JP7055715B2 - ジカウイルス抗原および抗ジカウイルス抗体を検出するための方法およびキット - Google Patents
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(1)ジカウイルス抗原を捕捉するための第1の捕捉用分子、および
(2)IgM型抗ジカウイルス抗体を捕捉するための第2の捕捉用分子
に接触させ、
各捕捉用分子に捕捉されたジカウイルス抗原およびIgM型抗ジカウイルス抗体を検出する工程を含む方法。
(1)ジカウイルス抗原を検出するための第1の捕捉用分子、および
(2)IgM型抗ジカウイルス抗体を検出するための第2の捕捉用分子
を含むキット
本発明の第1の検出系に用いる捕捉用分子(以下、「第1の捕捉用分子」と称する)としては、ジカウイルス抗原に特異的に結合する分子であれば特に制限はないが、典型例には、抗ジカウイルス抗原抗体又はその抗原結合性断片である。第1の捕捉用分子は、そのような分子を1種類だけ使用してもよいし、複数種類を組み合わせて使用してもよい。第1の捕捉用分子として抗体を用いる場合、ポリクロ―ナル抗体でもモノクローナル抗体でもよいが、免疫測定の再現性等の観点からはモノクローナル抗体が好ましい。
本発明の「特徴(b)モノクローナル抗体」の好ましい態様は、さらに、280-352番目のアミノ酸配列から成るペプチド断片に結合し、かつ、260-310番目のアミノ酸配列からなるペプチド断片と300-352番目のアミノ酸配列からなるペプチド断片には結合しないという特徴を有する。このようなモノクローナル抗体としては、本実施例に記載の抗体BおよびCが挙げられる(表1)。その結合特性から、抗体BおよびCに代表されるこれら抗体は、ジカウイルスNS1タンパク質のコンフォメーションエピトープを認識する抗体であると考えられる(表2)。
本発明の第2の検出系に用いる捕捉用分子(以下、「第2の捕捉用分子」と称する)は、IgM型抗ジカウイルス抗体が特異的に結合する分子(以下、「第2の捕捉用分子(態様1)」と称する)あるいはIgM型抗ジカウイルス抗体に特異的に結合する分子(以下、「第2の捕捉用分子(態様2)」と称する)であれば、特に制限はない。
本発明のコンボ検出系において「同一の反応系内で」検出するとは、同一の検体を、同一の場で第1の捕捉用分子および第2の捕捉用分子と接触させて、検出を行うことを意味する。「同一の場」としては特に制限はなく、例えば、同一のマトリクス上、同一のウェル内、同一の反応セル内などが挙げられる。同一の場であれば、検体中のジカウイルス抗原とIgM型抗ジカウイルス抗体の検出のタイミングが異なっていてもよい。
免疫源としては、組換えジカウイルス(アフリカ株)NS1タンパク質(#ZIKV-NS1、The Native Antigen Company製)を1%SDSの存在下で96℃10分間加熱して変性させた、変性ジカウイルスNS1タンパク質(以下、「変性抗原」とも称する)を使用した。変性抗原をマウスに免疫し(腹腔内投与、投与量10μg/匹、免疫回数3~5回)、常法のハイブリドーマ法により、免疫原に対する抗体を産生するハイブリドーマを作製した。
抗体スクリーニングは、ELISAを用いて実施した。前記の変性抗原をPBSで希釈し、0.1~0.2μg/mLの溶液を調製した。これを96穴マイクロウェルプレートに50μLずつ分注し、37℃で1時間、または4℃で一晩コーティングさせた。1%スキムミルク・PBS、または2%BSA・PBSでブロッキングした後、1~10倍希釈したハイブリドーマ培養上清を各50μL/ウェル分注し、37℃で1時間反応させた。PBSTで洗浄後、POD標識抗マウスIgG抗体を50μL/ウェル分注し、37℃で30分~1時間反応させた。PBSTで洗浄後、TMB基質系で発色を行い、マイクロプレートリーダーにて450nmの吸光度を測定した。複数のハイブリドーマについて前記のスクリーニングを2回実施し、特に高い吸光度を示す3種のハイブリドーマA~Cを選出した。
ジカウイルスNS1タンパク質のリコンビナント抗原を調製し、前記3種のハイブリドーマA~Cより産生される3種のモノクローナル抗体(抗体A~抗体C)について、ELISAを用いて各ペプチドとの親和性を調査した。リコンビナント抗原は、次の方法で調製した。352アミノ酸からなるジカウイルスNS1(配列番号1、GenBank Accession No.:KU365780)の全長cDNAを人工合成し、PCR法により所望のDNA断片を増幅した。全長cDNAおよび各DNA断片を公知の発現ベクターに組込んで大腸菌に導入し、発現したリコンビナント抗原をカラムにて回収・精製した。この方法により、配列番号1の1-176番目、83-141番目、89-264番目、260-352番目、260-310番目、280-352番目および300-352番目のアミノ酸配列からなるリコンビナントペプチド断片、および配列番号1の全長からなるリコンビナントNS1タンパク質を調製した。
-:発光量<50000; ±:発光量50000-100000
+:発光量100000-2000000; ++:発光量>2000000
表1の結果より、抗体A~Cのエピトープは、配列番号1の表2に示す領域と推察された。抗体BおよびCは、280-352のペプチド断片には反応するが、260-310、300-352のペプチド断片には反応しないことから、コンフォメーションエピトープを認識する抗体であることが推察された。
