JP7067037B2 - 非水系電解質二次電池用正極電極、これに用いられる正極活物質、およびこれを利用した非水系電解質二次電池 - Google Patents
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Description
このようなリチウムイオン二次電池は、現在研究・開発が盛んに行われており、層状型のリチウム金属複合酸化物を正極材料に用いたリチウムイオン二次電池は、4V級の高い電圧が得られるため、高いエネルギー密度を有する電池として実用化が進んでいる。
また、上記リチウム複合酸化物の中には、大気中で取り扱う際、大気中の水分や二酸化炭素と反応して表面の変性を起こし、容量低下や抵抗増加を引き起こすものがある。したがって、これらの正極活物質の劣化を防ぐことが重要となる。
また、高出力が得られるとともに、電池の性能の劣化が少ない非水系電解質二次電池を提供することを目的とする。
第2発明の非水系電解質二次電池用正極電極は、第1発明において、前記Li2WO4とLiNbO3からなるリチウムイオン伝導酸化物の、Wに対するNbのモル比が0.5を超え、4未満であることを特徴とする。
第3発明の非水系電解質二次電池用正極電極は、第1または第2発明において、前記被覆層に含まれているタングステンおよびニオブの合計モル量が、前記リチウム金属複合酸化物に含まれるリチウム以外の金属元素の合計モル量に対して0.05~5.0%であることを特徴とする。
第4発明の非水系電解質二次電池用正極電極は、第1、第2または第3発明において、前記ニオブからからなる金属元素とタングステンとリチウムとを含むリチウムイオン伝導酸化物が非晶質状態であることを特徴とする。
第5発明の非水系電解質二次電池用正極電極は、第1、第2、第3または第4発明において、前記正極が薄膜であり、前記被覆層が前記正極に重畳して層状に形成されていることを特徴とする。
第6発明の非水系電解質二次電池用正極電極は、第1、第2、第3または第4発明において、前記リチウム金属複合酸化物が粒子状であり、前記被覆層は前記リチウム金属複合酸化物の粒子の表面に形成されていることを特徴とする。
第7発明の非水系電解質二次電池用正極電極は、第5または第6発明において、前記被覆層の厚さが、1~500nmであることを特徴とする。
第8発明の非水系電解質二次電池用正極活物質は、請求項5または6に記載の非水系電解質二次電池用正極電極に用いられる正極活物質であって、前記リチウム金属複合酸化物にニオブからなる金属元素とタングステンとリチウムとを含むリチウムイオン伝導酸化物からなる被覆層が形成されていることを特徴とする。
第9発明の非水系電解質二次電池は、請求項8の正極活物質を用いた正極電極が用いられていることを特徴とする。
第2発明によれば、被覆層を形成するLi2WO4とLiNbO3からなるリチウムイオン伝導酸化物のWに対するNbのモル比0.5を超えて4未満であることにより、被覆層のリチウムイオン伝導度をさらに向上させることができ、電池の出力特性を向上させることができる。
第3発明によれば、前記被覆層に含まれているタングステンおよびニオブの合計モル量が、前記リチウム金属複合酸化物に含まれるリチウム以外の金属元素の合計に対して0.05~5.0%であることにより、正極活物質粒子と電解液との間のリチウムイオンの拡散パスがより確実に確保でき、正極活物質粒子を用いた電池の高出力化が可能になる。
第4発明によれば、ニオブからなる金属元素とタングステンとリチウムとを含むリチウムイオン伝導酸化物が非晶質状態であることにより、正極電極の正極界面抵抗をさらに低減させることができる。
第5発明によれば、正極が薄膜であり被覆層が正極に重畳して形成されていることにより、正極活物質表面の劣化が抑制されると共に薄膜正極と電解液との間にリチウムイオンの拡散パスを確保することができ、薄膜正極を用いた電池の高出力化が可能となる。
第6発明によれば、リチウム金属複合酸化物が粒子状であり、被覆層がリチウム金属複合酸化物の粒子の表面に形成されていることにより、正極活物質表面の劣化が抑制されると共に正極活物質粒子と電解液との間にリチウムイオンの拡散パスを確保することができ、正極活物質粒子を用いた電池の高出力化が可能になる。
第7発明によれば、被覆層の厚さが、1~500nmであることにより、リチウムイオン伝導性があり、かつ耐候性のある被覆層を十分に確保できるので、電池の出力特性を向上させることができる。
