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JP7021420B2 - インバート鋼製支保工の連結構造および連結方法 - Google Patents
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JP7021420B2 - インバート鋼製支保工の連結構造および連結方法 - Google Patents

インバート鋼製支保工の連結構造および連結方法 Download PDF

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本発明は、インバート鋼製支保工の連結構造および連結方法に関する。
トンネルを構築する工法として、NATM工法(New Austrian Tunneling Method)が知
られている。NATM工法は、地山が有する支保能力、強度を有効に利用してトンネルの安定を保つという考え方のもとに、吹付けコンクリート、ロックボルト、鋼製支保工を適宜に用いて、地山と一体化したトンネル構造物を建設する工法である。
NATM工法においてトンネルを構築する際に、変位が大きい地山の場合に、1次インバートを施工する場合がある。この場合、上半支保工の位置に合わせて、下半支保工、インバート支保工を順次締結することになるが、トンネルの内空を規定通りに確保するためにインバート支保工の必要長さが変化するため、インバート支保工の長さ調整のために用意された長さ調整用支保工をインバート支保工の中間部に取り付ける場合がある。
特開2005-16167号公報
しかしながら、従来においては、長さ調整用支保工を介した一対のインバート支保工の連結時には、ボルトおよびナットを用いた締結を人手作業によって行う必要があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、トンネル底部に設置される一対のインバート鋼製支保工を連結する際に、施工時における安全性や施工性を従来よりも向上させることができる技術を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、以下の手段を採用した。すなわち、本発明は、トンネルの下半鋼製支保工の両脚部に一端がそれぞれ接合された、トンネル底部に設置される一対のインバート鋼製支保工の連結構造であって、前記一対のインバート鋼製支保工の他端にそれぞれ設けられた第1インバート継手板および第2インバート継手板と、前記一対のインバート鋼製支保工の間に介在すると共に、前記一対のインバート鋼製支保工同士を連結する長さ調整用鋼製支保工と、を備え、前記長さ調整用鋼製支保工は、前記第1インバート継手板と接合される第1連結用継手板と、前記第2インバート継手板と接合される第2連結用継手板と、前記第1インバート継手板および前記第1連結用継手板の一方に凸設された第1雄型連結部と、他方に凹設されると共に当該第1雄型連結部を挿入可能な第1雌型連結部と、前記第2インバート継手板および前記第2連結用継手板の一方に凸設された第2雄型連結部と、他方に凹設されると共に当該第2雄型連結部を挿入可能な第2雌型連結部と、を有し、前記第1雌型連結部が前記第1雄型連結部を係止し、前記第2雌型連結部が前記第2雄型連結部を係止することで、前記一対のインバート鋼製支保工のそれぞれに前記長さ調整用鋼製支保工が連結されることを特徴とする。
また、本発明において、前記長さ調整用鋼製支保工は、前記第1インバート継手板および前記第2インバート継手板を支持する第1および第2の底板部が、前記第1連結用継手板および前記第2連結用継手板の下縁から連結用支保工の軸方向に沿って延設されており
、前記一対のインバート鋼製支保工に対する前記長さ調整用鋼製支保工の連結時に、前記第1および第2の底板部に前記第1インバート継手板および前記第2インバート継手板が支持された状態で前記長さ調整用鋼製支保工が上方に吊り上げられることで、前記第1雌型連結部および前記第2雌型連結部に対して、前記第1雄型連結部および前記第2雄型連結部がそれぞれガイドされるように構成されていても良い。
また、本発明は、インバート鋼製支保工の連結方法として特定することができる。すなわち、本発明は、トンネルの下半鋼製支保工の両脚部に一端がそれぞれ接合された、トンネル底部に設置される一対のインバート鋼製支保工同士を連結する連結方法であって、前記一対のインバート鋼製支保工の他端にはそれぞれ第1インバート継手板および第2インバート継手板が設けられており、前記連結方法は、前記第1インバート継手板と接合される第1連結用継手板と、前記第2インバート継手板と接合される第2連結用継手板と、前記第1インバート継手板および前記第1連結用継手板の一方に凸設された第1雄型連結部と他方に凹設されると共に当該第1雄型連結部を挿入可能な第1雌型連結部と、前記第2インバート継手板および前記第2連結用継手板の一方に凸設された第2雄型連結部と他方に凹設されると共に当該第2雄型連結部を挿入可能な第2雌型連結部と、前記第1連結用継手板および前記第2連結用継手板の下縁から前記長さ調整用鋼製支保工の軸方向に沿ってそれぞれ延設されると共に前記第1インバート継手板および前記第2インバート継手板を支持する第1および第2の底板部と、を有する、長さ調整用鋼製支保工をインバート盤上に載置する長さ調整用鋼製支保工設置工程と、前記長さ調整用鋼製支保工の前記第1の底板部および第2の底板部にそれぞれ前記第1インバート継手板および前記第2インバート継手板を載置するインバート継手板載置工程と、前記長さ調整用鋼製支保工を上方に吊り上げることで、前記第1雌型連結部によって前記第1雄型連結部を係止すると共に前記第2雌型連結部によって前記第2雄型連結部を係止することで、前記一対のインバート鋼製支保工のそれぞれに前記長さ調整用鋼製支保工を連結する吊り上げ連結工程と、を含むことを特徴とする。ここで、前記吊り上げ連結工程において、前記長さ調整用鋼製支保工を重機によって上方に吊り上げても良い。
また、本発明に係るインバート鋼製支保工の連結方法は、前記インバート継手板載置工程において、前記第1インバート継手板と前記第1連結用継手板が対向しつつ互いに離反し、前記第2インバート継手板と前記第2連結用継手板が対向しつつ互いに離反した状態で配置されるように、前記第1の底板部および第2の底板部にそれぞれ前記第1インバート継手板および前記第2インバート継手板を載置し、前記吊り上げ連結工程において前記長さ調整用鋼製支保工が上方に吊り上げられることで、前記第1の底板部上を前記第1インバート継手板が摺動すると共に前記第2の底板部上を前記第2インバート継手板が摺動する結果、前記第1インバート継手板と前記第1連結用継手板が接近すると共に前記第2インバート継手板と前記第2連結用継手板が接近し、前記第1雌型連結部および前記第2雌型連結部に対して前記第1雄型連結部および前記第2雄型連結部がそれぞれガイドされても良い。
