(装置の概要)
以下、返品薬を仕分けして格納する返品薬剤供給装置1を例として、本発明の一実施形態を説明する。図1から図6は、本発明の実施形態に係る返品薬剤供給装置(返品薬剤払出装置)1を示す。返品薬剤供給装置1は、受入部100、昇降部200、認識部300、非格納薬剤配置部400、格納部500、及び払出部600を備える。また、返品薬剤供給装置1は、直交型ロボット700、スカラー型ロボット800、及びサポートトレー900(移送用容器)を備える。さらに、返品薬剤供給装置1は、図1に模式的に示す制御装置1000を備える。制御装置1000は、図4に図示する制御盤1001(ディスプレイ1002を備える)からの入力、センサやカメラからの入力等に基づいて、返品薬剤供給装置1の動作を統括的に制御する。
返品薬剤供給装置1の主な機能の概要は、以下の通りである。返品薬剤供給装置1は、例えばアンプル2A、バイアル2B、樹脂アンプル2Cである返品薬剤2(図8参照)の形状、大きさ(長さL1と直径ないし幅W)、種類、使用期限のような性状を認識する。本実施形態では、返品薬剤2には、種類、使用期限等に関する情報を含む文字情報やバーコードが印刷されたラベル3が貼り付けられている。返品薬剤供給装置1は、ラベル3に表示されたこれらの情報を読み取る。また、返品薬剤供給装置1は、認識後の返品薬剤2をその返品薬剤2の識別情報(1個1個の返品薬剤2に付与されたユニークな情報)と関連付けて一時的に格納し、処方データ(例えば電子カルテシステムである上位のシステム(HIS: Hospital Information System)から受信する。)に基づいて、払い出しを行う。格納時には、格納される返品薬剤2の大きさに応じて格納領域が設定される。返品薬剤2の格納は、設定された格納領域に配置され、かつ払出時に個別の返品薬剤2を取出可能となる態様で行われる。さらに、返品薬剤供給装置1は、使用期限が過ぎている返品薬剤2を排出する。
なお、本明細書で言う「薬剤」は、図8に示すように容器に収容された薬品を意味する。したがって、「薬剤の形状及び大きさ」は、容器の形状及び大きさを意味し、「薬剤の種類、使用期限などの情報」は、容器に収容された薬品の種類、使用期限などの情報を意味する。また、実際には、「使用期限」の用語に代わって、「有効期限」の用語が使用される場合がある。ただ、これらの用語は実質的には同義である。そこで、本明細書では、混乱を回避するために、「有効期限」を用いずに、「使用期限」のみを使用する。
(受入部)
図1から図3に示すように、受入部100は、返品薬剤供給装置1を正面から見て左上手前側に配置されている。
図7を併せて参照すると、受入部100は、水平方向(図においてX方向)に互いに対向して配置された固定のラック部材101を備える。ラック部材101には、複数の返品トレー(受入容器)4を多段配置された状態で保持するための、複数対のレール溝101a,101aが設けられている。
図8及び図9を参照すると、返品トレー4は、図において上方が開口したトレー本体4aと、トレー本体4aの上端縁に設けられたフランジ状部4bとを備える。図8に示すように、返品トレー4に収容されている返品薬剤2(例えばアンプル2A、バイアル2B、樹脂アンプル2C)は、形状、大きさ(長さL1と幅W)、種類、使用期限のような性状が異なっている。また、返品トレー4に収容されている返品薬剤2の向きと姿勢は揃えられておらず、互いに異なる。つまり、返品トレー4に収容されている返品薬剤2は、非整列状態である。ここで返品薬剤2の向きは、図においてXY平面において返品薬剤2の長手方向(返品薬剤2の軸線A)が延びる方向をいう。返品薬剤2についての向きという用語は、返品薬剤2の軸線Aが延びる向きに加え、返品薬剤2の先端2aと基端2bの向いている方向を含む場合がある。ただし、返品トレー4に収容されている返品薬剤2の形状、大きさ、種類、使用期限のような性状が統一されていてもよい。また、返品トレー4に収容されている返品薬剤2の向き及び姿勢が揃えられていてもよい。返品トレー4中の返品薬剤2は、互いに部分的に重なり合っていてもよい。
図7に示すように、ラック部材101に設けられたレール溝101a,101aにより、返品トレー4のフランジ状部4bが支持されている。レール溝101a,101aは、ラック部材101の図においてY方向手前側の端面から奥側の端面まで貫通するように設けられている。そのため、医療従業者のような作業者は、返品薬剤供給装置1の正面側から、返品トレー4をレール溝101a,101aに対して出し入れできる。また、後述する昇降部200は、返品薬剤供給装置1の背面側から返品トレー4をレール溝101a,101aに対して出し入れできる。
受入部100は、図7において右側のラック部材101に設けられた動作準備ボタン102を備える。動作準備ボタン102は、収納する返品トレー4に対して1つずつ設けられている。作業者が返品トレー4を受入部100に収納後、対応する動作準備ボタン102を押下することで、制御装置1000により昇降部200は、押下された動作準備ボタン102に対応する返品トレー4を引き出すことができる状態となる。即ち、作業者が返品トレー4を受入部100に収納した場合でも、動作準備ボタン102が押下されない限り、昇降部200は対応する返品トレー4を受入部100から移送しない。これに代えて、返品トレー4が受入部100に収納されたことを自動的に検知するためのセンサを設置してもよい。このセンサは、例えば重量センサであってもよい。これにより、制御装置1000は、このセンサの出力に基づいて、昇降部200に返品トレー4を引き出す動作を開始させることができる。
(昇降部)
図1から図3に示すように、昇降部200は、返品薬剤供給装置1を正面から見て左奥に配置されている。
図10を併せて参照すると、昇降部200は、Z方向に延びる固定の直動ガイド201と、直動ガイド201に沿って昇降するキャリッジ202と、キャリッジ202に搭載されたテーブル203を備える。テーブル203は底部203aと、底部203aに左右に設けられた側部203b,203bと、底部203aの奥側(Y方向の奥側)に設けられた端部203cとを備える。テーブル203は手前側(Y方向の手前側)が開放している。側部203b,203bには、レール溝204,204が設けられている。レール溝204,204により、返品トレー4のフランジ状部4bが支持され、それによってテーブル203に返品トレー4が保持される。
引き続き図10を参照すると、底部203aには返品薬剤供給装置1の奥行方向(Y方向)に延びる固定の直動ガイド205が設けられている。また、この直動ガイド205に沿って水平移動するキャリッジ206に、フック207の基端側が固定されている。
昇降部200は、受入部100から1個の返品トレー4を取り出して、後述する認識部300と同様の高さ位置(図1において符号Hで概念的に示す)まで降下させることができる(返品トレー取出動作)。また、昇降部200は、認識部300と同様の高さ位置Hから返品トレー4を受入部100に戻すことができる(返品トレー戻し動作)。
返品トレー取出動作について説明すると、まず、テーブル203(キャリッジ202)が、取り出し対象の返品トレー4が保持されている受入部100のレール溝101a,101aよりも少し低い位置まで上昇する。次に、フック207(キャリッジ206)が、テーブル203の端部203c側から前進移動(Y方向手前側へ移動)する。続いて、テーブル203が少し上昇し、その結果、返品トレー4のフランジ状部4b(図において奥側の部分)とトレー本体4aとの間の隙間に、フック207が進入する。その後、フック207が、テーブル203の端部203cへ後退移動(Y方向奥側へ移動)する。このフック207の後退移動により、フランジ状部4bがレール溝204に引き込まれ、返品トレー4が受入部100からテーブル203に移載される。最後に、テーブル203(キャリッジ202)が符号H(図1)で示す位置まで降下する。
返品トレー戻し動作について説明すると、まず、テーブル203(キャリッジ202)が符号Hで示す高さ位置から、返品トレー4を戻すレール溝101a,101a(返品トレー4を保持していない)に対応する高さまで上昇する。次に、その後、フック207(キャリッジ206)が、テーブル203の端部203c側から前進移動(Y方向手前側へ移動)する。その結果、フック207によって押された返品トレー4のフランジ状部4bは、レール溝204,204から抜け出て、受入部100のレール溝101a,101aに進入する。その後、テーブル203が少し降下し、それによってフック207は返品トレー4のフランジ状部4b(図において奥側の部分)とトレー本体4aとの間の隙間から下方に抜け出る。最後に、フック207が、テーブル203の端部203c側に後退移動する。
(直交型ロボット)
図11から図12Dを参照すると、直交型ロボット700(第1吸着部)は、図示しない真空源から吸込管713(図12A~図12D)を通じて供給される真空により返品薬剤2を解放可能に吸着する吸着ノズル701を備える。吸着ノズル701の先端には、ゴム製の吸着パッド702が取り付けられている。図1から図3を併せて参照すると、吸着ノズル701が返品薬剤2を吸着保持し、又は吸着保持した返品薬剤2を吸着解除により離すことができる範囲が、昇降部200(前述の高さ位置Hにあるときの返品トレー4)の全範囲と、認識部300及び非格納薬剤配置部400を含むように、直交型ロボット700は構成されている。
直交型ロボット700(吸着ノズル701)は、昇降部200のテーブル203(高さ位置H)に保持された返品トレー4から返品薬剤2を吸着保持して取り出し、認識部300が備える後述の仮置き部(第1認識部)301に移送できる。また、直交型ロボット700は仮置き部301から返品薬剤2を吸着保持して取り出し、認識部300が備える後述のラベル読取部(第2認識部)302に移送できる。さらに、直交型ロボット700は、ラベル読取部302から返品薬剤2を吸着保持して取り出し、非格納薬剤配置部400に移送できる。
直交型ロボット700は、受入部100よりも下方側で返品薬剤供給装置1の奥行き方向(Y方向)に延びる固定のY軸ビーム703と、このY軸ビーム703に沿って移動するキャリッジ704とを備える。キャリッジ704には、返品薬剤供給装置1の幅方向(X方向)に延びるX軸ビーム705が固定されている。また、X軸ビーム705上を移動するキャリッジ706が設けられ、このキャリッジ706にヘッド707が搭載されている。ヘッド707にはボール螺子機構により昇降する昇降ロッド708が設けられている。昇降ロッド708がZ軸周りに回転することにより、吸着ノズル701もZ軸周りに回転できる。
図12A~Dを参照すると、ブラケット709と吸着ノズル701の間には、2つのばね710が介装されており、各ばね710の中心には、軸棒711がそれぞれ配置されている。ブラケット709には下端に3つの貫通孔712が並んで設けられている。2つの軸棒711は3つの貫通孔712のうち両端にある2つの貫通孔712を貫通し、ブラケット709に対して摺動可能に配置されている。吸込管713は、中心の貫通孔712を貫通し、軸棒711と同様にブラケット709に対して摺動可能に配置されている。この3つの貫通孔712の上方には、抜止プレート714が配置されている。2つの軸棒711は、下端を吸着ノズル701に、上端を抜止プレート714に固定されている。これにより、吸着ノズル701は、ブラケット709に対して弾性的に上昇可能である。
吸込管713の末端側(図において下側)は、吸着ノズル701を貫通して延び、吸着パッド702内で開口し、基端側(図において上側)は図示しない真空源と連通している。従って、吸着パッド702の下方にある物体を吸引(吸着)できる。また、直交型ロボット700は、吸着ノズル701内の圧力を測定する圧力センサ(図示せず)が設けられている。また、キャリッジ706には、ブラケット709に対する吸着ノズル701の相対的な高さ位置(Z方向の位置)を検出するための位置センサ(図示せず)が搭載されている。
吸着ノズル701に吸着保持された返品薬剤2は、キャリッジ706の直動によりX方向に移動し、キャリッジ704の直動によりY方向に移動し、昇降ロッド708の昇降によりZ方向に移動する。また、吸着ノズル701に吸着保持された返品薬剤2は、昇降ロッド708のZ軸周りの回転により、吸着ノズル701の軸線(Z軸)回りに回転する。
(認識部と非格納薬剤配置部)
図1から図3を参照すると、認識部300は、照明303とカメラ304(第1撮影部)を備える。照明303とカメラ304は、昇降部200の上方に位置している。また、認識部300は、カメラ304と共に本発明における第1認識部の一例を構成する仮置き部301とラベル読取部(本発明における第2認識部の一例)302を備える。仮置き部301とラベル読取部302(ラベル読取装置)は、返品薬剤供給装置1を正面から見て左下手前側に配置され、受入部100の下方に位置している。
図13を併せて参照すると、仮置き部301は、返品薬剤2が載置される半透明板305(薬剤載置板)と、この半透明板305の下側に配置された照明306と、半透明板305の上方に位置するカメラ307(第2撮影部)を備える。
図14を併せて参照すると、ラベル読取部302は、回転駆動される無端ベルト308と、この無端ベルト308上に配置されたローラ309とを備える。返品薬剤2は、無端ベルト308とローラ309が回転することで、それ自体の長手方向の軸線A回りに回転する。また、ラベル読取部302は照明310と図1にのみ図示するカメラ311(本発明における第3撮影部の一例)を備える。さらに、ラベル読取部302はバーコードリーダ(第1バーコードリーダ)312を備える。
図13を参照すると、非格納薬剤配置部400は、詳細は後述するが返品薬剤供給装置1において取り扱い対象外の返品薬剤2、すなわち格納部500に原則的には格納しない返品薬剤2(非格納薬剤2’)を格納する薬剤配置部であって、仮置き部301に隣接し配置された2個の非格納薬剤配置箱401,402を備える。これらの非格納薬剤配置箱401,402は、後述する格納トレー(格納容器)5の配置溝と同様の非格納薬剤2’を保持するための配置溝を備える。
(返品薬剤の認識完了までの動作)
ここで、受入部100の返品トレー4に収容された返品薬剤2に対する、向き及び姿勢と、種類、形状、大きさ、使用期限等の性状との認識が完了するまでの、返品薬剤供給装置1の動作を説明する。
まず、受入部100から昇降部200のテーブル203に返品トレー4が移載される。返品トレー4の移載後、テーブル203は、高さ位置H(図1参照)まで降下する。テーブル203が高さ位置Hまで降下した後に、認識部300による認識が開始される。まず、照明303からテーブル203上の返品トレー4に対して上方から照明光(指向性の高い光であることが好ましい)を照射しつつ、カメラ304による撮影を行う。そして、カメラ304で撮影した画像に基づいて、返品トレー4中の返品薬剤2の位置等が認識されて格納対象薬品とする。この認識処理の詳細に関しては後述する。この認識結果に基づいて、直交型ロボット700の吸着ノズル701が返品トレー4中の返品薬剤2を1個ずつ吸着保持し、仮置き部301の半透明板305上に移載する(図13参照)。この際、吸着ノズル701は、それ自体の軸線(Z軸)回りの回転により、吸着保持した返品薬剤2の向きを調節する。
仮置き部301では、返品薬剤2は、半透明板305上に載置される。半透明板305の下方に配置された照明306により半透明板305に向かって光を照射する。照明光は高輝度の光であることが好ましい。照明306が光を照射しつつ、カメラ307が半透明板305上の返品薬剤2を撮影する。カメラ307によって撮影された画像により、詳細は後述するが、返品薬剤2の形状、大きさ、及び向き(XY平面において軸線Aが延びる方向であって先端2aと基端2bが向いている方向も含む)が認識される。また、カメラ307によって撮影された画像により、返品薬剤2の吸着位置(直交型ロボット700の吸着ノズル701とスカラー型ロボット800の吸着ノズル801で吸着される位置)が算出される。返品薬剤2の吸着位置の算出は後に詳述する。カメラ307で撮影された画像による認識結果に基づいて、直交型ロボット700の吸着ノズル701が半透明板305上の返品薬剤2を吸着保持し、ラベル読取部302に移載する。この際、吸着ノズル701は、それ自体の軸線(Z軸)回りに回転により、吸着保持した返品薬剤2の向きを調節する。
