JP7050442B2 - Cooker - Google Patents
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Description
本発明は、加熱調理器に関する。 The present invention relates to a cooking device.
従来、容器の底壁内面に、PFAあるいはPTFEと、PFAあるいはPTFEよりも親水性の充填剤を配合して親水化した塗膜層を設け、塗膜層における充填剤の配合率を20質量%~80質量%とし、塗膜層の表面に充填剤の一部を露出させる調理用加熱容器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。 Conventionally, a coating film layer made by blending PFA or PTFE and a filler more hydrophilic than PFA or PTFE is provided on the inner surface of the bottom wall of the container, and the mixing ratio of the filler in the coating film layer is 20% by mass. A heating container for cooking has been proposed in which the content is ~ 80% by mass and a part of the filler is exposed on the surface of the coating film layer (see, for example, Patent Document 1).
特許文献1は、PFAあるいはPTFEよりも親水性の充填剤を配合して親水化した塗膜層を設けることで、対水接触角度を小さくして気泡を小さくしている。小さい気泡を発生させると、細かい対流が複数発生し、容器内部の温度均一化が図られてムラなく炊き上げることができる。ここで、特許文献1では、塗膜層の配置に関し、底壁全面に設ける、又は底壁に間隔をあけて設ける(例えば、ドット状)という記載にとどまっている。そして、容器内部の気泡の発生に対しては、容器の発熱分布も影響するが、特許文献1では容器の発熱分布については考慮されていなかった。
In
本発明は、上述のような課題を背景としてなされたものであり、容器内の被加熱物への熱伝達効率を向上させることのできる加熱調理器を提供するものである。 The present invention has been made against the background of the above-mentioned problems, and provides a cooking device capable of improving the heat transfer efficiency to the object to be heated in the container.
本発明に係る加熱調理器は、底部及び前記底部に連なる周壁を有する容器と、前記容器を加熱する加熱部と、を備え、前記底部には、前記底部における最大発熱点よりも径方向外側にのみ、親水性の塗膜層が設けられており、前記塗膜層の水に対する接触角は、70°未満であり、前記底部には、前記底部における最大発熱点よりも径方向内側にのみ、上方へ突出する凸部が設けられているものである。 The heating cooker according to the present invention includes a container having a bottom and a peripheral wall connected to the bottom, and a heating portion for heating the container, and the bottom is radially outward from the maximum heat generation point at the bottom. Only, a hydrophilic coating layer is provided, the contact angle of the coating layer with water is less than 70 °, and the bottom is only radially inside the maximum heat generation point at the bottom. , A convex portion protruding upward is provided .
本発明によれば、沸騰時に発生する気泡を、容器の底部の親水性の塗膜層を起点として底部から離脱させることができる。これにより、気泡は、被加熱物の中を通過するため、被加熱物へ効率よく熱を伝達することができる。 According to the present invention, air bubbles generated during boiling can be separated from the bottom of the container starting from the hydrophilic coating film layer at the bottom of the container. As a result, the bubbles pass through the object to be heated, so that heat can be efficiently transferred to the object to be heated.
以下、本発明に係る加熱調理器を、家庭用IH(induction heating)式炊飯器に適用した場合の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本発明は、以下の各実施の形態に示す構成のうち、組合せ可能な構成のあらゆる組合せを含むものである。また、図面に示す炊飯器は、加熱調理器が適用される機器の一例を示すものであり、図面に示された炊飯器によって本発明の適用機器が限定されるものではない。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本発明を限定するものではない。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係又は形状等が実際のものとは異なる場合がある。 Hereinafter, embodiments when the heating cooker according to the present invention is applied to a household IH (induction heating) type rice cooker will be described with reference to the drawings. The present invention is not limited to the following embodiments, and can be variously modified without departing from the gist of the present invention. In addition, the present invention includes all combinations of configurations that can be combined among the configurations shown in the following embodiments. Further, the rice cooker shown in the drawing shows an example of a device to which the heating cooker is applied, and the rice cooker shown in the drawing does not limit the device to which the present invention is applied. Further, in the following description, terms indicating directions (for example, "top", "bottom", "right", "left", "front", "rear", etc.) are appropriately used for ease of understanding. This is for illustration purposes only and these terms are not intended to limit the invention. Further, in each figure, those having the same reference numerals are the same or equivalent thereof, which are common to the whole text of the specification. In each drawing, the relative dimensional relationship or shape of each constituent member may differ from the actual one.
