以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
以下の説明において、電位又は電圧の「ゼロクロス点」とは、交流電位又は電圧が0Vとなるタイミングを言う。「交流周期」とは、正弦波状に変化する電圧又は電流の位相が基準の位相から2π(ラジアン)だけ進むまでにかかる時間を言う。電圧、電流などの「符号」とは、電圧、電流などの正負を言う。例えば、「負電圧」の符号は「−(マイナス)」であり、「正電圧」の符号は「+(プラス)」となる。
「スイッチング周期」とは、スイッチング素子などにおいて、オン状態とオフ状態とを周期的に切り替えるときの周期のことを言う。「デューティ比」とは、スイッチング素子などがオン状態である時間長さのスイッチング周期に対する比率のことを言う。
図面を用いた説明において、「上側」とは図面を表す紙面の上方を言い「下側」とは図面を表す紙面の下方を言う。
(実施の形態1)
[1−1.全体構成]
図1は、実施の形態1に係る交直変換回路の全体構成を示す図である。交直変換回路1は、入力部11と、第1副交直変換回路13と、第2副交直変換回路15と、出力部17と、制御回路19と、を備える。
入力部11は、第1副交直変換回路13及び第2副交直変換回路15に交流電源PSを接続する接続端子である。本実施形態において、交流電源PSは、第1極P1と、第2極P2との2つの極を有する単相の交流電源である。
本実施形態において、交流電源PSの第1極P1は、図2の上図に示すように、電位が所定の交流周期にて正弦波状に変化するライブ側の極である。以後、ライブ側の電位を「VL」とする。従って、ライブ側の電位VLは、A*sin{(2π/T)*t}との式で表現できる。ここで、「T」は交流周期である。「t」は任意の時間である。「A」はライブ側の電位VLの振幅である。
一方、第2極P2は、図2の下図に示すように、時間に対して電位が変化しないニュートラル側の極である。以後、ニュートラル側の電位を「VN」とする。ニュートラル側の電位VNは、例えば、常時一定電位B(V)に維持される。例えば、ニュートラル側の電位VNは、常時0Vに維持される。
交流電源PSは、例えば、一般に供給される家庭用又は商用の交流電源、インバータ電源、交流発電機などである。なお、入力部11は、変圧器(図示せず)を介して交流電源PSを接続してもよい。この場合、入力部11は、交流電源PSから出力される電圧よりも低い又は高い電圧を入力する。
交流電源PSが2つの極を有しているので、本実施形態の入力部11は、第1入力端子I1と第2入力端子I2との2つの端子を有する。第1入力端子I1は、交流電源PSの第1極P1を接続する。一方、第2入力端子I2は、交流電源PSの第2極P2を接続する。
これにより、交流電源PSは、ライブ側の電位VLとニュートラル側の電位VNとの電位差(VL−VN)で決まる交流入力電圧Vinを、第1入力端子I1と第2入力端子I2との間に出力する。ライブ側の電位VL及びニュートラル側の電位VNを表す上記の式を用いて、交流入力電圧Vinは、例えば、A*sin{(2π/T)*t}−Bとの数式で表現できる。
第1副交直変換回路13は、図1においては二点鎖線にて囲まれた箇所に存在する回路であり、第1入力端子I1の電位が第2入力端子I2の電位よりも高い(VL>VN)とき、すなわち、交流入力電圧Vinが正の電圧のときに、入力部11から入力した交流入力電圧Vinを直流電圧に変換し第1直流出力電圧Vout1として出力する。
第2副交直変換回路15は、図1においては一点鎖線にて囲まれた箇所に存在する回路であり、第1入力端子I1の電位が第2入力端子I2の電位よりも低い(VL<VN)とき、すなわち、交流入力電圧Vinが負の電圧のときに、入力部11から入力した交流入力電圧Vinを直流電圧に変換し第2直流出力電圧Vout2として出力する。
本実施形態に係る第1副交直変換回路13及び第2副交直変換回路15の回路構成は、後ほど詳しく説明する。
出力部17は、第1出力端子O1と第2出力端子O2とを有し、その間に、交直変換回路1にて駆動する負荷LOを接続する。負荷LOは、例えば、モータ、照明機器、各種電子機器、蓄電池などである。負荷LOがモータの場合には、第1出力端子O1、第2出力端子O2と負荷LOとの間に適宜、インバータ回路を接続してもよい。また負荷LOが電子機器あるいは蓄電池の場合は、第1出力端子O1、第2出力端子O2と負荷LOとの間に適宜、コンバータ回路を接続してもよい。
制御回路19は、例えば、PWM信号発生回路と、電位測定回路及び/又は電流測定回路と、を含んだハードウェア、又は、これらの回路をチップ上に形成したSoC(System on Chip)である。制御回路19は、第1副交直変換回路13及び第2副交直変換回路15を制御する。また、制御回路19は、第1入力端子I1の電位、すなわち、交流入力電圧Vinを測定してもよい。
または、制御回路19は、CPU、記憶素子(RAM、ROMなど)、A/Dインターフェース、D/Aインターフェースなどを含んだコンピュータシステムであってもよい。この場合、制御回路19により実行可能なプログラムが、スイッチング回路SWのオン状態とオフ状態を制御してもよい。また、制御回路19の記憶素子が、当該プログラムを記憶してもよい。
さらに、制御回路19は、外部の装置と接続可能なインターフェースを有してもよい。この場合、当該インターフェースに接続された外部の装置が、制御回路19を介して、スイッチング回路SWのオン状態とオフ状態を制御してもよい。
[1−2.第1副交直変換回路の構成]
以下、第1副交直変換回路13の回路構成について、図1を用いて説明する。図1に示すように、第1副交直変換回路13は、インダクタ素子Lと、スイッチング回路SWと、第1キャパシタ素子C1と、第1整流素子D1と、を有する。
インダクタ素子Lは、インダクタンス成分を有する素子である。インダクタ素子Lは、例えばコイルである。インダクタ素子Lは、スイッチング回路SWを介して、その一端を第1入力端子I1に接続する。
インダクタ素子Lが、スイッチング回路SWを介して第1入力端子I1(交流電源PS)と接続されることにより、インダクタ素子Lと、スイッチング回路SWと、第1入力端子I1が直列接続される。
スイッチング回路SWは、オン状態とオフ状態とを交流入力電圧Vinの周波数よりも高周波数にて繰り返し切り替えて、インダクタ素子Lと第1入力端子I1との間を高速に接続又は切断する素子である。本実施形態のスイッチング回路SWは、双方向に高耐圧を有する双方向スイッチであることが好ましい。従って、本実施形態のスイッチング回路SWとしては、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、MOSFET以外の電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、サイリスタなどのスイッチング特性を有する半導体素子及び/又はダイオードを、複数個組み合わせる等により双方向動作可能であるように構成されたスイッチング回路が使用される。スイッチング回路SWにMOSFETを用いる場合、ゲート極がスイッチング回路SWの制御極となる。
また、例えば、交直変換回路1の動作電力が小さい場合など、双方向に対して高耐圧を必要としない場合などには、スイッチング回路SWは、上記のスイッチング特性を有する半導体素子のみにて構成されていてもよい。
