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JP6986338B2 - 能動振動制御装置、及び能動振動制御方法 - Google Patents
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JP6986338B2 - 能動振動制御装置、及び能動振動制御方法 - Google Patents

能動振動制御装置、及び能動振動制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、騒音が伝播する剛体と仮定できる材料の振動を低減する能動振動制御装置、及び能動振動制御方法に関する。
従来、騒音源からの騒音を低減する装置としては、特許文献1に示されるように、能動消音制御装置が知られており、当該能動消音制御装置は、騒音源からの騒音を検出する騒音検出手段と、騒音制御フィルタを備えると共に当該騒音制御フィルタの制御パラメータに基づいて騒音検出手段の検出信号から騒音を低減するための騒音低減信号を生成する消音制御部と、騒音低減信号に対応する騒音低減音を発生する騒音低減音発生手段と、騒音と騒音低減音との合成音を検出する合成音検出手段と、騒音検出手段の検出信号及び合成音検出手段の検出信号の双方に基づき騒音制御フィルタの制御パラメータをデジタル信号処理(DSP)により決定するデジタル回路を有する適応制御部とを備えている。
上記特許文献1に開示の技術では、常時、変動することがある騒音の状態に応じた騒音低減音を騒音低減音発生手段から発生するべく、適応制御部が、騒音制御フィルタの制御パラメータを、逐次更新するように構成されている。
当該構成により、騒音の逐次変動に追従して騒音低減音を発生させ、逐次変動する騒音を良好に低減している。
特開2000−89768号公報
しかしながら、従来の能動消音制御装置は、センサとして、騒音検出手段と合成音検出手段との2つの音検出手段を備える必要があると共に、騒音低減音発生手段としてスピーカを備える必要があるため、装置全体が大がかりになっていた。更には、デジタル信号処理(DSP)を実行するデジタル回路を備える必要があり、構成が複雑となると共に、比較的高価となるため、一般的な住宅への普及を考えると実用的でなく、改善の余地があった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、特に、騒音の低減を良好に実現できると共に、比較的シンプルで経済性の高い能動振動制御装置、及び能動振動制御方法を提供する点にある。
上記目的を達成するための能動振動制御装置は、騒音が伝播する剛体と仮定できる材料の振動を低減する能動振動制御装置であって、その特徴構成は、
前記材料の振動加速度A×eiwtを測定する振動加速度計測部と、
前記振動加速度計測部にて計測された信号の位相を反転させると共に振幅の増減を行う信号調整部と、
前記信号調整部にて調整された調整信号に基づいて前記材料を加振圧力Fにて加振する加振器と、
前記振動加速度計測部にて計測される前記振動加速度A×e iwt と前記加振器へ入力される前記調整信号の位相とに遅延時間τが生じている場合において、前記振動加速度計測部にて計測される前記振動加速度A×eiwtの位相と前記加振器へ入力される前記調整信号の位相との位相差wτを、−π/2<wτ<π/2の範囲に調整するように事前に設定自在なアナログ回路から成る位相調整部とを備え、
上述の各パラメータが以下の(式1)に示す関係を有することを特徴とする点にある。
F=−B×e−iwτ(A×eiwt+F) (式1)
ただし、Bは、前記加振器による加振圧力Fの増幅係数で正数。
本願の発明者らは、鋭意研究した結果、剛体と仮定できる材料から成る仕切部、屋外からの騒音によりA×eiwtの振動加速度が生じており、加振器からの加振圧力をFとし、加振器へ入力される調整信号の位相と、振動加速度計測部にて計測される仕切部での振動加速度A×eiwtとにτの遅延時間が生じており、加振圧力Fの増幅係数をBとすると、上記(式1)の関係が成立すると考えた。
上記(式1)をFについて解き、仕切部に加わっている圧力を表すと、以下の(式2)のようになる。
