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JP6986751B2 - 柱梁接合構造 - Google Patents
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Description

本発明は、冷間ロール成形の角形鋼管により構成される柱部と、H形鋼により構成される梁部と、熱間成形の角形鋼管により構成され、前記柱部と前記梁部との接続部分となるノンダイアフラム形式の仕口部と、を備える柱梁接合構造に関するものである。
従来、この種の柱梁接合構造物は、複数の鋼管を溶接結合することにより構成されており、その際に溶接結合として、例えば、通しダイアフラム形式、内ダイアフラム形式等の接合形式がある。
しかしながら、これら通しダイアフラム形式、内ダイアフラム形式等の接合形式によると、組立て工数(溶接箇所)が多く、且つ溶接長さが長くなるため、全体の作業が複雑化するという問題点があった。
そこで、このような問題点を解決したものとして、柱部と梁部との接続部分となる仕口部に熱間成形により成形した厚肉の短尺角形鋼管を採用したノンダイアフラム形式の柱梁接合構造物が提供されている(例えば、特許文献1)。すなわち、所定の板厚の長尺角形鋼管と、この長尺角形鋼管よりも板厚が厚く且つ仕口部を形成する長さの半成形短尺角形鋼管とを、それぞれ冷間成形で製造する。そして、半成形短尺角形鋼管を加熱炉において加熱した後、熱間成形して短尺角形鋼管を製造する。このようにして得た長尺角形鋼管と短尺角形鋼管とをアーク溶接等で溶接結合することで角形鋼管柱を得る。
このような熱間成形により得た厚肉の短尺角形鋼管を採用した柱梁接合構造物によると、組立て工数を削減できるとともに溶接長さを短くでき、全体の作業が簡略化できる。
特開2003−268877号公報
しかしながら、特許文献1の柱梁接合構造においては、柱部と梁部との接続部分となる仕口部に地震等による外力が加わると梁部の接合端部に大きな応力やひずみが集中し、梁部の接合端部の損傷や梁部の押し込みによる仕口部の変形が生じる場合がある。そして、特許文献1の柱梁接合構造のようなノンダイアフラム形式の架構においては、当該仕口部の変形が、通しダイアフラム形式の架構或いは内ダイアフラム形式の架構において生じる当該仕口部の変形と比べて大きいという問題がある。すなわち、特許文献1の柱梁接合構造のようなノンダイアフラム形式の架構においては、その剛性が、通しダイアフラム形式の架構或いは内ダイアフラム形式の架構の剛性と比べて小さいという問題がある。
そこで、本発明は、ノンダイアフラム形式の架構において、通しダイアフラム形式の架構或いは内ダイアフラム形式の架構と同程度の剛性を有する柱梁接合構造を提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上であり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、本発明の柱梁接合構造は、冷間ロール成形の角形鋼管により構成される柱部と、一対のフランジと、前記フランジを連結するウェブと、を有するH形鋼により構成される梁部と、熱間成形の角形鋼管により構成され、前記柱部と前記梁部との接続部分となるノンダイアフラム形式の仕口部と、を備える柱梁接合構造であって、前記仕口部の両側における開口端部の端面に、前記柱部が溶接接合されるとともに、その両端の開口端部の内側に、四角形状の補強板材が、前記開口端部の端面と面一となるように溶接接合され、前記梁部は、前記フランジの一端側が前記ウェブの一端側より短く形成され、前記仕口部の側面に溶接接合される前記梁部によって前記フランジの一端側の端面と、前記仕口部の側面との間に形成される間隙に、平板状の水平ハンチを設け、前記水平ハンチは、その一端面が前記フランジの一端側の端面に溶接接合され、その他端面が、その両端のそれぞれを、前記仕口部の隅角部分の頂点と、前記頂点を含む隅角部分のR止まりと、の中間位置に配置して、前記仕口部の側面に溶接接合され、前記水平ハンチが溶接接合される前記フランジの一端側の端面と、前記仕口部の側面との間の間隙は、前記仕口部の外径と前記フランジの幅との差に基づいて形成されるものである。