第1キャパシタ素子C1は、例えば電解コンデンサなどの比較的大きなキャパシタンスを有するコンデンサである。第1キャパシタ素子C1は、その一端を、インダクタ素子Lのスイッチング回路SWと接続された側とは反対側に接続する。一方、第1キャパシタ素子C1は、その他端を第1出力端子O1に接続する。
第1キャパシタ素子C1は、交流電源PSからインダクタ素子Lを介して供給される電流により充電し、負荷LOに電力を供給するなどして放電することを繰り返すことで、両端に概ね一定となる第1直流出力電圧Vout1を発生する。すなわち、第1キャパシタ素子C1は、第1副交直変換回路13において「平滑コンデンサ」として機能する。
第1整流素子D1は、カソード側を第2入力端子I2に接続し、アノード側を第1出力端子O1に接続する。従って、第1整流素子D1は、第1入力端子I1の電位が第2入力端子I2の電位よりも高いとき、すなわち、交流入力電圧Vinが正のときに、導通状態となり、第1副交直変換回路13を動作させる。
第1副交直変換回路13は、第3整流素子D3をさらに有する。第3整流素子D3は、カソード側をスイッチング回路SWとインダクタ素子Lとの間に接続する。また、アノード側を第1出力端子O1に接続する。
これにより、第3整流素子D3は、第1副交直変換回路13が動作中にスイッチング回路SWがオフ状態となった場合に、インダクタ素子Lと第1キャパシタ素子C1とともに閉回路を形成する。その結果、スイッチング回路SWがオフ状態のときに、インダクタ素子L、第1キャパシタ素子C1、及び第3整流素子D3にて形成される閉回路に、電流を流すことができる。
第1整流素子D1及び第3整流素子D3は、例えば、例えば、PNダイオード、ショットキーバリアダイオードなどのダイオードである。
上記の構成を有することにより、第1副交直変換回路13は、交流入力電圧Vinが正のときに動作する降圧チョッパ型の交直変換回路を構成できる。すなわち、第1副交直変換回路13は、交流入力電圧Vinが正の電圧であるときに、交流入力電圧Vinを、交流入力電圧Vinのピーク値の絶対値以下の直流電圧である第1直流出力電圧Vout1に変換できる。
降圧チョッパ型である第1副交直変換回路13においては、第1直流出力電圧Vout1を出力する第1キャパシタ素子C1、及び、インダクタ素子Lは、スイッチング回路SWを介して交流電源PSに接続される。これにより、第1副交直変換回路13の動作を開始する際に、第1キャパシタ素子C1などに突入電流が流れることを回避できる。
例えば、交直変換回路1が動作を開始する際にはスイッチング回路SWはオフ状態である。従って、交流電源PSをオンしたときに交流入力電圧Vinよりも大きな過電圧が入力部11に印加されても、当該過電圧が第1キャパシタ素子C1などに印加されることはない。これにより、当該過電圧により発生する突入電流が第1副交直変換回路13に含まれる素子に流れることを回避できる。
[1−3.第2副交直変換回路の構成]
以下、第2副交直変換回路15の回路構成について、図1を用いて説明する。図1に示すように、第2副交直変換回路15は、第2キャパシタ素子C2と、第2整流素子D2と、上記のインダクタ素子Lと、スイッチング回路SWを有する。
第2キャパシタ素子C2は、例えば電解コンデンサなどの比較的大きなキャパシタンスを有するコンデンサである。第2キャパシタ素子C2は、その一端を、インダクタ素子Lのスイッチング回路SWと接続された側とは反対側に接続する。一方、第2キャパシタ素子C2は、その他端を第2出力端子O2に接続する。
第2キャパシタ素子C2は、交流電源PSからインダクタ素子Lを介して供給される電流により充電し、負荷LOに電力を供給するなどして放電することを繰り返すことで、両端に概ね一定となる第2直流出力電圧Vout2を発生する。すなわち、第2キャパシタ素子C2は、第2副交直変換回路15において「平滑コンデンサ」として機能する。
第2キャパシタ素子C2の一端がインダクタ素子Lに接続され、他端が第2出力端子O2に接続されることにより、第1副交直変換回路13の第1キャパシタ素子C1と第2キャパシタ素子C2は、第1出力端子O1と第2出力端子O2との間で直列接続される。
第2整流素子D2は、アノード側を第2入力端子I2に接続し、カソード側を第2出力端子O2に接続する。従って、第2整流素子D2は、第1入力端子I1の電位が第2入力端子I2の電位よりも低いとき、すなわち、交流入力電圧Vinが負のときに、導通状態となり、第2副交直変換回路15を動作させる。
第2副交直変換回路15は、第4整流素子D4をさらに有する。第4整流素子D4は、アノード側をスイッチング回路SWとインダクタ素子Lとの間に接続する。また、カソード側を第2出力端子O2に接続する。
これにより、第4整流素子D4は、第2副交直変換回路15が動作中にスイッチング回路SWがオフ状態となった場合に、インダクタ素子Lと第2キャパシタ素子C2とともに閉回路を形成する。その結果、スイッチング回路SWがオフ状態のときに、インダクタ素子L、第2キャパシタ素子C2、及び第4整流素子D4にて形成される閉回路に、電流を流すことができる。
第2整流素子D2及び第4整流素子D4は、例えば、例えば、PNダイオード、ショットキーバリアダイオードなどのダイオードである。
上記の構成を有することにより、第2副交直変換回路15は、交流入力電圧Vinが負のときに動作する降圧チョッパ型の交直変換回路を構成できる。すなわち、第2副交直変換回路15は、交流入力電圧Vinが負の電圧であるときに、交流入力電圧Vinを、交流入力電圧Vinのピーク値の絶対値以下の直流電圧である第2直流出力電圧Vout2に変換できる。
降圧チョッパ型である第2副交直変換回路15においても第1副交直変換回路13と同様に、交流電源PSをオンとして第2副交直変換回路15の動作を開始する際に、第2キャパシタ素子C2などに突入電流が流れることを回避できる。
図1に示すように、インダクタ素子L及びスイッチング回路SWは、第1副交直変換回路13と第2副交直変換回路15にて共有されている。これにより、交直変換回路1の素子数を減少できる。
[1−4.実施の形態1に係る交直変換回路の効果]
交直変換回路1においては、第1キャパシタ素子C1と第2キャパシタ素子C2とが直列接続されている。また、第1キャパシタ素子C1には第1直流出力電圧Vout1が発生し、第2キャパシタ素子C2には第2直流出力電圧Vout2が発生している。これにより、交直変換回路1は、第1出力端子O1と第2出力端子O2との間に、第1直流出力電圧Vout1と第2直流出力電圧Vout2とを合計した電圧Vout1+Vout2を、出力電圧Voutとして出力できる。
また、交直変換回路1では、第1副交直変換回路13は交流入力電圧Vinが正のときに動作すればよく、また、第2副交直変換回路15は交流入力電圧Vinが負のときに動作すればよい。これは、各副交直変換回路においては、交流入力電圧Vinを半波整流すればよいことを意味する。従って、第1副交直変換回路13及び第2副交直変換回路15のそれぞれには、これらの副交直変換回路における電流の向きを決定する整流素子は1つしか存在しない。
これにより、交直変換回路1は、ブリッジダイオードを有する交直変換回路と比較して、整流素子に所定の値以上の電圧が印加された状態で電流が流れることにより発生する導通損を減少できる。
さらに、図1に示すように、交直変換回路1においては、インダクタ素子Lの一端、第3整流素子D3のカソード側、及び第4整流素子D4のアノード側は、スイッチング回路SWを介して、交流電源PSの第1極P1を接続する第1入力端子I1に接続されている。
