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JP7011082B2 - 車両検査システム - Google Patents
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Description

本発明は、複数の外界センサで検出される外部環境情報に基づいて走行制御を行う車両の動作を検査する車両検査システムに関する。
特許第5868550号公報には、レーダ、LiDAR、ソナー等、の複数の走行環境センサ(以下、外界センサともいう。)を備える車両の動作試験(以下、検査ともいう。)を行う方法が開示される。この方法では、試験制御ユニットを搭載した車両を試験コースで実際に走行させる。試験制御ユニットは、外界センサが検出する測定値を仮想的な世界の車両環境に合わせて変更して車両の制御ユニット(以下、車両制御装置ともいう)に出力するようにしている。その結果、車両制御装置は、変更後の測定値に基づいて走行制御を行う。こうすることで、実際の試験コースに関係なく、仮想的な世界における車両の動作試験を行うことができる。
特許第5868550号公報の方法では、車両制御装置と、車両制御装置により制御される各種アクチュエータ(駆動、制動、操舵用のアクチュエータ)の検査を行う反面、複数の外界センサの検査を行っていない。つまり、特許第5868550号公報の方法では、複数の外界センサ、車両制御装置、各種アクチュエータの一貫した検査を行うことができない。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、外界センサ、車両制御装置、各種アクチュエータの一貫した検査を行うことができる車両検査システムを提供することを目的とする。
本発明の態様は、複数の外界センサで検出される外部環境情報に基づいて走行制御を行う車両の動作を検査する車両検査システムであって、前記外部環境情報を模した仮想情報を再現するシミュレータと、複数の前記外界センサ毎に設けられ、前記シミュレータで再現される前記仮想情報を対応する前記外界センサに検出させる複数の情報出力装置と、前記仮想情報に基づいて走行制御を行う前記車両の動作を検出する台上試験機と、を備え、前記シミュレータは、複数の前記情報出力装置に対して同一の仮想外部環境に対応する前記仮想情報を出力すると共に、複数の前記情報出力装置に対して出力する前記仮想情報を同期させ、前記情報出力装置と前記情報出力装置に対して前記仮想情報を出力する前記シミュレータは移動自在なユニットであり、前記ユニットは、車両検査時に個々の前記外界センサと対向する位置に配置される。
本発明によれば、外界センサと車両制御装置、および、駆動装置と制動装置と操舵装置に設けられる各種アクチュエータの一貫した検査を行うことができる。
図1は第1実施形態で検査対象とする車両の装置構成図である。 図2は第1実施形態に係る車両検査システムのシステム構成図である。 図3はシミュレータの機能ブロック図である。 図4はモニタ支持機構の模式図である。 図5A~図5Cはモニタ支持機構の動作説明図である。 図6Aはシミュレータにより再現される仮想外部環境の説明図であり、図6Bは検査時の理想的な時間-車速の説明図である。 図7は第2実施形態に係るシミュレータユニットの模式図である。 図8A、図8Bはシミュレータユニットの動作説明図である。
以下、本発明に係る車両検査システムについて、好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
[1.第1実施形態]
[1.1.車両200]
車両検査システム10で検査対象とする車両200について説明する。ここでは、車両200として、加減速、制動、操舵の制御を自動で行うことができる自動運転車両(完全自動運転車両を含む)を想定するが、加減速、制動、操舵の少なくとも1つの制御を自動で行うことができる運転支援車両であってもよい。図1に示されるように、車両200は、複数の外界センサ202と、外界センサ202で検出される外部環境情報に基づいて走行制御を行う車両制御装置216と、車両制御装置216が出力する動作指示に応じて動作する駆動装置218、操舵装置220と、制動装置222、各車輪224と、を備える。
外界センサ202には、1以上のカメラ204と、1以上のレーダ206と、1以上のLiDAR208と、GNSS210と、ジャイロスコープ212と、が含まれる。ここでは説明の便宜のために、車両200が上述した各外界センサ202を1つずつ備えるものとする。カメラ204とレーダ206とLiDAR208は、車両200の前方の外界情報を検出する。
