JP7012382B2 - 助溶媒によるテトラアルコキシシランの製造方法 - Google Patents
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Description
従来から知られているアルコキシシラン類の工業的製造方法としては、例えば、天然の二酸化ケイ素を出発原料とし、炭素と混合して高温下で還元する事によって金属ケイ素を得て、これを塩素と反応させて得られる、四塩化ケイ素を原料としてアルコールと反応させる方法が知られている(特許文献1参照)。また金属ケイ素とアルコールを直接反応させる製造方法も知られている(特許文献2参照)。
しかし、これらの方法は、いずれも高温を要する金属ケイ素製造過程を経由する必要があり、エネルギー効率が悪い事が問題となっている。
他方、シリカから直接アルコキシシランを製造する方法として、アルカリ金属元素あるいはアルカリ土類金属元素を触媒としてシリカとアルキルカーボネートとを反応させて、アルコキシシランを製造する方法が知られている(特許文献3、4参照)。これらの方法は上記金属ケイ素を原料としないため、エネルギー効率的には有利である一方、比較的高価な化合物であるアルキルカーボネートを、化学量論としてシリカに対して少なくとも2倍のモル量を投入する必要があり、テトラアルコキシシランの工業的製法としては経済的な課題がある。
本発明者らは、メタノールと酸化ケイ素を原料としてテトラメトキシシランを製造できることを見出し、二酸化炭素の存在下でメタノールと酸化ケイ素を反応させ、かつモレキュラーシーブを用いて副生した水を除去することによりテトラメトキシシランを高収率で得られる方法を開発した(特許文献5参照)。
<1> アルコールと酸化ケイ素を脂肪族炭化水素溶媒の存在下で反応させる第一工程、及び前記第一工程で得られた反応混合物の気化成分をモレキュラーシーブに接触させる第二工程を含むことを特徴とする、テトラアルコキシシランの製造方法。
<2> 前記第一工程が、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の存在下で行われる、<1>に記載のテトラアルコキシシランの製造方法。
<3> 前記モレキュラーシーブが、前記第一工程を行う反応器内で、前記反応混合物の液体成分及び/又は固体成分に接触しない位置に存在することによって、前記第一工程及び前記第二工程が1つの容器内で進行する、<1>又は<2>に記載のテトラアルコキシシランの製造方法。
<4> 前記モレキュラーシーブが、前記第一工程を行う反応器とは異なる前記第二工程を行う容器内に存在し、前記気化成分が前記反応器から前記容器に移動するための往路流路及び前記モレキュラーシーブと接触した成分が前記容器から前記反応器に移動するための復路流路を介して前記反応器と前記容器が接続していることによって、前記第一工程及び前記第二工程が進行する、<1>又は<2>に記載のテトラアルコキシシランの製造方法。
本発明の一態様であるテトラアルコキシシランの製造方法(以下、「本発明の製造方法」と略す場合がある。)は、アルコールと酸化ケイ素からテトラアルコキシシランを生成する反応を利用したテトラアルコキシシランの製造方法であり、下記の第一工程と第二工程を含むことを特徴とする。
第一工程:アルコールと酸化ケイ素を脂肪族炭化水素溶媒の存在下で反応させる工程(以下、「第一工程」と略す場合がある。)。
第二工程:第一工程で得られた反応混合物の気化成分をモレキュラーシーブに接触させる工程(以下、「第二工程」と略す場合がある。)。
本発明者らは、アルコールと酸化ケイ素からテトラアルコキシシランを生成する反応を脂肪族炭化水素溶媒の存在下で行い、さらに反応混合物の気化成分をモレキュラーシーブに接触させることによって、テトラアルコキシシランを高収率で製造することができることを見出したのである。
モレキュラーシーブは、アルコールと酸化ケイ素の反応によって副生した水を除去する脱水剤として利用することになるが、脂肪族炭化水素溶媒が共沸溶媒として作用して副生した水の気化を促進し、効率良く脱水が進むものと考えられる。また、脂肪族炭化水素溶媒には、生成したテトラアルコキシシランが分解する逆反応を抑制する作用があるものと考えられ、アルコールと酸化ケイ素の反応を脂肪族炭化水素溶媒の存在下で行うことでテトラアルコキシシランを非常に高収率で製造することができるのである。
なお、「第一工程」と「第二工程」を含むとは、第一工程と第二工程が独立して進行する態様のみならず、第一工程と第二工程が1つの容器内又は異なる容器内でそれぞれ同時に進行する態様も含まれるものとする。
以下、「第一工程」、「第二工程」等について詳細に説明する。
第一工程は、アルコールと酸化ケイ素を脂肪族炭化水素溶媒の存在下で反応させる工程であるが、アルコールの種類は、特に限定されず、製造目的であるテトラアルコキシシランに応じて適宜選択することができる。例えばアルコールとしてメタノールを用いるとテトラメトキシシランを、エタノールを用いるとテトラエトキシシランを製造することができる。