ラベル読取部302では、詳細は後述するが、無端ベルト308とローラ309の回転により、返品薬剤2がそれ自体の軸線A(図14参照)回りに回転する。この回転する返品薬剤2に対し、照明310から照明光を照射しつつ、ラベル読取装置(カメラ311及びバーコードリーダ312)がその返品薬剤2のラベル3を読み取る。カメラ311が撮影した画像により、返品薬剤2のラベル3に表示された使用期限等に関する文字情報が認識されると共に、軸線A回りの返品薬剤2の姿勢が認識される。また、カメラ311による撮影に加え、バーコードリーダ312によって、ラベル3に含まれるバーコードが読み取られる。カメラ311が撮影した画像とバーコードリーダ312により読み取られたバーコードにより、返品薬剤2の種類と使用期限が認識される。薬剤の種類及び使用期限の認識は、カメラ311が撮像した画像とバーコードリーダ312によるバーコードの読み取りのいずれか一方のみで行っても良い。例えば、返品薬剤2のラベル3に含まれるバーコードに返品薬剤2の種類と使用期限が含まれている場合、カメラ311を設けずにバーコードリーダ312のみを設け、バーコードリーダ312によるバーコードの読み取りによって、返品薬剤2の種類と使用期限を認識できる。認識終了後、ラベル3が上向き(Z方向向き)となる姿勢で返品薬剤2の軸線A回りの回転が停止するように、無端ベルト308とローラ309の回転が停止する。ラベル3が上向きであるか否かは、カメラ311の撮影画像に基づいて確認することができる。なお、後述のスカラー型ロボット800の吸着ノズル801が吸着不可能な領域が返品薬剤2に存在する場合(例えば、図29に示す樹脂アンプル2Cの側面のようにバリが存在する領域や吸着するとラベルがはがれうる領域が返品薬剤2に存在する場合)、その領域が上向きにならないように返品薬剤2の回転が停止されるのが好ましい。そのために、その吸着不可能領域が、薬剤に関連付けされて、後述する薬剤マスタに予め登録されている(予め記憶されている)。
ラベル読取部302では、一対のローラではなく、無端ベルト308とローラ309の回転により、返品薬剤2を軸線A回りに回転させる。無端ベルト308とローラ309の組み合わせは、一対のローラと比較して、回転させることができる返品薬剤2の形状、大きさ、及び種類の範囲が広い。
仮に、ラベル読取部302が一対のローラによって返品薬剤2を回転させる構成である場合、一対のローラの回転軸間の相対的な傾きないしはずれに起因して、返品薬剤2は一対のローラの回転軸に沿った2つの方向のいずれかに移動することがある。かかる返品薬剤2の移動方向を一方向に限定するには、一対のローラの回転軸間の相対的な傾きないしはずれを厳密に調整する必要がある。また、この場合、返品薬剤2が一対のローラに対して傾いた姿勢で供給されることに起因して、返品薬剤2は一対のローラの回転軸に沿った2つの方向のいずれかに移動することもある。
これに対して、本実施形態では、図14に最も明瞭に示すように、無端ベルト308の進行方向Fに対して、ローラ309の回転中心線Rcが傾斜している(すなわち進行方向Fと回転中心線Rcの延在方向とが非直交に交差している)。かかる無端ベルト308とローラ309の配置により、返品薬剤2が無端ベルト308の幅方向に移動する方向を一方向(図14において下向き)に制限できる。その結果、ラベル読取部302における返品薬剤2の位置を揃えることができる。また、無端ベルト308の進行方向Fは、その上に載置された返品薬剤2がローラ309に接近する方向である。一方、ローラ309の回転方向は、無端ベルト308との対向領域において、無端ベルト308の進行方向FのX方向成分に対して周速が逆方向になるような回転方向である。その結果、無端ベルト308とローラ309との間への返品薬剤2の噛み込み、特に径の小さい返品薬剤2の噛み込みを抑制することができる。それに加えて、ラベル3が部分的に剥離している返品薬剤2の場合には、その部分的に剥離したラベル3の部分の噛み込みを抑制することができる。また、回転状態の無端ベルト308及びローラ309に当接することによって返品薬剤2が位置決めされつつ一定の回転速度で回転するため、バーコードリーダ312は安定した精度でその返品薬剤2のバーコードを読み取ることができる。
例えば、ラベル読取部302で認識された使用期限が既に経過している場合、あるいはラベル読取部302で使用期限が認識できなった場合、その返品薬剤2は、非格納薬剤2’として、直交型ロボット700の吸着ノズル701により吸着保持されて、非格納薬剤配置部400の非格納薬剤配置箱401,402に移載される。また、受入部100の返品トレー4のうちいずれか(例えば最下段の返品トレー4)を、非格納薬剤配置部400の一部として機能する非格納薬剤2’用のトレーとし、その非格納薬剤用返品トレー4に非格納薬剤配置箱401,402の非格納薬剤2’が戻される。
(スカラー型ロボットとサポートトレー)
図15及び図16、及び図17A~17Dを参照すると、スカラー型ロボット800(ピッキング部)は、図示しない真空源から中央吸込管813及び側方吸込管814を通じて供給される真空により返品薬剤2を解放可能に吸着する吸着ノズル801を備える。吸着ノズル801の先端には、ゴム製の吸着パッド802(第1吸着パッド)が取り付けられている。吸着ノズル801が返品薬剤2を吸着保持し、又は吸着保持した返品薬剤2を吸着解除により離すことができる範囲が、認識部300のラベル読取部302と、格納部500が備えるすべての格納トレー5の全範囲と、後述する払出位置に配置された払出トレー8の全領域を含むように、スカラー型ロボット800は構成されている。
スカラー型ロボット800(吸着ノズル801)は、認識部300のラベル読取部302から返品薬剤2を吸着保持して取り出し、格納部500が備える後述の格納トレー5に移送できる。また、スカラー型ロボット800は、格納トレー5から返品薬剤2を吸着保持して取り出し、払出部600の後述する払出トレー8に移送できる。
図1から図3を併せて参照すると、スカラー型ロボット800は、返品薬剤供給装置1の高さ方向(Z方向)に延びる一対の固定の直動ガイド803,803と、これら直動ガイド803,803上を移動するキャリッジ804,804を備える。キャリッジ804,804によって、返品薬剤供給装置1の幅方向(X方向)に延びるX軸ビーム805の端部が支持されている。X軸ビーム805にベース806が固定されている。ベース806に連結された第1アーム807の基端側がZ軸回りに回動し、第1アーム807の先端側に連結された第2アーム808の基端側もZ軸回りに回動する。第2アーム808の先端側にヘッド809がZ軸回りに回動可能に取り付けられている。ヘッド809に固定されたブラケット810に、吸着ノズル801が保持されている。ヘッド809には、図15にのみ図示するバーコードリーダ812(第2バーコードリーダ)と返品薬剤2を検知する有無検知センサ820とが搭載されている。バーコードリーダ812は、吸着ノズル801に対して、側方にずれた位置に搭載されており、吸着ノズル801の下方に位置する返品薬剤2に貼付されたラベル3のバーコードを斜め上方から読み取るようになっている。言い換えれば、バーコードリーダ812は、ラベル読取部302における返品薬剤2に対するバーコードリーダ312との位置関係と同様に、吸着ノズル801が対象の返品薬剤2の上方に位置するときに、返品薬剤2に貼付されたラベル3のバーコードに対向するように配置されている。
有無検知センサ820は、本実施形態では、反射型の光電センサであって、吸着ノズル801の下方領域に向けて光を発光して、その反射光を受光することで、吸着ノズル801の下方領域における返品薬剤2の有無を検知するものである。
吸着ノズル801に吸着保持された返品薬剤2は、X軸ビーム805(キャリッジ804)の直動によりZ方向に移動し、第1アーム807と第2アーム808の回動によりXY平面上を移動する。また、吸着ノズル801に吸着された返品薬剤2は、第2アーム808の先端部に対するヘッド809の回転により吸着ノズル801の軸線(Z軸)回りに回動する。
図17A~17Dに示されるように、ブラケット810と吸着ノズル801との間には、2つのばね811,811が介装されており、各ばね811の中心には、軸棒815がそれぞれ配置されている。ブラケット810には、下端に3つの貫通孔816が並んで設けられている。2つの軸棒815は、3つの貫通孔816のうち、両端にある2つの貫通孔816を貫通し、ブラケット810に対して摺動可能に配置されている。中央吸込管813は、中心の貫通孔816を貫通し、軸棒815と同様にブラケット810に対して摺動可能に配置されている。この3つの貫通孔816の上方には抜止プレート817が配置されている。2つの軸棒815,815は、下端を吸着ノズル801に、上端を抜止プレート817に固定されている。これにより、吸着ノズル801は、ばね811により下向きに付勢されつつ、ブラケット810に対して弾性的に上昇可能である。
中央吸込管813は吸着ノズル801を貫通して延び、吸着パッド802内において、その末端側(図において下側)には小型吸着パッド818(第2吸着パッド)が設けられている。中央吸込管813の基端側(図において上側)は図示しない真空源と連通している。吸着ノズル801には、側面に貫通孔821が設けられており、この貫通孔を通じて側方吸込管814が接続されている。側方吸込管814の基端側(図において上側)は図示しない真空源と連通している。吸着ノズル801内には、内部の圧力を測定する圧力センサ(図示せず)が設けられている。
図18A、図18Bに示すように、吸着パッド802は、中空状とされ、上部の取付部802aと、下部の吸着部802cと、取付部802aと吸着部802cとを接続する蛇腹部802bと、を有する。図17Cを併せて参照して、取付部802aは、厚肉とされ、吸着ノズル801の下部に外嵌しており、内側が吸着ノズル801の貫通孔816を介して側方吸込管814に連通している。蛇腹部802bは、側方吸込管814から空気が吸引されることで、上方に収縮されるようになっている。蛇腹部802bと吸着部802cとの接合部802dの肉厚は、他の部分よりも薄肉とされ、これにより該接合部802dから変形させやすくなっている。この結果、吸着時において、接合部802dを最初に変形させることで、吸着パッド802の形状を維持して良好に吸着できるようになっている。また吸着パッド802は、小型吸着パッド818よりも吸着面の面積が大きいので、小型吸着パッド818に比して吸着力が強く、より重い、或いはより大きな返品薬剤2を吸着して高速で移送できる。
吸着部802cは、略楕円状の形態をなしており、中央部に側方吸込管814に連通する開口部802eを有している。吸着部802cの長手方向の円弧部802fには、部分的に厚肉とされた厚肉部802gが形成されており、これにより、剛性が弱い長手方向の円弧部802fを補強して、吸着時における円弧部802fの変形に起因する吸着面からの空気漏れを防止できる。また、円弧部802fの吸着面側には、突起802hが一体に形成されている。突起802hは、吸着時において吸着不良とならない程度の微少な空気漏れを許容する高さに形成されており、この結果、吸着時における吸着性を維持しつつも、吸着解除時において突起802hからの空気漏れにより速やかに吸着を解除できる。
また、図19A、図19Bを参照すると、吸着部802cは下面視で略楕円状であるので、吸着部802cを長方形で形成した場合(図19A、図19Bに破線で示す)に比して、小型吸着パッド818によって返品薬剤2を吸着保持した場合の、返品薬剤2の胴部への吸着部802cの巻き込み量を低減できる。これにより、返品薬剤2を格納トレー5Aの配置溝7上で吸着を解除して退避するときに、前記巻き込みにより返品薬剤2を回転し又は移動させてしまうことを防止できる。
図18A、図18Bを参照すると、小型吸着パッド818は、中空状とされ、吸着パッド802と中心軸心(Z軸方向)を略一致させて、吸着パッド802の内側に配置されており、上部の取付部818aと、下部の吸着部818cと、取付部818aと吸着部818cとを接続する蛇腹部818bと、を有する。取付部818aは、中央吸込管813の下部に、連通可能に取り付けられている。蛇腹部818bは、中央吸込管813から空気が吸引されることで、上方に収縮されるようになっている。吸着部818cは、略円形状をなしており、中央部に中央吸込管813に連通する開口部818dを有している。吸着部818cは、略円形状であるので、円筒状の返品薬剤の筒部に追従しやすく、空気漏れが生じにくく、良好に吸着できる。
また、図17Cに実線で示すように、吸着ノズル801が吸着状態にないとき、吸着パッド802の下端部が、小型吸着パッド818の下端部よりも下方に位置している。一方、図17Cに破線で示すように、吸着ノズル801が吸着状態(中央吸込管813、側方吸込管814の両方を通じて吸引する)のとき、小型吸着パッド818の下端部が、吸着パッド802の下端部よりも下方に位置している。これにより、吸着状態において、吸着パッド802によって小型吸着パッド818による吸着が遮られることなく、小型吸着パッド818によって良好に吸着できる。
本実施形態では、制御装置1000は、カメラ307で撮影された画像により検出され又はラベル読取部302で認識された、返品薬剤2の形状、大きさ、種類等に応じて、返品薬剤2を吸着するための最適な吸着パッドを設定する。例えば、返品薬剤2の胴部の直径が28mm以上の場合、中央吸込管813及び側方吸込管814の両方を使用して吸引し、小型吸着パッド818及び吸着パッド802の両方によって吸着を行う。返品薬剤2の直径が28mm未満の場合、中央吸込管813のみを使用して吸引し、すなわち小型吸着パッド818のみによって吸着を行う。なお、小型吸着パッド818及び吸着パッド802の両方によって返品薬剤2を吸着し、その後、返品薬剤2をリリースするときは、先に吸着パッド802の吸引を停止するのが好ましい。これにより、小型吸着パッド818の形状の復帰を早めることができる(同時に吸引を停止する場合に比べて)。
返品薬剤2の直径が28mm以上の場合では、側方吸込管814のみを使用して吸引し、すなわち吸着パッド802のみによって吸着を行ってもよい。また、返品薬剤2の胴部に貼り付けられたラベル3を吸着すると、これが剥がれることがある。したがって、吸引可能領域又は吸引不可能領域を予め設定し、これを防止してもよい。吸引可能領域又は吸引不可能領域が狭小な場合、返品薬剤2の直径が28mm以上でも小型吸着パッド818によって吸着してもよい。また、吸着パッド802のみで返品薬剤2を吸着した後、返品薬剤2の吸着外れを検知した場合、吸着パッド802及び小型吸着パッド818の両方で、当該吸着が外れた返品薬剤2を吸着するようにしてもよい。
図1、図15、及び図16を参照すると、サポートトレー900は、スカラー型ロボット800のベース806に対して昇降するロッド901の下端に固定されている。本実施形態では、サポートトレー900は後述する格納トレー5と同様の返品薬剤2を保持するための配置溝を備える。図16に示すように、ロッド901の昇降により、サポートトレー900は、吸着ノズル801に吸着保持された返品薬剤2に接近する高さ位置と、吸着ノズル801に吸着保持された返品薬剤2から離隔する高さ位置とに昇降移動する。
吸着ノズル801が返品薬剤2を吸着して移送するとき、スカラー型ロボット800は、第1アーム807、第2アーム808により吸着ノズル801を水平方向に移動させて、サポートトレー900の上方に位置させる。このとき、吸着された返品薬剤2がサポートトレー900の配置溝の向きに一致するように、ヘッド809が回動される。そして、ロッド901を上昇させることで、サポートトレー900が、返品薬剤2から離隔する高さ位置から、返品薬剤2に接近する高さ位置に移動される。これにより、移送中の返品薬剤2が、吸着されている吸着パッド802及び/又は小型吸着パッド818から外れたとしても、吸着ノズル801の下方に落下することを、サポートトレー900で防止することができる。これにより、吸着外れによる返品薬剤2の損傷を防止しつつ、より高速で返品薬剤2を移送できる。
また、サポートトレー900に落下した返品薬剤2は、吸着ノズル801により再び吸着されて、移送されてもよい。このとき、吸着ノズル801に設けた圧力センサ(図示しない)により、吸着が外れたことを検知してもよい。また、上述したように返品薬剤2は、サポートトレー900上の配置溝に向きを一致させられて移送されるので、吸着ノズル801による吸着が外れた場合、向き、姿勢が変わることなく、吸着ノズル801の直下の配置溝に落下することになる。これにより、返品薬剤2が吸着ノズル801の直下にあると予測することができるので、当該返品薬剤2を吸着ノズル801によって再吸着する時の成功率を高めることができる。
なお、返品薬剤供給装置1が取り扱う返品薬剤2の大きさや形状によっては、返品薬剤2を吸着パッド802が吸着保持したときに、図17Cに示すように縮んだ吸着パッド802の蛇腹部802bが取付部802aに接触することがある。この接触が繰り返されることにより、蛇腹部802bが破損する可能性がある。
図20A及び20Bは、取付部と蛇腹部との接触を抑制することができる吸着パッド1802が取り付けられた吸着ノズル801が示されている。図20A及び20Bに示すように、吸着パッド1802の取付部1802aには、蛇腹部1802bが縮んだときに該蛇腹部1802bとの接触を回避するための逃げ部1802jが形成されている。具体的には、取付部1802aと蛇腹部1802bとの間の接合部から斜め上方向に延在する傾斜面として、逃げ部1802jは取付部1802aに形成されている。このような逃げ部1802jを取付部1802aが備えることにより、取付部1802aと縮んだ蛇腹部1802bとの接触を抑制することができる。