本発明によれば、一対のインバート鋼製支保工を連結する際に、施工時における安全性や施工性を従来よりも向上させることができる技術を提供できる。
図1は、実施形態1に係るトンネルの掘進方向を横から見たトンネル断面の概略図である。 図2は、図1におけるAの方向から切羽の周辺を見た図である。 図3は、実施形態1に係るトンネルの鋼製支保構造を示す図である。 図4は、図3における破線円Bで囲まれた左側下半鋼製支保工の脚部近傍の拡大図である。 図5は、図3における破線円Cで囲まれた右側下半鋼製支保工の脚部近傍の拡大図である。 図6は、図3における破線円Dで囲まれた部分の拡大図である。 図7Aは、実施形態1に係る第1インバート継手板および第2インバート継手板の正面図である。 図7Bは、実施形態1に係る第1インバート継手板および第2インバート継手板の背面図である。 図8Aは、実施形態1に係る長さ調整用鋼製支保工における第1連結用継手板および第2連結用継手板の正面図である。 図8Bは、実施形態1に係る長さ調整用鋼製支保工における第1連結用継手板および第2連結用継手板の背面図である。 図9は、実施形態1に係る雌型連結部および雄型連結部の概略構造を示す図である。 図10は、図9におけるX-X矢視断面図である。 図11は、実施形態1に係る左側インバート鋼製支保工および右側インバート鋼製支保工を長さ調整用鋼製支保工に連結する手順を説明する図である。 図12は、実施形態1に係る雌型連結部と雄型連結部を連結した状態を示す図である。 図13は、実施形態1の変形例に係る連結構造を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係るトンネルTの施工状況を示す図である。図1は、実施形態1に係るトンネルTの掘進方向を横から見たトンネル断面の概略図である。図1に示すトンネル掘削においては、例示的にトンネル断面を上半部と下半部に分割して掘削を行う補助ベンチ付き全断面工法を採用しており、切羽100の手前下方にベンチ部200が形成されている。また、図1中における符号Aは、トンネルTの掘進方向を示している。図2は、図1におけるAの方向から切羽100の周辺を見た図である。図2中の斜線で示す部分は垂直面を示している。
符号110は、切羽100の上半鏡である。上半鏡110には、地山の変位が増大して崩壊することを抑制するために、鏡ボルト120や鏡吹付けコンクリート130が必要に応じて施工されている。また、符号140は、ロックボルトである。
ベンチ部200は、上半鏡110の下端からトンネル軸方向手前側に連なる水平面である上半盤210と、この上半盤210の手前端から鉛直下方に連なる垂直面である下半鏡220とからなる段部である。なお、ここでいう「手前」とは、トンネル軸方向において、トンネルTの掘進方向とは逆側を指す。上半盤210は、一例として、掘進方向に2~4m程度の長さに設定されている。また、下半鏡220の下端からは、トンネル軸方向手前側に下半盤230が連なっている。下半盤230は、一例として例えば1~2m程度の水平面である。
また、下半盤230の手前端から下方にバックホウ500などの重機によって掘削されることで、インバート施工部700が設けられる。下半盤230の手前端からはインバート鏡710が鉛直下方に連なっており、インバート鏡710の下端からは、インバート盤720が連続して設けられている。インバート施工部700の掘削が完了すると、インバート盤720に後述するインバート鋼製支保工30(図3を参照)を配置して、このイン
バート鋼製支保工を既に設置済みの下半鋼製支保工(不図示)と連結し、インバート吹付けコンクリート(不図示)を施すことで、断面閉合が行われる。このようなインバート施工が行われたインバート施工完了部は、トンネル断面全周にわたる補強がなされることとなり、力学的安定性が確保される。なお、インバート鋼製支保工の設置およびインバート吹付けコンクリートの施工が完了したインバート施工部700は、埋め戻し土によって埋め戻される。
図3は、実施形態1に係るトンネルTの鋼製支保構造1を示す図である。符号10は上半鋼製支保工、符号20Lは左側下半鋼製支保工、符号20Rは右側下半鋼製支保工である。また、符号30はインバート鋼製支保工、符号60は長さ調整用鋼製支保工である。上半鋼製支保工10は、一対の円弧状の左側上半鋼製支保工10Lおよび右側上半鋼製支保工10Rの天端部(上端部)同士を一体に連結することでアーチ状に形成されている。インバート鋼製支保工30は、左側下半鋼製支保工20Lの脚部に接合される左側インバート鋼製支保工30Lと、右側下半鋼製支保工20Rの脚部に接合される右側インバート鋼製支保工30Rを含んでいる。インバート鋼製支保工30(左側インバート鋼製支保工30Lおよび右側インバート鋼製支保工30R)は、トンネル底部のインバート施工部700におけるインバート盤720に設置される鋼製支保工であり、長さ調整用鋼製支保工60を介して互いに連結される。
左側上半鋼製支保工10Lの下端部には四角形の鋼製平板である下端接合板11Lが設けられている。左側下半鋼製支保工20Lの上端部に設けられている四角形の鋼製平板である上端接合板22Lに下端接合板11Lがボルト接合されることで、左側上半鋼製支保工10Lおよび左側下半鋼製支保工20Lが一体に接合されている。同様に、右側上半鋼製支保工10Rの下端部には四角形の鋼製平板である下端接合板11Rが設けられており、右側下半鋼製支保工20Rの上端部に設けられている四角形の鋼製平板である上端接合板22Rに下端接合板11Rがボルト接合されることで、右側上半鋼製支保工10Rおよび右側下半鋼製支保工20Rが一体に接合されている。
図4は、図3における破線円Bで囲まれた左側下半鋼製支保工20Lの脚部近傍の拡大図である。図5は、図3における破線円Cで囲まれた右側下半鋼製支保工20Rの脚部近傍の拡大図である。図4および図5に示すように、左側下半鋼製支保工20Lおよび右側下半鋼製支保工20Rの両脚部の下端小口には、左側下半鋼製支保工20Lおよび右側下半鋼製支保工20Rを支持するための底板23L,23Rがそれぞれ設けられている。更に、左側下半鋼製支保工20Lの脚部には、左側インバート鋼製支保工30Lと連結される左側下半継手部24Lが設けられ、右側下半鋼製支保工20Rの脚部には、右側インバート鋼製支保工30Rと連結される右側下半継手部24Rが設けられている。
図4に示すように、左側下半鋼製支保工20Lにおける左側下半継手部24Lには、左側下半継手板240Lが設けられている。また、図5に示すように、右側下半鋼製支保工20Rにおける右側下半継手部24Rには、右側下半継手板240Rが設けられている。
次に、左右一対の左側インバート鋼製支保工30Lおよび右側インバート鋼製支保工30Rおよび長さ調整用鋼製支保工60の詳細について説明する。図6は、図3における破線円Dで囲まれた部分の拡大図であり、インバート鋼製支保工30および長さ調整用鋼製支保工60の接合部およびその近傍を示している。