アルコールは、脂肪族アルコールと芳香族アルコールのどちらでもよく、またアルコール中の炭化水素基は、分岐構造、環状構造、炭素-炭素不飽和結合等のそれぞれを有していてもよい。
アルコールの炭素原子数は、通常1以上、好ましくは2以上であり、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下であり、芳香族アルコールである場合の炭素原子数は通常6以上である。
具体的なアルコールとしては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、ベンジルアルコール、フェノール等が挙げられる。中でも、メタノール、エタノール、1-プロパノール、1-ブタノールが好ましく、エタノールがより好ましい。なお、従来の金属ケイ素を用いた方法では、アルコールの炭素原子数が多いものほど、テトラアルコキシシランの収率は低下し易い傾向にあるが、本発明の製造方法を利用することによって、高収率でテトラアルコキシシランを製造することができる。
なお、アルコールの使用量は、酸化ケイ素の物質量に対して、通常1倍以上、好ましくは5倍以上、より好ましくは10倍以上であり、通常10000倍以下、好ましくは5000倍以下、より好ましくは3000倍以下である。
具体的な酸化ケイ素としては、ケイ石、ケイ砂、ケイ藻土、石英等の天然鉱物、ケイ素含有植物の焼成灰、火山灰、ケイ酸塩類、シリカゾル由来のシリカゲル、ヒュームドシリカ、シリカアルミナ、ゼオライト等が挙げられる。
脂肪族炭化水素溶媒の炭素原子数としては、通常5~10である。
脂肪族炭化水素溶媒の沸点としては、通常25~200℃、好ましくは30℃以上、より好ましくは35℃以上であり、好ましくは180℃以下、より好ましくは150℃以下である。上記範囲内であると、テトラアルコキシシランをより高収率で製造することができる。
具体的な脂肪族炭化水素溶媒としては、
炭素原子数が5のn-ペンタン、i-ペンタン、シクロペンタン、2,2-ジメチルプロパン;
炭素原子数が6のn-ヘキサン、i-ヘキサン、シクロヘキサン、2,2-ジメチルブタン、メチルシクロペンタン;
炭素原子数が7のn-ヘプタン、i-ヘプタン、シクロヘプタン;
炭素原子数が8のn-オクタン、i-オクタン、シクロオクタン
等が挙げられる。
なお、脂肪族炭化水素溶媒の使用量は、反応に用いるアルコールの質量に対して、通常0.01倍以上、好ましくは0.1倍以上、より好ましくは0.3倍以上であり、通常100倍以下、好ましくは10倍以下、より好ましくは1倍以下である。
アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物におけるアルカリ金属及びアルカリ土類金属としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、セシウム(Cs)等が挙げられる。また、対イオンについては、水酸化物、ハロゲン化物、酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、アルコキシド、ケイ酸塩、アルミン酸塩、リン酸塩、有機酸塩、硫酸塩、硝酸塩等が挙げられる。中でも水酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、炭酸水素塩が好ましく、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ金属炭酸塩、及びアルカリ金属炭酸水素塩がより好ましい。
具体的なアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム等が挙げられる。なお、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物は、1種類のみならず、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
アルカリ金属化合物とアルカリ土類金属化合物の総使用量は、酸化ケイ素(二酸化ケイ素の場合)1molに対して、通常0mol以上、好ましくは0.001mol以上であり、通常20mol以下、好ましくは10mol以下である。上記範囲内であると、テトラアルコキシシランをより高収率で製造することができる。
第一工程の反応温度は、通常150℃以上、好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃以上、さらに好ましくは220℃以上、特に好ましくは240℃以上であり、通常400℃以下、好ましくは350℃以下、より好ましくは300℃以下、さらに好ましくは280℃以下、特に好ましくは260℃以下である。
