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JP7062702B2 - 酸化カルシウムを含む混合物からガラスを作製する方法、およびガラス炉 - Google Patents
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酸化カルシウムを含む混合物からガラスを作製する方法、およびガラス炉 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス製造産業の分野に関する。ガラスを構成する材料を溶融するには、大量のエネルギーを投入する必要がある。ガラス浴の温度は、1300℃~1500℃程度である。ガラスは、その組成に応じて、飲料用グラス(コップ)や窓等の家庭での直接的な使用、またはガラスセラミックシート等の家庭での間接的な使用、または産業での使用を目的としている。
炉は、非常に高い熱的および機械的ストレスを受ける。炉は、高品質の耐火性コーティングから構成される。この耐火性コーティングは、高価であり、化学反応を受けやすいガラスの特定の成分に敏感である。耐火性コーティングは熱伝導性が低いため、ガラス浴の加熱を上方から実施する。
液体またはガス燃料の火炎バーナーが、ガラス浴と天端と呼ばれる炉の上部との間に配置される。ガラス浴は、主に放射によって加熱される。ガス出口温度は、ガラス族に応じて1300℃~1600℃である。
さらに、ガラスの製造では大量のガスが発生する。ガラス内の気泡の形成を防ぐために、ガラス浴を数時間脱気する。脱気を促進するために、硫酸塩のような精製添加物を使用する場合もある。炉は、選択された組成を含むガラスのバッチに対して機能する。
脱気および燃焼による出口ガスは、煙突を介して排出される。
本出願人は、作製されたガラスの質量に対してエネルギー消費量を大幅に削減するという目的を追求した。
ソーダ石灰ガラスの主な出発原料は、石灰石と、例えば炭酸ナトリウムNaCOの形態のソーダと、石英砂の形態のシリカである。石灰石および炭酸ナトリウムは、ガラスを精製している間にCOを放出する。
特開昭55-100236号明細書には、ガラスを製造するためにスラグを使用することが記載されている。しかしながら、多くの技術的課題が解決されていない。また、本出願人は、このような技術が工業用に実装されている例を知らない。
米国特許第2084328号には、湿った条件下で混合したドロマイトとカオリンから作製されたガラス製造炉装填物が記載されている。ここでは、ドロマイトとカオリンのスラリーをか焼し、次いでそれをソーダ灰、砂および生石灰と混合する。
米国特許出願第2005/0022557号には、NaCOとSiOの予備混合物およびCaCOとSiOの予備混合物が記載されており、予備反応の後に2つの予備混合物と追加のSiOを混合し、それをガラス製造炉に導入することも記載されている。
米国特許出願第2012/0216574号は、ガラスを製造する方法に関する。これは、CaCOをか焼してCaOを形成し、液相においてNaSiOガラスを形成し、CaOとNaSiOを液相混合してソーダ石灰ガラスを形成することを含む。
さらに、本出願人は、2012年10月18日~19日にアイントホーフェンで開催された「Glass Trend Seminar」と題するセミナーにおいて、SISECAM社のHande Sesigur氏、Melek Orhon氏およびBanu Arslan氏が「Alternative Raw Materials for Improving the Melting Properties in Glass Production」(「ガラス製造における溶融特性を改善するための代替原料」)と題する文書を発表したことを知っている。この発表において、か焼した石灰をガラス製造炉に導入した試験の結果として、エネルギー消費量がわずかに削減され、溶融がより容易になり、炉の特定の負荷が増加したことが報告されたが、それに伴って、作製されたガラスの1トンあたりのコストが増加し、ガラス浴の上方では大量のバッチダストが発生し、炉の壁の劣化が促進され、粒子間の付着に関する問題が生じた。
本出願人は、複数の試験を実施した。ガラス製造材料において石灰石を生石灰に置き換えることは、特に生石灰と大気中の水分との反応性に関連して困難である。石灰の経済的バランスは、輸送および取り扱いトン数が減少しているにもかかわらず、石灰石の経済的バランスよりも劣る。さらに、大きな粒子サイズを有する石灰のガラス浴内での溶融には時間がかかり、未溶融の材料が残る場合がある。小さな粒子サイズを有する石灰は、燃焼ガスに伴うバッチダストを増加させる。これにより、石灰の一部が失われ、炉の下流の排煙管が汚染される。
これらの問題にも関わらず、本出願人は試験を継続して、ガラス前駆体混合物を開発した。ここでは、混合物を調製している間に問題が生じた。水が不在の場合、粉末状の混合物には一貫性がなく、大量のバッチダストが発生する。しかしながら、水と石灰は互いに発熱反応する。達した温度が混合物の取り扱いを困難にする。
本出願人は、前駆体混合物を調製するための方法を開発した。これにより、低い温度で加熱した、バッチダストの発生が低い混合物が提供される。混合物に導入した成分の粒子サイズは、機械的移動作業が粉砕効果を生じさせて粒子サイズをわずかに減少させることを除き、実質的に維持される。ガラス製造炉に導入した混合物によって、ガラスを作製するのに必要なエネルギーを削減することができ、放出されるCOの量を3%~6%程度削減することができる。さらに、混合物の溶融時間は、炭酸カルシウムを使用した場合の時間よりも短い。これにより、炉の生産性が向上し、エネルギー消費量をさらに4%~6%程度削減することができる。
本発明は、ガラス製造炉のためのガラス前駆体混合物を調製するステップを含むガラスを製造する方法を提案する。該方法において、水、砂および炭酸ナトリウムを、それぞれ0~5%、40%~65%および0よりも大きく25%以下の質量割合で混合して、少なくとも10分~1時間未満が経過した後に、酸化カルシウムを全体の1%~20%の質量割合で添加する。
