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JP7069665B2 - 半導体装置 - Google Patents
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この発明は、半導体装置に関する。
従来、パワー半導体素子においては、素子のオン抵抗の低減を図るため、トレンチ構造を有する縦型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:絶縁ゲート型電解効果トランジスタ)が作製(製造)されている。縦型MOSFETでは、チャネルが基板表面に対して平行に形成されるプレーナー構造よりも基板表面に対して垂直に形成されるトレンチ構造の方が単位面積当たりのセル密度を増やすことができるため、単位面積当たりの電流密度を増やすことができ、コスト面から有利である。
しかしながら、縦型MOSFETにトレンチ構造を形成するとチャネルを垂直方向に形成するためにトレンチ内壁全域をゲート絶縁膜で覆う構造となり、ゲート絶縁膜のトレンチ底部の部分がドレイン電極に近づくため、ゲート絶縁膜のトレンチ底部の部分に高電界が印加されやすい。特に、ワイドバンドギャップ半導体(シリコンよりもバンドギャップが広い半導体、例えば、炭化珪素(SiC))では超高耐圧素子を作製するため、トレンチ底部のゲート絶縁膜への悪影響は、信頼性を大きく低下させる。
このような問題を解消する方法として、ストライプ状の平面パターンを有するトレンチ構造の縦型MOSFETにおいて、トレンチとトレンチの間、トレンチと平行にストライプ状にp+型ベース領域を設け、さらに、トレンチ底に、トレンチと平行にストライプ状にp+型ベース領域を設ける技術が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。また、トレンチとトレンチの間に、トレンチと平行にストライプ状にp+型ベース領域を設ける技術が提案されている(例えば、下記特許文献2参照)。また、トレンチよりも深い電界緩和層を備えた構造とし、かつ、低不純物濃度領域と深い位置において高濃度領域とを構成する技術がある(例えば、下記特許文献3参照)。
また、セルピッチを4μm以下に短縮する場合、p+型ベース領域をトレンチと直交させることで、合わせズレに強い構造とすることができる。なお、合わせズレとは、p+型ベース領域を複数の層で構成した場合に、各層でp+型ベース領域の形成位置がずれてしまうことである。以下に、従来の炭化珪素半導体装置の断面図と上面図を示す。図21は、従来の炭化珪素半導体装置の構造を示す図23のA-A’部分の断面図である。図22は、従来の炭化珪素半導体装置の構造を示す図24のB-B’部分の断面図である。図23は、従来の炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。図24は、従来の炭化珪素半導体装置の構造を示す他の上面図である。
図21~図24に示す従来の炭化珪素半導体装置は、炭化珪素からなる半導体基体(以下、炭化珪素基体とする)のおもて面(p型ベース層6側の面)側に一般的なトレンチゲート構造のMOSゲートを備える。炭化珪素基体(半導体チップ)は、炭化珪素からなるn+型支持基板(以下、n+型炭化珪素基板とする)1上にn-型ドリフト層2、電流拡散領域であるn型領域5およびp型ベース層6となる各炭化珪素層を順にエピタキシャル成長させてなる。
n型領域5には、図21、図22で示すようにトレンチ18の底面を部分的に覆う、トレンチ18と直交する第1p+型ベース領域3が選択的に設けられている。第1p+型ベース領域3は、n-型ドリフト層2に達しない深さで設けられている。また、n型領域5には、図22に示すように隣り合うトレンチ18間(メサ部)に、第2p+型ベース領域4が選択的に設けられている。第2p+型ベース領域4と第1p+型ベース領域3は同時に形成されてもかまわない。第2p+型ベース領域4は、p型ベース層6に接するように設けられている。符号7~14は、それぞれn+型ソース領域、p+型コンタクト領域、ゲート絶縁膜、ゲート電極、層間絶縁膜、バリアメタル、ソース電極およびソース電極パッドである。図21、図22において、CP(Cell Pitch)はセルピッチであり、トレンチ18間の距離であり、例えば、2μmである。より正確には、セルピッチは、隣り合うトレンチ18の左側壁、右側壁または中心間の距離である(図21では、左側壁間の距離でCPを示す)。また、x、y、zは、それぞれトレンチ18の幅、n+型ソース領域7の幅、p+型コンタクト領域8の幅で、例えば、0.8μm、0.3μm、0.6μmである。図21は第2p+型ベース領域4が設けられないトレンチ18間を4~16の複数を並列に連続して設けている。図22のトレンチ18間を1として図21のトレンチ間18が複数並列に連続して設けた構造を1つの組とした割合で反復形成している。
図23、図24は、従来の炭化珪素半導体装置の上面図である。図23は、図22のC-C’部分の上面図であり、図24は、図22のD-D’部分の上面図である。図23、図24に示すように、第2p+型ベース領域4は、第1p+型ベース領域3の表面層に設けられ、トレンチ18間に部分的に設けられている。また、図23、図24において、CP、x、y、zは、図21、図22のCP、x、y、zと同じである。w1、w2は、それぞれ第1p+型ベース領域3の幅、第1p+型ベース領域3間の距離であり、例えばそれぞれ1.0μm、1.0μmである。第1p+型ベース領域3間の距離は、以下の記載でJFET(Junction FET)幅と称する場合がある。
図21~図24の構成の縦型MOSFETにおいて、第1p+型ベース領域3、第2p+型ベース領域4と、n型領域5とのpn接合がトレンチ18よりも深い位置にある。このため、第1p+型ベース領域3、第2p+型ベース領域4と、n型領域5との境界に電界が集中し、トレンチ18の底部の電界集中を緩和することが可能となる。また、第2p+型ベース領域4をトレンチと直交することで、合わせズレに強い構造となり、セルピッチを4μm以下とすることができる。
特開2015-72999号公報 特開2015-192028号公報 特開2016-066780号公報
ここで、第2p+型ベース領域4がトレンチと直交する直交構造において、第1p+型ベース領域3の加工精度により縦型MOSFETの特性にばらつきが生じる。このため、第1p+型ベース領域3の加工精度を向上させるため、JFET幅w2を広くすることが好ましい。
図25~図27は、従来の炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。図28は、合わせズレ有りの場合の従来の炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す上面図である。炭化珪素半導体装置は、図25に示すようにn+型炭化珪素基板1(不図示)のおもて面にn-型ドリフト層2をエピタキシャル成長させ、次に、下側n型領域5aをエピタキシャル成長させる。下側n型領域5aは、n型領域5の一部である。次に、下側n型領域5aの表面に、p型の不純物のイオン注入により第1p+型ベース領域3を選択的に形成する。
次に、図26に示すように、上側n型領域5bをエピタキシャル成長させる。上側n型領域5bと下側n型領域5aとを合わせて、n型領域5となる。次に、上側n型領域5bの表面に、p型の不純物のイオン注入により第2p+型ベース領域4を選択的に形成する。この際、合わせズレがない場合、図27Aに示すように、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4が接する。一方、合わせズレがある場合、図27B、図28に示すように、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4が接することなく、第1p+型ベース領域3が浮遊(フローティング)状態となる。