第一工程の反応圧力は、通常0.1MPa以上、好ましくは1.0MPa以上、より好ましくは3.0MPa以上であり、通常60MPa以下、好ましくは30MPa以下、より好ましくは20MPa以下である。
第一工程の反応時間は、通常1時間以上、好ましくは5時間以上、より好ましくは10時間以上であり、通常168時間以下、好ましくは120時間以下、より好ましくは100時間以下である。
上記範囲内であると、テトラアルコキシシランをより高収率で製造することができる。
第二工程は、第一工程で得られた反応混合物の気化成分をモレキュラーシーブに接触させる工程であるが、モレキュラーシーブは、分子の篩として機能し細孔内に水を吸着して脱水できる働きのある材料であれば特に制限はなく、A型やX型の多孔質ゼオライトある3Aや4A、5A、13Xなどを好ましく用いる事ができるが、3Aであることが特に好ましい。3Aであると、水を選択的に除去し、テトラアルコキシシランをより収率良く生成することができる。なお、モレキュラーシーブは、アルコールと酸化ケイ素の反応によって副生する水が十分に除去できる量使用される。
なお、モレキュラーシーブの温度の代わりに、モレキュラーシーブが設置されている容器等の温度を判断に利用する場合、その温度は、通常25℃以上、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上であり、通常100℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下である。
モレキュラーシーブの温度を制御する方法は、ヒーター等を利用して加熱すること、第一工程の熱を利用すること、恒温水若しくは恒温オイルをモレキュラーシーブが設置されている容器外表面を循環させる等が挙げられる。
図1Aの装置101aは、第一工程を行う反応器106と第二工程を行う容器107を備えた構成となっており、第二工程を行う容器107は第一工程を行う反応器106よりも上方(高い位置)に設置されている。第一工程を行う反応器106にアルコール102、酸化ケイ素103、脂肪族炭化水素溶媒、アルカリ金属化合物等を投入し、反応温度まで加熱して、第一工程を行うことになる。第一工程で得られた反応混合物の気化成分104は、往路流路108を経由してモレキュラーシーブ105が設置された第二工程を行う容器107に投入され、モレキュラーシーブ105と接触した成分は、復路流路109を経由して第一工程を行う反応器106に戻ることになる。即ち、反応混合物の気化成分104を第二工程を行う容器107内でモレキュラーシーブ105に接触させて、第二工程を行うことになる。
なお、反応混合物の気化成分104を第二工程を行う容器107に移動させる方法は、特に限定されないが、例えば第二工程を行う容器と往路流路の接続部110の温度を100~400℃の範囲にすることが挙げられる。第二工程を行う容器と往路流路の接続部の温度は、好ましくは120℃以上、より好ましくは150℃以上であり、好ましくは350℃以下、より好ましくは300℃以下である。上記範囲内であると、キャリアーガス、コンプレッサー等を利用しなくても、反応系内の温度差及び/又は圧力差によって、反応混合物の気化成分を第一工程を行う反応器から第二工程を行う容器へ、さらにモレキュラーシーブと接触した成分を第二工程を行う容器から第一工程を行う反応器へ移動させることができる。なお、第二工程を行う容器と往路流路の接続部の温度を100~400℃の範囲にする方法は、ヒーター等を利用して加熱すること、第一工程の熱を利用すること等が挙げられる。
往路流路の温度は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは150℃以上であり、通常400℃以下、好ましくは350℃以下、より好ましくは300℃以下である。なお、収率向上の観点から、往路流路の温度は反応温度より高いことが好ましい。
復路流路の温度は、通常25℃以上、好ましくは40℃以上、より好ましくは60℃以上であり、通常100℃以下、好ましくは80℃以下である。
磁気撹拌子を入れた10mL容積のSUS製オートクレーブ(耐圧硝子工業社製)に、二酸化ケイ素(富士シリシア化学 CARiACT Q-10)0.09g、水酸化カリウム0.0084g、メタノール5.5g、脂肪族炭化水素溶媒としてn-ペンタン2.5gを加えた。もう1つの10mL容積のSUS製オートクレーブ(耐圧硝子工業社製)にモレキュラーシーブ3A(メルク株式会社製 モレキュラーシーブ0.3nm ビーズ状)8.0gを上部に設置し、2つのオートクレーブを連結して図1Bに示すような縦長の反応器とした。次に25℃の温度下でボンベからアルゴンガスを導入して、オートクレーブ内をアルゴンガスに置換して密封した。その後、オートクレーブ内を1200rpmに攪拌しつつ、反応温度260℃まで加熱し、6時間反応させた。冷却後、残存するガスを放出し、反応混合物をガスクロマトグラフィー(島津製作所 GC-2014ATF/SPL)により分析した。二酸化ケイ素基準のテトラメトキシシランの収率は32%であった。結果を表1に示す。
