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JP7075249B2 - 車両用ディスクブレーキ - Google Patents
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本発明は、自動車や自動二輪車等の車両に用いられる車両用ディスクブレーキに関し、詳しくは、摩擦パッドの裏板の両側部にそれぞれ突設した耳片を、キャリパブラケットのキャリパ支持腕に形成したパッドガイド溝に、パッドリテーナを介して支承させた車両用ディスクブレーキに関する。
従来、摩擦パッドの裏板の両側部にそれぞれ突設した耳片を、キャリパブラケットのキャリパ支持腕に形成したパッドガイド溝に支承させて、摩擦パッドをディスク軸方向へ移動可能に吊持するディスクブレーキでは、パッドガイド溝と耳片との間に金属製の薄板で形成したパッドリテーナを介装し、異音の発生を防止するようにしていた。
このパッドリテーナとしては、キャリパ支持腕の作用部側と反作用部側にそれぞれ設けたトルク受け面に敷設され、摩擦パッドからの制動トルクを受ける一対のトルク受け片と、パッドガイド溝のパッド支承面に敷設され、耳片の移動をガイドする一対のリテーナ部と、ディスクロータの外周を跨いで、前記耳片保持部の上部を繋ぐ連結部とを備えるとともに、前記トルク受け片に、パッドガイド溝の内側に向けて凸状に湾曲させた湾曲部を設け、摩擦パッドのガタ付きを防止するようにしたものがあった(例えば、特許文献1及び2参照。)。
特許第4880250号公報 特公平4-107330号公報
しかし、上述の特許文献1及び2のパッドリテーナでは、パッドリテーナを取り付ける車種に応じて、湾曲部を精度良くプレス加工しなければならないことから、コストが嵩んでいた。
そこで本発明は、製造コストを抑えながら、異音の発生を良好に抑制することができるパッドリテーナを備えた車両用ディスクブレーキを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の車両用ディスクブレーキは、ディスクロータの両側
部に配置される摩擦パッドと、該摩擦パッドからの制動トルクを受けるトルク受け面と、
前記摩擦パッドと前記トルク受け面との間に介装され、前記摩擦パッドからの制動トルク
を前記トルク受け面に伝達するトルク受け片を有したパッドリテーナとを備えた車両用デ
ィスクブレーキにおいて、前記パッドリテーナは、前記トルク受け片に、トルク受け面側
に突出した突部を形成し、前記突部は前記摩擦パッドよりもディスク外周側に設けられる
とともに、前記突部と前記トルク受け面との当接により、前記トルク受け片がキャリパボ
ディの内側に向けて傾斜され、前記突部は半球状に形成されていることを特徴としている。
また、前記突部は前記トルク受け面に点接触又は線接触すると好適である
本発明の車両用ディスクブレーキによれば、突部がトルク受け面に当接することにより、車両前進時におけるディスク回出側のトルク受け片と、ディスク回入側のトルク受け片とがキャリパボディの内側に向けてそれぞれ傾斜し、摩擦パッドをキャリパボディの内側に向けて付勢することから、制動時に摩擦パッドがディスク回出側に引き摺られた際や、制動解除時に摩擦パッドが初期位置に復帰する際等に、摩擦パッドのディスク回出側及びディスク回入側へのガタ付きを抑制することができ、異音の発生を防止することができる。
さらに、突部を半球状等の簡素な形状にすることでプレス加工のコストを抑えることができるとともに、突部の位置や個数、高さを適宜調整することで、多様な車種に適用させることができる。
また、突部をトルク受け面に点接触又は線接触させることにより、摩擦パッドの振動を好適に抑制することができる。
本発明の一形態例を示す車両用ディスクブレーキの要部断面図である。 同じくキャリパブラケットとパッドリテーナの要部断面図である。 同じくパッドリテーナの正面側斜視図である。 同じくパッドリテーナの背面側斜視図である。 同じく車両用ディスクブレーキの正面図である。 同じく車両用ディスクブレーキの一部断面背面図である。 同じく車両用ディスクブレーキの平面図である。 図5のVIII-VIII断面図である。
