JP6996869B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Description
照明用途の電子デバイスとしては、有機エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence:EL)素子が広く知られている。有機EL素子は、発光する化合物を含有する発光層を陽極と陰極とで挟んだ構成を有し、発光層に電子及び正孔を注入して、再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・リン光)を利用して発光する素子である。そして、有機EL素子は、数V~数十V程度の電圧で発光が可能であり、更に自己発光型であるために視野角に富み、視認性が高く、薄膜型の完全固体素子であるために省スペース、携帯性等の観点から注目されている。
積層体14は、支持基板2側から、下部透明電極4、有機発光層6、上部透明電極8がこの順に積層されている。
封止基板18は、少なくとも、下部透明電極4、有機発光層6及び上部透明電極8が重複している発光領域を被覆するようにして設けられている。
《支持基板(2)》
支持基板2は、下部透明電極4、有機発光層6、上部透明電極8を形成する土台となるものである。
支持基板2は、ガラス、プラスチック等の種類には特に制限はなく、好ましくは、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましくは、有機EL素子1にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。また、樹脂フィルムを用いることによって、有機EL素子1を薄膜化できる。
本発明に係る積層体14は、支持基板2上に、下部透明電極4、有機発光層6、上部透明電極8がこの順に積層されて構成されている。
本発明に係る上部透明電極8及び下部透明電極4は、陰極又は陽極として機能するものである。例えば、上部透明電極8が陰極として機能する場合には、下部透明電極4が陽極として機能する。
なお、上部透明電極8及び下部透明電極4における透明とは、波長550nmでの光透過率が50%以上であることをいう。
陽極は、有機発光層6に正孔を供給(注入)する電極である。
陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上、好ましくは4.5eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au、Ag等の金属、インジウム・スズ酸化物(ITO)、SnO2、ZnO、GZO(GaドープZnO)、AZO(AlドープZnO)、アンチモンドープ酸化亜鉛、ATO(SbドープSnO)、IZO(In2O3-ZnO)、IGZO(インジウム・ガリウム・亜鉛酸化物)等の金属酸化物が挙げられる。
陽極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。
あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることもできる。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。
陽極の膜厚は材料にもよるが、通常10nm~1μm、好ましくは10~200nmの範囲内で選ばれる。
陰極とは、有機発光層6に電子を供給(注入)する電極である。陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する。)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム・銅混合物、マグネシウム・銀混合物、マグネシウム・アルミニウム混合物、マグネシウム・インジウム混合物、アルミニウム・酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム・アルミニウム混合物、アルミニウム、Yb(イッテルビウム)等の希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム・銀混合物、マグネシウム・アルミニウム混合物、マグネシウム・インジウム混合物、アルミニウム・酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム・アルミニウム混合物、イッテルビウム・銀混合物、アルミニウム等が好適である。
また、陰極に上記金属を1~20nmの膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げる導電性透明材料をその上に作製することで、透明又は半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極との両方が透過性を有する素子を作製することができる。
陰極は、銀単独で構成されていてもよいし、あるいは銀を含有する合金から構成されていてもよい。そのような合金としては、例えば、銀・マグネシウム(Ag・Mg)、銀・銅(Ag・Cu)、銀・パラジウム(Ag・Pd)、銀・パラジウム・銅(Ag・Pd・Cu)、銀・インジウム(Ag・In)、銀・イッテルビウム(Ag・Yb)等が挙げられる。
このような陰極においては、銀(あるいは銀を含有する合金)から構成されている層が、必要に応じて複数の層に分けて積層された構成であってもよい。
また、銀(あるいは銀を含有する合金)から構成される陰極は、膜厚が5~15nmの範囲にあることが好ましい。膜厚が15nmより薄いと層の吸収成分又は反射成分が少なくなり、透明電極の透過率が向上するためより好ましい。また、膜厚が5nmより厚いと層の導電性が十分になるため好ましい。
本発明に係る有機発光層6の代表的な構成としては、図2に示すように、以下の構成を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