本発明は、ガラス製造炉のためのガラス前駆体混合物を調製するステップを含むガラスを製造する方法を提案する。該方法において、水、砂および炭酸ナトリウムを、それぞれ0~5%、40%~65%および0よりも大きく25%以下の質量割合で混合して、少なくとも1時間が経過した後に、酸化カルシウムを全体の1%~20%の質量割合で添加する。前駆体混合物の調製において、重大な自然発熱は発生せず、少なくとも欠陥となり得るような加熱は生じない。酸化カルシウムの導入を遅延させることで、炭酸ナトリウムが利用可能な水、特に砂に含まれる水を吸収する時間を確保することができる。本出願人は、炉での処理の前に石灰に関連する化学反応を省略できるという利点を認識した。
一実施形態において、水の質量割合は、1.5%~3%である。これにより、小さい粒子サイズを含む混合物であっても、バッチダストが発生する可能性が低減される。
一実施形態において、遅延時間は、少なくとも1時間である。
一実施形態において、含水量が4.1%の水、砂および炭酸ナトリウムの混合物の場合、遅延時間は、少なくとも10分~1時間未満である。
一実施形態において、炭酸ナトリウムは、5%未満が0.075mmスクリーンを通過し、且つ15%未満が0.150mmスクリーンを通過し、且つ5%未満が0.600mmスクリーンを通過しないような粒子サイズを有する。
一実施形態において、水、砂および炭酸ナトリウムの混合物は、含水量が3%以下であり、炭酸ナトリウムは、主に0.500mmよりも大きく1.000mm未満の粒子サイズを有する。
一実施形態において、水、砂および炭酸ナトリウムの混合物は、含水量が2%以下であり、炭酸ナトリウムは、主に0.250mm未満の粒子サイズを有する。
一実施形態において、遅延時間は、72時間未満である。
一実施形態において、出発原料の初期温度は、少なくとも30℃である。これにより、炭酸ナトリウムの水和速度が速くなる。
一実施形態において、酸化カルシウムは、70質量%~90質量%が0.1mmスクリーンを通過しないような粒子サイズを有し、好ましくは30質量%~80質量%が0.5mmスクリーンを通過しないような粒子サイズを有し、より好ましくは30質量%~70質量%が2mmスクリーンを通過しないような粒子サイズを有する。これにより、バッチダストの発生が少なくなる。
一実施形態において、酸化カルシウムは、90質量%超が0.1mmスクリーンを通過しない、且つ5質量%未満が4mmスクリーンを通過しないような粒子サイズを有し、好ましくは95質量%超が0.1mmスクリーンを通過しない、且つ1質量%未満が4mmスクリーンを通過しないような粒子サイズを有する。これにより、混合物と共に炉に導入される空気の量が少なくなり、未溶融の物質は稀になる。
一実施形態において、酸化カルシウムは、1mm~1.5mmの平均粒子サイズを有する。
一実施形態において、90質量%以上が0.1mmスクリーンを通過するような粒子サイズを有するように前駆体混合物を調製してから1時間未満で、ガラス製造炉において前駆体混合物を使用し、好ましくは70質量%~90質量%が0.1mmスクリーンを通過するような粒子サイズを有するように前駆体混合物を調製してから2時間未満で、ガラス製造炉において前駆体混合物を使用する。細かい粒子サイズは、高い反応性と迅速な処理とに関連する。この場合、溶融が迅速になる。
一実施形態において、70質量%以上が2mmスクリーンを通過するような粒子サイズを有するように前駆体混合物を調製してから8時間未満でガラス製造炉において前駆体混合物を使用する。平均粒子サイズによって、工業的に有利な保管時間で様々に対応することができる。
一実施形態において、砂は、乾燥している。これにより、導入する水の量を十分に制御することができる。好ましくは中程度または大きな粒子サイズに関連して水を導入しない変形例において、エネルギー消費量を削減することができる。砂は、含水量が0.1%未満で乾燥しているとみなされる。砂は、周囲温度よりも15℃~20℃高い温度に加熱することで乾燥されてもよい。
一実施形態において、水は、砂中に好ましくは3質量%~4質量%存在する。これにより、水を意図的に導入するためのコストを回避することができる。
一実施形態において、酸化カルシウムには、意図的な酸化アルミニウムの添加がない。また、酸化アルミニウムを、水、砂および炭酸ナトリウムを混合している間に導入してもよい。
一実施形態において、酸化カルシウムの添加前または添加後に、ガラス前駆体混合物にカレットを全体の5%~40%の質量割合で添加する。カレットは、廃棄ガラスのバッチに由来するものであってもよい。バッチは既知の組成であるため、所望のガラスの品質に合わせてその他の原料の量を調整することができる。
一実施形態において、ガラス前駆体混合物を、固体状態で調製する。これにより、スラリーの場合の水の蒸発を回避することができる。また、出発原料の予備溶融によるエネルギーの消費を回避することができる。
一実施形態において、ガラス前駆体混合物を、周囲温度と、周囲温度よりも20℃高い温度との間の温度で調製する。
一実施形態において、ガラス前駆体混合物を、水、砂、炭酸ナトリウムおよび酸化カルシウムの初期温度から+0~+20℃の温度で調製する。加重平均を初期温度として取得することができる。
一実施形態において、ガラス前駆体混合物を、熱エネルギーを導入することなく調製する。これにより、微粉すなわちバッチダストを生成する混合物の乾燥を回避することができる。
一実施形態において、電気炉で混合物を焼成する。
一実施形態において、水、砂、ソーダおよび全体の1%~20%の質量割合で含まれる酸化カルシウムの混合物を、ガラス製造炉に導入し、混合物を、混合物に向けられた少なくとも1つの火炎バーナーを使用して溶融する。バーナーは、良好な収率と、溶融中または溶融後のガラス浴の表面に対するバッチダストのつや出し効果を提供する。
一実施形態において、バーナーに導入する酸化剤は、酸素である。これにより、バッチダストのつや出し効果が向上する。
一実施形態において、水、砂、炭酸ナトリウムおよび酸化カルシウムは、それぞれ0~5%、40%~65%、1%~25%および1%~20%の質量割合で存在する。
