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JP7085828B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Description

本発明は、エッチング、アッシング、CVD(Chemical Vapor Deposition)等、プラズマを用いて真空処理室内に配置された半導体ウエハ等の基板状の試料を処理するプラズマ処理装置に係り、特にECR(Electron Cyclotron Resonance)を用いてプラズマを形成して被加工膜をエッチングするプラズマエッチング処理装置に関する。
半導体デバイス製造においてプラズマエッチング、プラズマCVD、プラズマアッシング等のプラズマ処理が広く用いられている。プラズマ処理装置の一つであるエッチング装置においては、デバイス量産性の観点から、一台のエッチング装置で、異方性加工と等方性加工の両立が求められている。異方性加工はウエハに垂直に入射するイオンを主体としたイオンアシスト反応で、等方性加工には等方的に拡散してウエハに入射するラジカルが主体となる化学反応で実現できる。
一般に、低圧ではイオン密度が高くなってイオン主体のエッチングが、高圧ではラジカル密度が高くなってラジカル主体のエッチングができる。したがって、エッチング装置は、0.1Pa程度の低圧から数十Paの高圧までの広範な圧力範囲で動作できることが望ましい。更に、デバイス量産性を確保するためには、このような広範な圧力範囲において、ウエハ面内で均一にエッチングできることが必要である。最先端のデバイス製造においては、量産性向上のためにウエハ径が大型化しており、ウエハ面内で均一にプラズマ処理をすることの技術的難易度が増している。
プラズマを生成する技術としては、ECRを利用するものや誘導結合や容量結合等を利用するものが知られている。ECRによるものでは、誘導結合や容量結合等他の技術では困難である1Pa以下の低圧力において効率的にプラズマを生成できることが知られている。
ECRは、電子サイクロトロン共鳴と呼ばれる。真空装置に磁界を印加すると磁界中の電子は磁力線を中心にサイクロトロン運動と呼ばれる回転運動をする。そこへ、その回転の速さに合わせた周波数のマイクロ波を入射すると、サイクロトロン運動と電界とのエネルギー共鳴が起こり、電界エネルギーが電子に吸収される。これを電子サイクロトロン共鳴と言い、電子を有効に加速し大きなエネルギーを与えることができる。この高エネルギーの電子がガス分子または原子に衝突して、電離および解離してプラズマが生成される。このようにして発生させたプラズマをECRプラズマと呼ぶ。
処理室内の圧力が比較的低圧であれば、電子の平均自由行程が十分に長いため電子をECRで十分に加速させてからガスの分子や原子と衝突させることができるため原子や分子を効率的に電離、解離させることができる。そして、低圧においてECRを用いてプラズマを形成するものでは、結果的にECRの条件を満たす等磁場面の近傍で密度の高いプラズマが生成される。
通常、処理室の上方及び側方に配置された電磁コイルにより形成される磁場によるECRの条件を満たす等磁場面は処理室内において水平方向に面状に広がるため、処理室内のECRによるプラズマもこれに沿って面状に広がった領域に形成される。したがって、比較的均一なプラズマ処理が実現できるとされている。
しかし、処理室内の圧力が相対的に高い場合には、電子の平均自由行程が短くなり、電界に沿って移動する電子は短い距離を移動してガスの原子や分子と衝突して電離や解離を生起することになる。このため、処理室内のプラズマが生成される領域は、ECRの条件を満たす等磁場面近傍ではなく、電磁波を入射する誘電体窓の直下であって、かつ、導波管の直下の処理室の中心軸近傍に局在化する。したがって、比較的高圧の場合、ウエハの面内方向において、被加工膜のエッチングレートが凸分布となり、ウエハ面内でエッチング量が不均一となる。つまり、ウエハの中央部のエッチングばらつきが、外周部に比べて大きくなる。
このような処理室の中心軸近傍にプラズマの密度あるいは強度が高い部分が集中して形成されて試料表面の面内方向についての処理特性が不均一となるという課題を解決するための従来の技術としては、例えば特開平9-148097号公報(特許文献1)や特開2013-211270号公報(特許文献2)が挙げられる。
特許文献1のECR方式を用いたプラズマ処理装置は、放電室(処理室)と、電磁波伝送部との間に配置された誘電体窓と、誘電体窓の下部に配置された電磁波反射板および補助反射板と有している。そして、電磁波反射板と補助反射板との間に形成されたリング状電磁波放射口から電磁波を放電室内に入射させ、ECR面にリング状プラズマを生起させることにより、試料を覆う均一なプラズマを形成している。こうして、均一性が高いプラズマ処理を実現している。
