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JP7025835B2 - ボルト締結方法 - Google Patents
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Description

本発明は、ボルトとメネジとの間に被締結物が介在し、ボルトで被締結物を締結する締結部を備えるボルト締結構造によるボルト締結方法に関する。
従来、固定部材に締結用板金をネジにより締め付け固定する際、固定部材に設けた位置決めピンを、締結用板金に開口した貫通孔に挿通させることより、固定部材に対して締結用板金を位置決めする締結機構が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011-157998号公報
しかしながら、従来の締結機構にあっては、締結用板金の位置決め機能を発揮させるために二つの位置決めピンと二つの貫通孔とを、それぞれの位置精度を管理しながら設ける必要がある。このため、サイズが大型化するしコスト増になる、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、ボルトで被締結物を締結する際、小型化と低コスト化を図りながらも被締結物の位置決め機能と回り止め機能を発揮するボルト締結方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、ボルトとメネジとの間に被締結物が介在し、ボルトで被締結物を締結する締結部を備えるボルト締結構造において、締結部として、第1締結部と第2締結部とによる二つの締結部を少なくとも設ける。
第1締結部の被締結物に設けられた第1ボルト穴は、ボルト穴径が軸方向位置によって異なり、第1ボルトのボルト軸径に符合するボルト穴径による基準穴部を軸方向の一部に有する。
第2締結部の被締結物に設けられた第2ボルト穴は、ボルト穴径が径方向位置によって異なり、第2ボルトのボルト軸径に符合するボルト穴径を、第1締結部を中心点とする円上において、第2締結部の接線方向のみに有する。
第1ボルト穴と第2ボルト穴を、被締結物に沿って離れた位置に配置された第1締結部と第2締結部に設け、第1ボルトと第2ボルトとの2本のボルトにより被締結物を位置決め締結するボルト締結方法は、第1ボルトの仮締め手順と、第2ボルトの本締め手順と、第1ボルトの本締め手順と、を有する。
第1ボルトの仮締め手順は、第1締結部において、第1ボルトを基準穴部に仮固定しておく。第2ボルトの本締め手順は、第1締結部とは違うもう一方の第2締結部において、第2ボルトをネジ込みにより本締めする。第1ボルトの本締め手順は、第1締結部において、仮固定している第1ボルトを本締めする
この結果、ボルトで被締結物を締結する際、小型化と低コスト化を図りながらも被締結物の位置決め機能と回り止め機能を発揮することができる。加えて、第1ボルト穴のうち、基準穴部を軸方向の一部に有することで、第1ボルトと第1ボルト穴との接触面積が小さくなり、第1ボルトを締結するときの摩擦抵抗力が小さくなり、第1ボルトのボルト軸力の落ち代を低減することができる。
実施例1のボルト締結方法を実現するボルト締結構造が適用されたインバータユニットにボルト締結により固定された車体取り付け用のブラケットを示す平面図である。 実施例1のボルト締結構造を示す縦断面図である。 実施例1のボルト締結構造を示す横断面図である。 実施例1のボルト締結方法においてボルト軸力の落ち代が低減する比較作用を示す比較作用説明図である。 実施例2のボルト締結構造を示す縦断面図である。 実施例3のボルト締結構造を示す縦断面図である。 実施例4のボルト締結構造を示す縦断面図である。 実施例5のボルト締結構造を示す縦断面図である。 実施例6のボルト締結構造を示す縦断面図である。 実施例7のボルト締結構造を示す縦断面図である。 実施例8のボルト締結構造を示す縦断面図である。
以下、本発明のボルト締結方法を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1~実施例8に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1のボルト締結方法を実現するボルト締結構造1Aが適用されたインバータユニットと車体取り付け用のブラケットを示し、図2及び図3はボルト締結構造1Aを示す縦断面図及び横断面図である。以下、図1~図3に基づいて、実施例1のボルト締結構造1Aの構成を説明する。
実施例1のボルト締結構造1Aは、図1に示すように、電動車両において、インバータユニットIUを車体に取り付ける際、ユニットケースフランジ3に対して車体取り付け用のブラケット4を、2本のボルトにより位置決め締結する部分に適用したものである。
つまり、ボルトで被締結物を締結する締結部として、ユニットケースフランジ3に沿って離れた位置に配置された第1締結部1と第2締結部2とを有する。そして、ボルトとメネジとの間に介在している被締結物として、ユニットケースフランジ3(第1被締結物)とブラケット4(第2被締結物)とを有する。なお、実施例2~実施例4のボルト締結構造1B~1Dについても、適用箇所は実施例1のボルト締結構造1Aと同様である。
実施例1のボルト締結構造1Aは、図2及び図3に示すように、第1締結部1と、第2締結部2と、ユニットケースフランジ3(第1被締結物)と、ブラケット4(第2被締結物)と、を備えている。ユニットケースフランジ3は、ブラケット4よりも板厚が厚い鋳造部品である。ブラケット4は、ユニットケースフランジ3よりも板厚が薄い鋼鈑部品である。
前記第1締結部1は、第1ボルト11と第1ナット12(第1メネジ)と第1ボルト穴13を有する。第1ボルト11は、ボルト頭部11aとオネジが切られたボルト軸部11bを有する。第1ナット12は、ボルト軸部11bのオネジと螺合するメネジが切られ、板厚が薄い鋼鈑部品であるブラケット4に対して溶接又はカシメにより固定されている。第1ボルト穴13は、ユニットケースフランジ3とブラケット4のうち、板厚が厚い鋳造部品によるユニットケースフランジ3に設けられる。
