JP7020007B2 - シリカチタニア複合エアロゲル粒子、シリカチタニア複合エアロゲル粒子の製造方法、光触媒形成用組成物、光触媒、及び構造体 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、シリカゲルを粉砕して微粒子とし、これにバインダーを添加して球状、板状、錠剤状その他任意の形状を呈するシリカゲル体の粒子の多孔質表面に酸化チタンをコーティングしたことを特徴とする多孔質光触媒が開示されている。
ケイ素SiとチタンTiとの元素比Si/Tiが0を超えて6以下である母粒子を有し、前記母粒子の表面に炭化水素基を有する金属原子が酸素原子を介して結合しており、BET比表面積が200m2/g以上1200m2/g以下であり、可視吸収スペクトルにおいて波長450nm及び750nmに吸収を持ち、シリカチタニア複合エアロゲル粒子表面における炭素CとチタンTiとの元素比C/Tiが2以上5以下であり、シリカチタニア複合エアロゲル粒子に対して波長352nm、照射強度1.3mW/cm2の紫外線を20時間照射した場合の、シリカチタニア複合エアロゲル粒子表面におけるC/Tiの減少量が0.01以上0.6以下であるシリカチタニア複合エアロゲル粒子である。
可視吸収スペクトルにおいて波長400nm以上800nm以下の全範囲に吸収を持つ<1>に記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子である。
前記シリカチタニア複合エアロゲル粒子の体積平均粒径が、0.1μm以上3μm以下である<1>又は<2>に記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子である。
前記シリカチタニア複合エアロゲル粒子の体積平均粒径が、0.3μm以上2.8μm以下である<3>に記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子である。
前記金属原子が、ケイ素原子である<1>乃至<4>のいずれか1つに記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子である。
前記炭化水素基が、炭素数1以上20以下の飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基である<1>乃至<5>のいずれか1つに記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子である。
前記炭化水素基が、炭素数1以上20以下の飽和脂肪族炭化水素基である<6>に記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子である。
前記飽和脂肪族炭化水素基の炭素数が、4以上10以下である<7>に記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子である。
シリカチタニア複合体を含む多孔質粒子をゾルゲル法により造粒し、前記多孔質粒子及び溶媒を含有する分散液を調製する工程と、超臨界二酸化炭素を用いて前記分散液から前記溶媒を除去する工程と、を含む、<1>乃至<8>のいずれか1つに記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子の製造方法である。
前記溶媒を除去した後の前記多孔質粒子を、超臨界二酸化炭素中で、金属原子及び炭化水素基を有する金属化合物により表面処理する工程を更に含む、<9>に記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子の製造方法である。
<1>乃至<8>のいずれか1つに記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子と、
分散媒及びバインダーよりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物と、
を含む光触媒形成用組成物である。
<1>乃至<8>のいずれか1つに記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子を含む、又は、からなる光触媒である。
<1>乃至<8>のいずれか1つに記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子を有する構造体である。