(2)(陽極)/発光層6c/電子輸送層6d/(陰極)
(3)(陽極)/正孔輸送層6b/発光層6c/(陰極)
(4)(陽極)/正孔輸送層6b/発光層6c/電子輸送層6d/(陰極)
(5)(陽極)/正孔輸送層6b/発光層6c/電子輸送層6d/電子注入層6e/(陰極)
(6)(陽極)/正孔注入層6a/正孔輸送層6b/発光層6c/電子輸送層6d/(陰極)
(7)(陽極)/正孔注入層6a/正孔輸送層6b/(電子阻止層/)発光層6c/(正孔阻止層/)電子輸送層6d/電子注入層6e/(陰極)
正孔注入層6a(陽極バッファー層ともいう。)とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために陽極(下部透明電極4)と発光層6cとの間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123~166頁)に詳細に記載されている。
本発明において正孔注入層6aは必要に応じて設け、上記のように陽極(下部透明電極4)と発光層6c又は陽極(下部透明電極4)と正孔輸送層6bとの間に存在させてもよい。
正孔注入層6aは、特開平9-45479号公報、同9-260062号公報、同8-288069号公報等にもその詳細が記載されており、正孔注入層6aに用いられる材料としては、例えば前述の正孔輸送層6bに用いられる材料等が挙げられる。
中でも、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニン誘導体、特表2003-519432号公報や特開2006-135145号公報等に記載されているようなヘキサアザトリフェニレン誘導体、酸化バナジウムに代表される金属酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子、トリス(2-フェニルピリジン)イリジウム錯体等に代表されるオルトメタル化錯体、トリアリールアミン誘導体等が好ましい。
前述の正孔注入層6aに用いられる材料は単独で用いてもよく、また、複数種を併用して用いてもよい。
本発明における正孔輸送層6bとは、正孔を輸送する機能を有する材料からなり、陽極(下部透明電極4)より注入された正孔を発光層6cに伝達する機能を有していればよい。
正孔輸送層6bの厚さについては特に制限はないが、通常は5nm~5μmの範囲内であり、より好ましくは2~500nmの範囲内であり、更に好ましくは5~200nmの範囲内である。
例えば、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、トリアリールアミン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、イソインドール誘導体、アントラセンやナフタレン等のアセン系誘導体、フルオレン誘導体、フルオレノン誘導体、及びポリビニルカルバゾール、芳香族アミンを主鎖又は側鎖に導入した高分子材料又はオリゴマー、ポリシラン、導電性ポリマー又はオリゴマー(例えばPEDOT:PSS、アニリン系共重合体、ポリアニリン、ポリチオフェン等)等が挙げられる。
トリアリールアミン誘導体としては、α-NPDに代表されるベンジジン型や、MTDATAに代表されるスターバースト型、トリアリールアミン連結コア部にフルオレンやアントラセンを有する化合物等が挙げられる。
また、特表2003-519432号公報や特開2006-135145号公報等に記載されているようなヘキサアザトリフェニレン誘導体も同様に正孔輸送材料として用いることができる。
さらに、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層6bを用いることもできる。その例としては、特開平4-297076号公報、特開2000-196140号公報、同2001-102175号公報の各公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
また、特開平11-251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような、いわゆるp型正孔輸送材料やp型-Si、p型-SiC等の無機化合物を用いることもできる。さらに、Ir(ppy)3に代表されるような中心金属にIrやPtを有するオルトメタル化有機金属錯体も好ましく用いられる。
正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、トリアリールアミン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、アザトリフェニレン誘導体、有機金属錯体、芳香族アミンを主鎖又は側鎖に導入した高分子材料又はオリゴマー等が好ましく用いられる。
例えば、Appl.Phys.Lett.69,2160(1996)、J.Lumin.72-74,985(1997)、Appl.Phys.Lett.78,673(2001)、Appl.Phys.Lett.90,183503(2007)、Appl.Phys.Lett.90,183503(2007)、Appl.Phys.Lett.51,913(1987)、Synth.Met.87,171(1997)、Synth.Met.91,209(1997)、Synth.Met.111,421(2000)、SID Symposium Digest,37,923(2006)、J.Mater.Chem.3,319(1993)、Adv.Mater.6,677(1994)、Chem.Mater.15,3148(2003)、米国特許出願公開第2003/0162053号明細書、米国特許出願公開第2002/0158242号明細書、米国特許出願公開第2006/0240279号明細書、米国特許出願公開第2008/0220265号明細書、米国特許第5061569号明細書、国際公開第2007/002683号、国際公開第2009/018009号、欧州特許第650955号明細書、米国特許出願公開第2008/0124572号明細書、米国特許出願公開第2007/0278938号明細書、米国特許出願公開第2008/0106190号明細書、米国特許出願公開第2008/0018221号明細書、国際公開第2012/115034号、特表2003-519432号公報、特開2006-135145号公報、米国特許出願公開第2013/0049576号明細書等である。