前記第2締結部2は、第2ボルト21と第2ナット22(第2メネジ)と第2ボルト穴23を有する。第2ボルト21は、ボルト頭部21aとオネジが切られたボルト軸部21bを有する。第2ナット22は、ボルト軸部21bのオネジと螺合するメネジが切られ、板厚が薄い鋼鈑部品であるブラケット4に対して溶接又はカシメにより固定されている。第2ボルト穴23は、ユニットケースフランジ3とブラケット4のうち、板厚が厚い鋳造部品によるユニットケースフランジ3に設けられる。
前記第1ボルト穴13は、図2に示すように、ボルト穴径が軸方向位置によって異なり、第1ボルト11のボルト軸径に符合するボルト穴径L1による基準穴部13aを軸方向の一部に有する。
ここで、「基準穴部13aを軸方向の一部に有する」とは、位置決め機能の確保と、ボルト締結時の摩擦抵抗力の低下とが両立するように、第1ボルト穴13の全長に対する基準穴部13aの軸方向長さを決めることをいう。なお、実施例1では、基準穴部13aの軸方向長さを、第1ボルト穴13の全長の1/4程度としている。
実施例1の第1ボルト穴13は、図2に示すように、ボルト穴径L1による基準穴部13aと、基準穴部13aより大きなボルト穴径L2による大径穴部13bとによる段差穴構成としている。そして、第1ボルト穴13のうち、ボルト側位置に大径穴部13bを配置し、メネジ側位置に基準穴部13aを配置している。
ここで、「第1ボルト11のボルト軸径に符合するボルト穴径L1」とは、第1ボルト11のボルト軸部11bの外径寸法に対し、許容範囲内の位置決め隙間を持たせて設定したボルト穴径寸法にすることをいう。また、「大径穴部13bのボルト穴径L2」とは、第1ボルト11のボルト軸部11bの外径寸法に対し、ボルト軸部11bが穴内壁に接触することが無い十分な遊び隙間を持たせて設定したボルト穴径寸法にすることをいう。
前記第2ボルト穴23は、図3に示すように、ボルト穴径が径方向位置によって異なり、第2ボルト21のボルト軸径に符合するボルト穴径L3を、第1締結部1を中心点C1とする円Sの接線方向に有する。実施例1の第2ボルト穴23は、図3に示すように、ボルト穴径L3を短径とし、第1締結部1の中心点C1と第2締結部2の中心点C2を結ぶ直線SLによる方向のボルト穴径L4を長径とする長円形状に形成されている。
ここで、「第2ボルト21のボルト軸径に符合するボルト穴径L3(=短径)」とは、第2ボルト21のボルト軸部21bの外径に対し、許容範囲内の回転隙間を持たせて設定したボルト穴径寸法にすることをいう。また、「ボルト穴径L4(長径)」とは、第2ボルト21のボルト軸部21bの外径寸法に対し、製造バラツキに対してボルト軸部21bが穴内壁に接触することが隙間を持たせて設定したボルト穴径寸法にすることをいう。なお、ボルト穴径L1,L2,L3,L4の寸法関係としては、例えば、L1≒L3<L2≦L4とする。
次に、作用を説明する。
実施例1のボルト締結構造1Aにおける作用を、「ボルト締結作用」、「ボルト締結構造の共通する特徴作用」、「ボルト締結構造の他の特徴作用」に分けて説明する。
[ボルト締結作用]
実施例1のボルト締結構造1Aによりボルト締結作業を行う際は、(a)第1ボルトの仮締め手順→(b)第2ボルトの本締め手順→(c)第1ボルトの本締め手順によりなされる。以下、各手順について説明する。
(a)第1ボルトの仮締め手順
第1締結部1において、第1ボルト11を基準穴部13aに仮固定しておく。ここで、仮固定とは、第1ボルト11のボルト軸部11bのオネジがメネジと螺合し、第1ボルト11が第1被締結物であるユニットケースフランジ3に着座する手前までのことをいう。
(b)第2ボルトの本締め手順
次に、第1締結部1とは違うもう一方の第2締結部2において、第2ボルト21を第2ナット22に対してネジ込みにより本締めする。このとき、第2ボルト21を右回りにネジ込む途中で、ブラケット4が右回りに回転しようとする。しかし、基準穴部13aに仮固定している第1ボルト11がブラケット4の回転を止めるストッパーとなり、位置決めと第2被締結物であるブラケット4の回転防止の役割を果たす。
(c)第1ボルトの本締め手順
次に、第1締結部1において、仮固定している第1ボルト11を本締めする。このとき、基準穴部13aより大きい大径穴部13bが開いているため、第1ボルト11と第1ボルト穴13との接触面積が小さくなり、第1ボルト11を締結するときの摩擦抵抗力が小さくなり、第1ボルト11のボルト軸力の落ち代が低減される。
第1ボルト11のボルト軸力の落ち代が低減する作用を、図4に基づき説明する。図4の左側に示すように、第1ボルトと第1ボルト穴を、軸方向の全長にわたってボルト穴径を小さく抑えた基準穴とすると、第1ボルトと第1ボルト穴との接触面積が大きくなり、第1ボルトをネジ込み締結するときの摩擦抵抗力F1が大きくなる。このため、第1ボルトに締結力F0を与えながら締結すると、本締め状態において、締結力F0から大きな摩擦抵抗力F1を差し引いたボルト軸力F2になる。
これに対し、図4の右側に示すように、第1ボルト穴13のうち、基準穴部13aを軸方向の一部に有する実施例1の場合は、第1ボルト11と第1ボルト穴13との接触面積が小さくなり、第1ボルト11をネジ込み締結するときの摩擦抵抗力F3が小さくなる。このため、第1ボルト11に締結力F0を与えながら締結すると、本締め状態において、締結力F0から小さな摩擦抵抗力F3を差し引いたボルト軸力F4(>F2)になる。
つまり、「第1ボルト11のボルト軸力の落ち代」とは、第1ボルト11を締結するときに第1ボルト穴13から加わる摩擦抵抗力の大きさをいう。よって、摩擦抵抗力を小さく抑えるほど、第1ボルト11のボルト軸力の落ち代が低減されることになる。
[ボルト締結構造の共通する特徴作用]