<2>によれば、可視吸収スペクトルにおいて波長400nm以上800nm以下の一部しか吸収を持たないシリカチタニア複合エアロゲル粒子に比べて、可視光領域においてもより高い光触媒機能を発現するシリカチタニア複合エアロゲル粒子が提供される。
<3>によれば、体積平均粒径が0.1μm未満又は3μm超である場合に比べて、可視光領域においてより高い光触媒機能を発現するシリカチタニア複合エアロゲル粒子が提供される。
<4>によれば、体積平均粒径が0.3μm未満又は2.8μm超である場合に比べて、可視光領域においてより高い光触媒機能を発現するシリカチタニア複合エアロゲル粒子が提供される。
<5>、<6>、<7>又は<8>によれば、前記母粒子の表面に炭化水素基を有する金属原子が酸素原子を介して結合していない場合に比べて、可視光領域においてより高い光触媒機能を発現し、分散性により優れるシリカチタニア複合エアロゲル粒子が提供される。
<10>によれば、金属原子及び炭化水素基を有する金属化合物により表面処理する工程を超臨界二酸化炭素中で行わない場合に比べて、可視光領域においても高い光触媒機能を発現するシリカチタニア複合エアロゲル粒子の製造方法が提供される。
本実施形態に係るシリカチタニア複合エアロゲル粒子は、ケイ素SiとチタンTiとの元素比Si/Tiが0を超えて6以下である母粒子を有し、前記母粒子の表面に炭化水素基を有する金属原子が酸素原子を介して結合しており、BET比表面積が200m2/g以上1200m2/g以下であり、可視吸収スペクトルにおいて波長450nm及び750nmに吸収を持ち、シリカチタニア複合エアロゲル粒子表面における炭素CとチタンTiとの元素比C/Tiが2以上5以下であり、シリカチタニア複合エアロゲル粒子に対して波長352nm、照射強度1.3mW/cm2の紫外線を20時間照射した場合の、シリカチタニア複合エアロゲル粒子表面におけるC/Tiの減少量が0.01以上0.6以下である。
シリカチタニア複合エアロゲル粒子表面におけるC/Tiが2以上5以下であることにより、シリカチタニア複合エアロゲル粒子表面における炭化水素基等の炭素量が適度であり、波長450nm及び750nmに十分な吸収を有し、可視光領域において高い光触媒機能を発現する。また、適度なシリカチタニア複合エアロゲル粒子表面における炭化水素基等の炭素量により粒子凝集性が少なくバインダーへの分散性が向上する。
前記C/Tiが2未満であると、シリカチタニア複合エアロゲル粒子表面における炭素量が少ないため、波長450nm及び750nmに十分な吸収が得られず、可視光領域における光触媒機能が劣り、また粒子凝集性やバインダーへの分散性が劣る。また、前記C/Ti元素比が5を超えると、シリカチタニア複合エアロゲル粒子表面における炭化水素基の量が多いため、シリカチタニア複合エアロゲル粒子表面におけるチタニア等の光触媒活性部分の露出量が減少し、可視光領域における光触媒機能が劣る。
シリカチタニア複合エアロゲル粒子に対して波長352nm、照射強度1.3mW/cm2の紫外線を20時間照射した場合の、前記紫外線照射の前後での前記シリカチタニア複合エアロゲル粒子表面におけるC/Tiの減少量が0.01以上0.6以下であることにより、シリカチタニア複合エアロゲル粒子表面における炭化水素基や炭化水素基が酸化したもの等の炭素量や、炭化水素基が炭化した炭素量(カーボン)が適度であり、波長450nm及び750nmに十分な吸収を有し、可視光領域において高い光触媒機能を発現する。またシリカチタニア複合エアロゲル粒子表面の炭化水素基等がシリカチタニア複合エアロゲル粒子の光触媒活性により適度に分解することによりバインダーや基材の劣化を抑制して、光触媒機能維持性に優れるものとなると考えられる。
前記C/Tiの減少量が0.6を超えると、シリカチタニア複合エアロゲル粒子表面における炭化水素基等の炭素や炭化水素基が酸化したもの、炭化水素基が炭化した炭素(カーボン)が光触媒活性により分解されシリカチタニア複合エアロゲル粒子から離脱し易いため、可視光領域における光触媒機能が劣化し易い。また、前記C/Tiの減少量が0.01未満であると、シリカチタニア複合エアロゲル粒子表面における炭素量が少ないため、波長450nm及び750nmに十分な吸収が得られず、可視光領域における光触媒機能が劣る。また、シリカチタニア複合エアロゲル粒子表面の炭化水素基等の分解が少ないため、バインダーや基材の劣化を抑制する機能が低下する。
