以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
本発明の実施形態として、画像形成本体装置に組み込まれるシート処理装置(フィニッシャ)を上げるが、この発明を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてがこの発明の対象となる。なお上記画像形成本体装置は限定されず、静電式の機構、オフセット印刷機構、インクジェット印刷機構、インクリボン転写印刷機構(熱転写リボン印刷、昇華型リボン印刷など)の印刷機構が採用可能である。
本実施例においてシート(記録媒体)とは、水分が浸透して繊維がほぐれる薄材を言う。本実施例における加水圧着綴じを行うための装置の構造と機構に関しては、以降で詳しく述べるが、まず本実施例の特徴である、締結に使用するための水よりも浸透性の高い、液体について詳細に説明する。
本実施例における締結の方法としては、シートを構成している繊維を、解してからみ合わせることで行う。よって、繊維を効率よく解すためには、締結させるシートに水分を早く浸透させる必要がある。そのために、本実施例の液体は、水よりも表面張力の低い水溶液であることを特徴とする。
液体の表面張力は、シートに対する浸透のしやすさの指標となる。表面張力が低い液体は、表面張力が高い液体よりも、シートに浸透しやすい。
液体の表面張力を調整する方法として、界面活性剤を用いる方法と、溶剤を用いる方法と、が知られている。界面活性剤を用いて表面張力を調整する場合、少量の添加で表面張力を調整することができる。一方、溶剤を用いて表面張力を調整する場合、界面活性剤よりも多量の添加が必要となる。さらに、溶剤は、高い保湿性を有するため、シートを締結した後の水分の蒸発を妨げる。そのため締結後のシートの乾燥に時間を要する。以上の理由から、本実施例においては、界面活性剤を用いて液体の表面張力を調整することが好ましい。一般的に、表面張力は、静的表面張力としてWilhelmy法で測定される値である。水の静的表面張力の値は『72.8 mN/m』であり、本実施例ではそれより低い値の静的表面張力を有する液体を用いる。さらに好ましくは、表面張力が『45.0 mN/m』以下の液体を用いる。静的表面張力は、液体と気体との界面において、時間経過によって平衡状態となったときの表面張力である。
また、本実施例においては、液体の動的表面張力の値が低いことが好ましい。動的表面張力は、前述の静的表面張力とは異なる指標である。
静的表面張力は、界面活性能を示す材料が、液体と気体との界面に配向し尽くした後の、平衡状態となった表面張力の値である。一方、動的表面張力は、界面活性能を示す材料が、配向し尽くすまでの時間内に測定する表面張力のことである。つまり、動的表面張力は、表面張力の時間的な変化の指標である。あるいは、気液界面が生成されてから所定時間後における表面張力の値ともいえる。動的表面張力は、バブルプレッシャー法、ドロップボリューム法などにより測定が可能である。
本実施例においては、液体がシートへ、速やかに浸透することが、締結に要する時間を短縮する上で望ましい。よって、短時間で低い表面張力となる液体が、本実施例には適している。動的表面張力の測定時間は特に限定されないが、気液界面の生成後、100msec以下で測定した結果が低い方が好ましく、さらには、50msec以下で測定した結果が低い方が好ましい。即ち、本実施例に用いる液体は、短時間で静的表面張力に近い値まで変化するものが好ましい。
例えば、水の100msec後における表面張力の値は『72.5 mN/m』であり、50msec後における表面張力の値は『72.3 mN/m』である。本実施例で用いる液体は、これらの値よりも低い表面張力であることが好ましい。そして、前述のように、短時間で静的表面張力に近い値まで変化するものが好ましい。
さらに、本実施例においては、液体の表面張力が、締結されるシートの臨界表面張力以下であることが好ましい。臨界表面張力とは、固体と接触する液体の接触角が0°となる、表面張力値のことである。液体の表面張力が、接触する個体の臨界表面張力以下であると、液体が固体に対して積極的に濡れ広がる傾向を示す。そのため、液体がシートに浸透しやすくなる。
臨界表面張力についての説明を行う。対象となる個体の臨界表面張力の測定方法としては、Zismanが提唱した一般的な方法がある。まず、表面張力(γ)が異なる複数の飽和炭化水素液体について、対象との接触角θをそれぞれ測定する。そして、表面張力(γ)と接触角の余弦(COSθ)との関係をプロットする。このプロットの結果に基づいて、接触角の余弦(COSθ)の値が1となるように外挿した表面張力(γ)の値が、対象の臨界補油面張力である。
しかしながら、本実施例において液体を接触させる対象としての普通紙(一般的な印刷紙)を中心とした被記録媒体では、臨界表面張力の値が大きいため、上記のような飽和炭化水素液体を用いた測定方法では、正しく測定できない場合がある。そのため、本実施例では、水とエタノールとを複数の混合比で混合した溶液を用いて、臨界表面張力の測定を行った。
上記の測定結果として、普通紙の臨界表面張力は、『45 mN/m』であった、本実施例に用いる液体の表面張力は、この値以下であることが好ましい。なお、綴じる対象となるシートの種類が複数ある場合は、臨界表面張力の最低値に対して、液体の表面張力がそれ以下となるようにすることが好ましい。