まず、背景技術を説明する。ボルト締結構造において、被締結物が回転してしまうことがしばしばある。その対策としては、被締結物を手で押さえて、ボルトを固定する場合もある。ただし、被締結物を手で押さえる場合は、締結トルクが小さい、生産性が低い、精度を要求しない場合であったりする。そのため、回転防止構造を構造物に有しているものが多くある。
例えば、締結部が一つの場合において、被締結物が回転しても問題が無い場合を除き、防止構造としては、特開2002-130221号公報に記載されているように、壁を設けて回転を防止する構造が知られている。また、二つ以上の締結部がある構造においては、特開2011-157998号公報に記載されているように、位置決めピンを二つ設けることで、回転を防止する構造が知られている。
そこで、締結部が2箇所設けられ、位置決めピンが2箇所と設けられているものを従来例とする。この従来例の場合、位置決めピンとしては、メネジが鋳造部品であればステンレス材を使用することが多く、メネジが樹脂成型品であればインサートモールドのピンを使用することが多い。このように、2箇所に位置決めピンを設け、さらに、被締結物にボルト穴を開ける必要があり、その上に、位置決めピンを用いた位置決めであるため、位置決めピン穴の加工も必要とする。そのため、サイズの大型化と、コスト増が課題となっている。
本発明者は、上記課題に対し、ボルト締結構造において必要不可欠な構成要素であるボルトとボルト穴に着目した。そして、それぞれにボルトとボルト穴を有する第1締結部1と第2締結部2との組み合わせにより、位置決めピンと位置決めピン穴を用いることなく、位置決め機能と回り止め機能を発揮させる下記の構成とした。
実施例1では、第1締結部1の第1ボルト穴13は、ボルト穴径が軸方向位置によって異なり、第1ボルト11のボルト軸径に符合するボルト穴径L1による基準穴部13aを軸方向の一部に有する。第2締結部2の第2ボルト穴23は、ボルト穴径が径方向位置によって異なり、第2ボルト21のボルト軸径に符合するボルト穴径L3を、第1締結部1を中心点とする円Sの接線方向に有する。
即ち、第1ボルト11を基準穴部13aに対して挿通することで、第1締結部1の締結位置が許容範囲内に規定される。このとき、第1締結部1を中心としてブラケット4が回転方向に移動することが可能である。しかし、第2ボルト21を第2ボルト穴23に対して挿通することで、第1締結部1を中心とするブラケット4の回転方向位置が許容範囲内に規定される。よって、第1締結部1と第2締結部2の組み合わせにより位置決め機能が発揮される。
また、第1ボルト11を基準穴部13aに仮固定しておいた後、第2ボルト21を第2ナット22に対してネジ込みにより本締めする。この手順により、第2ボルト21のネジ込み締結中、第1ボルト11がブラケット4の回転を止めるストッパーの役割を果たす。よって、第1締結部1と第2締結部2の組み合わせにより回り止め機能が発揮される。
さらに、上記のように、第1ボルト11と第1ボルト穴13を、あたかも第1位置決めピンと第1位置決めピン穴のように使い、第2ボルト21と第2ボルト穴23を、あたかも第2位置決めピンと第2位置決めピン穴のように使っている。このため、位置決め機能と回り止め機能を発揮するにもかかわらず、従来例のように位置決めピンや位置決めピン穴が不要であるため、ボルト締結構造1Aの低コスト・小型化が実現される。
この結果、ボルトで被締結物を締結する際、小型化と低コスト化を図りながらも被締結物の位置決め機能と回り止め機能が発揮される。加えて、第1ボルト穴13のうち、基準穴部13aを軸方向の一部に有することで、第1ボルト11のボルト軸力の落ち代が低減される。
[ボルト締結構造の他の特徴作用]
実施例1では、被締結物として、ユニットケースフランジ3とブラケット4が介在する。第1ボルト穴13と第2ボルト穴23を、ユニットケースフランジ3とブラケット4のうち板厚が厚い方のユニットケースフランジ3に設ける。
即ち、板厚が厚いユニットケースフランジ3側に第1ボルト穴13を設けると、第1ボルト穴13のほんの一部の範囲で基準穴部13aを設定し、残りを大径穴部13bにすることが可能である。よって、板厚が厚いユニットケースフランジ3側に基準穴部13aを一部に有する第1ボルト穴13を設けることで、第1ボルト11のボルト軸力の落ち代が低減される。
実施例1では、ユニットケースフランジ3が、ブラケット4よりも板厚が厚い鋳造部品である。ブラケット4が、ユニットケースフランジ3よりも板厚が薄い鋼鈑部品である。メネジは、鋼鈑部品であるブラケット4に固定されている第1ナット12及び第2ナット22である。
即ち、予めメネジが切ってある第1ナット12及び第2ナット22の場合は、鋼鈑部品であるブラケット4に対し、第1ナット12及び第2ナット22を溶接などにより固定するだけで、容易にメネジが形成される。
実施例1では、第1ボルト穴13は、基準穴部13aと、基準穴部13aより大きなボルト穴径L2による大径穴部13bとによる段差穴構成である。第1ボルト穴13のうち、ボルト側位置に大径穴部13bを配置し、メネジ側位置に基準穴部13aを配置する。
即ち、第1ボルト穴13を、ユニットケースフランジ3と共に上型と下型により型成形するとき、基準穴部13aと大径穴部13bの段差位置を上型と下型の分割位置とすることができる。
従って、第1ボルト穴13を型成形により形成するとき、穴径が異なる基準穴部13aと大径穴部13bを有することで、型成形性が向上する。
次に、効果を説明する。
実施例1におけるボルト締結構造1Aにあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(1) ボルトとメネジとの間に被締結物が介在し、ボルトで被締結物を締結する締結部を備える。
このボルト締結構造1Aにおいて、締結部として、第1ボルト11と第1メネジ12と第1ボルト穴13を有する第1締結部1と、第2ボルト21と第2メネジ22と第2ボルト穴23を有する第2締結部2と、による二つの締結部を少なくとも設ける。
第1ボルト穴13は、ボルト穴径が軸方向位置によって異なり、第1ボルト11のボルト軸径に符合するボルト穴径L1による基準穴部13aを軸方向の一部に有する。