一方、取り込まれた炭素は、紫外光と共に可視光の光吸収を有し、電荷分離物質及び助触媒として機能すると考えられる。
しかし、本実施形態に係るシリカチタニア複合エアロゲル粒子は、前記母粒子の表面に酸素原子を介して結合する金属原子が炭化水素基を有しているため、塗膜中における一次粒子の分散性も確保されている。このため、均一に近い塗膜が形成でき、効率良くシリカチタニア複合エアロゲル粒子に光が当たり、光触媒機能が発揮され易くなる。また、フィルム等の透明性、塗布液の塗膜の均一性も高まりデザイン性も保たれる。その結果、例えば、外壁材、板、パイプ、不織布(セラミック等の不織布)の表面に、シリカチタニア複合エアロゲル粒子を含む塗料を塗着するとき、シリカチタニア複合エアロゲル粒子の凝集、塗布欠陥が抑制され、長期にわたり、光触媒機能が発揮され易くなる。
上記の観点から、母粒子における元素比Si/Tiの値は、0.05以上4以下がより好ましく、0.1以上3以下が更に好ましい。
上記の観点から、シリカチタニア複合エアロゲル粒子のBET比表面積は、300m2/g以上1100m2/g以下がより好ましく、400m2/g以上1000m2/g以下が更に好ましい。
また、本実施形態に係るシリカチタニア複合エアロゲル粒子は、可視光領域において光触媒機能をより発現する観点から、ケイ素とチタンとの複合酸化物を含む一次粒子が多孔構造を形成しつつ凝集した凝集粒子であることが好ましい。
紫外可視吸収スペクトルの測定は、次に示す方法により測定される。
まず、測定対象となるシリカチタニア複合エアロゲル粒子をテトラヒドロフランに分散させた後、ガラス基板上に塗布し、大気中、24℃で乾燥させる。測定は、拡散反射配置で測定し、Kubelka-Munk変換により理論的に吸光度を求めた。拡散反射スペクトルは、分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ製:U-4100)[測定条件;スキャンスピード:600nm、スリット幅:2nm、サンプリング間隔:1nm、全反射率測定モードで測定]により、波長200nm以上900nm以下の範囲を反射率で測定し、Kubelka-Munk変換をし可視吸収スペクトルを得る。
具体的には、例えば、可視光領域においても高い光触媒機能を発現させる観点から、シリカチタニア複合エアロゲル粒子は、表面における元素比C/Tiが、2.3以上4.8以下であることが好ましく、2.5以上4.0以下であることがより好ましく、2.7以上3.3以下であることが特に好ましい。
また、紫外線照射の前後での粒子表面における前記C/Tiの変化量が、0.05以上0.5以下であることが好ましく、0.1以上0.4以下であることがより好ましく、0.2以上0.4以下であることが特に好ましい。
シリカチタニア複合エアロゲル粒子表面に対する紫外線の照射は、波長352nm、照射強度1.3mW/cm2の紫外線を照射するものとする。紫外線の照射開始時のシリカチタニア複合エアロゲル粒子の温度は15℃以上30℃以下で行うものとし、照射時間は20時間で行うものとする。
前記紫外線の照射後、前記方法により、C/Tiを測定し、前記紫外線の照射前後におけるC/Tiの減少量を算出する。
上記の観点から、シリカチタニア複合エアロゲル粒子の体積平均粒径は、0.3μm以上2.8μm以下がより好ましく、0.4μm以上2.5μm以下が更に好ましい。
上記の観点から、シリカチタニア複合エアロゲル粒子の体積粒度分布は、1.5以上10以下が好ましく、1.7以上5以下がより好ましく、2以上4以下が更に好ましい。
上記の観点から、前記一次粒子の平均径は、1nm以上90nm以下が好ましく、5nm以上80nm以下がより好ましく、10nm以上70nm以下が更に好ましい。
図1に、本実施形態に係るシリカチタニア複合エアロゲル粒子の一例の構造を模式的に示す(ただし、母粒子上に存在する層を省略している。)。図1に示すシリカチタニア複合エアロゲル粒子は、一次粒子が多孔構造を形成しつつ凝集して凝集粒子(母粒子)となっている。
母粒子におけるケイ素とチタンとの元素比Si/Tiの値は、可視光領域において光触媒機能を発現する観点から、0を超えて6以下であり、0.05以上4以下がより好ましく、0.1以上3以下が更に好ましい。
