JP7035728B2 - 液晶パネル封止材樹脂組成物、および該液晶パネル封止材樹脂組成物で端部を封止したフィルム液晶パネル - Google Patents
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Description
また、近年ではフレキシブルな液晶パネルの開発が進んでおり、このような液晶パネルに使用される基板には、剛直なガラスに代わり柔軟なフィルムが用いられている。このフィルム基材を基板としたフレキシブルな液晶パネルに使用される封止材には、硬化物が高い柔軟性を持ち基材に十分に追随することが要求される。
しかしながら、特許文献1の封止材は、得られた硬化物の柔軟性が不十分で柔軟性のある基材に追随することが難しいのもであった。
すなわち、本発明は下記の〔1〕~〔7〕である。
(A)を100質量部に対して、(B)を1~20質量部、(C)を50~200質量部、(D)を0.1~10質量部の割合で含有する液晶パネル用封止材。
〔2〕(A)上記式1で表される化合物と、(B)上記式2で表される化合物と、(C)2~6個のアリル基を有するアリル化合物と、(D)光重合開始剤と、(A’)下記式3で表される化合物を含有し、
(A)と(A’)の合計の含有量に対する(A’)の含有量の割合[(A’)/((A)+(A’))]が1~60質量%であり、(A)と(A’)の合計量を100質量部に対して、(B)を1~20質量部、(C)を50~200質量部、(D)を0.1~10質量部の割合で含有する液晶パネル用封止材。
〔3〕(A’)が下記式6で表される、前記の〔2〕に記載の液晶パネル用封止材。
〔4〕(A’)が下記式8で表される、前記の〔2〕に記載の液晶パネル用封止材。
〔5〕(A’)が下記式9で表される、前記の〔2〕に記載の液晶パネル用封止材。
〔6〕フィルム液晶パネルに対して用いられる、前記の〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の液晶パネル用封止材。
〔7〕前記の〔6〕の液晶パネル用封止材で封止された端部を有するフィルム液晶パネル。
式中のaは水分バリア性を高め、湿熱試験後の液晶汚染を抑えることができる観点から3~6個が好ましく、より好ましくは4~6個である。式中のaが7個以上になると、硬化収縮が大きくなり、硬化後の密着力が低下するため好ましくない。また、R1の炭素数が多くなると架橋密度が下がりバリア性が低下してしまう。R1の炭素数は10~60であり、下限値としては、好ましくは10以上であり、より好ましくは15以上であり、さらに好ましくは20以上である。上限値としては、好ましくは50以下であり、40以下であり、さらに好ましくは30以下である。
更に、式1で表される化合物として、具体的には、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールエタントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、1,2,3-トリス(2-メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3-トリス(3-メルカプトプロピルチオ)プロパン、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、テトラキス(2-メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3-メルカプトプロピルチオメチル)メタン、1,3,5-トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、トリス-[(3-メルカプトプロピオモルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート、等が挙げられる。
その中でも、他成分との架橋ネットワークの形成に優れるため、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート、トリス-[(3-メルカプトプロピオモルオキシ)-エチル]-イソシアヌレートが好ましい。
合成の方法としては、例えば、ペンタエリスリトール等の多価アルコールに対して、3-メルカプトプロピオン酸等のメルカプト基含有エステルを反応させてエステル交換させることで得ることができる。
式2中のR2は水素原子またはメチル基であり、硬化性が高いという観点から水素原子が好ましい。また、R3はメチレン基、エチレン基、イソプロピレン基であり、組成物の液晶への溶解性を更に低下させ、液晶の汚染をより防ぐことができるという観点からメチレン基、またはエチレン基が好ましい。
本発明に用いる(C)は、2~6個のアリル基を有するアリル化合物である。(C)は、1種のみを単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。(C)は好ましくは、下記式11で表される構造を有する。(C)を含有することで、硬化物の柔軟性が高くなり、基材追随性を高めることができる。また、(B)の相溶化材として働き、組成物の未硬化の状態での液晶の汚染を防ぐことが出来る。硬化物のバリア性が向上し湿熱試験後の液晶汚染を抑えることができる。更には、(C)を含有する組成物は他成分との架橋ネットワークの形成に優れるため硬化物はバリア性に優れ、湿熱試験後の液晶の配向乱れを防ぐことができる。
その中でも、他成分との架橋ネットワークの形成に優れるため、2,2-ビス(4-アリルオキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-アリルー4-グリシジルオキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリアリルイソシアヌレートが好ましい。
本発明に用いる(D)である光重合開始剤は、上記(A)、上記(B)、上記(C)、下記(A’)成分、およびその他に重合性化合物が添加される場合はその重合性化合物との光による硬化反応を促進するために添加され、硬化性組成物の硬化に必要な光照射を少なくすることができる。(D)は1種のみを単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、光アニオン重合開始剤等があげられる。光ラジカル重合開始剤は、反応時間を短縮する際に用いることが好ましく、光カチオン重合開始剤は、屈曲性を向上させる際に用いることが好ましく、光アニオン重合開始剤は、接着性を付与する際に用いることが好ましい。
本発明の液晶パネル用封止材は、さらに、下記式3で表される化合物(A’)を含んでいてもよい。
(式中のR8は水素原子またはメチル基である。)
上記液晶パネル用封止材は、本発明の目的を阻害しない範囲において、(メタ)アクリル化合物、エポキシ化合物等の樹脂成分や、硬化促進剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、重合禁止剤、界面活性剤、シランカップリング剤、レベリング剤、密着付与剤、可塑剤、消泡剤、充填材、遮光材、導電材、スペーサー等の添加剤を含有していてもよい。
本発明の液晶パネル用封止材は、化合物(A)100質量部、もしくは化合物(A)と(A’)の合計量100質量部に対し、化合物(B)が1~20質量部、(C)2~6個のアリル基を有するアリル化合物が50~200質量部、(D)光重合開始剤が0.1~10質量部の割合となるように配合される。
本発明の液晶パネル用封止材は、液晶と混ざりにくい性質を持つ前記(B)を含有することで未硬化の状態での液晶汚染性を低下することができる。しかしながら、(B)は(A)との相溶性が悪く、(A)と(B)のみの組成物では不均一になり硬化性が良くなく性能が発現できない。ここで(B)の相溶化材となる前記(C)を含有することで、封止材が未硬化の状態で液晶と接触しても液晶を汚染しない本発明の液晶パネル用封止材を提供することができる。この際に、(B)がない場合では液晶との溶解性が高まってしまい、未硬化の状態での液晶と接触すると液晶を汚染してしまう。これより、本発明の液晶パネル用封止材が、未硬化の状態の液晶を汚染しないためには(A)と(B)、(C)のいずれも欠くことはできない。
(A)、(B)、(C)含有の組成物に更に前記(D)を用いることで光照射のみで硬化し上記効果を発現することが出来る。
(A’)は1種のみを単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。(A’)は、上記(C)同様、上記(B)の相溶化材として用いられる。上記(B)は上記(C)とともに用いられることで液晶パネル用封止材への溶解性を増すことが出来るが、上記(C)のみでは上記(B)を完全に組成物中に溶解することが困難であり、硬化物がわずかに不均一となり、より厳しい条件の耐湿熱試験下では配向乱れを発生させてしまうことがある。この液晶パネル用封止材中が(A’)を含むことで、液晶パネル用封止材が不均一となることを完全に防ぐことが出来、湿熱試験後の液晶の配向乱れを完全に防ぐことが出来る。
本発明の液晶パネルとは、例えば液晶の配向により透明・不透明を制御するのみの調光部材やディスプレイのように画像表示を行う表示素子等が含まれる。本発明の液晶パネルは、例えば、一対の基板を対向に配置し、周囲が上記液晶パネル用封止材組成物にて封止され、その間に液晶材料が存在するものである。ここで、基板とはガラス、石英等の無機透明基材やポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィン(コ)ポリマー、PMMA、ポリイミド等のプラスチック透明フィルム基材上に銀や銅の電極またはITO等の透明電極が施され、さらに配向膜等が形成されたものである。フィルム液晶パネルとは、上記プラスチック透明フィルム基材を用いた基板にて形成された液晶パネルであり、フィルム液晶用の液晶パネル用封止材は、上記フィルム液晶パネルに用いられる液晶パネル用封止材である。
本発明の液晶パネルは、一対の上記基板の一方に上記液晶パネル用封止材組成物を塗布した後、その内側に液晶を滴下しもう一方の基板を重ね合わせ、光を照射し上記液晶パネル用封止材組成物を硬化させることで形成される。
上記液晶パネル用封止材組成物の塗布方法は特に制限されず、例えば、ディスペンサ塗工やスクリーン印刷法等が適用される。
上記液晶パネル用封止材組成物に光を照射する光源としては特に制限されず、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯といった水銀灯やブラックライトランプ、LEDランプ、ハロゲンランプ、無電極ランプ、キセノンランプ、蛍光灯、太陽光、電子線照射装置等が適用される。
液晶パネルの汚染性は、上記のように液晶パネルを形成し、実際に電圧を印加して配向具合を確認する手法に加えて、電圧保持率の測定によって評価することも出来る。電圧保持率は液晶セルに電圧を印加し充電された電荷が一定時間後にどの程度保持されているかを確認する評価方法であり、液晶が汚染されている場合、電荷が保持されずに電圧保持率は低下する。汚染性がなく良好な電圧保持率は90%以上が好ましく、より好ましくは95%以上である。
本実施例および比較例で用いた各成分は、次のとおりである。
A-1:ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)
A-2:ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)
A-3:トリス-[(3-メルカプトプロピオモルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート
<(B)>
B-1:ヒドロキシルメチルアクリルアミド
B-2:ヒドロキシルエチルアクリルアミド
