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JP6989376B2 - そば粉及びそば粉の製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、そばの製麺における茹でそば、または調理麺そばの老化を防止可能なそば粉及びそば粉の製造方法に関する。
古来よりそばは、嗜好性の高い食品として老若男女問わず広く親しまれている。
特に近年では、スーパーやコンビニエンスストア等において、既に調理済みの状態で店頭にて販売されている。
このような店頭販売される茹でそばや調理済みのそば(以下、調理麺そばともいう。)は、購入してすぐに喫食可能であることから大変利便性の高いものであるが、茹上げや蒸上げなどの加水加熱処理が施されてから消費されるまで少なくとも数時間、長い場合には数日を要する場合があり、そばの老化に由来して良好な食感が失われてしまうこととなる。
そこで、所定量の小麦粉をそば粉に加えることで、茹で上げ後においても良好な食感を維持できるようにしたそばの製造方法が提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−266816号公報
しかしながら、上記従来の技術をもってしても、茹で立て時の食感を十分に保持できているとは言い難い状態であり、更なる新たな技術が求められていた。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、加水加熱処理後に比較的長時間経過した場合であっても、茹で立て時の食感を可及的維持することのできる茹でそばや、調理麺そばを調製可能なそば粉及びそば粉の製造方法を提供する。
上記従来の課題を解決するために、本発明に係るそば粉では、(1)そばの製麺における茹でめんや、調理麺そばの老化を防止すべく、含有するデンプンの一部を加熱処理によりα化したそば粉において、加熱済の更科粉と、非加熱のむき実全層粉と、むき実の甘皮部を主成分とする非加熱の甘皮粉と、を配合した
また、本発明に係るそば粉では、以下の点にも特徴を有する。
(2)α化度を3〜80%としたこと
また、本発明に係るそば粉の製造方法では、()加熱済の更科粉と、非加熱のむき実全層粉と、むき実の甘皮部を主成分とする非加熱の甘皮粉とを混合してそば粉とすることとした。
また、本発明に係るそば粉の製造方法では、以下の点にも特徴を有する。
)前記加熱済更科粉は、非加熱の更科粉に対し水を加えて混練して更科粉ペーストを調製し、同更科粉ペーストを加熱板に塗布して80〜200℃の温度で加熱して20〜70%のα化度としつつ乾燥させ、前記加熱板から乾燥物を剥離し粉砕して得た粉であること。
)前記加熱済更科粉は、エクストルーダーを通した更科粉及び/又は過熱水蒸気と接触させたむき実を粉砕して得た更科粉及び/又は湯煎やマイクロ波照射させたむき実を粉砕して得た更科粉であること
本発明に係るそば粉によれば、そばの製麺における茹でそばや調理麺そばの老化を防止すべく、含有するデンプンの一部を加熱処理によりα化したため、加水加熱処理後に比較的長時間経過した場合であっても、茹で立て時の食感を可及的維持することのできる茹でそばや、調理麺そばを調製可能なそば粉を提供することができる。
また、α化度を3〜80%とすれば、茹で立て時の食感をより堅実に維持することが可能なそば粉とすることができる。
また、加熱済の更科粉と、非加熱のむき実全層粉と、むき実の甘皮部を主成分とする非加熱の甘皮粉と、を配合してなることとすれば、加熱変性したそば由来タンパク質の量を少なくしつつも、所望のα化度のデンプンを含有し、しかも、香味に優れたそば粉を提供することができる。
