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JP7014590B2 - 真空吸着部材 - Google Patents
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JP7014590B2 - 真空吸着部材 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウエハなど基板を真空吸着保持するために用いられる真空吸着部材に関する。
半導体ウエハなどの被加工物を吸着保持する吸着面を有するポーラスセラミックスからなる吸着部と、当該吸着部を囲むスポンジ状の弾性部材で形成され、上面高さが吸着面よりも高い環状シール部と、を備えているチャックテーブルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
被加工物がチャックテーブルに載置されると、当該被加工物は少なくとも周縁領域において環状シール部に接触した状態となる。この状態で、吸着部の吸着面とは反対側で負圧領域が生成されると、環状シール部および被加工物により画定されている空間に負圧領域が形成される。これに応じて、被加工物に対して吸着面に向かう吸引力が作用し、吸着面に接近する被加工物によって環状シール部の上面高さが吸着面の高さと同一になるまで環状シール部が押しつぶされる。これにより、被加工物の平坦度の向上が図られている。
特開2014-072510号公報
しかし、基板の周縁領域である外側領域において反り上がっているまたは垂れ下がっている場合がある。この場合、基板の平坦度が内側領域において確保されたとしても外側領域において局所的に低下する。これにより、基板の外側領域に対して、所望の回路形成のためのエッチング処理などの所定の処理を施すことが困難となる。
そこで、本発明は、外側領域を含めて基板の全体的な平坦度の向上を図ることができる真空吸着部材を提供することを目的とする。
本発明の真空吸着部材は、基体と、前記基体の主面から突出している複数の凸部と、前記基体の内部を通り、前記基体の主面に開口を有する真空吸引経路と、前記複数の凸部が、前記基体の主面において内側領域に配置されている内側凸部群と、前記基体の主面において前記内側領域を取り囲む環状の外側領域に配置されている外側凸部群と、により構成され、前記外側凸部群のうち少なくとも一部を構成する複数の指定外側凸部のそれぞれの前記基体の主面を基準とする端面位置が、前記内側凸部群を構成する複数の内側凸部のそれぞれの前記基体の主面を基準とする端面位置よりも高く、かつ、当該複数の指定外側凸部のそれぞれの一部が残りの部分よりも弾性率が低い弾性素材により構成されていることを特徴とし、前記複数の凸部のそれぞれを囲むように、前記基体の主面から突出する環状凸部をさらに備え、前記環状凸部の前記基体の主面を基準とする端面位置が、前記複数の指定外側凸部のそれぞれの前記基体の主面を基準とする端面位置よりも低いことを特徴とする。
本発明の真空吸着部材によれば、基体の主面側において基板が真空吸着部材に載置されることにより、基体の主面から突出する複数の凸部のうち少なくとも一部の凸部により基板が支持される。各指定外側凸部の端面位置(面の「位置」という記載は、「基体の主面を基準とする当該面の位置」を意味する。)が、各内側凸部の端面位置よりも高いため、基板の外側領域の少なくとも一部に反り上がりまたは垂れ下がりがあっても、当該基板の外側領域の少なくとも一部が対応する指定外側凸部により支持されうる。この際、指定外側凸部の一部を構成する弾性素材が、当該指定外側凸部の端面位置を下げるように弾性変形することにより、基板の外側領域の少なくとも一部が指定外側凸部から受ける抗力が緩和されうる。
