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JP7023698B2 - 空気入りタイヤ用ゴム部材の製造方法および空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents
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空気入りタイヤ用ゴム部材の製造方法および空気入りタイヤの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、少なくともゴムウエットマスターバッチを含有するゴム組成物を加硫することにより得られる空気入りタイヤ用ゴム部材の製造方法および空気入りタイヤの製造方法に関する。
従来から、ゴム業界においては、カーボンブラックを含有するゴム組成物を製造する際の加工性や、カーボンブラックの分散性を向上させるために、ゴムウエットマスターバッチを用いることが知られている。これは、カーボンブラックと分散溶媒とを予め一定の割合で混合し、機械的な力でカーボンブラックを分散溶媒中に分散させたカーボンブラック含有スラリー溶液と、ゴムラテックス溶液と、を液相で混合し、その後、酸などの凝固剤を加えて凝固させたものを回収して乾燥するものである。ゴムウエットマスターバッチを用いる場合、カーボンブラックとゴムとを固相で混合して得られるゴムドライマスターバッチを用いる場合に比べて、カーボンブラックの分散性に優れ、加工性や補強性などのゴム物性に優れるゴム組成物が得られる。このようなゴム組成物を原料とすることで、例えば転がり抵抗が低減され、耐疲労性や補強性に優れた空気入りタイヤなどのゴム製品を製造することができる。
ゴムウエットマスターバッチを製造する技術において、特にカーボンブラック含有スラリー溶液の製造工程について検討した報告例は多数存在する。
例えば下記特許文献1では、亜鉛華とカーボンブラックとを同時に高せん断ミキサーを用いて分散させる亜鉛華含有ゴムウエットマスターバッチの製造方法が記載されている。また、下記特許文献2では、カーボンブラックおよびスメクタイト系粉体を水スラリー状で湿式混合する予備混合工程を有するゴム組成物の製造方法が記載されている。
また、下記特許文献3では、カーボンブラックの添加量を120gとしたとき、シリカを100g(カーボンブラックの添加量を100質量%としたとき、シリカを83質量%)添加し、界面活性剤の不存在下、高せん断ミキサーを用いて水分散させることによりスラリー溶液を調製する工程を含むゴムウエットマスターバッチの製造方法が記載されている。
特開2006-213791号公報 特開2002-256109号公報 特開2006-219593号公報
しかしながら、本発明者が鋭意検討した結果、上記先行技術ではカーボンブラックの分散性向上の点で、さらなる改良の余地があることが判明した。具体的には、前記特許文献1ではカーボンブラック含有スラリー溶液を製造する際、亜鉛華を配合しているが、亜鉛華はカーボンブラックの分散性向上には寄与しない。同様に、前記特許文献2におけるスメクタイト系粉体もカーボンブラックの分散性向上には寄与しない。なお、前記特許文献3では、カーボンブラック含有スラリー溶液を製造する際、シリカを添加しているが、カーボンブラックの添加量に対するシリカの添加量が非常に多く、カーボンブラックの分散性に優れたスラリー溶液、さらにはこれを原料として得られるゴムウエットマスターバッチは製造できないことが判明した。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、カーボンブラックの分散性に優れ、低発熱性および補強性に優れたゴム部材の製造方法および該ゴム部材を備える空気入りタイヤの製造方法を提供することにある。
本発明は、少なくともゴムウエットマスターバッチを含有するゴム組成物を加硫することにより得られる空気入りタイヤ用ゴム部材の製造方法であって、前記ゴムウエットマスターバッチが、下記工程(i)~(iii);
工程(i):無機充填材存在下、カーボンブラックを分散溶媒中に分散させてスラリー溶液を製造する工程
工程(ii):前記スラリー溶液とゴムラテックス溶液とを混合して、スラリー含有ゴムラテックス溶液を製造する工程
工程(iii):前記スラリー含有ゴムラテックス溶液を凝固・乾燥させることによりゴムウエットマスターバッチを製造する工程