従来の炭化珪素半導体装置は上記のように作成されるため、JFET幅w2を広くすると、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4の合わせズレが起きやすくなる。合わせズレが起きると、第1p+型ベース領域3が浮遊(フローティング)状態となり、第1p+型ベース領域3がトレンチ18の底部の電界集中を緩和できなくなるため、アバランシェ耐量が低下する。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、p+型領域間に合わせズレが発生しても、アバランシェ耐量が低下しない半導体装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置は、次の特徴を有する。第1導電型の半導体基板のおもて面に、前記半導体基板よりも不純物濃度の低い第1導電型の第1半導体層が設けられる。前記第1半導体層の内部に選択的に、第2導電型の第1半導体領域が設けられる。前記第1半導体層の内部に選択的に、前記第1半導体領域と接する第2導電型の第2半導体領域が設けられる。前記第1半導体層の、前記半導体基板側に対して反対側に第2導電型の第2半導体層が設けられる。前記第2半導体層の内部に選択的に、前記半導体基板よりも不純物濃度の高い第1導電型の第3半導体領域が設けられる。前記第3半導体領域および前記第2半導体層を貫通して前記第1半導体層に達し、底面が前記第1半導体領域と接し、側壁が前記第2半導体領域と接するトレンチが設けられる。前記トレンチの内部にゲート絶縁膜を介してゲート電極が設けられる。前記第1半導体領域、前記第2半導体領域および前記トレンチは、ストライプ形状を有し、前記第1半導体領域の奥行き方向と前記トレンチの奥行き方向とがなす第1角度が、0°より大きく、90°より小さい。前記第1角度は、前記トレンチの奥行き方向での隣り合う前記第1半導体領域の距離を、前記第2半導体領域の幅より小さくする角度である。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置は、次の特徴を有する。第1導電型の半導体基板のおもて面に、前記半導体基板よりも不純物濃度の低い第1導電型の第1半導体層が設けられる。前記第1半導体層の内部に選択的に、第2導電型の第1半導体領域が設けられる。前記第1半導体層の内部に選択的に、前記第1半導体領域と接する第2導電型の第2半導体領域が設けられる。前記第1半導体層の、前記半導体基板側に対して反対側に第2導電型の第2半導体層が設けられる。前記第2半導体層の内部に選択的に、前記半導体基板よりも不純物濃度の高い第1導電型の第3半導体領域が設けられる。前記第3半導体領域および前記第2半導体層を貫通して前記第1半導体層に達し、底面が前記第1半導体領域と接し、側壁が前記第2半導体領域と接するトレンチが設けられる。前記トレンチの内部にゲート絶縁膜を介してゲート電極が設けられる。前記第1半導体領域、前記第2半導体領域および前記トレンチは、ストライプ形状を有し、前記第2半導体領域の奥行き方向と前記トレンチの奥行き方向とがなす第2角度が、0°より大きく、90°より小さい。前記第2角度は、前記トレンチの奥行き方向に射影した前記第2半導体領域の長さを、前記第1半導体領域の間隔より大きくする角度である。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第2半導体領域の奥行き方向と前記トレンチの奥行き方向とがなす第2角度が、0°より大きく、90°より小さいことを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第2角度は、前記トレンチの奥行き方向に射影した前記第2半導体領域の長さを、前記第1半導体領域の間隔より大きくする角度であることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第1半導体領域の奥行き方向と前記トレンチの奥行き方向とがなす第1角度が、0°より大きく、90°より小さいことを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第1角度をθとすると、前記θは、前記第1半導体領域の間隔Z、前記トレンチの幅x、隣り合う前記トレンチの中心間の距離y、前記第2半導体領域の幅wに対して、
Z/sinθ-(y-x)/tanθ<w
を満たすことを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第2角度をθとすると、前記θは、前記第1半導体領域の間隔Z、前記トレンチの幅x、隣り合う前記トレンチの中心間の距離y、前記第2半導体領域の幅wに対して、
Z<w/sinθ+(y-x)/tanθ
を満たすことを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記トレンチの奥行き方向を、前記トレンチが並ぶ面から奥に向かう方向とし、前記第1半導体領域の奥行き方向を、前記第1半導体領域が並ぶ面から奥に向かう方向とし、前記第2半導体領域の奥行き方向を、前記第2半導体領域が並ぶ面から奥に向かう方向とすると、前記第1半導体領域の奥行き方向と前記トレンチの奥行き方向とがなす第1角度および前記第2半導体領域の奥行き方向と前記トレンチの奥行き方向とがなす第2角度が、0°より大きく、90°より小さいことを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第1角度および前記第2角度は、前記トレンチの奥行き方向での前記第1半導体領域の間隔を、前記トレンチの奥行き方向に射影した前記第2半導体領域の長さより小さくする角度であることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第1角度をθ、前記第2角度を90°-θとすると、前記θは、前記第1半導体領域の間隔Z、前記トレンチの幅x、隣り合う前記トレンチの中心間の距離y、前記第2半導体領域の幅wに対して、
Z/sinθ-(y-x)/tanθ<w/cosθ+(y-x)tanθ
を満たすことを特徴とする。
上述した発明によれば、トレンチおよび第1p+型ベース領域(第2導電型の第1半導体領域)は、ストライプ状の形状を有し、第1p+型ベース領域は、トレンチと斜交する。これにより、トレンチの奥行き方向での隣り合う第1p+型ベース領域の距離を狭くすることができ、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域(第2導電型の第2半導体領域)とに合わせズレが生じても、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とを接することができる。
また、トレンチの奥行き方向と第1p+型ベース領域の奥行き方向とがなす角度を、トレンチの奥行き方向での隣り合う第1p+型ベース領域の距離が第2p+型ベース領域の幅より小さくなるように設定する。これにより、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とに合わせズレが生じても、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とが必ず接するようにできる。このため、JFET幅を広くしても、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とが必ず接するため、第1p+型ベース領域が浮遊状態となることなく、第1p+型ベース領域がトレンチの底部の電界集中を緩和できるため、アバランシェ耐量が低下しない。
本発明にかかる半導体装置によれば、p+型領域間に合わせズレが発生しても、アバランシェ耐量が低下しないという効果を奏する。
