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JP6996072B2 - 既存外壁の改修構造、及び、既存外壁の改修方法 - Google Patents
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JP6996072B2 - 既存外壁の改修構造、及び、既存外壁の改修方法 - Google Patents

既存外壁の改修構造、及び、既存外壁の改修方法 Download PDF

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Description

本発明は、既存外壁の改修構造、及び、既存外壁の改修方法に関する。
既存外壁に補強用繊維体を接着して繊維補強基材を形成し、当該繊維補強基材に新規外装材を接着して既存外壁を改修する方法は既によく知られている。
かかる既存外壁の改修により、既存外壁と、既存外壁に接着されている補強用繊維体と、を有する繊維補強基材と、新規外装材と、繊維補強基材と新規外装材とを接着させる接着剤と、を有する改修材と、を備える既存外壁の改修構造が形成される。
そして、近年、繊維補強基材と新規外装材とを接着させる接着剤として有機系接着剤が使用されるようになってきている。
特開平9-317199号公報
しかしながら、市販されている当該有機系接着剤には、以下の課題があった。すなわち、当該有機系接着剤がコンクリートやモルタル等の水分の影響を長期的に受けた場合に、当該有機系接着剤の弾性が低下し(換言すれば、硬くなり)、繊維補強基材との間で界面破壊が生ずる可能性があった。そして、当該界面破壊が生じた場合には、新規外装材が剥落する問題が発生していた。特に、当該水分(湿気)が滞りやすい環境下に有機系接着剤が置かれている場合には、かかる問題が顕著に発生することとなっていた。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、新規外装材の剥落を適切に抑制することにある。
主たる本発明は、既存タイル又は化粧成形シートを張り付けた既存外壁と、前記既存外壁の前記既存タイル又は前記化粧成形シートに接着されている補強用繊維体のみと、を有する繊維補強基材と、
新規外装材と、前記繊維補強基材と前記新規外装材とを接着させ、かつ、短繊維を備えたウレタン樹脂系又は変成シリコーン系の有機系接着剤と、を有する改修材と、
を備え
前記新規外装材はタイルであることを特徴とする既存外壁の改修構造である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、新規外装材の剥落を適切に抑制することが可能となる。
本実施の形態に係る既存外壁10(既存仕上げ層12)を示した模式図である。 本実施の形態に係る下地モルタル塗布工程を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る立体繊維材張り付け工程を説明するための模式図である。 本実施の形態に係るアンカーピン打ち込み工程を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る短繊維入り有機系接着剤塗布工程を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る新規タイル張り付け工程を説明するための模式図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
既存外壁と、前記既存外壁に接着されている補強用繊維体と、を有する繊維補強基材と、
新規外装材と、前記繊維補強基材と前記新規外装材とを接着させ、かつ、短繊維を備えた有機系接着剤と、を有する改修材と、
を備えることを特徴とする既存外壁の改修構造。
かかる場合には、有機系接着剤がコンクリートやモルタル等の水分の影響を長期的に受けて、有機系接着剤の弾性が低下し、界面破壊の可能性が高まったとしても、繊維補強基材(立体繊維材)と有機系接着剤内の短繊維との連結補強効果(すなわち、繊維同士が絡まり合うことによる補強効果)により、新規外装材の剥落を抑制することが可能となる。
かかる既存外壁の改修構造であって、
前記短繊維の単糸繊度は、4dtex以上50dtex以下であることが望ましい。
かかる場合には、適切な接着性能と引き裂き強度を有する接着剤で接着することが可能となる。
かかる既存外壁の改修構造であって、
前記短繊維の繊維長さは、1mm以上30mm以下であることが望ましい。
かかる場合には、適切な流動性と密実性を有する接着剤で接着することが可能となる。
かかる既存外壁の改修構造であって、