一実施形態において、NaCOの脱炭素化を、液相においてガラス製造炉内で実施する。
本発明は、溶融ガラスタンクと、タンクの上方に配置され且つ胸壁、妻壁および天端によって区画される燃焼加熱チャンバと、加熱チャンバと連通する排煙管と、排煙管に平行な方向に配置されたループバーナーと、溶融ガラスタンクに向けられた火炎バーナーと、を備える工業用ガラス製造炉を提案する。
一実施形態において、火炎バーナーは、炉の天端に配置される。
一実施形態において、ガラス製造炉は、静止している。これにより、回転炉の脆弱性を回避することができる。
以下に記載する試験を実施した。
(1)ソーダ石灰ガラス前駆体混合物のバッチに対する温度試験
20kgの前駆体混合物のための原料を秤量した。砂を乾燥させた後に、水分量が再現できるように再加湿した。その他の原料を、時間tにおいて同時に添加した。コンクリートタイプのミキサーで100秒間混合を実施した。16kgを取り出し、密閉容器に入れた。密閉容器内のバッチの中央に配置された熱電対を使用して、温度を2時間にわたって記録した。水は、5つのバッチにおいて同じである。砂および炭酸ナトリウムは、同じサプライヤーの同じ工業バッチから納入したものである。以下の5つのカルシウム源を比較した。
・ 石灰石。
・ ホワイト生石灰A、バルクで納入、D50は0.1mm。
・ ブラウン生石灰B、バルクで納入、D50は0.1mm。
・ 生石灰C、約1トンの大袋で納入、直径は4-8(4/8)mm。
・ 生石灰D、D50は1.2mm。
50という表記は、材料の50質量%がより小さい粒子サイズを有し、50質量%がより大きい粒子サイズを有することを意味する。直径とは、粒子サイズが主に4mm~8mmの範囲にあることを示す商用的表記である。
図2の曲線は、容器を満たし、熱電対を取り付けて、容器を閉鎖するまでの時間を考慮して、時間t=t+5分から開始する。曲線は、石灰石の場合は5℃未満の温度上昇、大袋で納入した生石灰Cの場合は約15℃の温度上昇、生石灰Dの場合はt=t+35分において約75℃の温度上昇、バルクで納入したホワイト生石灰Aの場合はt=t+12分において約75℃の温度上昇、およびバルクで納入したブラウン生石灰Bの場合はt=t+30分において90℃超の温度上昇を示している。
生石灰Cにおける温度上昇の低さは、非常に大きい粒子サイズと、予備的な水分の吸収が早くなって生石灰が部分的に水和したことでエネルギーゲインが失われたことに起因する。ガラス製造炉に導入した消石灰は、熱の影響で脱水された。ここでは、脱水に必要なエネルギーと、追加の水を炉の温度まで加熱するためのエネルギーとが、エネルギーバランスに影響を与えた。ただし、大きな粒子サイズを有する石灰は、意図しない水和の影響を受けにくく、小さな粒子サイズを有する石灰よりも水和が遅くなる。
バルクで納入したホワイト生石灰Aおよびブラウン生石灰Bの加熱方法および加熱時間の違いは、異なる組成に起因するものであるが、これはあまり重要な事項ではない。
試験において3つのバッチを高温で加熱して、混合物を生成した。この混合物の生成において大量のバッチダスト、すなわち煙突の吸引によって部分的に失われ且つ得られたガラスに含まれないダストが発生した。さらに、高温で加熱すると、混合物を数時間扱うことができない。この高温を利用して熱い混合物を焼成して、ガラス製造炉の熱バランスを改善することができる。これによるゲインは、1%~1.5%程度であった。
(2)同じ混合物の位相調製試験
予期せずに処理が中断された後に、生石灰を混合物に遅れて導入した。水、砂および炭酸ナトリウムの混合を実施した。砂および炭酸ナトリウムは、1回目の試験と同様に同じ工業バッチに由来するものであった。石灰は、0-5(0/5)mmの直径を有した。5時間が経過した後に石灰を添加して、以降の試験を上記のように実施した。図3の下の曲線に示すように、温度上昇は認められなかった。
この結果を考慮して、本出願人は、2つの別の試験を実施した。これらの試験において、一方には、水、砂および炭酸ナトリウムの予備混合物に同じ生石灰を取り入れ、他方には、予備混合物の製造と取り入れとの間に遅延時間を設けずに、水、砂および炭酸ナトリウムの予備混合物に同じ生石灰を組み込んだ(図3の上の曲線を参照)。次いで、それぞれ約40℃の高温で加熱した。ここでいう「同じ」生石灰とは、同じ製造業者から同時に納入した生石灰であるため、0-3(0/3)mm直径の同様の粒子サイズを有し、同様の保管条件を有する。生石灰は、本明細書の第4章の表に記載した試料No.1からなる。
石灰の導入の遅延に伴う混合物の調製における遅延時間は、加熱を回避するために有利である。次いで、混合物のバッチを加熱せずにガラス製造炉に投入した。バッチダストの割合は、石灰石から作製されたガラスの割合に匹敵した。
(3)焼成試験
本出願人は、同じソーダ石灰ガラスの組成から開始して、同じ炉で異なる粒子サイズを有する生石灰を比較した。その他の原料は、試験ごとに同一であった。0-5(0/5)mmの直径を有する生石灰は、1日あたり23トンのガラスを生産し、同じサプライヤーからの2-6(2/6)mmの直径を有する生石灰は、1日あたり20.5トンのガラスを生産した。これらの生石灰は、それぞれ第4章の表に記載した試料No.4および6からなる。細かい生石灰は、粗い生石灰よりも炉内でより速く溶融したが、空気をより多く取り込んだ。この場合、溶融ガラスから空気を排出するために必要な脱気の時間が長くなった。
さらに、本出願人は、バッチダストを回避するために0.1mmよりも大きい且つ急速な溶融のために4mm~6mmの最大値未満の粒子サイズを有し、焼成され且つガラスから脱気する必要がある空気の量を減少させるようにこの範囲内で相対的にばらついている粒子を最大量含む生石灰を推奨する。
混合物は、ガラス製造炉内で、石灰石に基づいた同等の粒子サイズを有する混合物よりも速く溶融して、組成が実質的に同一のガラスになった。この加速によって、炉の1日あたりの生産量が22%程度増加した。