本発明の柱梁接合構造は、上記の柱梁接合構造において、前記柱部及び前記仕口部は、前記柱部の外径Bと仕口部の板厚tpとの比が10≦B/tp≦15となるように成形され、前記仕口部の隅角部分の外側曲率半径が前記仕口部の板厚の1.5倍から2.5倍に成形されるものである。
本発明の柱梁接合構造によれば、仕口部の外径とフランジの幅との差に基づいて形成されるフランジの一端側の端面と、仕口部の側面との間の間隙に、平板状の水平ハンチを設けることから、架構の剛性を大きくすることができ、通しダイアフラム形式の架構或いは内ダイアフラム形式の架構と同程度の剛性を有するノンダイアフラム形式の架構を構成することができる。ノンダイアフラム形式を採用した建物の構造設計において、梁の梁端部を剛接合としてモデル化することができる。
本発明に係る柱梁接合構造の要部の一部切り欠き斜視図である。 本発明に係る柱梁接合構造の要部の縦断正面図である。 本発明に係る柱梁接合構造の要部の横断平面図である。 本発明に係る柱梁接合構造の柱シャフトと仕口コアの組み合わせの適否図表である。 本発明に係る柱梁接合構造の柱シャフトと仕口コアとの重なりを示す平面図である。 FEM解析に用いた柱梁接合構造の解析モデルを示す概要図である。 (a)は、FEM解析に用いたGeneral Yield法の概要図、(b)は、FEM解析の結果により求められる荷重変形曲線である。 比較例1の全塑性耐力時におけるMises応力図であり、(a)は外観、(b)は内観を示す図である。 比較例1の最終ステップ時(R=1/10rad時)におけるMises応力図であり、(a)は外観、(b)は内観を示す図である。 比較例2の全塑性耐力時におけるMises応力図であり、(a)は外観、(b)は内観を示す図である。 比較例2の最終ステップ時(R=1/10rad時)におけるMises応力図であり、(a)は外観、(b)は内観を示す図である。 比較例3の全塑性耐力時におけるMises応力図であり、(a)は外観、(b)は内観を示す図である。 比較例3の最終ステップ時(R=1/10rad時)におけるMises応力図であり、(a)は外観、(b)は内観を示す図である。 実施例1の全塑性耐力時におけるMises応力図であり、(a)は外観、(b)は内観を示す図である。 実施例1の最終ステップ時(R=1/10rad時)におけるMises応力図であり、(a)は外観、(b)は内観を示す図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。まず、本発明に係る柱梁接合構造10について説明する。なお、本発明は、以下に説明する柱梁接合構造10に限定されるものではない。
図1に示すように、柱梁接合構造10は、上下方向に延設される上下の柱シャフト11A、11B(「柱部」の一例)と、上下の柱シャフト11A、11Bの間に配設される仕口コア12(「仕口部」の一例)と、仕口コア12の四方に向く外側面にその一端部が固定され、水平方向に延びて設けられる梁13(「梁部」の一例)と、から構成される。
図1から図3に示すように、上下の柱シャフト11A、11Bは、ブレークダウン装置、フィンパス装置等の成形手段により冷間ロール成形した長尺の角形鋼管である。上下の柱シャフト11A、11Bは、その外径Bが200mmから550mmであり、その板厚tcが9mmから25mmである。上下の柱シャフト11A、11Bは、その隅角部分11aの外側曲率半径が上下の柱シャフト11A、11Bの板厚tcの2.0倍から3.0倍となるように成形される。図2に示すように、上下の柱シャフト11A、11Bは、切削加工装置等の加工手段によりその端部の外側部分を切削加工することで、所定角度の開先部11bが形成される。上下の柱シャフト11A、11Bは、その端部に四角リング状の裏当て金15が内嵌されて溶接16により固定される。