図4および図6に示すように、左側インバート鋼製支保工30Lは、支保工本体300Lと、支保工本体300Lの一端に接合された四角形の鋼製平板である第1インバート接合板31Lと、支保工本体300Lの他端に接合された四角形の鋼製平板である第1インバート継手板32Lを有する。また、図5および図6に示すように、右側インバート鋼製
支保工30Rは、支保工本体300Rと、支保工本体300Rの一端に接合された四角形の鋼製平板である第2インバート接合板31Rと、支保工本体300Rの他端に接合された四角形の鋼製平板である第2インバート継手板32Rを有する。また、支保工本体300L,300Rは、ウェブ300a、当該ウェブ300aに直交する一対の上フランジ300bおよび上フランジ300cから構成されるH形鋼である。トンネルTの鋼製支保構造1において、左側下半鋼製支保工20Lにおける左側下半継手部24Lの左側下半継手板240Lと、左側インバート鋼製支保工30Lの第1インバート接合板31Lがボルト接合されることで、これらが一体に接合されている。同様に、右側下半鋼製支保工20Rにおける右側下半継手部24Rの右側下半継手板240Rと、右側インバート鋼製支保工30Rの第2インバート接合板31Rがボルト接合されることで、これらが一体に接合されている。また、左右一対の左側インバート鋼製支保工30Lおよび右側インバート鋼製支保工30Rは、図6に示すように、長さ調整用の鋼製支保工である長さ調整用鋼製支保工60を介して連結されている。
長さ調整用鋼製支保工60は、支保工本体600と、第1底板部610、第2底板部620を有している。支保工本体600は、ウェブ600a、当該ウェブ600aに直交する一対の上フランジ600bおよび下フランジ600cから構成されるH形鋼である。支保工本体600の両端には、第1連結用継手板640Lおよび第2連結用継手板640Rが溶接されている。上フランジ600bには、バックホウ500などの重機によって長さ調整用鋼製支保工60を吊り上げるために用いる被吊上げ部660が設けられている。本実施形態において、被吊上げ部660は、吊ワイヤの先端に設けられる吊り具を装着するための吊り穴(図示せず)形成されていても良い。
長さ調整用鋼製支保工60の第1底板部610は、支保工本体600の一端に設けられた第1連結用継手板640Lの下縁から、支保工本体600における下フランジ600cの延伸方向に沿って延設されている。長さ調整用鋼製支保工60の第2底板部620は、支保工本体600における第2連結用継手板640Rの下縁から、支保工本体600における下フランジ600cの延伸方向に沿って延設されている。
長さ調整用鋼製支保工60における第1底板部610は、左側インバート鋼製支保工30Lに長さ調整用鋼製支保工60を連結する際に、左側インバート鋼製支保工30Lの他端に設けられている第1インバート継手板32Lの下縁を載置することで、第1インバート継手板32Lを支持するため支持プレートである。長さ調整用鋼製支保工60における第1底板部610には、左側インバート鋼製支保工30Lの第1インバート継手板32Lを載置した際に、第1インバート継手板32Lが第1底板部610の横幅方向にずれることを抑制するためのストッパー部材611a,611bが、第1底板部610の一対の側縁からそれぞれ上方に向かって延設されている。
また、長さ調整用鋼製支保工60における第2底板部620は、右側インバート鋼製支保工30Rに長さ調整用鋼製支保工60を連結する際に、右側インバート鋼製支保工30Rの他端に設けられている第2インバート継手板32Rを載置することで、これを支持するため支持プレートである。長さ調整用鋼製支保工60における第2底板部620には、右側インバート鋼製支保工30Rの第2インバート継手板32Rを載置した際に、第2インバート継手板32Rが第2底板部620の横幅方向にずれることを抑制するためのストッパー部材621a,621bが、第2底板部620の一対の側縁からそれぞれ上方に向かって延設されている。
図7Aは、実施形態1に係る第1インバート継手板32Lおよび第2インバート継手板32Rの正面図である。図7Bは、実施形態1に係る第1インバート継手板32Lおよび第2インバート継手板32Rの背面図である。本実施形態における第1インバート継手板
32Lおよび第2インバート継手板32Rは、同一構造である。ここで、符号320aは、第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)の外面(表面)、符号320bは、第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)の内面(裏面)である。符号320cは第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)の上縁、符号320dは第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)の下縁、符号320eは第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)の左側縁、符号320fは第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)の右側縁である。
図7Bにおいて、第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)に接続される支保工本体300L(300R)の端部形状を破線で示す。また、図7Aおよび図7Bに、第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)の上下方向(高さ方向)および横幅方向を図示する。第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)の上下方向は、左側縁320eおよび右側縁320fの延伸方向と平行である。また、第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)の横幅方向は上縁320cおよび下縁320dの延伸方向と平行である。また、図7Aおよび図7Bに示すように、第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)には、一対の雄型連結部50が第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)の横幅方向に並んで設けられている。雄型連結部50は、第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)の外面320aに凸設されており、外面320aに対して垂直に突出している(図9を参照)。