また、特許文献2は、磁場を用いずにマイクロ波のみでプラズマを生成する方式のプラズマ処理装置に関する。プラズマ処理装置は、処理容器(チャンバ)の上方に配置されマイクロ波の電界が内部を伝播する導波管と、処理容器の上部を構成し伝播されたマイクロ波の電界が透過して処理容器内に導入される誘電体窓と、導波管と誘電体窓との間に配置された円環状のリングスロットと、誘電体窓の処理容器側に配置され、誘電体窓を透過したマイクロ波の電界を遮蔽する遮蔽板とを備える。遮蔽板を設けたことで、処理容器内に中心部に密度或いは強度の高いプラズマが形成されることを抑制し、試料の面内方向において、プラズマ処理の不均一を低減している。
特開平9-148097号公報 特開2013-211270号公報
特許文献1および2には、更なる改善の余地があることが判明した。
すなわち、ECRを用いたプラズマ処理装置では、0.1~数十Paの広範な圧力範囲においてプラズマ処理の特性、例えばエッチングレートを均一化することは技術上困難であった。特に、処理室内の圧力が相対的に高い条件では、導波管の直下の領域で、処理室内に密度あるいは強度が高いプラズマが形成され、試料表面の中心から外周側に向かう径方向についてのエッチングレートは、中央部が高く外周側に向かうにつれて小さくなる所謂凸分布となってしまい、加工後の形状バラ付きが大きくなり、エッチング処理の歩留まりが低下するという問題が確認された。
例えば、特許文献1及び特許文献2記載のように処理室内の中心軸に合致させてマイクロ波を遮蔽する遮蔽板を配置した構成は、処理室内の圧力が相対的に高い条件では、エッチングレートの不均一性を改善できる。しかしながら、遮蔽板が存在するため、処理室内の圧力が相対的に低い条件で問題が発生することが本願発明者の検討により判明した。つまり、遮蔽板が存在することで、プラズマの密度あるいは強度の高い領域がリング状に分布するプラズマが処理室内に形成され、エッチングレートが中心から外周側に向かうに連れて高くなる凹分布になり、エッチング処理の歩留りが低下することが判明した。
このような場合には、広範な圧力範囲において試料表面の径方向についてのプラズマ処理特性のバラ付きを低減して均一に近づけるためには、処理室内の圧力に応じて遮蔽板の配置を変更する、あるいは着脱することが必要となる。その場合、遮蔽板の着脱の度に処理室を大気圧またはこれと見做せる程度の圧力にして内部を開放する大気開放と、配置の変更や着脱の後に再度の処理室内部の減圧が必要となり、プラズマ処理を実施できない非稼働時間が増大してしまう。
また、誘電体窓の直上の大気側の箇所に遮蔽板を配置する例を検討する。誘電体窓は処理容器(真空容器)内外の圧力差に起因する外力に耐える強度を得るため一般に数十mm以上の厚みを備えている。マイクロ波の電界が誘電体窓の内部を伝播して処理室中心部に回り込むため、処理室内の中心部にプラズマの密度や強度の高い領域が形成されてしまうことになり、プラズマ処理の不均一さを低減することができなくなり、例えば、エッチング処理工程の歩留まりが低減するという問題が生じていた。
本発明は、広範な圧力範囲において、試料(ウエハ)面内で均一なプラズマ処理を可能とするプラズマ処理装置を提供する。
上記課題を解決するために、一実施の形態のプラズマ処理装置は、第1のプラズマが形成される処理室と、マイクロ波の電界を処理室に伝送する円形導波管と、処理室内に配置され、試料が載置されるステージと、円形導波管と処理室との間に配置され、第1のプラズマを形成するためのマイクロ波の電界が透過する仕切り板と、円形導波管と仕切り板との間に配置され、マイクロ波の電界が透過するマイクロ波導入窓と、を有する。プラズマ処理装置は、さらに、マイクロ波導入窓と仕切り板との間に、第2のプラズマを形成するための放電空間を備えている。
本発明によれば、広範な圧力範囲におけるプラズマ処理において、試料の加工歩留まりを向上させるプラズマ処理装置を提供できる。
本発明の実施例1に係るプラズマ処理装置の構成の概略を模式的に示す断面図である。 本発明の実施例1に係るプラズマ処理装置の内部でエッチング処理される試料の面内方向におけるエッチングレートの分布を示すグラフである。 変形例1に係るプラズマ処理装置の一部分の構成を模式的に示す断面図である。 変形例2に係るプラズマ処理装置の一部分の構成を模式的に示す平面図である。 変形例3に係るプラズマ処理装置の一部分の構成を模式的に示す断面図である。 変形例4に係るプラズマ処理装置の一部分の構成を模式的に示す断面図である。
本発明の実施の形態を、以下図面を用いて説明する。
〔実施例1〕
実施例1を図1及び図2を用いて以下説明する。
図1は、本発明の第1の実施例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を模式的に示す断面図である。図2は、本発明の実施例1に係るプラズマ処理装置の内部でエッチング処理される試料の面内方向におけるエッチングレートの分布を示すグラフである。
