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JP7051039B2 - 土砂災害避難通知システム - Google Patents
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本発明は、崖崩れや山崩れなどによる地盤の変動量を計測し、UAVを中継基地局としてパーソナルコンピュータで計測結果を受信するとともに、計測結果から土砂災害の発生予測を算出して注意喚起を行う土砂災害避難通知システムに関するものである。
近年、突発的な集中豪雨の発生頻度の増大、大規模地震の切迫性の増大、活発な火山活動により、土砂災害を引き起こす誘因の多発化、激甚化が懸念されている。土砂災害の発生を予測することは防災対策において肝要で、従来から種々のシステム等が提案されている。例えば特許文献1においては、地殻変動の測定にGPSを用いて地表面の距離の変動を観測し、その際に、観測データとして得られるGPS座標を地図座標に変換してデータの解析を行う地盤災害予測方法が提案されている。また例えば、特許文献2においては、複数のカメラ撮像した画像データから作成した三次元モデルと、変位検知部において取得した三次元座標データとの差分を算出し、算出された変位量があらかじめ設定された閾値以上である場合は、発報指令を出力するシステムが提案されている。さらに、特許文献3においては、山肌など監視対象斜面に設置したターゲットを、異なる方向から複数の変位検知装置によって撮影し、その画像を用いてターゲットを設置した斜面の変位情報を検知し、異常変位が判断されて警報を発するように構成されたものが提案されている。
特開2002-250624号公報 特開2016-180681号公報 特開2013-64680号公報
しかしながら、特許文献1に示す方法では、GPS受信機で受信した位置データを、GPS受信機から位置測定装置に送信するよう構成されているため、位置測定装置から外部機器へ位置データを無線送信する際には、電波の届く範囲内に位置測定装置を設置する必要があり、設置箇所が限定されるものであった。一方、土砂災害の発生地点は、従来の無線通信規格では受信機や送信機の設置並びに中継が困難な山頂付近や丘陵地帯等の場所が多く、仮に通信インフラを整備するとしても、多大なコストが必要となるという問題があった。
また、特許文献2や特許文献3に示すように、カメラを用いて地盤を撮像するシステムでは、実際には地盤を直接的に撮像することが困難であった。例えば、カメラと監視するべき地盤の間に樹木が伸長した場合や、経年により地盤上に樹木や草花が生えて地盤が視認できない場合は、地盤を直接的に撮像することは不可能となり、地盤の変化を検知できなくなる。
本発明は、上記のような従来技術の課題に鑑みなされたものであり、確実に地盤の変動量を検知し、検知した変動量を外部機器へ確実に中継することができ、運用コストが低コストな土砂災害避難通知システムを安価に提供することを目的とする。
このため、本発明の土砂災害避難通知システムは、地盤崩壊による土砂災害が発生するおそれのある危険区域内に複数設置され、GPS衛星との通信により自身が設置された位置の三次元位置座標を計測し、計測した三次元位置座標が変動した際の変動量を算出してGPS親機へ送信可能なGPS子機と、GPS子機から変動量を受信するとともに、自律型UAVとデータの送受信可能なGPS親機と、あらかじめ定められた航路を飛行し、GPS親機からデータを受信し、データセンターへのデータ中継を可能とする自律型UAVと、自律型UAVから受信したデータに基づき、土砂災害の予測を行うデータセンターを備えることを第1の特徴とする。また、データセンターは、変動量が閾値を超えた場合に警報を発することを第2の特徴とする。
本発明は、以下の優れた効果を有する。
(1)自律型UAVを使用するため、人里離れた山奥などの通信インフラが整備されていない場所であっても、本システムを設置して土砂災害の発生を予測、または監視することができ、通信インフラを整備する必要がないため、運用コストを低廉化することができる。また、GPS子機等の検出器からデータセンター等の外部機器に確実にデータを送信することができる。
(2)地盤の変動量を検知して土砂災害の予測を行うため、客観的事実に基づいた予測、引いては警報発令を行うことができる。
本発明の実施の形態に係る土砂災害避難通知システムの構成図である。 図1に示した本発明の実施形態に係る地盤災害予測システムの動作を示すフローチャートである。