図8Aは、実施形態1に係る長さ調整用鋼製支保工60における第1連結用継手板640Lおよび第2連結用継手板640Rの正面図である。図8Bは、実施形態1に係る長さ調整用鋼製支保工60における第1連結用継手板640Lおよび第2連結用継手板640Rの背面図である。本実施形態における第1連結用継手板640Lおよび第2連結用継手板640Rは、同一構造である。ここで、符号640aは、第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)の外面(表面)、符号640bは、第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)の内面(裏面)である。符号640cは第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)の上縁、符号640dは第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)の下縁、符号640eは第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)の左側縁、符号640fは第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)の右側縁である。
図8Bにおいて、第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)に接続される支保工本体600の端部形状を破線で示す。また、図6Aおよび図6Bに、第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)の上下方向(高さ方向)および横幅方向を図示する。第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)の上下方向は、左側縁640eおよび右側縁640fの延伸方向と平行である。また、第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)の横幅方向は上縁640cおよび下縁640dの延伸方向と平行である。
第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)には、一対の雌型連結部40が第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)の横幅方向に並んで設けられている。雌型連結部40は、第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)に対して凹設されている(図9を参照)。
本実施形態においては、左側インバート鋼製支保工30Lおよび右側インバート鋼製支保工30Rに長さ調整用鋼製支保工60を連結する際に、第1インバート継手板32Lおよび第2インバート継手板32Rに凸設された一対の雄型連結部50と、長さ調整用鋼製
支保工60の第1連結用継手板640Lおよび第2連結用継手板640Rに凹設された一対の雌型連結部40がワンタッチで連結される。その結果、第1インバート継手板32Lと第1連結用継手板640L、第2インバート継手板32Rと第2連結用継手板640Rがそれぞれ面接触した状態で、長さ調整用鋼製支保工60が左側インバート鋼製支保工30Lおよび右側インバート鋼製支保工30Rに対して接合される(図6を参照)。
図9は、実施形態1に係る雌型連結部40および雄型連結部50の概略構造を示す図である。図9は、第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)と、第1連結用継手板640L(第2インバート継手板32Rと第2連結用継手板640R)が連結される直前の状態で互いに離間している状態を示している。
まず、第1インバート継手板32Lおよび第2インバート継手板32Rに凸設された雄型連結部50について説明する。第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)には、一対の雄型連結部50が設けられる位置にそれぞれ開口孔321が穿設されている。また、雄型連結部50は、棒状の雄型係止部材51を有している。雄型係止部材51は、第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)の開口孔321よりも若干小径の軸部材であり、その基端部に雄ネジ51aが刻設されている。また、雄型係止部材51の中間部には環状の鍔部51bが設けられている。また、雄型係止部材51の鍔部51bよりも先端側の部位における外周部には、雄ネジ51cが形成されている。雄型係止部材51の雄ネジ51cは、雄型係止部材51の外周に複数並設された周方向の雄側係止溝である。また、雄型係止部材51の先端部51dには、先端に向かって縮径するテーパ面51eが形成されている。
また、第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)の外面320a側における開口孔321の周囲には、周囲よりも一段凹んだザグリ部322が形成されている。雄型係止部材51の鍔部51bは、開口孔321の径よりも大きい。雄型係止部材51の基端側を、第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)の外面320a側から開口孔321に挿通し、鍔部51bをザグリ部322に配置した状態で基端部の雄ネジ51aにナット52を螺着する。その結果、雄型係止部材51が第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)の外面320aから突出した状態で、第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)に雄型係止部材51を固定することができる。
次に、第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)に凹設された一対の雌型連結部40について説明する。第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)は、一対の雌型連結部40が設けられる位置にそれぞれ開口孔641が穿設されており、その内面640bには金属製の円筒状のケーシング41が溶接wpなどによって固定されている。ケーシング41は、その軸心を開口孔641の略中央部に位置させている。ケーシング41内には、収納室42が形成されている。収納室42の先部(前部)には、その内周面を後端側から先端側にかけて内径が徐々に縮径するテーパ面43aを有するテーパ穴43が形成されている。また、収納室42の中間部にはバネ収納部42aが形成されており、収納室42の後部内周に雌ネジ45が刻設されている。また、テーパ穴43の先端部には、挿入口48が開口形成されている。ケーシング41の前端部に位置する挿入口48は、第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)に形成された開口孔641と略同径で、開口孔641と連通している。また、ケーシング41が第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)に固定された状態で挿入口48が開口孔641と重なった位置に配置されている。
