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JP6988826B2 - 透明導電膜の形成方法及び電解メッキ用メッキ液 - Google Patents
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透明導電膜の形成方法及び電解メッキ用メッキ液 Download PDF

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Description

本発明は、透明導電膜の形成方法及び電解メッキ用メッキ液に関し、より詳しくは、導電性に優れ且つメッキ太りが抑制された透明導電膜を形成できる透明導電膜の形成方法及び電解メッキ用メッキ液に関する。
特許文献1には、印刷法によって形成された導電性細線パターンに電解メッキを施して透明導電膜を形成することが開示されている。
特開2015−012046号公報
しかし、特許文献1の技術には、導電性に優れ且つメッキ太りが抑制された透明導電膜を形成する観点で、更なる改善の余地が見出された。また、特許文献1には、このような課題をメッキ液の処方によって解決することは開示されていない。
そこで、本発明の課題は、導電性に優れ且つメッキ太りが抑制された透明導電膜を形成できる透明導電膜の形成方法及び電解メッキ用メッキ液を提供することにある。
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.
印刷法によって透明基材上に導電性細線からなる透明導電膜中間体を形成し、
次いで、前記透明導電膜中間体に電解メッキを施して透明導電膜を形成する透明導電膜の形成方法であって、
前記電解メッキに用いられるメッキ液に酸化剤が含有されている透明導電膜の形成方法。
2.
前記酸化剤は、過硫酸ナトリウム、塩化第二銅及び過酸化水素から選択された一種又は複数種である前記1記載の透明導電膜の形成方法。
3.
前記メッキ液の酸化還元電位が350mV〜700mV(vs Ag/AgCl)である前記1又は2記載の透明導電膜の形成方法。
4.
前記印刷法は、前記透明基材上に導電性材料を含むライン状液体を付与し、次いで、前記ライン状液体を乾燥させる過程で前記ライン状液体の縁に前記導電性材料を選択的に堆積させることによって、前記導電性細線を形成する前記1〜3の何れかに記載の透明導電膜の形成方法。
5.
酸化剤を含有する電解メッキ用メッキ液。
6.
前記酸化剤は、過硫酸ナトリウム、塩化第二銅及び過酸化水素から選択された一種又は複数種である前記5記載の電解メッキ用メッキ液。
7.
酸化還元電位が350mV〜700mV(vs Ag/AgCl)である前記5又は6記載の電解メッキ用メッキ液。
本発明によれば、導電性に優れ且つメッキ太りが抑制された透明導電膜を形成できる透明導電膜の形成方法及び電解メッキ用メッキ液を提供することができる。
導電性細線の形成方法の一例を説明する図 メッシュパターン形成の第一態様を説明する図 メッシュパターン形成の第二態様を説明する図 導電性細線の一例を概念的に示す断面図
以下に、本発明を実施するための形態について詳しく説明する。
1.透明導電膜の形成方法
本発明の透明導電膜の形成方法は、導電性細線により構成された透明導電膜中間体に電解メッキを施して透明導電膜を形成する。ここで、電解メッキに用いられるメッキ液に酸化剤が含有されていることによって、導電性に優れ且つメッキ太りが抑制された透明導電膜を形成できる効果が得られる。メッキ太りが抑制されることによって、例えば、低視認性(視認されにくい性質)や透明性等のような透明導電膜の光学特性等を向上することができる。
(1)透明導電膜中間体(導電性細線)の形成
基材上に導電性細線を形成することによって、導電性細線からなる透明導電膜中間体を形成することができる。基材上に導電性細線を形成する際には印刷法、特にコーヒーステイン現象を利用した印刷法が好適に用いられる。
〔印刷法〕
印刷法においては、導電性材料を含有するインクを基材上に付与して導電性細線を形成することができる。
印刷法は格別限定されず、例えば、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット法等が挙げられ、中でもインクジェット法が好ましい。インクジェット法におけるインクジェットヘッドの液滴吐出方式は格別限定されず、例えばピエゾ方式やサーマル方式等が挙げられる。