母粒子のBET比表面積は、高い光触媒機能を発現する観点から、200m2/g以上1200m2/g以下が好ましく、300m2/g以上1100m2/g以下がより好ましく、400m2/g以上1000m2/g以下が更に好ましい。
母粒子の体積平均粒子径は、高い光触媒機能を発現する観点から、0.1μm以上3μm以下が好ましく、0.3μm以上2.8μm以下がより好ましく、0.4μm以上2.5μm以下が更に好ましい。
前記母粒子におけるシリカ及びチタニアの総含有量は、前記母粒子の全質量に対し、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが更に好ましい。
前記母粒子は、アルコキシシランとチタンアルコキシドとの加水分解縮合物からなることが好ましい。ただし、アルコキシシラン又はチタンアルコキシドのアルコキシ基の一部が未反応のまま母粒子に残留していてもよい。
前記金属原子は、前記母粒子表面に、金属原子及び炭化水素基を有する金属化合物を反応させて形成されることが好ましい。本開示において、金属原子及び炭化水素基を有する金属化合物を「有機金属化合物」ともいう。
前記有機金属化合物は、可視光応答性をより発現しやすい観点から、金属原子、炭素原子、水素原子及び酸素原子のみからなる金属化合物であることが好ましい。
前記化学結合状態は、XPSの高分解能分析(ナロースキャン分析)を行うことにより知ることができる。
前記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよいが、分散性の観点から、直鎖状又は分岐鎖状が好ましい。
前記脂肪族炭化水素基の炭素数は、1以上20以下が好ましく、1以上18以下がより好ましく、4以上12以下が更に好ましく、4以上10以下が特に好ましい。
前記脂肪族炭化水素基に置換し得る置換基としては、ハロゲン原子、エポキシ基、グリシジル基、グリシドキシ基、メルカプト基、メタクリロイル基、アクリロイル基等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基に置換し得る置換基としては、ハロゲン原子、エポキシ基、グリシジル基、グリシドキシ基、メルカプト基、メタクリロイル基、アクリロイル基等が挙げられる。
本実施形態に係るシリカチタニア複合エアロゲル粒子の製造方法は、特に制限はない。例えば、ゾルゲル法によりシリカチタニア複合体を含む多孔質粒子を得て、これを本実施形態に係るシリカチタニア複合エアロゲル粒子としてよい。この場合、ゾルゲル法により造粒した多孔質粒子を加熱処理して、加熱処理後の多孔質粒子を、本実施形態に係るシリカチタニア複合エアロゲル粒子とすることが好ましい。
本実施形態に係るシリカチタニア複合エアロゲル粒子の製造方法は、少なくとも下記の(1)、(2)及び(3)を含むことが好ましく、更に(4)を含むことがより好ましい。
(1)シリカチタニア複合体を含む多孔質粒子をゾルゲル法により造粒し、前記多孔質粒子及び溶媒を含有する分散液を調製する工程(分散液調製工程)。
(2)超臨界二酸化炭素を用いて前記分散液から前記溶媒を除去する工程(溶媒除去工程)。
(3)前記溶媒を除去した後の前記多孔質粒子を、金属原子及び炭化水素基を有する金属化合物により表面処理する工程(表面処理工程)。
(4)前記溶媒を除去した後の前記多孔質粒子を加熱処理する工程(加熱処理工程)。
分散液調製工程は、例えば、アルコキシシランとチタンアルコキシドとを材料にして、両者の反応(加水分解及び縮合)を生じさせてシリカチタニア複合体を生成し、シリカチタニア複合体を含む多孔質粒子が溶媒に分散した分散液を得る工程である。ここで、多孔質粒子は、シリカチタニア複合体を含む一次粒子が多孔構造を形成しつつ凝集した凝集粒子であることが好ましい。
溶媒除去工程は、超臨界二酸化炭素を、多孔質粒子及び溶媒を含有する分散液に接触させて、溶媒を除去する工程である。超臨界二酸化炭素による溶媒除去処理は、加熱による溶媒除去処理に比べて、多孔質粒子(特には、一次粒子が多孔構造を形成しつつ凝集した凝集粒子)の孔のつぶれや閉塞を起しにくい。溶媒除去工程が超臨界二酸化炭素によって溶媒を除去する工程であることにより、BET比表面積が200m2/g以上のシリカチタニア複合エアロゲル粒子を得ることができる。