また、本発明に係るそば粉の製造方法によれば、加熱済の更科粉と、非加熱のむき実全層粉と、むき実の甘皮部を主成分とする非加熱の甘皮粉とを混合してそば粉とすることとしたため、加水加熱処理後に比較的長時間経過した場合であっても、茹で立て時の食感を可及的維持することのできる茹でそばや、調理麺そばを調製可能なそば粉を製造可能なそば粉の製造方法を提供することができ、併せて、加熱変性したそば由来タンパク質の量を少なくしつつも、所望のα化度のデンプンを含有し、しかも、香味に優れたそば粉を製造することができる。
また、前記加熱済更科粉は、非加熱の更科粉に対し水を加えて混練して更科粉ペーストを調製し、同更科粉ペーストを加熱板に塗布して80〜200℃の温度で加熱して20〜70%のα化度としつつ乾燥させ、前記加熱板から乾燥物を剥離し粉砕して得た粉であることとすれば、比較的簡便且つ堅実に加熱済更科粉の調製を行うことができる。
また、前記加熱済更科粉は、エクストルーダーを通した更科粉や過熱水蒸気と接触させたむき実を粉砕して得た更科粉、湯煎やマイクロ波照射させたむき実を粉砕して得た更科粉、又はこれらの混合粉であることとしても良い。このような構成とすることによっても、比較的簡便且つ堅実に加熱済更科粉の調製を行うことができる。
また、本発明に係るそば粉の製造方法では、加熱したむき実を粉砕し、得られた全層粉をそば粉とすることとしたため、加水加熱処理後に比較的長時間経過した場合であっても、茹で立て時の食感を可及的維持することのできる茹でそばや、調理麺そばを調製可能なそば粉を製造可能なそば粉の製造方法を提供することができる。
また、前記加熱は、エクストルーダー、過熱水蒸気、水蒸気との接触、湯煎、マイクロ波照射の少なくともいずれかにより行われることとすれば、デンプンのα化をより堅実に行うことができる。
また、本発明では、含有するデンプンの一部が加熱処理によりα化された更科粉を、そばの製麺における前記そばの老化防止のために使用することとしたため、加水加熱処理後に比較的長時間経過した場合であっても、茹で立て時の食感を可及的維持することのできる茹でそばや、調理麺そばを調製することができる。
本発明は、加水加熱処理後に比較的長時間経過した場合であっても、茹で立て時の食感を可及的維持することのできる茹でそばや、調理麺そばを調製可能なそば粉及びそば粉の製造方法を提供するものである。
先に言及したように、そば(日本そば)は、比較的嗜好性の高い食品であり、歯ごたえや風味を重視する消費者も数多く存在している。
一方、近年の食品流通の観点においてそばは、喫食可能な茹で上げ済みの状態でスーパーやコンビニエンスストアなどで販売されることが多く、茹で上げから消費されるまでに長時間店頭で陳列されたままの状態となる。
従って、茹で上げ直後から徐々に進行する老化が顕在化すると、官能面が比較的重視されるが故に、商品価値が著しく低下してしまうという問題があった。
このような老化に由来する食感の低下を抑制したり、又は消費者に食感の低下を感じさせにくいようにするために、本実施形態に係るそば粉では、そばの製麺における調理麺そばの老化を防止すべく、含有するデンプンの一部を加熱処理によりα化している。
このような構成とすることにより、加水加熱処理後に比較的長時間経過した場合であっても、茹で立て時の食感を可及的維持することのできる茹でそばや、調理麺そばを調製可能なそば粉を提供することができる。
ところで、そば粉に含まれるデンプンがα化(糊化)されることは、そばの喫食時における食感からコシが失われベタつきが増えるなどの現象が見られるため、店頭に長時間配置されたままとなるような日配食品用のそばの食感改良技術としては何ら寄与するものではないと考えられていた。