第8発明によれば、正極活物質であるリチウム金属複合酸化物の粒子の表面にニオブからなる金属元素とタングステンとリチウムとを含むリチウムイオン伝導酸化物からなる被覆層が形成されていることにより、正極活物質のリチウムイオン伝導性を向上できるとともに、この性能の劣化を抑制することができる。
第9発明によれば、二次電池の高出力化が可能になるとともに、この高出力化の性能の劣化を抑制することができる。
本発明の非水系電解質二次電池用正極電極(以下、単に「正極電極」という)は、リチウム金属複合酸化物の表面に、ニオブからなる金属元素とタングステンとリチウムとを含む化合物からなるリチウムイオン伝導酸化物を被覆した正極電極である。また、非水系電解質二次電池(以下、単に「電池」という)は、上記正極電極に加え、セパレータ、負極、および電解液から構成される電池である。
前記正極電極に用いられる薄膜や粒子の原料となるリチウム金属複合酸化物材料は、4V級の高い電圧が得られ、リチウムの拡散方向がa、b面方向に限定された層状型のリチウム複合酸化物であれば良い。このようなリチウム複合酸化物としては、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO2)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2)などの材料が挙げられ、目的とする電池特性に応じて使い分けられている。中でもLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2は、充放電容量と電池の安全性のバランスが取れた正極活物質として広く用いられている。
粒子状のリチウム金属複合酸化物を用いた正極電極は、上記リチウム金属複合酸化物材料の粉末と導電助剤および結着剤を混合し、必要に応じて粘度調整のための溶剤を添加し、これらを混練して正極合剤ペーストを作製した後、たとえばアルミニウム箔製の集電体の表面に塗布し、乾燥することで得られる。必要に応じて、電極密度を高めるべく、ロールプレスなどにより加圧することもある。
正極電極となるリチウム金属複合酸化物の表面に設けられるリチウムイオン伝導酸化物からなる被覆層は、ニオブからなる金属元素とタングステンとリチウムとを含む化合物から形成されている。このニオブからなる金属元素とタングステンとリチウムとを含むリチウムイオン伝導酸化物は、リチウムイオンの拡散パスが多方向に存在しリチウムイオン伝導性に優れ、かつ大気中で変質しにくく安定であるという特徴がある。
この物質には、Li2WO4とLiNbO3の複合酸化物やLi4WO5とLiNbO3の複合酸化物などがある。また、Li6W2O9とLiNbO3の複合酸化物やLi2WO4とLi3NbO4の複合酸化物やLi4WO5とLi3NbO4の複合酸化物、Li6W2O9とLi3NbO4の複合酸化物などがある。
本発明では、W-O,Nb-O結合が多いので、イオン結合性傾向が共有結合性傾向より高くなって非架橋酸素が少なくなる。このため、リチウムイオン伝導性を上記(ア)や(イ)や(ウ)の場合より高くすることができる。
化合物がLi2WO4とLiNbO3からなる化合物であることにより、被覆層は非水系電解質二次電池に使用する電解質に対して安定であり、タングステンやリンやニオブの溶出等による電池への悪影響、たとえば、抵抗増加などを低減できる。各々単独の場合に比して、Li2WO4とLiNbO3が複合的に存在することで、Li2WO4からのタングステン溶出、LiNbO3からのニオブ溶出を相互に抑制することが可能と考えられるからである。
Li2WO4とLiNbO3からなる化合物のWに対するNbのモル比0.5を超えて4未満であることにより、被覆層のリチウムイオン伝導度をさらに向上させることができ、電池の出力特性を向上させることができる。Wに対するNbのモル比が0.5以下、または4以上であると先述のリチウムをトラップする非架橋酸素の割合が増加し、リチウムイオン伝導度を向上させることが困難になるため好ましくない。
この場合、正極活物質粒子と電解液との間のリチウムイオンの拡散パスがより確実に確保でき、正極活物質粒子を用いた電池の高出力化が可能になる。
逆に、0.05%より小さいと正極活物質粒子21に十分な被覆層を設けることができず、電解液との間のリチウムイオンの拡散パスが確保されない。また、5.0%を超えると被覆層が厚くなりすぎて正極電極中の有効なリチウム金属複合酸化物の割合を減らすことになり電池としての充放電容量が低下してしまう。
本発明における被覆層は、正極に重畳して被覆してもよく(図1参照)、正極を構成する正極活物質粒子に被覆してもよい(図2参照)。