(ただし、前記無機充填材のモース硬度が5以上であり、前記工程(i)において、前記カーボンブラックの添加量を100質量%としたとき、前記無機充填材の添加量が50質量%未満である)を経由して製造されることを特徴とする空気入りタイヤ用ゴム部材の製造方法に関する。
本発明に係る空気入りタイヤ用ゴム部材の製造方法では、原料として使用するゴムウエットマスターバッチの製造工程に特徴があり、具体的には下記(i)~(iii)を経由して製造される。まず、カーボンブラックを分散溶媒中に分散させてスラリー溶液を製造する工程(i)において、モース硬度が5以上である無機充填材存在下で、カーボンブラックを分散溶媒中に分散させる。モース硬度が5以上である無機充填材はカーボンブラックより硬く、カーボンブラックを分散溶媒中に分散させる際、無機充填材により、カーボンブラックが破砕されつつ分散する。その結果、無機充填材およびカーボンブラックを含有するスラリー溶液中でのカーボンブラックの分散性が非常に高まるため、工程(ii)および工程(iii)を経由しても、最終的に製造されるゴムウエットマスターバッチ中でのカーボンブラックの分散性が向上する。ゴムウエットマスターバッチ中でのカーボンブラックの分散性に優れる結果、これを含有するゴム組成物を加硫し、ゴム部材としても、同様にカーボンブラックの分散性に優れる。その結果、かかるゴム部材は低発熱性および補強性に優れる。
ただし、本発明においては、工程(i)において、カーボンブラックの添加量を100質量%としたとき、無機充填材の添加量を50質量%未満にする必要がある。カーボンブラックの添加量を100質量%としたとき、無機充填材の添加量を50質量%未満とすることにより、スラリー溶液中のカーボンブラックの凝集塊に無機充填材が入り込み、均一にカーボンブラックが分散したスラリー溶液を製造することができる。一方、カーボンブラックの添加量を100質量%としたとき、無機充填材の添加量が50質量%を超えると、過剰な無機充填材が却ってカーボンブラックの分散性を悪化させ、さらには無機充填材自体の分散性も悪化するため好ましくない。
上記製造方法において、前記工程(i)が、高せん断ミキサーを用いて、前記カーボンブラックを前記分散溶媒中に分散させる工程であることが好ましい。カーボンブラックを分散溶媒中に分散させる際、高せん断ミキサーを使用することにより、無機充填材によるカーボンブラックの破砕効果がより高まるため、カーボンブラック含有スラリー溶液中、さらには最終的に製造されるゴムウエットマスターバッチ中でのカーボンブラックの分散性がより向上する。これにより、同様にゴム部材中でのカーボンブラックの分散性がより向上するため、ゴム部材の低発熱性および補強性もより向上する。
上記製造方法において、前記ゴム部材がトレッド部材であることが好ましい。トレッド部材は空気入りタイヤを構成するゴム部材の中でも、特に低発熱性と補強性が要求されるが、前記製造工程を経由して製造されたゴムウエットマスターバッチを原料として製造されたトレッド部材は、カーボンブラックの分散性に優れるため、低発熱性および補強性が向上する。
また、本発明はゴム部材を備える空気入りタイヤの製造方法であって、前記ゴム部材が前記いずれかの製造方法により製造されることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法に関する。前記ゴム部材はカーボンブラックの分散性に優れるため、これを備える空気入りタイヤの低発熱性および補強性も向上する。
本発明に係る空気入りタイヤ用ゴム部材の製造方法では、原料として使用するゴムウエットマスターバッチの製造工程に特徴があり、かかるゴムウエットマスターバッチは、少なくともカーボンブラック、無機充填材、分散溶媒、およびゴムラテックス溶液を原料として得られる。
本発明において、カーボンブラックとしては、例えばSAF、ISAF、HAF、FEF、GPFなど、通常のゴム工業で使用されるカーボンブラックの他、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどの導電性カーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックは、通常のゴム工業において、そのハンドリング性を考慮して造粒された、造粒カーボンブラックであってもよく、未造粒カーボンブラックであってもよい。ゴムウエットマスターバッチを原料として得られるゴム組成物中のゴム成分の全量を100質量部としたとき、カーボンブラックの配合量は10~80質量部であることが好ましく、20~60質量部であることがより好ましい。
