他の治療剤をさらに含む。そのような実施形態では、本発明の化合物は、その1つ以上の他の治療剤と混合して提供されてもよい。
したがって、当業者であれば、本発明が、本明細書に記載の薬学的製剤(その実施形態を含む、本発明の第8の態様に記載されているもの等)の調製プロセスをさらに提供することを理解し、そのプロセスは、
(a)本発明の化合物を、(例えば、それらの混合物を形成するために)1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、ならびに/または過剰なフィブリン沈着及び/もしくは血栓形成に関連する病理学的状態を治療または予防するのに有用な1つ以上(例えば、1つ)の他の治療剤と会合させるステップと、
(b)(本明細書に記載されるように、例えば、1つ以上のコーティングで)錠剤またはカプセルとして製剤化するステップと、を含む。
本明細書で言及されるように、過剰のフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態の治療または予防に有用な他の治療剤には、当業者に知られているような、1つ以上の抗血栓剤、及び/または1つ以上の抗凝固剤、及び/または1つ以上の抗血小板剤、及び/または1つ以上の血管拡張剤が含まれる。
特定の実施形態では、本発明の化合物は、
−これらに限定されないが、アスピリン、ペルサンチン、チカグレロール、及びクロピドグレルを含む、1つ以上の抗血小板剤、
−ヘパリン、低分子量ヘパリン(LMWH)、ワルファリン、アニジンジオン、フェニンドン、ビスヒドロキシクマリン、ビバリルジン、エプタフィバチド等の1つ以上の抗凝固剤、ニトリル(例えば、アミルニトリル、ニトログリセリン、ニトリルナトリウム、二硝酸イソソルビド)、パパベリン、ニコチン酸、及びシクランデラート等の1つ以上の血管拡張剤、
−これらに限定されないが、スタチン、ベータ遮断薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、もしくは利尿薬等の心血管事象を防止する1つ以上の薬剤、ならびに/または
−ステロイド及びNSAID(これらに限定されないが、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、及びジクロフェナクを含む)を含む、1つ以上の抗炎症剤、
−例えば、組換えt−PA、プロウロキナーゼ、ウロキナーゼ、もしくはストレプトキナーゼから選択される1つ以上の血栓溶解剤と組み合わせて投与及び/または製剤化することができる。
より特定の実施形態では、本発明の化合物は、アスピリン(すなわち、治療有効量のアスピリン)と組み合わせて投与及び/または製剤化することができる。
さらにより特定の実施形態では、本発明の化合物は、クロピドグレル(すなわち、治療有効量のクロピドグレル)またはチカグレロール(すなわち、治療有効量のチカグレロール)と組み合わせて投与及び/または製剤化することができる。
疑義を避けるために、当業者であれば、「〜と組み合わせて投与」という用語には、同時、連続、及び別々の投与が含まれることを理解するであろう。これに関して、連続投与は、同じ治療的介入内(例えば、本発明の化合物の1時間以内)の投与を指し得る。
当業者であれば、別の薬剤と組み合わせて投与される薬剤への言及は、関連する薬剤を含むキットオブパーツ(すなわち、同じキット内の別個の成分)も含み得ることを理解するであろう。
当業者であれば、第2の薬剤と組み合わせて投与される第1の薬剤への言及は、第1の薬剤と組み合わせて投与される第2の薬剤等も指すことも理解するであろう。
患者群
当業者であれば、本明細書における「患者」への言及は、本明細書に記載される治療または予防の対象となり得る生きた動物を指すことを理解するであろう。特に、患者という用語は、哺乳動物を指す。より具体的には、患者という用語は、ヒト(例えば成人)を指す。
本発明の化合物は、(本明細書に記載されるような)過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態の、1つ以上のこのような状態を発症するリスクが増加した患者における、治療または予防(特に予防)に特に有用であり得る。
本発明の第1〜第7の態様(そのすべての実施形態を含む)の特定の実施形態において、治療または予防(例えば、予防とも呼ばれ得る予防)は、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を発症するリスクが増加した患者におけるものである(当業者であれば、本明細書に記載されているように、関連する状態のリスクを低減することを指すものとして理解するであろう)。