本実施例で好適に使用される表面張力を調整する有機溶剤としては、水に溶解できれば特に限定されないが、1,3-ブチルグリコール、3-メチル-1,3-ブチルグリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物;プロピレンカーボネイト、炭酸エチレン等である。これらの水溶性有機溶剤は、単独で又は2種類以上混合して使用することができ、所定の表面張力を達成するに、添加する溶剤量が少ないほうが好ましい。
本実施例で好適に使用される、表面張力を調整するための界面活性剤は、特に限定されない。例として以下のものを挙げる。尚、界面活性剤は単独で使用しても複数を併用して使用してもよい
〔ノニオン性界面活性剤〕ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体等。脂肪酸ジエタノールアミド、アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物、アセチレングリコール系界面活性剤等。
〔アニオン性界面活性剤〕ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルフォン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルフォン酸塩等。アルファスルホ脂肪酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフン酸塩、アルキルフェノールスルフォン酸塩、アルキルナフタリンスルフォン酸塩、アルキルテトラリンスルフォン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等。
〔カチオン性界面活性剤〕アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド等。
〔両性界面活性剤〕アルキルカルボキシベタイン等。
その中でも、アセチレングリコール系界面活性剤やポリオキシエチレンアルキルエーテル等は、インクの吐出安定性を向上させることができるため、特に好ましく使用される。アセチレングリコール系界面活性剤としては、(2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのエチレンオキサイド付加物)が好ましい。
本実施例のシート処理装置で使用されるシートとしては、一般的に印刷で用いられる紙であれば特に限定されない。例を挙げると、坪量が100g/cm2以下の、いわゆる普通紙やPPC紙が好適に用いられる。より好ましくは、90g/cm2以下のシートであれば好適に用いることができる。これよりも大きい場合には、シートが厚くなるため、本実施例の効果が発現し難い。
続いて、本実施例を用いたシート処理装置の、液体を使ってシートを締結する締結部の構造と機構を説明する。なお、本実施形態のシート処理装置では、締結する枚数に応じて液体を使用する場合と、本実施例の液体を使用しないで締結する場合の両方が可能な構成を挙げる。本実施例が適用される場合とは、液体を用いた場合の締結であることは言うまでもない。
図1は、フィニッシャにおいてシートを締結する締結部周辺の構成を示す図である。図1に示すように、シートを載置する処理トレイ58上にはシートが不図示の搬送ローラから搬出される毎にシート搬送方向から交差する幅方向に移動する整合板59が設けられている。この整合板59は、図19の整合板モータ59Mにより移動され、シート幅方向の両側にシートを挟むように設けられている。これにより、整合板59が互いに間隔が狭くなる方向に移動してシートの幅方向の揃えを行う。処理トレイ58は、不図示の排紙口と、下方に傾斜し、その端部に戻しパドルなどによってスイッチバック搬送されるシートを突き当てるための基準ストッパ62が配置されている。
図1で示される綴じ処理ユニットとしての綴じユニット60は、金属のステープル針を使用することなくシート同士を加圧歯により圧着して綴じる圧着綴じを採用し、さらに圧着の際に液体をシートに加えて綴じる、いわゆる加水圧着綴じが可能となっている。なお、以下においては、水を含む液体を付与することを、説明上「加水」と表現する場合がある。また、綴じユニット60は、マニュアル綴じや水分補給の際には、図1のHP(ホームポジション)位置に位置する。また、綴じユニット60は、フロント綴じやリア綴じ、2ヶ所綴じの場合には、各対応する位置に移動する。
[加水圧着綴じの構成]
ここから、図2(a)以降の図を参照しながら、シートの綴じ位置に液体を付与してから圧着する綴じユニット60について説明する。図2(a)及び図2(b)は(加水圧着)綴じユニット60の斜視図で、図2(a)は背面側、図2(b)は正面側を示す。図3(a)及び図3(b)は、綴じユニット60の側面図で、図3(a)はシート処理装置のリア側から、図3(b)は同フロント側から見た図である。
図2(a)、図2(b)、図3(a)および図3(b)に示すように、綴じユニット60は、シートに水分を加えるともに加圧歯の一方の昇降する図5(a)及び図5(b)の加圧歯82を有する加水加圧部80と、受け歯130を有する受け歯部126と、シートに水分を加える補液ポンプ部(補液ポンプユニット)150を含んで構成される。上記の一対の加圧歯を構成する一方(上側)の加圧歯82は、ゴム板などからなる弾性部材92で囲われて加圧歯支持部84に設けられている。
