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JP7017347B2 - セルロース分解菌用培地 - Google Patents
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Description

本発明は、セルロース分解菌用培地に関する。
セルラーゼは、セルロースを加水分解する酵素である。セルラーゼを有する菌類は、この酵素を利用して、セルロースをグルコースや、グルコースが複数分子結合した構造を有するオリゴ糖にまで分解し、これら分解物を栄養源として利用する。このような菌類を、本明細書においては、「セルロース分解菌」と称する。
一方、セルラーゼを用いてセルロースをグルコース等の最終産物へ分解する際の問題点としては、その分解速度が遅いことが挙げられる。すなわち、セルラーゼを用いたセルロースの分解は、現状、非常に非効率となっている。これは、セルロース分解菌においても同様である。
例えば、セルロース分解菌の1種としてキノコが挙げられる。従来、キノコの栽培培地としては、セルロース源としておがくずやふすま等を含有する培地が利用されている。しかし、このような培地を用いてキノコを栽培する場合には、セルラーゼによるセルロースの分解速度が遅いために、キノコの栽培期間の短縮には限界があり、短期間でキノコを収穫できないという問題点があった。
そこで、セルラーゼを用いてセルロースを最終産物へ分解するときの分解速度を向上させる方法の開発が望まれている。このような方法としては、天然型セルロースであるセルロースI型をアンモニア処理することにより、セルロースI型よりも結晶密度が低い低密度結晶性セルロースを得た後、セルラーゼを用いて、この低密度結晶性セルロースをグルコースへ分解する方法が開示されている(特許文献1参照)。
特開2008-161125号公報
しかし、特許文献1で開示されている方法は、アンモニア処理という特殊な操作が必要であるという問題点があった。また、セルロース分解菌が低密度結晶性セルロースを効率的に分解できるか否かも定かではない。
そこで、セルロース分解菌において、セルロースの最終産物への分解速度を向上させることができる、汎用性が高い手段の開発が望まれていた。例えば、新規の培地を用いて、セルロース分解菌を生育させるだけで、このような目的を達成できれば、非常に有用である。
そこで、本発明は、セルロース分解菌における、セルロースの最終産物への分解速度を向上させることができる、新規のセルロース分解菌用培地を提供することを課題とする。
本発明は、セルロースナノファイバーを含有する、セルロース分解菌用培地を提供する。
本発明のセルロース分解菌用培地においては、前記セルロース分解菌がキノコであることが好ましい。
本発明によれば、セルロース分解菌における、セルロースの最終産物への分解速度を向上させることができる、新規のセルロース分解菌用培地が提供される。
<<セルロース分解菌用培地>>
本発明のセルロース分解菌用培地(本明細書においては、単に「培地」と称することがある)は、セルロースナノファイバー(本明細書においては、「CNF」と称することがある)を含有する。
本発明の培地がCNFを含有していることにより、本発明の培地をセルロース分解菌の生育に用いた場合、セルロース分解菌は、セルロースとしてこのCNFを加水分解し、最終産物として、グルコースや、グルコースが複数分子結合した構造を有するオリゴ糖を生成する。このときのCNFの分解速度は、CNFに該当しないセルロース(本明細書においては、「非CNFセルロース」と称することがある)を同様の条件で分解するときの分解速度よりも、顕著に速い。したがって、本発明の培地を用いてセルロース分解菌を生育させることにより、短期間でセルロース分解菌を大量に生育させることができる。さらにこの場合、本発明の培地を用いて、セルロース分解菌を生育させるだけでよく、本発明の培地を用いる点以外は、従来法と同様の方法でセルロース分解菌を生育させることが可能であり、特殊な操作が不要である。したがって、本発明の培地は汎用性が高い。
このように、本発明の培地は、セルロース分解菌の生育促進作用を有する。
本発明の培地を用いることにより、セルロース分解菌におけるセルロースの分解速度が向上する理由は、定かではないが、CNFの結晶化度が低く、さらに、CNFのセルラーゼと接触可能な表面積が大きく、セルロース(CNF)の分解反応が促進され易いからではないかと推測される。