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る炊飯器100の構成の一例を概略的に示す断面模式図である。以下、図1に基づいて、炊飯器100について説明する。炊飯器100は、被加熱物(本実施の形態では米200及び水201)を入れた鍋状の容器5を加熱コイル3で加熱することで被加熱物を炊き上げるものである。図1に示すように、炊飯器100は、例えば外観が有底筒状の本体1と、本体1に取り付けられ、本体1の上部開口部を開閉する蓋体10とを備えている。
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view schematically showing an example of the configuration of the
本体1は、容器カバー2と、加熱コイル3と、鍋底温度センサー4と、蓋体10を開閉自在に支持するヒンジ部6と、時間計測手段7と、各部及び各装置を駆動制御して炊飯工程を実行する制御手段8とを備えている。
The
容器カバー2は、有底筒状に形成され、その内部に容器5が着脱自在に収容される。容器カバー2の底部中央には、鍋底温度センサー4が挿入される孔部2aが設けられている。
The
加熱コイル3は、制御手段8により通電制御され、容器5を誘導加熱する加熱部である。なお、加熱部として、加熱コイル3に代えてシーズヒーター等の電気ヒーターを設けてもよい。加熱コイル3の配置は図示のものに限定されず、例えば容器5の底面近傍に加えて容器5の側面に沿って加熱コイル3を設けてもよい。
The
鍋底温度センサー4は、例えばサーミスタで構成され、容器5の温度を検知する。本実施の形態の鍋底温度センサー4は、バネ等の弾性手段によって上方に付勢されており、容器カバー2に収容された容器5の底面に接する。鍋底温度センサー4が検知した容器5の温度に関する情報は、制御手段8に出力される。なお、鍋底温度センサー4の具体的構成はサーミスタに限定されず、容器5に接触して温度を検知する接触式温度センサーのほか、例えば赤外線センサー等の容器5の温度を非接触で検知する非接触式温度センサーを採用してもよい。
The pot
容器5は、誘導加熱により発熱する磁性体を含む材料により構成され、上側が開口した有底円筒形状を有している。ヒンジ部6は、本体1の上部の一端側(図1の紙面左側)に設けられ、蓋体10を開閉自在に支持する。
The
時間計測手段7は、制御手段8からの指示信号に基づいて経過時間をカウントする。時間計測手段7がカウントした経過時間は、制御手段8に出力される。制御手段8は、時間計測手段7、鍋底温度センサー4、並びに蓋体10に設けられた操作表示部15及び内部温度センサー16からの出力に基づいて、加熱コイル3に通電する高周波電流を制御する。そのほか、制御手段8は、炊飯器100の動作全般を制御する。制御手段8は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェア、又はマイコン又はCPU(中央処理装置)のような演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとにより構成される。
The time measuring means 7 counts the elapsed time based on the instruction signal from the control means 8. The elapsed time counted by the time measuring means 7 is output to the control means 8. The control means 8 controls the high-frequency current energized in the
蓋体10は、外蓋11と、内蓋12とを有している。外蓋11は、蓋体10の上部及び側部を構成し、外蓋11の下面、すなわち容器5に対向する面には、内蓋12が着脱自在に取り付けられている。内蓋12は、外蓋11の本体1側の面に係止材13を介して取り付けられている。内蓋12の周縁部には、容器5との密閉性を確保するリング状の蓋パッキン9が取り付けられている。また、内蓋12には、内部温度センサー16が挿入される第1孔部12aが設けられ、外蓋11には、内蓋12の第1孔部12aに挿入された内部温度センサー16の外周の隙間を塞ぐパッキン12bが取り付けられている。
The