これにより、スイッチング回路SWがオン状態とオフ状態との間で切り替わったときに、第3整流素子D3のアノード側を接続する第1出力端子O1、又は、第4整流素子D4のカソード側を接続する第2出力端子O2の電位が急激に変化して、コモンノードノイズが発生することを回避できる。
[1−5.実施の形態1に係る交直変換回路の動作]
以下、実施の形態1に係る交直変換回路1の動作について説明する。本実施形態では、制御回路19が、図3の上図に示す交流入力電圧Vinに対して、図3の下図に示すような交流周期よりも短い周期のパルス状のスイッチング信号をスイッチング回路SWの制御極に入力する。これにより、スイッチング回路SWは、オン状態とオフ状態とを交流周期よりも短い周期にて繰り返し切り替える。すなわち、スイッチング回路SWのオン状態とオフ状態は、交流入力電圧Vinの周波数よりも高周波数にて切り替わる。本実施形態において、スイッチング回路SWをオン状態にするスイッチング信号は、所定の電圧値を有する正電圧である。一方、スイッチング回路SWをオフ状態にするスイッチング信号は、0電圧である。
また、制御回路19は、図3の下図に示すようなスイッチング信号を出力することにより、PWM制御にてスイッチング回路SWのオン状態とオフ状態とを切り替える。具体的には、制御回路19は、交流入力電圧Vinの絶対値が小さいときにはデューティ比を大きくし、交流入力電圧Vinの絶対値が大きいときにはデューティ比を小さくしたスイッチング信号を、スイッチング回路SWに含まれるスイッチング素子の制御極に出力する。
なお、制御回路19は、交流入力電圧Vinが正のときの半周期においては、交流入力電圧Vinの絶対値が第1直流出力電圧Vout1より大きいときに、上記のスイッチング信号を出力することが好ましい。一方、交流入力電圧Vinが負のときの半周期においては、交流入力電圧Vinの絶対値が第2直流出力電圧Vout2より大きいときに、上記のスイッチング信号を出力することが好ましい。
交流入力電圧Vinの絶対値が第1直流出力電圧Vout1又は第2直流出力電圧Vout2よりも小さいときにスイッチング信号が出力されてスイッチング回路SWがオン状態となっても、第1整流素子D1及び第2整流素子D2が、第1キャパシタ素子C1又は第2キャパシタ素子C2から交流電源PSへの電流の逆流を阻止できるが、交流入力電圧Vinの絶対値が第1直流出力電圧Vout1又は第2直流出力電圧Vout2よりも小さいときにスイッチング信号を出力しないことにより、無駄にスイッチング回路SWを動作させることを回避できる。
[1−5−1.交流入力電圧が正のときの動作]
以下、交流入力電圧Vinが正のときの交直変換回路1の動作について説明する。交流入力電圧Vinが正(VL>VN)であるときに、第1入力端子I1の電位VLが第1キャパシタ素子C1のインダクタ素子Lに接続された側の電位Vout1+VNよりも高くなると、第1整流素子D1のアノード側の電位がカソード側の電位(VN)よりも大きくなる。その結果、第1整流素子D1が導通状態となり、第1副交直変換回路13が動作する。
一方、交流入力電圧Vinが正であるとき、第2整流素子D2のアノード側の電位(VN)はカソード側の電位よりも小さくなるので、第2整流素子D2は非導通状態となる。すなわち、第2副交直変換回路15は動作を停止する。
第1入力端子I1の電位VLが第1キャパシタ素子C1のインダクタ素子Lに接続された側の電位Vout1+VNよりも高くなったときにスイッチング回路SWがオン状態となると、交流電源PSは、図4Aに示すように、第1極P1から、(1)第1入力端子I1、(2)スイッチング回路SW、(3)インダクタ素子L、(4)第1キャパシタ素子C1、(5)第1整流素子D1、(6)第2入力端子I2、を順に通過して第2極P2へと入力電流iinを流す。インダクタ素子Lが存在しているため、この場合の入力電流iinの絶対値は、時間に対してほぼリニアに増加する。
一方、交流入力電圧Vinが正でありかつその絶対値がVout1よりも大きいときにスイッチング回路SWがオフ状態となると、インダクタ素子Lは交流電源PSから切断されるため、交流電源PSは入力電流iinを出力しなくなる。
その一方で、インダクタ素子Lと第1キャパシタ素子C1と第3整流素子D3とにより形成される閉回路において、図4Bに示すように、(1)インダクタ素子L、(2)第1キャパシタ素子C1、(3)第3整流素子D3、の順に環流電流が流れる。この環流電流は、スイッチング回路SWがオン状態である間にインダクタ素子Lに蓄積されたエネルギーにより流れる。上記の環流電流が流れるとインダクタ素子Lに蓄積されたエネルギーが消費されるので、当該環流電流は時間と共に減少する。
上記のようにスイッチング回路SWのオン状態とオフ状態を高速に切り替える際に、オン状態である時間とオフ状態である時間との比を調整することによって、入力電流iinを調整できる。すなわち、デューティ比を調整することによって、入力電流iinを調整することができ、特に、入力電圧波形に比例させるように入力電流iinを制御すれば、入力力率を改善できる。
また、上記の入力電流iin及び環流電流により第1キャパシタ素子C1が充電される一方、第1キャパシタ素子C1に蓄積された電荷は、第2キャパシタ素子C2を通じて負荷LOにて消費される。充電電荷量の時間平均が負荷消費の時間平均よりも大きければ、第1キャパシタ素子C1の両端の電位差(電圧)は増加し、充電電荷量の時間平均が負荷消費の時間平均よりも小さければ、第1キャパシタ素子C1の両端の電位差(電圧)は低下する。
従って、入力電流iinが流れる時間と流れない時間との比率、すなわち、スイッチング回路SWがオン状態とオフ状態とを高速に切り替えるときのデューティ比が、第1キャパシタ素子C1の両端に発生する電圧を決定する。
短期的には入力電流波形が高力率となるようにディーティ比を調整しつつ、長期的な時間平均では第1直流出力電圧Vout1がほぼ一定となるようにデューティ比を調整することにより、力率の高い交直変換制御を行うことができる。
図6の下図に示すように、交流入力電圧Vinが正である半周期の交流入力電圧Vinが第1直流出力電圧Vout1よりも大きい期間において、交流電源PSから出力される入力電流iinの平均値は、交流入力電圧Vinに対応して増減する。その一方、交流入力電圧Vinが正である半周期の他の期間において、入力電流iinは0となる。
[1−5−2.交流入力電圧が負のときの動作]
次に、交流入力電圧Vinが負のときの交直変換回路1の動作について説明する。交流入力電圧Vinが負(VL<VN)であるときに、第2入力端子I2の電位VNが第2キャパシタ素子C2の第2出力端子O2に接続された側の電位Vout2+VLよりも高くなると、第2整流素子D2のアノード側の電位(VN)がカソード側の電位よりも大きくなる。その結果、第2整流素子D2が導通状態となり、第2副交直変換回路15が動作する。
一方、交流入力電圧Vinが負であるとき、第1整流素子D1のカソード側の電位(VN)はアノード側の電位よりも大きくなるので、第1整流素子D1は非導通状態となる。すなわち、第1副交直変換回路13は動作を停止する。
第2入力端子I2の電位VNが第2キャパシタ素子C2の第2出力端子O2に接続された側の電位Vout2+VLよりも高くなったときにスイッチング回路SWがオン状態となると、交流電源PSは、図5Aに示すように、第2極P2から、(1)第2入力端子I2、(2)第2整流素子D2、(3)第2キャパシタ素子C2、(4)インダクタ素子L、(5)スイッチング回路SW、(6)第1入力端子I1、を順に通過して第1極P1へと入力電流iinを流す。インダクタ素子Lが存在しているため、この場合の入力電流iinの絶対値は、時間に対してほぼリニアに増加する。