図示の正極電極は薄膜形であり、集電体である基板12の上面に正極活物質13が層状に形成され、その正極活物質13の上面にリチウムイオン伝導酸化物14が層状に形成されている。このリチウムイオン伝導酸化物14の層が特許請求の範囲にいう被覆層である。
一方、リチウム金属複合酸化物薄膜表面にリチウム拡散性の良いLi2WO4とLiNbO3からなる化合物のようなニオブからなる金属元素とタングステンとリチウムとを含む化合物で被覆した正極では、この被覆層が正極と電解液との接触を抑えると共にリチウムイオンの透過性が良い保護膜として機能するため、電解液の分解成分の付着や正極活物質表面の表面劣化、正極表面からのCoの溶出などの現象を防止できる。
この効果を活かすためにも、リチウムイオン伝導酸化物は正極表面全体に被覆されることが好ましい。
被覆層の厚さが、1~500nmであることにより、リチウムイオン伝導性を発揮して、電池の出力特性を向上させることができる。すなわち、被覆膜の厚さが1nm未満になると、リチウムイオンの拡散パスが有効に作用しないことがあり、500nmを超えると、拡散パスが長くなり過ぎて、充放電容量や出力特性の向上が十分に得られないことがある。
正極活物質21は、複数の1次粒子22が凝集して形成されたものである。そして、正極活物質粒子21においては、一次粒子であるリチウム金属複合酸化物22上、またはこれらの一次粒子22からなる二次粒子(つまり活物質粒子21)上に、リチウムイオン伝導酸化物からなる被覆層23が設けられている。正極活物質粒子21は、一次粒子22、または一次粒子22が凝集した二次粒子21、もしくは一次粒子22と二次粒子21の混合物のいずれでもよい。
被覆層23が、リチウム金属複合酸化物の粒子の表面に形成されていることにより、正極活物質粒子と電解液との間にリチウムイオンの拡散パスを確保することができ、正極活物質粒子を用いた電池の高出力化が可能になる。
上記正極薄膜電極に加え、セパレータ、リチウムの挿抜が可能な負極、電解液から構成される電池を作製することによって、高出力が実現可能な非水系電解質二次電池用正極材料および二次電池を容易に提供することが可能となる。
(1)正極
図1に示す正極薄膜電極1を構成する場合は、集電体である基板12上に、薄膜状にリチウム金属複合酸化物である正極活物質13が堆積され、さらに重畳してリチウムイオン伝導酸化物14が薄膜状に形成されている。
負極には、リチウムの挿抜が可能な材料であればよく、通常の非水系電解質二次電池の負極と同様に、炭素物質の粉状体を集電体上に塗工したものを用いることができ、コインセルの場合は、金属リチウム、もしくはリチウム合金が好ましく用いられる。負極を構成する金属リチウム、もしくはリチウム合金は、コインセルが膨れないように厚みを0.5~2.0mmの範囲とすることが好ましい。コインセルに収まるように直径(5~15mm)程度の面積に負極をくり抜くことが必要で、負極は正極より面積が大きいものが好ましい。
正極と負極との間にはセパレータを挟み込んで配置する。セパレータは、正極と負極間の絶縁、さらには電解液を保持するなどの機能を持つものであり、一般的な非水系電解質二次電池で使用されているものを用いることができる。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ガラス(SiO2)あるいはそれら積層品等の多孔膜など、その必要機能を有するものであればよく、一般的な非水系電解質二次電池で使用されているセパレータで測定妨害元素が含まれなければ、特に限定されるものではない。
非水系電解液は、電解質としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものである。有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート等の環状カーボネート、また、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート、さらに、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル化合物、エチルメチルスルホン、ブタンスルトン等の硫黄化合物、リン酸トリエチル、リン酸トリオクチル等のリン化合物等から選ばれる1種を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
図3に示すように、上記(1)~(4)に記載の正極1および負極2を、セパレータ3を介して積層させて電極体とし、この電極体に非水電解液を含浸させる。正極1および負極2をそれぞれ外部端子と接続して導通させる。以上の構成のものを金属製の容器に入れて電池を作製する。