車両制御装置216は、車両制御ECUにより構成される。車両制御ECUは、外界センサ202により検出される外部環境情報に基づいて、その場面で最適な加減速度、制動量、操舵角を演算し、各種制御対象装置に動作指示を出力する。駆動装置218は、駆動ECUと、エンジンや駆動モータ等の駆動源と、を含む。駆動装置218は、乗員が行うアクセルペダルの操作または車両制御装置216から出力される動作指示に応じて車輪224の駆動力を発生させる。操舵装置220は、電動パワーステアリングシステム(EPS)ECUと、EPSアクチュエータと、を含む。操舵装置220は、乗員が行うステアリングホイールの操作または車両制御装置216から出力される動作指示に応じて車輪224(前輪224f)の操舵角を変える。制動装置222は、ブレーキECUと、ブレーキアクチュエータと、を含む。制動装置222は、乗員が行うブレーキペダルの操作または車両制御装置216から出力される動作指示に応じて車輪224の制動力を発生させる。
[1.2.車両検査システム10]
図1に示す車両200の動作を検査する車両検査システム10について説明する。図2に示されるように、車両検査システム10は、シミュレータ20と、複数の情報出力装置50と、台上試験機70と、解析装置90と、を備える。
[1.2.1.シミュレータ20]
シミュレータ20は、コンピュータによって構成されており、図3に示されるように、シミュレータ演算装置22と、シミュレータ記憶装置24と、入出力装置26と、を有する。
シミュレータ演算装置22は、CPU等のプロセッサで構成される。シミュレータ演算装置22は、シミュレータ記憶装置24に記憶されるプログラムを実行することにより各種機能を実現する。ここでは、シミュレータ演算装置22は、管理部32と、カメラシミュレータ34と、レーダシミュレータ36と、LiDARシミュレータ38と、GNSSシミュレータ40と、ジャイロシミュレータ42と、モニタ位置制御部44として機能する。
管理部32は、車両200の検査処理を管理する機能を有する。例えば、管理部32は、シミュレータ記憶装置24に記憶される仮想外部環境情報46に基づいて仮想外部環境を、カメラシミュレータ34とレーダシミュレータ36とLiDARシミュレータ38とGNSSシミュレータ40とジャイロシミュレータ42で再現させる。つまり、管理部32は、各シミュレータ34、36、38、40、42が同一の仮想外部環境に対応する仮想情報を同期して再現するように、各シミュレータ34、36、38、40、42を協調制御する機能を有する。管理部32は、仮想外部環境の再現時に、台上試験機70から出力される車両200の動作情報(車速Vおよび操舵角θs)に基づいて、仮想外部環境における車両200の仮想走行位置を演算する。
カメラシミュレータ34は、車両200の仮想走行位置でカメラ204が検出する映像情報を再現する機能を有する。カメラシミュレータ34は、モニタ(表示装置)52に仮想情報としての映像情報を出力する。
レーダシミュレータ36は、車両200の仮想走行位置でレーダ206が検出する物標の位置情報を再現する機能を有する。レーダシミュレータ36は、仮想外部環境における物標の位置情報に基づいて、レーダ206から照射される電波が物標で反射されることを想定し、レーダ206に対して反射波に相当する電波の照射タイミングを演算する。そして、レーダ送受信機54で電波が検出されてから照射タイミング分の遅延処理を行い、レーダ送受信機54に対して仮想情報としての電波の照射指示を出力する。
LiDARシミュレータ38は、車両200の仮想走行位置でLiDAR208が検出する物標の位置情報を再現する機能を有する。LiDARシミュレータ38は、仮想外部環境における物標の位置情報に基づいて、LiDAR208から照射されるレーザ光が物標で反射されることを想定し、LiDAR208に対して散乱光に相当する光の照射タイミングを演算する。そして、LiDAR送受信機56でレーザ光が検出されてから照射タイミング分の遅延処理を行い、LiDAR送受信機56に対して仮想情報としての光の照射指示を出力する。
GNSSシミュレータ40は、車両200の仮想走行位置でGNSS210が検出する車両200の位置情報(経緯度情報)を再現する機能を有する。GNSSシミュレータ40は、GNSS送信アンテナ58に仮想情報としての位置情報を出力する。