また、テーパ穴43内には、分割された雌型係止部材46が軸方向に摺動可能に配置されている。本実施形態では、図10に示すように、周方向に3つに分割してなる楔形の雌
型係止部材46が、ケーシング41の軸(前後)方向に摺動可能に配設されている。図10は、図9におけるX-X矢視断面図である。ここで、雌型係止部材46の外面は、テーパ穴43におけるテーパ面43aに沿って摺動可能なテーパ面46aとして形成されている。雌型係止部材46のテーパ面46aは、先端側から後方にかけて外径が徐々に拡大している。更に、各雌型係止部材46の内面には、雌ネジ46bが形成されている。雌ネジ46bは、各雌型係止部材46の内面に、複数並設された周方向の雌側係止溝である。雌ネジ46bは、ケーシング41の軸心を中心とする円弧で且つ、軸心に沿った方向に刻設されている。以上より、複数個の雌型係止部材46によって雌ネジ穴が形成され、各雌型係止部材46のテーパ面46aがテーパ穴43のテーパ面43aに沿って後退することにより、その雌ネジ穴が拡径され、前方(先方)へ移動することにより当該雌ネジ穴が縮径するようになる。なお、各雌型係止部材46の内面に形成された雌ネジ46bは、雄型係止部材51の先端側外周部に形成された雄ネジ51cと噛合させることができる。
また、収納室42のバネ収納部42aには、雌型係止部材46を前方(先方)に押圧(弾性付勢)する押圧部材である押圧ばね44が、各雌型係止部材46の後端に設けられるばね受け47と蓋板49との間に圧縮した状態で収納されており、押圧ばね44の押圧力によって各雌型係止部材46を常時前方に押圧している。蓋板49は、収納室42の後部内周側に刻設された雌ネジ45に螺着されることで、押圧ばね44を圧縮した状態に保持することができる。なお、蓋板49の外面には、六角穴49aが設けられており、六角レンチによって蓋板49をケーシング41から着脱自在になっている。
以上のように構成される雌型連結部40および雄型連結部50において、各雌型係止部材46の内面に形成された雌ネジ46bと雄型係止部材51の外周部に形成された雄ネジ51cは、ネジピッチが、JISに規定する細目ネジのピッチよりも小さく形成されている。また、本実施形態の雌型連結部40では各雌型係止部材46の内面に螺旋状の雌ネジ46bを形成したが、雌ネジ46bに代えて、各雌型係止部材46の周方向に伸びる環状の山部と環状の谷部を交互かつ並行に配置した並行溝を各雌型係止部材46の内面に設けても良い。同様に、雄型連結部50においては、雄型係止部材51の外周部に形成した雄ネジ51cに代えて、雄型係止部材51の周方向に伸びる環状の山部と環状の谷部を交互かつ並行に配置した並行溝を雄型係止部材51の外周面に設けても良い。
次に、長さ調整用鋼製支保工60を介した左側インバート鋼製支保工30Lおよび右側インバート鋼製支保工30Rの相互連結について説明する。左側インバート鋼製支保工30Lおよび右側インバート鋼製支保工30Rの連結に際しては、図1に示したように、下半盤230の手前端から下方にバックホウ500などの重機によってインバート掘削を行うことで、左側インバート鋼製支保工30Lおよび右側インバート鋼製支保工30Rを設置するためのインバート盤320が形成される。
なお、トンネルTの軸方向におけるインバート施工部700に対応する区間は、上半部の上半鋼製支保工10と下半部の下半鋼製支保工20L,20Rの建て込みが既に完了している。また、下半鋼製支保工20L,20Rの両脚部を除いて、上半鋼製支保工10および下半鋼製支保工20Lに対する吹付けコンクリートの吹付けも完了している。なお、インバート施工部700は、トンネルTの内空断面を規定通りに確実に確保するために、インバート盤720には余掘りがなされている。
インバート盤720の掘削が完了すると、左側下半鋼製支保工20Lの左側下半継手部24Lに設けられている左側下半継手板240Lに、左側インバート鋼製支保工30Lの第1インバート接合板31Lを、ボルトによって仮締めする。また、右側下半鋼製支保工20Rの右側下半継手部24Rに設けられている右側下半継手板240Rに、右側インバート鋼製支保工30Rの第2インバート接合板31Rを、ボルトによって仮締めする。上
記の仮締めとは、左側下半鋼製支保工20L(右側下半鋼製支保工20R)の左側下半継手部24L(右側下半継手部24R)に対して左側インバート鋼製支保工30L(右側インバート鋼製支保工30R)がある程度、揺動可能な程度にボルトとナットを緩められている状態を指す。
上記のように、左側下半鋼製支保工20Lに対して左側インバート鋼製支保工30Lを仮固定し、右側下半鋼製支保工20Rに対して右側インバート鋼製支保工30Rを仮固定した後、図11に示すように左側インバート鋼製支保工30Lと右側インバート鋼製支保工30Rの間に、長さ調整用鋼製支保工60を設置する。より詳しくは、図11に示すように、インバート盤720の上に長さ調整用鋼製支保工60を載置する。そして、長さ調整用鋼製支保工60の第1底板部610の上に左側インバート鋼製支保工30Lの第1インバート継手板32L側の端部を載置すると共に、第2底板部620の上に右側インバート鋼製支保工30Rの第2インバート継手板32Rを載置する。なお、この状態では、長さ調整用鋼製支保工60の第1底板部610上に載置されている左側インバート鋼製支保工30Lの第1インバート継手板32Lと、長さ調整用鋼製支保工60の第1連結用継手板640Lは、対向しつつ互いに離反した状態で配置されている。同様に、長さ調整用鋼製支保工60の第2底板部620上に載置されている右側インバート鋼製支保工30Rの第2インバート継手板32Rと、長さ調整用鋼製支保工60の第2連結用継手板640Rは、対向しつつ互いに離反した状態で配置されている。
本実施形態においては、支保工本体600の軸方向長さの異なる複数種類の長さ調整用鋼製支保工60を用意しておく。そして、例えば、既に形成されている上半部および下半部の支保壁面(例えば、上半鋼製支保工10L,10Rの内空側フランジ面、下半鋼製支保工20L,20Rの内空側フランジ面)の座標を測量した測量結果に基づいて、トンネルTにおける規定通りの内空断面を確保するために必要な支保工本体600の必要長さを算出し、支保工本体600の軸方向長さが上記の必要長さ以上の長さ調整用鋼製支保工60を選択し、採用するようにしている。長さ調整用鋼製支保工60は、例えば、支保工本体600の長さが数cmピッチで異なるものを複数種類用意しておいても良い。
そして、上記のように長さ調整用鋼製支保工60の第1底板部610の上に左側インバート鋼製支保工30Lの第1インバート継手板32Lを載置し、第2底板部620の上に右側インバート鋼製支保工30Rの第2インバート継手板32Rを載置した状態で、バックホウ500などの重機によって長さ調整用鋼製支保工60を上方に吊り上げる。例えば、バックホウ500に取り付けられた吊ワイヤの吊り具を、支保工本体600の上フランジ600bに設けられた被吊上げ部660に装着して、長さ調整用鋼製支保工60を上方に吊り上げることができる。