本実施例においては、正極活物質13としてLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2薄膜を用い、その表面にリチウムイオン伝導酸化物14としてLi2WO4とLi3PO4からなる化合物薄膜を形成した。
LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2薄膜は、PLD法により作製した。LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2の組成となるようにLi2CO3とNiO、Co3O4、MnO2を混合し、980℃酸素雰囲気で焼成してLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2粉末を作成した。その後、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2粉末をペレットに加圧成形し、1000℃酸素雰囲気下で焼結しLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2ペレットを作製した。このペレットをターゲットとして、500℃酸素雰囲気下において、Pt基板(基板12)上に8mm×8mmの面積でLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2薄膜(正極活物質13)のみを約300nmの厚みに形成した。
(2)リチウムイオン伝導酸化物14
Li2WO4とLi3PO4からなる化合物薄膜の作製には、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2薄膜と同様にPLD法を用いた。原料粉末をLi2WO4の組成となるよう混合した後、焼結してペレットにしてターゲットとした。また、原料粉末をLi3PO4の組成となるよう混合した後、焼結してペレットにしてターゲットとした。
(3)正極薄膜電極1
上記のターゲットを用いて、正極活物質13であるLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2薄膜の上にさらにリチウムイオン伝導酸化物14であるLi2WO4とLi3PO4からなる化合物薄膜を形成した。形成要領は、25℃、酸素分圧20Paで約300nmの厚さで形成したものであり、このようにして正極薄膜電極1を作製した。
XRDでLi2WO4とLi3PO4からなる化合物の状態を確認したところ、非晶質状態であり、XPSでLi2WO4とLi3PO4からなる化合物中のWとPの比を確認したところ、1:1であった。また、正極薄膜を600℃で2.5時間熱処理してXRD測定を行ったところ、Li2WO4とLi3PO4からなる化合物であることが確認された。
正極薄膜の評価には以下のように図3に示す電池を作製し、正極界面抵抗を測定することで行った。
正極薄膜電極1(評価用電極)を用いて2032型のコイン型電池10を、露点が-80℃に管理されたAr雰囲気のグローブボックス内で作製した。
負極2には、直径13mmの円盤状に打ち抜かれた厚さ0.5mmの金属リチウムを用い、電解液には、1MのLiPF6を支持電解質とするエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の等量混合液(宇部興産株式会社製)を用いた。セパレータ3には薄膜25μmのポリエチレン多孔膜を用いた。また、コイン型電池10は、ガスケット4で正極缶6と負極缶7とを組合わせで容器を構成し、その内部に入れた正極1や負極2等をウェーブワッシャー5で固定し、コイン状の電池に組み立てられた。
正極界面抵抗はコイン型電池10を充電電位4.0Vまで充電して、周波数応答アナライザおよびポテンショガルバノスタットを使用して、交流インピーダンス測定を行い図4に示すインピーダンススペクトルを得た。得られたインピーダンススペクトルには、高周波領域と中間周波領域とに2つの半円が観測され、低周波領域に直線が観察されていることから、図5に示す等価回路モデルを組んで正極界面抵抗を解析した。ここで、Rsはバルク抵抗、R1は正極被膜抵抗、Rctは電解液/正極界面抵抗(界面のLi+移動抵抗)、Wはワーブルグ成分、CPE1,CPE2は定相要素を示す。次に、作製した非晶質状態の正極薄膜を用いて電池性能を比較した。その結果を表1に示す。