一方、交流入力電圧Vinが負でありかつその絶対値がVout2よりも大きいときにスイッチング回路SWがオフ状態となると、インダクタ素子Lは交流電源PSから切断されるため、交流電源PSは入力電流iinを出力しなくなる。
その一方で、インダクタ素子Lと第4整流素子D4と第2キャパシタ素子C2とにより形成される閉回路において、図5Bに示すように、(1)インダクタ素子L、(2)第4整流素子D4、(3)第2キャパシタ素子C2、の順に環流電流が流れる。この環流電流は、スイッチング回路SWがオン状態である間にインダクタ素子Lに蓄積されたエネルギーにより流れる。上記の環流電流が流れるとインダクタ素子Lに蓄積されたエネルギーが消費されるので、当該環流電流は時間と共に減少する。
上記のようにスイッチング回路SWのオン状態とオフ状態を高速に切り替える際に、オン状態である時間とオフ状態である時間との比を調整することによって、入力電流iinを調整できる。すなわち、デューティ比を調整することによって、入力電流iinを調整することができ、特に、入力電圧波形に比例させるように入力電流iinを制御すれば、入力力率を改善できる。
また、上記の入力電流iin及び環流電流により第2キャパシタ素子C2は充電される一方、第2キャパシタ素子C2に蓄積された電荷は、第1キャパシタ素子C1を通じて負荷LOにて消費される。充電電荷量の時間平均が負荷消費の時間平均よりも大きければ、第2キャパシタ素子C2の両端の電位差(電圧)は増加し、充電電荷量の時間平均が負荷消費の時間平均よりも小さければ、第2キャパシタ素子C2の両端の電位差(電圧)は低下する。
従って、入力電流iinが流れる時間と流れない時間との比率、すなわち、スイッチング回路SWがオン状態とオフ状態とを高速に切り替えるときのデューティ比が、第2キャパシタ素子C2の両端に発生する電圧を決定する。
短期的には入力電流波形が高力率となるようにディーティ比を調整しつつ、長期的な時間平均では第2直流出力電圧Vout2がほぼ一定となるようにデューティ比を調整することにより、力率の高い交直変換制御を行うことができる。
なお、本実施形態においては、交流入力電圧Vinが正のときのデューティ比の平均値と、交流入力電圧Vinが負のときのデューティ比の平均値と、を同一としている。しかし、これに限られず、当該デューティ比の平均値を交流入力電圧Vinの正負で異ならせてもよい。
一方、交流入力電圧Vinが負である半周期において、交流電源PSから出力される入力電流iinの平均値は、図6の下図に示すように、交流入力電圧Vinに対応して増減する。ただし、交流入力電圧Vinの絶対値が第2直流出力電圧Vout2よりも小さい時間においては、入力電流iinは流れない。
上記のように、本実施形態の交直変換回路1において、第1出力端子O1と第2出力端子O2との間で第1キャパシタ素子C1と第2キャパシタ素子C2は直列接続されている。従って、第1キャパシタ素子C1に一定の第1直流出力電圧Vout1が発生し、第2キャパシタ素子C2に一定の第2直流出力電圧Vout2が発生することにより、交直変換回路1は、図7に示すように、交流入力電圧Vinの一周期にわたり、第1出力端子O1と第2出力端子O2との間に、第1直流出力電圧Vout1と第2直流出力電圧Vout2とを合計した一定の電圧(Vout1+Vout2)を出力電圧Voutとして出力できる。
なお、上記においては、交流入力電圧Vinが正のときには、第1直流出力電圧Vout1の時間平均値がほぼ一定となるように制御し、交流入力電圧が負のときには、第2直流出力電圧Vout2の時間平均値がほぼ一定となるように制御する方法を述べた。が、ただし、他の方法として、交流入力電圧Vinの正負によらず、出力電圧Voutの時間平均値がほぼ一定となるように制御してもよい。この方法の場合、Vout1とVout2との両方をモニタする必要がなく、Voutのみをモニタすればよいため、電圧検出回路を簡略化することができる。
また、降圧チョッパ回路である第1副交直変換回路13及び第2副交直変換回路15は、それぞれ、最大で交流入力電圧Vinのピーク電圧と等しい第1直流出力電圧Vout1及び第2直流出力電圧Vout2を出力できる。その結果、実施の形態1に係る交直変換回路1は、第1出力端子O1と第2出力端子O2との間に、最大で交流入力電圧Vinのピーク電圧の2倍の直流電圧を出力電圧Voutとして出力できる。
上記のように交流入力電圧Vinよりも大きな直流電圧を出力できる回路としては、例えば、昇圧チョッパ型の交直変換回路がある。昇圧チョッパ型の交直変換回路において、出力端子に並列接続されるキャパシタ素子は、インダクタ素子を介して交流電源に接続される。このため、昇圧チョッパ型の交直変換回路において交流電源をオンとしたときに、交流電源からインダクタ素子を介して、キャパシタ素子及び/又は出力端子に接続された負荷に突入電流が流れることがある。突入電流が回路を構成する素子又は負荷に流れることを回避するために、一般的な昇圧チョッパ型の交直変換回路は、例えば、突入電流を抑制するためのサーミスタを有する。
一方、降圧チョッパ回路である第1副交直変換回路13及び第2副交直変換回路15においては、図1に示すように、インダクタ素子L、第1キャパシタ素子C1、及び第2キャパシタ素子C2は、スイッチング回路SWを介して、交流電源PSと接続されている。従って、第1副交直変換回路13及び第2副交直変換回路15においては、交流電源PSをオンしたときに、インダクタ素子L、第1キャパシタ素子C1、及び第2キャパシタ素子C2に突入電流は流れない。
従って、実施の形態1に係る交直変換回路1は、サーミスタなどの突入電流を抑制するための素子を必要とすることなく突入電流の発生を回避しつつ、交流入力電圧Vinのピーク電圧よりも高い直流電圧を、第1出力端子O1と第2出力端子O2の間に出力できる。
さらに、後ほど詳しく説明するように、実施の形態1に係る交直変換回路1と従来の降圧チョッパ型の交直変換回路との比較において、同一のピーク値を有する交流入力電圧Vinに対して同一の直流電圧を出力する場合、交直変換回路1において入力電流iinが流れる期間は、従来の降圧チョッパ型の交直変換回路において入力電流が流れる期間よりも長くなっている。
なぜなら、同一の交流入力電圧Vinを入力する第1副交直変換回路13と第2副交直変換回路15が、出力電圧Voutを第1直流出力電圧Vout1と第2直流出力電圧Vout2に分圧するからである。その結果、交流入力電圧Vinの一周期に対して、本実施形態の交直変換回路1において交流入力電圧Vinが第1直流出力電圧Vout1又は第2直流出力電圧Vout2よりも大きくなる時間を、従来の降圧チョッパ型の交直変換回路において交流入力電圧Vinが出力電圧Vout(Vout1+Vout2)よりも大きくなる時間より長くできるからである。
上記のように、入力電流iinは交流入力電圧Vinの増減に対応して増減するので、入力電流iinをより長時間流すことにより、実施の形態1に係る交直変換回路1は、入力電流iinの波形を交流入力電圧Vinの波形により近づけることができる。すなわち、同一の入力電圧に対して同一の出力電圧を出力する場合において、実施の形態1に係る交直変換回路1は、従来の降圧チョッパ型の交直変換回路よりも高力率にて動作できる。
(2.比較例)