実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。 実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図1のA-A’部分の断面図である。 実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置において、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とが接する条件を説明する上面図である。 実施の形態1において、第1p+型ベース領域とトレンチとがなす角度とJFET幅との関係を示すグラフである。 実施の形態1において、セルピッチ2.0μmの場合の図4のグラフである。 実施の形態1において、条件を満たしていない場合Aの炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。 実施の形態1において、条件を満たしている場合Bの炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。 実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その1)。 実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その2)。 実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その3)。 実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その4)。 実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。 実施の形態2において、第2p+型ベース領域とトレンチとがなす角度とJFET幅との関係を示すグラフである。 実施の形態2において、セルピッチ2.0μm、角度45°の場合の図13のグラフである。 実施の形態2において、条件を満たしていない場合Aの炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。 実施の形態2において、条件を満たしている場合Bの炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。 実施の形態3にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。 実施の形態3にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図17のA-A’部分の断面図である。 実施の形態3にかかる炭化珪素半導体装置において、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とが接する条件を説明する上面図である。 実施の形態3において、第1p+型ベース領域とトレンチとがなす角度とJFET幅との関係を示すグラフである。 従来の炭化珪素半導体装置の構造を示す図23のA-A’部分の断面図である。 従来の炭化珪素半導体装置の構造を示す図23のB-B’部分の断面図である。 従来の炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。 従来の炭化珪素半導体装置の構造を示す他の上面図である。 従来の炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その1)。 従来の炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その2)。 従来の炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その3:合わせズレ無し)。 従来の炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その3:合わせズレ有り)。 合わせズレ有りの場合の従来の炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す上面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および-は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度および低不純物濃度であることを意味する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
本発明にかかる半導体装置は、シリコンよりもバンドギャップが広い半導体(以下、ワイドバンドギャップ半導体とする)を用いて構成される。ここでは、ワイドバンドギャップ半導体として例えば炭化珪素(SiC)を用いた半導体装置(炭化珪素半導体装置)の構造を例に説明する。
図1は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。図2は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図1のA-A’部分の断面図である。なお、トレンチ構造等を示す炭化珪素半導体装置の断面図は、従来の炭化珪素半導体装置の断面図(図21、図22参照)と同様であるために省略する。このため、以下の説明では、図1、図2にない符号が記載されるが、これらの符号が示す構成は図21、図22に付された符号の構成に対応する。
図1、図2に示す実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置は、炭化珪素からなる半導体基体(炭化珪素基体:半導体チップ)のおもて面(p型ベース層6側の面)側にMOSゲートを備えたMOSFETである。
炭化珪素基体は、炭化珪素からなるn+型支持基板(第1導電型の半導体基板)1上にn-型ドリフト層(第1導電型の第1半導体層)2およびp型ベース層(第2導電型の第2半導体層)6となる各炭化珪素層を順にエピタキシャル成長させてなる。MOSゲートは、p型ベース層6と、n+型ソース領域(第1導電型の第3半導体領域)7、p+型コンタクト領域8、トレンチ18、ゲート絶縁膜9およびゲート電極10で構成される。具体的には、n-型ドリフト層2のソース側(ソース電極13側)の表面層には、p型ベース層6に接するようにn型領域(第1導電型の第2半導体層)5が設けられている。n型領域5は、キャリアの広がり抵抗を低減させる、いわゆる電流拡散層(Current Spreading Layer:CSL)である。
n型領域5の内部には、第1p+型ベース領域(第2導電型の第1半導体領域)3、第2p+型ベース領域(第2導電型の第2半導体領域)4が選択的に設けられている。図1に示すように、トレンチ18、第1p+型ベース領域3、第2p+型ベース領域4はストライプ状の形状を有している。第1p+型ベース領域3は、トレンチ18の底面を部分的に覆い(図21参照)、トレンチ18と斜交する。第1p+型ベース領域3は、n+型炭化珪素基板1に達しない深さで設けられている。
また、第2p+型ベース領域4は、従来例と同様に、隣り合うトレンチ18間(メサ部)に選択的に設けられている。第2p+型ベース領域4は、トレンチ18の側壁と接し、下面(n+型炭化珪素基板1方向の面)が第1p+型ベース領域3と接している。第1p+型ベース領域3を設けることで、トレンチ18の底面付近に、第1p+型ベース領域3とn型領域5との間のpn接合を形成することができる。第1p+型ベース領域3、第2p+型ベース領域4は、p型ベース層6よりも不純物濃度が高い。