(格納部)
図1から図3に示すように、格納部500は、返品薬剤供給装置1を正面から見て右奥に配置されている。
図21及び図22を併せて参照すると、格納部500はZ方向に延びる直動ガイド501を備える。この直動ガイド501には、格納トレー5(格納容器)を取り出し可能に保持する保持枠502が昇降自在に保持されている。保持枠502は多段に重ねて配置されている。多段配置された格納トレー5の両側には、Z方向に延びる直動ガイド503,503が配置されている。これらの直動ガイド503,503上を昇降するキャリッジ504,504が設けられている。キャリッジ504には、図21に示す引込位置と図22に示す突出位置とに移動可能なリフト機構505(間隔形成機構)が搭載されている。リフト機構505は図において奥行方向にも配置されている。また、リフト機構505を多段配置してもよい。
図21のようにリフト機構505が引込位置にある状態で、1個の保持枠502に対応する位置にキャリッジ504,504が移動する。次に、リフト機構505が図22に示すように突出位置に移動し、保持枠502の下側に進入する、この状態でキャリッジ504,504が上昇すると、リフト機構505が進入した保持枠502とそれよりも上段の保持枠502とが上方に持ち上げられる。その結果、リフト機構505が進入した保持枠502と、それよりも1段下側の保持枠502との間に、間隔Gが形成される。この間隔Gを介してスカラー型ロボット800の吸着ノズル801は、リフト機構505が進入した保持枠502の1段下側の保持枠502に保持された格納トレー5へのアクセスが可能となる。言い換えれば、この間隔Gが設けられることで、スカラー型ロボット800の吸着ノズル801は、すべての格納トレー5に対して、返品薬剤2を格納トレー5に移載する動作(格納動作)と、返品薬剤2を吸着保持して格納トレー5から取り出す動作(払出動作)とが可能である。
図23Aから図24Cを参照すると、格納トレー5には、比較的小型の返品薬剤2の格納に適した格納トレー5A(Sサイズ)と、中型の返品薬剤2の格納に適した格納トレー5B(Mサイズ)と、比較的大型の返品薬剤2の格納に適した格納トレー5C(Lサイズ)とがある。格納部500は、これら3種類の格納トレー5A~5Cを少なくとも1個備えている。個々の格納トレー5(5A~5C)は、図において上方が開口したトレー本体5aと、トレー本体5aの上端縁に設けられたフランジ状部5bとを備える。
図25を併せて参照すると、トレー本体5aの底部には、返品薬剤供給装置1に奥行方向(Y方向)に延び、返品薬剤供給装置1の幅方向(X方向)に間隔をあけて配置された複数の突条(突部)6が設けられている。隣接する突条6間には、直線状の配置溝(凹部)7が形成されており、この配置溝7に返品薬剤2が寝かせて収容される。図24A~図24Cを参照すれば明らかなように、3種類の格納トレー5A~5Cは、突条6の寸法(高さ及び幅)とピッチが異なるため、配置溝7の寸法(深さと幅)が異なる。この配置溝7の寸法の相違により、前述のように3種類の格納トレー5A~5Cは、格納するのに適した返品薬剤2の寸法が異なる。
突条6は、頂部6aと、頂部6aの両側縁部から下方に進むにつれて互いに離間する一対の傾斜部6b,6bと、を有している。傾斜部6bは、比較的大きな勾配、すなわち急斜面に設定されている。返品薬剤2が配置溝7に吸着ノズル801によって移送されるときに、返品薬剤2の中心軸と配置溝7の中心位置とが一致していない場合がある。この場合であっても、傾斜部6bが急斜面に設定されているので、返品薬剤2を傾斜部6bに沿って下方へガイドさせやすく、返品薬剤2の回転が抑制される。すなわち、返品薬剤2を、ラベル3が上方に位置する状態を維持したまま、格納トレー5に格納され、このときラベル3のバーコードは斜め上方を指向する位置に維持されており、すなわち、バーコードリーダ812と対向するように位置している。これにより、後述する払出作業において、格納トレー5に格納された返品薬剤2の処方データとの照合を行えるようになっている。なお、傾斜部6b水平方向に対する傾斜角度Tは、50°~80°の範囲に設定されている。傾斜角度Tが50°よりも小さい場合、返品薬剤2は傾斜部6bとの接触により回転する可能性がある。傾斜角度Tが80°よりも大きい場合、配置溝7で収容可能な返品薬剤2の胴部径が制限されることになる。本実施形態では、傾斜角度Tは、好ましくは65°に設定されている。傾斜角度を65°に設定することで、配置溝7で収容可能な返品薬剤2の種類が制限されることなく、返品薬剤2の軸線A回りの回転を防止しながら収容できる。
さらに、格納トレー5の表面の粗度を低減させることで、返品薬剤2を傾斜部6bに対して滑りやすくしてもよい。これにより、より一層、返品薬剤2の回転を抑制できる。また、格納トレー5と保持枠502との間に制振ゴムを設けて、格納トレー5と保持枠502との間の相対変位及び振動を抑制してもよい。これにより、格納トレー5がリフト機構505により上下動された場合でも、該上下動による振動が格納トレー5上の返品薬剤2に伝達されることを抑制できる。制振ゴムは、格納トレー5及び保持枠502のいずれか一方又は両方に貼り付けてもよい。
また、格納トレー5の、少なくとも、返品薬剤が格納される表面側(図中上方)は、黒色とされている。これにより、格納トレー5上に返品薬剤2が存在していないにもかかわらず、反射型光電センサである有無検知センサ820から照射される光が格納トレー5で反射されることによって、返品薬剤2の存在を誤検知することを防止している。また、格納トレー5の裏面側(図中下方)に、スポンジ等の緩衝材を貼り付けてもよい。これにより、当該緩衝材が貼り付けられた格納トレー5の下段側の格納トレー5に、緩衝材を押し付けることで、下段側の格納トレー5上の返品薬剤2の回転、移動等の動きを規制して、返品薬剤2のラベル面を上方に維持したまま、その位置を維持しやすい。
(払出部)
払出部600は搬送機構601を備える。搬送機構601は、図1に模式的に示す入口602から払出位置(格納部500の図において手前側の位置)まで払出トレー8を移動させて位置決めし、払出作業完了後の払出トレー8を図1に模式的に示す出口603から搬出する。
(返品薬剤の格納と払出の動作)
認識部300における認識完了後の返品薬剤2を格納部500に格納する動作(格納運転)と、格納部500から払出部600に払出位置に配置された払出トレー8に払い出す動作(払出運転)とを説明する。格納動作及び払出動作は、制御装置1000(運転制御部)によって、主に、認識部300、格納部500、払出部600、スカラー型ロボット800を制御して動作させることで実行される。
まず、格納動作を説明する。
ラベル読取部302の返品薬剤2は、スカラー型ロボット800の吸着ノズル801により吸着保持される。吸着ノズル801により吸着保持された返品薬剤2に対して、少なくともその返品薬剤2の大きさに応じて、格納領域、すなわち格納時に占める範囲との格納位置(どの格納トレー8のどの位置に格納されるか)が設定される。本実施形態では、格納領域のうち格納時に占める範囲はその返品薬剤2の長さL1と幅Wに対応する。格納時に示す領域は、他の返品薬剤2と干渉しないためのマージンを含む。格納部500の複数の格納トレー5のうち、いずれの格納トレー5のいずれの配置溝7に吸着ノズル801により吸着保持されている返品薬剤2を配置可能かが検索される。この検索結果に応じ、返品薬剤2を配置する格納トレー5と配置溝7(返品薬剤2の格納位置)が決定される。1個の格納トレー5に着目すると、図25に示すように「3番」の配置溝7が既に返品薬剤2で埋まっている場合、それ以外の配置溝7が吸着ノズル801により吸着されている返品薬剤2を配置する格納位置の候補となる。例えば、「6番」の溝の場合、2個の返品薬剤2が既に配置されているが、これらの返品薬剤2間の長さが格納しようとしている返品薬剤2について前述した格納時に示す範囲以上であれば、吸着ノズル801により吸着保持されている返品薬剤2を配置する候補となり得る。
前述のように、ラベル読取部302での認識終了時には、返品薬剤2はラベル3が上向きとなる姿勢である。スカラー型ロボット800の吸着ノズル801は、ラベル3のバーコードが上向きの姿勢を維持したままで、返品薬剤2を吸着保持して該当する格納トレー5の該当する配置溝7、つまり前述のように決定された格納領域に返品薬剤2を移載する。
図21及び図22を参照して説明したように、格納部500はリフト機構505により保持枠502間に間隔Gを設けることができるように構成されている。従って、返品薬剤2を吸着保持したスカラー型ロボット800の吸着ノズル801は、多段配置された保持枠502のいずれに保持された格納トレー5に対しても、自由にアクセスし、吸着保持している返品薬剤2を載置できる。
また、図23A~図24Cを参照して説明したように、格納部500の格納トレー5には、サイズが異なる3種類の格納トレー5A~5Cが含まれている。従って、制御装置1000は認識部300、格納部500、及びスカラー型ロボット800を制御することで、格納する返品薬剤2の大きさによる制約を受けずに、形状、大きさ、種類等に応じて設定される格納トレー5に、認識が終了した返品薬剤2を格納部500に収納できる。
格納部500に格納されている返品薬剤2に関し、制御装置1000は個々の返品薬剤2の識別情報と関連付けて、前述の格納領域、つまりいずれの格納トレー5のいずれの位置(配置溝7とのその配置溝7上での位置)に配置されているかを記憶している。また、制御装置1000は、個々の返品薬剤2の識別情報と関連付けて、種類と使用期限を記憶している。
次に、払出作業を説明する。
スカラー型ロボット800の吸着ノズル801は、格納部500の格納トレー5から返品薬剤2を吸着保持し、払出位置に配置された払出トレー8に移載する。
払出作業は、例えば電子カルテシステムである上位のシステムから返品薬剤供給装置1が受信した処方データに基づいて実行される。前述のように、格納部500に格納された返品薬剤2の種類及び使用期限と識別情報とが関連付けて記憶され、かつ個々の返品薬剤2が格納部500のどこに配置されているかも識別情報と関連付けて記憶されている。具体的には、制御装置1000は、格納部500に格納された返品薬剤2の種類、使用期限、及び格納領域と、識別情報とを関連付けて記憶している薬品マスタを備える。しかも、前述のように、多段配置された格納トレー5間に間隔Gを設けることできるので、吸着ノズル801は、多段配置された格納トレー5のいずれに格納された返品薬剤2であっても、必要に応じて自由に吸着保持できる。従って、薬品マスタを参照した結果、処方データに含まれる薬剤が格納部500に格納されている返品薬剤2であることが確認できれば、処方データに応じて制約なく払い出すことができる。また、同一種類の薬剤のうち使用期限が近いものから払い出す等、処方データに応じて効率的な払出が可能である。さらに、薬品マスタを参照した結果、処方データに含まれる薬剤が格納部500に格納されていないことを確認できれば、必要な表示を制御盤1001のディスプレイ1002に表示する等の処理を実行できる。
払出作業の動作を、具体的に説明する。リフト機構505によって形成された間隔Gを通して、スカラー型ロボット800の吸着ノズル801が、払出対象の返品薬剤(以下、払出作業の説明において、払出薬剤と称する)2にアクセスする。このとき、バーコードリーダ812により、当該払出薬剤2のラベルを検知して、制御装置1000は、払出対象の払出薬剤2であるか否かを照合する。払出対象の払出薬剤2であることが確認されると、吸着ノズル801により、当該払出薬剤2が吸着されて、格納トレー5から取り出されて、払出トレー8に移送される。このとき、格納部500に払出対象の払出薬剤2が複数存在している場合には、制御装置1000は、使用期限が最も早い払出薬剤2を払出対象の払出薬剤2として決定し、当該払出薬剤2を払い出すように制御する。
一方、制御装置1000により、当該払出薬剤2が払出対象の払出薬剤2ではないと判断された場合、または、ラベル3(バーコード)が認識できなかった場合には、制御装置1000は、吸着ノズル801で、当該払出薬剤2を吸着して、認識部300のラベル読取部302に移送するように制御する。ラベル読取部302において、払出薬剤2のラベル3が認識されれば、当該払出薬剤2は、スカラー型ロボット800によって、格納部500に再度格納される。一方、ラベル読取部302において、払出薬剤2のラベル3が認識されなければ、当該払出薬剤2は、直交型ロボット700によって、非格納薬剤配置部400(非格納薬剤配置箱401,402)に移送されることになる。或いは、払い出そうとしている払出薬剤2と合致した場合には、スカラー型ロボット800によって、そのまま払出トレー8に移送してもよい。
なお、制御装置1000は、払出動作を、格納動作に優先して行うように制御する。これにより、速やかな払出を実現できる。また、複数の払出薬剤2を払い出す場合、1個ずつ格納部500から払出部600に払出薬剤2を移送する他、サポートトレー900をバッファとして使用することで、まとめて移送してもよい。すなわち、払出対象の複数の払出薬剤2を格納部500からサポートトレー900に一時的に仮置きして、纏めてサポートトレー900から払出部600に移送させてもよい。これにより、格納部500と払出部600との間をスカラー型ロボット800が、払出本数分、往復移動することがなくなり、短時間で払出作業を行うことができる。また。払出部600に払出トレー8が不在のときにも、サポートトレー900をバッファとして使用することで、払出作業を停止させることがないので、払出作業を効率的に行える。
また、払出トレー8に既に大型のボトル等の薬剤が載置されているとき、スカラー型ロボット800は、払出トレー8に減速して接近するように制御装置1000によって制御される。制御装置1000は、払出トレー8に大型のボトル等の薬剤が載置されていることを、薬剤有無検知センサ(図示しない)によって検知してもよいし、例えば電子カルテシステムである上位のシステムから返品薬剤供給装置1が受信した処方データから検知してもよい。これにより、図26A及び図26Bに示すように、大型のボトル等の薬剤に緩やかに接触させて、この接触のために吸着ノズル801から払出中の払出薬剤2が外れたとしても、該払出薬剤2を払出トレー8上に収容させることができる。言い換えれば、吸着ノズル801を払出トレー8に減速させずに接近させた場合の、大型のボトル等と吸着ノズル801に吸着保持された払出薬剤2との強接触によって、当該払出薬剤2が払出トレー8から飛び出すことを防止している。
(スキャン動作)
次に、スキャン動作について述べる。スキャン動作とは、例えば、ユーザが格納トレー5に直接にアクセスした場合に行われ、格納トレー5上に返品薬剤(又は払出薬剤)2がないことを確認するための動作である。ここで、ユーザが格納トレー5に直接にアクセスする場合とは、処方データに基づく払出動作以外に、ユーザが手動で格納トレー5から返品薬剤2を直接に取り出す場合を指し、例えば、返品薬剤2が破損していて、この返品薬剤2を吸着ノズル801で吸着することができない場合や、使用期限を徒過した返品薬剤2を取り出す場合や、格納トレー5から纏めて、複数の返品薬剤2を取り出す場合等が含まれる。
この場合、図4に示される外装パネルを開閉することで、対象の格納トレー5に直接にアクセスできるようになる。このとき、対象の格納トレー5上の全ての返品薬剤2がユーザにより取り出されることを要する。なぜなら、対象の格納トレー5から一部の返品薬剤2のみを取り除くようにした場合、ユーザによって直接にアクセスされたことで、取り除かれなかった返品薬剤2の位置、ラベルの位置が変化しているおそれがあり、この場合、以降の払出動作において、位置が変化した返品薬剤2をうまく吸着できないことがあるためである。すなわち、ユーザが直接に格納トレー5にアクセスする場合には、当該格納トレー5上の全ての返品薬剤2を取り除くように運用されており、スキャン動作とはユーザが直接にアクセスした格納トレー5から全ての返品薬剤2が取り除かれていることを確認するために行われるものである。また、手動でアクセスされた格納トレー5は、スキャン動作が完了して、当該格納トレー5上に返品薬剤2が無いことが確認されるまで、制御装置1000は、当該格納トレー5に新たな返品薬剤2を格納しない。これにより、返品薬剤2が残っているかもしれない不確かな格納トレー5に、新たな返品薬剤2を格納することを防止できる。
スキャン動作のとき、リフト機構505によって形成された間隔Gを通して、スカラー型ロボット800の吸着ノズル801が、スキャン動作の対象とされる格納トレー5にアクセスする。このとき、吸着ノズル801に設けられた有無検知センサ820から照射される光を格納トレー5上で走査させて、返品薬剤2があった場合に反射される光を有無検知センサ820で受光することで、格納トレー5上の返品薬剤2の有無が検知される。なお、上述したように格納トレー5の返品薬剤2が格納される面は黒色とされているので、有無検知センサ820から照射される光が格納トレー5の表面から反射される反射光を受光することによる、返品薬剤2の誤検知が防止されている。