また、他方(下側)の加圧歯となる受け歯130は、受け歯支持部128に支持されて受け歯部126を構成している。この加圧歯82と受け歯130との間に処理トレイ58に戴置されるシート(束)を挟んで位置するようになる。綴じ処理を行うときには、加圧歯82はシート束の最外のシートに当接し、受け歯130はシート束の最下位のシートに当接する。そして加圧歯82と受け歯130でシート束を挟持して加圧する。
図3(b)に示すように、上記の加圧歯82の裏面側にはシートに付与する液体を保持する図5(a)及び図5(b)の液溜り部88を構成する円筒状のシリンダー90が配置される。その上方には後に説明する加圧ピストン104の円周方向外側にシリンダーガイド108が位置している。この加圧ピストン104とシリンダー90で付与する液体の加圧部材(加水部材)を構成している。
下方で受け歯130は、受け歯支持部128に支持され、この受け歯支持部128はシートの下面も支持する。また、この受け歯支持部128の下方には、シートに付与した残液を受ける排液皿133が配置されている。
また、図3(a)から分かるように、加圧歯82や受け歯130の後ろ側に隣接して、上記の液溜り部88に液体を補充する補液ポンプ部となる補液ポンプユニット150が綴じユニット60の外フレーム120内に収容されている。この補液ポンプユニット150も後に説明するが、液溜り部88に液体を供給する補液ピストン部154と、この補液ピストン部154を移動する補液ヘッド部156と、補液する液体を貯める補液タンク174からなる補液タンク部152とを含んで構成されている。図2(a)では、この補液タンク174を覆うポンプ保持カバー192が見えている。
ところで、上述した液溜り部88を構成するシリンダー90の左右には、加圧歯82および弾性部材(ゴム板)92を支持する加圧歯支持部84と加圧歯82を昇降する押え板102との間に圧縮スプリング96が配置してある。
上記の押え板102の駆動は、受け歯支持部128と外フレーム120で区画されたスペースに配置された駆動モータ(図19の綴じモータ60M)によって行われる。この綴じモータ60Mからの押え板102までの駆動は次のように構成されている。すなわち、図2(a)および図3(a)に示されるようにリア側の外フレーム120には、駆動モータとしての綴じモータ60Mの出力軸に設けられたモータ出力軸ギア136に中間ギア138が係合している。
この中間ギア138の回転は、移動カム145を回転するカムギア140と、補液タンク底部175を支持する位置としない位置に移動する支えラック144を移動するピニオンギア142に伝達されている。なお、このピニオンギア142は、中間ギア138から伝達を受け軸とともに回転するピニオンギア142aとこの回転軸とのワンウェイクラッチ147を介在して支えラック144に伝達するピニオンギア142bとを含んで構成されている。これにより駆動モータ60の回転方向により、支えラック144を移動するか否かが選択され、必要時のみ補液ピストン部154を作動する。この点については後述する。
移動カム145は、外フレーム120のフロント側とリア側の両側に配置されている。これによって移動する回動アーム134も外フレーム120に取り付けられたアーム支点146によって回動するように両側に取り付けられている。この回動アーム134は、外フレーム120と間に張設された戻しスプリング149によって、アーム後端143が常時移動カム145に当接する状態に維持されている。
一方、回動アーム134の先端側のアーム先端スリット148には、押え板102板の押え板102の上移動ピン110が挿入されている。従って、移動カム145が回転すると、回動アーム134もその先端側が上下に移動して押え板102を昇降移動する。なお、押え板102はその前方側(加圧歯82側)において、上移動ピン110、下移動ピン112が外フレーム120の案内スリット124に挿入されている。
押え板102の後方側(補液ポンプユニット150側)も、後案内ピン116が外フレーム120の案内スリット124に挿入されている。そして、上記の上移動ピン110が回動アーム134のアーム先端スリット148にも挿入しているので、回動アーム134により押え板102が昇降移動する構成となっている。従って、押え板102と回動アーム134が移動部材を構成していることになる。
上記の押え板102は、加水加圧部80を昇降移動するが、これについて図4(a)から図7(b)を参照して説明する。図4(a)及び図4(b)は綴じユニットの加水加圧部80の斜視図で、図4(a)は側方、図4(b)はやや上方からの斜視図である。また、図5(a)及び図5(b)は加水加圧部80の断面説明図で、図5(a)は正面、図5(b)は側面を示している。
この加水加圧部80は、押え板102と、加圧歯支持部84と、これらの間に介在する圧縮スプリング96とを含んで構成されている。加圧歯支持部84のシートに接する側には、加圧歯82とこれを囲むゴム板からなる弾性部材92が設けられている。加圧歯82の裏面側(加圧歯裏面側)には、加圧歯支持部84と一体に形成された円筒状のシリンダー90と上記の圧縮スプリング96が巻回される案内バー94がシリンダー90の両側に設けられている。この案内バー94の先端は押え板102の案内孔114に常時挿通されている。