無機充填材としては、モース硬度が5以上のものを使用する。モース硬度は、1から10までの整数値に対応する10種の標準鉱物を用い、対象物質を標準鉱物で順次ひっかいて硬度を決める。数値が大きいほど硬いことを表す。標準鉱物は以下のとおりである。滑石(モース硬度1)、石膏(モース硬度2)、方解石(モース硬度3)、蛍石(モース硬度4)、燐灰石(モース硬度5)、正長石(モース硬度6)、石英(モース硬度7)、トパーズ(モース硬度8)、コランダム(モース硬度9)、ダイヤモンド(モース硬度10)。モース硬度が5以上の無機充填材としては、例えばシリカ(モース硬度(7))、アルミナ(モース硬度9)などが挙げられる。なお、シリカのモース硬度は、シリカを構成する二酸化珪素のモース硬度に基づき決定した。ゴムウエットマスターバッチを原料として得られるゴム組成物中のゴム成分の全量を100質量部としたとき、無機充填材の配合量は1~40質量部であることが好ましく、3~30質量部であることがより好ましい。なお、工程(i)における、カーボンブラックの添加量に対する無機充填材の添加量については後述する。
シリカとしては、たとえば、湿式シリカ、乾式シリカを用いることができる。なかでも、含水ケイ酸を主成分とする湿式シリカを用いることが好ましい。
分散溶媒としては、特に水を使用することが好ましいが、例えば有機溶媒を含有する水であってもよい。
ゴムラテックス溶液としては、天然ゴムラテックス溶液および合成ゴムラテックス溶液を使用することができる。
天然ゴムラテックス溶液は、植物の代謝作用による天然の生産物であり、特に分散溶媒が水である、天然ゴム/水系のものが好ましい。天然ゴムラテックス溶液については濃縮ラテックスやフィールドラテックスといわれる新鮮ラテックスなど区別なく使用できる。合成ゴムラテックス溶液としては、例えばスチレン-ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴムを乳化重合により製造したものがある。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤ用ゴム部材の製造方法について説明する。かかる製造方法は、原料として使用するゴムウエットマスターバッチの製造工程に特徴があり、具体的には下記(i)~(iii)を経由して製造される。
工程(i):無機充填材存在下、カーボンブラックを分散溶媒中に分散させてスラリー溶液を製造する工程、
工程(ii):前記スラリー溶液とゴムラテックス溶液とを混合して、スラリー含有ゴムラテックス溶液を製造する工程、
工程(iii):前記スラリー含有ゴムラテックス溶液を凝固・乾燥させることによりゴムウエットマスターバッチを製造する工程。
(1)工程(i)
工程(i)では、無機充填材存在下、カーボンブラックを分散溶媒中に分散させて、無機充填材およびカーボンブラックを含有するスラリー溶液を製造する。分散溶媒中へのカーボンブラックの添加タイミングとしては、分散溶媒中に無機充填材を予め添加し、必要に応じて無機充填材を分散溶媒中に分散させた後、カーボンブラックを添加してもよく、分散溶媒中にカーボンブラックと無機充填材とを同時に添加してもよい。工程(i)において、分散溶媒中のカーボンブラックの濃度は、作業性などを考慮して適宜調整可能であるが、カーボンブラックの分散性を考慮した場合、2~15質量%程度が好ましい。
工程(i)における、カーボンブラックの添加量に対する無機充填材の添加量は50質量%未満とする。均一にカーボンブラックが分散したスラリー溶液を製造するためには、カーボンブラックの添加量に対する無機充填材の添加量を45質量%未満とすることがより好ましい。なお、カーボンブラックの添加量に対する無機充填材の添加量が著しく少ない場合、カーボンブラックを分散溶媒中に分散させる際、無機充填材による破砕が十分に進行し難くなる。このため、カーボンブラックの添加量に対する無機充填材の添加量を5質量%以上とすることが好ましく、10質量%以上とすることがより好ましい。
工程(i)において、無機充填材存在下、カーボンブラックを分散溶媒中に分散させる方法としては、高せん断ミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミルなどの一般的な分散機を使用してカーボンブラックを分散させる方法が挙げられる。特に本発明においては、工程(i)において、高せん断ミキサーを用いて、無機充填材存在下、カーボンブラックを分散溶媒中に分散させることが好ましい。