前記短繊維の伸度は、15%以上であることが望ましい。
かかる場合には、適切な接着性能を有する接着剤で接着することが可能となる。
かかる既存外壁の改修構造であって、
前記短繊維の強度は、3cN/dtex以上であることが望ましい。
かかる場合には、前記連結補強効果を適切に発揮させる接着剤で接着することが可能となる。
かかる既存外壁の改修構造であって、
前記短繊維は、有機系繊維であることが望ましい。
かかる場合には、前記連結補強効果を適切に発揮させる接着剤で接着することが可能となる。
かかる既存外壁の改修構造であって、
前記短繊維の混入量は、前記有機系接着剤100重量部に対して、0より大きく0.5重量部以下であることが望ましい。
かかる場合には、接着剤を扱う際の作業性を悪化させないようにすることが可能となる。
かかる既存外壁の改修構造であって、
前記繊維補強基材は、前記補強用繊維体を前記既存外壁へ止めるアンカーピンを有することが望ましい。
かかる場合には、アンカーピンによる補強が適切に行われる。
かかる既存外壁の改修構造であって、
前記補強用繊維体は、下地モルタルで前記既存外壁に接着されていることが望ましい。
かかる場合には、有機系接着剤が水分の影響を長期的に受けて、界面破壊の可能性が高まったとしても、繊維補強基材と有機系接着剤内の短繊維との連結補強効果により、新規外装材の剥落を抑制することが可能となるという効果がより有効に発揮される。
次に、既存外壁に既存外壁用接着剤を塗布する工程と、
前記既存外壁用接着剤へ補強用繊維体を張り付ける工程と、
前記補強用繊維体に短繊維を備えた有機系接着剤を塗布する工程と、
前記有機系接着剤へ新規外装材を張り付ける工程と、
を備えることを特徴とする既存外壁の改修方法。
かかる場合には、有機系接着剤がコンクリートやモルタル等の水分の影響を長期的に受けて、有機系接着剤の弾性が低下し、界面破壊の可能性が高まったとしても、繊維補強基材(立体繊維材)と有機系接着剤内の短繊維との連結補強効果(すなわち、繊維同士が絡まり合うことによる補強効果)により、新規外装材の剥落を抑制することが可能となる。
かかる既存外壁の改修方法であって、
前記補強用繊維体を前記既存外壁へアンカーピンで止める工程をさらに有することが望ましい。
かかる場合には、アンカーピンによる補強が適切に行われる。
かかる既存外壁の改修方法であって、
前記既存外壁に前記既存外壁用接着剤として下地モルタルを塗布することが望ましい。
かかる場合には、有機系接着剤が水分の影響を長期的に受けて、界面破壊の可能性が高まったとしても、繊維補強基材と有機系接着剤内の短繊維との連結補強効果により、新規外装材の剥落を抑制することが可能となるという効果がより有効に発揮される。
===本実施の形態に係る既存外壁の改修方法及び改修構造について===
本実施の形態に係る既存外壁の改修方法及び改修構造について、図1乃至図6を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る既存外壁10(既存仕上げ層12)を示した模式図であり、本実施の形態に係る既存外壁の改修方法を実行する前の状態を示した図である。図2は、本実施の形態に係る下地モルタル塗布工程を説明するための模式図である。図3は、本実施の形態に係る立体繊維材張り付け工程を説明するための模式図である。図4は、本実施の形態に係るアンカーピン打ち込み工程を説明するための模式図である。図5は、本実施の形態に係る短繊維入り有機系接着剤塗布工程を説明するための模式図である。図6は、本実施の形態に係る新規タイル張り付け工程を説明するための模式図であり、既存外壁の改修方法完了後の状態を示した図である。また、この図6は、本実施の形態に係る既存外壁の改修構造も示している。
本実施の形態に係る既存外壁の改修方法は、建物の既存外壁10を残したまま、その表面にピンネット工法(繊維ネットの張り付け及びアンカーピンの打ち込みによる工法)によって繊維補強基材70を形成し、その表面に新規仕上げを施工する方法である。当該既存外壁の改修方法は、下地モルタル塗布工程、立体繊維材張り付け工程、アンカーピン打ち込み工程、短繊維入り有機系接着剤塗布工程、新規タイル張り付け工程を備えており、これらの工程がこの順に実施される。そして、これらの工程が実施されると、既存外壁の改修構造が形成されることとなる。以下、具体的に説明する。
図1は、既存外壁10(既存仕上げ層12)を示した図である。ここでは、既存外壁10として、既存コンクリート10aに既存タイル10bを張り付けたタイル張り外壁を例に挙げて説明するが、当該既存外壁10は、これに限定されるものではなく、どのようなものでもよい。例えば、モルタル塗り外壁であってもよいし、化粧成形シートであってもよい。