同じ実験炉で実施したドロマイトが不在の試験において、30分間隔で炉から溶融ガラスの試料を採取した。同じ石灰石に基づいた同じ組成を有するガラスの2つのバッチは、正しい溶融を示すために2時間半~3時間の加熱を必要とした。これらの時間より前に採取した試料には、冷却後に粉末になる未溶融の物質があった。43.5%の強熱減量で1000℃で仮焼した同じ石灰石に基づく同じ組成を有するガラスのバッチは、0.1-2(0.1/2)mmの粒子サイズを有し、生石灰Cに基づく同じ組成を有するガラスのバッチであった。生石灰Cは、CaOを97.1質量%、MgOを1.8質量%、SiOを0.5質量%、Alを0.2質量%、およびFeを0.16ppm含有した。生石灰Cは、50%超が3.15mmスクリーンを通過しない、且つ3.15mmスクリーンを通過した後に18%が2mmスクリーンを通過しない、且つ2mmスクリーンを通過した後に5%未満が1.6mmスクリーンを通過しない、且つ1.6mmスクリーンを通過した後に5%未満が0.8mmスクリーンを通過しない、且つ0.8mmスクリーンを通過した後に5%未満が0.5mmスクリーンを通過しない、且つ0.5mmスクリーンを通過した後に5%未満が0.315mmスクリーンを通過しない、且つ0.315mmスクリーンを通過した後に5%未満が0.2mmスクリーンを通過しない、且つ0.2mmスクリーンを通過した後に5%未満が0.1mmスクリーンを通過しない、且つ0.1mmスクリーンを通過した後に10%未満が0.08mmスクリーンを通過しない、且つ5%未満が0.08mmスクリーンを通過するような粒子サイズを有するようになされた。最後の2つのガラスのバッチは、2時間の加熱後に適切な品質のガラスを提供した。ドロマイトの不在によって単純化されたが、溶融時間の短縮に関する変化を観察することができなかった。
(4)粒子サイズ測定
Figure 0007062702000001
Figure 0007062702000002
これらの粒子サイズの測定値は、石灰のパッケージ(大袋、バルク等)、石灰の取り扱いおよび移動、ならびに保管状態および時間の関数に応じてそのパラメータが変化したことを示している。望ましい粒子サイズは、0.1mm~4mmの範囲の可能な最大数の粒子を含み、これは、例えば90質量%が0.1mmスクリーンを通過しない、且つ5質量%未満が4mmスクリーンを通過しないような粒子サイズである。好ましい粒子サイズは、95質量%超が0.1mmスクリーンを通過しない、且つ1質量%未満が4mmスクリーンを通過しないような粒子サイズである。
(5)バッチダストの量
工業用ガラス製造炉の煙道には、バッチダストの一部を回収して秤量するための待避部が設けられた。試験を実施している間に同じ待避装置を使用した。石灰石をCaOに変換したことと出口で24時間にわたって同じ組成のガラスを得たことを除いて、開始時は同じ原料を使用して試験を実施した。1つ目の一連の試験を、石灰石を含む従来の混合物および天端バーナーを有するループ炉を使用して実施した。2つ目の一連の試験を、生石灰No.4を含む混合物および天端バーナーを有するループ炉を使用して実施した。混合物の組成は、砂が1367kg、ドロマイトが112kg、炭酸ナトリウムが416kg、硫酸ナトリウムが4kg、生石灰が160kg、およびアルミナが30kgであった。回収したバッチダストの量は、相互比較を行うための相対的な測定値を構成する。これらは、作製されたガラスのトン数と比較して示されていない。以下はグラム単位の生の値である。
1つ目の一連の試験:平均43.15、標準偏差14.65。収集したダストは、粒子の飛散と、ダストを回収するために煙道に置かれたコールドフィンガーのガス種の気化および再凝縮の2つの効果によるものである。この2つ目の効果は、本出願人が特定した。
2つ目の一連の試験:平均45.2、標準偏差7.85。1つ目の一連の試験の分析を適用した。11カ月間にわたって、煙道を洗浄する必要がなかった。回収したダストは、主に硫酸ナトリウムを含み、通常煙道に生じる硫酸カルシウムよりも洗浄が容易である。これにより、バッチダストによるCaの損失が減少したことが推測できる。
結論として、煙道内の粒子の量を測定するのは困難であり、推測が必要である。これらの試験条件下において、石灰石のか焼から得られたCaOを使用すると、天端バーナーでのCaCOの使用のように炉内における同じ粒子のバッチダストが生成されない。
本出願人は、試験の後に、ガラス製造炉のためのガラス前駆体混合物の調製方法を開発した。この方法において、まず、水、砂および炭酸ナトリウムを、それぞれ0~5%、40%~65%および0より多く25%以下の質量割合で混合し、次いで、酸化カルシウムを全体の1%~20%の質量割合で添加した。このCaOの添加は、最初の混合から少なくとも1時間が経過した後に実施された。材料は周囲温度にあった。水は、炭酸ナトリウムに吸収され、CaOが利用できる量はわずかとなった。
水は、微粒子への凝集の効果によって、バッチダストに対する感度を低下させる。
前駆体混合物は、ソーダ石灰ガラスの場合、水を0~3%、砂を65%~75%、炭酸ナトリウムを10%~15%、生石灰を10%~25%、マグネシアを0~6%、ならびに精製剤、染料および脱色剤を0~2%含有した。
ホウケイ酸ガラスは、三酸化ホウ素(B)を7%~13%、アルカリ性酸化物(NaO、KO)を4%~8%、アルミナ(Al)を2%~7%、およびその他のアルカリ性酸化物(CaO、MgO等)を0~5%含有した。CaOを含有するホウケイ酸ガラスは、本発明による前駆体混合物から製造することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面から明らかになるであろう。
一実施形態によるガラス製造炉の模式的な斜視図である。 石灰石および生石灰の時間の関数としての加熱曲線を示す図である。 石灰を含む3つの混合物の時間の関数としての加熱曲線を示す図である。 出発原料の温度、含水量、予混合から生石灰の導入までの遅延時間、および炭酸ナトリウムの粒子サイズに関連して、10回の試験における時間の関数としての加熱曲線を複数示す図である。 含水量パラメータに関する図4の特定の曲線を示す図である。 温度パラメータに関する図4の特定の曲線を示す図である。 炭酸ナトリウムの粒子サイズパラメータに関する図4の特定の曲線を示す図である。