密閉反応器に多孔質粒子分散液を投入し、次いで液化二酸化炭素を導入した後、密閉反応器を加熱すると共に高圧ポンプにより密閉反応器内を昇圧させ、密閉反応器内の二酸化炭素を超臨界状態とする。そして、密閉反応器に液化二酸化炭素を流入させ、密閉反応器から超臨界二酸化炭素を流出させることで、密閉反応器内において多孔質粒子分散液に超臨界二酸化炭素を流通させる。多孔質粒子分散液に超臨界二酸化炭素が流通する間に、溶媒が超臨界二酸化炭素に溶解し、密閉反応器外へ流出する超臨界二酸化炭素に同伴して溶媒が除去される。
表面処理工程は、前記溶媒を除去した後の前記多孔質粒子を、金属原子及び炭化水素基を有する金属化合物(有機金属化合物)により表面処理する工程である。表面処理工程において、有機金属化合物中の反応性基(例えば、ハロゲノ基、アルコキシ基等の加水分解性基)と、多孔質粒子の表面に存在する反応性基(例えば、水酸基)とが反応し、多孔質粒子の表面処理がなされる。表面処理工程は、大気中又は窒素雰囲気下で行うことができる。
表面処理工程は、超臨界二酸化炭素中で、金属原子及び炭化水素基を有する金属化合物により表面処理することが好ましい。超臨界二酸化炭素中で表面処理工程を行うことにより、有機金属化合物が多孔質粒子の孔の奥深くまで到達し、多孔質粒子の孔の奥深くまで表面処理がなされることから、超臨界二酸化炭素中で行うことが好ましい。
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジクロロジフェニルシラン(以上、n=2、m=2);
トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルクロロシラン、デシルジメチルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン(以上、n=3、m=1);
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン(以上、R1が、置換された脂肪族炭化水素基又は置換された芳香族炭化水素基である化合物);
などのシラン化合物が挙げられる。シラン化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
加熱処理工程により、シリカチタニア複合エアロゲル粒子の可視光における光触媒機能がより向上する。詳細な機序は不明であるが、粒子表面及び細孔内における炭化水素基の一部が加熱処理により酸化又は炭化されることによって可視光に吸収を持つようになり、紫外光と共に可視光の光吸収によっても光電荷分離機能が働くことで光触媒機能が発現すると考えられる。これは、シリカチタニア複合エアロゲル粒子が可視吸収スペクトルにおいて波長450nm及び750nmの各波長に吸収を持つことを示している。つまり、シリカチタニア複合エアロゲル粒子の表面及び細孔内に存在する酸化又は炭化した炭化水素の一部または炭化した炭素により紫外光と共に可視光の光吸収によって選択的に電子を捕捉する作用が働く。これにより光吸収によって発生した電子と正孔が再結合する確率を低くしており、効率的に電荷の分離を促進し、この電荷分離の促進によりシリカチタニア複合エアロゲル粒子の可視光応答性が高まると推測される。
本実施形態に係る光触媒形成用組成物は、本実施形態に係るシリカチタニア複合エアロゲル粒子と、分散媒及びバインダーよりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物とを含む。
本実施形態に係る光触媒は、本実施形態に係るシリカチタニア複合エアロゲル粒子を含む、又は、本実施形態に係るシリカチタニア複合エアロゲル粒子からなる。本実施形態に係る構造体は、本実施形態に係るシリカチタニア複合エアロゲル粒子を有する。
[分散液調製工程]
反応容器にメタノール115.4部とテトラメトキシシラン7.2部を仕込み混合した。更にテトラブトキシチタン7.2部を仕込み混合した。混合液をマグネティックスターラーにより100rpmで撹拌しながら、0.009質量%シュウ酸水溶液7.5部を30秒かけて滴下した。そのまま撹拌しながら40分間保持し、分散液(I-1)を137.2部(固形分:4.5部、液相分:132.7部)得た。
反応槽に分散液(I-1)を137.2部投入し、85rpmで撹拌しながらCO2を入れて150℃/20MPaまで昇温昇圧した。そのまま撹拌しながらCO2を流入及び流出させ、60分かけて液相を132.7部除去した。30分かけて大気圧まで減圧し、粉を4.5部回収した。