以下の方法で抗体A及び抗体Bを磁性粒子(平均粒径3μm)に固相化させ、抗ジカウイルスNS1抗体の固相化粒子を調製した。10mM MES緩衝液(pH5.0)中で磁性粒子0.01g/mLに、抗体A及び抗体Bを計0.2mg/L添加し、25℃で1時間ゆるやかに撹拌しながらインキュベートした。反応後、磁性粒子を磁石で集磁し、洗浄液(50mM Tris,150mM NaCl,2.0% BSA,pH7.0)で洗浄し、抗ジカウイルス抗体固相化粒子を得た。
粒子希釈液のNaCl濃度を150mM、275mM、350mM、500mM(それぞれ粒子希釈液B、C、D、E)とし、標識体希釈液のNaCl濃度を500mM(標識体希釈液B)とした以外は、実施例4と同様の条件で、ジカウイルス陽性購入検体4例及び陰性検体5例について、ジカウイルス抗原及び/または抗体の検出を行った。結果を表3に示す(試験例2~5)。
粒子希釈液及び標識希釈液のNaCl濃度を500mMとし、ルミパルス検体希釈液に、0.5% Triton X-100に代えて、表4に示す各界面活性剤をそれぞれ添加した以外は、実施例4と同様の方法で、ジカウイルス陽性購入検体1例(P4)及び陰性検体2例(N6、N7)について、ジカウイルス抗原及び/または抗体の検出を行った。結果を表4に示す。表中の「濃度」は、中の界面活性剤濃度を示す。
一部の界面活性剤では、陰性検体由来のバックグラウンドを下げる効果が認められたが、陽性検体のシグナルも低下させてしまうことが判明した。陽性検体の低下が限定的であり、かつ、比較的高いバックグラウンド低下効果が認められた界面活性剤は、Triton X-100、MEGA10、C12APS及びNDS(N-デカノイルサルコシン)であった。
ジカウイルスNS1抗原を単独で検出する系(抗原検出系)、及びIgM型抗ジカウイルス抗体を単独で検出する系(抗体検出系)をそれぞれ構築し、コンボアッセイ系と臨床感度・特異性を比較した。
各検出系における結果を表5に示す。
ウイルス感染患者において、感染初期のセロコンバージョンの段階では、ウイルス抗原と抗ウイルス抗体(特にIgM)とが共存し、抗原または抗体を検出するにあたり、測定系によっては一方がもう一方の検出系に干渉し、偽陰性等を引き起こすこともありうる。そこで、疑似的にセロコンバージョンパネルを調製して、コンボアッセイによる測定を行い、抗原及び抗体の他方検出系への干渉の有無を検討した。
実施例7のコンボアッセイ系と同じ条件で、デングウイルス陽性検体5例(D1~D5)についてアッセイを行った。結果を表7に示す。
Claims (5)
- 検体中に存在するジカウイルス抗原およびIgM型抗ジカウイルス抗体を検出する方法であって、同一の反応系内で、前記検体を
(1)ジカウイルス抗原を捕捉するための第1の捕捉用分子、および
(2)IgM型抗ジカウイルス抗体を捕捉するための第2の捕捉用分子
に接触させ、
各捕捉用分子に捕捉されたジカウイルス抗原およびIgM型抗ジカウイルス抗体を検出する工程を含み、
前記第1の捕捉用分子が抗ジカウイルスNS1抗体であり、前記第2の捕捉用分子がジカウイルスENV抗原である方法。 - 検体と第1の捕捉用分子および第2の捕捉用分子とを、200~2000mMの無機塩の存在下で接触させる、請求項1に記載の方法。
- 検体と第1の捕捉用分子および第2の捕捉用分子とを、0.01~2%の界面活性剤の存在下で接触させる、請求項1または2に記載の方法。
- 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤、および陰イオン性界面活性剤から選択される少なくとも1種の界面活性剤である、請求項3に記載の方法。
- 検体中に存在するジカウイルス抗原およびIgM型抗ジカウイルス抗体を検出するためのキットであって、少なくとも
(1)ジカウイルス抗原を検出するための第1の捕捉用分子、および
(2)IgM型抗ジカウイルス抗体を検出するための第2の捕捉用分子
を含み、
前記第1の捕捉用分子が抗ジカウイルスNS1抗体であり、前記第2の捕捉用分子がジカウイルスENV抗原であるキット。
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| JP2018136990A JP7055715B2 (ja) | 2018-07-20 | 2018-07-20 | ジカウイルス抗原および抗ジカウイルス抗体を検出するための方法およびキット |
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| JP2020012797A JP2020012797A (ja) | 2020-01-23 |
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|---|
| DAI Lianpan et al.,Structures of the Zika Virus Envelope Protein and Its Complex with a Flavivirus Broadly Protective Antibody,Cell Host & Microbe,2016年,Vol.19,pp.696-704 |
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