添付の図面は、本発明を構成するのに役立つだけでなく、必要に応じてその定義にも貢献する。
ガラス製造炉1は、少なくとも1つのループバーナーと、少なくとも1つの天端バーナーと、を有する。ループバーナーは、酸化剤入口の近傍で実質的に水平に配向される。火炎は、浴の上方で実質的に水平に広がる。浴は、溶融される出発原料、すなわちガラス前駆体混合物、さらには所望の品質を有する工業用ガラスに徐々に変換される作製中の溶融ガラスの加熱開始時に構成される。天端バーナーは、炉の上壁に実質的に垂直に配向される。火炎は、浴に向けて実質的に垂直に伸びる。
ガラス製造炉1は、バッチ生産のための溶融ガラスタンク2を備える。ガラス製造炉1は、溶融ガラス浴の上方に位置する燃焼チャンバ3と、上壁4と、を備える。上壁4は、天端5と、燃焼チャンバ3を区切る胸壁(長さ方向)または妻壁(幅方向)6として知られる垂直部分と、から構成される。ガラス製造炉1は、燃料油またはガスが供給される少なくとも1つのループバーナー7を備える。また、ガラス製造炉1は、燃料油またはガスが供給される少なくとも1つの天端バーナー8を備える。ガラス製造炉1は、酸化剤入口9も備える。酸化剤は、空気および/または酸素であってよい。
バーナー8は、天端5に取り付けられる。バーナー8は、上から下方に浴の上面に向けられた火炎バーナーである。バーナー8は、バーナー7によって生成されたガスの動きが最大になる領域の外側に火炎がくるように配置される。バーナー8は、実質的に天端5の上部に配置される。バーナー8は、炉の長さ方向において実質的に中央に配置される。
胸壁のうちの1つには、溶融される原料、特に前駆体混合物を炉1に供給するための空隙または凹部11が設けられる。精製したガラスを引き出すための部材は図示していない。
タンク2および上壁4は、耐火材料から形成されており、高温領域から離れた外側の金属構造体によって補強される。バーナー7は、燃焼チャンバ3内で水平に配向された火炎バーナーである。バーナー7は、酸化剤入口9の下方に取り付けられる。
ガラス製造炉1は、溶融ガラス浴の上方の垂直壁6のうちの1つに収容された煙出口10を備える。バーナー7および煙出口10は、同じ小さな側に設けられてもよい。これにより、バーナー7の火炎と煙とが、燃焼チャンバ4内のU字形経路をたどることができる。U字形経路は、通常、ループ経路と呼ばれるものである。バーナー7および煙出口10は、互いに平行であってもよい。バーナー7および煙出口10は、燃焼チャンバ3と連通する。
煙の移動方向における煙出口10の下流において、設備は煙道を備えてもよい。煙道は、実質的に水平な煙管である。煙道は、煙出口10を介して燃焼チャンバ3と流体連通する。煙道は、耐火材料から形成されており、高温領域から離れた外側の金属構造体によって補強される。煙道には、バルブは形成されない。煙道は、煙を煙突または復熱器または酸化剤を加熱する再生器に誘導する。
ループバーナー7と天端バーナー8とを組み合わせて使用することで、浴の表面における高い収率およびつや出し効果を提供することができる。つや出し効果とは、天端バーナー8の火炎の作用を受ける浴の表面領域の急速な溶融を指す。急速に溶融することで、その領域からダストが放出されることを防止することができる。これにより、つや出し効果をより迅速に得ることができる。
さらに、水、砂および炭酸カルシウムの混合(混合動作)と酸化カルシウム(生石灰)の添加との間の遅延時間Dに関する試験を、測定した砂/ソーダ混合物の平均周囲保管温度および含水量Hに対応する出発原料の温度Tsmに関連して、実施した。例えば長石、准長石および/またはか焼アルミナの形態を有するアルミナも、水、砂および炭酸ナトリウムと混合した。これらの試験は、図4~図7に示されている。測定した温度をy軸に示し、時間をx軸に示している。曲線を、事前に予備混合物を含む混合物に生石灰を導入した瞬間における共通の基準点でx軸に設定した。遅延時間Dは、試験番号1、5および6における20分間から、試験番号7における60分間までの範囲とした。
ここで、水を乾燥した砂に供給し、3分間混合した。次いで、炭酸ナトリウムおよびアルミナを湿った砂と2分間混合した。予備混合物の含水量Hおよび温度Tの測定を実施した。炭酸ナトリウムおよびアルミナの導入前に存在した水は、炭酸ナトリウムの水和反応を介して、数度の温度上昇を伴って炭酸ナトリウムと反応する。炭酸ナトリウムは、少なくとも曲線1~3が示す試験において、水と反応した。曲線4が示す試験において、その後の酸化カルシウムの添加が強くて激しい温度上昇を引き起こすため、遊離水が残された。曲線1~3が示す試験において、その後の酸化カルシウムの添加が温度上昇を引き起こさないため、遊離水が実質的に残されなかった。さらに、確認のために、酸化カルシウムを添加してから1時間以上が経過した後に水を供給した際に、強くて激しい温度上昇が引き起こされた。
その後、酸化カルシウムを添加して混合した。混合動作は、容積150リットルのコンクリートミキサータイプのミキサーで実施した。各試験で使用した量は、19kg~20kgであった。試験番号1~10において、出発原料の性質および供給源は同じであった。また、試験番号1~10を、同一人物が同じプロトコルに従って同じコンクリートミキサーを同じ回転速度で使用して、実施した。測定作業および測定の精度は、基本的な研究室よりも実際の製造作業に近い且つ工業規模で生じる現象を特定する目的で実施される準工業用試験に対応する。使用した質量は、砂が13kg、炭酸ナトリウムが4kg、酸化カルシウムが2kg、アルミナが0.24kg、および望ましい割合に達するための水であった。
砂の組成は、SiOが少なくとも99%、Alが1%未満、KOが0.1%未満、TiOが0.03%未満、およびFeが0.015%未満であった。その他の要素は微量であった。砂は、0.20mm~0.25mmの粒子サイズD50を有するようになされた。砂は、3%以下が0.355mmスクリーンを通過しない、且つ1%以下が0.125mmスクリーンを通過するような粒子サイズを有するようになされた。