上記「高せん断ミキサー」とは、ローターとステーターとを備えるミキサーであって、高速回転が可能なローターと、固定されたステーターと、の間に精密なクリアランスを設けた状態でローターが回転することにより、高せん断作用が働くミキサーを意味する。このような高せん断作用を生み出すためには、ローターとステーターとのクリアランスを0.8mm以下とし、ローターの周速を5m/s以上とすることが好ましい。このような高せん断ミキサーは、市販品を使用することができ、例えばSILVERSON社製「ハイシアーミキサー」が挙げられる。
(2)工程(ii)
工程(ii)では、スラリー溶液とゴムラテックス溶液とを混合して、スラリー含有ゴムラテックス溶液を製造する。スラリー溶液と、ゴムラテックス溶液とを液相で混合する方法は特に限定されるものではなく、スラリー溶液およびゴムラテックス溶液とを高せん断ミキサー、ハイシアーミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミルなどの一般的な分散機や円筒状容器内でブレードが回転する混合機を使用して混合する方法が挙げられる。必要に応じて、混合の際に分散機などの混合系全体を加温してもよい。
(3)工程(iii)
工程(iii)では、まずスラリー含有ゴムラテックス溶液を凝固して、カーボンブラック含有ゴム凝固物を製造する。凝固方法としては、スラリー含有ゴムラテックス溶液中に凝固剤を含有させる方法が例示可能である。この場合、凝固剤としては、ゴムラテックス溶液の凝固用として通常使用されるギ酸、硫酸などの酸や、塩化ナトリウムなどの塩を使用することができる。次いで工程(iii)では、得られたカーボンブラック含有ゴム凝固物を脱水・乾燥することにより、最終的にゴムウエットマスターバッチを製造する。得られたカーボンブラック含有ゴム凝固物の脱水・乾燥方法としてはたとえば、単軸押出機を使用し、100~250℃に加熱しつつ、カーボンブラック含有ゴム凝固物にせん断力を付与しながら脱水・乾燥することが可能である。なお、脱水・乾燥の前に、必要に応じて、カーボンブラック含有ゴム凝固物が含む水分量を適度に低減する目的として、例えば、遠心分離や振動スクリーンを使用した固液分離工程を設けてもよく、あるいは、洗浄を目的として、水洗法などの洗浄工程などを設けてもよい。また、ゴムウエットマスターバッチをさらに乾燥するために、オーブン、真空乾燥機、エアードライヤーなどの各種乾燥装置を使用することができる。
前記工程(iii)の後、得られたゴムウエットマスターバッチに各種ゴム配合剤を乾式混合することによりゴム組成物を製造する。使用可能なゴム配合剤としては、例えば、硫黄系加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、シリカ、シランカップリング剤、酸化亜鉛、メチレン受容体およびメチレン供与体、ステアリン酸、加硫促進助剤、加硫遅延剤、有機過酸化物、ワックスやオイルなどの軟化剤、加工助剤などの通常ゴム工業で使用される配合剤が挙げられる。
硫黄系加硫剤としての硫黄は通常のゴム用硫黄であればよく、例えば粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などを用いることができる。本発明に係るゴム組成物における硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して0.3~6質量部であることが好ましい。硫黄の含有量が0.3質量部未満であると、加硫ゴムの架橋密度が不足してゴム強度などが低下し、6質量部を超えると、特に耐熱性および耐久性の両方が悪化する。加硫ゴムのゴム強度を良好に確保し、耐熱性と耐久性をより向上するためには、硫黄の含有量がゴム成分100質量部に対して1.5~5.5質量部であることがより好ましく、2.0~4.5質量部であることがさらに好ましい。
加硫促進剤としては、ゴム加硫用として通常用いられる、スルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などの加硫促進剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して1.0~5.0質量部であることがより好ましく、1.5~4.0質量部であることがさらに好ましい。