第2ボルト穴23は、ボルト穴径が径方向位置によって異なり、第2ボルト21のボルト軸径に符合するボルト穴径L3を、第1締結部1を中心点とする円Sの接線方向に有する(図2)。
このため、ボルトで被締結物を締結する際、小型化と低コスト化を図りながらも被締結物(ユニットケースフランジ3、ブラケット4)の位置決め機能と回り止め機能を発揮することができる。加えて、第1ボルト穴13のうち、基準穴部13aを軸方向の一部に有することで、第1ボルト11のボルト軸力の落ち代を低減することができる。
(2) 被締結物として、第1被締結物(ユニットケースフランジ3)と第2被締結物(ブラケット4)が介在する。
第1ボルト穴13と第2ボルト穴23を、第1被締結物(ユニットケースフランジ3)と第2被締結物(ブラケット4)のうち板厚が厚い方の被締結物(ユニットケースフランジ3)に設ける(図2)。
このため、(1)の効果に加え、板厚が厚い第1被締結物(ユニットケースフランジ3)側に基準穴部13aを一部に有する第1ボルト穴13を設けることで、第1ボルト11のボルト軸力の落ち代を低減することができる。
(3) 第1被締結物(ユニットケースフランジ3)が、第2被締結物(ブラケット4)よりも板厚が厚い鋳造部品である。
第2被締結物(ブラケット4)が、第1被締結物(ユニットケースフランジ3)よりも板厚が薄い鋼鈑部品である。
メネジ(第1メネジ、第2メネジ)は、鋼鈑部品である第2被締結物(ブラケット4)に固定されているナット(第1ナット12、第2ナット22)である(図2)。
このため、(2)の効果に加え、鋼鈑部品である第2被締結物(ブラケット4)に対し、ナット(第1ナット12、第2ナット22)を溶接やカシメなどにより固定するだけで、容易にメネジ(第1メネジ、第2メネジ)を形成することができる。
(4) 第1ボルト穴13は、基準穴部13aと、基準穴部13aより大きなボルト穴径L2による大径穴部13bとによる段差穴構成である。
第1ボルト穴13のうち、ボルト側位置に大径穴部13bを配置し、メネジ側位置に基準穴部13aを配置する(図2)。
このため、(1)~(3)の効果に加え、第1ボルト穴13を型成形により形成するとき、穴径が異なる基準穴部13aと大径穴部13bを有することで、型成形性の向上を達成することができる。
実施例2は、2つの被締結物が介在するボルト締結構造であり、第1ボルト穴のうち、ボルト側位置に基準穴部を配置し、メネジ側位置に大径穴部を配置するようにした例である。
まず、構成を説明する。図5は実施例2のボルト締結構造1Bを示す縦断面図である。以下、図5に基づいて、実施例2のボルト締結構造1Bの構成を説明する。
実施例2の第1ボルト穴13は、図5に示すように、ボルト穴径L1による基準穴部13aと、基準穴部13aより大きなボルト穴径L2による大径穴部13bとによる段差穴構成としている。そして、第1ボルト穴13のうち、ボルト側位置に基準穴部13aを配置し、メネジ側位置に大径穴部13bを配置している。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので図示並びに説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例2では、第1ボルト穴13は、基準穴部13aと、基準穴部13aより大きなボルト穴径L2による大径穴部13bとによる段差穴構成である。第1ボルト穴13のうち、ボルト側位置に基準穴部13aを配置し、メネジ側位置に大径穴部13bを配置する。
即ち、ボルト側位置に基準穴部13aを配置したことで、第1ボルト11のボルト頭部11aによるボルト座面の接触面積が、実施例1のボルト座面の接触面積に比べ広くなる。このため、第1ボルト11の座屈の許容力が向上し、第1ボルト11のボルト締結信頼性が向上する。加えて、型成形の後、第1ボルト11側からの穴仕上げ加工を行うとき、基準穴部13aを加工する加工ストロークが短くなり、基準穴部13aの加工精度が向上する。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2におけるボルト締結構造1Bにあっては、実施例1の(1)~(3)の効果に加え、下記の効果が得られる。
(5) 第1ボルト穴13は、基準穴部13aと、基準穴部13aより大きなボルト穴径L2による大径穴部13bとによる段差穴構成である。
第1ボルト穴13のうち、ボルト側位置に基準穴部13aを配置し、メネジ側位置に大径穴部13bを配置する(図5)。
このため、ボルト側位置に基準穴部13aを配置したことで、第1ボルト11のボルト締結信頼性の向上を達成することができると共に、基準穴部13aの加工精度の向上を達成することができる。
実施例3は、2つの被締結物が介在するボルト締結構造であり、第1ボルト穴のうち、ボルト側位置にテーパー穴部を配置し、メネジ側位置に基準穴部を配置するようにした例である。
まず、構成を説明する。図6は実施例3のボルト締結構造1Cを示す縦断面図である。以下、図6に基づいて、実施例3のボルト締結構造1Cの構成を説明する。
実施例3の第1ボルト穴13は、図6に示すように、ボルト穴径L1による基準穴部13aと、基準穴部13aのボルト穴径L1からボルト穴径L2までボルト側に向かって徐々に穴径が拡大するテーパー穴部13cとによるテーパー穴構成としている。そして、第1ボルト穴13のうち、ボルト側位置にテーパー穴部13cを配置し、メネジ側位置に基準穴部13aを配置している。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので図示並びに説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例3では、第1ボルト穴13は、基準穴部13aと、基準穴部13aのボルト穴径L1から徐々に穴径が拡大するテーパー穴部13cとによるテーパー穴構成である。第1ボルト穴13のうち、ボルト側位置にテーパー穴部13cを配置し、メネジ側位置に基準穴部13aを配置する。