この状態で、基体の主面および基板の裏面により挟まれた空間から通気経路を介して空気が排出されることにより、当該空間に負圧領域が形成される。その結果、基板の内側領域が内側凸部群により支持される一方、基板の外側領域が外側凸部群のうち少なくとも一部を構成する複数の指定外側凸部により支持される。基板の外側領域の少なくとも一部に反り上がりまたは垂れ下がりがあっても、指定外側凸部の一部を構成する弾性素材が、当該指定外側凸部の端面位置を内側凸部の端面位置に一致させるように弾性変形することができる。また、指定外側凸部の一部が残りの部分よりも弾性率が低い弾性素材により構成されているため、指定外側凸部の全部が当該弾性素材により構成されている場合よりも、弾性素材の弾性変形による指定外側凸部の端面位置の変化量が制限される。よって、前記のような形状の基板であっても、基板表面の全体的な平坦度の向上が図られるように当該基板が真空吸着保持されうる。また、当該構成の真空吸着部材によれば、少なくとも一部の凸部により支持された状態の基板の裏面と、基体の主面とにより挟まれた空間が周囲を環状凸部により囲まれている分だけ、当該空間においてより強い負圧領域が形成されうる。このため、当該空間に負圧領域が形成された際、基板の裏面と複数の内側凸部および複数の指定外側凸部のそれぞれの端面とを確実に当接させることができる。また、環状凸部の端面と基板の裏面との間に間隙が存在する場合、当該空間に負圧領域が形成される際、当該間隙を通じて当該空間に流れ込む空気の流速が局所的に高くなり、基板の外側領域に対してベルヌーイ力を作用させることができる。このため、当該空間に負圧領域が形成された際、基板の裏面と複数の指定外側凸部のそれぞれの端面とをさらに確実に当接させることができる。
本発明の真空吸着部材において、前記複数の指定外側凸部のそれぞれが、前記基体の主面から突出している第1要素と、前記第1要素の端面に連続して設けられている前記弾性素材により構成されている第2要素と、を備え、前記第2要素の前記基体の主面を基準とする端面位置が前記複数の内側凸部のそれぞれの前記基体の主面を基準とする端面位置よりも高いことが好ましい。
当該構成の真空吸着部材によれば、基板の外側領域の少なくとも一部に反り上がりまたは垂れ下がりがあっても、指定外側凸部の一部を構成する第2要素が、当該指定外側凸部の端面位置ひいては第2要素の端面位置を内側凸部の端面位置に一致させるように弾性変形することができる。また、指定外側凸部の一部である第2要素が弾性素材により構成されている一方、残りの部分である第1要素は第2要素よりも弾性率が高いため、弾性素材の弾性変形による指定外側凸部の端面位置の変化量が抑制される。よって、前記のような形状の基板であっても、基板表面の全体的な平坦度の向上が図られるように当該基板が真空吸着保持されうる。
本発明の真空吸着部材において、前記弾性素材の弾性率E[Pa]、前記弾性素材の前記基体の主面の垂線方向についての長さL[m]および前記弾性素材の前記基体の主面に平行な断面における断面積S[m2]が、4[MPa]≦Eおよび1.0×10-7≦L/(E×S)≦5.0×10-6により表わされる条件を満足することが好ましい。
当該構成の真空吸着部材によれば、指定外側凸部の一部を構成する弾性素材の弾性率E、長さLおよび断面積Sが、外側領域の少なくとも一部に反り上がりまたは垂れ下がりがある基板の平坦度の向上を図る観点から適当に設計されている。
本発明の真空吸着部材において、前記複数の指定外側凸部のそれぞれが、前記基体とは別個に構成されている第1要素と、前記基体に支持された状態で前記第1要素を端部で支持している弾性要素により構成されている第2要素と、を備え、前記第1要素の端面位置が前記複数の内側凸部のそれぞれの端面位置よりも高いことが好ましい。
当該構成の真空吸着部材によれば、基板の外側領域の少なくとも一部に反り上がりまたは垂れ下がりがあっても、指定外側凸部の一部を構成する第2要素が、当該指定外側凸部の端面位置ひいては第1要素の端面位置を内側凸部の端面位置に一致させるように弾性変形することができる。また、指定外側凸部の一部である第2要素が弾性素材により構成されている一方、残りの部分である第1要素は第2要素よりも弾性率が高いため、弾性素材の弾性変形による指定外側凸部の端面位置の変化量が抑制される。よって、前記のような形状の基板であっても、基板表面の全体的な平坦度の向上が図られるように当該基板が真空吸着保持されうる。
本発明の真空吸着部材において、前記基体の主面から窪んで設けられている凹部をさらに備え、前記第1要素が前記凹部に部分的に変位可能に挿入され、前記第2要素が前記凹部の内部に収容されて前記凹部の底部により支持された状態で前記第1要素を支持していることが好ましい。