その際、長さ調整用鋼製支保工60の第1底板部610の上に左側インバート鋼製支保工30Lの第1インバート継手板32Lが載置されており、第2底板部620の上に右側インバート鋼製支保工30Rの第2インバート継手板32Rが載置されているため、長さ調整用鋼製支保工60が上方に吊り上げられることに伴って、左側インバート鋼製支保工30Lにおける第1インバート継手板32L側の端部と、右側インバート鋼製支保工30Rにおける第2インバート継手板32R側の端部が上方に持ち上げられる。
ここで、左側インバート鋼製支保工30Lは、第1インバート接合板31Lが左側下半鋼製支保工20Lにおける左側下半継手部24Lの左側下半継手板240Lに仮固定されているため、ある程度は揺動可能である。そのため、左側インバート鋼製支保工30Lにおける第1インバート継手板32L側の端部が上方に持ち上がることに伴い、第1底板部610の表面を第1インバート継手板32Lの下縁が摺動する結果、第1インバート継手板32Lが第1連結用継手板640Lに接近する。
また、右側インバート鋼製支保工30Rは、第2インバート接合板31Rが右側下半鋼製支保工20Rにおける右側下半継手部24Rの右側下半継手板240Rに仮固定されているため、ある程度は揺動可能である。そのため、右側インバート鋼製支保工30Rにおける第2インバート継手板32R側の端部が上方に持ち上がることに伴い、第2底板部620の表面を第2インバート継手板32Rが摺動する結果、第2インバート継手板32Rが第2連結用継手板640Rに接近する。
本実施形態においては、長さ調整用鋼製支保工60の第1底板部610の上に左側インバート鋼製支保工30Lの第1インバート継手板32Lが載置された状態で、第1インバート継手板32Lに凸設された一対の雄型連結部50の高さと、第1連結用継手板640Lに凹設された一対の雌型連結部40(挿入口48、開口孔641)の高さが合致するように調整されている。また、長さ調整用鋼製支保工60の第1底板部610の横幅寸法、第1連結用継手板640Lの横幅寸法、および第1インバート継手板32Lの横幅寸法は互いに等しく、第1連結用継手板640Lの横幅寸法および第1インバート継手板32Lの横幅寸法の位置が合致した状態で、第1インバート継手板32Lに凸設された一対の雄型連結部50と、第1連結用継手板640Lに凹設された一対の雌型連結部40(挿入口48、開口孔641)の横幅方向の位置が合致するように調整されている。そして、上記のように、第1底板部610には、第1インバート継手板32Lの横ずれを抑制するストッパー部材611a,611bが設けられているため、ストッパー部材611a,611bにガイドされた状態で第1底板部610上を第1インバート継手板32Lが摺動することで、第1インバート継手板32Lに凸設された一対の雄型連結部50と第1連結用継手板640Lに凹設された一対の雌型連結部40(挿入口48、開口孔641)の横幅方向の位置および高さ位置が合致した状態で、第1インバート継手板32Lを第1連結用継手板640Lに接近させることができる。
同様に、本実施形態においては、長さ調整用鋼製支保工60の第2底板部6210の上に右側インバート鋼製支保工30Rの第2インバート継手板32Rが載置された状態で、第2インバート継手板32Rに凸設された一対の雄型連結部50の高さと、第2連結用継手板640Rに凹設された一対の雌型連結部40(挿入口48、開口孔641)の高さが合致するように調整されている。また、長さ調整用鋼製支保工60の第2底板部620の横幅寸法、第2連結用継手板640Rの横幅寸法、および第2インバート継手板32Rの横幅寸法は互いに等しく、第2連結用継手板640Rの横幅寸法および第2インバート継手板32Rの横幅寸法の位置が合致した状態で、第2インバート継手板32Rに凸設された一対の雄型連結部50と、第2連結用継手板640Rに凹設された一対の雌型連結部40(挿入口48、開口孔641)の横幅方向の位置が合致するように調整されている。上記のように、第2底板部620には、第2インバート継手板32Rの横ずれを抑制するストッパー部材621a,621bが設けられているため、ストッパー部材621a,621bにガイドされた状態で第2底板部620上を第2インバート継手板32Rが摺動することで、第2インバート継手板32Rに凸設された一対の雄型連結部50と第2連結用継手板640Rに凹設された一対の雌型連結部40(挿入口48、開口孔641)の横幅方向の位置および高さ位置が合致した状態で、第2インバート継手板32Rを第2連結用継手板640Rに接近させることができる。
以上のように、本実施形態においては、重機によって長さ調整用鋼製支保工60を上方にリフトすることで、第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)に凸設された一対の雄型連結部50と第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)に凹設された一対の雌型連結部40の平面位置(横位置および高さ)を合致させた状態で、第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)を第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)に接近させることができる。そのため、第1インバ
ート継手板32L(第2インバート継手板32R)に凸設された一対の雄型連結部50の雄型係止部材51を第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)の開口孔641を通じて、雌型連結部40の挿入口48に挿入させることができる。なお、本実施形態において、雄型係止部材51の外径は、開口孔641および雌型連結部40(ケーシング41)の挿入口48よりも若干小径で、且つ、各雌型係止部材46がテーパ穴43(テーパ面43a)の最前進位置に配置された状態で、各雌型係止部材46によって形成される雌ネジ穴の直径よりも若干大径に設定されている。
第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)に凸設された雄型係止部材51が第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)の開口孔641を通じて雌型連結部40の挿入口48に挿入されると、押圧ばね44の押圧力によって前端部にテーパ穴43(テーパ面43a)の最前進位置に位置決めされている各雌型係止部材46の前端面46cに雄型係止部材51の先端部51dが当接する。そして、雄型係止部材51が押圧ばね44の押圧力に抗して、各雌型係止部材46をテーパ面43aに沿って、雌型連結部40(ケーシング41)の軸方向後方に向かって後退させることで、各雌型係止部材46におけるテーパ面46aの雌ネジ46bによって形成されている雌ネジ穴を拡径しつつ雄型係止部材51が収納室42内に挿入される。