以下、実施例を示す図面に基づき本発明の実施の形態に係る土砂災害避難通知システムを説明するが、本発明が本実施例に限定されないことは言うまでもない。本発明における土砂災害避難通知システムは、図1に示すように、危険区域H内に複数設置され、GPS衛星との通信により自身が設置された位置の三次元位置座標を計測し、この三次元位置座標が変動した際の変動量を算出してGPS親機11へ送信可能なGPS子機12と、GPS子機12から変動量を受信するとともに、自律型UAV13とデータの送受信可能なGPS親機11と、あらかじめ定められた航路を飛行し、GPS親機11からデータを受信し、データセンター14へのデータ中継を可能とする自律型UAV13と、自律型UAV13から受信したデータに基づき、土砂災害の予測を行うデータセンター14とから構成されたシステムである。ここで危険区域Hとは、地盤崩壊による土砂災害が発生するおそれのある区域を指す。
GPS親機11は、複数のGPS子機12のデータ収集ボックス兼、データ送受信の役割を担っている。GPS親機11は、複数のGPS子機12からGPS子機12ごとにそれぞれの変動量(変位情報)を受信する、自律型UAV13又はデータセンター14からのデータ送信指令を受信する受信機能と、各GPS子機12の変動量を記憶するメモリ機能と、自律型UAV13もしくはデータセンター14にメモリ機能に記憶されている変動量を送信する送信機能と、電源回路を有する。電源回路は、有線で商用電力から電力が供給される構造のほか、バッテリー等の蓄電機器や太陽光パネル等の発電機器と接続され電力が供給される構造で合っても良い。GPS子機12が独立して電力を得ることができれば、有線ケーブル15でGPS子機12とGPS親機11を接続する必要はなく、本実施例に限定するものではない。ただし、その際には、GPS子機12とGPS親機11が互いに無線通信によりデータの送受信が可能な構成とされなければならない。
GPS子機12は、自身の三次元位置座標が変動した際に、GPS親機11へその変動量を送信する。GPS子機12は、GPS衛星(図示せず)から常時又は定時的に送信される電波を受信する受信機能と、受信した電波から自身の三次元位置座標を演算する、及び三次元位置座標が変動した際にその変動量を演算する演算機能と、変動した際の時刻をカウントする計時機能と、演算された三次元位置座標、変動量、及び時刻を記憶するメモリ機能と、GPS親機11へメモリ機能内のデータ(GPS子機12の識別番号、三次元位置座標、変動量、時刻)を送信する送信機能を有する。図1に示すように、複数のGPS子機12とGPS親機11は有線ケーブル15で接続されており、GPS子機12の稼働電力は、有線ケーブル15を介して供給可能に構成されている。また、GPS子機12内のデータは、有線ケーブル15を介してGPS親機11へ送信可能に構成されている。
以上のように構成されたGPS親機11と、GPS親機11に連結された複数のGPS子機12は、例えば土砂災害が予測される危険区域Hの地表上に設置され、地表の変動によりGPS子機12の三次元位置座標が変動した際には、瞬時にその変動量が演算され、GPS親機11へと送信され、どのGPS子機12が、何時に、どれだけ変動したかが記録される。
自律型UAV13は、あらかじめ定められた航路を自律飛行可能な空中航行機である。このような自律型UAVとして、例えば、スウィフト・エンジニアング社製のVTOLドローンが挙げられる。自律型UAV13は、GPS親機11と特定小電力無線通信技術の一つである低消費電力で長距離通信を実現する低電力広域通信方式(Low Power Wide Area、以下「LPWA」という。)で互いに無線通信可能とされており、GPS親機11内にメモリされたデータ(GPS子機12の識別番号、三次元位置座標、変動量、時刻)を受信する受信器と、受信したデータ(GPS子機12の識別番号、三次元位置座標、変動量、時刻)を記録するメモリ機能と、GPS親機11と送受信可能な区域に到達した際に信号を発信するほか、データセンター14へデータを送信する発信器が搭載されている。そのため、自律型UAV13が飛行できる場所であれば、GPS親機11を設置可能となる。また、自律型UAV13はデータの中継基地局として利用することができる。尚、LPWA通信方式のほか、Bluetooth(「Bluetooth」は登録商標)など種々の無線通信を使用することができるが、100km~200kmの距離を通信可能なLPWA通信方式が好ましい。さらに、自律型UAV13を飛行させる時間帯も例えば、2時間ごとなど定時に飛行させるほか、必要に応じて飛行させることが可能である。