以下、図8に示すような一般的な降圧チョッパ型の交直変換回路において、実施の形態1において説明したのと同一の交流入力電圧Vinを入力し、同一の大きさの出力電圧Vout1+Vout2を出力する場合の動作について説明する。
図8に示す降圧チョッパ型の交直変換回路は、交流電源PS’が出力する交流入力電圧Vinを全波整流するブリッジダイオードBD’と、スイッチング回路SW’を介してブリッジダイオードBD’を接続するインダクタ素子L’と、一端を第1出力端子O1’に接続し他端を第2出力端子O2’に接続するキャパシタ素子C’と、アノード側を第1出力端子O1’に接続しカソード側をインダクタ素子L’とスイッチング回路SW’との間に接続する整流素子D’と、を有する。
図8に示す降圧チョッパ型の交直変換回路において、交流入力電圧VinをブリッジダイオードBD’に入力して第1出力端子O1’と第2出力端子O2’との間にVout1+Vout2の直流の出力電圧を出力する場合、図9の下図の太実線にて示すように、交流入力電圧Vinの絶対値がVout1+Vout2よりも大きいときに入力電流が流れる。
従って、図8に示す降圧チョッパ型の交直変換回路において、入力電流が流れる時間の交流入力電圧Vinの一周期に対する割合は、実施の形態1に係る交直変換回路1よりも小さくなっている。その結果、図8に示す降圧チョッパ型の交直変換回路において流れる入力電流の波形は、実施の形態1に係る交直変換回路1において流れる入力電流iinの波形(図9の下図において点線にて表す)よりも、交流入力電圧Vinとはかけ離れている。すなわち、同一の入力電圧に対して同一の出力電圧を出力する場合、図8に示す降圧チョッパ型の交直変換回路における力率は、実施の形態1に係る交直変換回路1の力率よりも低くなっている。
(3.実施の形態2)
上記の実施の形態1において、スイッチング回路SWは、第1副交直変換回路13と第2副交直変換回路15とにより共有されていた。そのため、実施の形態1に係る交直変換回路1は、1つのスイッチング回路SWのみを備えていた。しかし、これに限られず、第1副交直変換回路13と第2副交直変換回路15とに対して個別にスイッチング素子を設けてもよい。
具体的には、図10に示すように、実施の形態2に係る交直変換回路2は、直列接続された第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2とを有するスイッチング回路SW’’を備える。また、スイッチング回路SW’’は、第1スイッチング素子SW1に並列接続された第5整流素子D5と、第2スイッチング素子SW2に並列接続された第6整流素子D6と、を有する。
第5整流素子D5は、アノード側の一端を第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2との間に接続し、カソード側の他端を第1スイッチング素子SW1の第1入力端子I1が接続された側に接続する。第6整流素子D6は、アノード側の一端を第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2との間に接続し、カソード側の他端を第2スイッチング素子SW2のインダクタ素子Lに接続された側に接続する。この結果、図10に示すように、第5整流素子D5のアノード側と第6整流素子D6のアノード側とが、第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2との間において共通に接続される。
第5整流素子D5及び第6整流素子D6は、それぞれ、個別の素子(例えば、ダイオード)であってもよいし、第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2内部に形成された整流素子(本体ダイオード、寄生ダイオードなどと呼ばれる)であってもよい。第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2がNMOS−FETである場合、第5整流素子D5のアノード側、及び、第6整流素子D6のアノード側は、それぞれ、第1スイッチング素子SW1のソース極及び第2スイッチング素子SW2のソース極に接続される。これにより、第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2のソース極同士が共通ノードに接続されることになる。
このため、第5整流素子D5のアノード側と第6整流素子D6のアノード側とを第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2との間において共通に接続することにより、第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2のゲート駆動電源を共通とできる。なぜなら、第1スイッチング素子SW1のソース極と第2スイッチング素子SW2のソース極とを共通に接続することにより、ゲート駆動電源のグラウンドを第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2にて共通とできるからである。
図10に示すスイッチング回路SW’’において、上記とは逆に、第5整流素子D5のカソード側と第6整流素子D6のカソード側が、第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2との間にて共通に接続されてもよい。この場合、第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2との接続順を、図10に示す場合とは逆にしてもよい。具体的には、第2スイッチング素子SW2を、第1スイッチング素子SW1よりも第1入力端子I1により近い側に配置してもよい。
実施の形態2において、第1副交直変換回路13を動作させるとき、すなわち、第1入力端子I1の電位VLが第2入力端子I2の電位VNよりも高いとき、制御回路19は、第1スイッチング素子SW1のオン状態とオフ状態とをPWM制御にて高速に切り替える。一方、第2副交直変換回路15を動作させるとき、すなわち、第1入力端子I1の電位VLが第2入力端子I2の電位VNよりも低いとき、第2スイッチング素子SW2のオン状態とオフ状態とをPWM制御にて高速に切り替える。
上記のスイッチング回路SW’’において、一方のスイッチング素子のオン状態とオフ状態とを切り替える間、他方のスイッチング素子は、オン状態を維持していてもよいし、オフ状態を維持していてもよい。
交流入力電圧Vinが正(VL>VN)のときに第1スイッチング素子SW1がオン状態となると、第2スイッチング素子SW2がオフ状態を維持する場合には、第1スイッチング素子SW1と第6整流素子D6に入力電流iinが流れる。一方、第2スイッチング素子SW2がオン状態を維持する場合には、第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2に入力電流iinが流れる。
一方、交流入力電圧Vinが負(VL<VN)のときに第2スイッチング素子SW2がオン状態となると、第1スイッチング素子SW1がオフ状態を維持する場合には、第2スイッチング素子SW2と第5整流素子D5に入力電流iinが流れる。一方、第1スイッチング素子SW1がオン状態を維持する場合には、第2スイッチング素子SW2と第1スイッチング素子SW1に入力電流iinが流れる。
上記のように、一方のスイッチング素子をPWM制御する間に他方のスイッチング素子をオン状態に維持することにより、第5整流素子D5又は第6整流素子D6に入力電流iinが流れることにより発生する導通損を低減できる。