セルロース分解菌のセルロースの分解速度は、セルロース分解菌の生育量を1つの目安とすることができる。例えば、セルロース分解菌のセルロースの分解速度を比較する場合には、同じ生育時間でのセルロース分解菌の生育量を比較することで、分解速度の優劣を判断できる。
<セルロース分解菌>
本発明の培地の使用対象となるセルロース分解菌は、セルロースの加水分解酵素であるセルラーゼを有する菌類であり、セルラーゼを用いることによって、セルロースを最終産物であるグルコース又はオリゴ糖にまで分解する。セルロース分解菌は、通常、この最終産物を栄養源として利用する。
セルロース分解菌は、セルラーゼによってセルロース(CNF)を加水分解して、単糖又はオリゴ糖を生成するという点において、共通の性質を有する。
セルロース分解菌としては、例えば、細菌、真菌等に分類される菌類が挙げられる。細菌は微生物であるが、真菌には微生物以外に、子実体を形成するキノコも含まれる。すなわち、本発明の培地は、微生物の培養(生育)以外に、キノコの栽培(生育)にも利用できる。
セルロース分解菌のうち、細菌で好ましいものとしては、例えば、バチルス(Bacillus)属に属する微生物等が挙げられる。
セルロース分解菌のうち、真菌で好ましいものとしては、例えば、トリコデルマ・リーセイ(Trichoderma reesei)等のトリコデルマ(Trichoderma)属に属する微生物;クロストリジウム・サーモセラム(Clostridium thermocellum)等のクロストリジウム(Clostridium)属に属する微生物;マイタケ、ヒラタケ、エノキ、シイタケ等のキノコ等が挙げられる。
キノコは、それ自体の利用価値が高く、栽培期間の短縮によって短期間で収穫できることは重要である。すなわち、セルロース分解菌のうちキノコは、特に好ましいものの一例として挙げられる。
<セルロースナノファイバー(CNF)>
本発明の培地が含有するCNFは、特に限定されず、公知のものでよい。
CNFとして、より具体的には、例えば、セルロース若しくはその誘導体で、繊維幅が3~200nmのミクロフィブリル又はミクロフィブリル集合体となっているものが挙げられる。
CNFとしては、例えば、解繊セルロースナノファイバー(解繊CNF)、TEMPO酸化セルロースナノファイバー(TEMPO酸化CNF)等が挙げられる。
解繊CNFは、水等の分散媒中で、セルロースナノファイバー前駆体(CNF前駆体)に対して解繊処理を行うことにより、セルロースナノファイバー分散液(CNF分散液)を得る工程を有する製造方法で製造されたCNFである。
TEMPO酸化CNFは、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ,ラジカル(TEMPO)触媒によるセルロースの化学変性法で得られたCNFである。
前記CNF前駆体は、解繊処理が施されていないセルロース類であり、例えば、ミクロフィブリルの集合体で構成される。
CNF前駆体としては、例えば、酸化セルロース、すなわちセルロースの酸化処理により、セルロース分子中のグルコピラノース環の少なくとも一部にカルボキシ基が導入されたもの、を用いてもよい。
CNF前駆体を得るためのセルロース源(セルロースを含む原料)は、セルロースを含むものであれば特に限定されず、セルロース自体であってもよい。
セルロース源としては、例えば、セルロースIの結晶構造を有する天然由来のセルロースを含むものが挙げられ、より具体的には、例えば、各種木材パルプ、非木材パルプ、バクテリアセルロース、古紙パルプ、コットン、バロニアセルロース、ホヤセルロース等が挙げられる。
セルロース粉末、微結晶セルロース粉末等の各種市販品も、セルロース源として使用できる。
CNF前駆体の解繊処理の方法は、特に限定されない。具体的な解繊処理の方法としては、例えば、超音波ホモジナイザー、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、対向衝突型ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、ボールミル、遊星ミル、高速回転ミキサー、磨砕用グラインダー等を用いた、機械的解繊処理法が挙げられる(本明細書においては、特に機械的解繊処理法を行うことにより得られたCNFを「機械解繊CNF」と称する)。