外蓋11には、容器5内にて生じた蒸気を本体1の外へ排出するカートリッジ14が着脱自在に設けられている。カートリッジ14には、蒸気流入口14aと、蒸気流出口14bとが形成され、カートリッジ14の内部には蒸気が通過する流路が形成されている。内蓋12には、カートリッジ14の蒸気流入口14aと連通する第2孔部12cが形成されている。カートリッジ14が外蓋11に取り付けられた状態において、容器5内の蒸気は、第2孔部12c及び蒸気流入口14aを介してカートリッジ14内に流入し、蒸気流出口14bから外部へ流出する。
The
操作表示部15は、外蓋11の上面に設けられている。操作表示部15は、使用者からの操作入力を受け付けるとともに、操作入力に関する情報及び炊飯器100の動作状態を表示する。操作表示部15に対して設定可能な項目としては、例えば、炊飯の開始、取り消し、炊飯予約、炊飯メニューがある。操作表示部15が表示する項目としては、例えば、炊飯中又は予約待機中等の炊飯器100の状態、設定されている炊飯メニューの内容、炊き上がりの予定時刻、現在時刻、炊飯する米の量等が挙げられる。
The
内部温度センサー16は、容器5内の温度を検知する温度検知手段であり、外蓋11に取り付けられている。内部温度センサー16の先端は内蓋12の第1孔部12aに挿入されており、容器5内の空間温度を検知する。内部温度センサー16は、例えばサーミスタで構成することができる。内部温度センサー16が検知した容器5内の温度に関する情報は、制御手段8に出力される。
The
次に、本実施の形態における炊飯器100の炊飯工程について図2を参照して説明する。図2は、実施の形態1に係る炊飯器の炊飯工程と、被加熱物温度及び炊飯用容器温度との関係を概略的に示す図である。本実施の形態では、被加熱物温度、すなわち容器5の内部温度を内部温度センサー16の検出値に基づいて検出する。また、炊飯用容器温度、すなわち容器5の温度を、鍋底温度センサー4の検出値に基づいて検出する。
Next, the rice cooking process of the
図2に示すように、炊飯工程は、吸水工程、昇温工程、沸騰維持工程及び蒸らし工程を含む。吸水工程は、容器5内の米200の内部にまで吸水を促す工程である。次の昇温工程は、吸水工程終了後から容器5内の水201が沸騰するまでの工程である。容器5内の水201が沸騰すると、制御手段8は、次の沸騰維持工程に移行する。この沸騰維持工程では、容器5内の温度が沸騰温度を保持するように加熱し、米200のデンプンの糊化を促進する。最後の蒸らし工程は、容器5内の米200を蒸らすことにより米粒中心部まで糊化を進行させ、且つ、米粒内の水分の分布を均一にする工程である。炊飯工程が終了すると、容器5内を予め定められた温度に保持する保温工程に移行する。
As shown in FIG. 2, the rice cooking step includes a water absorption step, a temperature raising step, a boiling maintenance step, and a steaming step. The water absorption step is a step of promoting water absorption to the inside of the
次に、本実施の形態の容器5の構成を、図3を参照して説明する。図3は、実施の形態1に係る容器5の断面模式図である。図3に示すように容器5は有底円筒形状であり、容器5の底を構成する底部51を有し、この底部51には、内面及び外面が湾曲した湾曲部52と、湾曲部52に連なる側部53とを有する周壁が連なっている。底部51は平面視で円形である。側部53の上端部には、径方向外側に向かって延びるフランジ部54が設けられている。容器5の基材には、加熱源である加熱コイル3による誘導加熱によって発熱する材料、例えば、磁性材である炭素材料又は磁性金属を用いることもできる。そのほか、容器5の基材として、アルミニウム、アルミニウム合金、非磁性ステンレス等の非磁性材料の外面に磁性材料を組み合わせて用いることもできる。
Next, the configuration of the
加熱コイル3に電流が流れると、加熱コイル3から発生し容器5を通過する磁束の変化により、容器5の中に渦電流が発生する。この渦電流によってジュール熱が生じ、容器5が発熱する。本実施の形態では、容器5の底部51の領域において、ジュール熱の発熱量が最大となるポイント、すなわち最も高温となるポイントを最大発熱点5Xとする。
When a current flows through the