実施例1は、処理室の圧力が比較的低圧(1Pa以下)の場合には、第2プラズマを発生することなくエッチング処理を実施し、処理室の圧力が比較的高圧(数Pa以上)の場合には、第2プラズマを発生させてエッチング処理を実施するプラズマ処理装置に関する。
図1に示すプラズマ処理装置100は、例えば、プラズマエッチング処理装置である。プラズマ処理装置100は、円筒形状を有した真空容器(チャンバ)26を有し、真空容器26内には、マイクロ波導入窓8、第2放電空間12、仕切り板9および処理室11等が設けられている。そして、処理室11には、複数の貫通孔を有するシャワープレート10およびステージ19が設けられている。ステージ19上には、プラズマエッチング処理が施される半導体ウエハ等の基板状の試料18が配置される。なお、試料18には、被加工膜である絶縁層(または導体層)が形成されており、被加工膜上には、所望のパターンを有するマスク層(例えば、フォトレジスト膜)が形成されている。そして、試料18にプラズマエッチング処理が施されると、マスク層から露出した領域の被加工膜が除去され、マスク層に覆われた領域に被加工膜が選択的に残る。
プラズマ処理装置100は、真空容器26上方及びその側方に配置され、処理室内部に第1のプラズマ101を形成するために供給される電界及び磁界を生起するプラズマ形成部と、真空容器26の下方であって、処理室11の底部に配置された排気開口27と連通して処理室11内部の粒子を排気するターボ分子ポンプ等の真空ポンプ21を含む排気部と、を備えている。本実施例1のプラズマ形成部を構成する電界及び磁界を生起する手段は、真空容器26の外側の大気圧にされた雰囲気下に配置され、所定の周波数の電界を真空容器26の上方から処理室11に導入する導波路28と、導波路28の周囲で処理室11を囲んで配置された静磁界発生装置24とを備えている。
導波路28は、水平方向にその軸が延び断面が矩形状を備えた管路である方形導波管2と、この方形導波管2に接続されて上下方向に軸が延び、断面が円形を有した管路である円形導波管6と、これら方形導波管2と円形導波管6との間に配置されて方形導波管2内を伝播されてきたマイクロ波の電界を円形導波管6に向かわせる円矩形変換器5とを備えている。
方形導波管2の一端部には、本実施例1で用いられるマイクロ波の電界を発振して形成するマグネトロン等のマイクロ波源1が配置され、方形導波管2の他端部に円矩形変換器5が配置されて接続されている。方形導波管2のマイクロ波源1と円矩形変換器5との間には自動整合機3とアイソレータ4とを備え、マイクロ波源1で発振されたマイクロ波の電界は自動整合機3とアイソレータ4とを通り円矩形変換器5を介して円形導波管6に伝送される。
本実施例1ではマイクロ波源1には工業周波数としてよく用いられる2.45GHzのマグネトロンを用いた。しかし、本発明はこの周波数に限定するものではなく、数十MHzから数十GHzの電磁波を用いてもよい。
自動整合機3は、負荷インピーダンスを調整し、処理室11に向けて伝播したマイクロ波の電界が反射されて円形導波管6または方形導波管2内をマイクロ波源1に向かって伝播する反射波を抑制して、マイクロ波の電界を処理室11内に供給する効率を向上させる。また、アイソレータ4は反射波からマイクロ波源1を保護する機能を備えている。
円形導波管6は、内部を下向きに伝播される電界が基本モードである円形TE11モードのみとなるようにその直径が選択される。これは、高次モードが含まれる場合、第1のプラズマ101を生成する際の安定性や均一性に悪影響を及ぼす場合があるためである。円形導波管6の下端部は、空洞部7に接続されており、空洞部7は真空容器26の上方で処理室11内部とその径が同じかこれと見做せる程度に近似した寸法にされた円筒形状を有する。円形導波管6内を伝播して空洞部7内に導入された電界は、径が大きくされた空洞部7内部でプラズマ処理に適した強度の分布となるように調節される。
空洞部7の下方で処理室11との間には、誘電体材料から構成されたマイクロ波導入窓8と仕切り板9とが配置され、これらが真空容器26の円筒形を有する側壁の上端部に載せられて、その内部の空間が減圧される処理室11と、放電空間12と、を真空容器26の外部の雰囲気から遮断している。仕切り板9の下方には、処理室11の天井面を構成する円板形状を有したシャワープレート10が配置されている。
マイクロ波導入窓8、仕切り板9及びシャワープレート10は、マイクロ波を効率よく透過し、かつ、耐プラズマ性を有する石英が用いられる。あるいはプラズマ耐性が高く、マイクロ波を透過する材料として、イットリア、アルミナ、フッ化イットリウム、フッ化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いても良い。