しかしながら驚くべきことに、長年の研究を積み重ねるうちに、そば粉に含まれるデンプンをα化することで、必ずしもコシの喪失やベタつき増加などの問題が生じるわけではなく、寧ろ、茹で上げから長時間経過しても美味しく食べることのできるそばが製造可能となることを見出した。
デンプンのα化度は特に限定されるものではないが、例えば、3〜80%とすることができる。3%を下回ると老化防止効果が生起し難くなる一方、80%を超えると前述の如くコシの喪失やベタつき増加が生じる頻度が高くなる。
またそば粉は、加熱済の更科粉と、非加熱のむき実全層粉と、むき実の甘皮部を主成分とする非加熱の甘皮粉と、を配合してなることとしても良い。
本実施形態において加熱済更科粉に使用されるそばは特に限定されるものではなく、むき実の低たんぱく部を挽いて得られたものである。加熱済更科粉の一例としては、例えば予め加熱処理が施されたむき身を挽いて低たんぱく部の粉を得たものや、所謂更科粉に所定の加熱処理を施したものを使用することができる。
また、加熱済更科粉の粒度は特に限定されるものではないが、敢えて例示するならば、200μmの目開きの篩を通過する程度の細かさ、付言すれば平均粒径100〜120μm程度の粉としても良い。このような粒度とすれば、茹で上げから長時間経過した後においても、より優れた食感を生起させることもできる。また特に、後述の非加熱むき実全層粉や非加熱甘皮粉についてもそれぞれ粒度を調整することで、非加熱むき実全層粉や非加熱甘皮粉と相俟って、更に優れた風味豊かなそば粉を調製することも可能である。
加熱済更科粉を製造するにあたって行われる加熱処理の方法としては、例えば加熱前の低たんぱく粉に加水してペースト状とした後にドラムドライヤーに供する方法や、エクストルーダーによる高圧処理や、むき実を百数十℃程度の水蒸気で蒸したり、より高い温度(例えば250〜350℃程度)の過熱水蒸気に曝したり、湯煎で加熱したり、マイクロ波を照射して加熱するなどして予め過熱済みのむき実を調製する方法が挙げられる。
処理温度や時間は、加熱方法や処理量、使用するそばの実の性状に応じて適宜変更可能であるが、いずれの加熱処理においても本実施形態に係るそば粉中の全てのデンプンがα化するように加熱するのではなく、3〜80%に収まるよう留めておくのが重要である。
前述の加熱前の低たんぱく粉に加水してペースト状とした後にドラムドライヤーに供する方法は、処理が比較的行いやすく、一様に加熱処理を施して均一な過熱済み低たんぱく粉を得る手段として有用な方法の一つである。
この方法による場合、1重量部の非加熱の低たんぱく粉に対し0.3重量部の水を加えて混練して低たんぱく粉ペーストを調製し、同低たんぱく粉ペーストを加熱板に塗布して110〜160℃の温度で約5〜20秒間加熱して20〜70%のα化度としつつ乾燥させ、前記加熱板から乾燥物を剥離し粉砕して得られた粉体を加熱済更科粉として得ることが可能である。
ここで加熱板の温度が110℃を下回ると、上述のα化度の範囲内とするための時間が長くなるため好ましくない。また、160℃を超えると、加熱済更科粉に焙焼臭が付着するなどしてそば本来の風味が損なわれることとなるため好ましくない。110〜160℃の温度で低たんぱく粉ペーストの乾燥を行うことにより、所定のα化度に効率的に到達させつつも、風味豊かな加熱済更科粉を製造することができる。
そして、塗布された低たんぱく粉ペーストの乾燥物を加熱板から剥離し粉砕することで加熱済更科粉を得ることができる。
なお、上記では具体的な加熱処理の装置としてドラムドライヤーを例示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、加熱板に塗布した低たんぱく粉ペーストを常圧下において乾燥させることが可能な乾燥装置であれば、連続式、バッチ式を問わず採用可能であることは言うまでもない。