上記のシリンダー90は、図5(a)及び図5(b)に示したように、その高さ方向の約1/3がシートに付与される液体を保持する液溜り部88が形成されている。また、このシリンダー90には後述する補液ポンプユニット150からの液体を受け入れる補充口98が切り欠き形成してある。図示のものは加圧歯82も一体に形成され、この加圧歯82には液溜り部88の液体をシートに付与できるように給液孔(給液管)86が開口してある。
上記のシリンダー90の上方には、このシリンダー90に挿入して液溜り部88の液体を加圧して加圧歯82の給液孔から付与するように加圧移動する加圧ピストン104が位置している。この加圧ピストン104は、その上方端で押え板102に固定して取り付けてある。この加圧ピストン104のシリンダー90への挿入部分には、円周上にピストンパッキン106が巻いてある。図5(a)及び図5(b)のピストンパッキン106は一箇所に巻いてあるが、二箇所以上にすれば液体を付与するときの加圧を強くすることができる。
上記の押え板102には、シリンダー90の外側に移動するシリンダーガイド108が設けられていて、加圧ピストン104の挿入および液体を加圧する付与動作がスムーズに行えるようにしている。また、押え板102には、案内孔114と、外フレーム120の案内スリット124に挿入する上移動ピン110と下移動ピン112、および後案内ピン116が固定して設けられている。このうち上移動ピン110は、他のピンよりも外側に向かって長くなっている。これは、外フレーム120外側を回動する回動アーム134のアーム先端スリット148に挿入できるようにするためである。
上記のように構成された加水加圧部80が、回動アーム134によって圧縮された状態を図6(a)、図6(b)、図7(a)および図7(b)に示してある。図6(a)はやや上方、図6(b)は下方からの斜視図である。この圧縮状態にする回動アーム134の動作については、追って図14(a)~図14(c)から図13(a)~図13(c)で説明する。
この圧縮状態図は、それぞれ回動アーム134によって押え板102は、受け歯支持部128に当接状態であり、案内バー94に巻回された圧縮スプリング96が圧縮され、案内バー94が押え板102の案内孔114が突出している。図6(b)は、この状態を受け歯支持部128側から見た図であり、給液孔(給液管)86が設けられた加圧歯82の周囲は、ゴム板などからなる弾性部材92で囲っている。これは、まず、シート束にこの加圧歯支持部84が押圧してから、液溜り部88の液体を加圧ピストン104で付与するが、その際に加圧歯82で圧着する範囲以外に付与した液体が広がるのを防ぐためである。
図7(a)及び図7(b)は、加水加圧部80の断面図で、図7(a)はシリンダー90および案内バー94を横切る方向の正面断面図で、図7(b)は、図7(a)と交差する方向にシリンダー90を横切った断面図である。そして、これらの図では、シリンダー90内の液溜り部88に保持された液体は、加圧ピストン104により、加圧歯82の給液孔(給液管)86を通じてシート束の最外のシートに付与され、シート束に浸透する。そして、液体が浸透したシート束を受け歯130との間で歯合するように、さらに加圧ピストン104で押え板102の力を受けて押圧してシートを圧着する。
なお、シリンダー90は加圧ピストン104が上方から移動するに従って内径が狭まるように形成され、前に述べたようにその高さ方向の約1/3がシートに付与される液体を保持する液溜り部88が形成されている。この位置から加圧ピストン104で液溜り部88の液溜り部88を加圧して付与する。この上方側では、補液ポンプユニット150から吐出されて補充される液体を補充口98から液溜り部88に受け入れで次の加圧ピストン104の動作を待つことになる。従って、シートに一度に付与される液体はおおよそこの液溜り部88に保持される量となる。
[補液ポンプ部]
次に、この補充口98を通して、上記の液溜り部88に液体を補液する補液ポンプ部である補液ポンプユニット150について、図8から図10を参照しながら説明する。この補液ポンプユニット150は、既に図2(a)及び図2(b)で説明したように、綴じユニット60の外フレーム120内に加圧歯支持部84や受け歯部126と同じように内装されている。従って、綴じユニット60の外から補液するパイプなどを這い回す必要がなくなり、扱いも容易で、装置もコンパクトになる。
補液ポンプユニット150について図面を参照して説明する。図8は、補液ポンプユニット150の断面説明図である。図9は、この補液ポンプユニット150の重要な構成要素である補液ピストン部154の分解斜視図であり、補液ピストン部154の拡大説明図で、図10は、これによる水吐出状態の拡大説明図である。
まず、図8に示されるように、補液ポンプユニット150は、押え板102で押圧され昇降移動する補液ヘッド部156と、液体を一旦保持し、上記の補液ヘッド部156に液体を吐出する補液ピストン部154と、この補液ピストン部154に補液する液体を貯留する補液タンク部152とを含んで構成されている。上記の補液ヘッド部156の昇降移動により補液ピストン部154から吐出される液体は、補液ヘッド部156から突出口が加水加圧部80の補充口98まで延設された補液ジョイント部158から液溜り部88に補液される。