各々円板形状を有したマイクロ波導入窓8と仕切り板9とは上下方向にすき間を挟んで配置され、マイクロ波導入窓8と仕切り板9とは、真空容器26上部の蓋を構成する。また、マイクロ波導入窓8と仕切り板9とは、マイクロ波の電界が透過する窓部材である。これらの間のすき間は、真空容器26の外部および処理室11の雰囲気から遮断され、放電空間12を構成する。マイクロ波導入窓8は、放電空間12の上方でこれを覆って配置され、放電空間12の内部と外部とを区画する別の窓部材を構成している。つまり、マイクロ波導入窓8は、放電空間12を真空容器26の外部の雰囲気から遮断し、仕切り板9は、放電空間12を処理室11の雰囲気から遮断している。
円筒または円板形状を有した放電空間は、その一方の端部において第2のガス供給部13と第2のガス供給路31を介して連結されて連通され、さらに別の端部において第2のガス排気部15と第2のガス排気路32を介して連結されて連通されている。第2のガス排気路32上にはコンダクタンス調整部14及び放電空間12内部の圧力を検知する圧力センサ16が備えられている。第2のガス供給部13から供給される第2のガスは、真空容器26に接続された第2のガス供給路31から放電空間12内に導入されて内部で分散した後、第2のガス排気路32を通りコンダクタンス調整部14を経由して第2のガスの排気部15によって排気される。
第2のガスの種類としては、マイクロ波導入窓8及び仕切り板9の表面において化学的反応による削れ、または、堆積膜の形成が起こらない不活性ガスが用いられる。例えば、不活性ガスとして、HeやArなどの希ガスを用いることが望ましい。第2のガス供給部13は、マスフローコントローラ等の流量調節器を含んでおり、放電空間12に導入される第2のガスの流量またはその速度を所望の範囲内の値に調節する機能を有している。
第2のガス排気部15としては、例えばロータリーポンプ等の粗引き用のドライポンプが用いられる。また、コンダクタンス調整部14としてはオリフィスのような絞り、もしくは、開度によって第2のガス排気路32の流路断面積を増減する可変バルブが用いられる。このように第2のガス排気路32でコンダクタンスが調節することで、放電空間12内において第2のガスを均一に分散させて内部の圧力の不均一を抑制することができ、後述する第2のプラズマの強度または密度を所望の分布に実現することができる。
また、放電空間12の圧力は第2のガス排気路32のコンダクタンス調整部14の上流側に配置された圧力センサ16により検知される。そして、制御部29が圧力センサ16からの出力を受信し、制御部29内部に配置された演算器が、制御部29内部に配置されたメモリあるいはハードディスク、CD-ROM等の記憶装置内に予め記録されたソフトウエアのアルゴリズムに沿って検出した圧力の値に応じて算出した指令信号を第2のガス供給部13のマスフローコントローラあるいはコンダクタンス調整部14に発信してその動作を調節する。つまり、放電空間12の圧力の検出結果に応じて、制御部29が、第2のガス供給部13、第2のガス供給部13またはコンダクタンス調整部14の動作を調節して第2のガス流量を調整することにより、放電空間12の圧力を所望の値に調整することができる。
コンダクタンス調整部14として可変バルブを用いた場合は、制御部29からの指令信号に応じて放電空間12の圧力を、可変バルブの開度の増または減によって調整しても良い。また、放電空間12内の圧力を所定の範囲内にするために、圧力センサ16を利用しても良い。例えば、放電空間12の圧力が所定の許容の範囲内になったことを、圧力センサ16からの出力を制御部29が検出した後、制御部29からの指令信号によりコンダクタンス調整部14の可変バルブが駆動され、第2のガス排気路32が閉塞されるとともに第2のガス供給部13からの第2のガスの供給が停止されても良い。
仕切板9と円板形状を有したシャワープレート10との間のすき間は、第1のガス供給部17と第1のガス供給路33を介して連結されて連通されている。第1のガス供給部17からすき間に供給された処理用の第1のガスは、すき間内部で分散しシャワープレート10の中央部に配置された複数の貫通孔を通り処理室11内に下向きに供給される。複数の貫通孔は、シャワープレート10からの第1のガスを分散させて処理室11内に流入させることで、処理室11に供給される第1のガスの量の不均一さを低減する。
処理室11の下部には、ステージ19が備えられており、ステージ19上には、試料18が静電気力により吸着保持されている。処理室11の底面には排気開口27が配置され、ステージ19は排気開口27とシャワープレート10との間の高さ方向の中間の位置に保持されており、ステージ19の上下に処理室11を構成する空間をそれぞれ備えている。
排気開口27は排気部を構成する排気経路の上端であって、処理室11に連通する開口部であり、排気開口27と真空ポンプ21の入口との間を連結して連通する排気経路上にはコンダクタンス調節バルブ20が配置されている。制御部29からの指令信号によりコンダクタンス調節バルブ20が駆動されて排気経路を通した排気のコンダクタンスが増減される。そして真空ポンプ21の動作による処理室11からのガス、プラズマ、反応生成物等の粒子の排気の流量またはその速度が調節される。
