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JP7037708B2 - 脱退見込み評価装置 - Google Patents
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本発明は、サービスの提供場所に継続的に来場して享受するサービスから顧客が脱退する見込みを評価する脱退見込み装置に関する。
継続的に施設等に来場する顧客に対してサービスを提供するフィットネスクラブ等のサービスがある。顧客は、サービスの提供を求めて継続的に来場する一方、様々な理由で来場の継続を停止する。サービスの提供者にとっては、脱退する(継続的な来場を停止する)見込みの高い顧客を把握し、かかる顧客に対して来場を継続するように働き掛ける等の対策を行うことが重要である。特許文献1のシステムは、かかる一例として、会員制のフィットネスクラブにおいて使用される。本システムは、来場頻度が減少傾向を示す会員を声掛け対象者として抽出し、抽出した対象者に関する情報をスタッフに報知する。かかる対象者にスタッフが声掛けを行うことでその対象者の退会を抑制することが期待される。特許文献1では、会員の来場頻度の具体的な評価方法として、前回の来場から14日以上来場していないか否かや前月の施設利用回数の評価、前月と前々月の施設利用回数の比較を行う(特許文献1の図6参照)。
特許第5399164号
特許文献1の来場頻度の評価方法では、前回の来場日からの日数と、月ごとの施設利用回数とを評価することしか行っていない。前者のような直近1回の来場日の評価では顧客の脱退(退会)の傾向が十分に把握できるとは限らない。また、後者のような月ごとの施設利用回数の評価では、顧客の来場傾向について大まかな評価が行われるに過ぎない。顧客の脱退をより適切に把握できる手段が求められている。
本発明の目的は、顧客の脱退の見込みを適切に評価できる脱退見込み評価装置を提供することにある。
本発明の脱退見込み評価装置は、サービスの提供場所に継続的に来場して享受するサービスから顧客が脱退する見込みを評価する装置であって、複数回分の来場間隔及びその差分の少なくともいずれかに基づいて前記見込みを示す見込み値を出力する学習済みのニューラルネットワークを備えている。
本発明の脱退見込み評価装置によると、複数回分の来場間隔又はその差分に少なくとも基づいて脱退の見込みを示す見込み値を算出する。そして、見込み値の算出には学習済みのニューラルネットワークが用いられる。このため、複数回分の来場履歴における来場頻度の傾向を適切に評価することが可能である。よって、直近1回の来場日や月ごとの施設利用回数の評価しか行わない従来技術と比べ、顧客の脱退の見込みが適切に評価される。
また、本発明においては、前記ニューラルネットワークへの入力値が、前記来場間隔を含まずその差分を含んでいてもよい。これによると、来場間隔及びその差分うちの後者のみに基づいて見込み値を算出することができる。したがって、来場間隔と差分の両方を用いる場合と比べ、少ない入力値で見込み値が算出可能である。
また、本発明においては、前記ニューラルネットワークが、前記来場間隔及びその差分の少なくともいずれかを入力値とする再帰型ニューラルネットワークを含んでいることが好ましい。これによると、時系列データの取り扱いに適したニューラルネットワークを使用している。よって、見込み値を高い精度で算出可能である。
本発明の一実施形態に係る退会予測装置の概略構成を示す機能ブロック図である。 図1の退会予測装置に入力される来館間隔及びその差分について説明する図である。 本発明の一実施例に係る退会予測装置による予測値の導出結果を示すグラフである。 本発明の別の一実施例に係る退会予測装置による予測値の導出結果を示すグラフである。 本発明のさらに別の一実施例に係る退会予測装置による予測値の導出結果を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る退会予測装置1(本発明における脱退見込み評価装置)について、図1及び図2を参照しつつ説明する。退会予測装置1は、フィットネスクラブ等の会員制サービス(以下、当該サービスという。)の会員が当該サービスから退会(脱退)するのを予測する装置である。退会予測装置1は、コンピュータ等のハードウェアと、コンピュータ内のメモリデバイス(以下、メモリという。)に格納されたプログラムデータ等のソフトウェアとによって構築されている。これらのソフトウェアは各種の記録媒体に記録して配布可能である。コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read-Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリ、並びに、入出力インタフェース等の各種インタフェース等からなる。また、コンピュータには、キーボード、マウス等の各種の入力デバイス、ディスプレイ等の各種の出力デバイスその他の外部機器が接続されている。退会予測装置1において、ハードウェアがソフトウェアに従って演算処理、入出力処理等の各種の情報処理を実行する。これにより、退会予測装置1における以下の機能が実現されている。