〔コーヒーステイン現象〕
印刷法においては、基材上に付与されたインクを乾燥させる際にコーヒーステイン現象を利用して導電性細線を形成することが好ましい。これについて、図1を参照して説明する。
まず、図1(a)に示すように、基材1上に、導電性材料を含むインクからなるライン状液体2を付与する。
次いで、ライン状液体2を乾燥させる過程でライン状液体2の縁に導電性材料を選択的に堆積させることによって、図1(b)に示すように、導電性細線3を形成することができる。この例では、ライン状液体2の長手方向に沿う両縁に導電性材料を選択的に堆積させることによって、一対の導電性細線3、3を形成している。ライン状液体2の線幅を均一に形成することによって、一対の導電性細線3、3を互いに平行に形成することができる。
導電性細線3の線幅は、ライン状液体2の線幅よりも細く、例えば20μm以下、15μm以下、更には10μm以下とすることができる。導電性細線3の線幅の下限は格別限定されないが、安定な導電性を付与する等の観点では、例えば1μm以上とすることができる。
一又は複数の導電性細線3によって種々のパターンを形成することができる。このようなパターンとして、例えばストライプパターンやメッシュパターン等が挙げられる。以下に、図2を参照してメッシュパターン形成の第一態様について説明し、次いで、図3を参照してメッシュパターン形成の第二態様について説明する。
〔メッシュパターン形成の第一態様〕
メッシュパターン形成の第一態様においては、まず、図2(a)に示すように、基材1上に、所定の間隔で並設された複数のライン状液体2を形成する。
次いで、図2(b)に示すように、ライン状液体2を乾燥させる際にコーヒーステイン現象を利用して、各々のライン状液体2から一対の導電性細線3、3を形成する。
次いで、図2(c)に示すように、先に形成された複数の導電性細線3と交差するように、所定の間隔で並設された複数のライン状液体2を形成する。
次いで、図2(d)に示すように、ライン状液体2を乾燥させる際にコーヒーステイン現象を利用して、各々のライン状液体2から一対の導電性細線3、3を形成する。以上のようにしてメッシュパターンを形成することができる。
図2の例では、ライン状液体2及び導電性細線3を直線にしているが、これに限定されない。ライン状液体2及び導電性細線3の形状は、例えば波線又は折線等であってもよい。
〔メッシュパターン形成の第二態様〕
メッシュパターン形成の第二態様においては、まず、図3(a)に示すように、基材1上に、基材1の長手方向(図中、上下方向)及び幅方向(図中、左右方向)に所定の間隔で並設された、複数の四角形を成すライン状液体2を形成する。
次いで、図3(b)に示すように、ライン状液体2を乾燥させる際にコーヒーステイン現象を利用して、各々のライン状液体2から、一対の導電性細線3、3からなる細線ユニットを形成する。かかる細線ユニットにおいて、導電性細線3、3は、一方(外側の導電性細線3)が他方(内側の導電性細線3)を内部に包含しており、同心状に形成されている。また、導電性細線3、3はそれぞれ、ライン状液体2の両縁(内周縁及び外周縁)の形状に対応して四角形を成している。
次いで、図3(c)に示すように、基材1上に、基材1の長手方向及び幅方向に所定の間隔で並設された、複数の四角形を成すライン状液体2を形成する。ここで、複数の四角形を成すライン状液体2は、先に形成された細線ユニットの間に挟まれる位置に形成される。ここでは、四角形を成すライン状液体2は、これに隣接する細線ユニットのうちの外側の導電性細線3と接触するが、内側の導電性細線3とは接触しないように配置されている。
次いで、図3(d)に示すように、ライン状液体2を乾燥させる際にコーヒーステイン現象を利用して、各々のライン状液体2から、一対の導電性細線3、3からなる細線ユニットを更に形成する。
図3(d)に示すパターンにおいて、外側の導電性細線3は、隣接する外側の導電性細線3と互いに接続されている。一方、内側の導電性細線3は、他の内側の導電性細線3、及び、外側の導電性細線3と接続されていない。即ち、内側の導電性細線3は、孤立するように配置されている。