また、スキャン動作は、対象の格納トレー5において、各配置溝7ごとに分割して行われるようになっている。すなわち、図27に示されるように、格納トレー5上の全ての配置溝7を纏めて一度に検知するのではなく、例えば1番の配置溝7をスキャン動作し、次に払出動作又は格納動作をした後に、2番の配置溝7をスキャン動作するようになっている。言い換えれば、スキャン動作は、払出動作又は格納動作が行われないときに、実施されるようになっており、これにより、払出動作及び格納動作を優先して行えるようになっている。
また、各配置溝におけるスキャン動作は、配置溝の延びる方向に沿って、ジグザグ状に走査して行われる。具体的には、図27の1番の配置溝7における走査軌跡D1を示すように、有無検知センサ820は、返品薬剤2の幅に概ね対応してジグザグ状に配置溝7に沿って走査するようになっている。例えば、走査軌跡D1は、配置溝7を横断する方向に20mm進みつつ、配置溝の延びる方向に15mm進むように配置溝7の延びる方向に対して傾斜して、各配置溝7をジグザグ状に走査する。これにより、例えば、格納トレー5上に返品薬剤2が残っており、該返品薬剤2が反射光を検知することが難しい黒色であって、且つ、ラベル3が上方に位置していない場合でも、ジグザグ状の走査軌跡D1によれば、上方位置にないラベル3に光を照射させて、このラベル3からの反射光を受光することで、確実に格納トレー5に残った返品薬剤2を検知できる。
すなわち、スキャン動作を配置溝7の延びる方向に沿って直線的に走査(図中の走査軌跡D2)するのでは、黒色の返品薬剤2であって、そのラベルが上方からずれた位置にある場合には、当該返品薬剤2を検知することができない。しかしながら、有無検知センサ820をジグザグに走査させることで、仮に表示ラベルが上方に位置しておらず、側方にずれていたとしても、当該ずれた表示ラベルを検知することができるので、返品薬剤2が黒色の場合であっても確実に返品薬剤2を有無検知できる。
以上のように、本実施形態の返品薬剤供給装置1によれば、種類、形状、大きさ、使用期限等の性状が種々異なり、かつ非整列状態で供給された返品薬剤2を、自動的に認識して高い自由度を確保して格納でき、処方データに応じて自由に払い出すことができる。
また、格納部500の各格納トレー5は、格納する際に水平に引き出すことを必要としないので、格納トレー5を引き出すためのスペースを必要とせず、この結果、格納部500をコンパクトに構成できる。また、格納トレー5上において、返品薬剤2が格納される格納領域と種類とを関連付けて格納されるので、各格納トレー5上に様々な返品薬剤2を格納することができる。これにより、格納トレー5を各薬剤の種類に応じて準備する必要がなくなり、必要とされる格納トレー5の個数の増大を抑制できる。例えば、無造作に返品トレー4に収容された性状の異なる様々な返品薬剤2を、取出可能なように格納部500の各格納トレー5に格納できる。加えて、返品薬剤2以外の薬剤、例えば在庫として補充される同じ性状の複数の薬剤をも、取出可能なように格納部500の各格納トレー5に格納できる。また、本装置では、スカラー型ロボット800が格納トレー5から返品薬剤2を出し入れし、そのため、格納トレー5に蓋も排出機構も必要としない。しかも、格納トレー5を多段配置することで、上側の格納トレー5が下側の格納トレー5の蓋としての機能を奏し、格納トレー5は、高さが返品薬剤2の径方向の高さに対応したコンパクトに構成できる。したがって、格納部500をコンパクト化できる。
また、格納トレー5は、引き出されることがなく、格納トレー5に格納された返品薬剤2に水平方向への力が作用しない。これにより、格納トレー5に格納された返品薬剤2の向き、位置を格納時のまま、特にラベル3のバーコードをバーコードリーダに対向する斜め上方位置に維持することができ、この結果、格納トレー5上における返品薬剤2の照合を容易にして払い出しできる。さらに、処方情報に基づいて、払出作業を行う場合、払出薬剤2のバーコードを照合して、間違いのない払出作業を実施できる。また、払出対象の払出薬剤2のうち使用期限が最も早いものを払い出すので、効率的な払出作業を実施できる。これにより、作業者が薬種や使用期限等の薬剤管理に必要な情報を気にせずに格納できることを実現したものである。
ここからは、本実施形態の返品薬剤供給装置1における返品薬剤供給装置1の認識部300における仮置き部301及びラベル読取部302ついて、さらに詳細に説明する。
まず、認識部300においては、返品薬剤2の形状、大きさ、種類、及び使用期限(性状)が認識される。具体的には、認識部300の仮置き部301において返品薬剤2の形状及び大きさが認識され、ラベル読取部302において返品薬剤2の種類及び大きさが認識される。そして、その性状の認識結果に基づいて、返品薬剤2が、返品薬剤供給装置1の取り扱い対象の薬剤であるか否かが制御装置1000(判定処理部)によって判定される。
なお、ここで言う「取り扱い対象」の薬剤は、少なくとも、返品薬剤供給装置1の構造上取り扱い可能な形状及び大きさを備え、返品薬剤供給装置1において取り扱うことがユーザによって予め決定された種類である薬剤を言う。
(薬剤の形状及び大きさの認識)
前述したように、認識部300の仮置き部301において、返品薬剤2の形状及び大きさが認識される(形状及び大きさの情報が取得される)。そのために、返品薬剤2は、図1及び図13に示すように、半透明板305の載置面305a(カメラ307側の平面)上に、その長手軸が載置面305aに対して平行になるように載置される。そして、半透明板305上に載置された返品薬剤2は、半透明板305の下方に配置された照明306によって光が下方から照射された状態で、半透明板305の上方に配置されたカメラ307によって撮影される。
制御装置1000は、カメラ307によって撮影された画像に基づいて、返品薬剤2の形状及び大きさの情報を取得するように構成されている。すなわち、制御装置1000は、返品薬剤2の形状及び大きさを認識するための認識部300の一部(第1薬剤情報取得部)として機能する。
制御装置1000はまた、返品薬剤2の形状及び大きさの情報を取得するために、返品薬剤2が写るカメラ307の画像を画像処理するように構成されている(画像処理部を有する)。カメラ307の画像に対する画像処理として、例えば、その画像に写る返品薬剤2の像のエッジを検出するためのエッジ検出処理と、画像を2値化(白黒化)する2値化処理とが行われる。エッジ検出処理された画像と2値化処理された画像とに基づいて、制御装置1000は、返品薬剤2の形状と大きさの情報を取得する。
また、制御装置1000は、取得した返品薬剤2の形状に基づいて、その返品薬剤2の形状が返品薬剤供給装置1において取り扱い対象の薬剤の形状であるかを判定するように構成されている。
返品トレー4を介して返却される返品薬剤2に、例えば、ラベル読取部302における無端ベルト308とローラ309との間に噛み込む形状の薬剤、スカラー型ロボット800が保持できない形状の薬剤、格納部500に格納できない形状の薬剤、すなわち返品薬剤供給装置1がその構造を原因として取り扱うことができない形状の薬剤が含まれる場合がある。一例として、袋体や箱体に収納された状態の薬剤、部分的に欠損している薬剤、ラベルが部分的に剥離している薬剤、部分的に剥離したラベルが他の薬剤に貼り付いた薬剤などが挙げられる。このような返品薬剤は、返品薬剤供給装置1ではその構造上取り扱うことができないので、取り扱い対象外の薬剤(非格納薬剤)として処理される。
カメラ307の画像(画像処理済みの画像)に基づいて返品薬剤2の形状を判定する方法の一例について説明する。
図28A及び図28Bは、2値化処理された画像を示している。図28Aは、返品薬剤供給装置1の取り扱い対象の薬剤の形状であるアンプル形状の返品薬剤2の像(黒塗り像)Imが写る2値化処理済みの画像Picを示している。図28Bは、取り扱い対象外の薬剤の形状である、すなわちラベル3が部分的に剥離した状態のアンプル形状の返品薬剤2の像(黒塗り像)Im’が写る2値化処理済みの画像Pic’を示している。
まず、制御装置1000は、カメラ307の画像Pic(Pic’)内において、黒塗り像Im(Im’)に外接する矩形領域Sr(Sr’)を抽出する。次に、矩形領域Sr(Sr’)の長手方向(長辺Sa(Sa’)が延在する方向)に延在する矩形領域Sr(Sr’)の中心線CL(CL’)を算出する。そして、黒塗り像Im(Im’)が、中心線CL(CL’)を基準にして対称の形状であるか否かを制御装置1000は判定する。
図28Aの画像Picの場合、黒塗り像Imが中心線CLに対して対称の形状であるため、制御装置1000は、画像Picに写る返品薬剤2の形状を取り扱い対象の薬剤の形状であると判定する。一方、図28Bの画像Pic’の場合、黒塗り像Im’が中心線CL’に対して非対称の形状であるため、制御装置1000は、画像Pic’に写る返品薬剤2の形状を取り扱い対象外の薬剤の形状であると判定する。
また、代わりのまたは追加の判定方法として、矩形領域Srの長辺Saにおいて、黒塗り像Imと接触していない部分を抽出し、その長さL0を算出する。すなわち、返品薬剤2の頭部2dの長さを算出する。この長さL0と、矩形領域Srの長辺Saの長さ(すなわち返品薬剤2の全長)L1とを比較することにより、カメラ307の画像に写る返品薬剤2の形状が取り扱い対象の薬剤の形状であるか否かを判定することができる。例えば、取り扱い対象の薬剤の全長に対する頭部長さの比が0.3~0.4の範囲である場合、L0/L1の値が0.3~0.4の範囲内であれば、画像に写る返品薬剤2の形状は取り扱い対象の薬剤の形状である。
このほかにも、矩形領域Srの面積に対する黒塗り像Imの面積の比に基づいて、返品薬剤2の形状が取り扱い対象の薬剤の形状であるか否かを判定することが可能である。
さらにまた、取り扱い対象の薬剤の形状をデータとして予め保持し、その形状データと画像における返品薬剤2の形状とを照合し、その照合結果(類似度)に基づいて返品薬剤2の形状を判定することも可能である。
なお、図29に示すような樹脂アンプル2(2C)の場合、取り扱い対象外の薬剤の形状と判定される可能性がある。すなわち、円形状(または楕円形状、長円形状)の断面を備える胴部2cと、長方形薄板状(または正方形薄板状)の頭部2dとを有する樹脂アンプル2(2C)の場合、画像処理されたカメラ307の画像において長方形に写る場合がある。そのため、直方体形状の箱体に収納された薬剤と区別できない場合がある。
この場合、樹脂アンプル2(2C)が透明(または半透明)であって、箱体が不透明であることを利用する。すなわち、前者が光を透過し、後者が光を透過しない特性を利用する。
具体的には、返品薬剤2が写るカメラ307の画像の輝度を上げる輝度調整処理を実行した後に、その画像を2値化処理する。
カメラ307の画像に写る返品薬剤2が透明な樹脂アンプル2(2C)である場合、輝度を上げる輝度調整処理により、画像に写る返品薬剤2の像の中央部分が白とびする。
その後に2値化処理を画像に実行すると、返品薬剤2の輪郭の像のみが画像上に残る。すなわち、おおむね枠状の像が画像に残る。一方、箱体の場合、輝度調整処理を実行しても、箱体の像は、部分的に白とびすることなく、そのままの形状が画像上に残る。そのため、その後に2値化処理しても、長方形状の像が画像が残る。したがって、画像の輝度を上げる輝度調整処理を行った後に2値化処理を行うことにより、その処理後の画像上において、透明な(または半透明な)樹脂アンプル2(2C)と箱体とを区別することが可能である。
仮置き部301の半透明板305に載置された返品薬剤2が取り扱い対象の薬剤の形状であることが判定された後、制御装置1000は、返品薬剤2の大きさが取り扱い対象の薬剤の大きさ(サイズ)であるか否かを判定する。そのために、その返品薬剤2の大きさが測定(算出)される。
返品トレー4を介して返却される返品薬剤2に、例えば、ラベル読取部302における無端ベルト308とローラ309との間に噛み込む大きさの薬剤、スカラー型ロボット800が保持できない大きさの薬剤、格納部500に格納できない大きさの薬剤、すなわち返品薬剤供給装置1がその構造を原因として取り扱うことができない大きさの薬剤が含まれる場合がある。このような返品薬剤は、返品薬剤供給装置1ではその構造上取り扱うことができないので、取り扱い対象外の薬剤(非格納薬剤)として処理される。
本実施形態の場合、返品薬剤2の大きさ(サイズ)の情報を取得するために、まず、返品薬剤2の長手方向(軸線Aの延在方向)の長さが測定(算出)される。その返品薬剤2の長手方向の長さの測定(算出)方法について説明する。
図30及び図31は、返品薬剤2の大きさの測定(算出)方法を説明するための図である。
図30に示すように半透明板305上に載置された返品薬剤2(バイアル2B)がその上方のカメラ307によって撮影されると、図31に示すようにカメラ307の画像Picに返品薬剤2が写る。この画像Picに写る返品薬剤2の像の長手方向長さLmと幅方向長さW1、W2とに基づいて、返品薬剤2の大きさとして、その長手方向(軸線Aの延在方向)の実際の長さLactが算出される。カメラ307の画像Picに基づく、返品薬剤2の長手方向の実際の長さLactの算出方法について説明する。
返品薬剤2のような円筒体をその軸線と直交する方向に撮影した場合、その軸線の延在方向の大きさについて、画像上の大きさと実際の大きさとの間に誤差が生じる。具体的には、画像において、返品薬剤2は、実際の大きさに比べて大きく写る。
そのため、カメラ307の画像Picに基づいて返品薬剤2の長手方向(軸線Aの延在方向)の大きさを算出する場合、画像Pic上における返品薬剤2の像の長手方向の大きさを補正する必要がある。そのために、画像Pic上の大きさと実際の大きさとの間の誤差E1、E2を求める必要がある。その誤差E1、E2の算出方法について説明する。
まず、図31に示すように、カメラ307の画像Picにおける返品薬剤2の長手方向の長さLm、先端2aにおける幅方向の長さ(先端側幅)W1、及び基端2bにおける幅方向の長さ(基端側幅)W2を算出する。
なお、カメラ307の画像Picにおける返品薬剤2の像の長手方向は、半透明板305上の実際の返品薬剤2の長手方向(軸線Aの延在方向)に対応する。また、画像Picにおける返品薬剤2の像の幅方向は、実際の返品薬剤2の径方向に対応する。
より具体的に言えば、カメラ307の画像Picにおける返品薬剤2の像の長手方向長さとして、カメラ307の光軸OA1と先端2aとの間の長さ(先端側長さ)Lm1と、光軸OA1と基端2bとの間の長さ(基端側長さ)Lm2とが算出される。この先端側長さLm1と基端側長さLm2の合計が画像Picにおける返品薬剤2の像の長手方向長さLmに相当する。
カメラ307の画像Pic内の返品薬剤2の像における先端側長さLm1、基端側長さLm2、先端側幅W1、及び基端側幅W2に基づいて、画像Picにおける返品薬剤2の像の長手方向長さLmと返品薬剤2の実際の長手方向長さLactとの間の誤差E1、E2を算出する。そのために、幾何学、具体的には三角形の相似を利用する。
図30に示すように、三角形△A(p1-p2-p3)と三角形△B(p4-p2-p5)とは相似である。また、三角形△Aは、その底辺の長さが先端側長さLm1であって、その高さh0がカメラ307の結像点p1と半透明板305の載置面305aとの間の距離である。一方、三角形△Bは、その底辺の長さが誤差E1であって、その高さがh1である。高さh1は、数式1に示すように、先端2aの最下端と半透明板305の載置面305aとの間の距離(W2-W1)/2と先端側幅W1との合計である。
なお、数式1は、返品薬剤2がバイアル2Bであることから求めることができる。すなわち、先端2a及び基端2bにおける返品薬剤2の端面形状が円形状平面であることから求めることができる。
したがって、三角形△A、△Bの相似関係に基づいて、以下の数式2が成立する。
同様に、三角形△C(p1-p6-p3)と三角形△D(p7-p6-p8)とは相似である。また、三角形△Cは、その底辺の長さが基端側距離Lm2であって、その高さh0がカメラ307の結像点p1と半透明板305の載置面305aとの間の距離である。一方、三角形△Dは、その底辺の長さが誤差E2であって、その高さh2が基端側幅W2である。
したがって、三角形△C、△Dの相似関係に基づいて、以下の数式3が成立する。
数式1~3において、先端側距離Lm1、基端側距離Lm2、先端側幅W1、及び基端側幅W2は、返品薬剤2が写るカメラ307の画像Picに基づいて算出される。また、高さh0は、カメラ307の結像点p1と半透明板305の載置面305aとの間の距離であるため、一定であって既知である。それらの値と数式1~3とを用いることにより、先端2a側の誤差E1と基端2b側の誤差E2とを算出することができる。
この算出された誤差E1、E2をカメラ307の画像Picにおける返品薬剤2の像の長手方向長さLm(Lm1+Lm2)から減算することにより、返品薬剤2の実際の長手方向(軸線Aの延在方向)の長さLactを算出することができる。