ここで、第1p+型ベース領域3が、トレンチ18と斜交するとは、トレンチ18の奥行き方向(図1の第1方向)と第1p+型ベース領域3の奥行き方向(図1の第2方向)のなす角度θが、0°より大きくて90°より小さいことである。このように、第1p+型ベース領域3が、トレンチ18と斜交する構成とすることで、トレンチ18の奥行き方向での隣り合う第1p+型ベース領域3の距離Xを狭くすることができる。このため、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とに合わせズレが生じても、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とを接することができる。
図1の例では、トレンチ18の奥行き方向と第1p+型ベース領域3の奥行き方向のなす角度θが45°の場合である。また、図1では、セルピッチyが2.0μm、トレンチ幅xが0.8μm、第2p+型ベース領域4の幅w1が1.0μm、第1p+型ベース領域3の間隔Zが1.0μmの場合を示す。第1p+型ベース領域3の間隔Zが1.0μmであると、トレンチ18の奥行き方向での隣り合う第1p+型ベース領域3の距離Xは、0.2μmとなる。この距離Xの算出については後述する。図1では、トレンチ18の奥行き方向での隣り合う第1p+型ベース領域3の距離X(0.2μm)が第2p+型ベース領域4の幅w1(1.0μm)より小さい。このため、図1、図2に示すように、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とに合わせズレが生じても、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とを接することができる。
図1では、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが接する場合を示したが、条件によっては、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが接しない場合もある。図示はしないが、図1の場合でセルピッチyを1.2μmとすると、トレンチ18の奥行き方向での隣り合う第1p+型ベース領域3の距離Xは、1.1μmとなり、第2p+型ベース領域4の幅w1より大きくなってしまう。この場合、合わせズレが生じると、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが接しない可能性がある。
以下に、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが必ず接するための条件を詳細に説明する。図3は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置において、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とが接する条件を説明する上面図である。図3より、もし、トレンチ18の奥行き方向での第1p+型ベース領域3の間隔Xが、第2p+型ベース領域4の幅w1以上であると第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが接しない場合が生じる(例えば、図6参照)。このため、トレンチ18の奥行き方向での第1p+型ベース領域3の間隔Xが、第2p+型ベース領域4の幅w1より小さいと第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが必ず接する。つまり、X<w1であればよい。
また、トレンチ18の奥行き方向での隣り合う第1p+型ベース領域3の距離Xは、トレンチ18の奥行き方向に射影した第1p+型ベース領域3の長さY1から、トレンチ18の奥行き方向に射影した第1p+型ベース領域3の側面Mの長さY2を引いたものとなる。つまり、X=Y1-Y2となる。トレンチ18の奥行き方向に射影した第1p+型ベース領域3の長さY1は、JFET幅をZとすると、Y1=Z/sinθである。また、トレンチ18の奥行き方向に射影した第1p+型ベース領域3の側面Mの長さY2は、トレンチ18の幅をx、セルピッチをyとすると、(y-x)/tanθとなる。この結果、
Z/sinθ-(y-x)/tanθ<w1 ・・・ (1)
を満たせば、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが必ず接するようになる。
図4は、実施の形態1において、第1p+型ベース領域とトレンチとがなす角度とJFET幅との関係を示すグラフである。図4では、トレンチ18の幅xを1.0μm、第2p+型ベース領域4の幅w1を1.0μm、第2p+型ベース領域4の間隔Xを1.0μmにし、セルピッチyを1.0μm~5.0μmにした結果を示す。
図4では、各曲線の下側(JFET幅が小さい側)の領域であれば、上記の式(1)を満たし、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが必ず接するようになる。従来は、θ=90°の場合であり、この場合は、セルピッチyの大きさに限らず、JFET幅Zは1.0μmと固定であるが、実施の形態1では、0°<θ<90°であるため、セルピッチyの大きさに応じて、JFET幅Zを広げることができる。
ここで、図5は、実施の形態1において、セルピッチ2.0μmの場合の図4のグラフである。図5において、点Aは、上記の式(1)を満たしていない点(θ=45°、JFET幅Z=1.80μm)であり、点Bは、上記の式(1)を満たしている点(θ=45°、JFET幅Z=1.40μm)である。図6は、実施の形態1において、条件を満たしていない場合Aの炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。図6に示すように、トレンチ18の奥行き方向での隣り合う第1p+型ベース領域3の距離Xは、1.34μmとなり、第2p+型ベース領域4の幅w1の1.0μmより大きい。このため、第2p+型ベース領域4の形成位置がずれると、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが接しない構造となる。図6の例では、3つの第2p+型ベース領域4の中で、真ん中の第2p+型ベース領域4は、第1p+型ベース領域3と接していない。
一方、図7は、実施の形態1において、条件を満たしている場合Bの炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。図7に示すように、トレンチ18の奥行き方向での隣り合う第1p+型ベース領域3の距離Xは、0.77μmとなり、第2p+型ベース領域4の幅w1の1.0μmより小さい。このため、第2p+型ベース領域4の形成位置がずれたとしても、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とは必ず接する構造となる。図7の例では、3つの第2p+型ベース領域4は、すべて第1p+型ベース領域3と接している。
また、p型ベース層6の内部には、互いに接するようにn+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8がそれぞれ選択的に設けられている。p+型コンタクト領域8の深さは、例えばn+型ソース領域7と同じ深さでもよいし、よりも深くてもよい。
トレンチ18は、基体おもて面からn+型ソース領域7およびp型ベース層6を貫通してn型領域5に達する。トレンチ18の内部には、トレンチ18の側壁に沿ってゲート絶縁膜9が設けられ、ゲート絶縁膜9の内側にゲート電極10が設けられている。ゲート電極10のソース側端部は、基体おもて面から外側に突出していてもいなくてもよい。ゲート電極10は、図示省略する部分でゲートパッド(不図示)に電気的に接続されている。層間絶縁膜11は、トレンチ18に埋め込まれたゲート電極10を覆うように基体おもて面全面に設けられている。