退会予測装置1は、学習済みのニューラルネットワークからなるニューラルネットワーク10及び出力層20を有している。ニューラルネットワーク10の学習については後述する。ニューラルネットワーク10は、再帰型ニューラルネットワーク(以下、Recurrent Neural Network;RNNという。)の一種であるGated recurrent unit(以下、GRUという。)からなるGRU11と全結合層12とを備えている。
GRU11に用いられるGRUは、n個(n:2以上の自然数)の入力値x1、x2、…、xnからn個の出力値y1、y2、…、ynをそれぞれ演算して出力するn個の中間層を有している。各中間層は、入力値x1~xnのそれぞれに対応して設定された所定の重みを使用してかかる演算を行う。GRUのようなRNNでは、入力値が過去から未来に向けてx1→x2→…→xnの順で時間的に並んでいるような値(つまり、時系列データ)であることが想定される。RNNの各中間層には、直前の中間層の出力値が入力される。例えば、iを2以上且つn以下の自然数とするとき、i番目の中間層には、i番目の入力値であるxiとその1つ前の中間層の出力値であるyi-1との両方が入力される。i番目の中間層はこれらの入力値からyiを算出して出力する。このように、RNNは、時間的に前の中間層による演算結果を時間的に後の中間層へと順に出力していくことにより、過去の入力値による影響を将来に伝達することができるニューラルネットワークとなっている。さらに、GRUは、各中間層に更新ゲートを有することにより、過去の入力値による影響を長期間に亘って将来の中間層まで伝達することができるようになっている。
GRU11には、退会予測の対象となる各会員に関する会員情報を示す複数の入力値が入力される。これらの入力値は、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録メディアやインターネット等の通信回線を介して退会予測装置1に入力され、会員番号等の会員識別情報と関連付けられつつ、退会予測装置1のコンピュータ内のメモリ等に格納される。その後、メモリ等から入力値が取り出され、GRU11に入力される。なお、コンピュータに接続された入力デバイスを使用してユーザーが直接入力すること等、その他の方法によってこれらの入力値が退会予測装置1に入力されてもよい。
GRU11への入力値は、会員に関する、性別、年代、継続日数、入会目的、来館間隔列及び来館間隔の差分列を示す値からなる。性別に係る入力値は男女の別を示す。年代に係る入力値は、例えば、10代、20代、30代、40代…の年代の別を示す。継続日数は、入会から現時点(退会を予測する時点;以下、同様である。)までの日数を示す。入会目的は、例えば、体力向上、健康維持、ストレス解消等の項目から、入会目的として会員が選択した項目を示す。来館間隔列は、現時点から直近の4回以上の来館に対応する来館間隔を示す複数の数値の列からなる。来館間隔は、当該サービスを提供する施設に会員が来館した日(来館日)を基準とし、ある来館日から次の来館日までの日数を示す。例えば、図2に示すように、直近5回の来館日が9月2日、9月10日、9月15日、9月24日、9月29日である場合、その来館間隔列は、8、5、9、5(9月10日-9月2日=8、9月15日-9月10日=5、9月24日-9月15日=9、9月29日-9月24日=5)となる。来館間隔の差分列は、直近の4回以上の来館に対応する来館間隔同士の差分を示す複数の数値の列からなる。来館間隔同士の差分とは、ある来館間隔からその直前の来館間隔を減算した値である。上記直近5回の来館日の例によると、来館間隔の差分列は、図2に示すように、-3、4、-4(5-8=-3、9-5=4、5-9=-4)となる。GRU11には、性別→年代→継続日数→入会目的→来館間隔列→来館間隔の差分列の順序で入力される。これらは、上記入力値の列x1→x2→…→xnに対応する。これらのうち、来館間隔列は、古い来館日に対応する来館間隔から新しい来館日に対応する来館間隔に向かう順序でGRU11に入力される。上記直近5回の来館日の例によると、8→5→9→5の順序で入力される。また、来館間隔の差分列は、古い来館日に対応する来館間隔の差分から新しい来館日に対応する来館間隔の差分に向かう順序でGRU11に入力される。上記直近5回の来館日の例によると、-3→4→-4の順序で入力される。GRU11は、かかる入力値に所定の重みを用いた演算を施し、その結果として、入力値と同じ個数の出力値を全結合層12へと出力する。これらの出力値が上記y1、y2、…、ynに対応する。
