JP7060945B2 - 軟式野球用バット - Google Patents
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Description
軟式野球用バットにおいて、
複数層に積層された筒状の打球部を備え、
前記打球部は、グリップ側筒状体と打球部側筒状体とを有するバット本体の前記打球部側筒状体と、前記打球部側筒状体の外周に積層された筒状の発泡体を含む弾性体とを有し、
前記打球部側筒状体は、そのバット長手方向の中間部が非接着状態で複数層に積層された高反発領域に成形され、前記バット長手方向の両端部の積層部位が接着されている点にある。
これにより、打球時にボールの重心が打球部の軸心で捉えられた場合は、打球時に生じるボールの変形が抑制されることにより、その変形に起因したボールにかかる空気抵抗の増加を抑制することができる上に、高反発領域でのトランポリン効果と弾性体の弾性との相乗効果が得られることにより、打球の飛距離を大幅に伸ばすことができる。
また、打球時にボールの重心が打球部の軸心から少し外れた場合は、打球時に生じるボールの変形が抑制されることにより、その変形に起因したボールにかかる空気抵抗の増加とバットの軸心に対するボール重心のズレ量の増大とを抑制することができる上に、高反発領域でのトランポリン効果と弾性体の弾性との相乗効果が得られることにより、打球方向が後方側にズレ易くなることを抑制しながら、打球の飛距離を伸ばすことができる。
その結果、使用球が重い場合や硬い場合であっても、打球時にボールが打球部で捉えられた場合に打球の前方への飛距離を伸ばすことができる軟式野球用バットを提供することができる。
前記弾性体は、厚みが3~10mmの弾性層を有している点にある。
これに対し、弾性体における弾性層の厚みが3mm未満であると、筒状体の外径が大きくなることで高反発領域でのトランポリン効果が得られ易くなるが、弾性体の弾性変形によるボールの変形抑制が低下する。
また、弾性体における弾性層の厚みが10mmを超えると、弾性体の弾性変形によるボールの変形抑制は向上するが、筒状体の外径が小さくなることで、高反発領域でのトランポリン効果が得られ難くなるとともに、バットとしての強度が低下してバットにおける耐久性の低下を招き易くなる。
つまり、本構成によれば、バットにおける耐久性の低下を防止しながら、高反発領域でのトランポリン効果と弾性体の弾性との双方を良好に得ることができ、それらの相乗効果によって打球の飛距離を伸ばすことができる。
前記弾性体は、C硬度が55~83の弾性層を有している点にある。
これに対し、弾性体における弾性層のC硬度が55未満であると、弾性体が軟質になり過ぎて、弾性体によるボールの保持作用が低下してボールが変形し易くなる。
また、弾性体における弾性層のC硬度が83を超えると、弾性体が硬質になり過ぎて、弾性体との接触によるボールの変形が生じ易くなる。
つまり、本構成によれば、ボールが打球部で捉えられた場合に生じるボールの変形をより効果的に抑制することができ、その変形に起因してボールにかかる空気抵抗が増加して打球が失速することによる飛距離の低下を、より効果的に抑制することができる。
前記打球部側筒状体の厚みが1.8~4.5mmである点にある。
なお、本実施形態では、FRP(繊維強化プラスチック)が主材に採用された軟式野球用バットを例示するが、軟式野球用バットは、例えば、チタニウム、チタニウム合金、アルミニウム合金、などの金属が主材に採用され、FRPまたは前述した金属などが筒状の補強材として主材に嵌合されたものであってもよい。また、軟式野球用バットは、グリップ側と打球部側とに異素材の主材が採用されて組み合わされたものであってもよい。
バット長手方向での拡径部7Aと縮径部8Aとの接着長さWは、30~120mmが好適であり、本実施形態では、接着長さWとして最適な60mmに設定したものが例示されている。
なお、バット本体2は、グリップ側筒状体7と打球部側筒状体8とが一体形成されたものであってもよい。
なお、打球部側筒状体8の最内層となる第1層8aの層厚は、1.0~2.5mmが好適であり、特に、1.6~2.1mmがより好適であり、本実施形態では、第1層8aの層厚として最適な1.9mmに設定したものが例示されている。打球部側筒状体8の中間層となる第2層8cの層厚は、0.6~1.2mmが好適であり、本実施形態では、第2層8cの層厚として最適な0.9mmに設定したものが例示されている。打球部側筒状体8の最外層となる第3層8eの層厚は、0.2~0.8mmが好適であり、本実施形態では、第3層8eの層厚として最適な0.5mmに設定したものが例示されている。
これにより、打球部側筒状体8は、その層厚が3.3mm程度の薄い円筒状で、かつ、そのバット長手方向の中間部に、非接着状態で3層に積層されることで扁平強度の低下を抑制しながら扁平剛性の低下が図られた3重管構造の高反発領域8fを有している。
ちなみに、打球部側筒状体8の層厚は、1.8~4.5mmであることが好ましく、特に、2.4~4.1mmであることがより好ましい。
そして、図3~5に示すように、打球部側筒状体8が、その層厚が3.3mmの薄い円筒状で、扁平剛性の低い高反発領域8fを有することにより、打球時に生じる高反発領域8fでのトランポリン効果(図5参照)によって打球の飛距離を伸ばすことができる。