補液タンク部152には、次の図9から図10によって説明する補液ピストン部154によって、液体が補液ジョイント部158に吐出されるごとに液体の減少に伴って移動する移動プレート176が昇降移動可能になっている。また、補液タンク部152の補液タンク底部175には、この移動プレート176の移動を可能とする空気孔178が設けられている。
次に、図9により、補液ヘッド部156に液体を吐出する補液ピストン部154について説明する。補液ピストン部154は、補液タンク部152に螺着するタンクキャップ172と、このタンクキャップ172に固定され補液タンク部152の液体を一時保持する補液シリンダー167が設けられている。なお、タンクキャップ172と補液タンク部152の補液タンク174との間には密閉用のシーリング171が設けられている。なお、タンクキャップ172は、綴じユニット60内では、加圧歯支持部84の補充口98下の湾曲部(図4(a)及び図4(b)、図6(a)及び図6(b))にはめ込まれて支持されている。
さらに、この補液シリンダー167は、上方に補液ヘッド部156の昇降移動により、同様に移動する上ピストン162が設けられている。この上ピストン162には、上スプリング169が巻回され、下方にはこの上スプリング169が同様に巻回されたポンプバルブ165が配置されている。このポンプバルブ165内には、補液シリンダー167下部との間に下スプリング170が巻回された下ピストン163が位置している。この上ピストン162の円周方向には、上記のポンプバルブ165に圧着して密閉する下ピストン突出部164が設けられている。この下ピストン突出部164の密閉は、下スプリング170によって行われる。
上記の補液シリンダー167の下端には、補液タンク174の液体を取り込んだり、補液シリンダー167を密閉したりするボール弁166が設けられている。このボール弁166は補液シリンダー167内部の内圧が大きくなると、補液シリンダー167の下端に位置し、内圧が減圧すると、補液タンク174の液体を取り込むように、やや上方に移動する。
以上からなる補液ポンプユニット150は、図10に示すように、補液ヘッド部156が押え板102の押圧されることにより下降すると、上ピストン162も下降する。この下降により巻回されている上スプリング169も押され、ポンプバルブ165を押す。このポンプバルブ165の下降により、ボール弁166弁は下端を塞いでいるので、補液シリンダー167の内圧が上昇する。
この補液シリンダー167の内圧が一定値を超えると、この内圧により補液シリンダー167と上ピストン162に巻回された上スプリング169が縮むことにより、ポンプバルブ165と下ピストン突出部164との間に隙間が生じる。この隙間から補液シリンダー167の液体が、図10に矢印で示したようにポンプバルブ165、下ピストン163上部、上ピストン162を通じて、補液ヘッド部156の補液ジョイント部158から液溜り部88に吐出される。補液タンク174の液体が減少すると、補液タンク174の減圧により移動プレート176が上昇し、常に補液タンク174内の液面を一定になるようにしている。
このように、押え板102の押圧の都度、補液タンク174の液体は、補液ジョイント部158を通じて加水加圧部80の補充口98に補液される。
以下、綴じユニット60において、処理トレイ58に戴置されたシート束の圧着綴じ動作を説明する。この綴じユニット60は、一対の加圧歯(加圧歯82と受け歯130)で圧着する際に、液体を付与せずに圧着する場合(加水なし圧着綴じ)と、圧着する箇所に液体を付与してから圧着する場合(加水圧着綴じ)とが選択的に実行できる。例えば、ユーザによる設定画面上での選択操作に応じて、実行可能とするようにしても良い。
[加水あり(加水加圧)綴じ]
図11(a)から図13(c)までにより、加圧歯82による圧着前に圧着範囲に液体を付与してから綴じる加水圧着綴じを行う動作を説明する。図11(a)~図11(c)は、綴じユニット60のフロント側からの状態説明図で、図12(a)~図12(c)はリア側からの状態説明図、そして図13(a)~図13(c)は、加水圧着綴じの断面説明図である。図11(a)、図12(a)、図13(a)は、加圧歯支持部84(加圧歯82)がシートから離間した状態を示す。図11(b)、図12(b)、図13(b)は、加圧歯支持部84(加圧歯82)がシートに圧接時の状態を示す。図11(c)、図12(c)、図13(c)は、シートに液体を付与して圧着した状態を示す。
図11(a)、図12(a)、図13(a)は、シート受入れ初期時を示し、処理トレイ58上に戴置され、シートは綴じユニット60の加圧歯82と受け歯130の間であって、受け歯支持部128上に戴置される。図面上、図11(a)~図11(c)および図12(a)~図12(c)はシートを省略し、図13(a)~図13(c)にはシートが積層された状態を示している。受け歯130を備える受け歯支持部128にシートが指定枚数積載されると、綴じモータ60Mの駆動を開始する。この場合綴じモータ60Mの回転方向は加水を行うため、図14(a)~図14(c)、図15、図16に示した加水せずに圧着する方向と逆方向に回転する。また、戴置するシートの枚数は5枚よりも多く、本実施形態では例えば8枚である。