A×eiwt+F=A×eiwt/(1+Be−iwτ) (式2)
このときの減衰量ΔLは、以下の(式3)で表される。
ΔL=20log(1+Be−iwτ) (式3)
上記(式3)から、減衰量ΔLは、−π/2<wτ<π/2の範囲内ならば、Bが増加するほど増加する。一方、減衰量ΔLは、−π/2<wτ<π/2の範囲外ならば、(1+Be−iwτ)が1未満の値で負となり、(1+Be−iwτ)が0となるときに−∞となりる。因みに、減衰量ΔLが−∞のときは、ハウリングを起こすこととなる。
即ち、発明者らは、位相差wτを、−π/2<wτ<π/2の範囲内に調整すれば、騒音を低減できるという知見を得て、発明を完成するに至った。
因みに、発明者らは、後述する実施例により、位相差wτを、−π/2<wτ<π/2の範囲内に調整することで、騒音を良好に低減できることを確認している。
以上の如く、仕切部の振動加速度を計測する振動加速度計測部を設けると共に仕切部に加振圧力を加える加振器を設ける構成において、特に、位相差wτを、−π/2<wτ<π/2の範囲内に調整する位相調整部をアナログ回路にて設けることにより、屋外から屋内へ伝播する騒音の低減を良好に実現できると共に、比較的シンプルで経済性の高い能動振動制御装置を実現することができる。
能動振動制御装置の更なる特徴構成は、
前記位相調整部は、少なくとも0Hz以上200Hz以下の低周波数の振動に対して、前記位相差wτを、−π/2<wτ<π/2の範囲に調整するよう設定される点にある。
通常、すべての周波数帯域において、位相差wτを、−π/2<wτ<π/2の範囲内に調整するように、位相調整部にて設定することは、比較的困難な場合が多い。
上記特徴構成によれば、位相調整部が、少なくとも0Hz以上200Hz以下の低周波数の振動に対して、位相差wτを、−π/2<wτ<π/2の範囲に調整することで、すべての周波数帯域において位相差wτを調整する場合に比べて、比較的簡単に位相調整部の設定を実行できる。
結果、特に、低周波の騒音を良好に低減できる能動振動制御装置を実現でき、例えば、人の健康に影響を及ぼすことがあると考えられる低周波の騒音を発生する風力発電装置の近隣の住宅等において、好適に低周波の騒音を低減できる。
能動振動制御装置の更なる特徴構成は、
前記材料は、平面形状を有すると共に、平面に直交する方向視において中心点に対して点対称形状を有する平面状部材であり、
前記振動加速度計測部及び前記加振器を、前記中心点に配設する点にある。
発明者らは、鋭意研究することにより、平面形状を有すると共に、平面に直交する方向視において中心点に対して点対称形状を有する平面状部材を、対象の仕切部として選定し、振動加速度測定部及び加振器を、当該平面状部材の中心点に配設することで、中心点から外れた位置に配設する場合に比べ、より良好に騒音を低減できることを、実験的に確認している。
能動振動制御装置の更なる特徴構成は、
前記振動加速度計測部及び前記加振器は、一体に設けられている点にある。
上記特徴構成によれば、振動加速度計測部及び加振器を一体に設けることで、例えば、装置の設置作業を、より効率的で簡便で行うことができる。
上記目的を達成するための能動振動制御方法は、騒音が伝播する剛体と仮定できる材料の振動を低減する能動振動制御方法であって、その特徴構成は、
前記材料の振動加速度A×eiwtを計測する振動加速度計測部にて計測された信号の位相を反転させると共に振幅の増減を行う信号調整ステップと、
前記信号調整ステップにて調整された調整信号に基づいて前記材料を加振器により加振圧力Fにて加振する加振ステップと、
前記振動加速度計測部にて計測される前記振動加速度A×e iwt と前記加振器へ入力される前記調整信号の位相とに遅延時間τが生じている場合において、前記振動加速度計測部にて計測される前記振動加速度A×eiwtの位相と前記加振器に入力される前記調整信号の位相との位相差wτを、−π/2<wτ<π/2の範囲にアナログ回路にて調整する位相調整ステップとを有し、
上述の各パラメータが以下の(式1)に示す関係を有することを特徴とする点にある。
F=−B×e−iwτ(A×eiwt+F) (式1)