仕口コア12は、加熱炉等の加熱手段により加熱され、成形ロール装置等の成形手段により熱間成形した短尺の角形鋼管である。図1から図3に示すように、仕口コア12は、上下の柱シャフト11A、11Bと梁13との接続部であり、ノンダイアフラム形式により構成される。仕口コア12は、その長手方向(鉛直方向)の長さLが、溶接接合される梁13の高さD(フランジ13a間の高さ)より長くなるように成形される。仕口コア12は、その外径Bpが220mmから575mmであり、そのパネル12aの板厚tpが19mmから50mmである。仕口コア12は、その隅角部分12bの外側曲率半径が仕口コア12のパネル12aの板厚tpの1.5倍から2.5倍に成形される。ここで、仕口コア12の隅角部分12bの外側曲率半径とは、図5(a)に示すように、仕口コア12における隣り合う内側面と外側面を直交する辺と45度の角度をなす線と隅角部分12bの外側の交点での曲率半径をいう。
図1及び図2に示すように、柱梁接合構造10においては、上下の柱シャフト11A、11Bと、仕口コア12と、が直線状に位置させるように形成される。具体的には、下側の柱シャフト11Bの上端部に仕口コア12の下端部が配置され、上側の柱シャフト11Aの下端部に仕口コア12の上端部が配置される。そして、上下の柱シャフト11A、11Bの内部に位置させた裏当て金15の外側面を仕口コア12のパネル12aの端面12cに当接させた状態で、上下の柱シャフト11A、11Bと仕口コア12とを外側から溶接17により接合する。柱梁接合構造10においては、上下の柱シャフト11A、11Bの端面が仕口コア12の端面12cに載置可能となるように、仕口コア12の外径Bpが上下の柱シャフト11A、11Bの外径Bより所定の長さで長く設定されている。
図1から図3に示すように、梁13は、H形鋼から形成され、対向する2枚の平板状のフランジ13aと、対向するフランジ13aの間に形成されるウェブ13bと、から構成される。梁13は、フランジ13aが上下方向に対向した位置となり、且つウェブ13bの一端面が仕口コア12のパネル12aに沿って当接するように、仕口コア12に溶接接合される。
フランジ13aは、その長手方向の一端側に開先部13cが形成されるとともに、その開先部13cが形成される一端側がウェブ13bの長手方向の一端側(仕口コア12のパネル12aに当接する側)より短く形成されている。すなわち、フランジ13aは、その長手方向の長さがウェブ13bの長手方向の長さより短く形成されている。フランジ13aの一端側がウェブ13bの一端側より短く形成されることで、梁13をパネル12a(仕口コア12の側面)に溶接接合した際に、フランジ13aの一端側の端面と、パネル12a(仕口コア12の側面)との間に間隙Kが形成される。すなわち、間隙Kは、梁13におけるパネル12aとの溶接接合側の梁端に形成される。
間隙Kは、梁13をパネル12aに溶接接合した場合におけるフランジ13aの一端側の開先部13cの先端から、梁13が溶接接合されるパネル12aの側面までの水平方向の間隙であり、仕口コア12の外径Bpとフランジ13aの幅W(フランジ13aの長手方向に対して水平に直交する方向の長さ)との差(Bp−W)に基づいて形成される。すなわち、フランジ13aの幅Wが仕口コア12の外径Bpより短くなるにつれて間隙Kが広く形成され、フランジ13aの幅Wが仕口コア12の外径Bpに近づくにつれ間隙Kが狭く形成される。
図1から図3に示すように、柱梁接合構造10においては、仕口コア12の側面に溶接接合される梁13によってフランジ13aの一端側の端面と、仕口コア12の側面との間に形成される間隙Kに、水平ハンチ30が設けられる。水平ハンチ30は、その一端面がフランジ13aの一端側の端面に溶接接合され、その他端面がパネル12a(仕口コア12の側面)に溶接接合される。具体的には、水平ハンチ30の一端側とフランジ13aの一端側に裏当て金31を当接させた状態で水平ハンチ30とフランジ13aとを溶接32により接合する。また、水平ハンチ30の他端側と仕口コア12の側面(パネル12a)に裏当て金33を当接させた状態で水平ハンチ30とパネル12aとを溶接34により接合する。