ジャイロシミュレータ42は、車両200の動作情報(車速Vおよび操舵角θs)に基づいて、車両200に発生する旋回方向の動作情報(角速度、角加速度等)を再現する機能を有する。ジャイロシミュレータ42は、車両制御装置216に仮想情報としての動作情報を出力する。このように、本実施形態では、ジャイロシミュレータ42はジャイロスコープ212に動作情報を出力しない。つまり、ジャイロスコープ212の検査を行わない。車両200のジャイロスコープ212は、実際に車両200に発生する旋回方向の動作を検出するものであり、検査台72上ではその検査を行うことができないためである。
シミュレータ記憶装置24は、ハードディスク、ROM、RAM等で構成される。シミュレータ記憶装置24は、シミュレータ演算装置22が実行するプログラムおよび外部環境情報を模した仮想外部環境情報46を記憶する。仮想外部環境情報46は、一連の仮想外部環境を再現するための情報であり、仮想外部環境における車両200の初期位置、仮想外部環境における各物標の位置、移動する物標の挙動等の情報が予め設定される。仮想外部環境情報46については、下記[1.4.1]で説明する。
入出力装置26は、A/D変換回路、通信インターフェース、ドライバ等を含む。
[1.2.2.情報出力装置50]
図2に戻り、情報出力装置50について説明する。情報出力装置50は、外界センサ202に対して、シミュレータ20で再現される仮想外部環境に対応する仮想情報を検出させる。情報出力装置50には、モニタ52と、レーダ送受信機54と、LiDAR送受信機56と、GNSS送信アンテナ58と、が含まれる。
モニタ52は、カメラ204のレンズと対向して配置される。モニタ52は、カメラシミュレータ34から出力される映像情報に基づいて、仮想外部環境の映像を表示する。図4に示されるように、モニタ52は、モニタ支持機構60により支持される。モニタ支持機構60は、車幅方向に延びるステー62に沿ってモニタ52を車幅方向に移動させるモニタモータ64を有する。モニタモータ64は、シミュレータ20の入出力装置26(ドライバ)から供給される電力により駆動する。
レーダ送受信機54は、送受信回路と指向性アンテナを有し、レーダ206の送受信アンテナと対向して配置される。レーダ送受信機54は、レーダ206の送受信アンテナから照射される電波を検出し、検出信号をレーダシミュレータ36に出力する。そして、レーダシミュレータ36から出力される照射指示に応じてレーダ206の送受信アンテナに向けて電波を照射する。なお、レーダ206の送受信アンテナから照射される電波がレーダ送受信機54またはその周辺の物体により反射されることを防止するために、レーダ206の電波照射範囲には、電波の吸収材が配置される。
LiDAR送受信機56は、送信部(発振回路)と受光部(受光回路)を有し、LiDAR208の送受信部と対向して配置される。LiDAR送受信機56は、LiDAR208の送受信部から照射されるレーザ光を検出し、検出信号をLiDARシミュレータ38に出力する。そして、LiDARシミュレータ38から出力される照射指示に応じてLiDAR208の送受信部に向けて光を照射する。なお、LiDAR208の送受信部から照射されるレーザ光の散乱光がLiDAR送受信機56またはその周辺の物体により反射されることを防止するために、LiDAR208のレーザ光照射範囲には、光の吸収材が配置される。
GNSS送信アンテナ58は、GNSS送信アンテナ58とこれを覆うシールド材とを有し、車両200のGNSS受信アンテナ214をシールド材で覆うようにして配置される。GNSS送信アンテナ58は、GNSSシミュレータ40から出力される位置情報に基づいて、車両200の位置を示す疑似信号を出力する。
[1.2.3.台上試験機70]
図2に示されるように、台上試験機70は、検査台72と、受容装置74と、各種センサ(車速センサ82、車輪位置センサ84、車両位置センサ86)と、モータ制御装置88と、を有する。検査台72は、作業フロアに設置される。
受容装置74は、検査台72上に載せられる車両200の車輪224(前輪224f、後輪224r)位置に設けられ、車輪224を載せて車輪224の動作を受容する機構である。操舵輪となる前輪224f側に設けられる受容装置74fは、2つのローラ76と、支持台78と、支持台モータ80と、を有する。2つのローラ76は、前輪224fを下方から支持すると共に、前輪224fの回転に伴い車幅方向と平行する軸線を中心として回転自在である。支持台78は、ローラ76を支持すると共に、車両200の上下方向と平行する軸線を中心として回転自在である。支持台モータ80は、支持台78を正方向または逆方向に回転させる。一方、後輪224r側に設けられる受容装置74rは、2つのローラ76と、支持台78と、を有する。2つのローラ76は、後輪224rを下方から支持すると共に、後輪224rの回転に伴い車幅方向と平行する軸線を中心として回転自在である。受容装置74fと受容装置74rの少なくとも一方は、車両200のホイールベースに合わせて前後方向に移動可能である。