正極活物質13となるLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2薄膜上にリチウムイオン伝導酸化物14となるLi2WO4とLi3PO4からなる化合物を、そのWとPの比を1:2として成膜した以外は、実施例1と同様にして作製した非水系電解質二次電池用正極材料を用いてコイン型電池を作製し、その電池評価を行った。
正極活物質13となるLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2薄膜上にリチウムイオン伝導酸化物14となるLi2WO4とLi3PO4からなる化合物を、そのWとPの比を1:4として成膜した以外は、実施例1と同様にして作製した非水系電解質二次電池用正極材料を用いてコイン型電池を作製し、その電池評価を行った。
正極活物質13となるLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2薄膜上にリチウムイオン伝導酸化物14となるLi2WO4とLi3PO4からなる化合物を、そのWとPの比を1:0.5として成膜した以外は、実施例1と同様にして作製した非水系電解質二次電池用正極材料を用いてコイン型電池を作製し、その電池評価を行った。
本実施例においては、正極活物質13としてLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2薄膜を用い、その表面にリチウムイオン伝導酸化物14としてLi2WO4とLiNbO3からなる化合物薄膜を形成した。
実施例1と同様にして作製した。
(2)リチウムイオン伝導酸化物14
Li2WO4とLiNbO3からなる化合物薄膜の作製には、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2薄膜と同様にPLD法を用いた。原料粉末をLi2WO4の組成となるよう混合した後、焼結してペレットにしてターゲットとした。また、原料粉末をLi3NbO4の組成となるよう混合した後、焼結してペレットにしてターゲットとした。
(3)正極薄膜電極1
上記のターゲットを用いて、正極活物質13であるLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2薄膜の上にさらにリチウムイオン伝導酸化物14であるLi2WO4とLiNbO3からなる化合物薄膜を形成した。形成要領は、25℃、酸素分圧20Paで約300nmの厚さで形成したものであり、このようにして正極薄膜電極1を作製した。
XRDでLi2WO4とLiNbO3からなる化合物の状態を確認したところ、非晶質状態であり、XPSでLi2WO4とLiNbO3からなる化合物中のWとNbの比を確認したところ、1:1であった。また、正極薄膜を600℃で2.5時間熱処理してXRD測定を行ったところ、Li2WO4とLiNbO3からなる化合物であることが確認された。
実施例1と同様にして実施した。
正極活物質13となるLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2薄膜上にリチウムイオン伝導酸化物14となるLi2WO4とLiNbO3からなる化合物中のWとNbの比を1:2として成膜した以外は、実施例5と同様にして作製した非水系電解質二次電池用正極材料を用いてコイン型電池を作製し、その電池評価を行った。
正極活物質13となるLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2薄膜上にリチウムイオン伝導酸化物14となるLi2WO4とLiNbO3からなる化合物中のWとNbの比を1:4として成膜した以外は、実施例5と同様にして作製した非水系電解質二次電池用正極材料を用いてコイン型電池を作製し、その電池評価を行った。
正極活物質13となるLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2薄膜上にリチウムイオン伝導酸化物14となるLi2WO4とLiNbO3からなる化合物中のWとNbの比を1:0.5として成膜した以外は、実施例5と同様にして作製した非水系電解質二次電池用正極材料を用いてコイン型電池を作製し、その電池評価を行った。
比較例1においては、正極活物質としてLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2薄膜を用いた。
LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2薄膜は、実施例1と同様に作製した。得られたLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2ペレットをターゲットとして、500℃酸素雰囲気下において、Pt基板(基板12)上に8mm×8mmの面積でLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2薄膜(正極活物質13)のみを約300nmの厚みに形成して正極薄膜電極1を作製した。リチウムイオン伝導酸化物からなる被覆層は形成されていない。
正極薄膜の評価には実施例1~4と同様に、図3に示す電池を作製し、正極界面抵抗を測定することで行った。
正極活物質となるLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2薄膜上にLi2WO4を成膜した以外は、実施例1と同様にして作製した非水系電解質二次電池用正極材料を用いてコイン型電池を作製し、その電池評価を行った。Li2WO4は特許文献3に記載された組成物である。
正極活物質となるLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2薄膜上にLi3PO4を成膜した以外は、実施例1と同様にして作製した非水系電解質二次電池用正極材料を用いてコイン型電池を作製し、その電池評価を行った。Li3PO4は特許文献1に記載されたリン酸リチウムに含まれる組成物であり、特許文献2に記載された組成物である
正極活物質となるLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2薄膜上にLiNbO3を成膜した以外は、実施例1と同様にして作製した非水系電解質二次電池用正極材料を用いてコイン型電池を作製し、その電池評価を行った。
2 負極
3 セパレータ
4 ガスケット
5 ウェーブワッシャー
6 正極缶
7 負極缶
10 コイン型電池
12 基板
13 正極活物質
14 リチウムイオン伝導酸化物
21 正極活物質粒子(二次粒子)
22 リチウム金属複合酸化物(一次粒子)
23 リチウムイオン伝導酸化物
Claims (9)
- リチウム金属複合酸化物からなる正極活物質により構成された正極と、
該正極の表面に形成された、ニオブからなる金属元素とタングステンとリチウムとを含むリチウムイオン伝導酸化物からなる被覆層とからなり、
前記リチウムイオン伝導酸化物が、Li 2 WO 4 とLiNbO 3 からなる化合物である
ことを特徴とする非水系電解質二次電池用正極電極。 - 前記Li2WO4とLiNbO3からなるリチウムイオン伝導酸化物の、Wに対するNbのモル比が0.5を超え、4未満である
ことを特徴とする請求項1記載の非水系電解質二次電池用正極電極。 - 前記被覆層に含まれているタングステンおよびニオブの合計モル量が、前記リチウム金属複合酸化物に含まれるリチウム以外の金属元素の合計モル量に対して0.05~5.0%である
ことを特徴とする請求項1または2記載の非水系電解質二次電池用正極電極。 - 前記ニオブからからなる金属元素とタングステンとリチウムとを含むリチウムイオン伝導酸化物が非晶質状態である
ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の非水系電解質二次電池用正極電極。 - 前記正極が薄膜であり、前記被覆層が前記正極に重畳して層状に形成されている
ことを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の非水系電解質二次電池用正極電極。 - 前記リチウム金属複合酸化物が粒子状であり、前記被覆層は前記リチウム金属複合酸化物の粒子の表面に形成されている
ことを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の非水系電解質二次電池用正極電極。 - 前記被覆層の厚さが、1~500nmである
ことを特徴とする請求項5または6に記載の非水系電解質二次電池用正極電極。 - 請求項5または6に記載の非水系電解質二次電池用正極電極に用いられる正極活物質であって、前記リチウム金属複合酸化物にニオブからなる金属元素とタングステンとリチウムとを含むリチウムイオン伝導酸化物からなる被覆層が形成されている
ことを特徴とする非水系電解質二次電池用正極活物質。 - 請求項8の正極活物質を用いた正極電極が用いられている
ことを特徴とする非水系電解質二次電池。
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