即ち、第1ボルト穴13を、ユニットケースフランジ3と共に上型と下型により鋳物型成形するとき、テーパー穴部13cを有することで、上型と下型の型抜きをスムーズに行われ、型摩耗や巻き込み巣が起こりにくくなる。
従って、第1ボルト穴13を型成形により形成するとき、テーパー穴部13cを有することで、型摩耗や巻き込み巣が起こりにくくなり、型成形性が向上する。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例3におけるボルト締結構造1Cにあっては、実施例1の(1)~(3)の効果に加え、下記の効果が得られる。
(6) 第1ボルト穴13は、基準穴部13aと、基準穴部13aのボルト穴径L1から徐々に穴径が拡大するテーパー穴部13cとによるテーパー穴構成である。
第1ボルト穴13のうち、ボルト側位置にテーパー穴部13cを配置し、メネジ側位置に基準穴部13aを配置する(図6)。
このため、第1ボルト穴13を型成形するとき、型抜き勾配になるテーパー穴部13cを有することで、型成形性の向上を達成することができる。
実施例4は、2つの被締結物が介在するボルト締結構造であり、第1ボルト穴のうち、ボルト側位置に基準穴部を配置し、メネジ側位置にテーパー穴部を配置するようにした例である。
まず、構成を説明する。図7は実施例4のボルト締結構造1Dを示す縦断面図である。以下、図7に基づいて、実施例4のボルト締結構造1Dの構成を説明する。
実施例4の第1ボルト穴13は、図7に示すように、ボルト穴径L1による基準穴部13aと、基準穴部13aのボルト穴径L1からボルト穴径L2までメネジ側に向かって徐々に穴径が拡大するテーパー穴部13cとによるテーパー穴構成としている。そして、第1ボルト穴13のうち、ボルト側位置に基準穴部13aを配置し、メネジ側位置にテーパー穴部13cを配置している。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので図示並びに説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例4では、第1ボルト穴13は、基準穴部13aと、基準穴部13aのボルト穴径L1から徐々に穴径が拡大するテーパー穴部13cとによるテーパー穴構成である。第1ボルト穴13のうち、ボルト側位置に基準穴部13aを配置し、メネジ側位置にテーパー穴部13cを配置する。
即ち、ボルト側位置に基準穴部13aを配置したことで、第1ボルト11のボルト頭部11aによるボルト座面の接触面積が、実施例3のボルト座面の接触面積に比べ広くなる。このため、第1ボルト11の座屈の許容力が向上し、第1ボルト11のボルト締結信頼性が向上する。加えて、型成形の後、第1ボルト11側からの穴仕上げ加工を行うとき、基準穴部13aを加工する加工ストロークが短くなり、基準穴部13aの加工精度が向上する。加えて、第1ボルト穴13を、ユニットケースフランジ3と共に上型と下型により鋳物型成形するとき、テーパー穴部13cを有することで、これが型抜き勾配となり、上型と下型の型抜きがスムーズに行われ、型摩耗や巻き込み巣が起こりにくくなる。
従って、第1ボルト11のボルト締結信頼性が向上すると共に、基準穴部13aの加工精度が向上する。加えて、第1ボルト穴13を型成形により形成するとき、テーパー穴部13cを有することで、型摩耗や巻き込み巣が起こりにくくなり、型成形性が向上する。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例4におけるボルト締結構造1Dにあっては、実施例1の(1)~(3)の効果に加え、下記の効果が得られる。
(7) 第1ボルト穴13は、基準穴部13aと、基準穴部13aのボルト穴径L1から徐々に穴径が拡大するテーパー穴部13cとによるテーパー穴構成である。
第1ボルト穴13のうち、ボルト側位置に基準穴部13aを配置し、メネジ側位置にテーパー穴部13cを配置する(図7)。
このため、ボルト側位置に基準穴部13aを配置したことで、第1ボルト11のボルト締結信頼性の向上を達成することができると共に、基準穴部13aの加工精度の向上を達成することができる。加えて、第1ボルト穴13を型成形するとき、型抜き勾配になるテーパー穴部13cを有することで、型成形性の向上を達成することができる。
実施例5は、1つの被締結物が介在するボルト締結構造であり、第1ボルト穴のうち、ボルト側位置に大径穴部を配置し、メネジ側位置に基準穴部を配置するようにした例である。
まず、構成を説明する。図8は実施例5のボルト締結構造1Eを示す縦断面図である。以下、図8に基づいて、実施例5のボルト締結構造1Eの構成を説明する。
実施例5のボルト締結構造1Eは、電動車両のインバータユニットIUにおいて、ユニットケース5に対して、樹脂モールドにより半導体素子などを一体化したパワーモジュール6を、2本のボルトにより位置決め締結する部分に適用したものである。
つまり、ボルトで被締結物を締結する締結部として、ユニットケース5に沿って離れた位置に配置された第1締結部1と第2締結部2とを有する。そして、ボルトとメネジとの間に介在している被締結物として、一つのパワーモジュール6を有する。なお、実施例6~実施例8のボルト締結構造1F~1Hについても、適用箇所は実施例5のボルト締結構造1Eと同様である。
実施例5のボルト締結構造1Eは、図8に示すように、第1締結部1と、第2締結部2と、ユニットケース5(固定部品)と、パワーモジュール6(被締結物)と、を備えている。ユニットケース5は、鋳造部品であり、パワーモジュール6は、板厚が厚い樹脂成型部品である。
前記第1締結部1は、第1ボルト11と第1メネジ14と第1ボルト穴13を有する。第1ボルト11は、ボルト頭部11aとオネジが切られたボルト軸部11bを有する。第1メネジ14は、ユニットケース5に対しボルト軸部11bのオネジと螺合するメネジを切ることで構成されている。第1ボルト穴13は、板厚が厚い樹脂成型部品によるパワーモジュール6に設けられる。