先ず、作業者は、図2に示すように、既存外壁用接着剤の一例としての下地モルタル20(ポリマーセメントモルタル)を既存外壁10(既存仕上げ層12)に塗布する(下地モルタル塗布工程)。この下地モルタル20は、次の工程で立体繊維材30を張り付けるための接着剤である。
次に、作業者は、図3に示すように、下地モルタル20の塗布後直ちに、下地モルタル20へ補強用繊維体の一例としての立体繊維材30(繊維ネット)を張り付ける(立体繊維材張り付け工程)。なお、立体繊維材30を張り付ける際には、下地モルタル20に立体繊維材30が完全に埋まってしまわないようにする。すなわち、立体繊維材30の表面側の一部が下地モルタル20から露出する(換言すれば、立毛する)ように、下地モルタル20に伏せ込む。
次に、作業者は、図4に示すように、養生後、立体繊維材30を既存外壁10へアンカーピン40で止める(アンカーピン打ち込み工程)。すなわち、所定の位置(本実施の形態においては、既存外壁10の既存タイル10b間の目地部分をアンカーピン40が貫通するような位置としている)に穿孔し、当該孔にアンカーピン40を挿入する。アンカーピン40は、所定の間隔で複数挿入される。アンカーピン40は、立体繊維材30、下地モルタル20、既存外壁10(既存仕上げ層12)を貫通するように挿入され、このことにより、立体繊維材30を既存外壁10に押し付けることができ、既存タイル10bの剥落を防止することが可能となる。なお、図4において、符号42で示される部材は、座金である。ここまでの工程によって、既存外壁10と、立体繊維材30と、アンカーピン40を備えた繊維補強基材70が完成する。
次に、作業者は、図5に示すように、立体繊維材30に、短繊維を備えたウレタン樹脂系又は変成シリコーン系の有機系接着剤(以下、短繊維入り有機系接着剤50と呼ぶ)を塗布する(短繊維入り有機系接着剤塗布工程)。この短繊維入り有機系接着剤50は、次の工程で新規タイル60を張り付けるための接着剤である。すなわち、本実施の形態においては、新規タイル60を張り付けるための接着剤として、短繊維が混入された有機系接着剤を使用する。当該短繊維入り有機系接着剤50については、後に詳述する。
次に、作業者は、図6に示すように、短繊維入り有機系接着剤50の塗布後直ちに、短繊維入り有機系接着剤50へ新規外装材の一例としての新規タイル60を張り付ける(新規タイル張り付け工程)。かかる工程で、既存外壁の改修方法が完了し、前記繊維補強基材70に、短繊維入り有機系接着剤50と新規タイル60とを備えた改修材80が施されることとなる。なお、新規タイル60は、前述したとおり、新規外装材の一例であり、これに限定されるものではない(例えば、新規化粧成形シートであってもよい)。
このように、本実施の形態に係る既存外壁の改修構造は、既存外壁10と、既存外壁10に接着されている立体繊維材30と、を有する繊維補強基材70と、新規タイル60と、繊維補強基材70と新規タイル60とを接着させ、かつ、短繊維を備えた有機系接着剤(短繊維入り有機系接着剤50)と、を有する改修材80と、を備えている。また、本実施の形態に係る既存外壁の改修方法は、既存外壁10に下地モルタル20を塗布する工程と、下地モルタル20へ立体繊維材30を張り付ける工程と、立体繊維材30に短繊維を備えた有機系接着剤(短繊維入り有機系接着剤50)を塗布する工程と、短繊維入り有機系接着剤50へ新規タイル60を張り付ける工程と、を備えている。
そのため、新規タイル60の剥落を適切に抑制することが可能となる。以下、具体的に説明する。
近年、繊維補強基材70と新規タイル60とを接着させる接着剤として有機系接着剤が使用されるようになってきている。しかしながら、市販されている当該有機系接着剤には、以下の課題があった。
すなわち、当該有機系接着剤がコンクリートやモルタル等の水分の影響を長期的に受ける場合がある。例えば、既存コンクリート10aや下地モルタル20の水分が有機系接着剤へ移動して、当該有機系接着剤が水分の影響を受ける場合がある。
そして、かかる場合には、当該有機系接着剤の弾性が低下し(換言すれば、硬くなり)、繊維補強基材70との間で界面破壊が生ずる可能性があった。つまり、有機系接着剤の柔軟性がなくなり、繊維補強基材70(換言すれば、立体繊維材30)と有機系接着剤との境界部分において界面破壊が発生する場合があった。
そして、このような場合には、新規タイル60が有機系接着剤ごと(有機系接着剤を伴って)剥落してしまう問題が発生していた。
特に、当該水分(湿気)が滞りやすい環境下に有機系接着剤が置かれている場合には、かかる問題が顕著に発生することとなっていた。