B-3:イソプロピルアクリルアミド
C-1:2,2-ビス(4-アリルオキシフェニル)プロパン
C-2:2,2-ビス(3-アリルー4-グリシジルオキシフェニル)プロパン
C-3:トリメチロールプロパンジアリルエーテル
C-4:トリアリルイソシアヌレート
C-5:ペンタエリスリトールトリアクリレート
<(D)>
D-1:ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド
D-2:1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3イル]エタノン-1-(O-アセチルオキシム)
D-3:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
攪拌釜に下記表1から表3のとおりに各成分を加え、2時間混合、攪拌し、実施例1-1~1-18、2-1~2-26、比較例1-1~1-9の液晶パネル用封止材を得た。
各実施例および比較例において得られた液晶パネル用封止材を下記記載の方法によってその性能を評価した。評価結果は表1から表3に示す。
実施例および比較例で製造した液晶パネル用封止材を100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にアプリケータにて膜厚が100μmとなるように塗工し、高圧水銀灯を用いて紫外線照射(1000mJ/cm2)を行った。光照射後の液晶パネル用封止材をクリーン手袋を装着した指にて触り、硬化状態を確認した。
○:タックを感じない、且つ手袋に液晶パネル用封止材が付着しない
×:タックを感じる、また手袋に液晶パネル用封止材が付着する
実施例および比較例で製造した液晶パネル用封止材を厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にアプリケータにて膜厚が100μmとなるように塗工し、高圧水銀灯を用いて紫外線照射(1000mJ/cm2)を行い液晶パネル用封止材を硬化させた。得られた硬化膜付PETフィルムを長さ100mm、幅10mmの長方形状にカットし、サンプルとした。得られたサンプルをMIT試験機(テスター産業(株)製BE-202)を使用し、屈曲試験を行った(条件:荷重1N、折り曲げ速度175cpm、屈曲半径2.0mm、折り曲げ速度 135°)。試験後サンプルを目視観察し、評価した。
◎:10000回後にクラックや剥れなし
○:10000回後にクラックが発生するが、7000回後ではクラックや剥れなし
×:7000回以内にクラックや剥れが発生する
サンプル瓶に液晶パネル用封止材を0.025g添加し、更に液晶(メルク社製MLC-7021-000)を1g加え、25℃にて1時間静置した。その後、高圧水銀灯を用いて紫外線照射(1000mJ/cm2)を行い、液晶パネル用封止材を硬化させ100℃で2時間加熱した。2時間後、遠心分離機で硬化物と液晶を分離し、液晶をITO付ガラス基板液晶セル((株)イーエッチシー製KSSZ-05/B107MINX05)に注入し、液晶物性評価システム(東洋テクニカ(株)製6245)を用いて電圧保持率を測定した。
ディスペンサー(武蔵エンジニアリング(株)製ショットマスター)を用いてガラス上に透明電極および配向膜をこの順で施した40mm×45mmのガラス基板((株)イーエッチシー製RT-DM88-PIN)上に実施例および比較例で製造した液晶パネル用封止材を35mm×40mmの四角形の枠状に塗布(線幅:1mm)し、枠上に描画した液晶パネル用封止材の内側に液晶(メルク社製MLC-11900-000)を滴下した。次に上記ガラス基板と、対向するガラス基板を減圧下にて貼り合わせ、25℃にて1時間静置した。高圧水銀灯を用いて紫外線照射(1000mJ/cm2)を行い液晶パネルを得た。上記と同様に作製した液晶パネルを50℃90%RHの条件下に500時間曝した後、AC5Vの電圧にて中間調の表示状態で駆動させ、液晶パネル用封止材の硬化物近傍の液晶の配向乱れを偏光顕微鏡にて観察した。
◎:配向乱れ未発生
○:液晶パネル用封止材の硬化物端部0.5mm以内に配向乱れ発生
×:液晶パネル用封止材の硬化物端部0.5mmを越えて配向乱れ発生
さらに、実施例1-1~1-18と、実施例2-1~2-26とを比較すると、実施例2-1~2-26は、(A’)を含有していることから、耐湿熱試験後の配向乱れに対して優れた効果を発揮することがわかった。
Claims (7)
- (A)下記式1で表される化合物と、(B)下記式2で表される化合物と、(C)2~6個のアリル基を有するアリル化合物と、(D)光重合開始剤と、(A’)下記式3で表される化合物を含有し、
(A)と(A’)の合計の含有量に対する(A’)の含有量の割合[(A’)/((A)+(A’))]が1~60質量%であり、
(A)と(A’)の合計量100質量部に対して、(B)を1~20質量部、(C)を50~200質量部、(D)を0.1~10質量部の割合で含有する液晶パネル用封止材。
(式中のaは3~6の整数であり、R1は3~6価で炭素数10~60の有機基である。)
(式中R2は水素原子またはメチル基である。R3はメチレン基、エチレン基、またはイソプロピレン基である。)
(式中のbは1~5の整数であり、cは1~5の整数であり、bとcの和は2~6である。R4は2価~6価で、置換基を有していてもよい炭素数4~30の有機基である。R5は下記式4または式5で表される2価の官能基である。R6はメチレン基、エチレン基、またはイソプロピレン基である。)
(式中のR7は水素原子またはメチル基である。)
(式中のR8は水素原子またはメチル基である。) - フィルム液晶パネルに対して用いられる、請求項1~5のいずれか1項に記載の液晶パネル用封止材。
- 請求項6に記載の液晶パネル用封止材で封止された端部を有する、フィルム液晶パネル。
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