なお、平面視にて、円筒形を有する処理室11、ステージ19及び円形を有した排気開口27の各々の中心は、プラズマ処理装置100の中心軸CAと合致あるいはこれと見做せる程度近似した位置に配置されている。そのため、シャワープレート10の複数の貫通孔から処理室11内へ供給された第1のガスおよび形成された第1のプラズマ101の粒子の排気開口27までの流れは、中心軸CAに対して対称となっている。つまり、第1のガスおよび粒子の流量や速度は、中心軸CAに対して、その周方向でバランスが取れていて、バラつきが低減されている。もちろん、試料18の中心も中心軸CAと合致するようにステージ19上に載置される。
また、ステージ19内部には図示しない金属等の導電体製の円板または円筒形状の電極が備えられ、電極は試料18上面上方にバイアス電位を形成する高周波電力を供給するバイアス電源23と自動整合機22を介して電気的に接続されている。本実施例1では、バイアス電源23からの高周波電力の周波数として400kHzのものが用いられるが、他の周波数、例えば13.56MHz等プラズマ処理に要求される目的に合わせて選択される。
また、ステージ19内に配置された金属製の基材は、内部に図示しない温度調節ユニットに連結され温度調節ユニットでその温度が所定の範囲内の値に調節された冷媒が供給される冷媒流路が配置されている。冷媒は、冷媒流路を通流しつつ基材またはステージ19或いはその上面に載せられた試料18と熱交換し、冷媒流路から排出されて再度温度調節ユニットに戻って温度調節された後に再度冷媒流路に供給される循環をして、基材またはステージ19の温度が所定の範囲内の値に調節されることで、試料18の温度がエッチング処理に適した範囲内の値に調節される。
円筒形を有した処理室11を囲む真空容器26の円筒形の側壁及び上方の空洞部7の外周囲および空洞部7の上方であって円形導波管6の外周囲には、処理室11内に供給される磁界を形成するソレノイドコイル及びヨーク等の電磁石を備えた静磁界発生装置24が配置されている。静磁界発生装置24に供給される直流電流が制御部29により適切に調節されて、処理室11内においてECRを生起させるに必要な磁束密度の条件を満たすように磁界の強度とその分布とが実現される。
周波数が2.45GHzのマイクロ波の電界に対しては、ECRを生起するに必要な磁束密度は875Gである。特に、処理室11内の圧力が低い圧力の条件において、静磁界分布を調整して、875Gの等磁場面を処理室11内の任意の箇所に形成することで、第1のプラズマ101が生成される領域の位置(特に高さ方向の位置)を調節することができる。
また、静磁界の分布を調節することで、試料18に対してプラズマ101内の粒子の拡散の方向と粒子の密度の分布を調節出来る。静磁界発生装置24として用いる電磁石のコイルは、第1のプラズマ101が生成される領域や第1のプラズマ101の拡散の制御を容易とするために複数個、特に上下方向に段状に複数配置されることが望ましい。
試料18の表面に配置された被加工膜のエッチングは、第1のプラズマ101を用いて行われる。第1のプラズマ101は、マイクロ波供給源1で形成され、導波路28を伝播して処理室11内に供給されたマイクロ波の電界と静磁界発生装置24により生起され処理室11内に供給された磁界とによって生起されたECRを用いて、処理室11に導入された第1のガスを励起し、解離または電離させて形成する。そして、第1のプラズマ101中に存在するイオン等の荷電粒子を、ステージ19に供給された高周波電力で形成されたバイアス電位により試料18の表面に誘引し、ラジカル等の反応性粒子と被加工膜との反応を促進して、被加工膜がエッチングされる。
ここまでは、処理室11を1Pa以下の低圧にした場合のエッチング方法について説明したが、次に、処理室11を数Pa以上の高圧にした場合のエッチング方法について説明する。
処理室11を数Pa以上の高い圧力にした際には、処理室11の中心軸CA近傍に第1のプラズマ101の強度の高い領域が形成され、その強度の高い領域で、被加工膜のエッチングレートが高くなり、エッチングレートの分布が、所謂中高(凸)の形状になる。しかしながら、本実施例1では、放電空間12に第2のプラズマ102を形成し、第1のプラズマ101の密度の分布を適切に調節することにより、エッチングレートの径方向分布を凸形状から均一にするものである。更に、必要に応じて中央部より外周側部分のレートが高い凹分布に調節できる。この機能により、処理室11の圧力の広い範囲においてエッチングレートを均一に近づけることができる。