このように返品薬剤2の実際の長手方向(軸線Aの延在方向)の長さを算出することができると、その前に取得した返品薬剤2の形状の情報に基づいて、返品薬剤2の他の部分の実際のサイズも算出可能である。例えば、返品薬剤2がバイアル2Bの場合、胴部2cの実際の外径を算出することができる。
なお、上述するような返品薬剤2の長手方向の実際の長さの算出は、返品薬剤2の先端2a及び基端2bでの端面がバイアル2Bのように円形状端面の場合に、その精度が高い。したがって、返品薬剤2がアンプル2Aまたは樹脂アンプル2Cの場合、その長手方向の実際の長さの算出方法を少し変更する必要がある。
例えば、返品薬剤2がアンプル2Aの場合、その頭部2dが先端2aに向かって先細る形状であるため、先端2aは平面ではなく点である。そのために、カメラ307の画像におけるアンプル2Aの像から、先端側幅W1を算出することはできない。すなわち、前述の数式1、先端側幅W1、および基端側幅W2を用いて返品薬剤2(2A)の先端側の高さh1を求めることができない。そこで、返品薬剤2がアンプル2Aの場合には、先端側の高さh1を、基端側幅W2を用いて数式4に示すように定義する。
数式4において、αは定数であり、実験的または経験的に求められる。例えば、定数αは1mmである。数式4、数式2、及び数式3を用いることにより、返品薬剤2がアンプル2Aであっても、そのアンプル2Aが写るカメラ307の画像に基づいて、その長手方向(軸線Aの延在方向)の実際の長さLactを算出することができる。
また、返品薬剤2が図29に示すように長方形薄板状(または正方形薄板状)の頭部2dを有する樹脂アンプル2Cの場合も、アンプル2Aの場合と同様の方法で、その長手方向(軸線Aの延在方向)の実際の長さLactを算出することが可能であり、またそれが好ましい。その理由は、樹脂アンプル2Cの場合、半透明板305の載置面305aに対する薄板状の頭部2dの傾きによって、カメラ307の画像上における先端側幅W1が異なるからである。そのため、アンプル2Aと同様に、先端側幅W1を、基端側幅W2の関数とみなすのが好ましい。
さらに、前述したように、樹脂アンプル2Cは、薄板状の頭部2dが半透明板305の載置面305aに対して平行ではない状態(わずかに傾いた状態)で、半透明板305上に載置される可能性がある。このような場合を考慮に入れて、カメラ307の画像上の樹脂アンプル2Cの像における長手方向の長さLm(すなわち先端側距離Lm1及び基端側距離Lm2)は、その像の幅方向の中心で測定されるのが好ましい。
さらに、返品薬剤2の長手方向の実際の長さLactを測定(算出)するにあたって、カメラ307の光軸OA1と返品薬剤2とが交差するように、返品薬剤2は半透明板305の載置面305a上に位置決めされるのが好ましい。特に、カメラ307の光軸OA1と返品薬剤2の軸線Aとが直交するように、返品薬剤2は半透明板305に対して位置決めされるのが好ましい。
例えば、図32は、返品薬剤2を位置決めするための位置決め部として凹凸部が形成されている半透明板(薬剤載置板)305の斜視図である。
本実施形態の場合、半透明板305は、半透明のベースプレート305Aと、そのベースプレート305A上に載置され、返品薬剤2が載置される載置面305aを備える透明の位置決めプレート305Bとから構成されている。ベースプレート305Aは、位置決めプレート305Bの周囲から上方へ突出して、返品薬剤2の載置面305aからの脱落を防止する、枠体305cを備えている。
位置決めプレート305Bは、ベースプレート305Aに着脱可能に取り付けられる。位置決めプレート305Bはまた、カメラ307の光軸OA1と載置面305a上に載置された返品薬剤2の軸線Aとが直交するように、返品薬剤2を半透明板305に対して位置決めするための一対の直線状の突条部305bを備える。一対の直線状の突条部305bは、間隔をあけて平行に延在し、カメラ307側に向かって載置面305aから突出している。一対の突条部305bの間に返品薬剤2が配置されると、その胴部2cの外周面に一対の突条部305bが当接する。それにより、返品薬剤2は、その軸線Aがカメラ307の光軸OA1に直交した状態で、半透明板305の載置面305aに対して位置決めされる。
また、位置決めプレート305B(載置面305a)には、カメラ307の画像に基づいて返品薬剤2の位置、向き、形状及び大きさを解析する解析範囲ARが設定されている。解析範囲ARは、載置面305aのうち、枠体305cから中央側に所定間隔離れた位置に設定されている。すなわち、返品薬剤2は、載置面305aに載置され且つ突条部305bによって位置決めされた状態では、全体が解析範囲AR内に通常は位置する。しかしながら、返品薬剤2は、返品トレー4から仮置き部301への移送時に、突条部305bの延在方向に対して軸線が傾斜するように配置される場合がある。これは、例えば、返品トレー4内における返品薬剤2のピッキング位置又は軸線方向の検出ミスが生じた場合に発生する。この場合、仮置き部301の平面図を示す図33を参照して、返品薬剤2は、突条部305bで位置決めされることはなく、突条部305bから周囲の枠体305cまで転がり落ちて、解析範囲AR内からはみ出して、全体が解析範囲AR内に位置しなくなる。この結果、制御装置1000は、返品薬剤2の形状及び大きさを正しく解析できない。
この対応として、仮置き部301の側方断面図を示す図34を参照して、直交型ロボット700を動かして、吸着ノズル701で返品薬剤2を解析範囲ARの中央部側に移動させると共に、この解析範囲AR内で返品薬剤2の向きを解析することによって、突条部305bに再位置決めするようになっている。以下、仮置き部301に移送された返品薬剤2が、突条部305bによって位置決めされているか否かを判定すると共に、返品薬剤2が突条部305bに位置決めされていない場合には再位置決めするまでの流れの一例を、図35のフローチャート図を参照しながら説明する。
まず、図35に示すように、ステップS101において、制御装置1000は、カメラ307の画像に基づいて、返品薬剤2が位置する領域としての薬剤領域を抽出する。
次に、ステップS102において、制御装置1000は、薬剤領域の全てが解析範囲AR内に位置しているか否かを判定する。薬剤領域の全てが解析範囲ARに位置している場合にはステップS105に進み、そうでない場合にはステップS103に進む。
次に、ステップS103において、制御装置1000は、薬剤領域のうち、解析範囲AR内に位置する領域を解析して、この領域の中心座標CCを算出する。
次に、ステップS104において、制御装置1000は、直交型ロボット700を制御して、返品薬剤2を、解析範囲AR内に全体が位置するように移動させる。具体的には、図33及び34に示すように、返品薬剤2を、ステップS103で算出した中心座標CCに対して、ベースプレート305Aの外側から中央部に向けて吸着ノズル701で押し出して移動させる。
一方、ステップS102において薬剤領域の全てが解析範囲ARに位置すると判定された場合、ステップS105において、制御装置1000は、カメラ307の画像に基づいて返品薬剤2が突条部305bに位置決めされているか、すなわちバックライトの中央位置に位置するか否かを判定する。返品薬剤2がバックライトの中央に位置している場合にはステップS107に進み、そうでない場合にはステップS106に進む。
ステップS106において、制御装置1000は、カメラ307の画像に基づいて返品薬剤2の向きを検出して、直交型ロボット700を制御して、返品薬剤2を、吸着ノズル701で吸着して突条部305bに位置決めする。その際に、返品薬剤2の中心軸線Aが、突条部305bの延在方向に沿うように返品薬剤2の軸線Aを向けて載置する。これによって、返品薬剤2が突条部305bで位置決めされたことになる。
ステップS104において返品薬剤2が解析範囲ARに移動された後、及びステップS106において返品薬剤2が突条部305bに位置決めされた後に、再度ステップS101において薬剤領域が抽出される。
そして、ステップS102において薬剤領域が解析範囲AR内に位置していると判定され、ステップS105において返品薬剤2がバックライトの中央に位置していると判定された場合に、ステップS107において、制御装置1000は、載置面305a上で突条部305bによって位置決めされた返品薬剤2に対して、カメラ307の画像に基づいて、形状及び大きさを解析処理する通常の形状解析処理を実行する。
なお、半透明板305(すなわちカメラ307の光軸OA1)に対して返品薬剤2を位置決めできるのであれば、半透明板305に形成される位置決め部は、図32に示す一対の直線状の突条部305bに限らない。例えば、返品薬剤2を位置決めするための凹凸部は、溝であってもよい。
また、半透明板305を、ベースプレート305Aと位置決めプレート305Bとから構成するのではなく、一枚の半透明なプレートによって構成してもよい。その場合、一枚のプレート上に、返品薬剤2を位置決めするための凹凸部が形成される。ただし、半透明板305をベースプレート305Aと位置決めプレート305Bとから構成する場合、返品薬剤2を位置決めするための凹凸部の形状が異なる複数の位置決めプレートを用意することにより、返品薬剤供給装置1は、より多様な形状及び大きさの薬剤を取り扱うことができる。
認識部300の仮置き部301にて形状及び大きさが認識された返品薬剤2は、その形状及び大きさが取り扱い対象の薬剤の形状及び大きさであると制御装置1000によって判定された場合、図13に示すように仮置き部301に対して隣接するラベル読取部302に直交型ロボット700によって搬送される。
一方、形状が取り扱い対象外の薬剤の形状であると判定された返品薬剤2または形状が取り扱い対象の薬剤の形状であっても大きさが取り扱い対象外の薬剤の大きさであると判定された返品薬剤2は、非格納薬剤2’として、非格納薬剤配置部400の非格納薬剤配置箱401、402または非格納薬剤用の返品トレー4に移載される。
(吸着位置の決定)
次に、図36~図38を参照して、仮置き部301のカメラ307によって撮影された画像に基づいて(すなわち前述したように取得された返品薬剤2の形状及び大きさの情報に基づいて)、返品薬剤2の吸着位置(直交型ロボット700の吸着ノズル701とスカラー型ロボット800の吸着ノズル801で吸着される位置)を算出する方法を説明する。
図36を参照すると、バイアル2Bは、胴部2cからの頭部2dの突出量が比較的少なく、胴部2cと頭部2dの径の差も小さいので、長さ(全長L1)の概ね中間位置を吸着位置SPに設定すれば、吸着ノズル701,801で吸着した際に重量バランスは良好である。つまり、バイアル2Bの場合、全長L1の概ね中間位置を吸着位置SPに設定すれば、吸着ノズル701,801による保持が安定する。
引き続き図36を参照すると、アンプル2Aは、胴部2cから頭部2dの突出量が比較的大きく、胴部2cと頭部2dの径の差も大きいので、全長L1の概ね中間位置を吸着位置SPに設定すると、吸着ノズル701,801で吸着した際に重量バランスが良好でない。アンプル2Aの場合、全長L1ではなく、胴部2cの長さL2の概ね中間位置を吸着位置SPに設定すれば、吸着ノズル701,801で吸着した際に重量バランスは良好である。つまり、アンプル2Aの場合、胴部2cの長さL2の概ね中間位置を吸着位置SPに設定すれば、吸着ノズル701,801による保持が安定する。この点は、樹脂アンプル2Cの場合も同様である。
以上の理由から、仮置き部301のカメラ307によって撮影された画像に基づいて、以下の手順により返品薬剤2の吸着位置SPが算出される。
まず、カメラ307で撮影された画像(返品薬剤2の平面視での画像)の外形輪郭に対する包絡線(または外接矩形)313が設定される(図37及び図38のステップ1)。また、この包絡線313から凸面度が算出される(図37及び図38のステップ1)。凸面度は包絡線313が直線で返品薬剤2を囲むことができる程、値が1に近づく。すなわち、凸面度の値(最大値は1)が大きい程、胴部2cと頭部2dの径の差が少なく、胴部2cと頭部2dをつなぐ首部の胴部2c及び頭部2dに対する径の差も小さいことを意味する。
算出された凸面度の値が、予め設定された閾値(例えば0.8~0.9の範囲で設定できる)以上であるならば、カメラ307で撮影した返品薬剤2は、バイアル2Bと推定できる形状を有すると判断できるので、全長L1の中間、かつ幅Wの中間を吸着位置SPに設定する(図37のステップ2)。
算出された凸面度の値が、前述の予め設定された閾値未満であれば、カメラ307で撮影した返品薬剤2は、アンプル2A(あるいは樹脂アンプル2C)と推定できる形状を有すると判断できるので、胴部2cの長さL2の中間を吸着位置SPに設定するために、以下の処理を行う。
まず、包絡線(または外接矩形)313と返品薬剤2の画像の外形輪郭との比較により、胴部2cと頭部2dとの間の首部(部分的に縮径している部分)に相当する、括れ部分314を抽出する(図38のステップ2)。
次に、抽出された括れ部分314を直線で囲む矩形領域315を作成する(図38のステップ3)。
その後、返品薬剤2の画像の外形輪郭から矩形領域315を除去することで、2つの領域316a,316bを作成する(図38のステップ4)。これらの領域316a,316bは、返品薬剤2の画像の外形輪郭の括れ部分314以外の領域に相当する。また、これらの領域316a,316bの一方が返品薬剤2の胴部2cに相当し、他方が頭部2dに相当する。領域316a,316bの面積を比較し、面積が大きい方(胴部2cに相当)を処理対象として残し、面積が小さい方(頭部2dに相当)を処理対象から除外する。この例では、領域316aの面積が領域316bの面積よりも大きいので、領域316aを処理対象として残す。
最後に、領域316aの長さL2’(アンプル2Aの胴部2cの長さL2に相当)の中間と幅W’(アンプル2Aの胴部2cの幅Wに相当)の中間を吸着位置SPに設定する(図38のステップ5)。
以上の手順により、仮置き部301のカメラ307によって撮影された画像に基づいて、返品薬剤2を吸着ノズル701,801で安定して保持できる吸着位置SPを自動的に決定できる。その結果、直交型ロボット700は、仮置き部301の半透明板305上に載置された返品薬剤2を、その軸線Aが水平方向に対して平行な状態でラベル読取部302に搬送することができ、その頭部2dの先端を衝突させることなく認識部300のラベル読取部302の無端ベルト308上に安全に載置することができる。また、詳細は後述するが、直交型ロボット700は、無端ベルト308上に載置された返品薬剤2の基端2bがラベル読取部302のストッパ317に対向するように、返品薬剤2を無端ベルト308上に載置することができる。
図39は、認識部300の模式図である。認識部300は、撮影部1003、制御演算部1004、及び移送部1005を備える。撮影部1003は、カメラ304及びカメラ304により撮影した画像データを伝送する機能を有する部分を備える。制御演算部1004は制御装置1000に含まれており、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)のような記憶装置を含むハードウェアと、それに実装されたソフトウェアにより構築されている。移送部1005は、直交型ロボット700を備える。
具体的には、撮影部1003においてカメラ304で撮影された画像データが制御演算部1004に伝送され、この画像データに基づいて、制御演算部1004が移送部1005の直交型ロボット700を駆動制御し、返品トレー4中の返品薬剤2を1個ずつ吸着保持し、仮置き部301の半透明板305上に移送する(図13参照)。制御演算部1004は、2値化処理部1006、認識処理部1007、及び駆動制御部1008を備える。
2値化処理部1006は、撮影部1003のカメラ304で撮影された画像データを受け取り、これを2値化処理することで2値化画像(第1の2値化画像)を生成する。図40A及び図40Bはそれぞれ、カメラ304で撮影された元の画像と所定の閾値(例えば125)で2値化処理された2値化画像を例示する模式的な平面図である。図40Aの3つの返品薬剤2のように円柱形状でその表面が曲面の場合、上方からの照明光を強く反射する領域は細長くなる。このため、図40Bのように2値化画像において細長い照返領域S1が認識され得る。
2値化処理は、閾値を変化させて照返領域S1の検出を複数回行う。本実施形態では、3段階で閾値を徐々に小さく変化させて照返領域S1を検出する。この場合、一段階目の処理では閾値を高く(例えば245)設定することで、返品薬剤2の円柱形状の最も高くなっている部分のみを検出できる。従って、返品薬剤2同士が接触している場合や部分的に重なり合っている場合のように返品薬剤2の輪郭が不明瞭である場合でも、各返品薬剤2の細長い照返領域S1は別領域として検出でき、これに基づいて返品薬剤2の位置等を正確に検出できる。次に2段階目の処理では、1段階目よりも閾値を下げて(例えば125)2値化処理を行い、一段階目で検出できなかった少し暗い色の返品薬剤2を検出する。3段階目の処理では、最も暗い色の返品薬剤2(例えば、茶色の瓶等)を検出できる程度に閾値を低く(例えば75)設定し、残った薬品を検出する。複数の照返領域S1を検出した場合は、最も面積の大きい照返領域S1を優先して移送するように制御することで、吸着しやすい大きな返品薬剤2から順に吸着できる。また、検出した領域の重心位置を出す際に、同時に領域の最少外接矩形の向きを検出することで返品薬剤2の向きも同時に検出するようにしてもよい。なお、前記段階的処理については同じ画像を採用してもよいし、個々に撮影し直した画像を利用してもよい。