本発明に係る発光層6cは、上部透明電極8、下部透明電極4、又は電子輸送層6d及び正孔輸送層6bから注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層である。
本発明に係る発光層6cは、複数層で構成されていてもよく、この場合は各発光層6cの間に非発光性の中間層を設けてもよい。
発光層6cの厚さの総和は特に制限はないが、膜の均質性や、発光時に不必要な高電圧が印加されることを防止し、かつ、駆動電流に対する発光色の安定性向上の観点から、好ましくは2nm~5μmの範囲内に調整され、更に好ましくは2~200nmの範囲内に調整され、特に好ましくは5~100nmの範囲内に調整される。
また、個々の発光層6cの厚さとしては、2nm~1μmの範囲内に調整することが好ましく、より好ましくは2~200nmの範囲内に調整され、更に好ましくは3~150nmの範囲内に調整される。
発光ドーパントとしては、蛍光発光性ドーパント(蛍光ドーパント、蛍光性化合物ともいう)と、リン光発光性ドーパント(リン光ドーパント、リン光性化合物ともいう)が好ましく用いられる。本発明においては、少なくとも1層の発光層6cがリン光発光ドーパントを含有することが好ましい。
発光層6c中の発光ドーパントの濃度については、使用される特定のドーパント及びデバイスの必要条件に基づいて、任意に決定することができ、発光層6cの膜厚方向に対し、均一な濃度で含有されていてもよく、また任意の濃度分布を有していてもよい。
また、本発明に係る発光ドーパントは、複数種を併用して用いてもよく、構造の異なるドーパント同士の組み合わせや、蛍光発光性ドーパントとリン光発光性ドーパントとを組み合わせて用いてもよい。これにより、任意の発光色を得ることができる。
本発明に係るリン光発光性ドーパントとは、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には、室温(25℃)にてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が、25℃において0.01以上の化合物であると定義されるが、好ましいリン光量子収率は0.1以上である。
上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明に係るリン光発光性ドーパントは、任意の溶媒のいずれかにおいて上記リン光量子収率(0.01以上)が達成されればよい。
いずれの場合においても、リン光発光性ドーパントの励起状態のエネルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件である。
本発明において使用できるリン光発光性ドーパントとしては、有機EL素子1の発光層6cに使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができる。
例えば、Nature 395,151(1998)、Appl.Phys.Lett.78,1622(2001)、Adv.Mater.19,739(2007)、Chem.Mater.17,3532(2005)、Adv.Mater.17,1059(2005)、国際公開第2009/100991号、国際公開第2008/101842号、国際公開第2003/040257号、米国特許出願公開第2006/835469号明細書、米国特許出願公開第2006/0202194号明細書、米国特許出願公開第2007/0087321号明細書、米国特許出願公開第2005/0244673号明細書、Inorg.Chem.40,1704(2001)、Chem.Mater.16,2480(2004)、Adv.Mater.16,2003(2004)、Angew.Chem.lnt.Ed.2006,45,7800、Appl.Phys.Lett.86,153505(2005)、Chem.Lett.34,592(2005)、Chem.Commun.2906(2005)、Inorg.Chem.42,1248(2003)、国際公開第2009/050290号、国際公開第2002/015645号、国際公開第2009/000673号、米国特許出願公開第2002/0034656号明細書、米国特許第7332232号明細書、米国特許出願公開第2009/0108737号明細書、米国特許出願公開第2009/0039776号明細書、米国特許第6921915号明細書、米国特許第6687266号明細書、米国特許出願公開第2007/0190359号明細書、米国特許出願公開第2006/0008670号明細書、米国特許出願公開第2009/0165846号明細書、米国特許出願公開