まず、放電空間12内における第2のプラズマ102の生成に関して説明する。第2のプラズマ102を生成するためには、パッシェンの法則で示されるように、放電空間12内においてマイクロ波の電界の強度、圧力及び第2の空間の寸法を適切な範囲内の値にすることが必要となる。
典型的には、平板状のマイクロ波導入窓8及び仕切り板9の間の距離、すなわち円筒または円板形状の放電空間12の中心軸CA方向の長さ(高さ)を数mmとすると、放電空間12内で放電が開始可能な圧力の範囲は100~1000Paとなる。また、円形導波管6の円形TE11モードのマイクロ波の電界の強度が周辺部に比べて中心部で強くなることに起因して、マイクロ波の電界の強度が放電空間12の中心軸及びその近傍の箇所で高くなり易い。
以上から、パッシェンの法則を満たすような圧力等のパラメータの値が実現されることで、放電空間12の中心軸CAとその近傍において第2のプラズマ102が生成される。さらに、第2のプラズマ102の密度は、放電空間12内の圧力を増減させることによって調節することができる。放電空間12内の圧力を測定する為に、図示しない分光器および光検出器を用いることができる。例えば、第2のプラズマ102からの発光を分光器で受光し、光検出器で任意の波長の光の強度を検出する。光検出器が出力した検出結果を受信した制御部29が、受信した信号から算出した発光の強度を第2のプラズマ102の密度を示す情報として用いて、放電空間12内の圧力やガス供給量あるいは排気量を調節しても良い。また、時間の経過に伴う第2のプラズマ102からのマイクロ波の電界の反射波の大きさの変化を検出する手段を用いても良い。また、第2のプラズマ102を生成させないとき(つまり、処理室11の圧力を低圧にするエッチングの場合)は、放電空間12内の圧力を放電に適した圧力に対して、十分に小さいか、もしくは十分に高くすればよい。
空洞部7と処理室11との間のマイクロ波の電界の伝播経路上に配置された放電空間12内に第2のプラズマ102が形成されることで、マイクロ波源1から供給されるマイクロ波の電界の一部は第2のプラズマ102によって吸収あるいは反射され、他の部分が処理室11に供給される。したがって、処理室11に供給されるマイクロ波の電界は、第2のプラズマ102の密度の大きさにより変化する。つまり、第2のプラズマ102の密度を調節することによって、空洞部7のマイクロ波の電界が空洞部7から処理室11の中心軸CAとその近傍の領域に透過する透過率を調節することができる。
試料18の処理中にこのような調節が行われることにより、処理室11内の第1のプラズマ101の密度の処理室11の半径方向(中心軸CAに直交する方向)の分布が調節され、試料18表面の被加工膜のエッチングレートの分布が調節される。このことを、図2を用いて以下に説明する。
まず、第2のプラズマ102が生成されていない場合、第1のプラズマ101によって処理された試料18表面の被加工膜のエッチングレートの試料18の半径方向の分布は、中心部が外周側部分より高い中高(凸型)のものとなる(図2の(a))。これは、空洞部7内のマイクロ波の電界が放電空間12内部を大きな相互作用を生起せずに透過して処理室11内に伝播するためである。このマイクロ波の電界によって形成される第1のプラズマ101は、処理室11の中心軸CAとその近傍において、その外周側の箇所より強度の大きな箇所を有するものとなる。つまり、図2(a)は、本実施例1に対する比較例のエッチングレートの分布を示している。
次に、放電空間12内において第2のプラズマ102を形成し、その密度の大きさを適切に調節した場合には、処理室11の中心軸CAとその近傍の領域でのマイクロ波の電界の強度(言い換えると、第1のプラズマ101の高い密度)が低減される。この結果、試料18表面の被加工膜の半径方向のエッチングレートの分布は、中高の分布が緩和され、均一なものに近づけられる(図2の(b))。
すなわち、図1の空洞部7からマイクロ波導入窓8、放電空間12及び仕切り板9を透過して処理室11に供給されるマイクロ波の電界は、放電空間12の中心軸CAとその近傍に強い密度の領域を有して形成される第2のプラズマ102に吸収される。一方、放電空間12の外周側の部分を透過するマイクロ波の電界は吸収される割合が小さいことから、処理室11の中心軸CAとその近傍の領域に伝播されるマイクロ波の電界の強度は外周側の領域のものと比較して小さくなる。
この結果、処理室11の中心軸CAとその近傍にその外周側の箇所より高い強度あるいは密度の箇所が集中して中高の分布となってしまう、第1のプラズマ101の局所化が緩和される。そして、試料18の中心から半径方向についてのエッチングレートの分布が中高となる現象も抑制される。さらに、制御部29からの指令信号に応じて第2のプラズマ102の密度がそのカットオフ密度以上に調節された場合には、空洞部7からの処理室11内に向かってマイクロ波導入窓8を透過したマイクロ波の電界は、第2のプラズマ102を透過することができずに反射されるため、マイクロ波の電界は放電空間12、仕切り板9の外周側部分に選択的に導入されて透過して処理室11内にその外周側部分から供給される。このことにより、マイクロ波の電界及び第1のプラズマ101の強度あるいは密度はこれらが高い箇所が処理室11の外周側部分に集中して形成される、所謂外高の分布となる(図2の(c))。この場合、第1のプラズマ101によって処理される試料18上面の被加工膜のエッチングレートも外周側のものが中央側の値より高くなる外高の分布にできる。