前記第2締結部2は、第2ボルト21と第2メネジ24と第2ボルト穴23を有する。第2ボルト21は、ボルト頭部21aとオネジが切られたボルト軸部21bを有する。第2メネジ24は、ユニットケース5に対しボルト軸部21bのオネジと螺合するメネジを切ることで構成されている。第2ボルト穴23は、板厚が厚い樹脂成型部品によるパワーモジュール6に設けられる。
前記第1ボルト穴13は、図8に示すように、ボルト穴径が軸方向位置によって異なり、第1ボルト11のボルト軸径に符合するボルト穴径L1による基準穴部13aを軸方向の一部に有する。この第1ボルト穴13は、図8に示すように、ボルト穴径L1による基準穴部13aと、基準穴部13aより大きなボルト穴径L2による大径穴部13bとによる段差穴構成としている。そして、第1ボルト穴13のうち、ボルト側位置に大径穴部13bを配置し、メネジ側位置に基準穴部13aを配置している。
前記第2ボルト穴23は、図8に示すように、ボルト穴径が径方向位置によって異なり、第2ボルト21のボルト軸径に符合するボルト穴径L3を、第1締結部1を中心点C1とする円Sの接線方向に有する。この第2ボルト穴23は、実施例1と同様に、ボルト穴径L3を短径とし、第1締結部1の中心点C1と第2締結部2の中心点C2を結ぶ直線SLによる方向のボルト穴径L4を長径とする長円形状に形成されている。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例5では、被締結物として、1つのパワーモジュール6が介在する。第1ボルト穴13と第2ボルト穴23を、1つのパワーモジュール6に設ける。
即ち、被締結物として、1つのパワーモジュール6が介在する場合には、パワーモジュール6の板厚が厚くなる。このため、パワーモジュール6に第1ボルト穴13を設けると、第1ボルト穴13のほんの一部の範囲で基準穴部13aを設定し、残りを大径穴部13bにすることが可能である。
従って、被締結物として、1つのパワーモジュール6が介在するとき、板厚が厚いパワーモジュール6に基準穴部13aを一部に有する第1ボルト穴13を設けることで、第1ボルト11のボルト軸力の落ち代が低減される。
実施例5では、1つのパワーモジュール6が、樹脂成型部品である。第1メネジ14と第2メネジ24は、第1締結部1と第2締結部2に共通のユニットケース5に設ける。
即ち、1つのユニットケース5に対するネジ加工により、容易に第1メネジ14と第2メネジ24が形成される。
実施例5では、第1ボルト穴13は、基準穴部13aと、基準穴部13aより大きなボルト穴径L2による大径穴部13bとによる段差穴構成である。第1ボルト穴13のうち、ボルト側位置に大径穴部13bを配置し、メネジ側位置に基準穴部13aを配置する。
即ち、第1ボルト穴13を、パワーモジュール6と共に上型と下型により樹脂モールド型成形するとき、基準穴部13aと大径穴部13bの段差位置を上型と下型の分割位置とすることができる。
従って、第1ボルト穴13を型成形により形成するとき、穴径が異なる基準穴部13aと大径穴部13bを有することで、型成形性が向上する。
次に、効果を説明する。
実施例5におけるボルト締結構造1Eにあっては、実施例1の(1),(4)の効果に加え、下記に列挙する効果が得られる。
(8) 被締結物として、1つの被締結物(パワーモジュール6)が介在する。
第1ボルト穴13と第2ボルト穴23を、1つの被締結物(パワーモジュール6)に設ける(図8)。
このため、板厚が厚い1つの被締結物(パワーモジュール6)に基準穴部13aを一部に有する第1ボルト穴13を設けることで、第1ボルト11のボルト軸力の落ち代を低減することができる。
(9) 1つの被締結物(パワーモジュール6)が、樹脂成型部品である。
メネジ(第1メネジ14、第2メネジ24)は、第1締結部1と第2締結部2に共通の固定部品(ユニットケース5)に設ける(図8)。
このため、(8)の効果に加え、1つの固定部品(ユニットケース5)に対するネジ加工により、容易にメネジ(第1メネジ14、第2メネジ24)を形成することができる。
実施例6は、1つの被締結物が介在するボルト締結構造であり、第1ボルト穴のうち、ボルト側位置に基準穴部を配置し、メネジ側位置に大径穴部を配置するようにした例である。
まず、構成を説明する。図9は実施例6のボルト締結構造1Fを示す縦断面図である。以下、図9に基づいて、実施例6のボルト締結構造1Fの構成を説明する。
実施例6の第1ボルト穴13は、図9に示すように、ボルト穴径L1による基準穴部13aと、基準穴部13aより大きなボルト穴径L2による大径穴部13bとによる段差穴構成としている。そして、第1ボルト穴13のうち、ボルト側位置に基準穴部13aを配置し、メネジ側位置に大径穴部13bを配置している。
なお、他の構成は、実施例5と同様であるので図示並びに説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例6では、第1ボルト穴13は、基準穴部13aと、基準穴部13aより大きなボルト穴径L2による大径穴部13bとによる段差穴構成である。第1ボルト穴13のうち、ボルト側位置に基準穴部13aを配置し、メネジ側位置に大径穴部13bを配置する。
即ち、ボルト側位置に基準穴部13aを配置したことで、第1ボルト11のボルト頭部11aによるボルト座面の接触面積が、実施例5のボルト座面の接触面積に比べ広くなる。このため、第1ボルト11の座屈の許容力が向上し、第1ボルト11のボルト締結信頼性が向上する。加えて、樹脂モールド型成形の後、第1ボルト11側からの穴仕上げ加工を行うとき、基準穴部13aを加工する加工ストロークが短くなり、基準穴部13aの加工精度が向上する。
なお、他の作用は、実施例1,5と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例6におけるボルト締結構造1Fにあっては、実施例1の(1)の効果、実施例5の(8),(9)の効果、実施例2の(5)の効果が得られる。
実施例7は、1つの被締結物が介在するボルト締結構造であり、第1ボルト穴のうち、ボルト側位置にテーパー穴部を配置し、メネジ側位置に基準穴部を配置するようにした例である。