ソース電極13は、層間絶縁膜11に開口されたコンタクトホールを介してn+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8に接するとともに、層間絶縁膜11によってゲート電極10と電気的に絶縁されている。ソース電極13と層間絶縁膜11との間に、例えばソース電極12からゲート電極10側への金属原子の拡散を防止するバリアメタル12を設けてもよい。ソース電極13上には、ソース電極パッド14が設けられている。炭化珪素基体の裏面(n+型ドレイン領域となるn+型炭化珪素基板1の裏面)には、ドレイン電極(不図示)が設けられている。
(実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法)
次に、実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法について説明する。図8~図11は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。まず、n+型ドレイン領域となるn+型炭化珪素基板1を用意する。次に、n+型炭化珪素基板1のおもて面に、上述したn-型ドリフト層2をエピタキシャル成長させる。ここまでの状態が図8に記載される。
次に、n-型ドリフト層2上に、下側n型領域5aをエピタキシャル成長させる。下側n型領域5aは、n型不純物のイオン注入により、n-型ドリフト層2の表面層に形成してもよい。この下側n型領域5aは、n型領域5の一部である。次に、フォトリソグラフィおよびp型不純物のイオン注入により、ストライプ状の第1p+型ベース領域3を形成する。第1p+型ベース領域3は、後で形成されるトレンチ18と斜交するように形成する。ここまでの状態が図9に記載される。
次に、下側n型領域5a上に、上側n型領域5bをエピタキシャル成長させる。上側n型領域5bは、n-型領域をエピタキシャル成長させ、n型不純物のイオン注入により、n-型領域の表面層に形成してもよい。上側n型領域5bと下側n型領域5aとを合わせてn型領域5となる。次に、フォトリソグラフィおよびp型不純物のイオン注入により、ストライプ状の第2p+型ベース領域4を形成する。ここまでの状態が図10に記載される。
次に、上側n型領域5bおよび第2p+型ベース領域4の上に、p型ベース層6をエピタキシャル成長させる。ここまでの状態が図11に記載される。次に、フォトリソグラフィおよびn型不純物のイオン注入により、p型ベース層6の表面層にn+型ソース領域7を選択的に形成する。
次に、フォトリソグラフィおよびp型不純物のイオン注入により、p型ベース層6の表面層に、n+型ソース領域7に接するようにp+型コンタクト領域8を選択的に形成する。n+型ソース領域7とp+型コンタクト領域8との形成順序を入れ替えてもよい。イオン注入が全て終わった後に、活性化アニールを施す。
次に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、n+型ソース領域7およびp型ベース層6を貫通して、n型領域5に達するストライプ状のトレンチ18を形成する。また、トレンチ形成時のマスクには酸化膜を用いる。また、トレンチエッチング後に、トレンチ18のダメージを除去するための等方性エッチングや、トレンチ18の底部およびトレンチ18の開口部の角を丸めるための水素アニールを施してもよい。等方性エッチングと水素アニールはどちらか一方のみを行ってもよい。また、等方性エッチングを行った後に水素アニールを行ってもよい。
次に、炭化珪素基体のおもて面およびトレンチ18の内壁に沿ってゲート絶縁膜9を形成する。次に、トレンチ18に埋め込むように例えばポリシリコンを堆積しエッチングすることで、トレンチ18の内部にゲート電極10となるポリシリコンを残す。その際、エッチバックしてポリシリコンを基体表部より内側に残すようにエッチングしてもよく、パターニングとエッチングを施すことでポリシリコンが基体表部より外側に突出していてもよい。
次に、ゲート電極10を覆うように、炭化珪素基体のおもて面全面に層間絶縁膜11を形成する。層間絶縁膜11は、例えば、NSG(None-doped Silicate Glass:ノンドープシリケートガラス)、PSG(Phospho Silicate Glass)、BPSG(Boro Phospho Silicate Glass)、HTO(High Temperature Oxide)、あるいはそれらの組み合わせで形成される。次に、層間絶縁膜11およびゲート絶縁膜9をパターニングしてコンタクトホールを形成し、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8を露出させる。
次に、層間絶縁膜11を覆うようにバリアメタル12を形成してパターニングし、n+型ソース領域7およびp+型コンタクト領域8を再度露出させる。次に、n+型ソース領域7に接するように、ソース電極13を形成する。ソース電極13は、バリアメタルを覆うように形成されてもよいし、コンタクトホール内にのみ残してもよい。
次に、コンタクトホールを埋め込むようにソース電極パッド14を形成する。ソース電極パッド14を形成するために堆積した金属層の一部をゲートパッドとしてもよい。n+型炭化珪素基板1の裏面には、ドレイン電極のコンタクト部にスパッタ蒸着などを用いてニッケル(Ni)膜、チタン(Ti)膜などの金属膜を形成する。この金属膜は、Ni膜、Ti膜を複数組み合わせて積層してもよい。その後、金属膜がシリサイド化してオーミックコンタクトを形成するように、高速熱処理(RTA:Rapid Thermal Annealing)などのアニールを施す。その後、例えばTi膜、Ni膜、金(Au)を順に積層した積層膜などの厚い膜を電子ビーム(EB:Electron Beam)蒸着などで形成し、ドレイン電極を形成する。
上述したエピタキシャル成長およびイオン注入においては、n型不純物(n型ドーパント)として、例えば、炭化珪素に対してn型となる窒素(N)やリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)などを用いればよい。p型不純物(p型ドーパント)として、例えば、炭化珪素に対してp型となるホウ素(B)やアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)などを用いればよい。このようにして、図1、図2に示すMOSFETが完成する。
以上、説明したように、実施の形態1によれば、トレンチおよび第1p+型ベース領域は、ストライプ状の形状を有し、第1p+型ベース領域は、トレンチと斜交する。これにより、トレンチの奥行き方向での隣り合う第1p+型ベース領域の距離を狭くすることができ、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とに合わせズレが生じても、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とを接することができる。
また、トレンチの奥行き方向と第1p+型ベース領域の奥行き方向とがなす角度を、トレンチの奥行き方向での隣り合う第1p+型ベース領域の距離が第2p+型ベース領域の幅より小さくなるように設定する。これにより、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とに合わせズレが生じても、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とが必ず接するようにできる。このため、JFET幅を広くしても、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とが必ず接するため、第1p+型ベース領域が浮遊状態となることなく、第1p+型ベース領域がトレンチの底部の電界集中を緩和できるため、アバランシェ耐量が低下しない。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2にかかる半導体装置の構造について説明する。図12は、実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置が実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置と異なる点は、第1p+型ベース領域3とトレンチ18が直交し、第2p+型ベース領域4とトレンチ18が斜交することである。