図1乃至図8は本発明の車両用ディスクブレーキの一形態例を示す図である。なお、矢印Aは、車両前進時に車輪と一体に回転するディスクロータの回転方向であり、以下で述べるディスク回出側及びディスク回入側とは車両前進時におけるものとする。
車両用ディスクブレーキ1は、ディスクロータ2の一側部で車体に固設されるキャリパブラケット3と、該キャリパブラケット3にスライドピン4,4を介してディスク軸方向へ移動可能に支持されるキャリパボディ5と、キャリパボディ5の作用部5aと反作用部5bとの間にディスクロータ2を挟んで対向配置された一対の摩擦パッド6,6とを備えている。
キャリパブラケット3は、ディスクロータ2の一側に配置される車体固設部3aと、該車体固設部3aの両端部から延設されてディスクロータ2の外周をディスク軸方向に跨ぐ一対のキャリパ支持腕3bとを有している。キャリパ支持腕3bは、車体固設部側の一対の作用部側パッド保持部3cと、該作用部側パッド保持部3cの先端部からディスクロータ2の外周を跨いでディスク軸方向へ突出する一対のキャリパ支持部3dと、該キャリパ支持部3dの突出端からディスクロータ2の他側面に沿うようにディスクロータ内周方向に突出した一対の反作用部側パッド保持部3eと、該反作用部側パッド保持部3eのディスク内周側端部同士を連結するタイロッド3fとを有している。
作用部側パッド保持部3c及び、反作用部側パッド保持部3eには、ディスク外周側内側面にトルク受け面3gが、中間部内側面にディスク軸方向のパッドガイド溝3hが対向してそれぞれ設けられ、パッドガイド溝3hはディスク内周側壁3iとディスク外周側壁3jとこれら両側壁を結ぶ対向壁3kとを有するコ字状に形成される。また、キャリパ支持腕3bは、内部に袋状のスライドピン挿通孔3mが作用部側に開口して設けられている。
キャリパボディ5は、ディスクロータ2の一側に配置される作用部5aと、該作用部5aに対向してディスクロータ2の他側に配置される反作用部5bと、ディスクロータ2の外周を跨いで作用部5aと反作用部5bとを連結するブリッジ部5cとを有している。作用部5aのディスク回入側とディスク回出側とには、車体取付け腕5d,5dがディスクロータ2の一側面に沿って突設され、各車体取付け腕5dの先端には、スライドピン4がディスク軸と平行にそれぞれ突設されている。両スライドピン4は、前記キャリパ支持部3dのスライドピン挿通孔3mにそれぞれ挿通され、キャリパボディ5は、これらスライドピン4によって、キャリパブラケット3に、ディスク軸方向へ移動可能に取り付けられる。
作用部5aには、ブレーキペダルに操作される液圧式作動機構7と、ハンドルレバーに操作される機械式作動機構8とが設けられている。液圧式作動機構7は、主としてディスクロータ2が回転している車両走行時に用いられ、また、機械式作動機構8は、ディスクロータ2が回転を停止した車両駐車時や坂道発進時等に用いられる。
作用部5aの内部には、シリンダ孔5eと連接孔5fと軸受孔5gとが連接されている。シリンダ孔5eは、ディスクロータ側に開口して設けられ、該シリンダ孔5eのディスクロータ側に液圧式作動機構7のピストン9が配置されている。シリンダ孔5eの底部側と、これに連続する連接孔5f及び軸受孔5gには、機械式作動機構8のスリーブピストン10やプッシュロッド11,カムシャフト12が配設され、液圧式作動機構7のピストン9と機械式作動機構8のスリーブピストン10との間には、アジャストナット13aとアジャストボルト13bとを用いたアジャスタ13が介装されている。軸受孔5gは、作用部5aの側面に開口しており、該軸受孔5gから外部へ突出するカムシャフト12の外端にカムレバー14が軸着され、該カムレバー14とハンドルレバーとの間に図示しないワイヤケーブルが連結されている。