非加熱むき実全層粉は、非加熱のむき実を挽いた粉である。なお、後述の非加熱甘皮粉とも共通するが、ここで非加熱とは前述の加熱処理が施されていない、すなわち、意図的なα化処理が施されていないことを意味するものであり、収穫した玄そばやむき実の乾燥のために行われる加熱や、粉砕時の摩擦による加熱などは除かれる。非加熱むき実全層粉の粒度も特に限定されるものではないが、一例を挙げるならば200μmの目開きの篩を通過する程度の細かさ、付言すれば平均粒径20〜50μm程度の粉とし、加熱済更科粉に対し相対的に細挽きとした粉としても良い。
非加熱甘皮粉は、むき実の甘皮部を主成分とする粉である。この非加熱甘皮粉の粒度もまた限定されるものではなく、一例としては100μmの目開きの篩を通過する程度の細かさ、付言すれば平均粒径20〜50μm程度の粉とし、加熱済更科粉に対し相対的に細挽きとしても良い。
そして、上述してきた加熱済更科粉や非加熱むき実全層粉、非加熱甘皮粉を混合することで、本実施形態に係るそば粉を得ることができる。また、この時の配合割合は、好みの食感や所望する老化抑制効果度合いに応じて適宜調整可能であるが、一例としては調製そば粉10重量部あたり加熱済更科粉が3〜6重量部、非加熱むき実全層粉が3〜5重量部、非加熱甘皮粉が0.5〜2重量部となるように配合することで、茹で上げから長時間経過しても良好な食感を保持可能なそばの原料となるそば粉とすることができる。
なお、本実施形態に係るそば粉は、そばの製麺を行うに際し、本実施形態に係るそば粉のみを主原料とする十割そばの製造を妨げるものではないが、更なる原料を添加して使用することも可能である。このような原料としては、例えば一般的なそば粉(以下、通常のそば粉ともいう。)やグルテン、加工でん粉などとすることができる。
通常のそば粉やグルテン(小麦たんぱく)は特に限定されるものではないが、加工でん粉はタピオカ由来のものが好ましい。
このように、本実施形態に係るそば粉と、通常のそば粉と、粉末グルテンと、でん粉と、水を加えつつ混練することで、生麺そばや乾麺そば製造のための生地として利用することもできる。
特に、先に言及した如くそば粉に含まれるそば由来でん粉をα化するとコシの喪失やベタつき増加などの問題が生じる場合があることに照らすと、α化が施された本実施形態に係るそば粉を、老化を防止するために、換言すれば食感を改善するために用いることは極めて斬新であると言える。
また本実施形態では、加熱したむき実を粉砕し、得られた全層粉をそば粉とするそば粉の製造方法についても提供する。
むき実の加熱は、むき実中のデンプンを所定の割合、例えば、3〜80%のα化度とすることができ、併せてできるだけタンパク質を熱変性させない加熱方法であればれば特に限定されるものではなく、先述のように、エクストルーダー、過熱水蒸気、水蒸気との接触、湯煎、マイクロ波照射の少なくともいずれかにより行うことが可能である。
以下、本実施形態に係るそば粉やそば粉の製造方法について、製造例や試験結果を参照しながら、更に具体的に説明する。
〔1.本実施形態に係るそば粉の製造〕
(1−1.ドラムドライヤー法によるそば粉の製造)
本実施形態に係るそば粉の製造を行った。まず、加熱済の更科粉は、中国産のそば(品種:マンカン)のむき実を電動石臼製粉機を用いて粉砕し、目開きが200μmの篩に供した一番粉(更科粉)を得た(非加熱の更科粉)。
次いで、1重量部の非加熱の更科粉に対し0.3重量部の水を加えて混練して非加熱更科粉ペーストを調製し(ペースト調製工程)、同非加熱更科粉ペーストをドラムドライヤーの加熱ドラム表面に塗布して110〜160℃の温度で約5〜20秒間加熱して20〜80重量%のα化度としつつ乾燥させ(乾燥工程)、加熱ドラム表面から乾燥物を剥離し粉砕し、目開きが200μmの篩に供して加熱済の更科粉とした(加熱済の更科粉調製工程)。得られた加熱済の更科粉についてMalvern社製レーザ回折式粒度分布測定装置(MASTERSIZER2000)に供して計測したところ、平均粒径は100〜120μmであった。