図3(d)に示すパターンを、そのままメッシュパターンとして用いてもよい。また、図3(d)に示すパターンにおける内側の導電性細線3を除去し、外側の導電性細線3からなるメッシュパターン(図3(e))を形成してもよい。メッシュパターン形成の第二態様によれば、導電性細線3を自由度高く形成できる効果が得られる。特に複数の導電性細線3の配置間隔を、ライン状液体2の線幅に依拠せず自由度高く設定できる効果が得られる。
内側の導電性細線3を除去する方法は格別限定されず、例えば、レーザー光等のようなエネルギー線を照射する方法や、化学的にエッチング処理する方法等を用いることができる。
また、外側の導電性細線3に電解めっきを施す際に、内側の導電性細線3をめっき液によって除去する方法を用いてもよい。上述したように内側の導電性細線3は孤立するように配置されており、外側の導電性細線3に電解めっきを施すための通電経路から除外することができる。そのため、外側の導電性細線3に電解めっきを施している間(通電している間)に、電解めっきが施されない内側の導電性細線3を、めっき液によって溶解又は分解して除去することができる。
図3の例では、ライン状液体2及び導電性細線3を四角形にしているが、これに限定されない。ライン状液体2及び導電性細線3の形状として、例えば閉じられた幾何学図形が挙げられる。閉じられた幾何学図形としては、例えば三角形、四角形、六角形、八角形等の多角形が挙げられる。また、閉じられた幾何学図形は、例えば円形、楕円形等のように曲線要素を含むことができる。
〔基材〕
基材としては、透明基材が好適に用いられる。透明基材の透明の度合いは特に限定されず、その光透過率が数%〜数十%の何れでもよく、その分光透過率もどのようなものでもよい。これら光透過率及び分光透過率は用途、目的に応じて適宜定めることができる。
基材の材質は格別限定されず、例えば、ガラス、合成樹脂材料、その他種々の材料を用いることができる。合成樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、セルロース系樹脂(ポリアセチルセルロース、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート等)、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン系樹脂、メタクリル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−(ポリ)スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂等が挙げられる。これらの材質を用いれば、基材に良好な透明性を付与できる。
基材の形状は格別限定されず、例えば板状(板材)等とすることができる。板材とする場合、厚さ、大きさ(面積)及び形状は特に限定されず、透明導電膜の用途、目的に応じて適宜定めることができる。板材の厚さは格別限定されず、例えば1μm〜10cm程度、更には20μm〜300μm程度とすることができる。
また、基材には、表面エネルギーを変化させるための表面処理を施してもよい。更に、基材には、ハードコート層や反射防止層などを設けてもよい。
〔インク〕
次に、印刷法、特に上述したコーヒーステイン現象に好適に用いられるインクについて、詳しく説明する。
インクに含有させる導電性材料は格別限定されず、例えば、導電性微粒子、導電性ポリマー等が挙げられる。
導電性微粒子として、例えば、金属微粒子、カーボン微粒子等が挙げられる。
金属微粒子を構成する金属として、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Ni、Cr、Rh、Pd、Zn、Co、Mo、Ru、W、Os、Ir、Fe、Mn、Ge、Sn、Ga、In等が挙げられる。これらの中でも、Au、Ag、Cuが好ましく、Agが特に好ましい。金属微粒子の平均粒子径は、例えば1〜100nm、更には3〜50nmとすることができる。平均粒子径は、体積平均粒子径であり、マルバーン社製「ゼータサイザ1000HS」により測定することができる。
カーボン微粒子としては、例えば、グラファイト微粒子、カーボンナノチューブ、フラーレン等が挙げられる。
導電性ポリマーとしては、格別限定されないが、π共役系導電性高分子を好ましく挙げることができる。π共役系導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン類やポリアニリン類等が挙げられる。π共役系導電性高分子は、例えばポリスチレンスルホン酸等のようなポリアニオンと共に用いてもよい。