ここで、第2p+型ベース領域4が、トレンチ18と斜交するとは、トレンチ18の奥行き方向(図12の第1方向)と第2p+型ベース領域4の奥行き方向(図12の第2方向)とのなす角度θが、0°より大きくて90°より小さいことである。このように、実施の形態2では、第2p+型ベース領域4とトレンチ18が斜交する構成とすることで、トレンチ18の奥行き方向に射影した第2p+型ベース領域4の長さWを長くすることができ、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とに合わせズレが生じても、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とを接することができる。
以下に、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが必ず接するための条件を詳細に説明する。図12より、もし、トレンチ18の奥行き方向に射影した第2p+型ベース領域4の長さWが、第1p+型ベース領域3の間隔Z以下であると、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが接しない場合が生じる(例えば、図15参照)。このため、トレンチ18の奥行き方向に射影した第2p+型ベース領域4の長さWが、第1p+型ベース領域3の間隔Zより大きいと第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが必ず接する。つまり、Z<Wであればよい。
ここで、トレンチ18の奥行き方向に射影した第2p+型ベース領域4の長さWは、トレンチ18の奥行き方向に射影した第2p+型ベース領域4の幅Y1とトレンチ18の奥行き方向に射影した第2p+型ベース領域4の側面Mの長さY2との和になる。つまり、W=Y1+Y2となる。トレンチ18の奥行き方向に射影した第2p+型ベース領域4の幅Y1は、第2p+型ベース領域4の幅をw1とすると、Y1=w1/sinθである。また、トレンチ18の奥行き方向に射影した第2p+型ベース領域4の側面Mの長さY2は、トレンチ18の幅をx、セルピッチをyとすると、(y-x)/tanθとなる。この結果、
Z<w1/sinθ+(y-x)/tanθ ・・・ (2)
を満たせば、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが必ず接するようになる。
図13は、実施の形態2において、第2p+型ベース領域とトレンチとがなす角度とJFET幅との関係を示すグラフである。図13では、トレンチ18の幅xを1.0μm、第2p+型ベース領域4の幅w1を1.0μmで、第2p+型ベース領域4の間隔Xを1.0μmにし、セルピッチyを1.0μm~5.0μmにした結果を示す。
図13では、各曲線の下側(JFET幅が小さい側)の領域であれば、上記の式(2)を満たし、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが接するようになる。従来は、θ=90°の場合であり、この場合は、セルピッチyの大きさに限らず、JFET幅は1.0μmと固定であるが、実施の形態1では、0°<θ<90°であるため、セルピッチyの大きさに応じて、JFET幅Zを広げることができる。
ここで、図14は、実施の形態2において、セルピッチ2.0μm、角度45°の場合の図13のグラフである。図14において、点Aは、上記の式(2)を満たしていない点(θ=45°、JFET幅Z=4.00μm)であり、点Bは、上記の式(2)を満たしている点(θ=45°、JFET幅Z=2.00μm)である。図15は、実施の形態2において、条件を満たしていない場合Aの炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。図15に示すように、トレンチ18の奥行き方向に射影した第2p+型ベース領域4の長さWは、2.61μmとなり、JFET幅4.0μmより小さい。このため、第2p+型ベース領域4の形成位置がずれると、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが接しない構造となる。図15の例では、3つの第2p+型ベース領域4の中で、真ん中の第2p+型ベース領域4は、第1p+型ベース領域3と接していない。
一方、図16は、実施の形態2において、条件を満たしている場合Bの炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。図16に示すように、トレンチ18の奥行き方向に射影した第2p+型ベース領域4の長さWは、2.61μmとなり、JFET幅2.0μmより大きい。このため、第2p+型ベース領域4の形成位置がずれたとしても、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とは必ず接する構造となる。図16の例では、3つの第2p+型ベース領域4は、すべて第2p+型ベース領域4と接している。
実施の形態2にかかる半導体装置の製造方法については、第2p+型ベース領域4を、トレンチ18と斜交するように形成することを除いて、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
以上、説明したように、実施の形態2によれば、トレンチおよび第2p+型ベース領域は、ストライプ状の形状を有し、第2p+型ベース領域は、トレンチと斜交する。これにより、トレンチの奥行き方向に射影した第2p+型ベース領域の長さを広くすることができ、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とに合わせズレが生じても、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とを接することができる。
また、トレンチの奥行き方向と第2p+型ベース領域の奥行き方向とがなす角度を、トレンチの奥行き方向に射影した第2p+型ベース領域の長さが第1p+型ベース領域の間隔より大きくなるように設定する。これにより、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とに合わせズレが生じても、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とが必ず接するようにできる。このため、JFET幅を広くしても、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とが必ず接するため、第1p+型ベース領域が浮遊状態となることなく、第1p+型ベース領域がトレンチの底部の電界集中を緩和できるため、アバランシェ耐量が低下しない。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3にかかる半導体装置の構造について説明する。図17は、実施の形態3にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。図18は、実施の形態3にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図17のA-A’部分の断面図である。実施の形態3にかかる炭化珪素半導体装置が実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置と異なる点は、第1p+型ベース領域3とトレンチ18が斜交し、さらに第2p+型ベース領域4とトレンチ18が斜交することである。