また、処理室11内の圧力を1Pa以下の値にした場合には、ECR条件を満たす875Gの等磁場面において第1のプラズマ101が生成される。制御部29からの指令信号に応じて静磁界発生装置24に供給される電力が調節されて発生する磁界による875Gの等磁場面の形状や位置が調節される。その結果、第1のプラズマ101が生成される位置及び磁力線に沿った第1のプラズマ101の粒子の拡散が調節されて、被加工膜のエッチングレートの値とその分布も調節可能となる。この場合、エッチングレートの分布形状の調整に第2のプラズマ102の生成は必ずしも必要ではないが,必要に応じて第2のプラズマ102の密度が調節して被加工膜のエッチングレートの分布を調節しても良い。
以上の実施例1によって、試料18の被加工膜の処理の条件に応じて、第2のプラズマ102を利用して、第1のプラズマ101の強度あるいは密度の分布を調節することで、処理室11内の圧力の低い値から高い値まで、広い範囲において、例えば所望のエッチングレート分布を実現するプラズマ処理装置を提供できる。
<変形例1>
次に、図3を用いて上記実施例1の変形例を説明する。図3は、変形例1に係るプラズマ処理装置100aの一部分の構成を模式的に示す断面図である。変形例1では、放電空間12a1を構成するマイクロ波導入窓8aの構成が実施例1と異なっている。実施例1と同等の構成、作用を備えるものは説明を省略している。
図3に示すように、マイクロ波導入窓8aは、仕切り板9と対向する面に、凹部30を有する。図示しないが、凹部30はマイクロ波導入窓8aの中央部に位置し、円形の形状を有する。円形の凹部30の中心は、中心軸CAと重なっている。マイクロ波導入窓8aの膜厚は、凹部30が形成された領域で薄く、凹部30の周囲の領域で厚い。つまり、マイクロ波導入窓8aの厚膜部は、凹部30に対応する薄膜部の周囲を取り囲んでいる。
マイクロ波導入窓8aは、空間12a2または放電空間12a1を介在して仕切り板9と対向している。図3に示すように、凹部30が位置する領域には、放電空間12a1が形成され、その周囲に空間12a2が形成されている。言い換えると、マイクロ波導入窓8aの薄膜部と仕切り板9との間に放電空間12a1が形成され、マイクロ波導入窓8aの厚膜部と仕切り板9との間に空間12a2が形成されている。放電空間12a1は、第2のプラズマ102を生成するのに適した高さH1を有し、空間12a2は、マイクロ波の電界により放電またはプラズマが生じないか抑制できる範囲内の高さH2を有する。高さH1およびH2は、H1>H2の関係を有し、典型的な例としては、高さH1は、1~10mm程度、高さH2は、1mm未満とされる。
変形例1では、マイクロ波導入窓8aの中心部に位置する放電空間12a1に第2プラズマ102が形成されるため、その外周側の空間12a2の一部に、第2のガス供給部13が第2のガス供給路31を介して連通され、外周側の他部で第2のガス排気部15が第2のガス排気路32を介して連通されている。コンダクタンス調整部14、圧力センサ16および制御部29については、上記実施例1と同様である。
変形例1においても、放電空間12a1における放電に適した圧力は100~1000Pa程度であって、第2のガス供給部13またはコンダクタンス調整部14あるいは第2のガス排気部15の動作が制御部29からの指令信号に応じて調節された結果、放電空間12a1内の圧力が所定の範囲内の値に調節される。マイクロ波源1で使用するマイクロ波の電界の周波数や第2放電空間12a1および空間12a2の寸法、形状、構造に応じて内部での放電を形成できる圧力や放電を防止できる圧力、H1,H2の値の適切な範囲は変化するため、適切な圧力、H1,H2は例示した数値に限定されない。
このような構成を備えた変形例1では、マイクロ波導入窓8aと仕切り板9との間の隙間の高さが大きくされた中央部が放電空間12a1を構成し、第2のプラズマ102は放電空間12a1(高さH1の空間)の直径D1の内側の領域にのみ形成され、放電空間12a1の内側の領域全体に広がって形成される。制御部29からの指令信号に応じて第2のプラズマ102の密度が調節されることにより、処理室11の中心軸CAの周囲の直径D1の領域内において、上方の空洞部7から伝播するマイクロ波の電界の透過率が調節され、処理室11内で生成される第1のプラズマ101の密度あるいは強度の中心軸から半径方向の値とその分布が調節される。ここで、凹部30の直径D1を円形導波管6の直径D2よりも大きく(D1>D2)しておくことが肝要である。言い換えると、円形導波管6を上方から投影した領域は、第2のプラズマ102の外周縁よりも内側に位置していることが肝要である。なぜなら、円形導波管6の直下では、その周囲に比べて、マイクロ波の電界が高いからである。したがって、円形導波管6を上方から投影した領域を完全に覆うように第2のプラズマ102(言い換えると、凹部30)を形成することが肝要である。