インク中の導電性材料の濃度は、例えば5重量%以下とすることができ、更には0.01重量%以上1.0重量%以下とすることができる。これにより、コーヒーステイン現象が促進され、導電性細線を更に細くできる等の効果が得られる。
インクに用いられる溶媒は格別限定されず、水や有機溶剤から選択された一種又は複数種を含むことができる。有機溶剤としては、例えば、1,2−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール等のアルコール類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。
また、インクには界面活性剤等の他の成分を含有させることができる。界面活性剤は格別限定されず、例えばシリコン系界面活性剤等が挙げられる。インク中の界面活性剤の濃度は、例えば1重量%以下とすることができる。
〔インクの乾燥〕
基材上に付与されたインク(ライン状液体)の乾燥方法は自然乾燥でも強制乾燥でもよい。強制乾燥に用いる乾燥方法は格別限定されず、例えば、基材の表面を所定温度に加温する方法や、基材の表面に気流を形成する方法等を単独で、あるいは組み合わせて用いることができる。気流は、例えばファン等を用いて、送風又は吸引を行うことによって形成することができる。
(2)電解メッキ
透明導電膜中間体に電解メッキを施すことによって、透明導電膜が形成される。このとき、透明導電膜中間体をメッキ液に浸漬した状態で、アノードをメッキ液と接触させ、カソードを透明導電膜中間体と電気的に接続して、透明導電膜中間体に電解メッキを施すことができる。これにより、透明導電膜中間体を構成する導電性細線上にメッキ金属からなる金属層(メッキ皮膜ともいう。)を積層することができる。導電性細線からなる透明導電膜中間体の導電性を利用して、該透明導電膜中間体に選択的に電解メッキを施すことができる。
電解メッキに、酸化剤を含有するメッキ液を用いることによって、導電性に優れ且つメッキ太りが抑制された透明導電膜が得られる。メッキ太りが抑制される結果、例えば、電解メッキに伴う導電性細線の線幅の増加が抑制される、あるいは、導電性細線の線幅が電解メッキ前よりも細くなる効果が得られる。一方で、導電性細線の膜厚は好適に増加させることができる。例えば、電解メッキ前の導電性細線の膜厚よりも厚い膜厚を有する金属層(メッキ皮膜)を積層することができる。これにより、透明導電膜の導電性が良好になる。
特に印刷法、好ましくは上述したコーヒーステイン現象を利用した印刷法によって形成された導電性細線は、酸化剤を含有するメッキ液を用いた電解メッキによって、導電性に優れ且つメッキ太りが抑制される効果を特に良好に発揮する。この理由については、以下のように推定される。
図4は、導電性細線の一例を概念的に示す断面図であり、基材1上に形成された導電性細線3を、該導電性細線3の長手方向と直交する面で切断した様子を示している。ここでは、コーヒーステイン現象を利用した印刷法によって形成された一対の導電性細線3、3を例示している。
コーヒーステイン現象はライン状液体の縁に導電性材料を堆積させるが、堆積位置が多少ばらつくことによって、各導電性細線3の膜厚は、中央部31が厚く、端部32、33が薄くなる。特に、一対の導電性細線3、3の内側(ライン状液体の中央側)に配置される端部33では、導電性材料の堆積がばらつき易いため、膜厚の薄い部分が形成され易い。
その結果、導電性細線3の端部32、33は、中央部31と比較して導電性が低いため、電解メッキが進行しにくい。更に、導電性細線3の端部32、33は、中央部31と比較して導電性材料の分布が疎らであるため、導電性材料が多方向から酸化剤による除去作用を受ける。一方で、導電性細線3の中央部31は、端部32、33と比較して導電性が高いため、電解メッキが進行し易い。更に、導電性細線3の中央部31は、端部32、33と比較して導電性材料の分布が密であるため、導電性材料が酸化剤による除去作用を受けにくい。これらが相乗的に作用して、メッキ皮膜は、幅方向への成長が抑制され、厚さ(高さ)方向に安定に成長する。これにより、導電性に優れ且つメッキ太りが抑制される効果が発揮される。