液相を除去した後に残った固相に、イソブチルトリメトキシシラン4.8部とメタノール4.8部との混合物を5分かけて添加し、85rpmで撹拌しながら150℃/20MPaのまま30分間保持した。そのまま撹拌しながらCO2を流入及び流出させ、30分かけて液相を8.8部除去した。30分かけて大気圧まで減圧し、粉を4.0部回収した。
SUS容器に粉を0.5部計量し、ホットプレートに設置した。380℃まで昇温し、60分間保持した後、30℃になるまで放冷し、粉(シリカチタニア複合エアロゲル粒子)を0.5部回収した。
表1又は表2に記載のように材料又は処理条件を変更した以外は、実施例1と同様にして、各シリカチタニア複合エアロゲル粒子を作製した。
各例で得られたシリカチタニア複合エアロゲル粒子について、下記の測定方法に従って各物性を測定した。表1及び表2にその結果を示す。表1及び表2中「UV-Vis特性」は、波長350nmの吸光度を1としたときの、波長450nm、波長600nm及び波長750nmそれぞれの吸光度である。
XPS分析装置を使用し、下記の設定で、シリカチタニア複合エアロゲル粒子の表面から深さ方向にエッチングしながら定性分析(ワイドスキャン分析)を行い、チタン、ケイ素及び炭素の同定及び定量を行った。得られたデータから、チタン、ケイ素及び炭素それぞれについて、縦軸がピーク強度で横軸がエッチング時間である元素プロファイルを描き、前記母粒子における元素比Si/Tiを求めた。
・X線源:単色化AlKα線
・加速電圧:15kV
・X線ビーム径:100μm
・エッチング銃:アルゴンイオンビーム
・エッチング出力:4kV
比表面積測定装置としてマウンテック社製「MacsorbHMmodel-1201」を使用し、50mgの試料に脱気のために30℃/120分の前処理を行い、純度99.99%以上の窒素ガスを用いたBET多点法にてBET比表面積を求めた。
体積平均粒径8μmの樹脂粒子(スチレン-アクリル酸ブチル共重合体粒子、共重合比(質量比)80:20、重量平均分子量13万、ガラス転移温度59℃)100部と、シリカチタニア複合エアロゲル粒子1.0部とを、サンプルミル(型式SK-M2型、協立理工株式会社製)を用いて13000rpmで2分間混合した。
樹脂粒子に分散させたシリカチタニア複合エアロゲル粒子を、走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S-4100)により観察して画像を撮影した。この際、図1に示すように凝集粒子を形成している個々の粒子を一次粒子とし、走査型電子顕微鏡を一次粒子が画像解析できる倍率に調整して画像を撮影した。撮影した画像を画像解析装置(株式会社ニレコ製、LUZEXIII)に取り込み、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの面積を求め、面積から円相当径(nm)を算出し、円相当径の平均を平均一次粒径(nm)とした(表1及び表2中「Dp」と表記する。)。平均一次粒径は、一次粒子10個から50個程度を解析して求めた。
体積平均粒径8μmの樹脂粒子(スチレン-アクリル酸ブチル共重合体粒子、共重合比(質量比)80:20、重量平均分子量13万、ガラス転移温度59℃)100部と、シリカチタニア複合エアロゲル粒子1.0部とを、サンプルミル(型式SK-M2型、協立理工株式会社製)を用いて13000rpmで2分間混合した。
混合粒子をビーカーに0.1g入れ、陰イオン性界面活性剤(テイカパワーBN2060、テイカ株式会社製)をイオン交換水にて濃度12%に希釈した界面活性剤水溶液を1.5g添加し、混合粒子を充分にぬらした。次いで、純水5gを添加し、超音波分散機で30分間分散した後、No.5Cの濾紙にて樹脂粒子を除去し、シリカチタニア複合エアロゲル粒子分散液を得た。シリカチタニア複合エアロゲル粒子分散液中の粒子の粒径を動的光散乱式粒度測定装置(ナノトラックUPA-ST、マイクロトラック・ベル社製)を用いて測定し、体積基準の粒度分布を得た。小径側から累積50%となる粒径D50vを求め、D50vを体積平均粒径(μm)とした(表1及び表2中「Da」と表記する。)。また、小径側から累積10%となる粒径D10vと、小径側から累積90%となる粒径D90vとを求め、体積粒度分布GSDv=(D90v÷D10v)1/2を算出した。