ただし、Bは、前記加振器による加振圧力Fの増幅係数で正数
上記特徴構成によれば、これまで説明してきたように、屋外から屋内へ伝播する騒音の低減を良好に実現できると共に、比較的シンプルで経済性の高い能動振動制御補法を実現できる。
実施形態に係る能動振動制御装置の概略構成図 第1実施例において、ピックアップにて計測される振動加速度の位相と、加振器へ入力される調整信号の位相との位相差を示すグラフ図 第1実施例において、位相調整部を働かせているときの、ピックアップにて計測される振動加速度の位相と、加振器へ入力される調整信号の位相との位相差を示すグラフ図 第1実施例において、位相調整部を働かせているときの、ピックアップにて計測される振動加速度の振幅と、加振器へ入力される調整信号の振幅との振幅差を示すグラフ図 第1実施例において、70Hzの純音に対する制御結果を示すグラフ図 第1実施例において、70Hz〜200Hzの複合音に対する制御結果を示すグラフ図 第1実施例において、70Hzの純音に対して制御を行った場合の窓ガラスのガラス面の振動分布を示すグラフ図 第2実施例において、ピックアップにて計測される振動加速度の位相と、加振器へ入力される調整信号の位相との位相差を示すグラフ図 第2実施例において、位相調整部を働かせているときの、ピックアップにて計測される振動加速度の位相と、加振器へ入力される調整信号の位相との位相差を示すグラフ図 第2実施例において、78Hzの純音に対する制御結果を示すグラフ図 第2実施例において、50Hz〜200Hzの複合音に対する制御結果を示すグラフ図 第2実施例において、130Hzの純音に対して制御を行った場合の窓ガラスのガラス面の振動分布を示すグラフ図 第3実施例において、ピックアップにて計測される振動加速度の位相と、加振器へ入力される調整信号の位相との位相差を示すグラフ図 第3実施例において、位相調整部を働かせているときの、ピックアップにて計測される振動加速度の位相と、加振器へ入力される調整信号の位相との位相差を示すグラフ図 第3実施例において、50Hzの純音に対する制御結果を示すグラフ図 第3実施例において、50Hz〜200Hzの複合音に対する制御結果を示すグラフ図 第3実施例において、109Hzの純音に対して制御を行った場合の窓ガラスのガラス面の振動分布を示すグラフ図
本発明の実施形態に係る能動振動制御装置100、及び能動振動制御方法は、騒音の低減を良好に実現できると共に、比較的シンプルで経済性の高いものに関する。以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
実施形態に係る能動振動制御装置100は、屋内での騒音を低減すべく屋外と屋内とを仕切る窓ガラスG(剛体と仮定できる材料の一例)の振動を低減するものであり、窓ガラスGの振動加速度A×eiwtを測定するピックアップ11(振動加速度計測部の一例)と、ピックアップ11にて計測された信号の位相を反転させると共に振幅の増減を行うアンプ13(信号調整部の一例)と、アンプ13にて調整された調整信号に基づいて窓ガラスGを加振圧力Fにて加振する加振器14と、ピックアップ11にて計測される振動加速度A×eiwtの位相と加振器14へ入力される調整信号の位相との位相差wτを、−π/2<wτ<π/2の範囲に調整するように事前に設定自在なアナログ回路12(位相調整部の一例)とを備えて構成されている。
説明を追加すると、ピックアップ11、アナログ回路12、アンプ13、及び加振器14は、電気的に接続されており、ピックアップ11にて計測された信号は、アナログ回路12にて位相差wτが上述の如く調整され、アンプ13にて信号の位相が反転されると共に振幅が調整され、アンプ13からの調整信号が加振器14に入力され、加振器14が窓ガラスGを加振する。
尚、発明者らは、鋭意研究した結果、窓ガラスGを剛体と仮定し、屋外からの騒音によりA×eiwtの振動加速度が生じており、加振器14からの加振圧力をFとし、加振器14へ入力される調整信号の位相と、ピックアップ11にて計測される窓ガラスGでの振動加速度A×eiwtとにτの遅延時間が生じており、加振圧力Fの増幅係数をBとすると、上記(式1)の関係が成立すると考えた。