また、一方のスイッチング素子をPWM制御する間に他方のスイッチング素子をオン状態に維持する場合、交流入力電圧Vinがゼロクロス点に到達した所定の時間後、あるいは交流入力電圧Vinがゼロクロス点通過後所定の電圧に達したときにオン状態にし、かつ、次のゼロクロス点に到達する手前のタイミングにおいてオフ状態とすることが好ましい。これにより、ゼロクロス点の検知に誤差が生じていても、ゼロクロス点の到達前にオン状態を開始し、及び/又は、ゼロクロス点の到達後にオン状態を終了するといった誤動作を防止できる。
スイッチング回路SW’’において、第1スイッチング素子SW1のスイッチング動作により電気的に接続又は切断される両端に第5整流素子D5を並列接続し、第2スイッチング素子SW2のスイッチング動作により電気的に接続又は切断される両端に第6整流素子D6を並列接続することにより、交流入力電圧Vinのゼロクロス点近傍において、入力電流iinは、第5整流素子D5または第6整流素子D6を通過して流れることができる。その結果、交流入力電圧Vinのゼロクロス点において、交直変換回路2のスムーズな制御を実現できる。
なお、第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2の「スイッチング動作により電気的に接続又は切断される両端」とは、第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2がMOSFETである場合には、これらのスイッチング素子のソース極とドレイン極のことを言う。
(4.実施の形態3)
実施の形態3において、交直変換回路3は、図11に示すように、第3スイッチング素子SW3と、第5スイッチング素子SW5と、をさらに備えていてもよい。第3スイッチング素子SW3は、スイッチング動作により電気的に接続又は切断される両端のうちの一端を第1出力端子O1に接続し、他端を第3整流素子D3のアノード側に接続する。すなわち、第3スイッチング素子SW3は、インダクタ素子Lと第1出力端子O1との間において、第3整流素子D3に直列接続される。制御回路19は、第2副交直変換回路15が動作中、すなわち、交流入力電圧Vinが負のときに、第3スイッチング素子SW3をオフ状態とする。
一方、第5スイッチング素子SW5は、スイッチング動作により電気的に接続又は切断される両端のうちの一端を第2出力端子O2に接続し、他端を第4整流素子D4のカソード側に接続する。すなわち、第5スイッチング素子SW5は、インダクタ素子Lと第2出力端子O2との間において、第4整流素子D4に直列接続される。制御回路19は、第1副交直変換回路13が動作中、すなわち、交流入力電圧Vinが正のときに、第5スイッチング素子SW5をオフ状態とする。
上記の第3スイッチング素子SW3と第5スイッチング素子SW5とを備えることにより、交直変換回路3は、第1出力端子O1と第2出力端子O2との間に、交流入力電圧Vinの絶対値のピーク値よりも小さな出力電圧Voutを出力できる。
以下、例として、第3スイッチング素子SW3と第5スイッチング素子SW5を有しない交直変換回路において、交流入力電圧Vinの絶対値のピーク値よりも小さな出力電圧Voutを出力する場合を考える。交流入力電圧Vinが正(VL>VN)であり第1副交直変換回路13が動作中に、交流電源PSの第1極P1の電位VLが第2出力端子O2の電位(Vout+VN)よりも大きくなると、第4整流素子D4を電流が流れて第2キャパシタ素子C2を充電する。その結果、交流入力電圧Vinの絶対値のピーク値よりも小さな電圧を、第1出力端子O1と第2出力端子O2との間に出力できなくなる。
一方、交流入力電圧Vinが負(VL<VN)であり第2副交直変換回路15が動作中に、第1極P1の電位VLが第1出力端子O1に電位(VN−Vout)よりも小さくなると、第3整流素子D3を電流が流れて第1キャパシタ素子C1を充電する。その結果、交流入力電圧Vinの絶対値のピーク値よりも小さな電圧を、第1出力端子O1と第2出力端子O2との間に出力できなくなる。
従って、実施の形態3に係る交直変換回路3において、交流入力電圧Vinが正であり第1副交直変換回路13が動作中に第5スイッチング素子SW5をオフ状態とすることにより、第1極P1の電位VLがVout+VNよりも大きくなったときに第4整流素子D4に電流が流れることを回避できる。また、交流入力電圧Vinが負であり第2副交直変換回路15が動作中に第3スイッチング素子SW3をオフ状態とすることにより、第1極P1の電位VLがVN−Voutよりも小さくなったときに第3整流素子D3に電流が流れることを回避できる。
第1極P1の電位VLがVout+VNよりも大きくなったときに第4整流素子D4に電流を流さず、かつ、VN−Voutよりも小さくなったときに第3整流素子D3に電流を流さないことにより、第1キャパシタ素子C1及び第2キャパシタ素子C2がインダクタ素子L以外の経路で充電されることを回避して、第1出力端子O1と第2出力端子O2との間に、交流入力電圧Vinの絶対値のピーク値よりも小さな出力電圧Voutを出力できる。
図11に示すように、第3スイッチング素子SW3には、第7整流素子D7が並列接続されていてもよく、第5スイッチング素子SW5には、第8整流素子D8が並列接続されていてもよい。この場合、第7整流素子D7及び第8整流素子D8は、それぞれ、個別の素子であってもよいし、第3スイッチング素子SW3及び第5スイッチング素子SW5内部に形成された整流素子(寄生ダイオード、本体ダイオード)であってもよい。
また、第3整流素子D3と第3スイッチング素子SW3は直列接続されていれば、その接続関係は図11とは逆であってもよい。すなわち、第3整流素子D3のアノード側が第1出力端子O1に接続され、カソード側が第3スイッチング素子SW3の一端と接続され、第3スイッチング素子SW3の他端がインダクタ素子Lに接続されてもよい。
上記と同様に、第4整流素子D4と第5スイッチング素子SW5は直列接続されていれば、その接続関係は図11とは逆であってもよい。すなわち、第4整流素子D4のカソード側が第2出力端子O2に接続され、アノード側が第5スイッチング素子SW5の一端と接続され、第5スイッチング素子SW5の他端がインダクタ素子Lに接続されていてもよい。
さらに、第3スイッチング素子SW3及び第5スイッチング素子SW5は、実施の形態1のスイッチング回路SW、及び/又は、実施の形態2の第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2よりも低速にてスイッチング動作が可能であってもよい。第3スイッチング素子SW3及び第5スイッチング素子SW5として、低速動作のスイッチング素子を用いることにより、交直変換回路3を安価にできる。
(5.実施の形態4)
実施の形態4において、交直変換回路4は、図12に示すように、第4スイッチング素子SW4と、第6スイッチング素子SW6と、をさらに備えていてもよい。第4スイッチング素子SW4は、スイッチング動作により電気的に接続又は切断される両端のうちの一端を第3整流素子D3のアノード側に接続し、他端を第3整流素子D3のカソード側に接続する。すなわち、第4スイッチング素子SW4は、第3整流素子D3に並列接続される。
第6スイッチング素子SW6は、スイッチング動作により電気的に接続又は切断される両端のうちの一端を第4整流素子D4のアノード側に接続し、他端を第4整流素子D4のカソード側に接続する。すなわち、第6スイッチング素子SW6は、第4整流素子D4に並列接続される。