当該構成の真空吸着部材によれば、第2要素の弾性変形に伴って第1要素を凹部により案内しながら変位させ、これにより指定外側凸部の端面位置ひいては第1要素の端面位置が高精度で調節されうる。
本発明の第1実施形態としての真空吸着部材の上面図。 図1のII-II線に沿った真空吸着部材の縦断面図。 本発明の第1実施形態としての真空吸着部材の機能に関する説明図。 本発明の第1実施形態としての真空吸着部材の機能に関する説明図。 本発明の第1実施形態としての真空吸着部材の機能に関する説明図。 本発明の第2実施形態としての真空吸着部材の図2に対応する縦断面図。 本発明の第2実施形態としての真空吸着部材の機能に関する説明図。 本発明の第2実施形態としての真空吸着部材の機能に関する説明図。 本発明の第2実施形態としての真空吸着部材の機能に関する説明図。 本発明の第3実施形態としての真空吸着部材の図2に対応する縦断面図。
(第1実施形態)
(構成)
図1および図2に示されている本発明の第1実施形態としての真空吸着部材は、基体1と、基体1の主面102から突出する複数の凸部10と、複数の凸部10を取り囲むように延在して基体1の主面10から突出する環状凸部14と、基体1の内部を通り、基体1の主面102に開口部202を有する通気経路20と、を備えている。
基体1は、例えば略平板状のSiC、AlN、Al23等のセラミックス焼結体からなる。複数の凸部10、環状凸部14および通経路20のそれぞれは、研削加工、ブラスト加工、ミリング加工もしくはレーザー加工またはこれらの組み合わせにより形成される。基体1の主面102は略平面状に形成されている。
複数の凸部10は、基体1の主面102において三角格子もしくは正方格子等の格子様に配置されるほか、複数の同心円のそれぞれに沿って配置され、あるいは、中心から延在する複数の放射線のそれぞれに沿って規則的に配置される等、規則的に配置されてもよく、不規則的に配置されていてもよい。各凸部10は、略柱状、略錘台状、柱状体または錘台状体の端面または上底に、小面積の底面または下底を有する柱状体、半球、半楕円球または錘台状体が乗ったような複数の段差付きの略柱状など、様々な形状に形成されていてもよい。
真空吸着部材の縦断面図において環状凸部14の形状が略矩形状のほか、略台形状、半楕円形状、真円形状、または、矩形と当該矩形の一辺を直径とする半円形とが組み合わせられた形状など、様々な形状であってもよい。なお、環状凸部14が省略されてもよい。
複数の凸部10は、内側凸部群11および外側凸部群12により構成されている。内側凸部群11は、基体1の主面102において中心から半径R1の円形状の内側領域S1に配置されている複数の内側凸部112により構成されている。外側凸部群12は、基体1の主面102において内側領域S1を取り囲む、中心から半径R2の外縁を有する環状の外側領域S2に配置されている複数の外側凸部122により構成されている。外側領域S2の外縁および環状凸部14の内縁とは一致している。
内側領域S1および外側領域S2の合計面積(=πR2 2)に対する、外側領域S2の面積(=π(R2 2-R1 2))の比率(=1-R1 2/R2 2)は、例えば0.03~0.20の範囲に含まれるように内側領域S1および外側領域S2が定義されている。内側領域S1の外縁は円環状に限られず、円環に沿って延在する波線状またはジグザグ線状であってもよい。外側領域S2の外縁は円環状に限られず、円環に沿って延在する波線状またはジグザグ線状であってもよい。
基体1の主面102において、複数の内側凸部112の配置態様と複数の外側凸部122の配置態様とが同一であってもよく、複数の内側凸部112が三角格子様に配置される一方で、複数の外側凸部122が一の円または複数の同心円に沿って配列されるなど相違していてもよい。各内側凸部112の形状と各外側凸部122の形状とが同一であっても相違していてもよい。