すなわち、本例では加水あり綴じなので、フロント側では移動カム145が反時計方向に、リア側では時計方向に回動する方向に綴じモータ60Mを駆動する(図12(a)~図12(c)では時計方向駆動モータ)。この移動カム145は、回転位置を中心として対称の形状となっているので、ここでも移動カム145の突出する側が回動アーム134の先端を押し下げる方向に移動する。一方、中間ギア138に係合するピニオンギア142(ピニオンギア142b)は、ワンウェイクラッチ147の作用により、支えラック144の突起部141で補液タンク底部175を支える方向に移動を開始する。
ここで、上記の支えラック144は、綴じモータ60Mの一方向回転(図12(a)~図12(c)では時計方向回転)でピニオンギア142(ピニオンギア142b)と軸との間に介在するワンウェイクラッチ147が歯合して補液タンク底部175を支える位置に移動する。この移動により補液タンク底部175は固定され、補液ヘッド部156を押え板102で押圧すると補液ピストン部154が作動して、補液タンク174内の水が補液ジョイント部158を介して液溜り部88に補液供給できる。なお、図13(a)~図13(c)に示してあるように、支えラック144と外フレーム120との間には、軸が逆転すると係合がはずれ元の位置に復帰させるラック戻しスプリング139が介在している。
引き続き、図11(b)、図12(b)、図13(b)では押え板102が下降し、加圧歯82を有する加圧歯支持部84をシート束の最外シートに密着させる。その状態で押え板102を加圧すると加圧歯支持部84との間に介在する圧縮スプリング96により加圧歯支持部84をシートに押圧する。加圧歯支持部84には加圧歯82側に、これを囲う弾性部材(ゴム板)92が設けられおり加圧歯82とシート面との間に隙間が生じないように圧接させる。ここでは、70kgfから100kgfの力がシートに作用するように設定されている。なお、この段階では、補液ピストン部154の動作により液溜り部88に液体は保持されているが、加圧ピストン104がシリンダー90との間で加圧する位置に到来してないので、加圧による加水は行われていない。
次に、図11(c)、図12(c)、図13(c)の状態では、加圧歯支持部84がシートに密着した状態で、さらに移動カム145により回動アーム134を移動して押え板102を下降する。そうすると、加圧ピストン104がシリンダー90内部に挿入され、液溜り部88の液体を加圧歯82給液孔(給液管)86からシートに加水する。加水完了後も押え板102は移動カム145によりシートを圧着する方向に移動し、これにより加圧ピストン104が加圧歯82を受け歯130側に押圧してシートを圧着する。この際の圧着は、加水なしの圧着力よりも弱く300kgfから400kgfで圧着可能で、ここでは、350kgfになるように綴じモータ60Mのへの電圧をコントロールして、加圧力を発生させている。
既に説明しているように、補液ポンプユニット150は、補液ヘッド部156と補液タンク底部175とを支えラック144で挟んで、補液ヘッド部156を押下することによって補液ピストン部154からの液体を液溜り部88に補充する。すなわち、図13(b)から図13(c)に示されているように、補液タンク底部175には支えラック144が位置し、補液ポンプユニット150は固定される。これによりこの補液ピストン部154から液体が吐出され、液溜り部88には液体が補液される。なお、ここでは、処理トレイ58に8枚のシートに対して、加水あり圧着綴じを行っている。
[加水加圧部の加圧歯および受け歯]
ここからは、図14(a)~図14(c)で加水加圧部80の加圧歯82、受け歯130を説明し、図15でこれらの歯合状態と給液孔(給液管)86の位置について説明する。まず、図14(a)は加圧歯の平面説明図で、これまでも説明しているように加圧歯82のシートと歯合する裏面側にシートに加水する液体を保持するシリンダー90が設けられている。このシリンダー90は一部が切りかかれた円柱形状で構成され、加圧ピストン104が液体を加圧して加水する範囲(液溜り部88範囲)と、これよりも径が大きく加圧ピストン104の挿入ガイドと補液ポンプユニット150からの液体を受け入れる補液口118とを含んで構成されている。
図14(b)は、図14(a)の二点鎖線の加圧歯82と受け歯部126の断面説明図である。この図から明らかなように、加圧歯支持部84は加圧歯82と裏面側のシリンダー90と案内バー94が一体に形成されている。これにより強度と組み立てやすさを確保している。この加圧歯支持部84に対向する位置に、加圧歯82と歯合する受け歯130(受け歯部126)とその下には加水した残りの液体(残液体)を一時保持する排液皿133が設けられている。
そして、加圧歯82の傾斜部に液溜り部88の液体をシートに加水可能とするための給液孔(給液管)86が複数個所に開けられている。また、受け歯130にも傾斜部に加圧歯支持部84でのシート押圧時の空気と加水時の残液体を通す外部への連通孔132が設けてある。なお、給液孔(給液管)86よりも連通孔132の通過する容量を大きく形成されていて、空気や残液体抜きを効率的行うように形成している。
図14(c)は、加圧歯支持部84を加圧歯82側の底面から見た図であり、加圧歯支持部84に加圧歯82を囲うゴム材からなる弾性部材92が貼り付けられている。これにより、加圧歯支持部84を圧縮スプリング96でシートに押圧する過程で、加圧歯82周辺の隙間をなくして、付与した液体が圧着する加圧領域外に広がることを低減している。