まず、構成を説明する。図10は実施例7のボルト締結構造1Gを示す縦断面図である。以下、図10に基づいて、実施例7のボルト締結構造1Gの構成を説明する。
実施例7の第1ボルト穴13は、図10に示すように、ボルト穴径L1による基準穴部13aと、基準穴部13aのボルト穴径L1からボルト穴径L2までボルト側に向かって徐々に穴径が拡大するテーパー穴部13cとによるテーパー穴構成としている。そして、第1ボルト穴13のうち、ボルト側位置にテーパー穴部13cを配置し、メネジ側位置に基準穴部13aを配置している。
なお、他の構成は、実施例5と同様であるので図示並びに説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例7では、第1ボルト穴13は、基準穴部13aと、基準穴部13aのボルト穴径L1から徐々に穴径が拡大するテーパー穴部13cとによるテーパー穴構成である。第1ボルト穴13のうち、ボルト側位置にテーパー穴部13cを配置し、メネジ側位置に基準穴部13aを配置する。
即ち、第1ボルト穴13を、パワーモジュール6と共に上型と下型により樹脂モールド型成形するとき、テーパー穴部13cを有することで、上型と下型の型抜きをスムーズに行われ、型摩耗や巻き込み巣が起こりにくくなる。
従って、第1ボルト穴13を型成形により形成するとき、テーパー穴部13cを有することで、型摩耗や巻き込み巣が起こりにくくなり、型成形性が向上する。
なお、他の作用は、実施例1,5と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例7におけるボルト締結構造1Gにあっては、実施例1の(1)の効果、実施例5の(8),(9)の効果、実施例3の(6)の効果が得られる。
実施例8は、1つの被締結物が介在するボルト締結構造であり、第1ボルト穴のうち、ボルト側位置に基準穴部を配置し、メネジ側位置にテーパー穴部を配置するようにした例である。
まず、構成を説明する。図11は実施例8のボルト締結構造1Hを示す縦断面図である。以下、図11に基づいて、実施例8のボルト締結構造1Hの構成を説明する。
実施例8の第1ボルト穴13は、図11に示すように、ボルト穴径L1による基準穴部13aと、基準穴部13aのボルト穴径L1からボルト穴径L2までメネジ側に向かって徐々に穴径が拡大するテーパー穴部13cとによるテーパー穴構成としている。そして、第1ボルト穴13のうち、ボルト側位置に基準穴部13aを配置し、メネジ側位置にテーパー穴部13cを配置している。
なお、他の構成は、実施例5と同様であるので図示並びに説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例8では、第1ボルト穴13は、基準穴部13aと、基準穴部13aのボルト穴径L1から徐々に穴径が拡大するテーパー穴部13cとによるテーパー穴構成である。第1ボルト穴13のうち、ボルト側位置に基準穴部13aを配置し、メネジ側位置にテーパー穴部13cを配置する。
即ち、ボルト側位置に基準穴部13aを配置したことで、第1ボルト11のボルト頭部11aによるボルト座面の接触面積が、実施例7のボルト座面の接触面積に比べ広くなる。このため、第1ボルト11の座屈の許容力が向上し、第1ボルト11のボルト締結信頼性が向上する。加えて、型成形の後、第1ボルト11側からの穴仕上げ加工を行うとき、基準穴部13aを加工する加工ストロークが短くなり、基準穴部13aの加工精度が向上する。加えて、第1ボルト穴13を、パワーモジュール6と共に上型と下型により実施モールド型成形するとき、テーパー穴部13cを有することで、これが型抜き勾配となり、上型と下型の型抜きがスムーズに行われ、型摩耗や巻き込み巣が起こりにくくなる。
従って、第1ボルト11のボルト締結信頼性が向上すると共に、基準穴部13aの加工精度が向上する。加えて、第1ボルト穴13を型成形により形成するとき、テーパー穴部13cを有することで、型摩耗や巻き込み巣が起こりにくくなり、型成形性が向上する。
なお、他の作用は、実施例1,5と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例8におけるボルト締結構造1Hにあっては、実施例1の(1)の効果、実施例5の(8),(9)の効果、実施例4の(7)の効果が得られる。
以上、本発明のボルト締結方法を実現するボルト締結構造を実施例1~実施例8に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1~8では、第1ボルト11及び第2ボルト21として、六角形のボルト頭部を有する大型のオネジ部品を示した。しかし、本願発明で用いる第1ボルト及び第2ボルトとは、メネジと組んで使われるオネジ部品の総称を指す。つまり、マイナスドライバーやプラスドライバーによりネジ込み締結される小型のオネジ部品(一般にネジと称される)も第1ボルト及び第2ボルトに含む。
実施例1~4では、第1ボルト穴13として、基準穴部13aと大径穴部13bによる例を示し、実施例5~8では、第1ボルト穴13として、基準穴部13aとテーパー穴部13cによる例を示した。しかし、第1ボルト穴としては、ボルト穴径が軸方向位置によって異なり、第1ボルトのボルト軸径に符合するボルト穴径による基準穴部を軸方向の一部に有するものであれば、基準穴部以外の穴形状は、実施例1~8以外の様々な形状のものであっても良い。
実施例1~8では、第2ボルト穴23として、短径と長径を有する長円形状の例を示した。しかし、第2ボルト穴としては、ボルト穴径が径方向位置によって異なり、第2ボルトのボルト軸径に符合するボルト穴径を、第1締結部を中心点とする円の接線方向に有するものであれば、長円形状以外に楕円形状などの例であっても良い。