外側凸部群12のうち少なくとも一部を構成する複数の指定外側凸部122の基体1の主面102を基準とする端面1220の位置(突出高さH2)が、内側凸部群11を構成する複数の内側凸部112のそれぞれの基体1の主面102を基準とする端面1120の位置(突出高さH1)よりも高い。本実施形態では、外側凸部群12の「全部」を構成する複数の外側凸部122が「指定外側凸部」に該当するが、他の実施形態として外側凸部群12の「一部のみ」を構成する複数の外側凸部122が「指定外側凸部」に該当していてもよい。
複数の指定外側凸部122のそれぞれの端面1220の位置と、複数の内側凸部112のそれぞれの端面1120の位置と、の高さの差H2-H1は、例えば2μm~20μmの範囲に含まれている。環状凸部14の基体1の主面102を基準とする端面140の位置(突出高さH4)が、複数の指定外側凸部122のそれぞれの基体1の主面102を基準とする端面1220の位置(突出高さH2)よりも低いまたは当該端面1220の位置(突出高さH2)と同一である。本実施形態では、複数の指定外側凸部122のそれぞれの端面1220の少なくとも一部と、複数の内側凸部112のそれぞれの端面1120の少なくとも一部と、が基体1の主面102に対して平行である。
各指定外側凸部122の一部が残りの部分よりも弾性率が低い弾性素材により構成されている。具体的には、各指定外側凸部122は、基体1の主面102から突出している第1要素1221と、第1要素1221の端面に連続して設けられている弾性素材により構成されている第2要素1222と、を備えている。第1要素1221は、基体1と一体的に形成されていてもよく、基体1に対して取り付けられている別個の部材により構成されていてもよい。第1要素1221がSiC等のセラミックス焼結体により構成されている場合、第2要素1222が例えばシリコン樹脂、フッ素樹脂(PFA)もしくはポリイミド樹脂、金属製バネまたは窒化ケイ素製バネなど、当該セラミックス焼結体よりも弾性率が低い素材またはバネ定数が低い部材により構成されている。
第1要素1221の端面位置(突出高さH21)は、各内側凸部112の端面1120の位置(突出高さH1)より低く、各内側凸部112の端面1120の位置(突出高さH1)と同一であってもよい。第2要素1222の端面位置(突出高さH21+H22)、すなわち指定外側凸部122の端面1220の位置(突出高さH2)は、各内側凸部112の端面1120の位置(突出高さH1)よりも高い。
第2要素1222を構成する弾性素材の弾性率E[Pa]、弾性素材の基体1の主面102の垂線方向についての長さL[m](図2のH22参照)および弾性素材の基体1の主面102に平行な断面における断面積S[m2]の組み合わせが、関係式(1)および(2)により表わされる条件を満足する。
4[MPa]≦E ‥(1)。
1.0×10-7≦L/(E×S)≦5.0×10-6 ‥(2)。
通気経路20は、基体1の主面102における開口部202とは異なる開口部(主面102とは反対側の面における開口部)を通じて、通気経路20の気圧を調整する圧力調整装置または真空吸引装置(図示略)に接続されている。
なお、図1および図2では真空吸着部材が概略的に表されており、当該真空吸着部材の構成要素のアスペクト比、間隔、個数などは、原則的に実際の設計値とは異なっている。これは、すべての実施形態において同様である。
(機能)
本発明の第1実施形態としての真空吸着部材によれば、基体1の主面102の側において基板Wが真空吸着部材に載置されることにより、少なくとも一部の凸部10により基板Wが支持される(図3Aおよび図3B参照)。各指定外側凸部122の端面1220の位置が、各内側凸部112の端面1120の位置よりも高い(図2参照)。このため、基板Wが外側領域X2の少なくとも一部において反り上がっている場合でも、当該基板Wの外側領域X2の少なくとも一部が対応する指定外側凸部122により支持されうる(図3A参照)。一方、基板Wが外側領域X2の少なくとも一部において垂れ下がっている場合でも、当該基板Wの外側領域X2の少なくとも一部が対応する指定外側凸部122により支持されうる(図3B参照)。この際、指定外側凸部122の一部を構成する第2要素1222(弾性素材)が、当該指定外側凸部122の端面1220の位置を下げるように弾性変形することにより、基板Wの外側領域X2の少なくとも一部が指定外側凸部122から受ける抗力が緩和されうる。