上記(式1)をFについて解き、仕切部としての窓ガラスGに加わっている圧力を表すと、以下の(式2)のようになる。
A×eiwt+F=A×eiwt/(1+Be−iwτ) (式2)
このときの減衰量ΔLは、以下の(式3)で表される。
ΔL=20log(1+Be−iwτ) (式3)
上記(式3)から、減衰量ΔLは、−π/2<wτ<π/2の範囲内ならば、Bが増加するほど増加する。
即ち、発明者らは、位相差wτを、−π/2<wτ<π/2の範囲内に調整すれば、騒音を低減できるという知見を得て、発明を完成するに至った。
そこで、位相調整部としてのアナログ回路12は、制御を実行する前に、ピックアップ11にて計測される振動加速度A×eiwtの位相と加振器14へ入力される調整信号の位相との位相差wτを、−π/2<wτ<π/2の範囲に調整するよう、制御前に設定可能に構成されている。
尚、通常、すべての周波数帯域において、位相差wτを、−π/2<wτ<π/2の範囲内に調整するように、位相調整部にて設定することは、比較的困難な場合が多い。
そこで、アナログ回路12では、少なくとも0Hz以上200Hz以下の低周波数の振動に対して、位相差wτを、−π/2<wτ<π/2の範囲に調整するように設定することが好ましい。これにより、すべての周波数帯域において位相差wτを調整する場合に比べ、比較的簡単に位相調整部の設定を実行できる。
尚、アナログ回路12は、公知のローパスフィルタと、位相操作専用のグラフィックイコライザとを備えることが好ましい。
当該実施形態に係る能動振動制御装置100にあっては、上述した位相差wτを、−π/2<wτ<π/2の範囲に調整するべく、ピックアップ11及び加振器14は、両者は近接して設けられることが好ましい。当該実施形態にあっては、両者は、夫々が窓ガラスGのガラス面の一方面と他方面の何れかに接触した状態で、窓ガラスGのガラス面に直交する方向視において、互いに重なるように配設されている。
更に、以下の実施例に示すように、発明者らは、平面形状を有すると共に、平面に直交する方向視において中心点に対して点対称形状を有する平面状部材から成る窓ガラスGを仕切部として採用し、ピックアップ11及び加振器14を、上述の中心点に配設する構成が、騒音低減の効果を高める上で、好ましいことを確認している。
以上の能動振動制御装置100を用いた能動振動制御方法は、窓ガラスGの振動加速度A×eiwtを計測するピックアップ11にて計測された信号の位相を反転させると共に振幅の増減を行う信号調整ステップと、信号調整ステップにて調整された調整信号に基づいて窓ガラスGを加振器14により加振圧力Fにて加振する加振ステップと、ピックアップ11にて計測される振動加速度A×eiwtの位相と加振器14に入力される調整信号の位相との位相差wτを、−π/2<wτ<π/2の範囲にアナログ回路にて調整する位相調整ステップと、を含むものである。
尚、上述の各パラメータは、以下の(式1)に示す関係を有する。
F=−B×e−iwτ(A×eiwt+F)・・・・(式1)
ただし、Bは、前記加振器による加振圧力Fの増幅係数。
以下、本願の能動振動制御装置100及び能動振動制御方法の効果を確認するべく、行った実施例について説明する。
因みに、以下の実施例にあっては、種々の周波数帯域の音波を発生する発信器21と、当該音波の位相、振幅等を調整可能なグラフィックイコライザ22と、グラフィックイコライザ22からの信号に基づいて疑似騒音を発生するスピーカ23とからなる仮想の騒音源200から、疑似騒音を出力している。
因みに、以下に示す実施例においては、グラフィックイコライザ22として、YAMAHAのQ2031Bを使用し、スピーカ23としては、SONYのSA−W3000を使用し、ピックアップ11としては、RIONのPV−41を使用し、アンプ13としては、SONYのFA5ESを使用し、加振器14としては、アクーヴ・ラボのVp604を使用した。
〔実施例1〕
当該実施例1は、窓ガラスGの厚みを3mmとし、ピックアップ11及び加振器14を、窓ガラスGのガラス面に直交する方向視で、ガラス面の水平方向及び鉛直方向の双方での中央位置(中心点に相当)に配設した場合の実施例である。当該実施例1では、ピックアップ11として、PV−41を使用し、加振器14としては、VP604を使用した。