車速センサ82は、前輪駆動と後輪駆動のいずれの車両200にも対応できるように、受容装置74fと受容装置74rにそれぞれ設けられ、例えばロータリエンコーダまたはレゾルバ等で構成される。車速センサ82は、ローラ76の回転速度rを検出する。回転速度rは車速Vに相当する。車輪位置センサ84は、操舵輪となる前輪224f側に設けられ、レーザ測距装置等で構成される。車輪位置センサ84は、操舵に伴う前輪224fの初期位置からの変位量d1を検出する。変位量d1は車両200の操舵角θsに相当する。車両位置センサ86は、所定部位(後輪224r等)を検出できる位置に設けられ、レーザ測距装置等で構成される。車両位置センサ86は、車幅方向の位置ずれに伴う所定部位(後輪224r等)の位置ずれ量d2を検出する。
モータ制御装置88は、コンピュータによって構成されており、演算装置と、記憶装置と、入出力装置と、を有する。演算装置は、記憶装置に記憶されるプログラムを実行することにより受容装置74fに設けられる支持台モータ80を制御する。具体的には、変位量d1(操舵角θs)に応じた受容装置74fの回転角度θmを演算する。なお、変位量d1は車両200の位置ずれの影響を受ける。このため、モータ制御装置88は、車両200の位置ずれ量d2に応じて変位量d1を補正する。入出力装置は、受容装置74fを回転角度θmだけ回転させるために、支持台モータ80に対して電力を供給する。
台上試験機70は、シミュレータ20に対して、車両200の動作情報、すなわち、車速センサ82で検出される回転速度r(車速V)と、車輪位置センサ84で検出される変位量d1(操舵角θs)と、車両位置センサ86で検出される位置ずれ量d2を出力する。
[1.2.4.解析装置90]
解析装置90は、コンピュータによって構成されており、解析演算装置92と、解析記憶装置94と、解析入出力装置96と、を有する。解析演算装置92は、解析記憶装置94に記憶されるプログラムを実行することにより各種機能を実現する。例えば、解析演算装置92は、台上試験機70で検出される車速Vおよび操舵角θsのログデータを、シミュレータ20を介して取得し、解析記憶装置94に記憶されるモデルデータと比較することにより、車両200の異常診断を行う。
[1.3.車両検査システム10の動作]
一連の検査に伴い車両検査システム10は次のように動作する。車両200は検査台72に載せられる。このとき、個々の車輪224は個々の受容装置74に載せられる。各情報出力装置50は車両200の各外界センサ202と対向して配置される。レーダ送受信機54は、レーダ206の送受信アンテナに対して第1所定距離以上、第2所定距離以内の範囲に配置される。LiDAR送受信機56は、LiDAR208の送受信部に対して第3所定距離以上、第4所定距離以内の範囲に配置される。オペレータは、操作装置(不図示)でシミュレータ20を操作して仮想外部環境の再現を開始する。シミュレータ演算装置22は、シミュレータ記憶装置24に記憶される仮想外部環境情報46に基づいて、仮想外部環境を再現する。
車両200の車両制御装置216は、情報出力装置50から出力される仮想情報を検出し、車両200の駆動、制動、操舵等の制御を行う。車両200の駆動または制動に伴い車輪224の回転速度(車速V)が変化すると、受容装置74のローラ76の回転速度rが変化する。ローラ76の回転速度r(車速V)は車速センサ82で検出され、モータ制御装置88に出力される。また、操舵に伴い前輪224fが変位すると、その変位量d1(操舵角θs)は車輪位置センサ84で検出され、モータ制御装置88に出力される。このとき、モータ制御装置88は、変位量d1(操舵角θs)に応じた受容装置74の回転角度θmを演算し、受容装置74の回転動作を制御する。その結果、受容装置74は、前輪224fの操舵に追従して回転するため、前輪224fの回転軸とローラ76の回転軸とを常に平行にすることができる。従って、車速Vが正確に検出される。モータ制御装置88は、車速Vおよび操舵角θsをシミュレータ20に出力する。シミュレータ20の管理部32は、一連の検査終了後に車両200のログデータ(車速Vと操舵角θs)を解析装置90に出力する。