この状態で、基体1の主面102および基板Wの裏面W2により挟まれた空間から通気経路20を介して空気が排出されることにより、当該空間に負圧領域が形成され、基板Wに対して基体1の主面102に向かう力が作用する(図3Aおよび図3B白矢印参照)。その結果、基板Wの内側領域X1が複数の内側凸部112により支持される一方、基板Wの外側領域X2が複数の指定外側凸部122により支持される。
基板Wの外側領域X2の少なくとも一部に反り上がりまたは垂れ下がりがあっても、指定外側凸部122の一部を構成する第2要素1222(弾性素材)が、当該指定外側凸部122の端面1220の位置を内側凸部112の端面1120の位置に一致させるように弾性変形することができる(図3A、図3B→図3C参照)。また、第2要素1222が第1要素1221よりも弾性率が低い弾性素材により構成されているため、指定外側凸部122の全部が当該弾性素材により構成されている場合よりも、弾性素材の弾性変形による指定外側凸部122の端面1220の位置の変化量が制限される。
よって、前記のような形状の基板Wであっても、基板Wの表面W1の全体的な平坦度の向上が図られるように当該基板Wが真空吸着保持されうる。そして、基板Wの表面W1において、内側領域X1のみならず外側領域X2においても、所望のパターンの回路形成のためのエッチング処理など、所定の処理が実施されうる。
(第2実施形態)
(構成)
図4に示されている本発明の第2実施形態としての真空吸着部材においては、各指定外側凸部122が、基体1とは別個に構成されている第1要素1221と、基体1に支持された状態で第1要素1221を端部で支持している弾性要素により構成されている第2要素122と、を備えている。第1要素1221の端面位置、すなわち指定外側凸部122の端面1220の位置は、各内側凸部112の端面1120の位置よりも高い。具体的には、真空吸着部材が、基体1の主面102から略柱状に窪んで設けられている凹部104を備えている。略柱状の第1要素1221が凹部104に部分的に変位可能に挿入されている。第2要素1222が凹部104の内部に収容されて凹部104の底部により支持された状態で第1要素1221を支持している。
指定外側凸部122の構成を除く他の構成は、第1実施形態の真空吸着部材と同様なので、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
(機能)
本発明の第2実施形態としての真空吸着部材によれば、基体1の主面102の側において基板Wが真空吸着部材に載置されることにより、少なくとも一部の凸部10により基板Wが支持される(図5Aおよび図5B参照)。各指定外側凸部122の端面1220の位置が、各内側凸部112の端面1120の位置よりも高い(図4参照)。このため、基板Wが外側領域X2の少なくとも一部において反り上がっている場合でも、当該基板Wの外側領域X2の少なくとも一部が対応する指定外側凸部122により支持されうる(図5A参照)。一方、基板Wが外側領域X2の少なくとも一部において垂れ下がっている場合でも、当該基板Wの外側領域X2の少なくとも一部が対応する指定外側凸部122により支持されうる(図5B参照)。この際、指定外側凸部122の一部を構成する第2要素1222(弾性素材)が、当該指定外側凸部122の端面1220の位置を下げるように弾性変形することにより、基板Wの外側領域X2の少なくとも一部が指定外側凸部122から受ける抗力が緩和されうる。
この状態で、基体1の主面102および基板Wの裏面W2により挟まれた空間から通気経路20を介して空気が排出されることにより、当該空間に負圧領域が形成され、基板Wに対して基体1の主面102に向かう力が作用する(図5Aおよび図5B白矢印参照)。その結果、基板Wの内側領域X1が複数の内側凸部112により支持される一方、基板Wの外側領域X2が複数の指定外側凸部122により支持される。