反作用部5bは、ディスク内周側に突出した一対の反力爪5hを有し、作用部5aのピストン9と反作用部5bの反力爪5hとの間に、摩擦パッド6,6がディスクロータ2を挟んで対向配置されている。各摩擦パッド6は、ディスクロータ2の側面に摺接するライニング6aと、該ライニング6aを保持する金属製の裏板6bとからなっている。裏板6bには、ディスク回出側とディスク回入側とに突出する耳片6c,6cが設けられ、各耳片6cを前記パッドガイド溝3hにパッドリテーナ15を介して挿入することにより、摩擦パッド6,6がディスク軸方向へスライド可能に支持される。
パッドリテーナ15は、金属製の薄板を所定の形状に打ち抜いて折曲して形成され、ディスク回入側又はディスク回出側で、各パッドガイド溝3h内に配設される一対の耳片保持部15a,15aと、ディスクロータ2の外周を跨いで両耳片保持部15aの上部を連結する連結片15bと、該連結片15bの中間部から外側に突出してキャリパ支持腕3bのロータ溝3nに係止される取付片15cと、耳片保持部15aと連結片15bとの間で前記トルク受け面3gに対向するトルク受け片15dとを備えている。
各耳片保持部15aは、トルク受け片15dのディスク内周側端部から、パッドガイド溝3hのディスク外周側壁3jに沿うように略直角に屈曲したリテーナ片15eと、該リテーナ片15eの先端からパッドガイド溝3hの対向壁3kに沿って略直角に屈曲した屈曲片15fと、該屈曲片15fの先端のディスク軸方向中央部で、パッドガイド溝3hの対向壁3kの中間位置からディスク内周側壁3i方向に円弧状に湾曲形成され、先端面をパッドガイド溝3hのディスク内周側壁3iに圧接させる弾性嵌合片15gと、該弾性嵌合片15gの両側の屈曲片15fから、弾性嵌合片15gを挟んでディスク内周側壁3i方向に膨出し、先端の押圧片15hがパッドガイド溝3hの開口から突出する円弧状の弾性保持片15iとを備えている。また、トルク受け片15dのディスク外周側には、トルク受け面側に半球状に突出し、先端がトルク受け面3gと点接触する一対の突部15j,15jがそれぞれ形成されている。また、トルク受け片15d及びリテーナ片15eの反ディスクロータ側端部には、摩擦パッド6の取り付けを容易に行えるように、外側に開いたガイド片15kがそれぞれ設けられている。
このように形成された各パッドリテーナ15は、各耳片保持部15aを各パッドガイド溝3h内に挿入し、連結片15bをキャリパ支持部3dに沿うように配置し、取付片15cをロータ溝3nに係止させた状態でキャリパブラケット3に装着される。このとき、弾性嵌合片15gの先端面がパッドガイド溝3hのディスク内周側壁3iに圧接し、耳片保持部15aがパッドガイド溝3h内の所定位置に固定された状態となる。さらに、弾性保持片15iは、パッドガイド溝3hの対向壁3kの中間位置からディスク内周側壁3iの近傍を非接触状態で通って先端の押圧片15hがパッドガイド溝3hの開口から突出する円弧を描いた状態となる。また、各トルク受け片15dは、突部15j,15jがトルク受け面3gに当接することから、キャリパボディの内側に向けて傾斜し、トルク受け片15dの突部15jのディスク内周側とトルク受け面3gとの間に隙間E1が生まれた状態となっている。
摩擦パッド6の各耳片6cをパッドガイド溝3hにそれぞれ挿入すると、耳片6cのディスク内周側面6dが弾性保持片15iの押圧片15hによってディスク外周方向に付勢され、耳片6cのディスク外周側面6eがリテーナ片15eに押圧された状態で保持される。また、各突部15jは摩擦パッド6よりもディスク外周側に配置されるとともに、突部15jによってキャリパボディ5の内側に傾斜したディスク回出側のトルク受け片15dとディスク回入側のトルク受け片15dとによる弾性効果により、摩擦パッド6は、キャリパボディ5の内側に向けて付勢される。
本形態例は、上述のように、各摩擦パッド6の耳片6cは、押圧片15hによってディスク外周方向に付勢された状態となっていることから、走行振動等により、摩擦パッドがガタつく虞がない。また、制動時には、耳片6cのディスク外周側面6eがリテーナ片15eに案内されながら、ディスク軸方向に良好にスライドすることができる。