炭酸ナトリウムの組成は、NaCOが99.75%、NaClが0.03%、およびHOが0.1%未満であった。その他の要素は微量であった。炭酸ナトリウムは、0.15mm~0.25mmの粒子サイズD50を有するようになされた。炭酸ナトリウムは、0.5%以下が0.600mmスクリーンを通過しない、且つ少なくとも90%が0.150mmスクリーンを通過しない、且つ2%以下が0.075mmスクリーンを通過するような粒子サイズを有するようになされた。
酸化カルシウムの組成は、CaOが少なくとも93%、MgOが2%未満、COが2%未満、Feが0.1%未満、およびSが0.06%未満であった。その他の要素は微量であった。酸化カルシウムは、0.08mm~0.12mmの粒子サイズD50を有するようになされた。酸化カルシウムは、1.6%以下が5.00mmスクリーンを通過しない、且つ55%以下が0.090mmスクリーンを通過するような粒子サイズを有するようになされた。
酸化カルシウムを添加してから1時間以内に到達した最高温度Tmaxを測定した。ミキサーを停止した状態にし、温度プローブをミキサー内の混合物に挿入して、温度測定を実施した。図4のすべての曲線が示す最初の温度低下は、温度プローブを取り出し、酸化カルシウムを添加し、ミキサーを2分間作動させ、温度プローブを再び挿入したステップに対応する。曲線1、2および3が示す2回目の温度低下は、酸化カルシウムの導入から1時間以上が経過した後に酸化カルシウムの存在を確認するために規定の量を超えた過剰な水を添加した追加のステップに対応する。水を添加することで、酸化カルシウムの発熱水和反応が引き起こされて、水酸化カルシウムに変換された。過剰な水を添加した後に観察された温度上昇によって、混合物中に酸化カルシウムが事前に存在していたと推測することができる。
さらに、酸化カルシウムを添加する前のすべての曲線を詳細に観察すると、水と炭酸ナトリウムとの反応を示す温度上昇が見られる。特に、曲線1、2、3、7および4と曲線6および5とを比較すると、到達した温度は水の量に比例して上昇した。
酸化カルシウムを添加する前に、最高温度に到達した。つまり、曲線4において混合動作の終了から約1分後、すなわち炭酸ナトリウムおよびアルミナと砂および水とを接触させてから約3分後に、非常に急速に最高温度に到達した。すなわち、その他の曲線において混合動作の終了から約10分後に、より遅く最高温度に到達した。最高温度に到達した後の温度低下は、水と炭酸ナトリウムとの反応が停止したことを示している。反応の停止は、利用可能な水がすべて消費されたか、利用可能な炭酸ナトリウムがすべて水和されて遊離水が残ったことを示している。したがって、曲線4が示す急速な反応は、過剰な水による炭酸ナトリウムの水和に対応する。
酸化カルシウムを添加した後に、温度を測定した。
(1)D=20分、Tsm=30℃、H=1%、Tmax<Trm+15℃
(2)D=30分、Tsm=30℃、H=2%、Tmax<Trm+15℃
(3)D=30分、Tsm=30℃、H=3%、Tmax<Trm+15℃
(4)D=30分、Tsm=30℃、H=5%、Tmax>100℃
(5)D=20分、Tsm=1℃、H=2.7%、Tmax<Trm+15℃
(6)D=20分、Tsm=1℃、H=1.8%、Tmax<Trm+15℃
(7)D=60分、Tsm=30℃、H=4.1%、Tmax<Trm+15℃
(8)D=25分、Tsm=30℃、H=3.44%、Tmax<Trm+15℃
(9)D=30分、Tsm=30℃、H=5.1%、Tmax>100℃
(10)D=30分、Tsm=30℃、H=3.8%、Tmax>60℃
試験番号2~4および7において、10℃未満の加熱を水、砂および炭酸ナトリウムの混合(混合動作)の際に実施した。試験番号4、9および10は、酸化カルシウムの導入時の過度の加熱によって不十分であった。試験番号2および6と、試験番号3および5とを比較すると、原料の初期温度Trmが最高温度Tmaxにほとんど影響を与えないことが示されている。試験番号2、3および4と、試験番号5および6とを比較すると、含水量が特定のしきい値以下ではほとんど影響を与えないことが示されている。しきい値は、D=30分の場合、4.1%超5%未満の範囲にあった。ただし、期間Dの影響は、利用可能な遊離水を吸収する炭酸ナトリウムの能力によって制限される。しかしながら、水の量は理論上の最大しきい値よりもはるかに少なくなければならないことを、試験が示している。
さらに、炭酸ナトリウムの粒子サイズは、期間Dに影響を与える。粒子サイズがある程度細かい方が水はより迅速に吸収されるが、凝固が開始される危険性がある。凝固した場合、水は生石灰によって利用可能となるため、加熱を避けることが望ましい。
本出願人は、炭酸ナトリウムの粒子サイズが大きい場合、水との反応が制限されると仮定した。該反応は、炭酸ナトリウム粒子の表面で生じて、粒子内ではほとんど生じない。砂の粒子サイズは、SiOの水和能力が事実上存在しないため、ほとんど影響を与えない。
試験番号2を、コールドコンクリートミキサーで約0℃で実施した。ここでは、炭酸ナトリウムの水和反応が遅くなった。試験番号2は、酸化カルシウムの添加前の曲線部分において完全に示されていない。一般に、コンクリートミキサーの加熱および/または例えば火炎バーナー、電気加熱または混合物への蒸気の注入等を用いた周囲温度よりも高い且つ47℃未満の混合温度での混合の形態で、エネルギーの投入が実施されてもよい。
したがって、一般的な炭酸ナトリウムの粒子サイズにおいて、少なくとも1時間の期間Dにおける生石灰を添加する前の混合物中の含水量が4.1%での試験と、少なくとも10分間の期間Dにおける含水量が3%での試験とが、満足のいく結果を得ることができた。最高温度に10分よりも前に到達したため、10分を過ぎた期間Dへの影響はわずかである。これは、10分間の期間Dにおける生石灰を添加する前の混合物中の最大含水量が4.1%の場合が有利であり、測定の不正確さや工業公差に対して汎用性があることを示している。
曲線の左側部分の分析は、様々な情報を提供している。時間0とCaOを供給するためにプローブを取り出した時間(試験に応じて20分、30分、60分)との間の温度の変化は、湿った砂との接触による炭酸ナトリウムの水和反応を示している。これらの時間の間には、局所的な最高温度TNaが発現する期間が特定される。局所的な最高温度TNaは、炭酸ナトリウムの水和反応が実質的に停止したことを示している。