なお、弾性層5aには、例えば、EVA、EEA、ポリエチレン、ポリプロピレン、イソプレン、EPDM、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ABS、アイオノマー、ブタジエン系ラバーなどを発泡させた発泡体を採用し、被覆層5bには、弾性層5aと同系統のゴム系または合成樹脂系シートを採用するようにしてもよい。
なお、弾性層5aの層厚は、打球部側筒状体8の高反発領域8fに積層される弾性体5の打球領域5c(図4参照)において3.0~10.0mmであることが好ましく、特に、3.0~7.0mmであることがより好ましいことから、本実施形態では、5.0mmに設定したものが例示されている。
また、被覆層(TPUシート)5bの上から測定した場合のC硬度が67~85であることが好ましく、特に、67~75であることがより好ましく、これに加えて、バット1の先端から150mmの位置でのC硬度と、バット1の先端から200mmの位置でのC硬度とのそれぞれが70~72であることがより好ましい。
また、弾性体5における試験片数n1の動的貯蔵弾性率は1.99MPaであり、試験片数n2の動的貯蔵弾性率は2.15MPaであり、試験片数n3の動的貯蔵弾性率は2.21MPaであり、それらの平均値は2.12MPaである。つまり、弾性体5の動的貯蔵弾性率は、1.7~2.5MPaであることが好ましく、特に、1.9~2.3MPaであることがより好ましい。
ここで、試験調整方法として、製品よりウレタン部(厚さ約4mm)を採取し、スライサーで厚さ2mmに調整した。その後、切削により幅3mmの短冊状試験片を作製した。
試験片形状は、長さ30mm×幅3mm×厚さ2mmとし、試験変数は3とし、測定モードは引張モードとし、治具間距離は20mmとし、周波数は100Hzとし、測定温度は20℃とし、荷重は9.8×10^(-2)Nとし、振動変位は20μmとした。
使用試験機は、METRAVIB社製の動的粘弾性測定装置(DMA+1000)とした。
これにより、打球時にボール10の重心が打球部9の軸心で捉えられた場合は、打球時に生じるボール10の変形が抑制されることにより、その変形に起因したボール10にかかる空気抵抗の増加を抑制することができる上に、高反発領域8fでのトランポリン効果と弾性体5の弾性との相乗効果が得られることにより、打球の飛距離を大幅に伸ばすことができる。
また、打球時にボール10の重心が打球部9の軸心から少し外れた場合は、打球時に生じるボール10の変形が抑制されることにより、その変形に起因したボール10にかかる空気抵抗の増加とバット1の軸心に対するボール重心のズレ量の増大とを抑制することができる上に、高反発領域8fでのトランポリン効果と弾性体5の弾性との相乗効果が得られることにより、打球方向が後方側にズレ易くなることを抑制しながら、打球の飛距離を伸ばすことができる。
その結果、公認球の変更によって軟式ボール10が重く硬くなった場合であっても、打球時にボール10が打球部9で捉えられた場合には打球の前方への飛距離を伸ばすことができる。
その結果、バット1における耐久性の低下を防止しながら、高反発領域8fでのトランポリン効果と弾性体5の弾性との双方を良好に得ることができ、それらの相乗効果によって打球の飛距離を伸ばすことができる。
その結果、ボール10が打球部9で捉えられた場合に生じるボール10の変形をより効果的に抑制することができ、その変形に起因してボール10にかかる空気抵抗が増加して打球が失速することによる飛距離の低下を、より効果的に抑制することができる。
上記の実施形態においては、筒状体(打球部側筒状体)8として、FRPが非接着状態で複数層に積層された多重管構造の高反発領域8fを有するFRP製のものを例示したが、これに限定されるものではなく、筒状体8は、例えば、チタニウム、チタニウム合金、アルミニウム合金、などの金属が非接着状態で複数層に積層された多重管構造の高反発領域8fを有する金属製のものであってもよく、また、FRPや前述した金属などの異素材が非接着状態で複数層に積層された多重管構造の高反発領域8fを有するものであってもよい。
5a 弾性層
8 筒状体
8f 高反発領域
9 打球部
Claims (4)
- 複数層に積層された筒状の打球部を備え、
前記打球部は、グリップ側筒状体と打球部側筒状体とを有するバット本体の前記打球部側筒状体と、前記打球部側筒状体の外周に積層された筒状の発泡体を含む弾性体とを有し、
前記打球部側筒状体は、そのバット長手方向の中間部が非接着状態で複数層に積層された高反発領域に成形され、前記バット長手方向の両端部の積層部位が接着されている軟式野球用バット。 - 前記弾性体は、厚みが3~10mmの弾性層を有している請求項1に記載の軟式野球用バット。
- 前記弾性体は、C硬度が55~83の弾性層を有している請求項1又は2に記載の軟式野球用バット。
- 前記打球部側筒状体の厚みが1.8~4.5mmである請求項1~3のいずれか一項に記載の軟式野球用バット。
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Citations (5)
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