全結合層12は、GRU11からの複数の出力値のそれぞれに所定の重みを乗算し、その乗算結果を全て足し合わせることで1つの出力値を導出して出力層20へと出力する。出力層20は、全結合層12からの出力値に所定の演算を施し、その結果として、会員の退会の見込みを示す予測値を導出する。出力層20による演算は活性化関数を用いて行われる。本実施形態においては、活性化関数としてシグモイド関数が用いられている。この場合、xを全結合層12からの出力値とすると、出力層20の出力値yはy=1/(1+exp(-x))で表される。これによると、予測値が0から1までの範囲となる。なお、exp(z)は指数関数ezと等価である。本実施形態においては、予測値が1に近いほど退会の見込みが高いことを示す。
退会予測装置1は、出力層20が導出した予測値を、会員番号等の会員識別情報と共に出力するようにディスプレイ等の出力デバイスを制御する。なお、予測値に基づいて退会の見込みが高い会員を抽出すると共に、抽出した会員についてのみ、会員識別情報と共に予測値を出力デバイスに出力させるように、退会予測装置1が構成されていてもよい。この場合、例えば、所定の閾値より高い予測値に対応する会員が抽出されてもよい。
次に、ニューラルネットワーク10の学習について説明する。本学習に用いられる訓練データは、あるサービスにおける複数の会員に関する実際の情報に基づいて生成された会員情報データ及び退会情報データからなる。会員情報データは、各会員の性別、年代、継続日数、入会目的、来館間隔列及び来館間隔の差分列を示す。退会情報データは、各会員の退会/継続を示す正解データであり、例えば、退会の場合は1を、継続の場合は0を取る。学習は、GRU11に含まれる重み及び全結合層12に含まれる重みを、損失関数が最小となるように最適化することによってなされる。損失関数は、会員情報データをニューラルネットワーク10に入力した結果として出力層20から出力される予測値と退会情報データが示す正解値との変数であり、これらの値の差が大きいほど大きい値を取る。具体的には、勾配降下法により重みを更新する方法が用いられてよい。また、バッチ学習やバックプロパゲーションが用いられてよい。
以下、本発明に係る第1~第3の実施例について説明する。
<第1の実施例>
第1の実施例においては、上述の実施形態に係るニューラルネットワーク10の学習と、学習済みのニューラルネットワーク10を用いた退会予測装置1による予測値の導出とを実施した。学習において、訓練データとしては、上述の実施形態と同様、実際の情報に基づいて生成された会員情報データ及び退会情報データが用いられた。また、最適化法としてRMSpropが用いられた。使用されたハイパーパラメータ等の条件は以下の通りである。
[学習係数]0.001
[エポック数]100
[GRU11のユニット数]125
[RMSpropのパラメータ]
・減衰率(decay):0.000001
・勾配移動平均減衰係数(rho):0.9
[損失関数]二値交差エントロピー
次に、学習されたニューラルネットワーク10を用いて、実際の会員に関する会員情報データに基づいて会員の退会を予測させた。表1はその結果を示している。表1において、区間は、出力層20から出力された予測値の範囲に対応する。例えば、1行目の区間は、予測値が0.9を超えると共に1以下となる範囲に対応する。また、4行目の区間は、予測値が0.6を超えると共に0.7以下となる範囲に対応する。各区間における会員数は、予測値がその区間に該当する範囲となった会員の延べ人数を示す。退会数は、各区間に該当する会員のうち、実際に退会に至った人数を示す。退会率は、退会数を会員数で除算した結果を示す。図3は、表1の区間に対する退会率を示すグラフである。表1及び図3に示すように、予測値が実際の退会率を概ね反映した大きさとなっていることが示される。
[表1]
Figure 0007037708000001
<第2の実施例>
第2の実施例においては、第1の実施例と異なるニューラルネットワークを用いて、ニューラルネットワークの学習と学習済みのニューラルネットワークを用いた予測値の導出とを行った。第2の実施例のニューラルネットワークがニューラルネットワーク10と異なるのは、入力値が性別、年代、継続日数、入会目的及び来館間隔列を示す値からなることである。つまり、第2の実施例に係るニューラルネットワークには、来館間隔列及び来館間隔の差分列のうち前者の来館間隔列のみが用いられる。したがって、学習は、会員情報データとして、各会員の性別、年代、継続日数、入会目的及び来館間隔列のデータを用いて行われた。第2の実施例におけるそれ以外の実施条件については第1の実施例と同様である。
そして、学習されたニューラルネットワークを用いて、第1の実施例と同様の会員情報データに基づいて会員の退会を予測させた。表2はその結果を示している。表2の各項目は表1の各項目と対応している。図4は、表2の区間に対する退会率を示すグラフである。表2及び図4に示すように、予測値が実際の退会率を概ね反映した大きさとなっていることが示される。
[表2]