CNF前駆体の解繊処理により得られた処理物が、CNFであることは、例えば、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、前記処理物の繊維を観察することにより確認できる。
前記培地が含有するCNFは、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記培地のCNFの含有量は、セルロース分解菌の生育が良好となるように適宜調節すればよく、特に限定されない。
なかでも、前記培地のCNFの含有量は、0.01~2質量%であることが好ましく、0.1~1.8質量%であることがより好ましく、0.2~1.6質量%であることがさらに好ましく、0.3~1.4質量%であることが特に好ましい。CNFの前記含有量が前記下限値以上であることで、セルロース分解菌における、CNFの分解速度が、より向上する。また、CNFの前記含有量が前記上限値以下であることで、CNFの過剰使用がより抑制される。
<他の成分>
前記培地は、CNF以外に、セルロース分解菌の生育に必要な他の成分を含有する。
前記他の成分は特に限定されず、セルロース分解菌の種類やCNFの種類等に応じて、適宜選択できる。
前記他の成分は、例えば、有機成分及び無機成分のいずれであってもよい。
前記培地が含有する前記他の成分は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記培地は、前記他の成分で構成された公知の培地に、CNFが添加されたものであってもよい。
CNFの添加対象である公知の培地としては、例えば、トリプチックソイブロス(Tryptic Soy Broth)、ポテトデキストロース寒天培地(Poteto Dextrose Ager)等が挙げられ、さらに、これら公知の培地に、別途、公知の培地の構成成分が添加されたものも挙げられる。
前記培地は、液状及び固形状のいずれであってもよい。
前記培地が液状である場合、CNFは培地中で偏在していてもよいが、均一に分散していることが好ましい。
前記培地が固形状である場合、CNFは培地中に偏在していてもよいし、均一に分散していてもよいが、偏在している場合には、培地の植菌(菌の接種)を行う面とその近傍領域に偏在していることが好ましい。
<<セルロース分解菌用培地の製造方法>>
前記培地は、CNFと、前記他の成分と、を配合することで製造でき、例えば、公知の培地にCNFを添加することでも製造できる。
CNFは、例えば、取り出し若しくは精製によって、純品となっている状態で配合又は添加してもよいし、CNFの製造時に、CNF以外の成分との混合物の状態となっているものを、そのまま配合又は添加してもよい。CNFとCNF以外の成分との前記混合物としては、例えば、CNF前駆体に対して解繊処理を行って得られたCNF分散液(解繊CNFの分散液)等が挙げられる。
<<セルロース分解菌の生育方法>>
前記培地は、セルロース分解菌の生育(培養、栽培)に使用できる。
前記培地を用いたセルロース分解菌の生育は、前記培地を用いる点以外は、公知の方法と同じ方法で行うことができる。すなわち、前記培地の使用方法は、公知の培地の使用方法と同じであってもよい。
例えば、前記培地の使用時には、滅菌後の前記培地に、必要に応じて前培養を行ったセルロース分解菌を接種し、この接種後のセルロース分解菌を前記培地中又は前記培地上で生育させればよい。
前記培地が液状である場合には、セルロース分解菌の生育時には、前記培地を静置してもよいし、振とう(例えば、振とう培養)してもよい。
前記培地が固形状である場合には、セルロース分解菌の生育時には、前記培地を静置しておけばよい。
セルロース分解菌の生育時の温度は、セルロース分解菌の種類に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。
通常、セルロース分解菌の生育時の温度は、18~60℃であることが好ましく、20~45℃であることがより好ましい。
セルロース分解菌の生育時間は、セルロース分解菌の種類や、上述の温度等に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。
通常、セルロース分解菌の生育時間は、12時間以上であることが好ましく、1日以上であることがより好ましい。また、セルロース分解菌の生育時間は、例えば、10日以下とすることができるが、上限値はこれに限定されない。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