本明細書に記載されているように、いくつかの状態及び危険因子は、血栓性事象(すなわち、血栓形成)に対する感受性の増加と関連する。これらには、アテローム性動脈硬化症、高血圧、腹部肥満、喫煙、座りがちな生活様式、及び低悪性度の炎症が含まれる。したがって、本発明の第1〜第7の態様(そのすべての実施形態を含む)の特定の実施形態において、治療または予防(例えば、予防とも呼ばれ得る予防)は、1つ以上のこうした状態/危険因子を有する患者におけるものである。
より特定の実施形態では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を発症するリスクが増加した患者は、
(i)メタボリックシンドローム(例えば、II型糖尿病)、腫瘍性疾患、心不全、腎不全及び/もしくは敗血症のような、血栓形成のリスクの増加に関連する1つ以上の医学的状態に罹患している患者、
(ii)心筋梗塞、虚血性脳卒中、及び肺塞栓症の1つ以上の発生(例えば、重度虚血性脳卒中、軽度虚血性脳卒中、またはTIAのような、虚血性脳卒中の1つ以上の発生)のような、過剰なフィブリン沈着及び/もしくは血栓形成に関連する病理学的状態の1つ以上の発生を以前に経験している患者、ならびに/または
(iii)喫煙者、肥満者、及び/もしくは移動性が低下した患者のような、生活様式及び/もしくは環境因子の1つ以上によってこうしたリスクが増加した患者である(例えば、患者は、医療ユニットまたは高齢者ケアユニット内の患者のように、寝たきりである)。
したがって、特定の実施形態では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を発症するリスクが増加した患者への言及は、肥満患者、例えば、25を超える(例えば、30を超える及び35を超える)ボディマス指数(BMI)を有する患者への言及を含む。
本明細書で使用されるように、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を発症するリスクが増加した患者への言及は、50歳以上(例えば、60歳以上)である患者(例えば、ヒト男性患者)も含むことができる。
特定の実施形態では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を発症するリスクが増加した患者は、PAI−1レベルが上昇した患者でもあり得る。
例えば、本明細書に記載されるように、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を発症するリスクが増加した患者は、上昇したPAI−1レベルに関連するもののような、局所または全身炎症に罹患している患者でもあり得る。
したがって、特定の実施形態では、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を発症するリスクが増加した患者は、約20ng/mlを超える(例えば、約40ng/mlを超える、例えば約60ng/mlを超える、例えば約80ng/mlを超える、またはより具体的には、約100ng/mlを超える)朝の血漿中のPAI−1レベルを有する患者であり得る。
例えば、過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態を発症するリスクが増加した患者は、約20ng/mlを超える(例えば、約40ng/mlを超える、例えば約60ng/mlを超える、例えば約80ng/mlを超える、またはより具体的には、約100ng/mlを超える)朝の血漿中のPAI−1レベルを有し、心筋梗塞、虚血性脳卒中、及び肺塞栓症の1つ以上の発生(例えば、重度虚血性脳卒中、軽度虚血性脳卒中、またはTIAのような、虚血性脳卒中の1つ以上の発生)を経験した患者であり得る。
特定の実施形態では、患者は、
(i)てんかん、片頭痛、及び/もしくは双極性障害のような、CNSもしくは精神障害、ならびに/または
(ii)脆弱X症候群及び/もしくは家族性大腸腺腫症に罹患していない。
したがって、本発明の第1〜第7の態様(そのすべての実施形態を含む)の特定の実施形態において、治療または予防(例えば、予防)は、
(a)過剰なフィブリン沈着及び/または血栓形成に関連する病理学的状態(特に本明細書に定義される)を発症するリスクが増加した患者、ならびに
(b)CNSまたは精神障害(本明細書で定義される、特にてんかん及び/または双極性障害)に罹患していない患者におけるものである。