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JP7070367B2 - 車両前部構造 - Google Patents
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本発明は、フロントピラーとインパネリインフォースを含む車両前部構造に関する。
車両前部構造
多くの車両では、車室とエンジンルームとの間にインストルメントパネルリインフォースメント(「インパネリインフォース」と呼ぶ。)が取り付けられている。インパネリインフォースは、車幅方向に延びる構造部材であり、インストルメントパネルが固定される他、ステアリングを支持するステアリングサポートブラケットなどが取り付けられる。
下記特許文献1には、大きな強度が必要となる運転席側を大径のパイプ部材で形成し、助手席側を小径のパイプ部材で形成し、両者をオフセットした配置で連結したインパネリインフォースが記載されている。インパネリインフォースの両端は、左右のフロントピラーに結合されている。
特開2018-111336号公報
インパネリインフォースは、車幅方向の各位置において、用途や必要強度が異なるため、上記特許文献1のように、分割して形成した上で、オフセットして連結することで車両設計上の自由度が高まる。しかし、インパネリインフォースの両端の位置が左右非対称になった場合には、右ハンドル車と左ハンドル車とで、フロントピラーの形状を変更する必要があるため、製造コストが上昇する要因となる。
本発明の目的は、車両設計の自由度向上と、製造コストの抑制を両立させたインパネリインフォースを実現することにある。
本発明にかかる車両前部構造は、少なくとも本の強度部材が、隣り合う当該強度部材間で、車両の前後方向または上下方向にオフセットして連結されたインパネリインフォースと、前記インパネリインフォースの最右側の前記強度部材の右端と、最左側の前記強度部材の左端がそれぞれ固定される左右のフロントピラーと、車両側方から見て、隣り合う前記強度部材が重ならない配置となるように、隣り合う前記強度部材を連結固定する連結部材と、を備え、前記右端と前記左端は、車両の前後方向及び上下方向に実質的に同じ位置に配置され、助手席の前方に配置されている1本以上の前記強度部材の少なくとも一つが、他のいずれの強度部材よりも、車両上方および車両前方の少なくとも一方にオフセットして配置されている、ことを特徴とする。
ここで用語について説明する。車両の前後方向または上下方向にオフセットして連結されるとは、車両の前後方向と上下方向の一方または両方に位置がずれることで、車両の前後方向及び上下方向に張られる面内で見て、隣り合う強度部材が重複しない状態をいう。車幅方向について重複するか否かは問わない。また、車両の前後方向及び上下方向に実質的に同じ位置に配置されているとは、車両の前後方向と上下方向の両方についての位置が同一か、異なっていてもその程度が小さく、インパネリインフォースの左右の形状を入れ替えてもフロントピラーの形状変更が必要ない範囲に配置されることを言う。
本発明によれば、左右の形状が入れ替えられる右ハンドル車用のインパネリインフォースと左ハンドル車用のインパネリインフォースのいずれにおいても、同じ形状のフロントピラーに固定することが可能となり、製造コストの増大を防止または抑制することが可能となる。また、例えば、助手席付近の強度部材を車両前方に配置した場合に、助手席空間を広く確保できるなど、車両設計上の自由度が高まり、車両の機能向上が期待できる。
実施形態にかかる車両前部構造の概略的な斜視図である。 インパネリインフォース及びブラケットの側面図である。
以下に、図面を参照しながら、実施形態について説明する。説明においては、理解を容易にするため、具体的な態様について示すが、これらは実施形態を例示するものであり、他にも様々な実施形態をとることが可能である。
図1は、実施形態にかかる車両前部構造10を、車両の左後方から見た概略的な斜視図である。図中の座標系におけるF軸は車両前方向、U軸は上方向、R軸は搭乗者の右手方向を示している(図2においても同様)。図1には、インパネリインフォース20と、右フロントピラー80の一部が図示されている。
インパネリインフォース20は、車室前部のインストルメントパネルの内側(前方側)に設けられる部材である。インパネリインフォース20は、車幅方向に延びる部材であり、右端を右フロントピラー80の図示を省略した固定部に固定され、左端を図示省略した左フロントピラーに固定されている。