第2008/0015355号明細書、米国特許第7250226号明細書、米国特許第7396598号明細書、米国特許出願公開第2006/0263635号明細書、米国特許出願公開第2003/0138657号明細書、米国特許出願公開第2003/0152802号明細書、米国特許第7090928号明細書、Angew.Chem.lnt.Ed.47,1(2008)、Chem.Mater.18,5119(2006)、Inorg.Chem.46,4308(2007)、Organometallics 23,3745(2004)、Appl.Phys.Lett.74,1361(1999)、国際公開第2002/002714号、国際公開第2006/009024号、国際公開第2006/056418号、国際公開第2005/019373号、国際公開第2005/123873号、国際公開第2007/004380号、国際公開第2006/082742号、米国特許出願公開第2006/0251923号明細書、米国特許出願公開第2005/0260441号明細書、米国特許第7393599号明細書、米国特許第7534505号明細書、米国特許第7445855号明細書、米国特許出願公開第2007/0190359号明細書、米国特許出願公開第2008/0297033号明細書、米国特許第7338722号明細書、米国特許出願公開第2002/0134984号明細書、米国特許第7279704号明細書、米国特許出願公開第2006/098120号明細書、米国特許出願公開第2006/103874号明細書、国際公開第2005/076380号、国際公開第2010/032663号、国際公開第第2008/140115号、国際公開第2007/052431号、国際公開第2011/1
34013号、国際公開第2011/157339号、国際公開第2010/086089号、国際公開第2009/113646号、国際公開第2012/020327号、国際公開第2011/051404号、国際公開第2011/004639号、国際公開第2011/073149号、米国特許出願公開第2012/228583号明細書、米国特許出願公開第2012/212126号明細書、特開2012-069737号公報、特開2012-195554号公報、特開2009-114086号公報、特開2003-81988号公報、特開2002-302671号公報、特開2002-363552号公報、特開2009-231516号公報、国際公開第2012/112853号、特許第5124942号公報、特許第4784600号公報、特開2010-47764号公報等である。
中でも、リン光発光性ドーパントとしては、Irを中心金属に有する有機金属錯体が挙げられる。さらに好ましくは、金属-炭素結合、金属-窒素結合、金属-酸素結合、金属-硫黄結合の少なくとも一つの配位様式を含む錯体が好ましい。
蛍光発光性ドーパント(以下、蛍光ドーパントともいう。)について説明する。
蛍光ドーパントは、励起一重項からの発光が可能な化合物であり、励起一重項からの発光が観測される限り特に限定されない。
遅延蛍光を利用した発光ドーパントの具体例としては、たとえば、国際公開第2011/156793号、特開2011-213643号公報、特開2010-93181号公報等に記載の化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
本発明に係るホスト化合物は、発光層6cにおいて主に電荷の注入及び輸送を担う化合物であり、有機EL素子1においてそれ自体の発光は実質的に観測されない。
好ましくは室温(25℃)においてリン光発光のリン光量子収率が、0.1未満の化合物であり、更に好ましくはリン光量子収率が0.01未満の化合物である。
また、発光層6cに含有される化合物のうちで、その層中での質量比が20%以上であることが好ましい。
また、ホスト化合物の励起状態エネルギーは、同一層内に含有されるリン光発光性ドーパントの励起状態エネルギーよりも高いことが好ましい。
ホスト化合物は、単独で用いてもよく、又は複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子1を高効率化することができる。
ここで、ガラス転移点(Tg)とは、DSC(Differential Scanning Calorimetry:示差走査熱量法)を用いて、JIS K 7121に準拠した方法により求められる値である。
特開2001-257076号公報、同2002-308855号公報、同2001-313179号公報、同2002-319491号公報、同2001-357977号公報、同2002-334786号公報、同2002-8860号公報、同2002-334787号公報、同2002-15871号公報、同2002-334788号公報、同2002-43056号公報、同2002-334789号公報、同2002-75645号公報、同2002-338579号公報、同2002-105445号公報、同2002-343568号公報、同2002-141173号公報、同2002-352957号公報、同2002-203683号公報、同2002-363227号公報、同2002-231453号公報、同2003-3165号公報、同2002-234888号公報、同2003-27048号公報、同2002-255934号公報、同2002-260861号公報、同2002-280183号公報、同2002-299060号公報、同2002-302516号公報、同2002-305083号公報、同2002-305084号公報、同2002-308837号公報、米国特許出願公開第2003/0175553号明細書、米国特許出願公開第2006/0280965号明細書、米国特許出願公開第2005/0112407号明細書、米国特許出願公開第2009/0017330号明細書、米国特許出願公開第2009/0030202号明細書、米国特許出願公開第2005/0238919号明細書、国際公開第2001/039234号、国際公開第2009/021126号、国際公開第2008/056746号、国際公開第2004/093207号、国際公開第2005/089025号、国際公開第200
7/063796号、国際公開第2007/063754号、国際公開第2004/107822号、国際公開第2005/030900号、国際公開第2006/114966号、国際公開第2009/086028号、国際公開第2009/003898号、国際公開第2012/023947号、特開2008-074939号公報、特開2007-254297号公報、欧州特許第2034538号明細書等である。
本発明において電子輸送層6dとは、電子を輸送する機能を有する材料からなり、陰極(上部透明電極8)より注入された電子を発光層6cに伝達する機能を有していればよい。