非加熱むき実全層粉は、中国産のそば(品種:マンカン)のむき実を衝撃型微粉砕機を用いて粉砕し、目開きが200μmの篩に供し得られた粉体を非加熱むき実全層粉とした(非加熱むき実全層粉調製工程)。得られた非加熱むき実全層粉についてレーザ回折式粒度分布測定装置に供して計測したところ、平均粒径は20〜50μmであった。
非加熱甘皮粉は、そばむき実の外層部主体の粉を衝撃型微粉砕機を用いて粉砕し、目開きが200μmの篩に供し得られた粉体を非加熱甘皮粉とした(非加熱甘皮粉調製工程)。得られた非加熱甘皮粉についてレーザ回折式粒度分布測定装置に供して計測したところ、平均粒径は20〜50μmであった。
次に、上述の加熱済更科粉、非加熱むき実全層粉、非加熱甘皮粉を5:4:1の重量割合で粉体混合し、得られた混合粉体を本実施形態に係るそば粉A1とした。
(1−2.過熱水蒸気法によるそば粉の製造1)
中国産のそば(品種:マンカン)のむき実に同むき実の重量の3%に相当する水分を添加した上で、約300〜400℃の過熱水蒸気下に約1秒間曝し、むき実の加熱処理を行った。
次いで、得られた加熱処理済みのむき実を電動石臼製粉機を用いて粉砕し、目開きが200μmの篩に供した一番粉(更科粉)を得ることで加熱済更科粉とした。
次に、得られた加熱済更科粉と、先述の(1−1.ドラムドライヤー法によるそば粉の製造)で得た非加熱むき実全層粉及び非加熱甘皮粉とを5:4:1の重量割合で粉体混合し、得られた混合粉体を本実施形態に係るそば粉A2とした。
(1−3.過熱水蒸気法によるそば粉の製造2)
中国産のそば(品種:マンカン)のむき実に同むき実の重量の3%に相当する水分を添加した上で、約200〜300℃の過熱水蒸気下に約1秒間曝し、むき実の加熱処理を行った。
次いで、得られた加熱処理済みのむき実を電動石臼製粉機を用いて粉砕し、篩い分けの後、得られた粉の全部(全層粉)を本実施形態に係るそば粉A3とした。
(1−4.湯煎法によるそば粉の製造)
中国産のそば(品種:マンカン)のむき実に同むき実の重量の3%に相当する水分を添加した上でチャック付きの袋に薄く広げながら収容し、70℃に調整されたウォーターバス中に密封した袋ごと2時間浸漬することでむき実の加熱処理を行った。
次いで、得られた加熱処理済みのむき実を電動石臼製粉機を用いて粉砕し、篩い分けの後、得られた粉の全部(全層粉)を本実施形態に係るそば粉A4とした。
(1−5.マイクロウェーブ法によるそば粉の製造)
中国産のそば(品種:マンカン)のむき実に同むき実の重量の3%に相当する水分を添加した上で所定の容器に収容し、1500Wの業務用電子レンジにて90秒間、むき実の加熱処理を行った。
次いで、得られた加熱処理済みのむき実を電動石臼製粉機を用いて粉砕し、篩い分けの後、得られた粉の全部(全層粉)を本実施形態に係るそば粉A5とした。
〔2.老化の評価(1)〕
次に、本実施形態に係るそば粉A1〜A5を用い、実際に製麺して加熱調理後の老化状態について評価を行った。
具体的には、10重量部の本実施形態に係るそば粉A1〜A5と、50重量部の通常のそば粉と、10重量部のグルテンと、30重量部の加工でん粉と、38重量部の水とを混合し、ソディック社製真空ミキサー(VM-5型)で十分に混練してそば生地を得た。
次に、得られたそば生地を、大竹麺機社製NOODLE MACHINEに供し、麺帯の形成と裁断(切り刃は16番手角刃を用い、麺厚は1.10mm)を行って生麺そばを得た。