[実施例1]
<セルロース分解菌用培地の製造>
トリプチックソイブロス(Tryptic Soy Broth)に蒸留水を加え、濃度を通常の1/10としたものを基礎培地として用いた。このように、希釈したトリプチックソイブロスを用いた理由は、栄養源の含有量を少なくして、セルロース分解菌の培養時における、セルロースの影響を判り易くするためである。
前記基礎培地を121℃で15分加熱処理(オートクレーブ)し、この加熱処理後の基礎培地に、機械解繊CNFの水分散液を添加した。このときの水分散液の添加量は、最終的に得られたセルロース分解菌用培地の機械解繊CNFの含有量が1質量%となるように調節した。また、機械解繊CNFの水分散液としては、スギノマシン社製「WMa-1002」を用いた。
以上により、機械解繊CNFの含有量が1質量%である、液状のセルロース分解菌用培地を得た。
<セルロース分解菌の培養>
(試験菌液の作製)
細菌として、バチルス・エスピー(Bacillus sp.) NBRC101222株を用い、この細菌をトリプチックソイ寒天培地(Tryptic Soy Ager)で前培養した。
次いで、この前培養後の細菌を生理食塩水に加え、この生理食塩水中の胞子数が1.0×10個/mLである懸濁液を作製して、試験菌液(1)とした。
(セルロース分解菌の培養)
上記で得られたセルロース分解菌用培地に、試験菌液(1)を接種し、35℃で24時間振とう培養した。このときの試験菌液(1)の接種量は、セルロース分解菌用培地100mLあたり0.1mLとした。
<生菌数の測定(評価)>
培養終了後、セルロース分解菌用培地中の前記細菌の生菌数を測定した。より具体的には、培養終了後のセルロース分解菌用培地を、滅菌済み生理食塩水で希釈し、この希釈液をトリプチックソイ寒天培地で、35℃で48時間培養した。そして、この培養後に発育した集落の数を測定して、この測定値を前記生菌数とした。
ここまでの、細菌の培養と、生菌数の測定と、を3回行い、3つの測定値の平均値を生菌数として採用した。結果を表1に示す。
<セルロース分解菌用培地の製造、セルロース分解菌の培養、生菌数の測定>
[実施例2]
上述の機械解繊CNFの水分散液に代えて、TEMPO酸化CNFの水分散液を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、TEMPO酸化CNFの含有量が1質量%である、液状のセルロース分解菌用培地を製造し、細菌を培養して、細菌の生菌数を測定した。TEMPO酸化CNFの水分散液としては、第一工業製薬社製「レオクリスタ」を用いた。結果を表1に示す。
[比較例1]
上述の機械解繊CNFの水分散液に代えて、CNFに該当しないセルロース(非CNFセルロース)(和光純薬工業社製「セルロース」)を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、非CNFセルロースの含有量が1質量%である、比較用の液状のセルロース分解菌用培地を製造し、細菌を培養して、細菌の生菌数を測定した。結果を表1に示す。
[実施例3]
<セルロース分解菌用培地の製造>
ポテトデキストロース寒天培地(Poteto Dextrose Ager)に蒸留水を加え、濃度を通常の1/10としたものに、さらに寒天を添加したものを基礎培地として用いた。このときの寒天の添加量は、培地中の寒天の合計濃度が1.5質量%となるように調節した。なお、上記のように、希釈したポテトデキストロース寒天培地を用いた理由は、栄養源の含有量を少なくして、セルロース分解菌の培養時における、セルロースの影響を判り易くするためである。
前記基礎培地を121℃で15分加熱処理(オートクレーブ)し、この加熱処理後の基礎培地に、機械解繊CNFの水分散液を添加した。このときの水分散液の添加量は、最終的に得られたセルロース分解菌用培地の機械解繊CNFの含有量が1質量%となるように調節した。また、機械解繊CNFの水分散液としては、実施例1で用いたものと同じものを用いた。
以上により、機械解繊CNFの含有量が1質量%である、固形状のセルロース分解菌用培地を得た。
<セルロース分解菌の培養>
(試験菌液の作製)