実施の形態4に係る交直変換回路4において、制御回路19は、第1入力端子I1の電位VLが第2入力端子I2の電位VNよりも高い場合に、すなわち、交流入力電圧Vinが正のときに、第1スイッチング素子SW1がオン状態からオフ状態に遷移した後の所定のタイミングにて、第4スイッチング素子SW4をオン状態とする。また、第1スイッチング素子SW1がオフ状態からオン状態に遷移する前の所定のタイミングにて、第4スイッチング素子SW4をオフ状態とする。
これにより、交流入力電圧Vinが正のときに第1副交直変換回路13が動作中に、第1スイッチング素子SW1がオフ状態となり、インダクタ素子Lと、第1キャパシタ素子C1と、第3整流素子D3(第4スイッチング素子SW4)と、により形成される閉回路に環流電流が流れるときに、当該環流電流は第4スイッチング素子SW4を通過する。その結果、当該環流電流が第3整流素子D3に流れることにより発生する導通損を低減できる。
一方、制御回路19は、第1入力端子I1の電位VLが第2入力端子I2の電位VNよりも低い場合に、すなわち、交流入力電圧Vinが負のときに、第2スイッチング素子SW2がオン状態からオフ状態に遷移した後の所定のタイミングにて、第6スイッチング素子SW6をオン状態とする。また、第2スイッチング素子SW2がオフ状態からオン状態に遷移する前の所定のタイミングにて、第6スイッチング素子SW6をオフ状態とする。
これにより、交流入力電圧Vinが負のときに第2副交直変換回路15が動作中に、第2スイッチング素子SW2がオフ状態となり、インダクタ素子Lと、第2キャパシタ素子C2と、第4整流素子D4(第6スイッチング素子SW6)と、により形成される閉回路に環流電流が流れるときに、当該環流電流は第6スイッチング素子SW6を通過する。その結果、当該環流電流が第4整流素子D4に流れることにより発生する導通損を低減できる。
上記の交直変換回路4において、第3整流素子D3及び第4整流素子D4は、それぞれ、個別の素子(例えば、ダイオード)であってもよいし、第4スイッチング素子SW4及び第6スイッチング素子SW6内部に形成された整流素子(本体ダイオード、寄生ダイオード)であってもよい。
(6.実施の形態5)
実施の形態5において、交直変換回路5は、図13に示すように、第7スイッチング素子SW7と、第8スイッチング素子SW8と、をさらに備えていてもよい。第7スイッチング素子SW7は、スイッチング動作により電気的に接続又は切断される両端のうちの一端を第1整流素子D1のアノード側に接続し、他端を第1整流素子D1のカソード側に接続する。すなわち、第7スイッチング素子SW7は、第1整流素子D1に並列接続される。
第8スイッチング素子SW8は、スイッチング動作により電気的に接続又は切断される両端のうちの一端を第2整流素子D2のアノード側に接続し、他端を第2整流素子D2のカソード側に接続する。すなわち、第8スイッチング素子SW8は、第2整流素子D2に並列接続される。
実施の形態5に係る交直変換回路5において、制御回路19は、第1入力端子I1の電位VLが第2入力端子I2の電位VNよりも高くなり、すなわち、交流入力電圧Vinが正となり、第1整流素子D1が非導通状態から導通状態となった後の所定のタイミングにて、第7スイッチング素子SW7をオン状態とする。また、第1入力端子I1の電位VLが第2入力端子I2の電位VNよりも低くなり第1整流素子D1が導通状態から非導通状態となる前の所定のタイミングにて、第7スイッチング素子SW7をオフ状態とする。
これにより、交流入力電圧Vinが正のときに第1副交直変換回路13が動作中に、入力電流iinは第7スイッチング素子SW7を通過する。その結果、入力電流iinが第1整流素子D1に流れることにより発生する導通損を低減できる。
一方、制御回路19は、第1入力端子I1の電位VLが第2入力端子I2の電位VNよりも低くなり、すなわち、交流入力電圧Vinが負となり、第2整流素子D2が非導通状態から導通状態となった後の所定のタイミングにて、第8スイッチング素子SW8をオン状態とする。また、第1入力端子I1の電位VLが第2入力端子I2の電位VNよりも高くなり第2整流素子D2が導通状態から非導通状態となる前の所定のタイミングにて、第8スイッチング素子SW8をオフ状態とする。
これにより、交流入力電圧Vinが負のときに第2副交直変換回路15が動作中に、入力電流iinは第8スイッチング素子SW8を通過する。その結果、入力電流iinが第2整流素子D2に流れることにより発生する導通損を低減できる。
上記の第7スイッチング素子SW7及び第8スイッチング素子SW8を有することにより、交直変換回路5は、第1副交直変換回路13が動作中に、第2入力端子I2、すなわち、交流電源PSの第2極P2と第1出力端子O1とを導通状態とし、第2副交直変換回路15が動作中に、交流電源PSの第2極P2と第2出力端子O2とを導通状態とできる。その結果、第1出力端子O1及び第2出力端子O2の電位を安定させて、ノイズの発生を抑制できる。
図13に示すように、交直変換回路5を構成する各整流素子に対してスイッチング素子を並列接続することにより、交直変換回路5全体において、整流素子に電流が流れることによる導通損を低減できる。
上記の実施の形態5に係る交直変換回路5において、交流入力電圧Vinが正となり第1副交直変換回路13が動作中に、交流入力電圧Vinが第1キャパシタ素子C1の両端間の電圧を下回った場合には、第2スイッチング素子SW2又は第7スイッチング素子SW7のいずれかをオフ状態とする。これにより、交流入力電圧Vinが第1キャパシタ素子C1の両端間の電圧を下回ったときに、第1スイッチング素子SW1がオフ状態であるにもかかわらず第1キャパシタ素子C1から第1入力端子I1に向かう方向の逆電流が流れることを回避できる。
一方、交流入力電圧Vinが負となり第2副交直変換回路15が動作中に、交流入力電圧Vinの絶対値が第2キャパシタ素子C2の両端間の電圧を下回った場合には、第1スイッチング素子SW1又は第8スイッチング素子SW8のいずれかをオフ状態とする。これにより、交流入力電圧Vinの絶対値が第2キャパシタ素子C2の両端間の電圧を下回ったときに、第2スイッチング素子SW2がオフ状態であるにもかかわらず第1入力端子I1から第2キャパシタ素子C2に向かう方向の逆電流が流れることを回避できる。
(7.実施の形態6)
上記の実施の形態1〜5において、インダクタ素子Lは、第1副交直変換回路13と第2副交直変換回路15とにより共有されていた。そのため、実施の形態1〜5に係る交直変換回路1〜5は、1つのインダクタ素子Lのみを備えていた。しかし、これに限られず、図14に示すように、第1副交直変換回路13’と第2副交直変換回路15’とに対して個別にインダクタ素子を設けてもよい。この場合、第1副交直変換回路13’及び第2副交直変換回路15’が、それぞれ、独立した降圧チョッパ回路を構成する。
具体的には、第1副交直変換回路13’は、第1スイッチング素子SW1’と、第1インダクタ素子L1と、第1キャパシタ素子C1’と、第1整流素子D1’と、第3整流素子D3’と、を有する。第1スイッチング素子SW1’は、スイッチング動作により電気的に接続又は切断される両端のうちの一端を第1入力端子I1に接続する。第1インダクタ素子L1は、第1スイッチング素子SW1’の第1入力端子I1と接続された側とは反対側の他端を接続する。