実施例1の反応条件に対し、メタノールを4.7g、脂肪族炭化水素溶媒としてn-ペンタン3.3gとした以外は、実施例1と同様の操作によりテトラメトキシシランの製造を行った。二酸化ケイ素基準のテトラメトキシシランの収率は32%であった。結果を表1に示す。
実施例1の反応条件に対し、メタノールを4.0g、脂肪族炭化水素溶媒としてn-ペンタン4.0gとした以外は、実施例1と同様の操作によりテトラメトキシシランの製造を行った。二酸化ケイ素基準のテトラメトキシシランの収率は18%であった。結果を表1に示す。
実施例1の反応条件に対し、メタノールを5.5g、脂肪族炭化水素溶媒としてシクロペンタン2.5gとした以外は、実施例1と同様の操作によりテトラメトキシシランの製造を行った。二酸化ケイ素基準のテトラメトキシシランの収率は27%であった。結果を表1に示す。
実施例1の反応条件に対し、メタノールを6.0g、脂肪族炭化水素溶媒としてn-ヘキサン2.0gとした以外は、実施例1と同様の操作によりテトラメトキシシランの製造を行った。二酸化ケイ素基準のテトラメトキシシランの収率は22%であった。結果を表1に示す。
実施例1の反応条件に対し、メタノールを5.5g、脂肪族炭化水素溶媒として2,2-ジメチルブタン2.5gとした以外は、実施例1と同様の操作によりテトラメトキシシランの製造を行った。二酸化ケイ素基準のテトラメトキシシランの収率は29%であった。結果を表1に示す。
実施例1の反応条件に対し、メタノールを5.5g、脂肪族炭化水素溶媒としてシクヘキサン2.5gとした以外は、実施例1と同様の操作によりテトラメトキシシランの製造を行った。二酸化ケイ素基準のテトラメトキシシランの収率は26%であった。結果を表1に示す。
磁気撹拌子を入れた10mL容積のSUS製オートクレーブ(耐圧硝子工業社製)に、二酸化ケイ素(富士シリシア化学 CARiACT Q-10)0.06g、水酸化カリウム0.0059g、メタノール3.8g、脂肪族炭化水素溶媒としてn-ヘキサン1.8gを加えた。もう1つの10mL容積のSUS製オートクレーブ(耐圧硝子工業社製)にモレキュラーシーブ3A(メルク株式会社製 モレキュラーシーブ0.3nm ビーズ状)8.0gを上部に設置した。これら2つのオートクレーブを図1Aの構成となるよう、反応混合物の気化成分が移動するための往路流路として、リボンヒーター用いて加熱できるようにした内径4.6mmのSUS316製チューブ(図1Aの108部に相当)と、モレキュラーシーブと接触した成分が移動するための復路流路として内径4.6mmのSUS316製チューブ(図1Aの109部に相当)によって連結した。次に25℃の温度下でボンベからアルゴンガスを導入して、オートクレーブ内をアルゴンガスに置換して密封した。その後、オートクレーブ内を1200rpmに攪拌しつつ、反応温度200℃まで加熱し、6時間反応させた。冷却後、残存するガスを放出し、反応混合物をガスクロマトグラフィー(島津製作所 GC-2014ATF/SPL)により分析した。二酸化ケイ素基準のテトラメトキシシランの収率は61%であった。結果を表1に示す。
実施例8の反応条件に対し、メタノールを3.8g、脂肪族炭化水素溶媒としてn-ヘプタン1.8gとした以外は、実施例8と同様の操作によりテトラメトキシシランの製造を行った。二酸化ケイ素基準のテトラメトキシシランの収率は68%であった。結果を表1に示す。
実施例8の反応条件に対し、エタノールを3.8g、脂肪族炭化水素溶媒としてn-ペンタン1.8g、反応温度を160℃とした以外は、実施例8と同様の操作によりテトラエトキシシシランの製造を行った。二酸化ケイ素基準のテトラエトキシシランの収率は49%であった。結果を表1に示す。
実施例10の反応条件に対し、エタノールを3.8g、脂肪族炭化水素溶媒としてn-ヘキサン1.8gとした以外は、実施例10と同様の操作によりテトラエトキシシシランの製造を行った。二酸化ケイ素基準のテトラエトキシシランの収率は56%であった。結果を表1に示す。