インパネリインフォース20は、鉄鋼製の強度部材である4本の円筒パイプ22,24,26,28を右端から左端に向けてこの順に配置し、連結することで形成されている。円筒パイプ22と円筒パイプ24は、連結部材30によって溶接固定されている。円筒パイプ24と円筒パイプ26は連結部材32によって溶接固定されている。円筒パイプ26と円筒パイプ28は連結部材34によって溶接固定されている。
最も右側の円筒パイプ22は、右ハンドル車の運転席90の前方付近に配置されている。他の円筒パイプ24,26,28はいずれも小径(細い)のパイプ部材を用いて形成されているのに対し、この円筒パイプ22は相対的に大径(太い)のパイプ部材を用いて形成されている。円筒パイプ22には、ステアリングを支持するステアリングサポート40(図では一部のみ図示している)などが取り付けられ、大きな荷重が作用するため、十分な強度を確保するために大径のパイプ部材が用いられている。
円筒パイプ22の右端(これはインパネリインフォース20全体の右端でもある)には、インパネリインフォース20を右フロントピラー80に固定するためのブラケット50が溶接されている。ブラケット50は、円筒パイプ22を部分的に覆う半円環形状の部材であり、両端には固定用のボルト52,54が挿入される。ブラケット50は、ボルト52,54を用いて、右フロントピラー80に溶接されたナットに締結される。
円筒パイプ24は、車室の車幅方向付近にあるコンソール92の前方付近に配置されている。円筒パイプ24の下部にはフロアブレース60が溶接固定されている。フロアブレース60の下端は、車室下部に配置された構造部材であるトンネルリインフォースメントに固定されており、これによりインパネリインフォース20の強度が高められている。
円筒パイプ26は、助手席94の前方付近に配置されている。また、円筒パイプ28は比較的短い部材であり、助手席94の前方左側付近に配置されている。円筒パイプ28の左端(これはインパネリインフォース20全体の左端でもある)には、ブラケット70が設けられている。ブラケット70は、ブラケット50と同様の構造及び役割を有した部品であり、固定用のボルト72,74を用いてインパネリインフォース20を左フロントピラーに固定する。
右フロントピラー80と左フロントピラーは、車両のフロントドアの前方に設けられる構造部材である。実施形態では、右フロントピラー80は、斜め部と縦部とを備えた形状に形成されることを想定している。斜め部は、エンジンルーフ側方の構造体であるエプロンアッパメンバと、ルーフとにそれぞれの端を接続されて斜めに延びる部材であり、右フロントドアのウインドウとフロントウインドウの両方の窓枠となる。また、縦部は、上端を斜め部位に接続され、下端を車室の床下の構造部材に接続された上下方向に延びる部材であり、右フロントドアの前下部付近の枠となる部材である。右フロントピラー80は、折り曲げた鋼板を組み合わせて、閉じ断面構造に形成されており、高い強度を有している。
図2は、車両の左側からみたインパネリインフォース20の側面図である。ただし、説明を簡単化するため、図2においては、インパネリインフォース20の4本の円筒パイプ22,24,26,28とブラケット70(50)のみを図示している。
図2に示すように、円筒パイプ22と円筒パイプ28は、中心軸が一致するように配置されている。すなわち、円筒パイプ22と円筒パイプ28は、それぞれの軸中心の前後方向位置と上下方向位置が一致するように配置されており、円筒パイプ22の右端と円筒パイプ28の前後方向位置と上下方向位置も同じ位置にある。さらに、円筒パイプ22に取り付けられたブラケット50と、円筒パイプ28に取り付けられたブラケット70は、径の太さによる形状の違いはあるが、それぞれの固定用のボルト72,74とボルト52,54とが、図2において、同じ位置に配置されている。
このため、右フロントピラー80と、左フロントピラーにおけるインパネリインフォース20の取り付け部位の位置及び構造は、車両の中心を通るU軸及びF軸で張られる面について面対称となるように形成されている。面対称とすることで、左ハンドル車向けにインパネリインフォース20の左右を入れ替えた場合にも、右フロントピラー80と左フロントピラーの形状を変更する必要がなくなり、製造コストを軽減することが可能となる。なお、円筒パイプ22,28は径の大きさが異なるが、この程度の差異は、ブラケット50,70の形状を若干変更することで吸収することが可能である。