(1)D=20分、Trm=30℃、H=1%、TNaは5分~7分
(2)D=30分、Trm=30℃、H=2%、TNaは13分~15分
(3)D=30分、Trm=30℃、H=3%、TNaは5分~7分
(4)D=30分、Trm=30℃、H=5%、TNaは1分~2分
(5)D=20分、Trm=1℃、H=2.7%、TNaは11分~13分
(6)D=20分、Trm=1℃、H=1.8%、TNaは約15分
(7)D=60分、Trm=30℃、H=4.1%、TNaは17分~19分
(8)D=25分、Trm=30℃、H=3.44%、TNaは7分~9分
(9)D=30分、Trm=30℃、H=5.1%、TNa>25分
(10)D=30分、Trm=30℃、H=3.8%、TNaは25分~27分
出発原料の初期温度Trmは、水と炭酸ナトリウムとの反応速度に影響を与える。試験番号2および6と、試験番号3および5とを比較すると、Trm=30℃では、反応がTrm=1℃のときよりも速くなる。試験番号4における反応速度は、過剰な水の存在を裏付けており、これにより、炭酸ナトリウムの水和が速くなる。試験番号7における反応速度の相対的な遅さは、水と炭酸ナトリウムとの平衡状態を示している。試験番号1と試験番号3との間の安定性は、30℃以上の初期温度で原料を使用した場合に、約10分間の期間Dが十分且つ堅牢であることを示している。このような試験番号1と試験番号3との間の安定性および試験番号6と試験番号5との間の安定性は、水と比較して炭酸ナトリウムが過剰である場合、反応速度が含水量にわずかに依存することを示している。
さらに、試験番号2および3におけるその後の過剰な水の添加中、ならびに試験番号4における酸化カルシウムの添加中に、温度が非常に急速に上昇して、同時に強力なダストが発生した。試験番号1における1:49:20から開始する曲線の右側部分は、試験番号1固有の理由から代表的ではない。このような反応は、生石灰の水和反応としては典型的なものであり、高い発熱性の反応である。このようにして、水を5%含む混合物に添加した生石灰の即時水和と、水を2%または3%含む混合物に添加した生石灰の水和の不在とを確認することができる。また、水をそれぞれ3%および4.1%含む試験番号3および7の温度曲線は、生石灰の添加前と添加後で非常に類似した形状を有する。この強い類似性は、水を4.1%含む混合物には遊離水が含まれていないことを示している。
試験番号8および9を、0.250mmスクリーンを通過する炭酸ナトリウムの微粉を使用して実施した。また、試験番号10を、0.500mmスクリーンを通過しない且つ1.000mmスクリーンを通過する炭酸ナトリウムの粗い粒子を使用して実施した。試験番号1~7において、炭酸ナトリウムの供給源およびバッチは同じであった。スクリーニングを実施した。
試験番号8および10では、満足できる結果が得られる含水量を選択したが、試験番号9では、最大含水量に対する粒子サイズの影響を確認するために、高い含水量を選択した。試験番号8の曲線は、試験番号3の曲線に近い。試験番号8において、10分未満の比較的短い時間および初期温度Trmに対して15℃未満の温度上昇で、炭酸ナトリウムによる遊離水の完全な消費をもたらすと解釈することができる。含水量が3.44%の場合、細かい粒子サイズは大きな影響を与えない。高い含水量である試験番号9では、試験番号4よりもはるかに遅い炭酸ナトリウムの水和反応が見られた。これは、反応を遅らせるクラスト現象を伴う前駆体混合物の凝固に起因するものである。
大きな粒子サイズを含み、含水量が3.8%である試験番号10では、炭酸ナトリウムの水和ステップにおいて、他の試験とは異なる曲線が得られた。温度は25分以上上昇し続けた。これは、炭酸ナトリウムの水和反応が継続していたことを示している。酸化カルシウムを導入するために温度プローブを取り出している間に、最高温度に到達したか否かは不確実である。炭酸ナトリウムの水和の遅さは、炭酸ナトリウムの大きな粒子サイズに関連して炭酸ナトリウムの利用可能な活性表面を減少させる。
試験番号8が示す酸化カルシウムを添加している間の温度上昇は、試験番号3および7が示すものに匹敵し、すなわち満足のいくものであった。酸化カルシウムを水和するために利用可能な水は非常に少ない。試験番号9における温度上昇は、試験番号4が示すものに匹敵し、すなわち高すぎた。粒子サイズを減少しても、酸化カルシウムを添加するステップにおいて有利な効果が得られず、また、凝固の危険性を示した。このような危険性は、含水量を2%以下にすることで軽減することができる。
試験番号10において、酸化カルシウムを添加している間に、温度Trmを約30℃~35℃上回る温度上昇が見られた。この上昇によって、Trm=30℃から開始した温度が60℃よりも高くなった。60℃では、刺激性ダストが放出される危険性が高くなる。粒子サイズを大きくすると、特に温度Trmが15℃よりも高い場合、酸化カルシウムを添加する際に過剰な加熱が生じる危険性がある。このような危険性は、含水量を3%以下にすることで軽減することができる。
試験番号8~10から、専ら細かい粒子サイズと専ら粗い粒子サイズの利点の欠如および特定の欠点を推測することができる。したがって、0.250mm~0.500mmを中心とした粒子サイズを有する炭酸ナトリウム源を提供することが好ましい。これは、試験番号1~7に示すように、0.250mm未満の粒子と0.500mm超の他の粒子とが小さな割合で含まれる場合がある。したがって、5%未満が0.075mmスクリーンを通過する、且つ15%未満が0.150mmスクリーンを通過する、且つ5%未満が0.600mmスクリーンを通過しないような粒子サイズを有する炭酸ナトリウムが、使用に適している。
大きな粒子サイズを有する炭酸ナトリウムを供給する場合、含水量は3%に制限される。これにより、炭酸ナトリウムの水和が試験番号10よりも速くなり、酸化カルシウムの導入後の温度が周囲温度に対して+0~+15℃の範囲に留まるようになる。

Claims (22)