認識処理部1007は、2値化画像に基づいて返品薬剤2の位置、向き(XY平面において軸線Aが延びる方向であって先端2aと基端2bが向いている方向は含まない)、返品薬剤2の略中間位置を検出する。通常、返品薬剤2の形状は、長さL1に対して幅Wが短い(図8参照)。従って、検出した照返領域S1の位置等から、返品トレー4中の返品薬剤2の位置等が認識される。
返品薬剤2は、重心との位置関係上、胴部の中間位置を吸着されることが好ましい場合がある。例えば、図40Aに示されている樹脂アンプル2Cは、胴部の中間位置を吸着することが好ましい。しかし、樹脂アンプル2Cのように頭部に平面部を有する場合、頭部で照明光を強く反射して照返領域S1を形成する場合がある。このような場合に直交型ロボット700が誤って頭部を吸着することを防止するために、認識処理部1007は、2値化画像上から頭部領域を認識除去領域として判定する領域判定部1009を備え、この領域を位置検出対象から除外することが好ましい。
具体的には、返品薬剤2の円柱形状の部分の照返領域S1は細長い領域である。即ち、長さが所定の値以上、幅が所定の値未満、又は幅に対する長さの割合が所定の値以上である。これに対し、図40Aの樹脂アンプル2Cの頭部の照返領域S1は、幅DWが大きく、長さDLが小さい領域であり、幅DWに対する長さDLの割合が小さい。従って、領域判定部1009での判定は、照返領域S1の長さDLが所定の値未満であるか、幅DWが所定の値以上であるか、又は幅DWに対する長さDLの割合が所定の値以下である場合、その領域を認識除去領域として判定する。ここで使用する所定の値は、使用する樹脂アンプル2Cのサイズに応じて決定すればよい。このようにして、頭部を認識除去領域として判定することで吸着すべき胴部を正確に認識できる。ここで検出された返品薬剤2の位置等のデータは、駆動制御部1008に伝送される。
駆動制御部1008は、認識処理部1007で検出した返品薬剤2の位置等の情報に基づいて、直交型ロボット700を駆動して返品薬剤2を仮置き部301の半透明板305(図13参照)上に移送する制御を行う。移送の際には、返品薬剤2のサイズ及び表面に貼付されたラベル情報等を自動認識する必要があるため、返品薬剤2は返品トレー4内で倒れている必要がある。従って、返品トレー4内で倒れていない返品薬剤2が存在する場合、駆動制御部1008は直交型ロボット700を駆動して返品薬剤2を倒すように制御している。
返品薬剤2が返品トレー4内で倒れているか否かの認識は、カメラ304で撮影した画像、又はこれを2値化処理した2値化画像に基づいて認識処理部1007により行われる。具体的には、倒れていない返品薬剤2は、上方のカメラ304で撮影した場合、他の倒れている返品薬剤2と異なり、平面視で略円形である。従って、形状認識により返品薬剤2が倒れているか判断する。または、倒れていない返品薬剤2は、他の倒れている返品薬剤2と比べて平面視での面積が小さいため、検出した返品薬剤2の面積が所定の面積以下の場合に倒れていないと判断してもよい。このように、カメラ304で撮影した画像、又は2値化画像に基づいて返品薬剤2が返品トレー4内で倒れているか否かを認識できる。
次に、倒れていないと認識された返品薬剤2が存在する場合、駆動制御部1008が直交型ロボット700を制御して返品薬剤2を倒す方法を詳細に説明する。まず、図41Aに示すように、駆動制御部1008は、倒れていないと認識された返品薬剤2に対して、直交型ロボット700を駆動して吸着パッド702を上方から返品薬剤2に押し当て返品薬剤2の高さを測定する。高さの測定には、キャリッジ706に搭載された位置センサ(図示せず)を使用してもよい。次に、吸着パッド702を一度上昇させて、吸着パッド702と返品薬剤2との接触を解除した後、数mm程度(例えば20mm程度)水平移動する。そして、測定した返品薬剤2の高さから数mm程度(例えば5mm程度)低い位置まで吸着パッド702を下降させた後、吸着パッド702を返品薬剤2へ向かって水平移動させ、図41Bに示すように返品薬剤2の上部を押圧することで返品薬剤2を倒す。また、一般に倒れていない返品薬剤2の高さは倒れている返品薬剤2の高さに比べて高いため、測定した返品薬剤2の高さが所定の値以上の場合のみ、返品薬剤2が倒れていないと判定してもよい。
図42は、返品薬剤2を倒す方向を示す図である。図42に矢印で示すように、返品薬剤2を倒す方向は、認識処理部1007で他の返品薬剤2がないと認識した方向であることが好ましい。これにより、倒れていない返品薬剤2の周囲で返品薬剤2がない方向を予め確認することで移送部1005が吸着しやすく安全な方向に返品薬剤2を倒すことができる。返品薬剤2を倒す方向を考慮しない場合、返品薬剤2を倒す方向によっては、倒した返品薬剤2が他の返品薬剤2と接触して破損する可能性や、返品薬剤2同士が表面のラベルシールにより接着されてしまう可能性がある。これを防止するため、予め返品薬剤2を倒す方向に他の返品薬剤2がないことを確認することは有効である。このようにして、返品トレー4内で全ての返品薬剤2を倒れている状態とすることで、直交型ロボット700の吸着ノズル701が返品トレー4中の返品薬剤2を1個ずつ吸着保持し、仮置き部301の半透明板305上に移載できる(図13参照)。この際、吸着ノズル701は、それ自体の軸線(Z軸)回りの回転により、吸着保持した返品薬剤2の向きを調節できる。
直交型ロボット700が返品薬剤2を吸着して持ち上げる際、返品薬剤2の位置検出誤差や直交型ロボット700のティーチング誤差により、吸着を失敗することがある。このため、吸着の成否を判断するために、制御演算部1004は吸着判定部1010を備えることが好ましい。吸着判定部1010は、吸着ノズル701内の圧力を測定する圧力センサ1012に基づいて吸着成否を判定する。吸着が成功すると、吸着パッド702の開口部を返品薬剤2が閉塞するため、吸着ノズル701内への空気の吸い込みが行われず、吸着ノズル701内の圧力は低下する。従って、直交型ロボット700による吸着動作後、圧力センサ1012の出力が所定の値未満となった場合には吸着成功と判定し、圧力センサ1012の出力が所定の値以上である場合には吸着失敗と判定する。
吸着判定部1010が吸着失敗と判定した場合、吸着位置の付近の所定の範囲内で吸着位置及び角度を変更して複数回吸着動作を繰り返すことが好ましい。このような動作例としては以下の表1の例1~8のような吸着位置を指定する方法が挙げられる。
各ステップにおいて移動する数値を具体的に設定する場合、返品薬剤2を考慮することが好ましい。小さな返品薬剤2に対しては吸着を失敗する可能性がより高い。本実施形態で使用する返品薬剤2のサイズは、最小サイズで直径10mm、長さ35mm程度である。従って、このサイズに基づいて上記の各ステップの数値は、幅W方向に10mmを越えない程度、又長さL方向には35mmを越えない程度の範囲であることが好ましい。
このように、吸着動作を失敗しても吸着位置を変更して再度吸着動作を行うため、返品薬剤2の吸着成功確率を向上できる。特に小さいサイズの返品薬剤2を吸着する場合、高精度の位置検出及び吸着動作が求められる。このような小さい返品薬剤2に合わせて吸着位置を変更して吸着を行う動作を予め設定することで、吸着成功確率をより向上できる。また、吸着を失敗しても再度画像認識及び2値化処理を行うことなく、吸着動作を行うため、効率よく薬剤の吸着及び移送を行うことができる。
2値化処理部1006において、輝度値の高い順に2値化処理を行い、認識処理部1007で返品薬剤2の位置等を検出する場合、一度吸着を失敗すると何度も同じ位置座標を検出し、吸着失敗を繰り返す場合がある。従って、制御演算部1004は、2値化画像において吸着失敗と吸着判定部1010で判定された座標領域を記憶する記憶部1011を備え、この座標領域では一時的に吸着しない制御を行うことが好ましい。これに代えて、2値化画像において吸着失敗と前記吸着判定部1010で判定された座標領域を図示しない上位のシステムに記憶してもよい。
図43は、本実施形態における認識部300における処理の一部を表すフローチャートである。処理を開始すると、カメラ304により撮影を行い、2値化画像を生成する。記憶部1011で記憶した前回吸着失敗した座標領域が存在する場合、この座標領域を含む照返領域S1(図40B参照)を2値化画像に対してマスクする。前回吸着を失敗した座標領域が存在しない場合はマスク処理を行わない。そして、2値化画像上で返品薬剤2が検出された場合、吸着動作を行う。吸着判定部1010により吸着成功と判定されると再び撮影を行い、反対に吸着失敗と判定されると記憶部1011に吸着を失敗した座標領域を記憶する。記憶した座標が所定数未満である場合は撮影に戻る。記憶した座標が所定数となった場合、かつそれが2回目の場合は処理を終了し、2回目でない場合はマスクをクリアして撮影に戻り認識動作を開始する。吸着失敗と判定された場合には、先に記載の表1のように吸着周辺位置を探索し吸着動作を行うようにしてもよい。これを繰り返し、2値化画像上で返品薬剤2が検出されなくなった場合、吸着失敗した座標領域が記憶部1011にない場合、処理を完了する。吸着失敗した座標領域が記憶部1011にある場合、記憶されている全座標が記憶された回数が2回目であるならば処理を終了し、そうでないならばマスクをクリアして撮影に戻って認識動作を開始する。認識動作とは、撮影、2値化処理、マスク処理、返品薬剤2の検出、及び、吸着失敗した座標領域を記憶部1011に記憶する動作をいう。
このようにして、2値化画像上の吸着を失敗した座標領域を位置検出対象から一時的に除外するため、吸着を失敗する座標領域を繰り返し検出することなく、他の薬剤の位置を検出できる。特に大きなアンプルの場合、一度吸着に失敗した座標領域であっても何度も位置検出される可能性があり、その吸着位置を認識対象から除外することで、吸着失敗回数を低減でき、効率化を図ることができる。
制御装置1000はまた、カメラ307によって撮影された画像に基づいて、返品薬剤2の形状及び大きさの情報を取得するように構成されている。すなわち、制御装置1000は、返品薬剤2の形状及び大きさを認識するための認識部300の一部として機能する。
制御装置1000はまた、返品薬剤2の形状及び大きさの情報を取得するために、返品薬剤2が写るカメラ307の画像を画像処理するように構成されている(画像処理部を有する)。カメラ307の画像に対する画像処理として、例えば、その画像に写る返品薬剤2の像のエッジを検出するためのエッジ検出処理と、画像を2値化して2値化画像(第2の2値化画像)を取得する2値化処理とが行われる。エッジ検出処理された画像と2値化画像とに基づいて、制御装置1000は、返品薬剤2の形状と大きさの情報を取得する。
(薬剤の種類及び使用期限の認識)
前述したように、認識部300のラベル読取部302において、返品薬剤2の種類及び使用期限が認識される(種類及び使用期限の情報が取得される)。そのために、ラベル読取部302は、図14に示すように、返品薬剤2が載置される無端ベルト308と、無端ベルト308上に載置された返品薬剤2と当接し、その返品薬剤2をその軸線Aを中心として回転させるローラ309とを有する。また、ラベル読取部302は、無端ベルト308を駆動するベルト駆動部(図示せず)と、ローラ309を駆動するローラ駆動部(図示せず)とを有する。ベルト駆動部及びローラ駆動部は、例えばモータであって、制御装置1000によって制御される。
ラベル読取部302の正面図である図44に示すように、ローラ309は、無端ベルト308の上方に間隔をあけて、例えば1mmの間隔をあけて配置されている。また、図14に示すように、無端ベルト308の進行方向Fは、ローラ309の回転中心線Rcの延在方向(Y方向)に対して非直交に交差している。例えば、本実施形態の場合、ローラ309の回転中心線Rcの延在方向と無端ベルト308の進行方向Fとの間の角度は、5~15度の範囲である。
無端ベルト308の進行方向Fは、その上に載置された返品薬剤2がローラ309に接近する方向である。一方、ローラ309の回転方向は、無端ベルト308との対向領域において、無端ベルト308の進行方向FのX方向成分に対して周速が逆方向になるような回転方向である。
また、本実施形態の場合、無端ベルト308とローラ309との対向領域において、無端ベルト308の移動速度とローラ309の回転速度が同一になるように、無端ベルト308及びローラ309は、制御装置1000によってベルト駆動部及びローラ駆動部を介して駆動制御されている。
このような無端ベルト308とローラ309によれば、無端ベルト308上に載置された返品薬剤2は、無端ベルト308によって運ばれ、ローラ309に接触する。これにより、返品薬剤2は、ローラ309に当接した状態で維持され、X方向に関して位置決めされる。
なお、返品薬剤2(特にアンプル2Aや樹脂アンプル2C)は、ローラ309に当接した状態のときにその基端2bがストッパ317に対向するような向きで、無端ベルト308上に直交型ロボット700によって載置されるのが好ましい。仮にアンプル2Aや樹脂アンプル2Cの先端2a(頭部2d)がストッパ317側に位置する向きで無端ベルト308上に載置された場合、無端ベルト308の搬送が開始されることによってその胴部2cの基端2b側の角部が先にローラ309に接触し、その接触した反動によって無端ベルト308上で向きが変わり、その頭部2dが無端ベルト308とローラ309との間に入り込む可能性がある。したがって、返品薬剤2の頭部2dが無端ベルト308とローラ309との間に入り込む可能性がある場合には、その返品薬剤2は、ローラ309に当接した状態のときにその基端2bがストッパ317に対向するような向きで、無端ベルト308上に直交型ロボット700によって載置されるのが好ましい。
図14に示すように無端ベルト308の進行方向Fとローラ309の回転中心線Rcの延在方向とが非直交に交差するため、ローラ309に当接した後の返品薬剤2はローラ309にガイドされて該ローラ309の回転中心線Rcの延在方向(Y方向)に移動する。最終的には、返品薬剤2の軸線Aの延在方向の一端がストッパ317に当接し、それにより、返品薬剤2は、ローラ309の回転中心線Rcの延在方向(Y方向)に関して位置決めされる。その結果、返品薬剤2は、ラベル読取部302に対して位置決めされる。
無端ベルト308の進行方向Fとローラ309の回転中心線Rcの延在方向とが非直交に交差するような無端ベルト308に対するローラ309の配置およびストッパ317により、返品薬剤2は高精度に位置決めされた状態で維持される。
仮に、無端ベルト308の進行方向Fとローラ309の回転中心線Rcの延在方向とが直交する場合、ローラ309に当接した状態の返品薬剤2は、ローラ309の回転中心線Rcの延在方向に移動し、ストッパ317から離間する可能性がある。このことを考慮して、ストッパ317と返品薬剤2との当接状態を維持するために、無端ベルト308の進行方向Fとローラ309の回転中心線Rcの延在方向とが非直交に交差している。
返品薬剤2が高精度に位置決めされた状態で維持されることにより、例えば、ラベル読取部302のカメラ311視野内に返品薬剤2が維持されるとともに、バーコードリーダ312の読取可能領域内に返品薬剤2のラベル3のバーコードがセットされて維持される。その結果、カメラ311とバーコードリーダ312による返品薬剤2の種類と使用期限に対して高い認識精度を確保することができる。
図45Aは、ローラ309の回転中心線Rcと直交する方向であって且つ無端ベルト308と平行な方向に見た、すなわち図14のX方向に見たラベル読取部302を示している。
図45Aに示すように、返品薬剤2と当接するストッパ317の接触部は、ローラ309に当接した状態の返品薬剤2の軸線Aに対して直交する平面(Z-X平面と平行な平面)ではない。
具体的には、返品薬剤2と当接するストッパ317の接触部は、2つの平面317a、317bの間に形成されるエッジ部317cである。平面317aは、返品薬剤2と当接する無端ベルト308の表面の法線に対して角度θ(すなわち鉛直方向(Z方向)に対して角度θ)で且つ無端ベルト308に対向するように傾いたオーバーハング面である。角度θは、例えば15度である。2つの平面317a、317bの間のエッジ部317cは、図14に示すように、ローラ309の回転中心線Rcに対して直交し、且つ無端ベルト308の表面に対して平行に延在する、すなわちX方向に延在する。なお、ストッパ317のエッジ部317cの先端は、アール加工されている。