ところで、検査中に車両200が受容装置74の上で車幅方向に位置ずれすることがある。車両200に位置ずれが発生すると、それぞれの情報出力装置50に対するそれぞれの外界センサ202の相対位置もずれる。レーダ206とLiDAR208とGNSS210の位置ずれは、検出情報に影響が及ばない。対して、カメラ204の位置ずれは、検出情報(映像情報)に大きく影響する。
例えば、図5Aに示されるように、車両200に位置ずれがない状態で、カメラ204は、モニタ52の中心にある画面範囲100Cを撮影する。図5Bに示されるように、車両200が左方向に位置ずれした状態で、カメラ204は、画面範囲100Cよりも左側に位置する画面範囲100Lを撮影する。すると、車両制御装置216は、車両200が受容装置74上で位置ずれしているだけであるにも関わらず、仮想外部環境内で車両200が左方向に位置ずれしていると誤認し、車両200の位置を右方向に戻そうとする誤制御を行う。
このような誤制御を防止するために、シミュレータ20は、モニタ52の位置を車幅方向にずらす制御を行う。車両200が受容装置74上で車幅方向に変位すると、その位置ずれ量d2が車両位置センサ86で検出され、シミュレータ20に出力される。シミュレータ20は、モニタ52を車両200の位置ずれ方向と逆方向に距離d2だけ移動させるために、管理部32でモニタモータ64の回転量および必要な電力を演算し、入出力装置26を介してモニタモータ64に電力を供給する。すると、モニタ52は車両200の位置ずれ方向と逆方向に距離d2だけ移動する。その結果、図5Cに示されるように、モニタ52とカメラ204の位置状態は、初期状態(図5Aに示される状態)に戻る。
[1.4.検査例]
[1.4.1.仮想外部環境とシミュレータ20の動作]
シミュレータ記憶装置24に記憶される仮想外部環境情報46は、所定の項目を検査できるように構成される。例えば、仮想外部環境情報46は、図6Aに示されるように、レーン変更(シーンS1)、レーン維持(シーンS2)、渋滞追従(シーンS3)、衝突回避(シーンS4)の4つの項目に関わる車両200の動作を検査するように構成される。また、仮想外部環境情報46には冒頭シーン(シーンS0)が設定される。
シーンS0では、車両200が走行を始める状況、例えば、車両200が高速道路110の入口にいる状況が設定される。シーンS1では、車両200がレーン変更を行う状況、例えば、車両200が進路変更可能区間120を走行し、かつ、走行レーン112の前方に目標速度Vt以下で走行する先行車両118が存在する状況が設定される。シーンS2では、車両200がレーン維持を行う状況、例えば、走行レーン112の前方に先行車両118が存在しない状況が設定される。シーンS3では、車両200が渋滞追従を行う状況、例えば、車両200が進路変更禁止区間122を走行し、かつ、走行レーン112の前方に目標速度Vt以下で走行する先行車両118が存在する状況が設定される。シーンS4では、車両200が衝突回避を行う状況、例えば、車両200が進路変更禁止区間122を走行し、かつ、走行レーン112の前方に停止する先行車両118が存在する状況が設定される。
カメラシミュレータ34とレーダシミュレータ36とLiDARシミュレータ38とGNSSシミュレータ40は、仮想外部環境情報46に基づいて、シーンS0~S4の仮想外部環境を連続的にかつ同期するようにして再現する。この際、車両200の動作情報に基づいて、車両200の移動軌跡を演算し、移動後の位置における仮想外部環境を再現する。
シーンS0、S2で、カメラシミュレータ34は、車両200の周辺の映像情報を逐次生成し、モニタ52に出力する。モニタ52は、映像情報に応じた映像を表示する。GNSSシミュレータ40は、車両200の位置の経緯度情報を逐次生成し、GNSS送信アンテナ58に出力する。GNSS送信アンテナ58は、経緯度情報に応じた信号を出力する。シーンS0、S2では先行車両118や障害物が設定されないため、レーダシミュレータ36とLiDARシミュレータ38は、レーダ送受信機54およびLiDAR送受信機56に照射指示を出力しない。