真菌として、トリコデルマ・リーセイ(Trichoderma reesei) NBRC31326株を用い、この真菌をポテトデキストロース寒天培地(Poteto Dextrose Ager)で前培養した。
次いで、この前培養後の真菌を生理食塩水に加え、この生理食塩水中の真菌数が2.0×10cfu/mLである懸濁液を作製して、試験菌液(2)とした。
得られた試験菌液(2)を、直径10mmのペーパーディスクに浸み込ませた。次いで、このペーパーディスクを、上記で得られたセルロース分解菌用培地の表面のうち、中央の領域に載置することで、試験菌液(2)を接種した。次いで、25℃で7日間静置培養した。
<セルロース分解菌の増殖度合いの評価>
培養終了後、セルロース分解菌用培地上における、真菌の発育集落の大きさと、菌糸又は胞子の増殖度合いと、を確認し、真菌の増殖度合いを評価した。この真菌の増殖度合いは、後述する比較例2での真菌の増殖度合いを基準として、下記基準に従って評価した。(評価基準)
A:真菌の増殖度合いが比較例2よりも顕著に高い。
B:真菌の増殖度合いが、Aよりも劣るが、比較例2よりも高い。
C:真菌の増殖度合いが比較例2と同等以下である。
ここまでの、真菌の培養と、真菌の増殖度合いの評価と、を3回行い、3つの評価結果を平均化して、その平均化した結果を最終的な評価結果として採用した。結果を表1に示す。
[実施例4]
<セルロース分解菌用培地の製造、セルロース分解菌の培養、セルロース分解菌の増殖度合いの評価>
上述の機械解繊CNFの水分散液に代えて、TEMPO酸化CNFの水分散液を用いた点以外は、実施例3の場合と同じ方法で、TEMPO酸化CNFの含有量が1質量%である、固形状のセルロース分解菌用培地を製造し、真菌を培養して、真菌の増殖度合いを評価した。TEMPO酸化CNFの水分散液としては、実施例2で用いたものと同じものを用いた。結果を表1に示す。
[比較例2]
上述の機械解繊CNFの水分散液に代えて、CNFに該当しないセルロース(非CNFセルロース)を用いた点以外は、実施例3の場合と同じ方法で、非CNFセルロースの含有量が1質量%である、比較用の固形状のセルロース分解菌用培地を製造し、真菌を培養して、真菌の増殖度合いを評価した。非CNFセルロースとしては、比較例1で用いたものと同じものを用いた。結果を表1に示す。
Figure 0007017347000001
上記結果から明らかなように、実施例1~2及び比較例1において、互いに異なるのは、セルロース分解菌用培地の製造に用いた上述の添加材料のみであるが、実施例1~2は、比較例1よりも生菌数が顕著に多かった。より具体的には、実施例1での生菌数は比較例1での生菌数の約286倍であり、実施例2での生菌数は比較例1での生菌数の約229倍であった。すなわち、実施例1~2では、比較例1よりも細菌の培養速度が顕著に速くなっていた。これは、セルロース分解菌用培地の含有成分として、CNFを用いることによって、非CNFセルロースを用いた場合よりも、細菌におけるセルロースの分解速度が顕著に向上したことを示していた。
また、実施例3~4及び比較例2においても、互いに異なるのは、セルロース分解菌用培地の製造に用いた上述の添加材料のみであるが、実施例3~4は、比較例2よりも真菌の増殖度合いが明らかに高かった。特に実施例4は、真菌の増殖度合いが際立って高かった。これは、セルロース分解菌用培地の含有成分として、CNFを用いることによって、非CNFセルロースを用いた場合よりも、真菌におけるセルロースの分解速度が向上したことを示していた。
このように、セルロース分解菌用培地の種類と、セルロース分解菌の種類と、が異なっても、培地の含有成分としてCNFを用いることによって、セルロース分解菌におけるセルロースの分解速度の向上が可能であることを確認できた。しかも、この場合には、セルロースの分解速度の向上を実現するために、前記セルロース分解菌用培地を用いてセルロース分解菌を培養するだけでよく、特殊な操作が不要であって、汎用性が高いという利点を有している。
本発明は、セルロース分解菌の生育に利用可能である。

Claims (1)

  1. TEMPO酸化セルロースナノファイバーを含有するセルロース分解菌用培地であって、
    前記セルロース分解菌用培地が、固形状であり、トリコデルマ(Trichoderma)属に属する微生物の培養用である、セルロース分解菌用培地。
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