更に、コーヒーステイン現象を利用した印刷法では、ライン状液体の乾燥過程で一部の導電性材料が該ライン状液体の縁まで運ばれずに、該ライン状液体の中央側に残留する場合がある。図4中、中央側に残留した導電性材料を符号4で示した。メッキ液に酸化剤を含有させることによって、電解メッキと並行して、かかる中央側に残留する導電性材料4を除去できる効果も得られる。更に、上述したメッシュパターン形成の第二態様においては、酸化剤を含有するメッキ液を用いることによって、外側の導電性細線に電解めっきを施す際に、内側の導電性細線を該メッキ液によって効率的に除去できる効果が得られる。
なお、図4の説明では、コーヒーステイン現象を利用した印刷法によって形成された導電性細線を参照して効果を説明したが、コーヒーステイン現象を利用しない印刷法においても効果は発揮される。例えば、インクを用いたウェットプロセスを含む印刷法では、インクの表面張力等の影響によって、導電性細線の中央部より端部の膜厚が薄くなるため、上記と同様の効果が発揮される。
また、インクジェット法等の印刷法では、基材上の意図しない領域(ライン状液体を形成すべき領域以外の領域)に導電性材料が付与される場合がある。例えば、インクジェットヘッドのノズルから、主体となるインク滴と共にインクサテライトが吐出され、該インクサテライトが基材上の意図しない領域に付着することがある。メッキ液に酸化剤を含有させることによって、電解メッキと並行して、かかる意図しない領域の導電性材料を除去できる効果が得られる。
〔酸化剤〕
メッキ液に含有させる酸化剤は格別限定されず、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、塩化銅(塩化第二銅;CuCl)、塩化鉄(塩化第二鉄;FeCl)、過マンガン酸カリウム、二クロム酸カリウム等が挙げられる。
特に、酸化剤は、過硫酸ナトリウム、塩化第二銅及び過酸化水素から選ばれる何れか一種以上であることが好ましい。これにより、本発明の効果が更に良好に発揮され、また、電解メッキや酸化剤の作用を阻害する副生物が生成されにくい効果も得られる。
〔酸化還元電位〕
メッキ液の酸化還元電位は350mV〜700mV(vs Ag/AgCl)であることが好ましい。これにより、本発明の効果が更に良好に発揮される。
メッキ液に含有させる酸化剤の量を、メッキ液の酸化還元電位が上記の範囲になるように調整することは好ましいことである。また、メッキ装置にメッキ液の酸化還元電位を測定する酸化還元電位測定装置を設けて、電解メッキを行ないながらメッキ液の酸化還元電位をモニタリングし、酸化還元電位を上記の範囲に維持することも好ましいことである。
〔添加剤〕
メッキ液は、添加剤を含有してもよいが、添加剤を含有しないことが好ましい。例えば硫酸銅メッキ液は、硫酸銅、硫酸、塩酸(塩素イオン供給源として)、及び添加剤として光沢剤を含有するのが一般的である。かかる添加剤の配合を省略することによって、本発明の効果が更に良好に発揮される。また、メッキ液に含有しないことが好ましい添加剤として、メッキ反応を抑制する作用があるサッカリン、ベンゾチアゾール、チオ尿素、JGB、ベンゼルアセトン、鉛、ビスマスや、メッキ析出促進作用がある塩化物イオン、CN、SCN、硫黄系化合物(チオ尿素、SPS、DMTDなど)、ホウ酸、シュウ酸、マロン酸や、皮膜形成作用があるPEG、PEGNPE、ポリビニルアルコール、ゼラチンや、メッキの表面形状の凹凸を制御する不飽和アルコール(ブチンジオール、プロパルギルアルコール、クマリンなど)、NO3−、Fe3+などが挙げられる。
〔酸化剤の使用〕
透明導電膜中間体には、メッキ金属を異ならせた複数回の電解メッキを施すことができる。これら複数回の電解メッキの全ての回で酸化剤を含有するメッキ液を用いてもよいが、一部の回でのみ酸化剤を含有するメッキ液を用いてもよい。例えば、1回目の電解メッキでは酸化剤を含有しないメッキ液を用い、2回目以降の電解メッキで酸化剤を含有するメッキ液を用いてもよい。
また、例えば、1回目の電解メッキで酸化剤を含有するメッキ液を用い、2回目以降の電解メッキでより高濃度の酸化剤を含有するメッキ液を用いてもよい。
また、メッキ金属が同じである電解メッキにおいて、酸化剤を含有しないメッキ液を用いて電解メッキを継続した後、メッキ液に酸化剤を含有させて、更に電解メッキを継続してもよい。
また、例えば、メッキ金属が同じである電解メッキにおいて、酸化剤を含有するメッキ液を用いて電解メッキを継続した後、メッキ液の酸化剤濃度を上昇させて、更に電解メッキを継続してもよい。