X方向に延在するエッジ部317cは、返品薬剤2の基端2bに対して線接触する。これにより、回転中の無端ベルト308及びローラ309に当接している返品薬剤2は、その軸線Aが無端ベルト308の表面に対して且つローラ309の回転中心線Rcに対して平行に維持された状態で、軸線Aを中心にして回転することができる。
このことを具体的に説明するために、比較例の図45Bに示すように、返品薬剤2と当接するストッパ317’の接触部が平面部317a’である場合を考える。また、図45Bに示すように、返品薬剤2の重心が頭部2d側に位置し、そのために傾いた状態(軸線Aが無端ベルト308の表面に対して且つローラ309の回転中心線Rcに対して非平行な状態)で返品薬剤2がストッパ317’の平面部317a’に接触する場合を考える。なお、このような傾きは、胴部2cと頭部2dの大きさが近く、軽量な小さいサイズの返品薬剤2に発生しやすい。
図45Bに示すように、傾いた状態の返品薬剤2が、無端ベルト308とローラ309の回転によってストッパ317’に向かって送られ(白抜矢印方向に送られ)、ラベル読取部302’のストッパ317’の平面部317a’に接触する。傾いた状態であるために、返品薬剤2の基端2bの縁が、ストッパ317’の平面部317a’に接触する。
基端2bの縁がストッパ317’の平面部317a’に接触した状態で、返品薬剤2が、無端ベルト308とローラ309とによって回転されると、基端2bの縁部とストッパ317’の平面部317a’との間に強い摩擦が発生する(返品薬剤2が傾くことなく、その基端2b全体がストッパ317’の平面部317a’に接触する場合に比べて)。この摩擦は、無端ベルト308とローラ309の回転によって返品薬剤2がストッパ317’に向かって付勢され続けられていることによって発生する。
返品薬剤2の基端2bの縁とストッパ317’の平面部317a’との間に摩擦が発生すると、ストッパ317’の平面部317a’上を基端2bが転動する。
この転動について、理解しやすい自動車のタイヤを例に挙げて説明する。自動車のタイヤは、地面と接触しているタイヤの部分がまずあって、この部分に隣接するタイヤの部分が該タイヤの回転によって次に地面に接触することにより、地面上を転動することができる。
このタイヤのメカニズムと同様に、ストッパ317’の平面部317a’に接触している基端2bの縁の部分がまずあって、この部分に隣接する基端2bの縁の部分が返品薬剤2の回転によって次に平面部317a’に接触することにより、基端2bがストッパ317’の平面部317a’上を転動する。
基端2bがストッパ317’の平面部317a’上を転動すると、ストッパ317’に対する返品薬剤2の相対位置が変化し、最終的には、返品薬剤2は、ストッパ317’やローラ309から離間する。その離間した返品薬剤2は、無端ベルト308によって送られて再びローラ309に接触し、その後、無端ベルト308とローラ309によってストッパ317’に向かって送られ、再度ストッパ317’の平面部317a’に接触する。この再度の接触のときに返品薬剤2が傾いた状態であれば、その基端2bがストッパ317’の平面部317a’上を再び転動し、再び返品薬剤2がストッパ317’やローラ309から離間する。このようなループは、偶然的に返品薬剤2の傾きが解消されるまで続く。その結果、ラベル読取部302において、ラベルに記載された使用期限やバーコードの認識の開始が遅れるまたは開始不能になる。
このような傾きやすい返品薬剤2に起こる問題を考慮して、図45Aに示すように、本実施形態のラベル読取部302のストッパ317は、そのエッジ部317cを介して返品薬剤2と接触するように構成されている。
すなわち、返品薬剤2が傾いてその基端2bの縁がエッジ部317cに接触しても、そのエッジ部317cに当接する縁の部分に対して隣接する縁の部分は、返品薬剤2が回転したときにストッパ317に当接することができない。また、傾いた返品薬剤2の基端2bの縁がストッパ317のオーバーハング面317aに接触しないように、オーバーハング面317aは無端ベルト308の表面の法線(すなわちZ方向)に対して角度θで且つ無端ベルト308の表面に対向するように傾いている。
このようなストッパ317であれば、傾いた状態で基端2bがエッジ部317cに接触する返品薬剤2は、無端ベルト308とローラ309の回転によって自身が回転することにより、その傾きを自身で解消することができる。その結果、返品薬剤2は、その軸線Aが無端ベルト308の表面に対して且つローラ309の回転中心線Rcに対して平行に維持された状態で、軸線Aを中心にして回転することができる。
また、返品薬剤2が高精度に位置決めされた状態で維持されることにより、ストッパ317に当接した状態の返品薬剤2の吸着位置SPも高精度に位置決めされた状態で維持される。前述したように返品薬剤2に対する吸着位置SPが算出されているため、返品薬剤2に当接しているストッパ317(すなわちラベル読取部302)に対する吸着位置SPも算出することができる。その結果、ラベル読取部302に対する吸着位置SPに、スカラー型ロボット800の吸着ノズル801を高精度に位置合わせすることができる。その結果、スカラー型ロボット800は、ラベル読取部302で位置決めされた状態で維持されている返品薬剤2の吸着位置SPを高精度に吸着保持することができ、それにより安全にラベル読取部302から格納部500に返品薬剤2を搬送することができる。
返品薬剤2は、ラベル読取部302に対して位置決めされて維持されている間、ローラ309によって軸線Aを中心として回転し続ける。回転中の返品薬剤2のラベル3は、カメラ311によって撮影されるとともにバーコードリーダ312によって読み取られる。
図44に示すように、無端ベルト308及びローラ309によって位置決めされて回転中の返品薬剤2の上方には、その返品薬剤2のラベル3を撮影するためのカメラ311と、ラベル3に記載されたバーコードを読み取るバーコードリーダ312が配置されている。
ラベル3には、返品薬剤2の使用期限が記載されているとともに、返品薬剤2の種類を示すバーコードが記載されている。
制御装置1000は、カメラ311によって撮影されたラベル3が写る画像に基づいて、返品薬剤2の使用期限の情報を取得するように構成されている(ラベル3に記載されている使用期限を認識するOCR部を有する)。また、制御装置1000は、バーコードリーダ312が読み取ったバーコードに基づいて、返品薬剤2の種類の情報を取得するように構成されている。すなわち、制御装置1000は、返品薬剤2の種類及び使用期限を認識するための認識部300の一部(第2薬剤情報取得部)として機能する。
前述したように、ラベル3に記載されているバーコードに返品薬剤2の種類及び使用期限の情報が含まれている場合(例えば、使用期限を示すバーコードがラベル3に印刷されている場合)、バーコードリーダ312が読み取ったバーコードにより、返品薬剤2の種類と使用期限とを含む情報を取得することが可能である。また、その結果として、カメラ311を省略することができる。
なお、前述したように、ローラ309によって返品薬剤2が回転されている状態でその返品薬剤2のラベル3から種類及び使用期限を認識するため、その認識に失敗する可能性がある。その対処として、例えば、認識の失敗が所定の回数に達するまでまたは認識作業を繰り返すことによって所定の時間が経過するまで(タイムアウトするまで)、認識作業を繰り返してもよい。例えば、カメラ311によって撮影された画像に写るラベル3に記載されている使用期限をOCR部が認識できない場合、新たな画像がカメラ311によって撮影される。その新たに撮影された画像に写るラベル3の使用期限に対してOCR部は認識作業を実行する。所定の回数(例えば18回)認識に失敗した場合またはタイムアウトした場合、その返品薬剤2は、ラベル3を読み取ることができない非格納薬剤として処理される(非格納薬剤配置部400の非格納薬剤配置箱401、402に格納される)。
また、制御装置1000は、ラベル読取部302にセットされた返品薬剤2の外径に基づいて、ローラ309の回転速度を制御するように構成されている。
理由を説明すると、返品薬剤2の外径が相対的に小さく、ローラ309の回転速度が相対的に高速である場合、返品薬剤2の周速は高い。そのために、バーコードリーダ312が、返品薬剤2の外周面に貼り付けられたラベル3のバーコードを正確に読み取れない可能性がある。この対処として、制御装置1000は、返品薬剤2の外径が小さくなるにしたがって、ローラ309の回転速度が低下するようにローラ駆動部を制御する。このことを可能とするために、制御装置1000は、認識部300の仮置き部301のカメラ307の画像から取得した返品薬剤2の形状及び大きさ(軸線Aの延在方向の大きさ)に基づいて、返品薬剤2の外径を算出するように構成されている。
図44に示すように、カメラ311は、その光軸OA2が鉛直方向(Z軸方向)に延在するように、ラベル読取部302の上方に配置されている。一方、返品薬剤2のラベル3のバーコードに向かってバーコードリーダ312から照射されるレーザの光軸OA3の延在方向(すなわちレーザの照射方向)は、鉛直方向に対して傾いている。その理由について、図46を用いて説明する。
返品薬剤供給装置1は、前述したように、多様な形状及び大きさの薬剤を取り扱うように構成されている。そのため、図46に示すように、外径が異なる返品薬剤2がラベル読取部302にセットされる。
図46において、返品薬剤2は、断面形状(そのラベル3が貼り付けられている胴部2cの断面形状)で示されている。返品薬剤2(max)は、返品薬剤供給装置1において取り扱われる複数の薬剤において、最大の外径を備える。一方、返品薬剤2(min)は、最小の外径を備える。したがって、ラベル読取部302のバーコードリーダ312のレーザ照射方向は、最大の外径を備える返品薬剤2(max)のバーコードと最小の外径を備える返品薬剤2(min)のバーコードとを正確に読み取れるように設定されている。
例えば、図46に示すように、外径が異なる複数の返品薬剤2(min)、2、2(max)があって、各返品薬剤のラベル3が上方向に向いている場合を想定する。この場合、ローラ309の回転中心線Rcと直交する平面において(すなわち図46において)、無端ベルト308及びローラ309に当接した状態の返品薬剤2(min)、2、2(max)それぞれの外周上の0度の角度位置の点p(0)に基づいて、回帰直線を算出する。0度の角度位置の点p(0)は、返品薬剤2の断面外周上に位置し、軸線Aを基準とする0度の角度位置に位置し、且つ、最上の位置に位置する。回帰直線は、各返品薬剤2(min)、2、2(max)の0度の角度位置の点p(0)それぞれとの間の距離が最小になるような直線であって、最小二乗法によって求められる。この求められた回帰直線に対してレーザの光軸OA3が平行になるように(または一致するように)、バーコードリーダ312のレーザ照射方向が設定される。これにより、外径が異なる複数の返品薬剤2のラベル3が上方向に向いているときに、略同一の精度で正確に各返品薬剤2のラベル3上のバーコードを読み取ることができる。
なお、図46に示すように、本実施形態の場合、バーコードリーダ312のレーザの光軸OA3は、回帰直線に対して平行であるとともに、最大の外径を備える返品薬剤2(max)の0度の角度位置の点p(0)を通過する。
また、バーコードリーダ312は、ラベル3が上方に向いているときに、そのラベル3のバーコードを読み取ることに限らない。
例えば、図47に示すように、バーコードリーダ312は、ラベル3が上方向に対して45度傾いている方向に向いた状態で、そのラベル3のバーコードを読み取ってもよい。この場合、ローラ309の回転中心線Rcと直交する平面において、無端ベルト308及びローラ309に当接した状態の返品薬剤2(min)、2、2(max)それぞれの外周上の45度の角度位置の点p(45)に基づいて、回帰直線を算出する。そして、その回帰直線に対してレーザの光軸OA3が平行になるように(または一致するように)、バーコードリーダ312のレーザ照射方向が設定される。これにより、外径が異なる複数の返品薬剤2のラベル3が上方向に対して45度傾いている方向に向いているときに、略同一の精度で正確に各返品薬剤2のラベル3上のバーコードを読み取ることができる。
ラベル読取部302での返品薬剤2の種類及び使用期限の認識終了後、無端ベルト308及びローラ309は停止される。このとき、前述したように、無端ベルト308上の返品薬剤2は、そのラベル3のバーコードが上方向に向いた状態または45度の斜め上方向に向いた状態にされる。バーコードが上方向または斜め上方向に向いた状態であるかは、バーコードリーダ312がそのバーコードを読み取れることで保証される。スカラー型ロボット800は、バーコードが上方向または45度の斜め上方向に向いた状態を維持しつつ、ラベル読取部302から格納部500に返品薬剤2を移送する。
この理由について説明する。前述するように、スカラー型ロボット800は、処方データ(処方指示)に基づいて、返品薬剤を格納部500の格納トレー5から払出トレー8に移送する。このとき、返品薬剤2の種類と格納領域とを関連付けて記憶する薬品マスタを参照することにより、処方データに含まれる返品薬剤2の格納領域が特定される。そして、スカラー型ロボット800は、特定された格納領域に格納されている返品薬剤2を吸着保持する。
このとき、返品薬剤2を吸着する前に、スカラー型ロボット800に搭載されたバーコードリーダ812により、特定された格納領域に存在する返品薬剤2のバーコードを読み取る。それにより、特定された格納領域に存在する返品薬剤2が処方データに含まれる返品薬剤2であることが確認される。この確認作業が実行できるように、すなわち格納トレ-5に格納された返品薬剤2のバーコードをスカラー型ロボット800のバーコードリーダ812が読み取れるように、返品薬剤2は、バーコードが上方向または45度の斜め上方向に向いた状態で格納トレー5に格納される。そして、このために、ラベル読取部302での種類及び使用期限の認識終了後、無端ベルト308上の返品薬剤2は、そのラベル3のバーコードが上方向に向いた状態または45度の斜め上方向に向いた状態にされる。
なお、図29に示すような樹脂アンプル2Cの場合、バーコードを斜め上方向に向けた状態であるとき、樹脂アンプル2Cの連結バリが最上部に位置する可能性がある。この場合、その連結バリによってスカラー型ロボット800の吸着ノズル801が上方から樹脂アンプル2Cを正常に吸着できない可能性がある。
この対処のためには、まず、ラベル読取部302に存在する返品薬剤2が連結バリを備える返品薬剤であるかを確認する必要がある。この確認作業を実現するために、薬剤マスタは、薬剤の種類情報と、連結バリの有無に関する情報とを関連付けて記憶している。
ラベル読取部302で認識した返品薬剤2の種類と薬品マスタに基づいて、ラベル読取部302の返品薬剤2が連結バリを備える薬剤であることが確認されると、その連結バリが最上部に位置しないように、すなわち吸着ノズル801が連結バリのない部分を吸着できるように、無端ベルト308及びローラ309は停止状態から再駆動し、返品薬剤2を好適な最適量で回転させる。
制御装置1000は、カメラ311及びバーコードリーダ312を介して、ラベル読取部302の返品薬剤2の種類及び使用期限の情報を取得すると、その取得した種類及び使用期限が取り扱い対象の薬剤であるか否かを判定するように構成されている。
例えば、返品薬剤2の種類が、ユーザによって返品薬剤供給装置1において取り扱うことが予め決定された種類であれば、その返品薬剤2は取り扱い対象の薬剤と判定される。具体的には、認識された種類が薬剤マスタ内に記憶されている種類であれば、その返品薬剤2は、取り扱い対象の薬剤であると判定される。そうでない場合は、取り扱い対象外と判定される。
また、使用期限が切れていないまたは十分に残っている場合には、その返品薬剤2は、取り扱い対象の薬剤と判定される。一方、使用期限が既に切れているまたは残りの使用期限が数日(例えば2~3日)である場合、その返品薬剤2は、取り扱い対象外と判定される。
認識部300のラベル読取部302にて種類及び使用期限が認識された返品薬剤2は、取り扱い対象の薬剤の種類及び使用期限であると制御装置1000によって判定された場合、前述したようにスカラー型ロボット800によって格納部500に移送される。
一方、種類及び使用期限の少なくとも一方が取り扱い対象外の薬剤の種類及び使用期限であると判定されたラベル読取部302の返品薬剤2は、非格納薬剤2’として、非格納薬剤配置部400の非格納薬剤配置箱401、402に移送される(最終的には、または非格納薬剤用返品トレー4’に移載される)。
なお、最終的には、非格納薬剤配置部400の非格納薬剤用返品トレー4’には、複数の非格納薬剤2’が格納される。このとき、非格納薬剤2’は、整理された状態で非格納薬剤用返品トレー4’に格納されるのが好ましい。
図48は、非格納薬剤用返品トレー4’内に格納されている複数の非格納薬剤2’を示している。