これに対し、本実施の形態においては、短繊維入り有機系接着剤50を用いている。すなわち、有機系接着剤として、短繊維を備えたもの(短繊維が混入されたもの)を用いている。
したがって、短繊維入り有機系接着剤50がコンクリートやモルタル等の水分の影響を長期的に受けて、短繊維入り有機系接着剤50の弾性が低下し、界面破壊の可能性が高まったとしても、繊維補強基材70(立体繊維材30)と短繊維入り有機系接着剤50内の短繊維との連結補強効果(すなわち、繊維同士が絡まり合うことによる補強効果)により、新規タイル60の剥落を抑制することが可能となる。
また、有機系接着剤に短繊維が混入されることにより、接着剤被膜強度が向上するという追加の効果も生ずる。
表1は、短繊維の混入割合と引裂強さの関係が表された実験結果を示したものである。
Figure 0006996072000001
当該引裂強さは、JIS K6252(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引裂強さの求め方)に基づいて求めている。試験片としては、切込みなしアングル形試験片を用いている。また、短繊維混入割合は、繊維入り有機系接着剤100重量部に対する割合である。引裂強さは、5回のサンプルの平均値を示している。
かかる実験結果からも分かるように、有機系接着剤に短繊維が混入されることにより、接着剤被膜強度が向上することとなる。
===短繊維入り有機系接着剤50について===
次に、短繊維入り有機系接着剤50について、詳しく説明する。上述したとおり、短繊維入り有機系接着剤50は、ウレタン樹脂系又は変成シリコーン系の有機系接着剤に短繊維を混入(含有)させたものである。
本実施の形態に係るウレタン樹脂系又は変成シリコーン系の有機系接着剤は、JIS A5557(外装タイル張り用有機系接着剤)として標準化されているものである。また、当然のことながら、短繊維を含有させた後でも、当該JIS A5557の規定を満足している。
また、短繊維は、有機系繊維であることが望ましい。一例を挙げると、ポリアミド系繊維やセルロースナノファイバー等が該当する。短繊維が有機系繊維である場合には、繊維補強基材70(立体繊維材30)との連結補強効果が適切に働くこととなるため、新規タイル60の剥落を適切に抑制することが可能となる。
また、短繊維の単糸繊度は、4dtex以上50dtex以下であることが望ましい。単糸繊度が4dtexよりも小さい(細い)と、引き裂きに対する強度に問題が生じ、50dtexよりも大きい(太い)と、繊維が相対的に接着剤よりも多すぎる状態となり接着剤の接着性能が適切に発揮されない。
そのため、単糸繊度を4dtex以上50dtex以下とすることにより、適切な接着性能と引き裂き強度を有する接着剤で接着することが可能となる。
また、短繊維の繊維長さは、1mm以上30mm以下であるが望ましい。繊維長さが1mmよりも小さい(短い)と、短繊維が粉状となり接着剤の流動性が悪化し、30mmよりも大きい(長い)と、繊維同士が絡まり合って空隙が顕著に発生し接着剤の密実性が悪化する。
そのため、繊維長さを1mm以上30mm以下とすることにより、適切な流動性と密実性を有する接着剤で接着することが可能となる。
また、短繊維の伸度は、15%以上であることが望ましい。伸度が15%より小さいと、接着剤の伸びに連動して短繊維が適切に伸びないので、接着剤の接着性能に悪影響を与えてしまう。
そのため、伸度を15%以上とすることにより、適切な接着性能を有する接着剤で接着することが可能となる。
また、短繊維の強度は、3cN/dtex以上であることが望ましい。強度が3cN/dtexより小さいと、短繊維が頻繁に切れてしまうため、短繊維の能力が発揮されず、前記連結補強効果が適切に発揮されない。
そのため、強度を3cN/dtex以上とすることにより、前記連結補強効果を適切に発揮させる接着剤で接着することが可能となる。
また、短繊維の混入量は、短繊維入り有機系接着剤100重量部に対して、0より大きく0.5重量部以下であることが望ましく、さらには、0より大きく0.2重量部以下であることがより好ましい。混入量が0.5重量部より大きいと、繊維が多すぎて混練等の作業性が悪化する(作業を顕著に行いにくくなる)。また、混入量が、0.2重量部より大きく0.5重量部以下であると、当該作業性が低下する(作業を行いにくくなる)。
そのため、混入量を、短繊維入り有機系接着剤100重量部に対して、0より大きく0.5重量部以下とすることにより、接着剤を扱う際の作業性を悪化させないようにすることが可能となる。
===その他の実施の形態===
上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