[給液孔(給液管)と連通孔の配置]
次に、図15は、図14(a)~図14(c)の加圧歯82に形成した給液孔(給液管)86と受け歯130に形成した外部(排液皿133)への連通孔132について説明する。図15は、加圧歯82と受け歯130を説明するために拡大したもので、加圧歯82は、受け歯130と歯合してシート束に凹凸を形成し繊維を絡ませるように、受け歯130に突出する山部82aと凹んでいる谷部82bとこれらを形成する傾斜部82c綴じとを含んで構成される。また、受け歯130も同様に受け山部130aと受け谷部130bと受け傾斜部130cとを含んで構成される。
そして、シリンダー90内の液溜り部88からの液体を加圧ピストン104の押圧により加圧歯82に形成された給液孔(給液管)86から吐出させる。その際、給液孔86は、図示のように傾斜部82cの複数個所から液体が吐出するように配置される。この配置により、図15の二点鎖線内に示すようにシートに凹凸を形成するように加圧歯82と受け歯130が歯合すると、傾斜部82cと傾斜部130cにおいてシートの繊維(紙の場合はセルロース繊維)が解けることを確認した(図示の相反矢印)。
この最も繊維がほぐれる傾斜の位置に液体を加水すると、液体が浸透し易く、その後の更なる加圧で繊維の絡まりがされ易い。これにより、本実施形態では、加圧歯82の傾斜部82cに、加水する給液孔(給液管)86を配置している。また、受け歯130の受け傾斜部130cにも、空気や残液を抜きやすいように給液孔(給液管)86より容量を大きくした連通孔132を設けている。
[加圧歯支持部と受け歯支持部]
次に、図16と図17(a)~図17(c)により、加圧歯支持部84と受け歯支持部128の位置と、これらの間で挟持押圧されるシートの位置との関係について説明する。図16は、既に図1で説明した処理トレイ58のフロント側でシートの角部に圧着綴じを行う場合のシート位置を示している。ここでは、シートの角部を圧着する際には、加圧歯82と、加圧歯82に歯合する受け歯130と、がシートを加圧する加圧領域が、シートに含まれるように、シートを位置させる。また、加圧歯82を支持する加圧歯支持部84と、受け歯130を支持する受け歯支持部128と、がシートの角部よりL3分外側になるように、シートの位置が規制される。これとともに、加圧歯支持部84と受け歯支持部128は、加圧歯82から加水される液体が浸透する位置よりもL2分シートの重心側に入った、加水がされていない(加水による水分が浸透していない)位置に当接する。
図17(a)~図17(c)は、本実施例における、シートに対して液体を付与した液体付与領域(以下、付与領域)と、加圧歯82と受け歯130によるシートの加圧領域と、の関係を示す図である。付与領域と加圧領域とを重ねることで、液体を付与しない場合よりも、シート束の圧着力を向上することができる。
図17(a)は、図16の線Scで断面とした図である。これによれば、加圧歯82と受け歯130は、付与領域L1を加圧している。
図17(b)では、付与領域L1が加圧領域の範囲を超えて、シート重心側に入り込んでいる。この場合であってもシート束の圧着力を向上することはできるが、加水によりシートの繊維が解れた状態のままになってしまう。そのため、シートの重心側の位置で、シートが千切れやすくなってしまう。また、液体を付与されたシートが加圧されない状態で放置されると、シートの付与領域にしわが寄ってしまい見栄えが悪くなる。
図17(c)では、付与領域L1が加圧領域よりも大きく、シート端部側にはみ出している(L5部分)。この場合であっても、シート束の圧着力を向上させることはできるが、加圧されていないシートの端部側がバラバラになりやすい。図17(a)に示すように、付与領域が加圧領域の一部となるように配置することで、シート束の外観を損ねることなく、シート束の締結力を向上することができる。
なお、以上の説明では、図1で説明した処理トレイ58のフロント側を示した。しかし、処理トレイ58のリア側でも同様にシートを処理することで、同じ効果が奏することは言うまでもない。
ここで、図14(a)~図14(c)から図13(a)~図13(c)で説明した液体を付与せずに圧着する場合と、液体を付与して圧着する加水圧着綴じを行う際の切り分けの基準となる所定枚数および圧着と液体を付与する枚数について図18(a)~図18(d)で説明する。
図18(a)は、加圧歯とシートによる所定枚数関係を説明する図で、一対の加圧歯として上方が加圧歯82であり、下方が受け歯130を模式的に示している。この図に示すようにシートに凹凸への形成は、この相互の歯合する歯の高低差lhで、言い換えると山部82a部の頂部と谷部82bの底部の距離で構成されている。通常この高さは0.4mmから0.6mm程度に形成され、ここでの加圧歯82受け歯130の歯合は、0.5mmに設定している。