図2は、ピックアップ11にて計測される振動加速度の位相と、加振器14へ入力される調整信号の位相との位相差wτを示すグラフ図であり、1000Hz以下では、150Hzや300Hz等の一部の周波数を除き、位相差wτは−π/2<wτ<π/2に収まっている。本願にあっては、低周波としての200Hz以下の振動の制御を試みるべく、図3に示すように、150Hz付近の振動の位相差wτを−π/2<wτ<π/2に調整した。因みに、200Hzを超える周波数については、図4に示すように、アナログ回路12を構成するローパスフィルタを用いて、緩やかにレベルを落とすように調整した。
位相及び振幅の調整後、窓ガラスGの中央の共振周波数であった70Hzの純音、及び70Hzから200Hzまでの複合音に対して能動制御を行った。制御前と制御後を比較した制御結果を図5、6に示す。制御対象の70Hzでは、図5に示すように、20dBの減少が得られた。制御対象である70Hzから200Hzでは、図6に示すように、平均で5dB、減少量が最大となった70Hzでは20dBの減少が得られた。以上より、純音でも複合音でも、それぞれの周波数で同程度の減少量が得られていることがわかる。
次に、制御帯域において最も減衰量が多かった周波数(70Hz)の純音を対象に制御を行った際の窓ガラスGのガラス面の振動分布を測定した。図7に、ガラス面の1/4について16点で制御前後の振動加速度レベルを示す。能動制御によって16点中15点で減少が得られた。減少した15点のうち、7点では10dB以上の減少が得られ、16点の減少平均は、9dBであった。増加した1点は、振動の節の位置であり、1dBの増加に留まった。当該結果から、窓ガラスGのガラス面の上下左右の中央(中心点)にピックアップ11及び加振器14を配置した場合、一台の加振器14にて窓ガラス全面の振動低減が可能であるといえる。
〔実施例2〕
当該実施例2は、窓ガラスGの厚みを3mmとし、ピックアップ11及び加振器14を、窓ガラスGのガラス面に直交する方向視で、ガラス面の水平方向で中央位置で且つ鉛直方向で上端位置に配設した場合の実施例である。当該実施例2では、ピックアップ11として、PV−41を使用し、加振器14としては、Vp604を使用した。
図8は、ピックアップ11にて計測される振動加速度の位相と、加振器14へ入力される調整信号の位相との位相差wτを示すグラフ図であり、〔実施例1〕と比較して40Hz付近の位相の進みがやや大きいものの、位相差wτについては概ね同様の傾向が見られた。1000Hz以下では、40Hz及び85Hz付近の一部の周波数を除き、加振器14の位相差wτは−π/2<wτ<π/2に収まっている。
しかし、本研究では200Hz以下の振動の制御を試みるため、40Hz及び85Hz付近の振動の位相を−π/2<wτ<π/2に調整する必要がある。また、位相差wτを−π/2<wτ<π/2にすることが困難な高周波振動については、加振器14への調整信号のレベルを落とすよう試みた。
85Hz付近の位相差wτは−π/2<wτ<π/2となるように調整を行った。当該実施例2では、160Hzから緩やかにレベルを落とすローパスフィルタ(6dB/oct)を用いて位相及びレベルの調整を行った。図9に結果を示す。π/2以上の位相差wτが生じた40Hz及び85Hzについて、85Hz付近については位相差wτが−π/2<wτ<π/2に調整できていることがわかる。一方で40Hz付近についても調整を試みたが、本実験に用いたアナログフィルタでは位相差wτを−π/2<wτ<π/2に調整することは困難であった。40Hz付近についてレベルを落とすことについても試みたが、レベルを落とすと周辺周波数の位相差wτが増加するため、レベルを落とす調整も困難であった。
位相及び振幅の調整後、窓ガラスGの中央の共振周波数であった78Hzの純音、及び50〜200Hzの複合音に対してガラス面の水平方向で中央位置で且つ鉛直方向で上端位置で能動制御を行った。制御前と制御後を比較した制御結果を図10、11に示す。78Hzでは、図10に示すように、わずかな減少が得られた。また、40Hz付近で、制御後が制御前に比べ増加しているが、これは位相差wτがπ/2以上の位相差wτが生じているためと考えられる。