水平ハンチ30は、平板状の部材により構成される。水平ハンチ30は、略長方形状に形成され、その幅方向の長さ(水平ハンチ30の長手方向に対して水平に直交する方向の長さ)が間隙Kの長さに対応して設定される。水平ハンチ30は、その長手方向の長さが仕口コア12の側面における平板部の幅方向の長さ(仕口コア12の各側面の両端の2つのR止まりR間の長さ)より若干長く設定される。具体的には、水平ハンチ30は、その他端面が仕口コア12の側面に溶接接合される際に、その両端のそれぞれを、仕口コア12の隅角部分12bの頂点Rと、その頂点Rを含む隅角部分12bのR止まりRと、の中間位置R(頂点RとR止まりRとの間の曲線の中間位置)に配置可能な長さに、その長手方向の長さが設定される。ここで、図3に示すように、仕口コア12の隅角部分12bの頂点Rとは、仕口コア12の隅角部分12bの外径側面と仕口コア12の対角線Tとが交わる位置をいう。また、隅角部分12bのR止まりRとは、隅角部分12bの外径側面であって隅角部分12bの湾曲部分が終了する位置(仕口コア12の側面における平板部が開始する位置)をいう。
仕口コア12は、その両端部分の内側に水平スチフナ18(「補強板材」の一例)が溶接接合される。水平スチフナ18は、仕口コア12の内径と同程度の四角形状の金属平板である。水平スチフナ18は、その平面部分が仕口コア12のパネル12aの端面12cと面一となるように配置され、仕口コア12の両側の開口部分を塞ぐように仕口コア12の内面に溶接接合される。すなわち、水平スチフナ18は、内ダイアフラムとは異なるものであり、内ダイアフラムのように、仕口コア12の内部であって、その平面部分が仕口コア12に固定される梁13のフランジ13aの平面部分と面一となるように配置されるものではなく、梁13のフランジ13aの平面部分より仕口コア12のパネル12aの端面12c側に配置される。仕口コア12の両端部分の内側に水平スチフナ18を設けることで、梁13の押し込みによる仕口コア12のパネル12aの変形を防止することができ、仕口コア12のパネル12aの端面12cから梁13のフランジ13aの上下面との間の高さX(仕口コア12の余長)を短くすることができる。具体的には、仕口コア12の両端部分の内側に水平スチフナ18を設けることで、仕口コア12の余長を(上下の柱シャフト11A、11Bの外径B)/4とすることができる。
水平スチフナ18を仕口コア12に溶接接合する場合には、まず、水平スチフナ18をその平面部分が仕口コア12のパネル12aの端面12cと面一となるように、仕口コア12の両側の開口部分に配置する。そして、水平スチフナ18を仕口コア12の両側の開口部分に配置した状態で、パネル12aの端面12c側の端部と、水平スチフナ18の外側端部(上下の柱シャフト11A、11Bが設けられる側の端部)と、を所定の厚さで、仕口コア12の幅方向に切削する。このようにパネル12a及び水平スチフナ18を切削することで、水平スチフナ18の平面部分と、仕口コア12のパネル12aの端面12cとがより精度よく面一となり、裏当て金15の取り付けを精度よく容易に行うことができる。
次に、上下の柱シャフト11A、11B及び仕口コア12の選定方法について説明する。
柱梁接合構造10に用いる上下の柱シャフト11A、11B及び仕口コア12を選定するに際しては、まず、上下の柱シャフト11A、11Bの外径B及び仕口コア12の外径Bpを設定する。柱梁接合構造10においては、上下の柱シャフト11A、11Bの端面が仕口コア12の端面12c上に載置されるように、上下の柱シャフト11A、11Bの外径B及び仕口コア12の外径Bpが設定される。具体的には、仕口コア12の外径Bpが上下の柱シャフト11A、11Bの外径Bより長くなるように設定され、外径200mmから350mmの上下の柱シャフト11A、11Bを用いて柱梁接合構造10を形成する場合には、その外径Bpが上下の柱シャフト11A、11Bの外径Bより20mm長い仕口コア12を用い、外径400mmから550mmの上下の柱シャフト11A、11Bを用いて柱梁接合構造10を形成する場合には、その外径Bpが上下の柱シャフト11A、11Bの外径Bより25mm長い仕口コア12を用いる。