このように、透明導電膜中間体に対して最初に施される電解メッキは、酸化剤を含有しないか、又は、以降の電解メッキで用いるメッキ液よりも低濃度で酸化剤を含有することができる。これにより、導電性細線の断線を好適に防止できる等の効果が得られる。
〔複数の金属層〕
透明導電膜中間体に、メッキ金属を異ならせた複数回のメッキ処理を施すことによって、導電性細線上に複数の金属層を積層することができる。複数の金属層を積層する場合、導電性細線上に、銅からなる第1金属層、ニッケル又はクロムからなる第2金属層を順に積層することによって、銅による導電性向上の効果と、ニッケル又はクロムによる耐候性向上の効果及び色味を消す効果を得ることができる。また、電解メッキに用いるメッキ液に、例えば、過硫酸ナトリウム、塩化第二銅、過酸化水素等のような酸化剤を含有させてもよい。酸化剤の使用により、導電性細線の導電性を向上でき、且つメッキ太りが抑制される。この効果は、コーヒーステイン現象を利用して形成された導電性細線を対象とする場合に特に良好に発揮される。
(3)その他
〔焼成処理〕
基材上に形成された導電性細線には、焼成処理を施すことができる。焼成処理は、例えば電解メッキの前処理として行うことができる。焼成処理としては、例えば、光照射処理、熱処理等が挙げられる。光照射処理には、例えば、ガンマ線、X線、紫外線、可視光、赤外線(IR)、マイクロ波、電波等を用いることができる。熱処理には、例えば、熱風、加熱ステージ、加熱プレス等を用いることができる。
〔用途〕
透明導電膜及び透明導電膜付き基材の用途は格別限定されず、例えば、種々の電子機器が備える種々のデバイス等に利用することができる。なお、ここでいう「透明」とは、透明導電膜を構成する導電性細線自体が透明であることを意味するものではなく、透明導電膜が全体として(例えば導電性細線が設けられていない領域を介して)光を透過可能であればよい。
透明導電膜を構成する導電性細線は、例えば、電気回路を構成する電気配線等として用いることができる。
また、例えば、透明導電膜を一つの透明電極(面状電極)として用いることができる。
例えば、透明電極は、例えば、液晶、プラズマ、有機エレクトロルミネッセンス、フィールドエミッション等の各種方式のディスプレイ用の透明電極として用いることができる。また、透明電極は、例えば、タッチパネル、携帯電話、電子ペーパー、各種太陽電池、各種エレクトロルミネッセンス調光素子等の透明電極として用いることができる。特に、透明電極は、例えば、スマートフォン、タブレット端末等のような電子機器のタッチパネルセンサーに用いることができる。タッチパネルセンサーとして用いる場合は、透明電極を位置検出用電極(X電極及びY電極)として用いることができる。
2.電解メッキ用メッキ液
本発明の電解メッキ用メッキ液は、酸化剤を含有することを一つの特徴とする。かかるメッキ液を用いた電解メッキによって、メッキ処理物の導電性に優れ且つメッキ太りが抑制される等の効果が得られる。メッキ液の更なる詳細については、上記「1.透明導電膜の形成方法」での説明が援用される。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はかかる実施例により限定されない。
(実施例1)
1.透明導電膜中間体の形成
銀ナノ粒子(平均粒子径:20nm)1.0wt%、及び、1−ブタノール 99.0wt%からなるインクを充填したインクジェットヘッド(コニカミノルタ社製「KM1024iLHE−30」(標準液滴容量30pL)を用い、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)基材上の5cm×10cmの領域に、図2に示した方法と同様にしてメッシュパターンからなる透明導電膜中間体を形成した。
2.金属層の形成
(1)メッキ液の調製
硫酸銅、硫酸、塩酸、及び添加剤として光沢剤を含有する水溶液(一般的な硫酸銅メッキ液)に、酸化剤として過硫酸ナトリウムを添加してメッキ液とした。メッキ液のpHは3.2〜3.4である(pHは、他の実施例及び比較例においても同様である。)。
(2)電解メッキ
上記透明導電膜中間体付き基材を上記メッキ液に浸漬し、メッキ液中にアノードを配置し、透明導電膜中間体にカソードを電気的に接続し、通電量が1A・min(0.1A×10min)となるように、整流器を用いて通電して電解メッキを施した。これにより、透明導電膜(電解メッキが施された透明導電膜中間体)を得た。