そして、第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)の外面320aと第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)の外面640aとが当接することで面接触し、雌型連結部40における収納室42内への雄型係止部材51の挿入が完了することで、それ以上の収納室42内への雄型係止部材51の挿入が停止されると、各雌型係止部材46は押圧ばね44の押圧力によって前方(先方)に押し戻されると共に、各雌型係止部材46のテーパ面46aによって形成される雌ネジ穴が縮径する。その結果、図12に示すように、雌型連結部40における各雌型係止部材46の雌ネジ46b(雌側係止溝)及び雄型連結部50における雄型係止部材51の雄ネジ51c(雄側係止溝)が相互に噛合する。これによって、第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)と第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)が面接触した状態で接合される。その結果、図4、6等に示したように、左右一対の左側インバート鋼製支保工30Lおよび右側インバート鋼製支保工30Rが長さ調整用鋼製支保工60を介して一体に連結される。
ここで、図12に示したように、雌型連結部40の雌ネジ46bと雄型連結部50(雄型係止部材51)の雄ネジ51cが噛合した状態で、第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)と第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)を離反する方向に外力が作用した場合、雌型連結部40における収納室42から雄型係止部材51を引き抜く方向に引き抜き力が作用する。この引き抜き力は、互いに噛み合う雄ネジ51cと雌ネジ46bを介して各雌型係止部材46に伝達される。ところで、各雌型係止部材46のテーパ面46aは後方側から前方にかけて外径が徐々に縮小している。そのため、上記引き抜き力が各雌型係止部材46に作用しても、各雌型係止部材46がテーパ穴43の前方に向かって変位することが制限される。すなわち、雌型連結部40の収納室42から雄型係止部材51を引き抜く方向に外力が作用しても、当該外力に対抗して連結状態を維持することができる。
つまり、本実施形態においては、雌型連結部40の挿入口48から雄型連結部50(雄型係止部材51)を挿入する動作だけで、雌型連結部40に対して雄型連結部50が連結されるため、簡単に長さ調整用鋼製支保工60を左側インバート鋼製支保工30Lおよび右側インバート鋼製支保工30Rに対して一体に接合することができる。また、雌型連結部40における収納室42から雄型係止部材51を引き抜く方向に引き抜き力が作用しても、雌型連結部40および雄型連結部50の連結が解除されることを抑制できる。
以上のように、本実施形態においては、第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)に凸設された一対の雄型連結部50と第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)に凹設された一対の雌型連結部40をワンタッチで接合することができ、従来のようにボルトおよびナットの締結を人手作業で行うことが不要となる。従って、左右一対の左側インバート鋼製支保工30Lおよび右側インバート鋼製支保工30Rの連結作業時に、作業者が揚重機に接触する接触事故や、各インバート鋼製支保工30L,30Rや長さ調整用鋼製支保工60への作業者手足の挟まれ事故を好適に抑制できる。つまり、インバート鋼製支保工の施工時における安全性や施工性を従来よりも向上させることができる。
左側インバート鋼製支保工30Lおよび右側インバート鋼製支保工30Rの連結の完了後は、左側下半鋼製支保工20Lにおける左側下半継手部24Lの左側下半継手板240Lと、左側インバート鋼製支保工30Lにおける第1インバート接合板31Lとのボルト本締めを行う。同様に、右側下半鋼製支保工20Rにおける右側下半継手部24Rの右側下半継手板240Rと、右側インバート鋼製支保工30Rにおける第2インバート接合板31Rとのボルト本締めを行う。そして、これらの本締めを行った後、下半鋼製支保工20L,20Rの両脚部と、インバート鋼製支保工30L,30R、および長さ調整用鋼製支保工60に対して吹付けコンクリートの吹付けを行うことでインバート施工が完了し、トンネルTの断面全周が閉合することで力学的安定性が確保される。
更に、本実施形態においては、図10に示したように、雄型係止部材51の先端部51dには、先端に向かって縮径するテーパ面51eが形成されている。このため、左側インバート鋼製支保工30L(右側インバート鋼製支保工30R)と長さ調整用鋼製支保工60を連結する際に、雌型連結部40の挿入口48と雄型係止部材51の中心位置が相対的に多少ずれていたとしても、第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)の開口孔641の縁部に沿って雄型係止部材51のテーパ面51eを摺動させることで、雌型連結部40における挿入口48と、雄型係止部材51の中心同士の位置ずれ量が減少する方向に雄型係止部材51をガイドし、雄型係止部材51を雌型連結部40の挿入口48へと円滑に導くことができる。なお、雄型係止部材51の先端部51dに形成するテーパ面51eのディテールは適宜変更できる。例えば、雄型係止部材51の先端部51dを円錐形状として形成しても良い。この場合、当該円錐形状の側面がテーパ面51eとして形成される。
<変形例>
図13は、実施形態1の変形例に係る連結構造を説明する図である。本変形例に係る第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)に形成された開口孔641は、第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)の厚さ方向における内面640bから外面640aにかけて拡径するテーパ面641aを有している。このように、第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)の開口孔641にテーパ面641aを形成することで、左側インバート鋼製支保工30L(右側インバート鋼製支保工30R)と長さ調整用鋼製支保工60を連結する際に、雌型連結部40の挿入口48と雄型係止部材51の中心位置が相対的に多少ずれていたとしても、開口孔641におけるテーパ面641aを雄型係止部材51が摺動することで、雌型連結部40における挿入口48と雄型係止部材51の中心同士の位置ずれ量が小さくなる方向に雄型係止部材51をガイドすることができる。これによれば、雄型係止部材51を雌型連結部40の挿入口48へと円滑に導くことができる。