上下の柱シャフト11A、11Bの外径B及び仕口コア12の外径Bpが設定されると、上下の柱シャフト11A、11Bの板厚tc及び仕口コア12のパネル12aの板厚tpが設定される。具体的には、図4の表に基づいて、上下の柱シャフト11A、11Bの板厚tcと、仕口コア12のパネル12aの板厚tpとの組み合わせの適否を判断する。上下の柱シャフト11A、11Bの板厚tcと、仕口コア12のパネル12aの板厚tpとの組み合わせの適否は、上下の柱シャフト11A、11Bの外径Bと仕口コア12の板厚tpとの比が10≦B/tp≦15となる適用範囲に基づいて判断される。すなわち、上下の柱シャフト11A、11Bの板厚tcと、仕口コア12のパネル12aの板厚tpとの組み合わせが、当該適用範囲内にあるか否かにより判断される。図4に示す表の〇印は、上下の柱シャフト11A、11Bの板厚tcと、仕口コア12のパネル12aの板厚tpとの組み合わせが適用範囲内であることを示し、上下の柱シャフト11A、11Bと、仕口コア12との接合部に断面の食い違いが生じない組み合わせであることを意味する。一方、図4に示す表の×印は、上下の柱シャフト11A、11Bの板厚tcと、仕口コア12のパネル12aの板厚tpとの組み合わせが適用範囲外であることを示し、上下の柱シャフト11A、11Bと、仕口コア12との接合部に断面の食い違いが生じる組み合わせであることを意味する。
具体的には、上下の柱シャフト11A、11Bの外径Bを250mm、仕口コア12の外径Bpを270mmに設定した場合に、板厚tcが9mmの上下の柱シャフト11A、11Bと組み合わせ可能な仕口コア12は、パネル12aの板厚tpが19mm、22mm、25mmの仕口コア12である。同様に、上下の柱シャフト11A、11Bの外径Bを250mm、仕口コア12の外径Bpを270mmに設定した場合に、板厚tcが12mmの上下の柱シャフト11A、11Bと組み合わせ可能な仕口コア12は、パネル12aの板厚tpが22mm、25mmの仕口コア12であり、パネル12aの板厚tpが19mmの仕口コア12は組み合わせ不可となる。
このように、仕口コア12の外径Bpを、上下の柱シャフト11A、11Bの外径Bより長くなるように設定した上で、上下の柱シャフト11A、11Bの板厚tcと、仕口コア12のパネル12aの板厚tpとの組み合わせを上記適用範囲内で設定することにより、柱梁接合構造10は、上下の柱シャフト11A、11Bの外径Bと仕口コア12の板厚tpとの比が10≦B/tp≦15となるように成形されるとともに、仕口コア12の隅角部分12bの外側曲率半径を上下の柱シャフト11A、11Bの隅角部分11aの外側曲率半径に合わせて大きくすることなく、上下の柱シャフト11A、11Bの端面が仕口コア12の端面12c上に載置されるように成形される。
具体的には、外径Bが400mm、板厚tcが16mm又は19mmの上下の柱シャフト11A、11Bを用いる場合には、外径Bpが柱シャフト11A、11Bの外径Bより25mm長い425mmの仕口コア12であって、パネル12aの板厚tpが32mmから40mmのものを用いれば、図5(a)及び(b)に示すように、上下の柱シャフト11A、11Bの端面が仕口コア12の端面12c上に載置されるように成形される。また、外径Bが450mm、板厚tcが22mmの上下の柱シャフト11A、11Bを用いる場合には、外径Bpが柱シャフト11A、11Bの外径Bより25mm長い475mmの仕口コア12であって、パネル12aの板厚tpが36mmから45mmのものを用いれば、図5(c)に示すように、上下の柱シャフト11A、11Bの端面が仕口コア12の端面12c上に載置されるように成形される。さらに、外径Bが500mm、板厚tcが25mmの上下の柱シャフト11A、11Bを用いる場合には、外径Bpが柱シャフト11A、11Bの外径Bより25mm長い525mmの仕口コア12であって、パネル12aの板厚tpが40mmから50mmのものを用いれば、図5(d)に示すように、上下の柱シャフト11A、11Bの端面が仕口コア12の端面12c上に載置されるように成形される。
次に、本発明の効果をFEM解析によって確認したため、これについて以下の実施例で説明する。
以下の実施例においては、柱梁接合構造10における上下の柱シャフト11A、11Bを□−400×400×16(R=40)、耐力324.5N/mm、引張強さ400N/mm、F値295N/mm、E値205000N/mm、ν値0.3、BCR295の冷間ロール成形の角形鋼管で構成し、梁13をH−488×300×11×18、耐力258.5N/mm、引張強さ400N/mm、F値235N/mm、E値205000N/mm、ν値0.3、SN400BのH形鋼で構成した通しダイアフラム形式或いはノンダイアフラム形式の十字形架溝(試験体)についてFEM解析を行った。