加熱コイル3の配置と容器5の最大発熱点5Xとの関係を、図4、図5を参照して説明する。図4は、一つの加熱コイル3で加熱される容器5の最大発熱点5Xを説明する図である。図5は、二つの加熱コイルで加熱される容器5の最大発熱点5Xを説明する図である。図4に示すように、リング状の加熱コイル3が容器5の底部51に一つ設けられている場合には、加熱コイル3の直上の領域、すなわち平面視において加熱コイル3の径方向の幅と重なる領域のいずれかの位置に、最大発熱点5Xがある。図5に示すように、加熱コイル3が二つのコイルで構成されている場合には、二つのコイルの径方向における中間のいずれかの位置に、最大発熱点5Xがある。図4、図5で示した加熱コイル3と最大発熱点5Xとの関係は一例であり、加熱コイル3の形状及び出力に応じて、最大発熱点5Xの位置が定まる。また、本実施の形態では、加熱部として加熱コイル3を用いる例を示すが、たとえば電気ヒーターなど他の加熱源を加熱部として用いた場合でも、最大発熱点5Xは存在する。
The relationship between the arrangement of the
図3に示すように、底部51には、親水性の塗膜層55が設けられている。底部51の塗膜層55以外の領域は、撥水性材料で覆われている。撥水性材料の例として、フッ素樹脂塗料であるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)又はPFA(パーフルオロアルコキシアルカン)などのフッ素樹脂が挙げられる。塗膜層55は、撥水性材料で覆われた領域よりも親水性が高い、すなわち水に対する接触角が低い領域である。撥水性材料として、PFA及びPTFEを用いた場合、その接触角は100°~110°である。親水性の塗膜層55の水に対する接触角は、70°未満であることが好ましい。
As shown in FIG. 3, the
塗膜層55を構成する親水性材料は、シリカ等の親水性を有する物質を含む。本実施の形態では、容器5の表面に塗布された親水性を有する物質を含む塗料により、塗膜層55が構成されている。塗膜層55は、最大発熱点5Xよりも径方向外側に、配置されている。
The hydrophilic material constituting the
次に、本実施の形態の容器5の作用を、容器5を用いて炊飯した場合を例に説明する。説明に先立ち、従来の容器500を用いて炊飯した場合の作用を説明する。図6は、従来の容器500における気泡の挙動を説明する断面模式図、図7は従来の容器500の炊飯後の状態を説明する断面模式図である。なお、図6では、気泡の挙動を説明するために、容器5内に生じる気泡を符号310で概念的に示し、米200の図示を省略している。容器500は、内面全体に撥水性のコーティングが施されており、本実施の形態のような塗膜層55を備えていない構成である。
Next, the operation of the
容器500内に被加熱物が入れられた状態で加熱されると、図6に示すように、昇温工程の後半から気泡310の発生が始まる。気泡310は、最大発熱点5Xから最も多く発生する。容器500の内面は撥水性のため、容器500の内面への気泡310の付着力は大きい。そのため、底部51に発生した比較的小さな気泡310は、底部51から離脱するための十分な浮力を有していない。この場合、気泡310の一部は容器500の底部51に付着したまま湾曲部52に向かって移動し、移動の過程で他の気泡310との合体を繰り返して大きくなっていく。
When the
気泡310は、底部51を移動して湾曲部52に到達すると、湾曲部52の内面に付着したまま、湾曲部52から側部53に沿って上昇していく。気泡310は湾曲部52と側部53に沿って上昇し、米200の中を通過しないため、米200全体へ均一に熱を伝達することができず、炊きムラが発生する。また、湾曲部52と側部53に沿って上昇する気泡310が多くなると、図7に示すように、炊きあがりの米200の表面は、側部53側が盛り上がった形状となってしまい、見た目の美味しさを損ねてしまう。
When the
次に、本実施の形態の容器5を用いて炊飯した場合の作用を説明する。図8は、実施の形態1に係る容器5における気泡の挙動を説明する断面模式図、図9は、実施の形態1に係る容器5の炊飯後の状態を説明する断面模式図である。なお、図8では、気泡の挙動を説明するために、容器5内に生じる気泡を符号300で概念的に示し、米200の図示を省略している。
Next, the operation when rice is cooked using the