シーンS1、S3、S4で、カメラシミュレータ34は、車両200の周辺(先行車両118を含む)の映像情報を逐次生成し、モニタ52に出力する。モニタ52は、映像情報に応じた映像を表示する。レーダシミュレータ36は、レーダ送受信機54がレーダ206の電波を検出してから、車両200と先行車両118との距離に相当するレーダ反射時間経過後に、レーダ送受信機54から電波が照射されるように、レーダ送受信機54に対して照射指示を出力する。レーダシミュレータ36と同様に、LiDARシミュレータ38は、LiDAR送受信機56がLiDAR208のレーザ光を検出してから、車両200と先行車両118との距離に相当する散乱光反射時間経過後に、LiDAR送受信機56から光が照射されるように、LiDAR送受信機56に対して照射指示を出力する。GNSSシミュレータ40は、車両200の位置の経緯度情報を逐次生成し、GNSS送信アンテナ58に出力する。GNSS送信アンテナ58は、経緯度情報に応じた信号を出力する。
シーンS1で、車両200の外界センサ202、車両制御装置216、操舵装置220が正しく動作していれば、車両制御装置216は、車両200にレーン変更を実行させる。レーン変更の際に車両200の操舵角θsは変更される。ジャイロシミュレータ42は、車速Vと操舵角θsに基づいて、実際に走行する車両200に発生することが予想される旋回方向の角速度または角加速度を演算し、ジャイロスコープ212に出力する。
ところで、カメラ204とレーダ206とLiDAR208は検出対象の物標、ここでは先行車両118を検出できる距離が異なる。一般に、検出可能距離は、レーダ206が最も長く、LiDAR208が最も短い。このため、レーダシミュレータ36は、車両200と先行車両118との車間距離Lが、レーダ206で検出できる距離L1以下になった時点で、レーダ送受信機54に対して照射指示を出力する。また、カメラシミュレータ34は、車両200と先行車両118との車間距離Lが、カメラ204で検出できる距離L2(<L1)以下になった時点で、モニタ52に対して先行車両118の映像情報を出力する。また、LiDARシミュレータ38は、車両200と先行車両118との車間距離Lが、LiDAR208で検出できる距離L3(<L2)以下になった時点で、LiDAR送受信機56に対して照射指示を出力する。
[1.4.2.車両200の走行動作]
図6Aに示される仮想外部環境が再現された場合、車両200の車速Vは理想的には図6Bに示されるように推移する。
シーンS0で、車両制御装置216は、車両200が再現される高速道路110で走行することを認識する。このとき、車両制御装置216は、車両200を車速V=0から高速道路110の目標速度Vtに向けて加速させる。
シーンS1で、車両制御装置216は、目標速度Vt以下で走行する先行車両118を認識すると共に、車両200の走行位置が進路変更可能区間120であることを認識する。このとき、車両制御装置216は、先行車両118の追い越しを行うために追い越しレーン114への変更を行う。車両制御装置216は、進路変更可能区間120であることを、カメラ204で撮影したレーンマーク116により判定する。車両制御装置216は、追い越し前に車両200を加速させ、追い越し時に車両200を定速走行させ、追い越し後に車両200を減速させる。
シーンS2で、車両制御装置216は、前方に先行車両118がいないことを認識する。このとき、車両制御装置216は、車両200を目標速度Vtで走行させる。
シーンS3で、車両制御装置216は、目標速度Vt以下で走行する先行車両118を認識すると共に、車両200の走行位置が進路変更禁止区間122であることを認識する。このとき、車両制御装置216は、渋滞追従を行う。車両制御装置216は、進路変更禁止区間122であることを、カメラ204で撮影したレーンマーク116により判定する。車両制御装置216は、車両200を先行車両118と同じ車速Vで走行させ、車両200と先行車両118との車間距離Lを維持する。
シーンS4で、車両制御装置216は、停車する先行車両118を認識する。このとき、車両制御装置216は、車両200を減速させて先行車両118の後方で停車させる。
[1.4.3.解析装置90による解析]
シミュレータ20は、シーンS0~S4の仮想外部環境を再現すると共に、台上試験機70から出力される車両200の動作情報(車速V、操舵角θs)を入力し、ログデータをシミュレータ記憶装置24に記録する。検査終了後に、シミュレータ20は、解析装置90にログデータを出力する。解析装置90は、予め図6Bに示されるような理想的なモデルデータを記憶しており、ログデータとモデルデータとを比較する。解析装置90は、両者の一致度が所定値以上である場合、車両200の外界センサ202と車両制御装置216と駆動装置218と制動装置222と操舵装置220は正常であると判定する。解析装置90は、両者の一致度が所定値未満である場合、いずれかの装置に異常があると判定する。