また、柱梁接合構造10を通しダイアフラム形式で構成した十字形架溝(試験体)を比較例1とし、柱梁接合構造10をノンダイアフラム形式で構成した十字形架溝(試験体)を比較例2、比較例3、実施例1とした。
なお、ダイアフラム形式の比較例1における仕口コア12のパネル12aは、□−400×400×16(R=40)、耐力324.5N/mm、引張強さ400N/mm、F値295N/mm、E値205000N/mm、ν値0.3、BCR295の冷間ロール成形の角形鋼管で構成し、ダイアフラムは、耐力357.5N/mm、引張強さ490N/mm、F値325N/mm、E値205000N/mm、ν値0.3、SN490Cの板材で構成した。
また、ノンダイアフラム形式の比較例2、比較例3、実施例1における仕口コア12のパネル12aは、□−425×425×32(R=64)、耐力357.5N/mm、引張強さ490N/mm、F値325N/mm、E値205000N/mm、ν値0.3、SHC490Cの熱間成形の角形鋼管で構成し、水平スチフナ18は、耐力357.5N/mm、引張強さ490N/mm、F値325N/mm、E値205000N/mm、ν値0.3、SN490Bの板材で構成し、パネル12aの余長は、(上下の柱シャフト11A、11Bの外径B)/4とした。
さらに、ノンダイアフラム形式の比較例2は、パネル12aの両端部分の内側に水平スチフナ18を溶接接合したものとし、比較例3は、パネル12aの両端部分の内側に水平スチフナ18を溶接接合するとともに、パネル12aの中間部に2枚の水平スチフナ18を設置したものとし、実施例1は、パネル12aの両端部分の内側に水平スチフナ18を溶接接合するとともに、梁13をパネル12a(仕口コア12の側面)に溶接接合した際に形成される間隙Kに水平ハンチ30を設置したものとした。
図6に示すように、本実施例においては、上記試験体を1/2対称モデルでモデル化を行った。パネル12a、上下の柱シャフト11A、11B、梁13の部材端部から部材中央までは8節点ソリッド要素(完全積分要素)でモデル化し、部材中央から部材先端までは2節点梁要素(線形材料要素)でモデル化した。梁要素とソリッド要素の接続は、接続位置で平面保持が成立するように、梁要素端接点を独立節点とし、ソリッド要素フェース節点を従属節点に設定した。拘束条件としては、ソリッド要素部は対称面で面外方向への変位を拘束し(U=0)、梁要素部は面外変位、面外方向への回転及び捩れ回転を拘束し(U=0、θ=0、θ=0)、加力点以外の梁要素先端は、材軸方向自由とするローラ支持を行う(梁13:U=0、上下の柱シャフト11A、11B:U=0)。解析は材料幾何学的非線形を考慮し、上部の柱シャフト11Aの先端位置での変位制御による増分解析とした(層間変形角で1/10radまで)。
図7及び表1に示すFEM解析結果における全塑性耐力は、General Yield法(図7(a))によって算出した。
Figure 0006986751
図8から図15は、Mises応力度にて235N/mm以上の応力(卓越応力)が生じている範囲のみを模様で表示させた。
図7(b)及び表1に示すように、全塑性耐力を含め終局耐力は、比較例1から3及び実施例1の試験体によらずほぼ同様の結果となった。このように、各試験体の耐力がほぼ同程度の値となったのは、各試験体が、共通して、架構の耐力が梁13の曲げ耐力で決定される梁先行降伏型の崩壊形となるためである。
表1に示すように、比較例2の試験体(パネル12aの両端部分(頂部分及び底部分)の内側のみに水平スチフナ18を設けたノンダイアフラム形式の架構)は、比較例1の試験体(通しダイアフラム形式の架構)より剛性が小さくなった。また、比較例3の試験体(パネル12aの両端部分の内側に水平スチフナ18を溶接接合するとともに、パネル12aの中間部に2枚の水平スチフナ18を設置したノンダイアフラム形式の架構)は、比較例1の試験体(通しダイアフラム形式の架構)とほぼ同程度の剛性であった。
図10、11(比較例2)及び図12、13(比較例3)より、水平スチフナ18に生じている応力を比較することから分かるように、比較例3の剛性が比較例2の剛性より大きくなった(比較例3の剛性が比較例1の剛性とほぼ同程度であった)のは、パネル12aの中間部に設けた水平スチフナ18が作用しているためである。