  1. ガラス製造炉のためのガラス前駆体混合物を調製するステップを含むガラスを製造する方法であって、
    前記方法において、水、砂および炭酸ナトリウムを、それぞれ、0よりも大きく5%以下、40%~65%および0よりも大きく25%以下の質量割合で混合して、所定の遅延時間が経過した後に、酸化カルシウムを全体の1%~20%の質量割合で添加し、
    前記水、砂および炭酸ナトリウムの混合物の含水量が0よりも大きく4.1%以下の場合、前記遅延時間は、10分~1時間未満であり、
    前記水、砂および炭酸ナトリウムの混合物の含水量が4.1%よりも大きく5%以下の場合には、前記遅延時間は、1時間以上である、
    方法。
  2. 前記炭酸ナトリウムは、5%未満が0.075mmスクリーンを通過する、且つ15%未満が0.150mmスクリーンを通過する、且つ5%未満が0.600mmスクリーンを通過しないような粒子サイズを有する、
    請求項に記載の方法。
  3. 前記水、砂および炭酸ナトリウムの混合物含水量が3%以下である場合には、前記炭酸ナトリウムは、主に0.500mmよりも大きく1.000mm未満の粒子サイズを有し、
    前記水、砂および炭酸ナトリウムの混合物の含水量が2%以下である場合には、前記炭酸ナトリウムは、主に0.250mm未満の粒子サイズを有する、
    請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記水、砂および炭酸ナトリウムの混合物の含水量が4.1%よりも大きく5%以下の場合における前記遅延時間は、72時間未満であり、原料の初期温度は、少なくとも30℃である、
    請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  5. 酸化カルシウムは、70質量%~90質量%が0.1mmスクリーンを通過しないような粒子サイズを有する
    請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記酸化カルシウムは、90質量%超が0.1mmスクリーンを通過しない、且つ5質量%未満が4mmスクリーンを通過しないような粒子サイズを有する
    請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記酸化カルシウムは、1mm~5mmの平均粒子サイズを有する、
    請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  8. 90質量%以上が0.1mmスクリーンを通過するような粒子サイズを有するように前記前駆体混合物を調製してから1時間未満で、前記ガラス製造炉において前記前駆体混合物を使用する
    請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  9. 70質量%以上が2mmスクリーンを通過するような粒子サイズを有するように前記前駆体混合物を調製してから8時間未満で、前記ガラス製造炉において前記前駆体混合物を使用する、
    請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記砂は、乾燥している、
    請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記水は、前記砂中に3質量%~4質量%存在する、
    請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記酸化カルシウムには、意図的な酸化アルミニウムの添加がない、
    請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記酸化カルシウムの添加前または添加後に、前記ガラス前駆体混合物にカレットを全体の5%~40%の質量割合で添加する、
    請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記ガラス前駆体混合物を、固体状態で調製する、
    請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記ガラス前駆体混合物を、周囲温度と、周囲温度よりも20℃高い温度との間の温度で調製し、前記ガラス前駆体混合物を、熱エネルギーを供給することなく調製する、
    請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 電気炉で前記混合物を焼成する、
    請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 請求項1に記載のガラスを製造する方法であって、
    水、砂、炭酸ナトリウムおよび全体の1%~20%の質量割合で含まれる酸化カルシウムの混合物を、前記ガラス製造炉に導入し、前記混合物を、該混合物に向けられた少なくとも1つの火炎バーナーに使用して溶融する、
    方法。
  18. 前記バーナーに供給する酸化剤は、酸素である、
    請求項17に記載の方法。
  19. 前記水、前記砂、前記炭酸ナトリウムおよび前記酸化カルシウムは、それぞれ、0より大きく5%以下、40%~65%、1%~25%および1%~20%の質量割合で存在する、
    請求項17または18に記載の方法。
  20. 請求項1~19のいずれか1項に記載の方法を実施するための工業用ガラス製造炉であって、
    溶融ガラスタンクと、
    前記タンクの上方に配置され、胸壁、妻壁および天端によって区画される燃焼加熱チャンバと、
    前記加熱チャンバと連通する排煙管と、
    前記排煙管に平行な方向に配置されたループバーナーと、
    前記溶融ガラスタンクに向けられた火炎バーナーと、
    を備える、
    炉。
  21. 前記火炎バーナーは、前記炉の天端に配置される、
    請求項20に記載の炉。
  22. 酸化剤が酸素である、
    請求項20または21に記載の炉。
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