次に、100gの生麺そばを十分な量の沸騰水中に投入し、90秒後に引き上げて湯切りをし、水洗しつつ冷却した後にほぐれ剤を噴霧し、蓋付きの店頭販売用プラスチック容器に収容して調理済みそばを製造した。製造後、日配食品用調理済みそばは10℃の保冷庫にて24時間保管し、その後官能評価に供した。
評価は、本実施形態に係るそば粉を使用せず普通のそば粉で置き換えて製麺した生麺そばを茹で、24時間経過したものをコントロールYとし、製麺に十分な経験を有する5名のパネラーが老化の状態について、1(悪い)〜5(良い)の5段階でコントロールYの評価を3(普通)として行い、各パネラーの合計点の平均値を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 0006989376
表1に示すように、本実施形態に係るそば粉A1〜A5を添加したそばはいずれも、24時間経過後であっても、4.5点以上の極めて高い評価を維持しており、老化が堅実に抑制され、加水加熱処理後に比較的長時間経過した場合であっても、食感の良い調理麺そばを調製可能であることが示された。
〔3.老化の評価(2)〕
次に、加熱済更科粉、非加熱むき実全層粉、非加熱甘皮粉を5:4:1の重量割合で粉体混合してなるそば粉A1を基準とし、それぞれの粉の量を違えた場合の麺の加熱調理後における老化状態について評価を行った。
評価は、〔2.老化の評価(1)〕にて行った製麺方法に準じ、本実施形態に係る6種類のそば粉B1〜B6を使用して調製した麺、及び、比較用そば粉Z1〜Z6を使用して調製した麺について行った。その評価結果及び各そば粉の処方内容を表2に示す。
Figure 0006989376
表2からも分かるように、比較用そば粉Z1〜Z6を使用して調製した麺は、いずれも4点より低い評価にとどまった。その一方、本実施形態に係る6種類のそば粉B1〜B6を使用して調製した麺は、いずれも4点を超える評価が得られており、加水加熱処理後に比較的長時間経過した場合であっても、食感の良い調理麺そばを調製可能なそば粉であることが示された。
上述してきたように、本実施形態に係るそば粉によれば、そばの製麺における調理麺そばの老化防止すべく、含有するデンプンの一部を加熱処理によりα化したため、加水加熱処理後に比較的長時間経過した場合であっても、茹で立て時の食感を可及的維持することのできる茹でそばや、調理麺そばを調製可能なそば粉を提供することができる。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。

Claims (5)

  1. そばの製麺における茹でそばや、調理麺そばの老化を防止すべく、含有するデンプンの一部を加熱処理によりα化したそば粉において、
    加熱済の更科粉と、非加熱のむき実全層粉と、むき実の甘皮部を主成分とする非加熱の甘皮粉と、を配合してなるそば粉。
  2. α化度を3〜80%としたことを特徴とする請求項1に記載のそば粉。
  3. 加熱済の更科粉と、非加熱のむき実全層粉と、むき実の甘皮部を主成分とする非加熱の甘皮粉とを混合してそば粉とするそば粉の製造方法。
  4. 前記加熱済更科粉は、非加熱の更科粉に対し水を加えて混練して更科粉ペーストを調製し、同更科粉ペーストを加熱板に塗布して110〜160℃の温度で加熱して20〜70%のα化度としつつ乾燥させ、前記加熱板から乾燥物を剥離し粉砕して得た粉であることを特徴とする請求項に記載のそば粉の製造方法。
  5. 前記加熱済更科粉は、エクストルーダーを通した更科粉及び/又は過熱水蒸気と接触させたむき実を粉砕して得た更科粉及び/又は湯煎やマイクロ波照射させたむき実を粉砕して得た更科粉であることを特徴とする請求項に記載のそば粉の製造方法。
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