このように、第1p+型ベース領域3が、トレンチ18と斜交する構成とすることで、トレンチ18の奥行き方向(図17の第1方向)での隣り合う第1p+型ベース領域3の距離Xを狭くすることができる。さらに、第2p+型ベース領域4とトレンチ18が斜交する構成とすることで、トレンチ18の奥行き方向に射影した第2p+型ベース領域4の長さWを長くすることができる。このため、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とに合わせズレが生じても、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とを接することができる。
図17の例では、トレンチ18の奥行き方向と第1p+型ベース領域3の奥行き方向(図17の第2方向)のなす角度がθ、トレンチ18の奥行き方向と第2p+型ベース領域4の奥行き方向(図17の第3方向)のなす角度90°-θの場合の例である。このように図17の例では、第1p+型ベース領域3の奥行き方向と第2p+型ベース領域4の奥行き方向は直交している。図17は、θ=45°の場合の例である。
また、図17では、セルピッチyが2.0μm、トレンチ幅xが0.8μm、第2p+型ベース領域4の幅w1が1.0μm、第1p+型ベース領域3の間隔Zが1.0μmの場合を示す。第1p+型ベース領域3の間隔Zが1.0μmであると、トレンチ18の奥行き方向での隣り合う第1p+型ベース領域3の距離Xは、1.01μmとなる。第2p+型ベース領域4の幅w1が1.0μmであると、トレンチ18の奥行き方向に射影した第2p+型ベース領域4の長さWは、1.81μmとなる。図17の例では、トレンチ18の奥行き方向での隣り合う第1p+型ベース領域3の距離X(1.01μm)がトレンチ18の奥行き方向に射影した第2p+型ベース領域4の長さW(1.81μm)より小さい。このため、図17、図18に示すように、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とに合わせズレが生じても、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とを接することができる。
図17では、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが接する場合を示したが、条件によっては、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが接しない場合もある。
以下に、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが必ず接するための条件を詳細に説明する。図19は、実施の形態3にかかる炭化珪素半導体装置において、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とが接する条件を説明する上面図である。図19より、もし、トレンチ18の奥行き方向での第1p+型ベース領域3の間隔Xが、トレンチ18の奥行き方向に射影した第2p+型ベース領域4の長さW以上であると第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが接しない場合が生じる。このため、トレンチ18の奥行き方向での第1p+型ベース領域3の間隔Xが、トレンチ18の奥行き方向に射影した第2p+型ベース領域4の長さWより小さいと第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが必ず接する。つまり、X<Wであればよい。
また、トレンチ18の奥行き方向での隣り合う第1p+型ベース領域3の距離Xは、実施の形態1と同様にして、Z/sinθ-(y-x)/tanθとなる。トレンチ18の奥行き方向に射影した第2p+型ベース領域4の長さWは、実施の形態1と同様にして、w1/sin(90°-θ)+(y-x)/tan(90°-θ)=w1/cosθ+(y-x)tanθとなる。ここで、JFET幅をZ、第2p+型ベース領域4の幅をw1、トレンチ18の幅をx、セルピッチをyとしている。この結果、
Z/sinθ-(y-x)/tanθ<w1/cosθ+(y-x)tanθ…(3)
を満たせば、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが必ず接するようになる。
図20は、実施の形態3において、第1p+型ベース領域とトレンチとがなす角度とJFET幅との関係を示すグラフである。図20では、トレンチ18の幅xを1.0μm、第2p+型ベース領域4の幅w1を1.0μm、第2p+型ベース領域4の間隔Xを1.0μmにし、セルピッチyを1.0μm~2.0μmにした結果を示す。
図20では、各曲線の下側(JFET幅が小さい側)の領域であれば、上記の式(3)を満たし、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが必ず接するようになる。従来は、θ=90°の場合であり、この場合は、セルピッチyの大きさに限らず、JFET幅Zは1.0μmと固定であるが、実施の形態3では、0°<θ<90°であるため、セルピッチyの大きさに応じて、JFET幅Zを広げることができる。
また、上記の例では、トレンチ18の奥行き方向と第1p+型ベース領域3の奥行き方向のなす角度θであり、トレンチ18の奥行き方向と第2p+型ベース領域4の奥行き方向のなす角度90°-θの場合を示した。しかしながら、それぞれの角度が0°より大きく90°より小さければよく、第1p+型ベース領域3の奥行き方向と第2p+型ベース領域4の奥行き方向とが直交しなくてもよい。
実施の形態3にかかる半導体装置の製造方法については、第1p+型ベース領域3および第2p+型ベース領域4を、トレンチ18と斜交するように形成することを除いて、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
以上、説明したように、実施の形態3によれば、トレンチ、第1p+型ベース領域および第2p+型ベース領域は、ストライプ状の形状を有し、第1p+型ベース領域および第2p+型ベース領域は、トレンチと斜交する。これにより、トレンチの奥行き方向での隣り合う第1p+型ベース領域の距離を狭くすることができ、さらに、トレンチの奥行き方向に射影した第2p+型ベース領域の長さを長くすることができる。このため、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とに合わせズレが生じても、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とが必ず接するようにできる。
また、トレンチの奥行き方向と第1p+型ベース領域の奥行き方向とがなす角度およびトレンチの奥行き方向と第2p+型ベース領域の奥行き方向とがなす角度を、トレンチの奥行き方向での第1p+型ベース領域の間隔が、トレンチの奥行き方向に射影した第2p+型ベース領域の長さより大きくなるように設定する。これにより、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とに合わせズレが生じても、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とが必ず接するようにできる。このため、JFET幅を広くしても、第1p+型ベース領域と第2p+型ベース領域とが必ず接するため、第1p+型ベース領域が浮遊状態となることなく、第1p+型ベース領域がトレンチの底部の電界集中を緩和できるため、アバランシェ耐量が低下しない。