容器5内に被加熱物が入れられた状態で加熱されると、図8に示すように、昇温工程の後半から気泡300の発生が始まる。気泡300は、最大発熱点5Xから最も多く発生する。発生した気泡300の一部は、容器5の底部51に付着したまま湾曲部52に向かって移動するが、親水性の塗膜層55に到達すると、底部51から離脱して上昇する。その結果、親水性の塗膜層55を起点とし、上方へ向かう対流が容器5内に形成される。
When the
塗膜層55を起点とし底部51から離脱した気泡300は、米200の中を通過するため、米200に効率よく熱を伝達することができ、ムラなく炊飯できる。また、従来例では湾曲部52と側部53に沿って上昇する気泡が多かったのに対し、本実施の形態では気泡300が米200の中を通過する。このため、図9に示すように、炊きあがりのご飯の表面は側部53側の盛り上がりが抑制され、平らな形状となり見た目の美味しさが向上する。また、親水性の塗膜層55で覆われる領域は、底部51全体ではなく最大発熱点5Xよりも径方向外側の一部の領域である。このように本実施の形態によれば、塗膜層55の領域が相対的に小さいため、親水性の部位に生じる被加熱物のこびりつきも抑制することができる。
Since the
なお、塗膜層55を最も多くの気泡300が発生する最大発熱点5Xよりも径方向内側に配置すると、湾曲部52と側部53に沿って上昇する気泡が増加し、米200への熱伝達促進効果、及び炊きあがりのご飯の形状改善効果が得られない。このため、塗膜層55は最大発熱点5Xよりも径方向外側に配置する。
When the
次に、気泡が親水性の塗膜層55に到達すると底部51から離脱する理由について、図10を参照して説明する。図10は、実施の形態1に係る容器5の塗膜層55近傍の拡大断面模式図である。気泡は、気泡と容器5との間に働く表面張力によって底部51の表面に付着しており、その付着力よりも泡の浮力が大きくなると、底部51の表面を離れて上方へ離脱する。そして、底部51の表面と気泡との接触角が低いほど、気泡と底部51の表面との間に働く表面張力が小さいため、小さな浮力で離脱、すなわち小さな気泡が離脱することができる。
Next, the reason why the bubbles separate from the bottom 51 when they reach the hydrophilic
図10において、底部51における塗膜層55以外の撥水領域上で、底部51から離脱するために必要な浮力を有する最小気泡301の直径をD1で示す。親水性の塗膜層55上で、離脱するために必要な浮力を有する最小気泡302の直径をD2で示す。D1とD2とは、D1>D2という関係を有する。塗膜層55よりも径方向内側で発生した気泡のうち、直径がD1を満たないものは、底部51から離脱することができず、気泡は合体と移動を繰り返し、一部が湾曲部52に向かって移動する。塗膜層55へ到着した気泡は、直径がD2以上であれば、底部51から離れるために必要な浮力を有するため、底部51から離脱することができる。すなわち、直径がD2以上の気泡が、塗膜層55に到達した時点で底部51から離脱する。
In FIG. 10, D1 indicates the diameter of the
なお、塗膜層55で離脱する気泡の直径D2が小さいほど、塗膜層55上にて上方へ離脱する気泡の量が増える。このため、塗膜層55の接触角は小さいほど好ましいが、一般的なIH式加熱調理器では、塗膜層55の接触角が70°未満であれば、十分に気泡の離脱効果を得ることができる。
The smaller the diameter D2 of the bubbles detached from the
容器5を炊飯器に適用した本実施の形態では、塗膜層55の、底部51の径方向における幅Yは、1cm未満であることが好ましい。塗膜層55は親水性であるため、調理物(たとえば米やおねば)のこびりつきが発生しやすいが、塗膜層55の幅Yを米粒の長径と同等である1cmよりも小さくすることで、塗膜層55への米粒のこびりつきを抑制することができる。
In the present embodiment in which the
塗膜層55の平面視における形状は、底部51の中央を中心とするリング状であることが好ましい。リング状にすることで、塗膜層55よりも径方向内側で発生して側部53側へ向かう気泡のすべてが、塗膜層55と接触するため、より多くの気泡を底部51から離脱させることができる。
The shape of the
実施の形態2.