本発明の電子輸送層6dの厚さについては特に制限はないが、通常は2nm~5μmの範囲内であり、より好ましくは2~500nmの範囲内であり、更に好ましくは5~200nmの範囲内である。
一方で、電子輸送層6dの厚さを大きくすると電圧が上昇しやすくなるため、特に厚さが大きい場合においては、電子輸送層6dの電子移動度は1×10-5cm2/Vs以上であることが好ましい。
例えば、含窒素芳香族複素環誘導体(カルバゾール誘導体、アザカルバゾール誘導体(カルバゾール環を構成する炭素原子の一つ以上が窒素原子に置換されたもの)、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリダジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、アザトリフェニレン誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体等)、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、シロール誘導体、芳香族炭化水素環誘導体(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、トリフェニレン等)等が挙げられる。
また、配位子にキノリノール骨格やジベンゾキノリノール骨格を有する金属錯体、例えば、トリス(8-キノリノール)アルミニウム(Alq3)、トリス(5,7-ジクロロ-8-キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7-ジブロモ-8-キノリノール)アルミニウム、トリス(2-メチル-8-キノリノール)アルミニウム、トリス(5-メチル-8-キノリノール)アルミニウム、ビス(8-キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。
また、これらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
電子輸送層6dにおいては、電子輸送層6dにドープ材をゲスト材料としてドープして、n性の高い(電子リッチ)電子輸送層6dを形成してもよい。ドープ材としては、金属錯体やハロゲン化金属など金属化合物等のn型ドーパントが挙げられる。このような構成の電子輸送層6dの具体例としては、例えば、特開平4-297076号公報、同10-270172号公報、特開2000-196140号公報、同2001-102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等の文献に記載されたものが挙げられる。
また、駆動電圧を下げるという点などから、金属フッ化物がドープされていることが好ましい。
米国特許第6528187号明細書、米国特許第7230107号明細書、米国特許出願公開第2005/0025993号明細書、米国特許出願公開第2004/0036077号明細書、米国特許出願公開第2009/0115316号明細書、米国特許出願公開第2009/0101870号明細書、米国特許出願公開第2009/0179554号明細書、国際公開第2003/060956号、国際公開第2008/132085号、Appl.Phys.Lett.75,4(1999)、Appl.Phys.Lett.79,449(2001)、Appl.Phys.Lett.81,162(2002)、Appl.Phys.Lett.81,162(2002)、Appl.Phys.Lett.79,156(2001)、米国特許第7964293号明細書、米国特許出願公開第2009/030202号明細書、国際公開第2004/080975号、国際公開第2004/063159号、国際公開第2005/085387号、国際公開第2006/067931号、国際公開第2007/086552号、国際公開第2008/114690号、国際公開第2009/069442号、国際公開第2009/066779号、国際公開第2009/054253号、国際公開第2011/086935号、国際公開第2010/150593号、国際公開第2010/047707号、欧州特許第2311826号明細書、特開2010-251675号公報、特開2009-209133号公報、特開2009-124114号公報、特開2008-277810号公報、特開2006-156445号公報、特開2005-340122号公報、特開2003-45662号公報、特開2003-31367号公報、特開2003-28227
0号公報、国際公開第2012/115034号等である。
電子注入層6e(陰極バッファー層ともいう。)とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために陰極(上部透明電極8)と発光層6cとの間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123~166頁)に詳細に記載されている。
本発明において電子注入層6eは必要に応じて設け、上記のように陰極(上部透明電極8)と発光層6cとの間、又は陰極(上部透明電極8)と電子輸送層6dとの間に存在させてもよい。
電子注入層6eはごく薄い膜であることが好ましく、素材にもよるがその厚さは0.1~5nmの範囲内が好ましい。また、構成材料が断続的に存在する不均一な膜であってもよい。
電子阻止層とは、広い意味では正孔輸送層6bの機能を有する層であり、好ましくは正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
また、前述する正孔輸送層6bの構成を必要に応じて、電子阻止層として用いることができる。
電子阻止層は、発光層6cの陽極(下部透明電極4)側に隣接して設けられることが好ましい。
電子阻止層の厚さとしては、好ましくは3~100nmの範囲内であり、更に好ましく