機械撹拌機を備えた200mL容積のSUS316製オートクレーブ(日東高圧社製)の上部に、反応混合物の気化成分が移動するための往路流路としてリボンヒーター用いて加熱できるようにした内径4.6mmのSUS316製チューブ(図1の108部に相当)、モレキュラーシーブと接触した成分が移動するための復路流路として内径4.6mmのSUS316製チューブ(図1の109部に相当)を接続した。往路流路配管内の温度(T2)は、反応中は249℃に保持した。さらにこれらのチューブに、モレキュラーシーブ3A(メルク社製:2mmビーズ状)25gを入れた内容積30mlのSUS製ポータブルリアクター(耐圧硝子社製)を接続した。ポータブルリアクターの外側には恒温水を循環させて、ポータブルリアクター内部のモレキュラーシーブ部温度を60℃に保持した。オートクレーブ内に、二酸化ケイ素(和光純薬 ワコーゲル 60N 63~212μm)1.8g、エタノール55g、ヘキサン25g、水酸化カリウム0.16gを加え、25℃の温度下で、ボンベからアルゴンガスを、圧力計(スウェージロックFST社PGC-50M-MG10)が示す圧力で、オートクレーブが0.50MPaになるように充填して10分間撹拌しながら保持し、密封した。その後オートクレーブ内を500rpmに撹拌しつつ200℃まで加熱し、6時間反応させた。シリカを基準としたテトラエトキシシランの収率は、46.0%であった。反応結果を表1に示す。
実施例1の反応条件に対し、メタノールを8.0gとし、脂肪族炭化水素溶媒を加えなかった以外は、実施例1と同様の操作によりテトラメトキシシランの製造を行った。二酸化ケイ素基準のテトラメトキシシランの収率は9%であった。結果を表1に示す。
実施例8の反応条件に対し、メタノールを5.6gとし、脂肪族炭化水素溶媒を加えなかった以外は、実施例8と同様の操作によりテトラメトキシシランの製造を行った。二酸化ケイ素基準のテトラメトキシシランの収率は45%であった。結果を表1に示す。
実施例11の反応条件に対し、エタノールを5.6gとし、脂肪族炭化水素溶媒を加えなかった以外は、実施例11と同様の操作によりテトラエトキシシシランの製造を行った。二酸化ケイ素基準のテトラエトキシシランの収率は30%であった。結果を表1に示す。
実施例12の反応条件に対し、エタノールを80gとし、脂肪族炭化水素溶媒を加えなかった以外は、実施例12と同様の操作によりテトラエトキシシシランの製造を行った。二酸化ケイ素基準のテトラエトキシシランの収率は17%であった。結果を表1に示す。
102 アルコール
103 酸化ケイ素
104 反応混合物の気化成分
105 モレキュラーシーブ
106 第一工程用の反応器
107 第二工程用の容器
108 反応混合物の気化成分が移動するための往路流路
109 モレキュラーシーブと接触した成分が移動するための復路流路
110 第二工程用の容器と往路流路の接続部
Claims (3)
- アルコールと酸化ケイ素を脂肪族炭化水素溶媒の存在下で反応させる第一工程、及び
前記第一工程で得られた反応混合物の気化成分をモレキュラーシーブに接触させる第二工程を含み、
前記脂肪族炭化水素溶媒は、炭素原子数5~10の脂肪族炭化水素から選択され、
前記モレキュラーシーブが、前記第一工程を行う反応器内で、前記反応混合物の液体成分及び/又は固体成分に接触しない位置に存在することによって、前記第一工程及び前記第二工程が1つの容器内で進行する、テトラアルコキシシランの製造方法。 - アルコールと酸化ケイ素を脂肪族炭化水素溶媒の存在下で反応させる第一工程、及び
前記第一工程で得られた反応混合物の気化成分をモレキュラーシーブに接触させる第二工程を含み、
前記脂肪族炭化水素溶媒は、炭素原子数5~10の脂肪族炭化水素から選択され、
前記モレキュラーシーブが、前記第一工程を行う反応器とは異なる前記第二工程を行う容器内に存在し、前記気化成分が前記反応器から前記容器に移動するための往路流路及び前記モレキュラーシーブと接触した成分が前記容器から前記反応器に移動するための復路流路を介して前記反応器と前記容器が接続していることによって、前記第一工程及び前記第二工程が進行する、テトラアルコキシシランの製造方法。 - 前記第一工程が、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の存在下で行われる、請求項1又は2に記載のテトラアルコキシシランの製造方法。
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| 深谷訓久 ほか,砂や灰などからの有機ケイ素原料の効率的な合成法の開発,機能材料,シーエムシー出版,2017年02月05日,Vol.37, No.2,p.52-56 |
| 深谷訓久,安価で豊富なケイ素を使いこなしたい!-砂や灰から直接化学原料を作る新たな可能性,オンライン,2016年12月01日,https://academist-cf.com/journal/?p=2642 |
| 阿部芳首 ほか,アルコキシシロキサンの合成とその材料への応用,J. Jpn. Soc. Colour Mater.,2007年,Vol.80/No.11,p.458-461 |
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|---|---|
| JPWO2019131518A1 (ja) | 2020-12-10 |
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