実施例1~8では、締結部として、第1締結部1と第2締結部2の2つの締結部を有する例を示した。しかし、締結部としては、第1締結部と第2締結部以外に、3以上の複数の締結部を有するものであっても良い。3以上の複数の締結部を有する場合、位置決めに適切な位置の2つの締結部を選択して第1締結部と第2締結部とし、残りの締結部を、ボルトとボルト穴の寸法関係が、被締結物の位置ずれを許容する寸法関係による締結部とする。
実施例1~4では、本発明のボルト締結構造を、2つのユニットケースフランジとブラケットを被締結物とするインバータユニットに適用する例を示した。実施例5~8では、本発明のボルト締結構造を、1つのパワーモジュールを被締結物とするインバータユニットに適用する例を示した。しかし、本発明のボルト締結構造は、インバータユニット以外に、位置決めによるボルト締結固定を要する様々な箇所に対して適用することができる。要するに、ボルトとメネジとの間に被締結物が介在し、ボルトで被締結物を締結する締結部を備えるボルト締結構造であれば適用できる。
1A~1H ボルト締結構造
1 第1締結部
11 第1ボルト
11a ボルト頭部
11b ボルト軸部
12 第1ナット(メネジ)
13 第1ボルト穴
13a 基準穴部
13b 大径穴部
13c テーパー穴部
14 第1メネジ(メネジ)
2 第2締結部
21 第2ボルト
21a ボルト頭部
21b ボルト軸部
22 第2ナット(メネジ)
23 第2ボルト穴
24 第2メネジ(メネジ)
3 ユニットケースフランジ(第1被締結物)
4 ブラケット(第2被締結物)
5 ユニットケース(固定部品)
6 パワーモジュール(被締結物)

Claims (9)

  1. ボルトとメネジとの間に被締結物が介在し、前記ボルトで前記被締結物を締結する締結部を備えるボルト締結構造において、
    前記締結部として、第1ボルトと第1メネジと前記被締結物に設けられた第1ボルト穴を有する第1締結部と、第2ボルトと第2メネジと前記被締結物に設けられた第2ボルト穴を有する第2締結部と、による二つの締結部を少なくとも設け、
    前記第1ボルト穴は、ボルト穴径が軸方向位置によって異なり、前記第1ボルトのボルト軸径に符合するボルト穴径による基準穴部を軸方向の一部に有し、
    前記第2ボルト穴は、ボルト穴径が径方向位置によって異なり、前記第2ボルトのボルト軸径に符合するボルト穴径を、前記第1締結部を中心点とする円上において、前記第2締結部の接線方向のみに有し、
    前記第1ボルト穴と前記第2ボルト穴を、前記被締結物に沿って離れた位置に配置された前記第1締結部と前記第2締結部に設け、前記第1ボルトと前記第2ボルトとの2本のボルトにより前記被締結物を位置決め締結するボルト締結方法は、
    前記第1締結部において、前記第1ボルトを前記基準穴部に仮固定しておく前記第1ボルトの仮締め手順と、
    前記第1締結部とは違うもう一方の前記第2締結部において、前記第2ボルトをネジ込みにより本締めする前記第2ボルトの本締め手順と、
    前記第1締結部において、仮固定している前記第1ボルトを本締めする前記第1ボルトの本締め手順と、を有する
    ことを特徴とするボルト締結方法
  2. 請求項1に記載されたボルト締結方法において、
    前記被締結物として、第1被締結物と第2被締結物が介在し、
    前記第1ボルト穴と前記第2ボルト穴を、前記第1被締結物と前記第2被締結物のうち板厚が厚い方の被締結物に設ける
    ことを特徴とするボルト締結方法
  3. 請求項2に記載されたボルト締結方法において、
    前記第1被締結物が、前記第2被締結物よりも板厚が厚い鋳造部品、又は樹脂成型部品であり、
    前記第2被締結物が、前記第1被締結物よりも板厚が薄い鋼鈑部品であり、
    前記メネジは、鋼鈑部品である前記第2被締結物に固定されているナットである
    ことを特徴とするボルト締結方法
  4. 請求項1に記載されたボルト締結方法において、
    前記被締結物として、1つの被締結物が介在し、
    前記第1ボルト穴と前記第2ボルト穴を、前記1つの被締結物に設ける
    ことを特徴とするボルト締結方法
  5. 請求項4に記載されたボルト締結方法において、
    前記1つの被締結物が、鋳造部品、又は樹脂成型部品であり、
    前記メネジは、前記第1締結部と前記第2締結部に共通の固定部品に設ける
    ことを特徴とするボルト締結方法
  6. 請求項1から請求項5までの何れか一項に記載されたボルト締結方法において、
    前記第1ボルト穴は、前記基準穴部と、前記基準穴部より大きなボルト穴径による大径穴部とによる段差穴構成であり、
    前記第1ボルト穴のうち、ボルト側位置に前記大径穴部を配置し、メネジ側位置に前記基準穴部を配置する
    ことを特徴とするボルト締結方法
  7. 請求項1から請求項5までの何れか一項に記載されたボルト締結方法において、
    前記第1ボルト穴は、前記基準穴部と、前記基準穴部より大きなボルト穴径による大径穴部とによる段差穴構成であり、
    前記第1ボルト穴のうち、ボルト側位置に前記基準穴部を配置し、メネジ側位置に前記大径穴部を配置する
    ことを特徴とするボルト締結方法
  8. 請求項1から請求項5までの何れか一項に記載されたボルト締結方法において、
    前記第1ボルト穴は、前記基準穴部と、前記基準穴部のボルト穴径から徐々に穴径が拡大するテーパー穴部とによるテーパー穴構成であり、
    前記第1ボルト穴のうち、ボルト側位置に前記テーパー穴部を配置し、メネジ側位置に前記基準穴部を配置する
    ことを特徴とするボルト締結方法
  9. 請求項1から請求項5までの何れか一項に記載されたボルト締結方法において、
    前記第1ボルト穴は、前記基準穴部と、前記基準穴部のボルト穴径から徐々に穴径が拡大するテーパー穴部とによるテーパー穴構成であり、
    前記第1ボルト穴のうち、ボルト側位置に前記基準穴部を配置し、メネジ側位置に前記テーパー穴部を配置する
    ことを特徴とするボルト締結方法
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