は5~30nmの範囲内である。
電子阻止層に用いられる材料としては、前述の正孔輸送層6bに用いられる材料が好ましく用いられ、また、前述のホスト化合物として用いられる材料も電子阻止層に好ましく用いられる。
正孔阻止層とは、広い意味では電子輸送層6dの機能を有する層であり、好ましくは電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が小さい材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
また、前述する電子輸送層6dの構成を必要に応じて、正孔阻止層として用いることができる。
正孔阻止層は、発光層6cの陰極(上部透明電極8)側に隣接して設けられることが好ましい。
正孔阻止層の厚さとしては、好ましくは3~100nmの範囲内であり、更に好ましくは5~30nmの範囲内である。
前述した本発明における有機発光層6は、更に他の添加物が含まれていてもよい。
添加物としては、例えば、臭素、ヨウ素、塩素等のハロゲン元素やハロゲン化化合物、Pd、Ca、Na等のアルカリ金属やアルカリ土類金属、遷移金属の化合物や錯体、塩等が挙げられる。
添加物の添加量は、任意に決定することができるが、添加される層の全質量%に対して1000ppm以下であることが好ましく、より好ましくは500ppm以下であり、更に好ましくは50ppm以下である。
ただし、電子や正孔の輸送性を向上させる目的や、励起子のエネルギー移動を有利にするための目的などによってはこの範囲内ではない。
本発明に係る有機発光層6(正孔注入層6a、正孔輸送層6b、電子阻止層、発光層6c、正孔阻止層、電子輸送層6d、電子注入層6e)の形成方法について説明する。
有機発光層6の形成方法としては、特に制限はなく、従来公知の、例えば、真空蒸着法、湿式法(ウェットプロセスともいう。)等による形成方法を用いることができる。
湿式法としては、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法、ダイコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、カーテンコート法、LB法(ラングミュア-ブロジェット法)等があるが、均質な薄膜が得られやすく、かつ高生産性の点から、ダイコート法、ロールコート法、インクジェット法、スプレーコート法などのロール・ツー・ロール方式等の適性の高い方法が好ましい。
有機発光層材料を溶解又は分散する液媒体としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、DMF、DMSO等の有機溶媒を用いることができる。
また、分散方法としては、超音波、高剪断力分散やメディア分散等の分散方法により分散することができる。
有機発光層6の形成は、1回の真空引きで一貫して正孔注入層6aから陰極(上部透明電極8)まで作製するのが好ましいが、途中で取り出して異なる成膜法を施しても構わない。その際は作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
本発明の有機EL素子1においては、外部からの水分や酸素から積層体14(有機発光層6)を守るため、図1に示すように、接着剤からなる接着剤層16を介して支持基板2及び封止基板18を接着することによって、接着剤層16内に積層体14を封止している。
無機粒子20の占める割合が70%以下であると、無機粒子20による接着剤層16のヘーズ低下も小さくなるため、接着剤層16の光透過性が劣化することがない。
また、封止基板18に形成された第2の接着剤層(樹脂層)は、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂中に前記無機粒子20を含有させた樹脂組成物をスリットコーターやダイコーターなどで塗布した後、熱又はUV照射で硬化させたものである。
なお、無機粒子20は、第1の接着剤層および第2の接着剤層の少なくとも一方に含有されていればよい。一方の接着剤層に無機粒子20を含有させることによって、一方の接着剤層に接するように形成された他方の接着剤層内部の水分も吸湿できるため、接着剤層16(両方の接着剤層)の含水量を少なくすることができ、気泡の発生を防止することができる。また、両方の接着剤層に無機粒子20を含有させることが好ましい。
本発明の有機EL素子1においては、外部からの水分や酸素から積層体14(有機発光層6)を守るため、図1に示すように、接着剤層16を介して支持基板2と接着する封止基板18を設けることによって、接着剤層16内に積層体14を封止している。
封止基板18としては、具体的には、前述の支持基板2に用いられるのと同様の基板を用いることができる。また、封止基板18は、支持基板2と同様に、ガスバリアー層3を設けることが好ましい。さらに、封止基板18は、前記したようにエポキシ系樹脂やアクリル系樹脂からなる樹脂層を設けることが好ましく、無機粒子20を含有する樹脂層を設けることがより好ましい。
本発明の有機EL素子1は、支持基板2及び封止基板18のいずれか一方の基板が、他方の基板に比べて厚さが薄く、その厚さが100μm以下であることが好ましい。
有機EL素子1は、素子内部に微量の水分や酸素が存在すると容易に性能劣化が生じてしまう。このため、支持基板2及び封止基板18を通して素子内部に水分や酸素が侵入することを防止するため、水分や酸素に対して高い遮蔽能を有するガスバリアー層3を設けることが好ましい。
有機EL素子1は、有機発光層6から発光光の反射を防止するため、支持基板2及び封止基板18の有機発光層6側に高い反射防止能を有する反射防止層17を設けることがことが好ましい。反射防止層17を設けることによって、有機EL素子1の光透過率がさらに向上する
帯電防止層は、有機EL素子の帯電を防止する層である。帯電防止層を設けると、成膜時に微細粒子(パーティクル)が付着し難くなるため、バリア性能の劣化などを防ぐことができる。