制御対象である50Hzから200Hzでは、図11に示すように、平均で3.5dB、減少量が最大となった130Hzでは9dBの減少が得られた。
次に、130Hzの純音を対象に制御を行った際のガラス面の振動分布を測定した。図12に、ガラス面の1/4について16点で制御前後の振動加速度レベルを示す。能動制御によって16点中13点で減少が得られた。減少した15点のうち2点では10dB以上の減少が得られ、16点の減少平均は4dBであった。増加してしまった3点は振動の節の位置であり、最も増加した位置の増加量は6dBであった。この結果から、ガラス面の水平方向で中央位置で且つ鉛直方向で上端位置においても一定の制御効果が得られた。
しかし、ガラス面全体の制御を考慮すると、ガラス面中央で制御を行う方がより有効であると考えられる。
即ち、〔実施例1〕及び〔実施例2〕の比較により、ピックアップ11及び加振器14は、窓ガラスGの左右上下中央に配置することが、低周波の騒音低減の上では、好ましいと言える。
〔実施例3〕
当該実施例3は、窓ガラスGの厚みを5mmとし、ピックアップ11及び加振器14を、窓ガラスGのガラス面に直交する方向視で、ガラス面の水平方向及び鉛直方向の双方での中央位置(中心点に相当)に配設した場合の実施例である。当該実施例3では、ピックアップ11として、PV−41を使用し、加振器14としては、VP604を使用した。
図13は、ピックアップ11にて計測される振動加速度の位相と、加振器14へ入力される調整信号の位相との位相差wτを示すグラフ図であり、1000Hz以下では、110Hz、250Hz付近の一部の周波数を除き、位相差wτは−π/2<wτ<π/2に収まっている。本願にあっては、低周波としての200Hz以下の振動の制御を試みるべく、図14に示すように、110Hz付近の振動の位相を−π/2<wτ<π/2に調整する必要がある。また、位相差wτを−π/2<wτ<π/2にすることが困難な200Hzを超える高周波振動については、ローパスフィルタ(6dB/Oct)を用いて、加振器14への調整信号のレベルを落とすよう試みた。
π/2以上の位相差wτが生じた110Hz及び250Hz付近について、位相差wτが−π/2<wτ<π/2に調整できていることがわかる。なお、3mmガラスの際と比較して、高範囲に渡って位相差wτを−π/2<wτ<π/2に調整することは、結果的にはできたものの非常に困難であった。
位相及び振幅の調整後、窓ガラスGのガラス面の水平方向及び鉛直方向の双方での中央位置の共振周波数であった50Hzの純音、50〜200Hzの複合音に対してガラス中央で能動制御を行った。制御前と制御後を比較した制御結果を、図15、図16に示す。
制御対象である50Hzでは、図15に示すように、5dBの減少が得られた。50Hzから200Hzでの複合音では、図16に示すように、平均で5dB、減少量が最大となった109Hzでは16dBの減少が得られた。一方で、制御帯域の中で80Hz付近や200Hz付近を含む多くの帯域では減少がほとんど得られなかった。この原因は位相差wτがπ/2に近かった周波数が多かったためと考えられる。
次に、周波数109Hzの純音を対象に制御を行った際の窓ガラスGのガラス面の振動分布を測定した。図17に、ガラス面の1/4について16点で制御前後の振動加速度レベルを示す。能動制御によって16点中全ての点で10dB以上の減少が得られた。16点の減少平均は14dBであった。3mm厚のガラスにおけるガラス面中央における制御結果(平均9dB)と比較して、本条件では減少量が大きく節の位置及び腹の位置に関係なく同様の減少量が得られた。この原因については今回制御対象とした109Hzは、縦方向にきれいなモードができるシンプルな振動であったため、落としやすかったのではないかと思われる。この結果から、本条件においても加振器1台でガラス面全体の振動低減が可能であると考えられる。
〔別実施形態〕(1)上記実施形態では、振動加速度測定部としてのピックアップ11と、加振器14とは、窓ガラスGを挟む状態で、個別に設けられる構成例を示した。