[2.第2実施形態]
第1実施形態では説明の便宜のために、車両200がレーダ206およびLiDAR208を1つずつ有することとした。しかし、実際は、車両200は複数のレーダ206およびLiDAR208を有する。複数のレーダ206およびLiDAR208に対して、レーダ送受信機54およびLiDAR送受信機56を配置する場合、レーダ送受信機54およびLiDAR送受信機56を自由に移動できるようにすることで、検査効率が向上する。第2実施形態は、一部の情報出力装置50とシミュレータ20の一部機能とを一体化して移動可能とするシミュレータユニット300に関する。
図7を用いてシミュレータユニット300の具体例を説明する。図7に示されるシミュレータユニット300は、第1実施形態におけるレーダシミュレータ36とレーダ送受信機54とを一体化して移動可能とし、また、LiDARシミュレータ38とLiDAR送受信機56とを一体化して移動可能としたものである。なお、シミュレータ演算装置22は、レーダシミュレータ36とLiDARシミュレータ38を除く機能をそのまま有する。シミュレータユニット300は、移動ロボット302と、高さ調整ロボット304と、レーダ送受信機54と、LiDAR送受信機56と、モバイルシミュレータ306と、を有する。
移動ロボット302は、移動機構とコントローラと記憶装置と通信装置とを有し、作業フロア上を移動する機能を有する。移動ロボット302は、作業フロアに設定される移動コースを予め記憶しており、外部の指示装置310から送信される移動指示に応じて、移動コースに沿って移動する。移動コースは、検査台72から離れた待機位置(図8A)と検査台72の周辺の検査位置(図8B)とを起点および終点とする。複数種類の車両200の検査を行う場合、検査位置は車両200の大きさおよび形状によって異なる。このため、移動ロボット302は、複数の移動コースを記憶し、指示装置310から指示されるコース情報に応じて移動コースを選択する。
高さ調整ロボット304は、高さ調整機構とコントローラと記憶装置と通信装置とを有し、レーダ送受信機54とLiDAR送受信機56とを支持すると共に、レーダ送受信機54とLiDAR送受信機56の高さ位置を調整する機能を有する。レーダ送受信機54とLiDAR送受信機56はそれぞれ上下方向を仕切板308で区切られる。レーダ送受信機54の上下方向に配置される仕切板308は電波の吸収材で覆われ、LiDAR送受信機56の上下方向に配置される仕切板308は光の吸収材で覆われる。また、レーダ送受信機54とLiDAR送受信機56の周辺もそれぞれ吸収材で覆われる。高さ調整ロボット304は、レーダ206およびLiDAR208の高さを車種別に記憶し、指示装置310から指示される車種情報に応じてレーダ送受信機54とLiDAR送受信機56と仕切板308の高さを調整する。
モバイルシミュレータ306は、図3に示されるシミュレータ20のレーダシミュレータ36およびLiDARシミュレータ38と同じ機能を有する。モバイルシミュレータ306は、近距離通信装置を有しており、シミュレータ20とデータ通信が可能である。モバイルシミュレータ306は、シミュレータ記憶装置24に記憶される仮想外部環境情報46を受信すると共に、シミュレータ20側の管理部32により統括制御される。
図8A、図8Bを用いてシミュレータユニット300の配置について説明する。以下の説明では、車両200が、4隅にレーダ206とLiDAR208を有し、前部中央と後部中央にレーダ206を有する形態を想定する。
図8Aに示されるように、車両200の検査前に、各シミュレータユニット300f1、300f2、300f3、300r1、300r2、300r3は待機位置で待機する。待機位置は、車両200が検査台72に進入できるように、車両200の進入路を空けて設定される。
図8Bに示されるように、車両200の検査時に、指示装置310は各シミュレータユニット300f1、300f2、300f3、300r1、300r2、300r3に車種に応じたコース情報を送信する。各シミュレータユニット300f1、300f2、300f3、300r1、300r2、300r3はコース情報に応じた移動コースに沿って移動し、それぞれの検査位置に到達する。
表示装置としてモニタ52を使用する代わりに、プロジェクタとスクリーンを使用してもよい。
[3.実施形態から得られる技術的思想]
上記実施形態および変形例から把握しうる技術的思想について、以下に記載する。
本発明は、