有機帯電防止剤は、基本的には帯電防止能を有する有機材料より構成されている帯電防止剤であり、帯電防止層を形成した際に、シート抵抗値を1×1011Ω/□以下、好ましくは1×1010Ω/□以下、さらに好ましくは1×109Ω/□以下とすることができる材料である。
本発明の有機EL素子1において、上部透明電極8が銀等の金属薄膜である場合には、銀属薄膜の反射や、表面プラズモン共鳴等を抑制する観点から、上部透明電極8の支持基板2と対向する側の外側に有機保護層10を設けることが好ましい。
有機保護層10は、有機材料を用いて形成するものであるが、有機材料と無機材料を用いて形成するのが好ましく、有機材料を含む層と、無機材料を含む層とを交互に複数層形成するのがより好ましい。
有機材料としては、例えば、電子輸送層や正孔輸送層と同様の材料などを用いることができる。無機材料としては、例えば、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、フッ化マグネシウムなどを用いることができる。
本発明の有機EL素子1は、光透過率を高くする観点から、上部透明電極8及び/又は下部透明電極4の外側(基板側)に屈折率が高い光学調整層11が設けられていることが好ましく、上部透明電極8の外側に光学調整層11が設けられていることが好ましい。
光学調整層11は、その屈折率が1.2以上が好ましく、2.0以上がより好ましく、2.3以上が最も好ましい。また、本発明において、屈折率とは、23℃・55%RHの環境下で測定した、波長550nmにおける屈折率の値とする。屈折率は、市販のエリプソメーターを用いて測定して求めることができる。
有機EL素子1の上部透明電極8上に、ダメージなく成膜できるという点から、真空成膜できる化合物が好ましい。特に、加熱蒸着やEB(電子銃)蒸着できる化合物が好ましい。また、有機EL素子1に用いられる材料も用いることができる。
また、含硫黄化合物についても、特表2014-185392号公報に開示された下地層(光学調整層)を構成する材料として例示された化合物(1-1)~(4-1)を用いることができる。
本発明の有機EL素子1において、有機発光層6の劣化を防止する観点から、有機発光層6を挟み支持基板2と対向する側の上部透明電極8の外側に無機層12を設けることが好ましい。
無機層12を形成する材料としては、水分や酸素等の素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素等を用いることができる。
なお、無機層12は、水蒸気透過度が0.01g/m2・day・atm以下であることが好ましい。また、無機層12と接着剤層16との屈折率差は、透過率を高めるという点から、小さいほうが好ましい。
本発明の有機EL素子1は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。
発光光源として、例えば、照明装置(家庭用照明、車内照明)、時計や液晶用バックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるが、これに限定されるものではなく、特に液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
(1)支持基板の準備
両面を表面活性化処理した、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製のルミラー(登録商標)U48)を支持基板として準備した。
準備したPETフィルムを120mm×100mmの大きさで切り出し、支持基板上に、ケイ素含有ポリマー改質層を、以下のようにして形成した。
酸素ガス(O2)の供給量:500sccm
真空チャンバー内の真空度:3Pa
プラズマ発生用電源からの印加電力:1.2kW
プラズマ発生用電源の周波数:80kHz
フィルムの搬送速度:0.5m/min
続いて、銀を蒸着速度0.3nm/秒で蒸着し、13nmの銀からなる陽極を形成した。
または、市販のスパッタ装置に、In2O3:ZnO(90質量%:10質量%)のターゲットを取り付け、以下の条件にて、厚さ250nmのIZOからなる陽極を形成した。
アルゴン流量:99sccm
酸素流量:1sccm
出力:5W/cm2
作製した陽極上に、以下のようにして、各種有機層を形成した。
続いて、銀を蒸着速度0.3nm/秒で蒸着し、10nmの銀からなる陰極を形成した。
続いて、陰極上に、上記化合物M-2からなる厚さ50nmの有機保護層を、蒸着速度0.2nm/秒で真空蒸着によって形成した。
有機保護層上に、電子銃蒸着用るつぼにセットしておいたフッ化マグネシウム(MgF2)又はフッ化アルミニウム(AlF3)を、蒸着速度を約1nm/secとして、電子銃を用いて蒸着し、20nmの光学調整層を形成した。
無機層として、光学調整層の上にSiN層を以下の条件でデポアップ方式のプラズマCVD成膜装置によって形成し、有機発光素子を作製した。SiN層の膜厚は300nmとした。
SiN層は、バッファー層に対面するように設けられた電極と、この電極にプラズマ励起電力を供給する高周波電源と、基板を保持する保持部材に対してバイアス電力を供給するバイアス電源と、電極に向けてキャリアガスや原料ガスを供給するガス供給手段と、を備えたプラズマCVD成膜装置で形成した。
成膜ガスは、シランガス(SiH4)、アンモニアガス(NH3)、窒素ガス(N2)及び水素ガス(H2)を用いた。これらのガスの供給量は、シランガスが100sccm、アンモニアガスが200sccm、窒素ガスが500sccm、水素ガスが500sccmとした。また、成膜圧力は50Paとした。
電極には、高周波電源から周波数13.5MHzで3000Wのプラズマ励起電力を供給した。さらに、保持部材には、バイアス電源から500Wのバイアス電力を供給した。
(9.1)接着剤組成物の調製