図48に示すように、複数の非格納薬剤2’は、整理された状態で、例えば互いに重なることなく、非格納薬剤用返品トレー4’内に格納されている。このように整理した状態で複数の非格納薬剤2’を非格納薬剤用返品トレー4’に格納する方法について説明する。
制御装置1000は、非格納薬剤2’を非格納薬剤用返品トレー4’内に格納する前に、その非格納薬剤2’を格納するための空きスペースSを算出するように構成されている。
非格納薬剤用返品トレー4’の空きスペースSは、認識部300のカメラ304(さらなる撮影部)によって撮影された非格納薬剤用返品トレー4’の画像を画像処理することによって抽出(算出)される。そのために、非格納薬剤用返品トレー4’は、昇降部200のテーブル203に移載され、カメラ304の下方に配置される。
空きスペースSを算出すると、制御装置1000は、その空きスペースS内に、新たに非格納薬剤用返品トレー4’に格納される非格納薬剤2’’の格納領域(格納位置)を決定する。その格納領域の決定方法の一例について説明する。
制御装置1000は、例えば、非格納薬剤2’’の形状(仮置き部301で認識された形状)に比べて大きく且つ相似形状の仮格納領域を決定する。例えば、非格納薬剤2’’の形状の120%のサイズの仮格納領域が決定される。制御装置1000は、この仮格納領域が配置できる位置を空きスペースS内から探索する。仮格納領域が配置できる位置が空きスペースS内にあれば、その位置がその非格納薬剤2’’の格納領域と決定される。
一方、空きスペースS内に仮格納領域が配置できる位置を発見できなかった場合、制御装置1000は、その仮格納領域の向き(その長手方向の向き)を変更する。そして、制御装置1000は、向きが変更された仮格納領域が配置できる空きスペースS内の位置を探索する。
一度向きを変更しても仮格納領域の配置位置が発見できない場合、制御装置1000は、さらにその向きを異なる向きに変更する。仮格納領域の向きの変更は、仮格納領域の配置位置が発見されるまで行われる。
あらゆる向きに変更しても仮格納領域の配置位置が発見できない場合は、制御装置1000は、仮格納領域のサイズを小さくする。例えば、非格納薬剤2’’の形状の115%のサイズに仮格納領域のサイズが変更される。そして、制御装置1000は、サイズ変更された仮格納領域が配置できる位置を空きスペースS内で探索する。
サイズ変更された仮格納領域についても、その向きの変更は、配置位置が発見されるまで行われる。
一度サイズ変更しても仮格納領域の配置位置が発見できない場合、制御装置1000は、さらにそのサイズを小さくする。仮格納領域のサイズの変更は、サイズ変更によって仮格納領域が非格納薬剤2’’の形状と同一のサイズになるまで行われる。
仮格納領域のサイズが非格納薬剤2’’の形状のサイズと同一にしても見つからない場合、制御装置1000は、その返品薬剤2’を格納するスペースが非格納薬剤用返品トレー4’に存在しないと判断し、その旨をユーザに報知する。例えば、制御盤1001のディスプレイ1002を介してユーザに報知してもよい。
このような試行錯誤的な探索方法により、非格納薬剤2’’の格納領域が空きスペースS内から探索され、その結果として、複数の非格納薬剤2’を整理した状態で非格納薬剤用トレー4’に格納することができる。
次に、これまで説明してきた返品薬剤2の形状等の認識からその認識結果に基づく返品薬剤2の搬送までの流れの一例を、図49A及び49Bを参照しながら説明する。
まず、図49Aに示すように、ステップS201において、返品薬剤2が、直交型ロボット700によって認識部300の仮置き部301における半透明板305(薬剤載置板)上に搬送される(載置される)。
次に、ステップS202において、半透明板305上に載置された返品薬剤2が、その上方に配置されたカメラ307によって撮影される。
ステップS202で撮影されたカメラ307の画像は、ステップS203において、制御装置1000によって画像処理される(エッジ検出処理、2値化処理)。
ステップS204において、制御装置1000は、ステップS203で画像処理されたカメラ307の画像に基づいて、仮置き部301の半透明板305上に載置された返品薬剤2の形状の情報を取得する。
ステップS205において、制御装置1000は、ステップS204で取得した返品薬剤2の形状の情報に基づいて、仮置き部301の半透明板305上に載置された返品薬剤2の形状が取り扱い対象の薬剤の形状であるか否かを判定する。返品薬剤2の形状が取り扱い対象の薬剤の形状である場合にはステップS206に進み、そうでない場合(取り扱い対象外である場合)にはステップS215に進む。
ステップS206において、制御装置1000は、ステップS203で画像処理されたカメラ307の画像に基づいて、仮置き部301の半透明板305上に載置された返品薬剤2の大きさの情報を取得する。
ステップS207において、制御装置1000は、ステップS206で取得した返品薬剤2の大きさの情報に基づいて、仮置き部301の半透明板305上に載置された返品薬剤2の大きさが取り扱い対象の薬剤の大きさであるか否かを判定する。返品薬剤2の大きさが取り扱い対象の薬剤の大きさである場合にはステップS208に進み、そうでない場合(取り扱い対象外である場合)にはステップS215に進む。
ステップS208において、仮置き部301の返品薬剤2は、直交型ロボット700によってラベル読取部302に搬送される。それにより、返品薬剤2は、ラベル読取部302にセットされる。
図49Bに示すように、ステップS209において、制御装置1000は、ステップS206で取得した返品薬剤2の大きさ(外径)に基づいて、返品薬剤2に当接して該返品薬剤2を回転させるラベル読取部302のローラ309の回転速度を調節する。
ステップS210において、制御装置1000は、返品薬剤2のラベル3がカメラ311やバーコードリーダ312によって正確に読み取り可能か否か判定する。ラベル3に記載された使用期限や返品薬剤2の種類を示すバーコードを正確に読み取れる場合にはステップS211に進む。例えば、使用期限やバーコードが部分的に消えているなど、これらを正確に読み取れない場合にはステップS215に進む。
ステップS211において、ラベル読取部302において返品薬剤2のラベル3が正確にカメラ311やバーコードリーダ312によって読み取られる。
ステップS212において、制御装置1000は、ステップS211で読み取られた返品薬剤2のラベル3に基づいて、その返品薬剤2の種類及び使用期限の情報を取得する。
ステップS213において、制御装置1000は、ステップS212で取得した返品薬剤2の種類及び使用期限の情報に基づいて、ラベル読取部302にセットされた返品薬剤2の種類及び使用期限が取り扱い対象の薬剤の種類及び使用期限であるか否か判定する。すなわち、返品薬剤2の種類が薬品マスタに記憶されている種類であるか否かが判定されるとともに、使用期限が切れていないまたは使用期限が十分にあるか否かが判定される。返品薬剤2の種類及び使用期限の両方が取り扱い対象の薬剤のものである場合にはステップS214に進む。そうではない場合にはステップS215に進む。
ステップS214において、ラベル読取部302の返品薬剤2が、取り扱い対象の薬剤として、スカラー型ロボット800によって格納部500に搬送される。すなわち、形状、大きさ、種類、及び使用期限が取り扱い対象の薬剤の形状、大きさ、種類、及び使用期限である返品薬剤2が格納部500に格納される。
ステップS215において、ステップS205で形状が取り扱い対象外の薬剤の形状と判定された返品薬剤2、ステップS207で大きさが取り扱い対象外の薬剤の大きさと判定された返品薬剤2、ステップS210でラベル3が読み取り不可能と判定された返品薬剤2、またはステップS213で種類及び使用期限の少なくとも一方が取り扱い対象外の薬剤のものと判定された返品薬剤2は、非格納薬剤2’として、非格納薬剤配置部400に搬送(格納)される。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、格納トレーは、上述の実施形態のものに限定されず、例えば、格納トレー5のトレー本体5aの底部に返品薬剤2を配置すると変形し、配置された返品薬剤2の位置と姿勢を維持するように変形可能な部材を配置してもよい。つまり、格納トレー5は、上述の実施形態とは異なる方式で、返品薬剤2の向き及び姿勢が維持されるように平面的に格納できるものでもよい。また、図50に示すような、格納部500がそれぞれ返品薬剤2を配置可能な複数の段部9を備えていてもよい。
上述の実施形態では、直交型ロボット700とスカラー型ロボット800は、いずれも返品薬剤2を吸着ノズル701,801により保持する。しかし、これらのロボットは、吸着ではなく、機械的に返品薬剤2を解除可能に保持してもよい。
また、上述の実施の形態の場合、使用期限が切れたまたは使用期限が残り少ない返品薬剤2は、取り扱い対象外の薬剤、すなわち非格納薬剤2’として処理されているが、本発明はこれに限らない。例えば、使用期限が切れた返品薬剤2を、取り扱い対象の薬剤とし、格納部500の格納トレー5に格納してもよい。これにより、使用期限が切れた複数の返品薬剤2を一つにまとめて処理することができる。
例えば、ユーザが、制御盤1001を介して、格納部500内の使用期限切れの複数の返品薬剤2を1つの返品トレー4に移送する指示を返品薬剤供給装置1に対して行う。これにより、返品トレー4内に格納された使用期限切れの複数の返品薬剤2を一度に回収(廃棄)することができる。
すなわち、使用期限が切れた返品薬剤2を取り扱い対象外の薬剤(非格納薬剤)とする場合、非格納薬剤用返品トレー4’内には、使用期限が切れた返品薬剤2以外に、形状、大きさ、および種類が取り扱い対象外の返品薬剤が含まれている。取り扱い対象外の返品薬剤は、返品薬剤供給装置1では取り扱うことができないが、使用期限が切れていなければ他の場所で使用できる可能性がある。そのため、使用期限切れの返品薬剤2を取り扱い対象外とする場合、非格納薬剤用返品トレー4’内の非格納薬剤2’を一つにまとめて処理することができない。
したがって、他の場所で使用することができない使用期限切れの返品薬剤2を取り扱い対象の返品薬剤とすることにより、使用期限切れの返品薬剤のみを一つにまとめて処理することができる。
これに関連して、ラベル読取部302においてラベル3に記載された使用期限の認識ができなかった返品薬剤2、すなわち認識の失敗が所定の回数に達したまたは認識作業を繰り返すことによって所定の時間が経過した(タイムアウトした)返品薬剤2を、格納部500の格納トレー5に格納してもよい。そして、その使用期限が認識できなかった使用期限不明薬剤について、その使用期限の認識を再度試みるようにしてもよい。
例えば、極めて稀であるが、ラベル読取部302において、図13に示す照明310からの照射光が返品薬剤2で反射することにより、カメラ311の撮影画像に認識可能にラベル3が写らない場合がある。この場合、このような返品薬剤2を、一度格納部500の格納トレーに格納し、その格納後に再びラベル読取部302に戻せば、ラベル3に記載された使用期限を認識できる可能性がある。
その理由について説明する。返品薬剤2が最初にラベル読取部302にセットされるとき、すなわち返品トレー4から仮置き部301を経てラベル読取部302にセットされるとき、その返品薬剤2のラベル3の向きは任意である(仮置き部301では、前述したように返品薬剤2の形状及び大きさが認識されるため、ラベル3の向きは関係ない)。したがって、ラベル3の向きが任意の状態から、ラベルに記載された使用期限の認識が開始される。
一方、格納部500の格納トレー5に格納されている返品薬剤2は、前述したようにラベル3が上向きの姿勢の状態である。したがって、スカラー型ロボット800が格納トレー5に格納されている返品薬剤2をラベル読取部302に移載すれば、その返品薬剤2は、ラベル3が上向きの状態でラベル読取部302にセットされる。したがって、ラベル3が上向きの状態から、ラベルに記載された使用期限の認識を開始することが可能である。
このような認識の開始時のラベル3の向きの違いにより、認識の失敗が所定の回数に達する前にまたはタイムアウトする前に、ラベル3に記載された使用期限の認識が完了するか否かが左右される場合がある。したがって、返品トレー4から仮置き部301を経てラベル読取部302に返品薬剤2がセットされたとき、すなわちラベル3の向きが任意の状態から認識作業が開始されたときには認識が失敗しても、格納トレー5からラベル読取部302に返品薬剤2が移載されたとき、すなわちラベル3が上向きの状態から認識作業を開始した場合には、その認識が成功する場合がある。このことを考慮して、ラベル読取部302においてラベル3に記載された使用期限の認識ができなかった返品薬剤2、すなわち認識の失敗が所定の回数に達したまたは認識作業を繰り返すことによって所定の時間が経過した(タイムアウトした)返品薬剤2を、格納部500の格納トレー5に格納してもよい。
また、上述の実施の形態の場合、返品薬剤2は、取り扱い対象の薬剤である場合、返品トレー4から、認識部300の仮置き部301とラベル読取部302とを順に経て、格納部500の格納トレー5に格納される。これに代わって、返品薬剤2を、仮置き部301を介さずに、ラベル読取部302を経て格納部500に格納してもよい。
具体的に説明すると、仮置き部301は、返品トレー4を介して返品された返品薬剤2の形状及び大きさが返品薬剤供給装置1で取り扱うことができない形状及び大きさである場合を想定して設けられている。
しかし、例えばユーザの周知が徹底している或いは薬剤メーカーから納品された箱を開封してすぐにその箱から薬剤を本装置に直接収納するなどして、返品トレー4を介して返品される返品薬剤2のほとんどが返品薬剤供給装置1の取り扱い対象の薬剤である場合、そのような返品薬剤2全てに対して仮置き部301にて形状及び大きさの認識を実行することは非常に無駄になる。
その対処として、返品トレー4内の返品薬剤2は、まず、直交型ロボット700によって認識部300のラベル読取部302に移載される(その無端ベルト308上に載置される)。次に、無端ベルト308およびローラ309の駆動を開始する前に、カメラ311によって無端ベルト308上の返品薬剤2を撮影する。その撮影した画像に基づいて、無端ベルト308上の返品薬剤2の向きが認識される。その認識された向きについて、返品薬剤2の基端2bがストッパ317側に位置するような向きであるか否かが判定される。そうでない場合は、直交型ロボット700によってその向きが変更される。
なお、返品薬剤2の向きは、返品薬剤2が返品トレー4内に存在するとき、すなわちその返品トレー4が昇降部200のテーブル203上に載置されているときに、その返品トレー4の上方に位置するカメラ304が撮影した画像に基づいて認識することも可能である。カメラ304の画像に基づいて返品トレー4内の返品薬剤2の向きを認識し、その認識結果に基づいて、直交型ロボット700は、その返品薬剤2の基端2bがストッパ317側に位置するように該返品薬剤2をラベル読取部302の無端ベルト308上に載置する。
返品トレー4から直接、ラベル読取部302に移送された返品薬剤2は、カメラ311及びバーコードリーダ312によりその種類及び使用期限が認識される。
認識された種類に基づいて、返品薬剤2の形状及び大きさの情報が取得される。具体的には、制御装置1000が、薬剤の種類、形状、及び大きさを関連付けして記憶するサイズ情報マスタを備える。このサイズ情報マスタに記憶されている情報を参照することにより、ラベル読取部302にて認識された返品薬剤2の種類に対応する形状及び大きさを制御装置1000は取得する。そして、その取得された形状及び大きさに基づいて、その返品薬剤2の格納部500における格納領域が決定される。
ラベル読取部302にて認識された種類に対応する形状及び大きさの情報がサイズ情報マスタに存在しない場合、その形状及び大きさの情報を取得するために、ラベル読取部302の返品薬剤2が仮置き部301に移送される。そして、前述したように、仮置き部301にて返品薬剤2の形状及び大きさの情報が取得される。その取得された返品薬剤2の形状及び大きさの情報は、その返品薬剤2の種類と関連付けされてサイズ情報マスタに記憶される。また、その形状及び大きさに基づいて、その返品薬剤2の格納部500における格納領域が決定される。
なお、サイズ情報マスタに記憶されているまたは新しい返品薬剤2の種類、形状、及び大きさの関連付け情報を、例えばネット環境を介して、更新または追加できるようにしてもよい。例えばサプライヤから供給された薬剤の情報に基づいて、ネット環境に接続されたPC(パーソナルコンピュータ)を介して、サイズ情報マスタ内に、新たな返品薬剤2の種類、形状、及び大きさの関連付け情報を追加してもよい。これにより、ラベル読取部302から仮置き部301に返品薬剤2を移送し、その仮置き部301にて返品薬剤2の形状及び大きさの情報を取得する必要性がなくなる。または低くなる。
返品薬剤供給装置を例に本発明を説明したが、本発明は返品薬剤を対象とする薬剤供給装置に限定されない。つまり、受入部に供給される薬剤は、返品薬剤に限定されない。