さらに、各摩擦パッド6は、突部15j,15jがトルク受け面3gに当接することにより、ディスク回出側のトルク受け片15dと、ディスク回入側のトルク受け片15dとがキャリパボディ5の内側に向けてそれぞれ傾斜し、摩擦パッド6をキャリパボディ5の内側に向けて付勢することから、制動時に摩擦パッド6がディスク回出側に引き摺られた際や、制動解除時に摩擦パッド6が初期位置に復帰する際等に、摩擦パッド6のディスク回出側及びディスク回入側へのガタ付きを抑制することができ、異音の発生を防止することができる。また、突部15jを半球状等の簡素な形状にすることでプレス加工のコストを抑えることができるとともに、突部15jの位置や個数、高さを適宜調整することで、多様な車種に適用させることができる。さらに、突部15jの先端をトルク受け面3gに点接触させたことにより、摩擦パッドの振動を好適に抑制することができる。また、突部15jは、摩擦パッド6よりもディスク外周側に配置され、摩擦パッド6に直接押圧されることがないことから、パッドリテーナの耐久性を維持することができる。
なお、本発明のディスクブレーキは上述の形態例に限るものではなく、パッドガイド溝内に配置されるパッドスプリングの構造は耳片をディスク外周側に付勢する構造を備えていれば任意である。さらに、突部の形成位置や個数は、車種に応じて適宜設定すればよく、また、突部の形状も先端がトルク受け面と線接触するものでもよく、任意である。さらに、摩擦パッドは耳片を備えたものであれば、その他の形状は任意であり、キャリパボディの形状も任意である。また、本発明のディスクブレーキは、ディスクロータの両側部に作用部を設けたピストン対向型のディスクブレーキにも適用でき、さらに、二輪車用のディスクブレーキにも適用することができる。
1…車両用ディスクブレーキ、2…ディスクロータ、3…キャリパブラケット、3a…車体固設部、3b…キャリパ支持腕、3c…作用部側パッド保持部、3d…キャリパ支持部、3e…反作用部側パッド保持部、3f…タイロッド、3g…トルク受け面、3h…パッドガイド溝、3i…ディスク内周側壁、3j…ディスク外周側壁、3k…対向壁、3m…スライドピン挿通孔、3n…ロータ溝、4…スライドピン、5…キャリパボディ、5a…作用部、5b…反作用部、5c…ブリッジ部、5d…車体取付け腕、5e…シリンダ孔、5f…連接孔、5g…軸受孔、5h…反力爪、6…摩擦パッド、6a…ライニング、6b…裏板、6c…耳片、6d…ディスク内周側面、6e…ディスク外周側面、7…液圧式作動機構、8…機械式作動機構、9…ピストン、10…スリーブピストン、11…プッシュロッド、12…カムシャフト、13…アジャスタ、13a…アジャストナット、13b…アジャストボルト、14…カムレバー、15…パッドリテーナ、15a…耳片保持部、15b…連結片、15c…取付片、15d…トルク受け片、15e…リテーナ片、15f…屈曲片、15g…弾性嵌合片、15h…押圧片、15i…弾性保持片、15j…突部、15k…ガイド片

Claims (2)

  1. ディスクロータの両側部に配置される摩擦パッドと、該摩擦パッドからの制動トルクを受けるトルク受け面と、前記摩擦パッドと前記トルク受け面との間に介装され、前記摩擦パッドからの制動トルクを前記トルク受け面に伝達するトルク受け片を有したパッドリテーナとを備えた車両用ディスクブレーキにおいて、
    前記パッドリテーナは、前記トルク受け片に、トルク受け面側に突出した突部を形成し、前記突部は前記摩擦パッドよりもディスク外周側に設けられるとともに、前記突部と前記トルク受け面との当接により、前記トルク受け片がキャリパボディの内側に向けて傾斜され
    前記突部は半球状に形成されていることを特徴とする車両用ディスクブレーキ。
  2. 前記突部は前記トルク受け面に点接触又は線接触することを特徴とする請求項1記載の車
    両用ディスクブレーキ。
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