円筒パイプ22,28の配置は、右フロントピラー80及び左フロントピラーへの取り付けが容易となる観点、さらには、運転席90前方のステアリングやインストルメントパネルの配置の観点から決定されている。これに対し、円筒パイプ24,26は、別の観点から配置されている。
円筒パイプ24は、円筒パイプ22,28に比べて、前後方向の位置はほぼ等しい(直径の1/5程度だけ前方に位置する)が、上下方向には、直径の約2倍だけ下方にオフセットして配置されている。円筒パイプ24は、コンソール92の前方に位置しており、この付近には、カーナビゲーションシステム等に利用されるディスプレイや、エアコンのダクトが配置される。実施形態の車両では、車室空間の快適性や操縦性を高めるため、これらの配置を優先した上で、円筒パイプ24の配置位置を決定している。
円筒パイプ26は、円筒パイプ22,28に比べて、上方向に直径の約1.5倍、前方向に、直径の2.5倍程度オフセットして配置されている。円筒パイプ26は、助手席94の前方に位置しており、円筒パイプ26を車両の前方側に設けるほど、助手席94の空間を拡げることが可能となる。さらに、実施形態では、この付近における図示を省略した内装なども考慮して、上下方向の位置を決めている。
以上の説明では、右端の円筒パイプ22と左端の円筒パイプ28の中心軸が一致するものとした。しかし、両者の中心軸が若干ずれていても、ブラケット50,70を調整することで、右フロントピラー80と左フロントピラーの構造を実質的に面対称に形成することが可能である。よって、右端の円筒パイプ22と左端の円筒パイプ28の中心軸のずれが、右フロントピラー80と左フロントピラーの構造を面対称に形成可能となる範囲であれば、両者は実質的に中心軸が一致しており、車両の前後方向及び上下方向に実質的に同じ位置に配置されているとみなすことができる。例えば、中心軸のずれが、小径の円筒パイプ28の直径以下または半径以下である場合、あるいは、大径の円筒パイプ22の直径以下または半径以下である場合には、実質的に同じ位置に配置されているとみなせる余地がある。
また、以上の説明では、円筒パイプ22と円筒パイプ28は、その中心軸が車幅方向に平行となるように配置されるものとしたが、若干車幅方向からずれるように斜めに配置されていてもよい。この場合、円筒パイプ22と円筒パイプ28の中心軸を一致させることができなくなるが、それぞれの車幅方向の最外端の位置が、車両の前後方向及び上下方向において実質的に同じであれば、右フロントピラー80と左フロントピラーの構造を実質的に面対称に形成することが可能である。
インパネリインフォース20を構成する強度部材としては、円筒形状のパイプの他に、楕円形状のパイプや角筒形状のパイプなどを用いることも可能である。また、例えば、金属板を折り曲げてハット形の断面に形成した部材、閉じ断面を形成するように複数の金属板を組み合わせた強度部材を用いることも可能である。強度部材の形状にかかわらず、右フロントピラー80と左フロントピラーの固定部位を面対称に形成できるように、インパネリインフォース20の両端の前後方向位置及び上下方向位置を実質的に同じにすることで、本実施形態の効果を得ることが可能となる。
10 車両前部構造、20 インパネリインフォース、22 円筒パイプ、24 円筒パイプ、26 円筒パイプ、28 円筒パイプ、30 連結部材、32 連結部材、34 連結部材、40 ステアリングサポート、50 ブラケット、52,54 ボルト、60 フロアブレース、70 ブラケット、72,74 ボルト、80 右フロントピラー、90 運転席、92 コンソール、94 助手席。

Claims (1)

  1. 少なくとも本の強度部材が、隣り合う当該強度部材間で、車両の前後方向または上下方向にオフセットして連結されたインパネリインフォースと、
    前記インパネリインフォースの最右側の前記強度部材の右端と、最左側の前記強度部材の左端がそれぞれ固定される左右のフロントピラーと、
    車両側方から見て、隣り合う前記強度部材が重ならない配置となるように、隣り合う前記強度部材を連結固定する連結部材と、
    を備え、
    前記右端と前記左端は、車両の前後方向及び上下方向に実質的に同じ位置に配置され
    助手席の前方に配置されている1本以上の前記強度部材の少なくとも一つが、他のいずれの強度部材よりも、車両上方および車両前方の少なくとも一方にオフセットして配置されている、
    ことを特徴とする車両前部構造。
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