シリカチタニア複合エアロゲル粒子をテトラヒドロフランに分散させた後、ガラス基板上に塗布し、大気中、24℃で乾燥させた。分光光度計U-4100(日立ハイテクノロジーズ社製)を使用し、スキャンスピード:600nm、スリット幅:2nm、サンプリング間隔:1nmに設定して、拡散反射配置で、波長200nm乃至900nmの範囲の拡散反射スペクトルを測定した。拡散反射スペクトルから、Kubelka-Munk変換により理論的に各波長における吸光度を求め、紫外可視吸収スペクトルを得た。
各例で得られた粒子表面に、波長352nm、照射強度1.3mW/cm2の紫外線を照射開始時25℃において20時間照射した前後において、XPSによる粒子表面における元素比C/Tiを前記方法に従って測定し、前記紫外線の照射前後における元素比C/Tiの減少量を算出した。この際、超臨界CO2処理後に残留したCO2を酸化チタンエアロゲル粒子の孔から除去する目的で、真空定温乾燥機(東京理科器械(株)製:VOS-450VD)を用い、温度25℃、減圧度133Paの条件で、3時間の脱気処理を実施した。
[光触媒活性]
各例で得られたシリカチタニア複合エアロゲル粒子の活性として、下記のとおり、ガス吸着性と、可視光照射によるガス分解性とを評価した。表1及び表2にその結果を示す。
各例で得られたシリカチタニア複合エアロゲル粒子を固形分濃度が4質量%になるように、メタノールに分散させた。その分散液を顕微鏡用ガラスプレートの半分(面積10cm2)に0.25g塗布した後、充分に乾燥し、ガラスプレートの表面(半分)に均一に粒子を付着させた試験片を作製した。試験片は、各例のシリカチタニア複合エアロゲル粒子ごとに2つずつ作製した。
先ず、試験片入りテドラーバックのコックから内部の残存エアーを吸引器で全て排出し、次いで、150ppm濃度のアンモニアガスを800ml注入した。次いで、同種2つの、試験片入りテドラーバックの一方には、波長400nm以上800nm以下の可視光を照射する発光ダイオード(LED)を使用して可視光(試験片表面で6,000LX(ルクス))を連続照射した。同種2つの、試験片入りテドラーバックのもう一方は、光の当たらない暗箱に入れ1時間保管した。
可視光1時間連続照射後の試験片入りテドラーバック、暗箱で1時間保管した試験片入りテドラーバック、それぞれのテドラーバック内のアンモニアガス濃度を、検知管(ガステック社製)を用いて測定した。そして、下記の式から、アンモニアガス吸着性の指標ΔAと、可視光照射によるアンモニアガス分解率ΔSとを求めた。
・S2=暗箱で1時間保管した後のテドラーバック内のアンモニアガス濃度(ppm)
・アンモニアガス吸着性の指標ΔA(ppm)=150-S2
・アンモニアガス分解率ΔS(%)=(S2-S1)÷S2×100
G1(◎):90≦ΔA、吸着性が非常に良好。
G2(○):70≦ΔA<90、吸着性が良好。
G3(△):50≦ΔA<70、吸着性がやや良好。
G4(×):ΔA<50、吸着性が不良。
G1(◎):30≦ΔS、分解性が非常に良好。
G2(○):15≦ΔS<30、分解性が良好。
G3(△):5≦ΔS<15、分解性がやや良好。
G4(×):ΔS<5、分解性が不良。
目開き20μmの篩を用意し、その重量を0.01g単位まで精密計量した。シリカチタニア複合エアロゲル粒子1.00gを集塵機で吸引しながら前記篩を通過させた。その際、篩上の凝集物を刷毛を使って解砕しながら篩を通過させ、解砕されない強固な凝集物を篩上に残した。シリカチタニア複合エアロゲル粒子を通過させる前後の篩の重量(g)から、下記式により粗大粒子指数を算出した。粗大粒子指数が小さいほど、分散性に優れる。表1及び表2にその結果を示す。
G2(△):粗大粒子指数が1%超、5%以下。
G3(×):粗大粒子指数が5%超。
・アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート:味の素(株)製、プレンアクトAL-M
・イソプロピルトリイソステアロイルチタネート:味の素(株)製、プレンアクトTTS
Claims (15)
- ケイ素SiとチタンTiとの元素比Si/Tiが0を超えて6以下である母粒子を有し、
前記母粒子の表面に炭化水素基を有する金属原子が酸素原子を介して結合しており、
BET比表面積が200m2/g以上1200m2/g以下であり、
可視吸収スペクトルにおいて波長450nm及び750nmに吸収を持ち、
シリカチタニア複合エアロゲル粒子表面に対し、X線光電子分光分析装置である日本電子(株)製JPS-9000MXを使用し、X線源としてMgKα線を用い、加速電圧を10kV、エミッション電流を20mAに設定して測定し、各元素のピークの強度から算出した炭素CとチタンTiとの元素比C/Tiが2以上5以下であり、