また、上記実施形態においては、第1インバート継手板32Lおよび第2インバート継手板32Rに雄型連結部50を凸設し、第1連結用継手板640Lおよび第2連結用継手
板640Rに一対の雌型連結部40を凹設する例を説明したが、これには限られず、雄型連結部50を凸設する側と、雌型連結部40を凹設する側とを入れ替えても良い。例えば、第1連結用継手板640L(第2連結用継手板640R)に雄型連結部50を設け、第1インバート継手板32L(第2インバート継手板32R)に雌型連結部40を設けても良い。また、上記実施形態では、長さ調整用鋼製支保工60を重機によって上方に吊り上げながら、長さ調整用鋼製支保工60を介して左側インバート鋼製支保工30Lおよび右側インバート鋼製支保工30Rを連結する態様を説明したが、長さ調整用鋼製支保工60の吊り上げは重機以外で行っても良い。例えば、ウインチ等といった巻き上げ機の動力を利用して長さ調整用鋼製支保工60を吊り上げても良い。
以上、本発明の実施形態および変形例を説明したが、本発明に係るインバート鋼製支保工の連結構造はこれらに限られず、可能な限りこれらを組み合わせることができる。
1・・・鋼製支保構造
10・・・上半鋼製支保工
10L・・・左側上半鋼製支保工
10R・・・右側上半鋼製支保工
20L・・・左側下半鋼製支保工
20R・・・右側下半鋼製支保工
30L・・・左側インバート鋼製支保工
30R・・・右側インバート鋼製支保工
40・・・雌型連結部
50・・・雄型連結部
51・・・雄型係止部材
60・・・長さ調整用鋼製支保工
600・・・支保工本体
610・・・第1底板部
620・・・第2底板部

Claims (4)

  1. トンネルの下半鋼製支保工の両脚部に一端がそれぞれ接合された、トンネル底部に設置される一対のインバート鋼製支保工の連結構造であって、
    前記一対のインバート鋼製支保工の他端にそれぞれ設けられた第1インバート継手板および第2インバート継手板と、
    前記一対のインバート鋼製支保工の間に介在すると共に、前記一対のインバート鋼製支保工同士を連結する長さ調整用鋼製支保工と、
    を備え、
    前記長さ調整用鋼製支保工は、
    前記第1インバート継手板と接合される第1連結用継手板と、
    前記第2インバート継手板と接合される第2連結用継手板と、
    前記第1インバート継手板および前記第1連結用継手板の一方に凸設された第1雄型連結部と、他方に凹設されると共に当該第1雄型連結部を挿入可能な第1雌型連結部と、
    前記第2インバート継手板および前記第2連結用継手板の一方に凸設された第2雄型連結部と、他方に凹設されると共に当該第2雄型連結部を挿入可能な第2雌型連結部と、
    を有し、
    且つ、前記第1インバート継手板および前記第2インバート継手板を支持する第1および第2の底板部が、前記第1連結用継手板および前記第2連結用継手板の下縁から前記長さ調整用鋼製支保工の軸方向に沿って延設されており、
    前記第1雌型連結部が前記第1雄型連結部を係止し、前記第2雌型連結部が前記第2雄型連結部を係止することで、前記一対のインバート鋼製支保工のそれぞれに前記長さ調整用鋼製支保工が連結され
    前記一対のインバート鋼製支保工に対する前記長さ調整用鋼製支保工の連結時に、前記第1および第2の底板部に前記第1インバート継手板および前記第2インバート継手板が支持された状態で前記長さ調整用鋼製支保工が上方に吊り上げられることで、前記第1雌型連結部および前記第2雌型連結部に対して、前記第1雄型連結部および前記第2雄型連結部がそれぞれガイドされる、
    インバート鋼製支保工の連結構造。
  2. トンネルの下半鋼製支保工の両脚部に一端がそれぞれ接合された、トンネル底部に設置される一対のインバート鋼製支保工同士を連結する連結方法であって、
    前記一対のインバート鋼製支保工の他端にはそれぞれ第1インバート継手板および第2インバート継手板が設けられており、
    前記連結方法は、
    前記第1インバート継手板と接合される第1連結用継手板と、前記第2インバート継手板と接合される第2連結用継手板と、前記第1インバート継手板および前記第1連結用継手板の一方に凸設された第1雄型連結部と他方に凹設されると共に当該第1雄型連結部を挿入可能な第1雌型連結部と、前記第2インバート継手板および前記第2連結用継手板の一方に凸設された第2雄型連結部と他方に凹設されると共に当該第2雄型連結部を挿入可能な第2雌型連結部と、前記第1連結用継手板および前記第2連結用継手板の下縁から前記長さ調整用鋼製支保工の軸方向に沿ってそれぞれ延設されると共に前記第1インバート継手板および前記第2インバート継手板を支持する第1および第2の底板部と、を有する、長さ調整用鋼製支保工をインバート盤上に載置する長さ調整用鋼製支保工設置工程と、
    前記長さ調整用鋼製支保工の前記第1の底板部および第2の底板部にそれぞれ前記第1インバート継手板および前記第2インバート継手板を載置するインバート継手板載置工程と、
    前記長さ調整用鋼製支保工を上方に吊り上げることで、前記第1雌型連結部によって前記第1雄型連結部を係止すると共に前記第2雌型連結部によって前記第2雄型連結部を係止することで、前記一対のインバート鋼製支保工のそれぞれに前記長さ調整用鋼製支保工を連結する吊り上げ連結工程と、
    を含む、
    インバート鋼製支保工の連結方法。
  3. 前記吊り上げ連結工程において、前記長さ調整用鋼製支保工を重機によって上方に吊り上げる、
    請求項に記載のインバート鋼製支保工の連結方法。
  4. 前記インバート継手板載置工程において、前記第1インバート継手板と前記第1連結用継手板が対向しつつ互いに離反し、前記第2インバート継手板と前記第2連結用継手板が対向しつつ互いに離反した状態で配置されるように、前記第1の底板部および第2の底板部にそれぞれ前記第1インバート継手板および前記第2インバート継手板を載置し、
    前記吊り上げ連結工程において前記長さ調整用鋼製支保工が上方に吊り上げられることで、前記第1の底板部上を前記第1インバート継手板が摺動すると共に前記第2の底板部上を前記第2インバート継手板が摺動する結果、前記第1インバート継手板と前記第1連結用継手板が接近すると共に前記第2インバート継手板と前記第2連結用継手板が接近し、前記第1雌型連結部および前記第2雌型連結部に対して前記第1雄型連結部および前記第2雄型連結部がそれぞれガイドされる、
    請求項又はに記載のインバート鋼製支保工の連結方法。
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