老化防止剤としては、ゴム用として通常用いられる、芳香族アミン系老化防止剤、アミン-ケトン系老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤などの老化防止剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して0.5~6.0質量部であることがより好ましく、1.0~4.5質量部であることがさらに好ましい。
上述のとおり、工程(iii)で得られるゴムウエットマスターバッチは、カーボンブラックの分散性に優れる。このため、かかるゴムウエットマスターバッチを含有するゴム組成物を用いて製造された空気入りタイヤ、具体的にはトレッドゴム、サイドゴム、プライもしくはベルトコーティングゴム、またはビードフィラーゴムに本発明に係るゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、たとえば低発熱性および補強性が両立したゴム部材を備える。上述したゴム部材は、工程(iii)で得られるゴムウエットマスターバッチを含有するゴム組成物を使用し、当業者に公知の手法により成型することにより製造することができる。また、個々に製造された未加硫のゴム部材を組み合わせて生タイヤを製造し、適宜加硫成型を行うことにより、空気入りタイヤを製造することができる。かかる空気入りタイヤは、構成されるゴム部材が低発熱性および補強性に優れるため、空気入りタイヤとしても同様に低発熱性および補強性に優れる。
以下に、この発明の実施例を記載してより具体的に説明する。
(使用原料)
a)カーボンブラック
カーボンブラック「N134」;「シースト9H」(東海カーボン社製)
カーボンブラック「N234」;「シースト7HM」(東海カーボン社製)
カーボンブラック「N339」:「シーストKH」(東海カーボン社製)
b)無機充填材
シリカ1;「Ultrasil7000GR」(エボニック社製)、モース硬度7、BET比表面積170m/g
シリカ2;「Ultrasil9100GR」(エボニック社製)、モース硬度7、BET比表面積235m/g
アルミナ;「AS-50」、(昭和電工社製)、モース硬度9
c)分散溶媒 水
d)ゴムラテックス溶液
天然ゴムラテックス溶液(NRフィールドラテックス);(Golden Hope社製)(DRC=31.2%のものをゴム濃度が25質量%となるように調整
e)凝固剤 ギ酸(一級85%、10%溶液を希釈して、pH1.2に調整したもの);「ナカライテスク社製」
f)合成ゴム;「BR150L」、(宇部興産社製)
g)亜鉛華 亜鉛華1号;(三井金属社製)
h)ステアリン酸;「ルナックS-20」、(花王社製)
i)ワックス;「OZOACE0355」、(日本精蝋社製)
j)老化防止剤
(A)N-フェニル-N’-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン「ノクラック6C」、(大内新興化学工業社製)
(B)2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体「ノクラックRD」、(大内新興化学工業社製)
k)シランカップリング剤;「Si69」、(エボニック社製)
l)硫黄、(鶴見化学工業社製)
m)加硫促進剤
N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド;「サンセラーCM」、(三新化学工業社製)
実施例1~7
分散溶媒としての水に表1に記載の量のカーボンブラックおよび無機充填材を同時に添加し、高せん断ミキサーであるシルバーソン社製粉液混合ミキサー(フラッシュブレンド)を使用してカーボンブラックを分散させることにより(該フラッシュブレンドの条件:3600rpm、30分)、カーボンブラックおよび無機充填材を含有するスラリー溶液を製造した(工程(i))。得られたスラリー溶液に、固形分で表1に記載の量の天然ゴムラテックス溶液を添加し、カワタ社製混合機(スーパーミキサーSM-20)を使用して混合し(ミキサー条件1000rpm、30分)、スラリー含有天然ゴムラテックス溶液を製造した(工程(ii))。
工程(ii)で製造されたスラリー含有天然ゴムラテックス溶液に、凝固剤としての蟻酸を溶液全体がpH4となるまで添加し、カーボンブラック含有天然ゴム凝固物を製造した。得られたカーボンブラック含有天然ゴム凝固物に対し、固液分離工程を実施し、次いでスエヒロEPM社製スクリュープレスV-02型に投入し、乾燥することでゴムウエットマスターバッチを製造した(工程(iii))。表1中の配合比率は、天然ゴムラテックス溶液中のゴム成分(固形分)の全量を100質量部としたときの質量部(phr)で示す。