実施の形態2に係る容器5は、底部51の塗膜層55よりも径方向内側の領域に、凸部56を備えており、その他の構成は実施の形態1と同じである。本実施の形態では、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
The
図11は、実施の形態2に係る容器5の断面模式図である。図12は、図11のA部分を拡大した模式図である。図13は、実施の形態2に係る容器5の炊飯後の状態を説明する断面模式図である。なお、図11では、気泡の挙動を説明するために、容器5内に生じる気泡を符号300、303で概念的に示し、米200の図示を省略している。
FIG. 11 is a schematic cross-sectional view of the
図11に示すように、容器5の底部51の中央を中心とする位置に、上方に突出する凸部56が設けられている。図12に示すように、凸部56の縦断面形状は台形であり、凸部56は傾斜面56aと、上面56bとを有する。凸部56は、全体的には円錐台形状である。凸部56の表面は、撥水性材料で覆われている。
As shown in FIG. 11, a
図11に示すように、容器5内に被加熱物が入れられた状態で加熱されると、塗膜層55よりも径方向内側で発生した泡の一部は、底部51の中央方向へ移動し、傾斜面56aに沿って中央方向かつ上方向へ移動する。このため、本実施の形態の容器5では、塗膜層55を起点とし上方へ向かう対流に加え、傾斜面56aに沿って容器5内の水201の中心に向かう対流が発生する。塗膜層55及び傾斜面56aを起点として底部51から離脱した気泡300は、米200の中を通過するため、米200へ効率よく熱を伝達することができ、ムラなく炊飯できる。
As shown in FIG. 11, when the
塗膜層55を起点として上方へ向かう対流は、容器5の側部53側のご飯の盛り上がりを抑制し、傾斜面56aに沿って中心に向かう対流はご飯の中央部を盛り上げる。このため、図13に示すように、本実施の形態の容器5を用いて炊いたご飯の表面はふっくらとした山なり形状となり、見た目の美味しさを更に向上させることができる。
The upward convection starting from the
なお、凸部56に上面56bを設けない構成としてもよいが、その場合には、傾斜面56aに沿って上昇する気泡303が底部51の中央の一点に集中する。そうすると、過度に強い対流が中央に発生する可能性があり、炊飯液が中央に集中することによって中央部のご飯が水分過多となり、食味の低下を招くおそれがある。このため、上面56bを設けるのが好ましい。さらに好ましくは、上面56bの直径は4cm以上である。
The
実施の形態3.
実施の形態3に係る容器5は、底部51の塗膜層55よりも径方向内側の領域に、凸部56を備えており、その他の構成は実施の形態1と同じである。本実施の形態では、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
The
図14は、実施の形態3に係る容器5の構造を説明する図である。図14の(a)は容器5の断面模式図、(b)は容器5の平面図である。なお、図14では、気泡の挙動を説明するために、容器5内に生じる気泡を符号300、304で概念的に示し、米200の図示を省略している。
FIG. 14 is a diagram illustrating the structure of the
図14に示すように、底部51の塗膜層55よりも径方向内側の領域には、第2塗膜層57が設けられている。第2塗膜層57は、塗膜層55と同様に親水性である。図14の(b)に示すように、第2塗膜層57の平面視における形状は、底部51の中央を中心とするリング状であることが好ましい。第2塗膜層57は、塗膜層55よりも直径の小さいリング状である。
As shown in FIG. 14, a second
容器5内に被加熱物が入れられた状態で加熱されると、塗膜層55よりも径方向内側で発生した気泡の一部は、底部51の中央方向へ移動する。中央方向へ移動した気泡304は、親水性の第2塗膜層57に到達すると、底部51から離脱して上昇する。その結果、親水性の第2塗膜層57を起点とし、上方へ向かう対流が容器5の中央付近に形成される。このため、本実施の形態の容器5では、塗膜層55を起点とし上方へ向かう対流に加え、第2塗膜層57を基点とした上方に向かう対流が形成される。塗膜層55及び第2塗膜層57を起点として底部51から離脱した気泡300、304は、米200の中を通過するため、米200へ効率よく熱を伝達することができ、ムラなく炊飯できる。
When heated with the object to be heated in the
実施の形態3の容器5は、実施の形態2と同様の気泡の挙動を容器5内に生じさせることができる。実施の形態3によれば、塗膜層55と第2塗膜層57とを同時にあるいは同様の工程で形成できるため、実施の形態2と比べて製造工程が煩雑にならないという利点がある。
The
また、第2塗膜層57を平面視でリング状に構成することで、塗膜層55よりも径方向内側で発生して中央方向に移動した気泡が第2塗膜層57に接触するため、より多くの気泡を底部51から離脱させることができる。
Further, by forming the second
なお、実施の形態2の凸部56と、実施の形態3の第2塗膜層57とを組み合わせることもできる。すなわち、容器5の最大発熱点5Xよりも径方向内側に、凸部56を設け、さらにその凸部56の径方向内側あるいは径方向外側に、第2塗膜層57を設けることができる。このようにすることで、底部51から気泡が離脱する箇所を増やすことができるので、被加熱物の対流をさらに促進することができる。
The
実施の形態4.