ポリイソブチレン系樹脂「オパノールB50(BASF社製、Mw:34万)」100質量部、ポリブテン系樹脂として「日石ポリブテン グレードHV-1900(新日本石油社製、Mw:1900)」30質量部、ヒンダードアミン系光安定剤として「TINUVIN765(BASF・ジャパン製、3級のヒンダードアミン基を有する)」0.5質量部、ヒンダードフェーノール系酸化防止剤として「IRGANOX1010(BASF・ジャパン製、ヒンダードフェーノール基のβ位が二つともターシャリーブチル基を有する)」0.5質量部、及び環状オレフィン系重合体として「Eastotac H-100L Resin(イーストマンケミカル社製)」50質量部を、トルエンに溶解し、固形分濃度約25質量%の接着剤組成物を調製した。さらに、接着剤組成物に二酸化チタンを含有させた。
上記で作製したガスバリアー付き支持基板を用意し、これをそのまま封止基板とした。次に、エポキシ系樹脂の中に二酸化チタンを含有させた樹脂組成物をスリットコーターで封止基板に塗布して、UV照射で硬化させて接着剤層としての樹脂層を形成した。
封止後に形成される接着層の厚さが表1の厚さ、及び、接着剤層に含まれる無機粒子の面積割合が表1に記載された割合となるように、調製した上記の二酸化チタンを含有させた接着剤組成物を封止基板の陰極側となる樹脂層の表面に塗工し、120℃で2分間乾燥させて樹脂層を含む接着剤層を形成した。次に、形成した接着剤層面に対して、剥離シートとして、厚さ38μmの剥離処理をしたポリエチレンテレフタレートフィルムの剥離処理面を貼付して、剥離シート(接着剤層)付き封止基板を作製した。
有機EL素子の接着剤層の含水量は、カールフィシャー法にて測定した。三菱ケミカルアナリテック製微量水分測定装置CA-200を用いた。有機EL素子から接着剤層を封止基板ごと短冊状に切り取り、その含水量を測定した。同環境においた封止基板単体の含水量を差し引いた値を接着剤層の含水量とした。その結果を表1に記載した。
有機EL素子の厚さ方向の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で倍率:1000~5000倍で観察し、観察視野(50μm×50μm)中に観察される無機粒子が占める面積の総和(A)、及び、接着剤が占める面積の総和(B)を、断面写真を2値化した画像を画像処理ソフトで処理することによって算出し、〔(A)/(A)+(B)〕×100を面積割合(%)とした。有機EL素子の長さ方向の任意の3箇所で面積割合を算出し、その平均値を表1に記載した。
有機EL素子の厚さ方向の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で倍率:1000~5000倍で観察し、観察視野(50μm×50μm)中に観察される無機粒の巾を、断面写真を2値化した画像を画像処理ソフトで処理することによって算出し、最も長い巾を粒子径とした。有機EL素子の長さ方向の任意の3箇所で粒子径を算出し、その平均値を表1に記載した。
有機EL素子について、JIS K-7136に準拠して、東京電色社製 HAZE METER NDH5000を用いてヘーズを測定した。測定されたヘーズ値を表1に記載した。ヘーズ値(%)が10%以下の場合に光透過性に優れ、合格とした。
有機EL素子について、下記の封止時間及び封止巾の測定を行い、両者が合格の場合に封止性に優れ、合格とした。
(封止時間)
有機EL素子を、温度:85℃、相対湿度:85%の環境下に保存し、接着剤層と上部透明電極との界面、及び、接着剤層と下部透明電極との界面のいずれかに剥がれが観察されるまでの時間を測定した。その結果を表1に記載した。ここで、剥がれが観察されるまでの時間が24時間以上の場合に合格とした。
有機EL素子を、温度:85℃、相対湿度:85%の環境下に500時間保存しても、接着剤層と上部透明電極との界面、及び、接着剤層と下部透明電極との界面のいずれにもφ150μm以上のダークスポットが観察されない最小の封止巾を測定した。その結果を表1に記載した。ここで、封止巾とは前記した接着剤層と電極との界面の長さ(巾)を意味し、封止巾が5mm以下の場合に合格とした。
2 支持基板
3 ガスバリアー層
4 下部透明電極
6 有機発光層
6a 正孔注入層
6b 正孔輸送層
6c 発光層
6d 電子輸送層
6e 電子注入層
8 上部透明電極
10 有機保護層
11 光学調整層
12 無機層
14 積層体
16 接着剤層
17 反射防止層
18 封止基板
20 無機粒子
Claims (4)
- 支持基板上に、少なくとも、下部透明電極、有機発光層、上部透明電極がこの順に積層された積層体と、前記積層体を被覆するようにして前記支持基板と接着剤層を介して接着された封止基板と、を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記支持基板と前記封止基板との間における前記接着剤層の厚さが10μm以下であり、前記接着剤層が無機粒子を含有し、前記接着剤層の厚さ方向の断面における前記無機粒子が占める面積の割合が10~70%であり、前記封止基板の前記積層体側にガスバリアー層が設けられていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。 - ヘーズが5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記無機粒子が金属酸化物粒子であって、前記金属酸化物粒子の最も長い巾が300nm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記支持基板および前記封止基板のいずれか一方の基板が、他方の基板に比べて厚さが薄く、その厚さが100μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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