また、実施例1の試験体(パネル12aの両端部分の内側に水平スチフナ18を溶接接合するとともに、梁13をパネル12a(仕口コア12の側面)に溶接接合した際に形成される間隙Kに水平ハンチ30を設置したノンダイアフラム形式の架構)は、比較例3と同様に、比較例1の試験体(通しダイアフラム形式の架構)とほぼ同程度の剛性であった。
図10、図11(比較例2)及び図14、図15(実施例1)より、パネル12aに生じている応力を比較することから分かるように、実施例1の剛性が、比較例3と同様に、比較例1の剛性とほぼ同程度であった(実施例1の剛性が比較例2の剛性より大きくなった)のは、水平ハンチ30を間隙K(梁端)に設けることで、パネル12aに生じる応力が小さくなり、パネル12aの側面の面外変形が小さくなったためである。
以上のように、柱梁接合構造10においては、仕口コア12の外径Bpとフランジ13aの幅Wとの差(Bp−W)に基づいて形成されるフランジ13aの一端側の端面と、仕口コア12の側面(パネル12a)との間の間隙K(梁13におけるパネル12aとの溶接接合側の梁端)に、平板状の水平ハンチ30を設けることから、架構の剛性を大きくすることができ、通しダイアフラム形式の架構或いは内ダイアフラム形式の架構と同程度の剛性を有するノンダイアフラム形式の架構を構成することができる。すなわち、ノンダイアフラム形式を採用した建物の構造設計において、梁13の梁端部を剛接合としてモデル化して構造計算することができる。
柱梁接合構造10においては、パネル12aの両端部分の内側に加えて、パネル12aの中間部に水平スチフナ18を設けることで、架構の剛性を大きくすることができ、通しダイアフラム形式の架構或いは内ダイアフラム形式の架構と同程度の剛性を有するノンダイアフラム形式の架構を構成することができる。すなわち、ノンダイアフラム形式を採用した建物の構造設計において、梁13の梁端部を剛接合としてモデル化して構造計算することができる。
10 柱梁接合構造
11A、11B 柱シャフト(柱部)
12 仕口コア(仕口部)
12b 隅角部分
13 梁(梁部)
13a フランジ
13b ウェブ
18 水平スチフナ(補強板材)
30 水平ハンチ
Bp 仕口コアの外径
K 間隙
R止まり
頂点
中間位置
W フランジの幅

Claims (2)

  1. 冷間ロール成形の角形鋼管により構成される柱部と、
    一対のフランジと、前記フランジを連結するウェブと、を有するH形鋼により構成される梁部と、
    熱間成形の角形鋼管により構成され、前記柱部と前記梁部との接続部分となるノンダイアフラム形式の仕口部と、
    を備える柱梁接合構造であって、
    前記仕口部の両側における開口端部の端面に、前記柱部が溶接接合されるとともに、その両端の開口端部の内側に、四角形状の補強板材が、前記開口端部の端面と面一となるように溶接接合され、
    前記梁部は、前記フランジの一端側が前記ウェブの一端側より短く形成され、
    前記仕口部の側面に溶接接合される前記梁部によって前記フランジの一端側の端面と、前記仕口部の側面との間に形成される間隙に、平板状の水平ハンチを設け、
    前記水平ハンチは、
    その一端面が前記フランジの一端側の端面に溶接接合され、
    その他端面が、その両端のそれぞれを、前記仕口部の隅角部分の頂点と、前記頂点を含む隅角部分のR止まりと、の中間位置に配置して、前記仕口部の側面に溶接接合され、
    前記水平ハンチが溶接接合される前記フランジの一端側の端面と、前記仕口部の側面との間の間隙は、前記仕口部の外径と前記フランジの幅との差に基づいて形成されること
    を特徴とする柱梁接合構造。
  2. 前記柱部及び前記仕口部は、
    前記柱部の外径Bと仕口部の板厚tpとの比が10≦B/tp≦15となるように成形され、
    前記仕口部の隅角部分の外側曲率半径が前記仕口部の板厚の1.5倍から2.5倍に成形されること
    を特徴とする請求項1に記載の柱梁接合構造。
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