データセンター14は、GPS子機12が検知した変動量に基づいて、土砂災害が発生する可能性の予測を行い、表示する端末機器である。データセンター14は、市役所や県庁などの行政機関に設置されたパーソナルコンピュータ等の端末機器であり、データ(GPS子機12の識別番号、三次元位置座標、変動量、時刻)を記憶、演算、表示できる機器であれば良く、とくに限定するものではない。
次に、図2を参照して、上述した各装置の処理を具体的に説明する。図2に示すように、GPS子機12は、常時又は定時的にGPS衛星から送信される電波を基に、自身の位置情報(三次元位置座標)を算出して取得する(ステップ1)。この際に、位置情報が変動し、座標変位を検知(ステップ2)した場合は変動量を演算してGPS親機11へ変位情報(変動量、変動前並びに変動後の三次元位置座標、変動した時刻)を送信し(ステップ3)、GPS親機11は、GPS子機12から受信した変位情報を蓄積(ステップ4)する。座標変位を検知しない場合は、再度位置情報の取得を繰り返す。
自律型UAV13は、あらかじめ定められた航路、すなわち、出発地点(例えばデータセンター14)からGPS親機11と無線通信可能な範囲へ向かい出発地点へ戻るという一定の航路を飛行している。自律型UAV13は、GPS親機11と送受信可能な区域に到達すると、GPS親機11へ向かって信号を発信する(ステップ5)。信号を受信したGPS親機11は、GPS親機11内にメモリされたデータ(GPS子機12の識別番号、三次元位置座標、変動量、時刻)を自律型UAV13に送信する(ステップ6)。データを受信した自律型UAV13は、データセンター14へ戻りGPS親機11から受信したデータをデータセンター14へ送信する(ステップ7)。すわなち、GPS親機11とデータセンター14間の中継基地局として機能する。
GPS親機11が、データセンター14と無線通信可能な位置に設置されている場合は、図1に示すように、GPS親機11からデータセンター14へ直接、LPWA通信方式により無線通信が行われ、GPS親機11内にメモリされたデータ(GPS子機12の識別番号、三次元位置座標、変動量、時刻)は、自律型UAV13に中継されることがない。
データセンター14は、受信したデータ(GPS子機12の識別番号、三次元位置座標、変動量、時刻)を解析し(ステップ8)、解析結果を表示し、閾値を超えた際など必要に応じて警報を発令する(ステップ9)。解析結果は、ハザードマップへ表示をリンクさせることが好ましい。例えば、変動量が検出されたGPS子機12がマッピングに表示され、変動量に基づき危険地域が着色表示される。より具体的には、変動量が10cm未満の区域であれば、要注意観察対象として黄色着色表示され、変動量が10cm~20cmの区域満であれば、警報発令対象、避難勧告対象として橙色着色表示され、変動量が20cm以上の区域であれば、要警報対象、要避難指示対象として赤色表示される。
尚、本発明の要旨は、自律型UAV13を中継基地局として使用し、従来電波が届かない山奥などでもあってもGPS子機12が検知した変動量を迅速かつ確実にデータセンター14へ送信できる点である。したがって、データセンター14で変動量から土砂災害の発生予測を解析する手法は、上記例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で改変を施し得るのは勿論構わない。
11 GPS親機
12 GPS子機
13 自律型UAV
14 データセンター
15 有線ケーブル
H 危険区域

Claims (2)

  1. 地盤崩壊による土砂災害が発生するおそれのある危険区域内に複数設置され、GPS衛星との通信により自身が設置された位置の三次元位置座標を計測し、計測した三次元位置座標が変動した際の変動量を算出してGPS親機へ有線接続を介して送信可能な複数のGPS子機と、複数のGPS子機と有線接続を介して接続され複数のGPS子機から各GPS子機のデータ(GPS子機の識別番号、三次元位置座標、変動量、及び時刻)を受信するとともに、自律型UAVとデータの送受信可能なGPS親機と、あらかじめ定められた航路を飛行し、GPS親機からデータを受信し、データセンターへのデータ中継を可能とする自律型UAVと、自律型UAVから受信したデータに基づき、土砂災害の予測を行うデータセンターを備えることを特徴とする土砂災害避難通知システム。
  2. 前記データセンターは、前記変動量が閾値を超えた場合に警報を発することを特徴とする請求項1に記載の土砂災害避難通知システム。
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