以上において本発明は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であり、上述した各実施の形態において、例えば各部の寸法や不純物濃度等は要求される仕様等に応じて種々設定される。また、上述した各実施の形態では、MOSFETを例に説明しているが、これに限らず、所定のゲート閾値電圧に基づいてゲート駆動制御されることで電流を導通および遮断する種々な炭化珪素半導体装置にも広く適用可能である。ゲート駆動制御される炭化珪素半導体装置として、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)などが挙げられる。また、上述した各実施の形態では、ワイドバンドギャップ半導体として炭化珪素を用いた場合を例に説明しているが、炭化珪素以外の例えば窒化ガリウム(GaN)などのワイドバンドギャップ半導体にも適用可能である。また、各実施の形態では第1導電型をn型とし、第2導電型をp型としたが、本発明は第1導電型をp型とし、第2導電型をn型としても同様に成り立つ。
以上のように、本発明にかかる半導体装置は、電力変換装置や種々の産業用機械などの電源装置などに使用されるパワー半導体装置に有用であり、特にトレンチゲート構造の炭化珪素半導体装置に適している。
1 n+型炭化珪素基板
2 n-型ドリフト層
3 第1p+型ベース領域
4 第2p+型ベース領域
5 n型領域
5a 下側n型領域
5b 上側n型領域
6 p型ベース層
7 n+型ソース領域
8 p+型コンタクト領域
9 ゲート絶縁膜
10 ゲート電極
11 層間絶縁膜
12 バリアメタル
13 ソース電極
14 ソース電極パッド
18 トレンチ

Claims (10)

  1. 第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板のおもて面に設けられた、前記半導体基板よりも不純物濃度の低い第1導電型の第1半導体層と、
    前記第1半導体層の内部に選択的に設けられた、第2導電型の第1半導体領域と、
    前記第1半導体層の内部に選択的に設けられた、前記第1半導体領域と接する第2導電型の第2半導体領域と、
    前記第1半導体層の、前記半導体基板側に対して反対側に設けられた第2導電型の第2半導体層と、
    前記第2半導体層の内部に選択的に設けられた、前記半導体基板よりも不純物濃度の高い第1導電型の第3半導体領域と、
    前記第3半導体領域および前記第2半導体層を貫通して前記第1半導体層に達し、底面が前記第1半導体領域と接し、側壁が前記第2半導体領域と接するトレンチと、
    前記トレンチの内部にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、
    を備え、
    前記第1半導体領域、前記第2半導体領域および前記トレンチは、ストライプ形状を有し、
    前記第1半導体領域の奥行き方向と前記トレンチの奥行き方向とがなす第1角度が、0°より大きく、90°より小さく、
    前記第1角度は、前記トレンチの奥行き方向での隣り合う前記第1半導体領域の距離を、前記第2半導体領域の幅より小さくする角度であることを特徴とする半導体装置。
  2. 第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板のおもて面に設けられた、前記半導体基板よりも不純物濃度の低い第1導電型の第1半導体層と、
    前記第1半導体層の内部に選択的に設けられた、第2導電型の第1半導体領域と、
    前記第1半導体層の内部に選択的に設けられた、前記第1半導体領域と接する第2導電型の第2半導体領域と、
    前記第1半導体層の、前記半導体基板側に対して反対側に設けられた第2導電型の第2半導体層と、
    前記第2半導体層の内部に選択的に設けられた、前記半導体基板よりも不純物濃度の高い第1導電型の第3半導体領域と、
    前記第3半導体領域および前記第2半導体層を貫通して前記第1半導体層に達し、底面が前記第1半導体領域と接し、側壁が前記第2半導体領域と接するトレンチと、
    前記トレンチの内部にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、
    を備え、
    前記第1半導体領域、前記第2半導体領域および前記トレンチは、ストライプ形状を有し、
    前記第2半導体領域の奥行き方向と前記トレンチの奥行き方向とがなす第2角度が、0°より大きく、90°より小さく、
    前記第2角度は、前記トレンチの奥行き方向に射影した前記第2半導体領域の長さを、前記第1半導体領域の間隔より大きくする角度であることを特徴とする半導体装置。
  3. 前記第2半導体領域の奥行き方向と前記トレンチの奥行き方向とがなす第2角度が、0°より大きく、90°より小さいことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記第2角度は、前記トレンチの奥行き方向に射影した前記第2半導体領域の長さを、前記第1半導体領域の間隔より大きくする角度であることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  5. 前記第1半導体領域の奥行き方向と前記トレンチの奥行き方向とがなす第1角度が、0°より大きく、90°より小さいことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  6. 前記第1角度をθとすると、前記θは、前記第1半導体領域の間隔Z、前記トレンチの幅x、隣り合う前記トレンチの中心間の距離y、前記第2半導体領域の幅wに対して、
    Z/sinθ-(y-x)/tanθ<w
    を満たすことを特徴とする請求項1、3または4のいずれか一つに記載の半導体装置。
  7. 前記第2角度をθとすると、前記θは、前記第1半導体領域の間隔Z、前記トレンチの幅x、隣り合う前記トレンチの中心間の距離y、前記第2半導体領域の幅wに対して、
    Z<w/sinθ+(y-x)/tanθ
    を満たすことを特徴とする請求項2、4または5のいずれか一つに記載の半導体装置。
  8. 前記トレンチの奥行き方向を、前記トレンチが並ぶ面から奥に向かう方向とし、前記第1半導体領域の奥行き方向を、前記第1半導体領域が並ぶ面から奥に向かう方向とし、前記第2半導体領域の奥行き方向を、前記第2半導体領域が並ぶ面から奥に向かう方向とすると、
    前記第1半導体領域の奥行き方向と前記トレンチの奥行き方向とがなす第1角度および前記第2半導体領域の奥行き方向と前記トレンチの奥行き方向とがなす第2角度が、0°より大きく、90°より小さいことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  9. 前記第1角度および前記第2角度は、前記トレンチの奥行き方向での前記第1半導体領域の間隔を、前記トレンチの奥行き方向に射影した前記第2半導体領域の長さより小さくする角度であることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  10. 前記第1角度をθ、前記第2角度を90°-θとすると、前記θは、前記第1半導体領域の間隔Z、前記トレンチの幅x、隣り合う前記トレンチの中心間の距離y、前記第2半導体領域の幅wに対して、
    Z/sinθ-(y-x)/tanθ<w/cosθ+(y-x)tanθ
    を満たすことを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
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