基板Wの外側領域X2の少なくとも一部に反り上がりまたは垂れ下がりがあっても、指定外側凸部122の一部を構成する第2要素1222(弾性素材)が、当該指定外側凸部122の端面1220の位置を内側凸部112の端面1120の位置に一致させるように弾性変形することができる(図5A、図5B→図5C参照)。また、第2要素1222が第1要素1221よりも弾性率が低い弾性素材またはバネ定数が低い部材により構成されているため、指定外側凸部122の全部が当該弾性素材により構成されている場合よりも、弾性素材の弾性変形による指定外側凸部122の端面1220の位置の変化量が制限される。
よって、前記のような形状の基板Wであっても、基板Wの表面W1の全体的な平坦度の向上が図られるように当該基板Wが真空吸着保持されうる。そして、基板Wの表面W1において、内側領域X1のみならず外側領域X2においても、所望のパターンの回路形成のためのエッチング処理など、所定の処理が実施されうる。
(第3実施形態)
(構成)
図6に示されている本発明の第3実施形態としての真空吸着部材においては、第2要素1222が基体1の主面102に固定され、第2要素1221の端面に第1要素1221が固定されている。指定外側凸部122の構成を除く他の構成は、第1実施形態の真空吸着部材と同様なので、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
(機能)
本発明の第3実施形態としての真空吸着部材によれば、本発明の第2実施形態としての真空吸着部材と同様に、前記のように外側領域X2において反り上がっているまたは垂れ下がっている基板Wであっても、基板Wの表面W1の全体的な平坦度の向上が図られるように当該基板Wが真空吸着保持されうる(図5A~図5C参照)。そして、基板Wの表面W1において、内側領域X1のみならず外側領域X2においても、所望のパターンの回路形成のためのエッチング処理など、所定の処理が実施されうる。
(実施例)
(実施例1)
第1実施形態にしたがって実施例1の真空吸着部材が作製された(図1参照)。外径φ300[mm]、厚み1.2[mm]の略円盤状の炭化珪素(SiC)セラミックス焼結体により基体1が作製された。
基体1の主面102のφ292[mm]の内側領域S1において、ピッチ3.5[mm]の三角格子の各格子点に配置された径φ1.0[mm]、突出高さH1=150[μm]の略円柱状の複数の突起が、複数の内側凸部112として形成された。
基体1の主面102の内径φ292[mm]、外径φ299[mm]の環状の外側領域S2においてピッチ3.5[mm]の三角格子の各格子点に配置された径φ1.0[mm]、突出高さH21=150[μm]の略円柱状の複数の突起が第1要素1221として形成された。当該突起の端面に固定された径φ1.0[mm]、高さH22=10[μm]の略円柱状の複数のシリコン樹脂製の突起が第2要素1222として形成された。すなわち、基体1の主面102の外側領域S2において、径φ1.0[mm]、突出高さH2=160[μm]の略円柱状の複数の外側凸部122がピッチ3.5[mm]の三角格子の各格子点に配置された。第2要素1222は、第1要素1221に対して成膜することにより固定されている。指定外側凸部122の密度(外側領域S2の面積に対する、複数の指定外側凸部122の端面の面積の合計の割合)が6.43%である。
弾性素材である硬度70(タイプAデュロメータ(JIS K6253)により硬度を意味する。以下同じ。)の弾性率E(ヤング率)は40.3[MPa]であり、関係式(1)で表わされる条件を満たしている。第2要素1222の長さL(高さH22)が1.0×10-5[m]であり、横断面積Sが7.85×10-7[m2]であるため、L/(E×S)=3.16×10-7であり、関係式(2)で表わされる条件を満たしている。
基体1の主面102において、外径φ299[mm]、幅0.5[mm]、突出高さH4=147[μm]の円環状の凸部が環状凸部14として形成された。基体1において主面102の中心にφ3.0[mm]の厚さ方向に貫通する1個の貫通孔が通気経路20として形成された。
(実施例2)
第2要素1222の長さL(高さH22)が2.0×10-5[m]であるほかは、実施例1と同様に実施例2の真空吸着部材が作製された。
(実施例3)
第2要素1222の長さL(高さH22)が3.0×10-5[m]であるほかは、実施例1と同様に実施例3の真空吸着部材が作製された。
(実施例4)