得られたゴムウエットマスターバッチに、表1に記載の各種ゴム配合剤を添加し、バンバリーミキサーを用いて乾式混合することにより、ゴム組成物を製造した。なお、表1中の配合比率は、天然ゴムラテックス溶液中のゴム成分(固形分)の全量を100質量部としたときの質量部(phr)で示す。
実施例8
ゴムウエットマスターバッチ製造段階で、天然ゴム(固形分)を80質量部としてゴムウエットマスターバッチを製造し、各種ゴム配合剤を添加し、バンバリーミキサーを用いて乾式混合する際、合成ゴムを20質量部添加し、乾式混合することにより、ゴム組成物を製造した。
比較例1~4
比較例1,2,3においては、ゴムウエットマスターバッチを製造することに代えて、天然ゴム(RSS#3)、カーボンブラック、シリカおよび表1に記載の各種ゴム配合剤を添加し、乾式混合することによりゴム組成物を製造した。比較例4においては、ゴムウエットマスターバッチを製造することに代えて、天然ゴム(RSS#3)、合成ゴム、カーボンブラック、シリカおよび表1に記載の各種ゴム配合剤を添加し、乾式混合することによりゴム組成物を製造した。
(評価)
評価は、各ゴム組成物を所定の金型を使用して、150℃で30分間加熱、加硫して得られたゴムについて行った。
(低発熱性)
株式会社東洋精機製作所製の粘弾性試験機を用いて、初期歪み10%、動的歪み1%、周波数10Hz、温度60℃の条件下で損失係数tanδを測定した。評価は、実施例1~5に関しては比較例1のtanδを100とした指数評価で示し、同様に実施例6,7,8についてはそれぞれ比較例2,3,4のtanδを100とした指数評価で示した。数値が低いほど、ゴム部材中のカーボンブラックの分散性に優れるため、低発熱性に優れることを意味する。
(補強性)
JIS3号ダンベルを使用して作製したサンプルをJIS-K 6251に準拠して、得られた加硫ゴムの(破断強度)(MPa)および(破断時伸び)(%)を測定し、測定値より、(破断強度)×(破断時伸び)で求まる(抗張積)を算出した。評価は、実施例1~5に関しては比較例1の(抗張積)を100とした指数評価で示し、同様に実施例6,7,8についてはそれぞれ比較例2,3,4の(抗張積)を100とした指数評価で示した。数値が高いほど、ゴム部材中のカーボンブラックの分散性に優れるため、補強性に優れることを意味する。
Figure 0007023698000001
Figure 0007023698000002
表1の結果から、実施例1~8で製造されたゴムウエットマスターバッチ中のカーボンブラックの分散性が優れるため、最終的に得られる加硫ゴム(ゴム部材)中のカーボンブラックの分散性も向上したことがわかる。

Claims (4)

  1. 少なくともゴムウエットマスターバッチを含有するゴム組成物を加硫することにより得られる空気入りタイヤ用ゴム部材の製造方法であって、
    前記ゴムウエットマスターバッチが、下記工程(i)~(iii);
    工程(i):無機充填材存在下、カーボンブラックを分散溶媒中に分散させてスラリー溶液を製造する工程
    工程(ii):前記スラリー溶液とゴムラテックス溶液とを混合して、スラリー含有ゴムラテックス溶液を製造する工程
    工程(iii):前記スラリー含有ゴムラテックス溶液を凝固・乾燥させることによりゴムウエットマスターバッチを製造する工程(ただし、前記無機充填材がアルミナであり、前記工程(i)において、前記カーボンブラックの添加量を100質量%としたとき、前記無機充填材の添加量が50質量%未満である)を経由して製造されることを特徴とする空気入りタイヤ用ゴム部材の製造方法。
  2. 前記工程(i)が、高せん断ミキサーを用いて、前記カーボンブラックを前記分散溶媒中に分散させる工程である請求項1に記載の空気入りタイヤ用ゴム部材の製造方法。
  3. 前記ゴム部材がトレッド部材である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ用ゴム部材の製造方法。
  4. ゴム部材を備える空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記ゴム部材が請求項1~3のいずれかの製造方法により製造されることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
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