複数の外界センサ202で検出される外部環境情報に基づいて走行制御を行う車両200の動作を検査する車両検査システム10であって、
外部環境情報を模した仮想情報を再現するシミュレータ20と、
複数の外界センサ202毎に設けられ、シミュレータ20で再現される仮想情報を対応する外界センサ202に検出させる複数の情報出力装置50と、
仮想情報に基づいて走行制御を行う車両200の動作を検出する台上試験機70と、を備え、
シミュレータ20は、複数の情報出力装置50に対して同一の仮想外部環境に対応する仮想情報を出力すると共に、複数の情報出力装置50に対して出力する仮想情報を同期させる。
上記構成によれば、仮想情報を実際に車両200の外界センサ202に検出させて車両200の動作(車速V、操舵角θs)を検出するため、外界センサ202と車両制御装置216、および、駆動装置218と制動装置222と操舵装置220に設けられる各種アクチュエータの一貫した検査を行うことができる。また、複数の外界センサ202に同一の仮想外部環境に対応する仮想情報を検出させるため、複数の外界センサ202の非同期動作を発見しやすくなり、外界センサ202の誤組付けを発見しやすくなる。
本発明において、
複数の外界センサ202はカメラ204を含み、
複数の情報出力装置50はモニタ(表示装置)52を含み、
モニタ52は、仮想外部環境の映像をカメラ204に撮影させ、
モニタ52以外の情報出力装置50は、映像と同期する仮想情報をカメラ204以外の外界センサ202に検出させるようにしてもよい。
上記構成によれば、モニタ52に仮想外部環境が表示されるため、作業員が検査内容を把握することができる。
本発明において、
台上試験機70は、車両200の車輪224を載せて車輪224の動作を受容する受容装置74を有してもよい。
上記構成によれば、検査台72上で車両200の検査を行うことができ、車両200を実際に走行させるテストコースが不要であるため、広いスペースを必要としない。その結果、室内で車両200の検査を行うことができる。室内の検査は天候の影響を受けないため、検査の精度が向上する。また、同じ条件の検査を再現することができる。
本発明において、
情報出力装置50と情報出力装置50に対して仮想情報を出力するシミュレータ20は移動自在なユニット(シミュレータユニット300)であり、
ユニット(シミュレータユニット300)は、車両検査時に個々の外界センサ202と対向する位置に配置されてもよい。
上記構成によれば、ユニット(シミュレータユニット300)が移動自在であるため、多様な車両や多様な装備の仕様に対して柔軟に対応可能である。
なお、本発明に係る車両検査システムは、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。

Claims (3)

  1. 複数の外界センサ(202)で検出される外部環境情報に基づいて走行制御を行う車両(200)の動作を検査する車両検査システム(10)であって、
    前記外部環境情報を模した仮想情報を再現するシミュレータ(20)と、
    複数の前記外界センサ毎に設けられ、前記シミュレータで再現される前記仮想情報を対応する前記外界センサに検出させる複数の情報出力装置(50)と、
    前記仮想情報に基づいて走行制御を行う前記車両の動作を検出する台上試験機(70)と、を備え、
    前記シミュレータは、複数の前記情報出力装置に対して同一の仮想外部環境に対応する前記仮想情報を出力すると共に、複数の前記情報出力装置に対して出力する前記仮想情報を同期させ
    前記情報出力装置と前記情報出力装置に対して前記仮想情報を出力する前記シミュレータは移動自在なユニット(300)であり、
    前記ユニットは、車両検査時に個々の前記外界センサと対向する位置に配置される、車両検査システム。
  2. 請求項1に記載の車両検査システムであって、
    複数の前記外界センサはカメラ(204)を含み、
    複数の前記情報出力装置は表示装置(52)を含み、
    前記表示装置は、前記仮想外部環境の映像を前記カメラに撮影させ、
    前記表示装置以外の前記情報出力装置は、前記映像と同期する前記仮想情報を前記カメラ以外の前記外界センサに検出させる、車両検査システム。
  3. 請求項1または2に記載の車両検査システムであって、
    前記台上試験機は、前記車両の車輪(224)を載せて前記車輪の動作を受容する受容装置(74)を有する、車両検査システム。
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