第2要素1222の長さL(高さH22)が4.0×10-5[m]であるほかは、実施例1と同様に実施例4の真空吸着部材が作製された。
(実施例5)
第2要素1222の長さL(高さH22)が5.0×10-5[m]であるほかは、実施例1と同様に実施例5の真空吸着部材が作製された。
(実施例6)
第1要素1221および第2要素1222のそれぞれの径φが1.2[mm]であり、指定外側凸部122の密度が9.26%であるほかは、実施例2と同様に実施例6の真空吸着部材が作製された。
(実施例7)
第1要素1221および第2要素1222のそれぞれの径φが1.4[mm]であり、指定外側凸部122の密度が12.6%であるほかは、実施例2と同様に実施例7の真空吸着部材が作製された。
(実施例8)
第1要素1221および第2要素1222のそれぞれの径φが1.6[mm]であり、指定外側凸部122の密度が16.5%であるほかは、実施例2と同様に実施例8の真空吸着部材が作製された。
(実施例9)
第1要素1221および第2要素1222のそれぞれの径φが1.8[mm]であり、指定外側凸部122の密度が20.8%であるほかは、実施例2と同様に実施例9の真空吸着部材が作製された。
(実施例10)
第2要素1222が、弾性率Eが5.4[MPa]である硬度30のシリコン樹脂により形成されたほかは、実施例2と同様に実施例10の真空吸着部材が作製された。
(実施例11)
第2要素1222が、弾性率Eが8.9[MPa]である硬度40のシリコン樹脂により形成されたほかは、実施例2と同様に実施例11の真空吸着部材が作製された。
(実施例12)
第2要素1222が、弾性率Eが14.2[MPa]である硬度50のシリコン樹脂により形成されたほかは、実施例2と同様に実施例12の真空吸着部材が作製された。
(実施例13)
第2要素1222が、弾性率Eが28.1[MPa]である硬度60のシリコン樹脂により形成されたほかは、実施例2と同様に実施例13の真空吸着部材が作製された。
(実施例14)
第1要素1221および第2要素1222のそれぞれの径φが2.0[mm]であり、指定外側凸部122の密度が25.7%であり、かつ、第2要素1222が、弾性率Eが4[MPa]である硬度20のシリコン樹脂により形成されたほかは、実施例2と同様に実施例14の真空吸着部材が作製された。
(実施例15)
第1要素1221および第2要素1222のそれぞれの径φが0.5[mm]であり、指定外側凸部122の密度が1.61%であり、かつ、第2要素1222が、弾性率Eが350[MPa]であるフッ素樹脂(FPA)により形成されたほかは、実施例5と同様に実施例15の真空吸着部材が作製された。
(実施例16)
第1要素1221および第2要素1222のそれぞれの径φが1.0[mm]であるほかは、実施例15と同様に実施例16の真空吸着部材が作製された。
(実施例17)
第1要素1221および第2要素1222のそれぞれの径φが0.5[mm]であり、第2要素1222が、弾性率Eが3000[MPa]であるポリイミド樹脂により形成された。第2要素1222の長さL(高さH22)が7.0×10-5[m]である。指定外側凸部122の密度が格子ピッチの調整により0.80%に設定された。これらのほかは、実施例1と同様に実施例17の真空吸着部材が作製された。
(比較例)
(比較例1)
第1要素1221および第2要素1222のそれぞれの径φが1.0[mm]であるほかは、実施例14と同様に比較例1の真空吸着部材が作製された。
(比較例2)
第1要素1221および第2要素1222のそれぞれの径φが1.0[mm]であり、第2要素1222の長さL(高さH22)が1.0×10-5[m]であるほかは、実施例15と同様に比較例2の真空吸着部材が作製された。
(比較例3)
第1要素1221および第2要素1222のそれぞれの径φが1.0[mm]であり、指定外側凸部122の密度が3.22%に設定され、かつ、第2要素1222の長さL(高さH22)が2.0×10-5[m]であるほかは、実施例17と同様に比較例3の真空吸着部材が作製された。
(評価)