シリカチタニア複合エアロゲル粒子に対して波長352nm、照射強度1.3mW/cm2の紫外線を20時間照射した場合の、シリカチタニア複合エアロゲル粒子表面におけるC/Tiの減少量が0.01以上0.6以下である
シリカチタニア複合エアロゲル粒子。 - 紫外可視吸収スペクトルにおいて波長350nmの吸光度を1としたとき、波長450nmの吸光度及び波長750nmの吸光度がそれぞれ、0.02以上である請求項1に記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子。
- 可視吸収スペクトルにおいて波長400nm以上800nm以下の全範囲に吸収を持つ請求項1に記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子。
- 紫外可視吸収スペクトルにおいて波長350nmの吸光度を1としたとき、波長450nmの吸光度、波長600nmの吸光度及び波長750nmの吸光度がそれぞれ、0.02以上である請求項3に記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子。
- 前記シリカチタニア複合エアロゲル粒子の体積平均粒径が、0.1μm以上3μm以下である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子。
- 前記シリカチタニア複合エアロゲル粒子の体積平均粒径が、0.3μm以上2.8μm以下である請求項5に記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子。
- 前記金属原子が、ケイ素原子である請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子。
- 前記炭化水素基が、炭素数1以上20以下の飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基である請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子。
- 前記炭化水素基が、炭素数1以上20以下の飽和脂肪族炭化水素基である請求項8に記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子。
- 前記飽和脂肪族炭化水素基の炭素数が、4以上10以下である請求項9に記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子。
- シリカチタニア複合体を含む多孔質粒子をゾルゲル法により造粒し、前記多孔質粒子及び溶媒を含有する分散液を調製する工程と、
超臨界二酸化炭素を用いて前記分散液から前記溶媒を除去する工程と、
前記溶媒を除去した後の前記多孔質粒子を、金属原子及び炭化水素基を有する金属化合物により表面処理する工程と、
前記表面処理した後の前記多孔質粒子を加熱処理する工程とを含む、請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子の製造方法。 - 前記表面処理する工程が、前記溶媒を除去した後の前記多孔質粒子を、超臨界二酸化炭素中で、金属原子及び炭化水素基を有する金属化合物により表面処理する工程である、請求項11に記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子の製造方法。
- 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子と、
分散媒及びバインダーよりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物と、
を含む光触媒形成用組成物。 - 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子を含む、又は、からなる光触媒。
- 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のシリカチタニア複合エアロゲル粒子を有する構造体。
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