第1キャパシタ素子C1’は、一端を第1インダクタ素子L1の第1スイッチング素子SW1’と接続された側とは反対側の他端に接続し、他端を第1出力端子O1に接続する。第1整流素子D1’は、アノード側を第1出力端子O1に接続し、カソード側を第2入力端子I2に接続する。
第2副交直変換回路15’は、第2スイッチング素子SW2’と、第2インダクタ素子L2と、第2キャパシタ素子C2’と、第2整流素子D2’と、第4整流素子D4’と、を有する。第2スイッチング素子SW2’は、スイッチング動作により電気的に接続又は切断される両端のうちの一端を第1入力端子I1に接続する。第2インダクタ素子L2は、第2スイッチング素子SW2’の第1入力端子I1と接続された側とは反対側の他端を接続する。
第2キャパシタ素子C2’は、一端を第2インダクタ素子L2の第2スイッチング素子SW2’と接続された側とは反対側の他端に接続する。また、第2キャパシタ素子C2’の当該一端は、第1キャパシタ素子C1’と接続されている。第2キャパシタ素子C2’は、その他端を第2出力端子O2に接続する。これにより、第1キャパシタ素子C1’と第2キャパシタ素子C2’は、第1出力端子O1と第2出力端子O2との間において直列接続される。
第2整流素子D2’は、カソード側を第2出力端子O2に接続し、アノード側を第2入力端子I2に接続する。
上記の構成を有する交直変換回路6において、制御回路(図14において図示せず)は、第1入力端子I1の電位VLが第2入力端子I2の電位VNよりも高い場合に、PWM制御にて第1スイッチング素子SW1’のオン状態とオフ状態とを切り替える。これにより、第1副交直変換回路13’が動作する。
具体的には、第1入力端子I1の電位VLが第2入力端子I2の電位VNよりも高い場合に第1スイッチング素子SW1’がオン状態となると、(1)第1入力端子I1、(2)第1スイッチング素子SW1’、(3)第1インダクタ素子L1、(4)第1キャパシタ素子C1’、(5)第1整流素子D1’、(6)第2入力端子I2の順に入力電流iinが流れる。一方、第1スイッチング素子SW1’がオフ状態のときには、第1インダクタ素子L1と、第1キャパシタ素子C1’と、第3整流素子D3’により構成される閉回路に環流電流が流れる。当該環流電流は、絶対値が時間的に減少する。
上記のように第1スイッチング素子SW1’のオン状態とオフ状態を高速に切り替える際に、オン状態である時間とオフ状態である時間との比を調整することによって、入力電流iinを調整できる。特に、入力電圧波形に比例させるように入力電流iinを制御すれば、入力力率を改善できる。
また、上記の入力電流iin及び環流電流により第1キャパシタ素子C1’が充電される一方、第1キャパシタ素子C1’に蓄積された電荷は、第2キャパシタ素子C2’を通じて負荷LOにて消費される。充電電荷量の時間平均が負荷消費の時間平均よりも大きければ、第1キャパシタ素子C1’の両端の電位差(電圧)は増加し、充電電荷量の時間平均が負荷消費の時間平均よりも小さければ、第1キャパシタ素子C1’の両端の電位差(電圧)は低下する。
従って、入力電流iinが流れる時間と流れない時間との比率、すなわち、第1スイッチング素子SW1’がオン状態とオフ状態とを高速に切り替えるときのデューティ比が、第1キャパシタ素子C1’の両端に発生する電圧を決定する。
短期的には入力電流波形が高力率となるようにディーティ比を調整しつつ、長期的な時間平均では第1キャパシタ素子C1’の電圧Vout1’がほぼ一定となるようにデューティ比を調整することにより、力率の高い交直変換制御を行うことができる。
一方、制御回路は、第1入力端子I1の電位VLが第2入力端子I2の電位VNよりも低い場合に、PWM制御にて第2スイッチング素子SW2’のオン状態とオフ状態とを切り替える。これにより、第2副交直変換回路15’が動作する。
具体的には、第1入力端子I1の電位VLが第2入力端子I2の電位VNよりも低い場合に第2スイッチング素子SW2’がオン状態となると、(1)第2入力端子I2、(2)第2整流素子D2’、(3)第2キャパシタ素子C2’、(4)第2インダクタ素子L2、(5)第2スイッチング素子SW2’、(6)第1入力端子I1の順に入力電流iinが流れる。一方、第2スイッチング素子SW2’がオフ状態のときには、第2インダクタ素子L2と、第2キャパシタ素子C2’と、第4整流素子D4’により構成される閉回路に環流電流が流れる。当該環流電流は、絶対値が時間的に減少する。
上記のように第2スイッチング素子SW2’のオン状態とオフ状態を高速に切り替える際に、オン状態である時間とオフ状態である時間との比を調整することによって、入力電流iinを調整できる。特に、入力電圧波形に比例させるように入力電流iinを制御すれば、入力力率を改善できる。
また、上記の入力電流iin及び環流電流により第2キャパシタ素子C2’が充電される一方、第2キャパシタ素子C2’に蓄積された電荷は、第1キャパシタ素子C1’を通じて負荷LOにて消費される。充電電荷量の時間平均が負荷消費の時間平均よりも大きければ、第2キャパシタ素子C2’の両端の電位差(電圧)は増加し、充電電荷量の時間平均が負荷消費の時間平均よりも小さければ、第2キャパシタ素子C2’の両端の電位差(電圧)は低下する。
従って、入力電流iinが流れる時間と流れない時間との比率、すなわち、第2スイッチング素子SW2’がオン状態とオフ状態とを高速に切り替えるときのデューティ比が、第2キャパシタ素子C2’の両端に発生する電圧を決定する。
短期的には入力電流波形が高力率となるようにディーティ比を調整しつつ、長期的な時間平均では第2キャパシタ素子C2’の電圧Vout2’がほぼ一定となるようにデューティ比を調整することにより、力率の高い交直変換制御を行うことができる。
上記のように、第1出力端子O1と第2出力端子O2との間において、第1キャパシタ素子C1’と第2キャパシタ素子C2’は直列接続されているので、交直変換回路6は、第1出力端子O1と第2出力端子O2との間に、第1キャパシタ素子C1’の電圧Vout1’と第2キャパシタ素子C2’の電圧Vout2’とを合計した一定の電圧Vout1’+Vout2’を出力電圧Vout’として出力できる。
なお、上記においては、交流入力電圧Vinが正のときには、第1直流出力電圧Vout1’の時間平均値がほぼ一定となるように制御し、交流入力電圧Vinが負のときには、第2直流出力電圧Vout2’の時間平均値がほぼ一定となるように制御する方法を述べた。ただし、他の方法として、交流入力電圧Vinの正負によらず、出力電圧Vout’の時間平均値がほぼ一定となるように制御してもよい。この方法の場合、電圧Vout1’と電圧Vout2’との両方をモニタする必要がなく、電圧Vout’のみをモニタすればよいため、電圧検出回路を簡略化することができる。
(7.その他実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、上記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、複数の実施の形態の組み合わせ、省略などを行うことは可能である。そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
[1] 交流電源PSは単相の交流電源に限られず、3つの極を有する三相の交流電源であってもよい。この場合、交流電源PSは、当該3つの極のうちの2つの極を、交直変換回路1〜6の第1入力端子I1及び第2入力端子I2に接続してもよい。