実施例および比較例のそれぞれの真空吸着部材の基体1の主面102の側に径φ300mm、厚さt0.7mmの基板W(シリコンウエハ)が載置された。非接触式のレーザー干渉計(ZYGO社製 GPI Hs)を用いて測定された基板Wの表面W1の平坦度(ローカルフラットネス)20[mm]×20[mm]のPV値の最大値は0.5μmであった。その後、基板Wの裏面W2および基体1の主面102により挟まれた空間が通気経路20を通じて真空吸引装置により減圧された。これによって真空吸着部材に基板Wが保持された。この状態で、基板Wの表面W1において20[mm]×20[mm]のPV値が非接触式のレーザー干渉計を用いて測定された。
これらの測定結果が、指定外側凸部122の特徴的な設計項目とともに表1にまとめて示されている。
Figure 0007014590000001
表1から、各実施例の真空吸着部材によれば、各比較例の真空吸着部材よりも基板Wの表面W1の全体的な平坦度の向上が図られていることがわかる。
1‥基体、10‥凸部、11‥内側凸部群、12‥外側凸部群、14‥環状凸部、20‥通気経路、102‥基体の主面、104‥凹部、112‥内側凸部、122‥外側凸部(指定外側凸部)、202‥開口部、1120‥内側凸部の端面、1220‥外側凸部の端面、1221‥第1要素、1222‥第2要素、S1‥主面の内側領域、S2‥主面の外側領域、W‥基板(ウエハ)、W1‥基板表面、W2‥基板裏面、X1‥基板の内側領域、X2‥基板の外側領域。

Claims (5)

  1. 基体と、
    前記基体の主面から突出している複数の凸部と、
    前記基体の内部を通り、前記基体の主面に開口を有する真空吸引経路と、
    前記複数の凸部が、前記基体の主面において内側領域に配置されている内側凸部群と、
    前記基体の主面において前記内側領域を取り囲む環状の外側領域に配置されている外側凸部群と、により構成され、
    前記外側凸部群のうち少なくとも一部を構成する複数の指定外側凸部のそれぞれの前記基体の主面を基準とする端面位置が、前記内側凸部群を構成する複数の内側凸部のそれぞれの前記基体の主面を基準とする端面位置よりも高く、かつ、当該複数の指定外側凸部のそれぞれの一部が残りの部分よりも弾性率が低い弾性素材により構成されていることを特徴とし、
    前記複数の凸部のそれぞれを囲むように、前記基体の主面から突出する環状凸部をさらに備え、
    前記環状凸部の前記基体の主面を基準とする端面位置が、前記複数の指定外側凸部のそれぞれの前記基体の主面を基準とする端面位置よりも低いことを特徴とする真空吸着部材。
  2. 請求項1記載の真空吸着部材において、
    前記複数の指定外側凸部のそれぞれが、前記基体の主面から突出している第1要素と、
    前記第1要素の端面に連続して設けられている前記弾性素材により構成されている第2要素と、を備え、
    前記第2要素の前記基体の主面を基準とする端面位置が前記複数の内側凸部のそれぞれの前記基体の主面を基準とする端面位置よりも高いことを特徴とする真空吸着部材。
  3. 請求項1または2記載の真空吸着部材において、
    前記弾性素材の弾性率E[Pa]、前記弾性素材の前記基体の主面の垂線方向についての長さL[m]および前記弾性素材の前記基体の主面に平行な断面における断面積S[m2]が、4[MPa]≦Eおよび1.0×10-7≦L/(E×S)≦5.0×10-6により表わされる条件を満足することを特徴とする真空吸着部材。
  4. 請求項1記載の真空吸着部材において、
    前記複数の指定外側凸部のそれぞれが、前記基体とは別個に構成されている第1要素と、前記基体に支持された状態で前記第1要素を端部で支持している弾性要素により構成されている第2要素と、を備え、
    前記第1要素の端面位置が前記複数の内側凸部のそれぞれの端面位置よりも高いことを特徴とする真空吸着部材。
  5. 請求項4記載の真空吸着部材において、
    前記基体の主面から窪んで設けられている凹部をさらに備え、
    前記第1要素が前記凹部に部分的に変位可能に挿入され、前記第2要素が前記凹部の内部に収容されて前記凹部の底部により支持された状態で前記第1要素を支持していることを特徴とする真空吸着部材。
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