一方、通常のコピー紙として使用されるシートは68g/平方メートル紙であり、厚さlpは、0.1mmほどである。従って、このシートに液体を付与せずに凹凸を形成するには5枚が適当である。5枚を超えると、液体を付与せずに綴じたシート同士の圧着力が弱くなる。従って、ここでの加水圧着綴じユニット60で液体を付与せずに圧着綴じをする所定枚数を5枚とする。5枚を超える枚数を閉じるときは、シートに対して液体を付与し、一旦シートの紙繊維を解してから圧着するために、加水圧着綴じを行う。その他の形態として、上記の歯合する歯の高低差が0.6mmあるならば、所定枚数は6枚となり、高低差が0.4mmならば所定枚数は4枚になる。
以上のように、所定枚数以下のシートを綴じるときには、液体を付与せずに圧着綴じを行い、所定枚数を超えるシートを綴じるときには、液体を付与して加水圧着綴じを行う。
[制御構成の説明]
ここから、図19のブロック図により、画像形成システム1の制御構成を説明する。図19に示す画像形成システム1は、画像形成装置とシート処理装置とを含む。画像形成装置は、画像形成装置を統括的に制御する画像形成制御部200を備え、シート処理装置は、シート処理装置を統括的に制御するシート処理制御部205(制御CPUを含む)を備える。
画像形成装置では、画像形成制御部200は、給紙制御部202と入力部203に通信可能に接続されている。モード設定部201は、この入力部203に設けられたコントロールパネル26から(1)プリントアウトモードと、(2)ジョブ仕分モードと、(3)綴じ処理モードと、(4)製本(中綴じ)処理モードと、さらには(5)マニュアル綴じモードの各設定を選択的に受け付けて動作モードを設定する。
シート処理制御部205は、制御CPUを含み、モード設定部201により設定された動作モード(シート処理モード)に応じて、シート処理装置を動作させる。このシート処理制御部205は、動作プログラムを記憶したROM207と、制御データを記憶するRAM206と通信可能に接続されている。また、このシート処理制御部205には、各種センサ入力部220から検出情報を取得している。
[各種センサ入力部]
各種センサ入力部220には、画像形成装置から画像形成が行われたシートの搬送を検出する入り口センサ38を有し、シートの先後端を検出して主な各種モータ駆動を管理している。入り口センサ38の下流側には、シートのジャムなどを検出するシートセンサ39が位置している。また、処理トレイ58にはシートが載置されているか否かを検出する処理トレイエンプティセンサ58Sが設けられている。そして、排紙ローラによって排出されたシートを徐々に下降しながら集積する積載トレイ34の紙面を検出する積載トレイ位置センサ34Sが設けられている。これらのセンサ以外にも、パンチユニット、綴じユニット60の位置検出、中綴じユニットの動作検出などのセンサが設けられても良い。
[各種モータなどの出力部]
上記のシート処理制御部205には、シートを搬送する搬送制御部210が設けられている。この搬送制御部210は、シートを搬入するための搬入ローラモータ41Mと、処理トレイ58にシートを搬送するための搬送ローラモータ48M、処理トレイ58からシートを排出するための排紙ローラモータ52Mを制御する。
また、搬入ローラモータ41Mで駆動される搬入ローラで搬入されたシートの後端に穿孔処理するためにパンチ制御部211が設けられている。このパンチ制御部211は、シートの幅方向の指定位置に穿孔するパンチモータ40Mを制御する。さらに、処理トレイ制御部212は、処理トレイ58に搬出したシートをシート幅方向の両側から挟んで整合する整合板59を移動する整合板モータ59Mを制御する。
綴じ制御部213は、綴じモータ60Mと、綴じユニット60をシート幅方向の指定位置に移動する綴じユニット移動モータ60SMを制御して、図1に示したような二箇所綴じや角のコーナ綴じをするようにする。綴じられたシート束は、束移動ベルトと排紙ローラモータ52Mにより駆動される排紙ローラで積載トレイ34に排紙される。その際、排紙口に対してシートの上面の位置が常に一定となるように、トレイ昇降制御部214は、積載トレイ位置センサ34Sの検出により集積トレイモータ34Mを制御する。
シート処理制御部205は、図示した以外のブロックを含んでも良い。例えば、製本(中綴じ)処理のためのスタッカ制御部215、中綴じを行う中綴じ制御部216、折り・排出制御部217など、実行可能な後処理に対応したブロックを備えても良い。
なお、綴じ処理モードと、マニュアル綴じモードのそれぞれにおいては、綴じ位置に加水して綴じる加水綴じモードと、加水せずに綴じる加水なし綴じモードを実行可能である。ここでは、シート処理制御部205は、画像形成制御部200からの綴じシート枚数情報を取得し、そのシート枚数に応じて、加水圧着綴じモードまたは加水なし綴じモードを設定する。
なお、この綴じシートが所定枚数以下か、あるいは所定枚数を超えるかの判別を行う判別部は、綴じ制御部213、シート処理制御部(制御CPU)205、画像形成制御部200のいずれで行われても良い。更には、加圧歯82と受け歯130とに挟まれ加圧するシートの束を公知の方法で測定して枚数に換算し、シート束の枚数に応じて加水綴じモードと加水なし綴じモードとを切り替えても良い。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。これまでの実施の形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、この明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。