しかしながら、窓ガラスGのガラス面の一方側に、ピックアップ11と加振器14との双方を設ける構成を採用しても構わない。
また、ピックアップ11と加振器14とは別体でなく、一体としても構わない。
(2)上記実施形態にあっては、信号調整部としてのアンプ13と、位相調整部としてのアナログ回路12とは、別体として設ける構成例を示したが、両者は、一体として設けても構わない。
(3)上記実施形態において、剛体として仮定できる材料は、窓ガラスである例を示した。しかしながら、剛体と仮定できる材料からなるものであれば、いかなるものも対象となり得、例えば、屋内と屋外を仕切る建物の外壁や内壁も対象となり得る。
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明の能動振動制御装置、及び能動振動制御方法は、騒音の低減を良好に実現できると共に、比較的シンプルで経済性の高い能動振動制御装置、及び能動振動制御方法として、有効に利用可能である。
11 :ピックアップ
12 :アナログ回路
13 :アンプ
14 :加振器
100 :能動振動制御装置
F :加振圧力
G :窓ガラス
wτ :位相差

Claims (5)

  1. 騒音が伝播する剛体と仮定できる材料の振動を低減する能動振動制御装置であって、
    前記材料の振動加速度A×eiwtを測定する振動加速度計測部と、
    前記振動加速度計測部にて計測された信号の位相を反転させると共に振幅の増減を行う信号調整部と、
    前記信号調整部にて調整された調整信号に基づいて前記材料を加振圧力Fにて加振する加振器と、
    前記振動加速度計測部にて計測される前記振動加速度A×e iwt と前記加振器へ入力される前記調整信号の位相とに遅延時間τが生じている場合において、前記振動加速度計測部にて計測される前記振動加速度A×eiwtの位相と前記加振器へ入力される前記調整信号の位相との位相差wτを、−π/2<wτ<π/2の範囲に調整するように事前に設定自在なアナログ回路から成る位相調整部とを備え、
    上述の各パラメータが以下の(式1)に示す関係を有することを特徴とする能動振動制御装置。
    F=−B×e−iwτ(A×eiwt+F) (式1)
    ただし、Bは、前記加振器による加振圧力Fの増幅係数で正数。
  2. 前記位相調整部は、少なくとも0Hz以上200Hz以下の低周波数の振動に対して、前記位相差wτを、−π/2<wτ<π/2の範囲に調整するよう設定される請求項1に記載の能動振動制御装置。
  3. 前記材料は、平面形状を有すると共に、平面に直交する方向視において中心点に対して点対称形状を有する平面状部材であり、
    前記振動加速度計測部及び前記加振器を、前記中心点に配設する請求項1又は2に記載の能動振動制御装置。
  4. 前記振動加速度計測部及び前記加振器は、一体に設けられている請求項1〜3の何れか一項に記載の能動振動制御装置。
  5. 騒音が伝播する剛体と仮定できる材料の振動を低減する能動振動制御方法であって、
    前記材料の振動加速度A×eiwtを計測する振動加速度計測部にて計測された信号の位相を反転させると共に振幅の増減を行う信号調整ステップと、
    前記信号調整ステップにて調整された調整信号に基づいて前記材料を加振器により加振圧力Fにて加振する加振ステップと、
    前記振動加速度計測部にて計測される前記振動加速度A×e iwt と前記加振器へ入力される前記調整信号の位相とに遅延時間τが生じている場合において、前記振動加速度計測部にて計測される前記振動加速度A×eiwtの位相と前記加振器に入力される前記調整信号の位相との位相差wτを、−π/2<wτ<π/2の範囲に調整するようにアナログ回路にて事前に設定する位相調整ステップとを有し、
    上述の各パラメータが以下の(式1)に示す関係を有することを特徴とする能動振動制御方法。
    F=−B×e−iwτ(A×eiwt+F) (式1)
    ただし、Bは、前記加振器による加振圧力Fの増幅係数で正数
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