3.評価方法
得られた透明導電膜について、以下の方法で評価した。なお、同様の方法により、電解メッキ前の透明導電膜中間体についても評価した。
(1)導電性細線の線幅
導電性細線の線幅は、導電性光学顕微鏡(キーエンス社製「デジタルマイクロスコープVHX−5000」を用い、5000倍で導電性細線の線幅を無作為に20点計測した平均値である。
(2)メッシュパターンの抵抗
メッシュパターンの抵抗は、テスター(三和電気計器社製「デジタルマルチメーターCD770」を用い、メッシュパターン両端を無作為に20点計測した平均値である。
以上の結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、メッキ液の酸化剤として過硫酸ナトリウムに代えて塩化第二銅を用いたこと以外は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、メッキ液の酸化剤として過硫酸ナトリウムに代えて過酸化水素を用いたこと以外は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、メッキ液における添加剤(光沢剤)の配合を省略したこと以外は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、メッキ液における酸化剤の配合を省略したこと以外は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例1において、電解メッキの前処理として、透明導電膜中間体に、過硫酸ナトリウムを用いたエッチング処理を施したこと以外は、比較例1と同様にした。結果を表1に示す。
(比較例3)
比較例2において、エッチング処理を、電解メッキの前処理に代えて後処理として施したこと以外は、比較例2と同様にした。結果を表1に示す。
Figure 0006988826
<評価>
表1より、本発明の透明導電膜の形成方法である実施例1〜4は、比較例1〜3との対比で、導電性に優れ且つメッキ太りが抑制される効果を奏することがわかる。
(実施例5);酸化還元電位依存性の確認試験1
実施例1において、メッキ液の酸化還元電位を350mV(vs Ag/AgCl)に調整したこと以外は、実施例1と同様にした。結果を表2に示す。
(実施例6);酸化還元電位依存性の確認試験2
実施例5において、メッキ液の酸化還元電位を800mV(vs Ag/AgCl)に調整したこと以外は、実施例5と同様にした。結果を表2に示す。
Figure 0006988826
<評価>
表2より、メッキ液の酸化還元電位が高くなる程、導電性細線の線幅が細くなることがわかる。酸化還元電位が350mV(vs Ag/AgCl)以上であることにより、導電性細線の線幅の増加が好適に抑制され、メッキ太りが好適に抑制されることがわかる。一方、酸化還元電位が800mV(vs Ag/AgCl)では、導電性細線の線幅は細くなるが、透明導電体の抵抗が若干大きくなることがわかる。従って、導電性の向上と、メッキ太りの抑制を、より好適に達成する観点では、メッキ液の酸化還元電位が350mV〜700mV(vs Ag/AgCl)であることが好ましいことがわかる。
1:基材
2:ライン状液体
3:導電性細線

Claims (3)

  1. 印刷法によって透明基材上に導電性細線からなる透明導電膜中間体を形成し、
    次いで、前記透明導電膜中間体に電解メッキを施して透明導電膜を形成する透明導電膜の形成方法であって、
    前記電解メッキに用いられるメッキ液に酸化剤が含有されており、
    前記メッキ液の酸化還元電位が350mV〜700mV(vs Ag/AgCl)である透明導電膜の形成方法。
  2. 前記酸化剤は、過硫酸ナトリウム、塩化第二銅及び過酸化水素から選択された一種又は複数種である請求項1記載の透明導電膜の形成方法。
  3. 前記印刷法は、前記透明基材上に導電性材料を含むライン状液体を付与し、次いで、前記ライン状液体を乾燥させる過程で前記ライン状液体の縁に前記導電性材料を選択的に堆積させることによって、前記導電性細線を形成する請求項1又は2に記載の透明導電膜の形成方法。
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