上記実施の形態においては、既存外壁用接着剤として、下地モルタル20を例に挙げて説明した。すなわち、既存外壁10に既存外壁用接着剤として下地モルタル20を塗布することとし、立体繊維材30は、下地モルタル20で既存外壁10に接着されていることとしたが、これに限定されるものではない。
ただし、既存外壁用接着剤が下地モルタル20である場合には、下地モルタル20の水分が短繊維入り有機系接着剤50へ移動するため、短繊維入り有機系接着剤50が水分の影響を受け易くなる。そのため、本願発明の効果、すなわち、短繊維入り有機系接着剤50が水分の影響を長期的に受けて、界面破壊の可能性が高まったとしても、繊維補強基材70(立体繊維材30)と短繊維入り有機系接着剤50内の短繊維との連結補強効果により、新規タイル60の剥落を抑制することが可能となるという効果がより有効に発揮される。この点で、上記実施の形態の方が望ましい(有効である)。
また、上記実施の形態においては、繊維補強基材70が、立体繊維材30を既存外壁10へ止めるアンカーピン40を有することとした。また、立体繊維材30を既存外壁10へアンカーピン40で止める工程を有することとした。しかしながら、これに限定されるものではなく、アンカーピン40はなくてもよい。
ただし、アンカーピン40による補強が適切に行われる点で上記実施の形態の方が望ましい。
10 既存外壁
10a 既存コンクリート
10b 既存タイル
12 既存仕上げ層
20 下地モルタル
30 立体繊維材
40 アンカーピン
42 座金
50 短繊維入り有機系接着剤
60 新規タイル
70 繊維補強基材
80 改修材

Claims (9)

  1. 既存タイル又は化粧成形シートを張り付けた既存外壁と、前記既存外壁の前記既存タイル又は前記化粧成形シートに接着されている補強用繊維体のみと、を有する繊維補強基材と、
    新規外装材と、前記繊維補強基材と前記新規外装材とを接着させ、かつ、短繊維を備えたウレタン樹脂系又は変成シリコーン系の有機系接着剤と、を有する改修材と、
    を備え
    前記新規外装材はタイルであることを特徴とする既存外壁の改修構造。
  2. 請求項1に記載の既存外壁の改修構造であって、
    前記短繊維の混入量は、前記有機系接着剤100重量部に対して、0より大きく0.5重量部以下であることを特徴とする既存外壁の改修構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の既存外壁の改修構造であって、
    前記短繊維の単糸繊度は、4dtex以上50dtex以下であることを特徴とする既存外壁の改修構造。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の既存外壁の改修構造であって、
    前記短繊維の繊維長さは、1mm以上30mm以下であることを特徴とする既存外壁の改修構造。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の既存外壁の改修構造であって、
    前記短繊維の伸度は、15%以上であることを特徴とする既存外壁の改修構造。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の既存外壁の改修構造であって、
    前記短繊維の強度は、3cN/dtex以上であることを特徴とする既存外壁の改修構造。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の既存外壁の改修構造であって、
    前記短繊維は、有機系繊維であることを特徴とする既存外壁の改修構造。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の既存外壁の改修構造であって、
    前記補強用繊維体は、下地モルタルで前記既存外壁に接着されていることを特徴とする既存外壁の改修構造。
  9. 既存タイル又は化粧成形シートを張り付けた既存外壁と、前記既存外壁の前記既存タイル又は前記化粧成形シートに接着されている補強用繊維体のみと、を有する繊維補強基材の前記既存外壁に既存外壁用接着剤を塗布する工程と、
    前記既存外壁用接着剤へ前記補強用繊維体を張り付ける工程と、
    前記補強用繊維体に短繊維を備えたウレタン樹脂系又は変成シリコーン系の有機系接着剤を塗布する工程と、
    前記有機系接着剤へ新規外装材としてのタイルを張り付ける工程と、
    を備えることを特徴とする既存外壁の改修方法。
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