実施の形態4に係る容器5は、実施の形態1~3における塗膜層55に代えて、凸部58を備えており、その他の構成は実施の形態1と同様である。本実施の形態では、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
The
図15は、実施の形態4に係る容器5の断面模式図である。図16は、実施の形態4に係る容器5における炊飯後の状態を説明する断面模式図である。なお、図15では、気泡の挙動を説明するために、容器5内に生じる気泡を符号305で概念的に示し、米200の図示を省略している。
FIG. 15 is a schematic cross-sectional view of the
底部51には、最大発熱点5Xよりも径方向外側に、凸部58が設けられている。本実施の形態では、底部51に対向するように設けられた加熱コイル3よりも、径方向外側に、凸部58が設けられている。凸部58の平面形状は、好ましくはリング状である。凸部58の縦断面の表面形状は、図15に示すように曲面であるのが好ましいが、一部に角を有していてもよい。凸部58の表面は、底部51の他の表面と同様に撥水性材料で覆われる。
The
容器5内に被加熱物が入れられた状態で加熱されると、発生した気泡505の一部は、容器5の底部51に付着したまま湾曲部52及び側部53に向かって移動する。そして、気泡505が凸部58に到達すると、凸部58の表面に沿って昇って凸部58から離脱する。その結果、凸部58を起点として上方へ流れる対流が形成される。凸部58を起点として底部51から離脱した気泡305は、米200の中を通過するため、米200に効率よく熱を伝達することができ、ムラなく炊飯できる。本実施の形態では、気泡305が米200の中を通過する。このため、図16に示すように、炊きあがりのご飯の表面は側部53側の盛り上がりが抑制され、平らな形状となり見た目の美味しさが向上する。また、底部51の全体が撥水性材料で覆われることで、ご飯のこびり付きをさらに抑制することができる。
When heated with the object to be heated in the
なお、実施の形態1~4では炊飯専用の加熱調理器である炊飯器100に容器5を適用した例を示したが、炊飯専用のものに限らず、容器5を加熱することのできる加熱調理器に対し、本実施の形態の容器5を適用することができる。
In the first to fourth embodiments, the
1 本体、2 容器カバー、2a 孔部、3 加熱コイル、4 鍋底温度センサー、5 容器、5X 最大発熱点、6 ヒンジ部、7 時間計測手段、8 制御手段、9 蓋パッキン、10 蓋体、11 外蓋、12 内蓋、12a 第1孔部、12b パッキン、12c 第2孔部、13 係止材、14 カートリッジ、14a 蒸気流入口、14b 蒸気流出口、15 操作表示部、16 内部温度センサー、51 底部、52 湾曲部、53 側部、54 フランジ部、55 塗膜層、56 凸部、56a 傾斜面、56b 上面、57 第2塗膜層、58 凸部、100 炊飯器、200 米、201 水、300~305、310 気泡、500 容器。 1 main body, 2 container cover, 2a hole, 3 heating coil, 4 pot bottom temperature sensor, 5 container, 5X maximum heat generation point, 6 hinge part, 7 hour measuring means, 8 control means, 9 lid packing, 10 lid, 11 Outer lid, 12 inner lid, 12a 1st hole, 12b packing, 12c 2nd hole, 13 locking material, 14 cartridge, 14a steam inlet, 14b steam outlet, 15 operation display, 16 internal temperature sensor, 51 bottom, 52 curved part, 53 side part, 54 flange part, 55 coating layer, 56 convex part, 56a inclined surface, 56b top surface, 57 second coating layer, 58 convex part, 100 rice cooker, 200 rice, 201 Water, 300-305, 310 bubbles, 500 containers.
Claims (3)
前記容器を加熱する加熱部と、を備え、
前記底部には、前記底部における最大発熱点よりも径方向外側にのみ、親水性の塗膜層が設けられており、
前記塗膜層の水に対する接触角は、70°未満であり、
前記底部には、前記底部における最大発熱点よりも径方向内側にのみ、上方へ突出する凸部が設けられていることを特徴とする加熱調理器。 A container having a bottom and a peripheral wall connected to the bottom,
A heating unit for heating the container is provided.
The bottom portion is provided with a hydrophilic coating film layer only radially outside the maximum heat generation point at the bottom portion.
The contact angle of the coating film layer with water is less than 70 ° .
The cooking apparatus is characterized in that the bottom portion is provided with a convex portion protruding upward only radially inward from the maximum heat generation point at the bottom portion .
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