Figure 0007037708000002
<第3の実施例>
第3の実施例においては、第1の実施例と異なるニューラルネットワークを用いて、ニューラルネットワークの学習と学習済みのニューラルネットワークを用いた予測値の導出とを行った。第3の実施例のニューラルネットワークがニューラルネットワーク10と異なるのは、入力値が性別、年代、継続日数、入会目的及び来館間隔の差分列を示す値からなることである。つまり、第3の実施例に係るニューラルネットワークには、来館間隔列及び来館間隔の差分列のうち後者の来館間隔の差分列のみが用いられる。したがって、学習は、会員情報データとして、各会員の性別、年代、継続日数、入会目的及び来館間隔の差分列のデータを用いて行われた。第3の実施例におけるそれ以外の実施条件については第1の実施例と同様である。
そして、学習されたニューラルネットワークを用いて、第1の実施例と同様の会員情報データに基づいて会員の退会を予測させた。表3はその結果を示している。表3の各項目は表1の各項目と対応している。図5は、表3の区間に対する退会率を示すグラフである。表3及び図5に示すように、予測値が実際の退会率を概ね反映した大きさとなっていることが示される。
[表3]
Figure 0007037708000003
以上説明した本実施形態によると、直近複数回分の来館間隔及びその差分の少なくともいずれかに基づいて、会員の退会の見込みを示す予測値を算出する。そして、予測値の算出には学習済みのニューラルネットワーク10が用いられる。このため、複数回分の来館履歴における来館頻度の傾向を適切に評価することが可能である。よって、直近1回の来館日や月ごとの施設利用回数の評価しか行わない従来技術と比べ、上述の実施例に示す通り、会員の退会の見込みが適切に評価される。
なお、上述の実施例に示す通り、予測値の算出には、来館間隔とその差分の両方を用いてもよいし、いずれか一方のみ、例えば、差分のみを用いてもよい。来館間隔とその差分のうちいずれか一方のみを用いる場合、来館間隔とその差分の両方を用いるときと比べ、少ない入力値で予測値が算出可能である。
本実施形態においては、ニューラルネットワークとして、再帰型ニューラルネットワーク、具体的にはGRUが用いられている。再帰型ニューラルネットワークは、時系列データの取り扱いに適している。よって、上述の実施例に示す通り、予測値を高い精度で算出可能である。
<変形例>
以上は、本発明の好適な実施形態についての説明であるが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された範囲の限りにおいて様々な変更が可能なものである。
例えば、上述の実施形態においては、ニューラルネットワークとして再帰型ニューラルネットワーク、具体的にはGRUが用いられている。しかし、他の再帰型ニューラルネットワーク、例えば、LSTM(Long short-term memory)等が用いられてもよいし、畳み込みニューラルネットワーク等の再帰型ニューラルネットワーク以外のニューラルネットワークが用いられてもよい。また、上述の実施形態では、最適化法としてRMSpropが用いられているが、Adagrad、Adadelta等のその他の最適化法が用いられてもよい。
また、上述の実施形態においては、フィットネスクラブ等の会員制サービスについて本発明が使用される場合が想定されている。しかし、その他のサービスについて本発明が使用されてもよい。例えば、小中学校、学習塾や受験予備校等の各種学校、理美容、医療等、顧客が継続的にサービスの提供場所に来場してサービスを享受する態様を有する各種のサービスに本発明が応用されてよい。つまり、かかる各種のサービスにおいて、顧客が継続的な来場を停止する(サービスから脱退する)見込みを評価する際に本発明に係る装置が応用可能である。
1 退会予測装置
10 ニューラルネットワーク
11 GRU
12 全結合層
20 出力層

Claims (3)

  1. サービスの提供場所に継続的に来場して享受するサービスから顧客が脱退する見込みを評価する装置であって、
    複数回分の来場間隔及びその差分の少なくともいずれかに基づいて前記見込みを示す見込み値を出力する学習済みのニューラルネットワークを備えていることを特徴とする脱退見込み評価装置。
  2. 前記ニューラルネットワークへの入力値が、前記来場間隔を含まずその差分を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の脱退見込み評価装置。
  3. 前記ニューラルネットワークが、
    前記来場間隔及びその差分の少なくともいずれかを入力値とする再帰型ニューラルネットワークを含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の脱退見込み評価装置。
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