また、放電空間12a1の外周側部分の空間12a2では第2のプラズマ102が形成されないため、その下方の仕切り板9の外周側部分を透過して処理室11の外周側部分に効率的にマイクロ波の電界が供給されて外周部に高い強度或いは密度の第1のプラズマ101が効率的に形成される。
放電空間12a1を構成する円筒形の凹部30の直径D1は、円板形状を有する試料18の直径D3よりも小さくすることが望ましい。言い換えると、第2のプラズマを上方から投影した領域は、試料18の直径D3よりも小さくすることが望ましい。凹部30の直径D1が大きくなると、エッチングレートの分布が図2(c)に示す外高となるからである。
なお、変形例1では、マイクロ波導入窓8aに凹部30を設けた例を示したが、マイクロ波導入窓8aの代わりに仕切り板9に凹部30を設けても良い。
<変形例2>
次に、図4を用いて実施例1のさらに別の変形例を説明する。図4は、変形例2に係るプラズマ処理装置100bの一部分の構成を模式的に示す平面図であり、特に、マイクロ波導入窓8及び第2のガス供給部13及び第2のガス排気部15の構成を模式的に示している。変形例2は、変形例1の空間12a2の改良に関する。図4では、実施例1または変形例1と同等の構成、作用を備えるものは説明を省略している。
図4に示すように、マイクロ波導入窓8bには、仕切り板9に対向する面に、凹部30と、複数の溝34aおよび34eとが設けられている。凹部30と、複数の溝34aおよび34eとの底部は、マイクロ波導入窓8bの厚さ方向に貫通しておらず、凹部30並びに複数の溝34aおよび34eの深さは、マイクロ波導入窓8bの膜厚よりも小さい。凹部30は、変形例1と同様に、マイクロ波導入窓8bの中央部に設けられ、円形の形状を有する。複数の溝34aおよび34eは、凹部30から、円形のマイクロ波導入窓8bの外周に向かって放射状に延びている。複数の溝34aは、円形のマイクロ波導入窓8bの外周部で第2のガス供給部13に接続されており、複数の溝34bは、円形のマイクロ波導入窓8bの外周部で第2のガス排気部14に接続されている。つまり、複数の溝34aおよび34eは、第2ガスの流路となっており、第2のガスは、複数の溝34aを通って凹部30に供給され、複数の溝34bから第2のガス排気部15に排気される。溝34aと溝34bとは、交互に配置されており、隣接する溝34aと溝34bと間の領域では、マイクロ波導入窓8bと仕切り板9とが接触している。
変形例2では、凹部30および複数の溝34a、34bをマイクロ波導入窓8bに形成したが、マイクロ波導入窓8bの代わりに仕切り板9に形成しても良い。また、マイクロ波導入窓8bと仕切り板9との両方に形成しても良い。
<変形例3>
次に、図5を用いて上記実施例1のさらに別の変形例を説明する。図5は、変形例3に係るプラズマ処理装置100cの一部分の構成を模式的に示す断面図であり、特に、マイクロ波導入窓8cおよびその上方の導波路28の構成を示している。図5でも、放電空間12bを構成するマイクロ波導入窓8cの構成が実施例1と異なっており、実施例1と同等の構成、作用を備えるものは説明を省略している。
図5に示すように、マイクロ波導入窓8cには、導電性を有する液体の注入及び吸引部25が接続され、放電空間12bに連結され連通されている。変形例3では仕切り板9は省かれ、マイクロ波導入窓8cの内部の中央部に放電空間12bが配置され、その外周側に放電空間12bと連通して放射状に延在する複数の流路35が配置されている。放電空間12bには、液体の注入及び吸引部25から導電性の液体が流入される。また、必要に応じ、放電空間12b内の液体は、注入及び吸引部25に排出される。液体の注入及び吸引部25は、例えば注射器のような構成でも良い。導電性液体103は、例えば、常温で液体となる金属として、水銀や、常温で液体として存在する塩として、イオン液体を用いても良い。
放電空間12bに導体液体103が充填されると、マイクロ波源1から伝播して空洞部7から透過して導入されるマイクロ波の電界は放電空間12b内部の導体液体103により反射される。空洞部7の外周側部分から下方に伝播した電界は、マイクロ波導入8cを透過して処理室11(図1参照)の外周側部に上方から供給される。このことにより、処理室11内のマイクロ波の電界およびこれにより生起される。したがって、実施例1と同様に、第1のプラズマ101は、処理室11の外周側部分にその密度或いは強度の高い箇所が形成されることで、エッチングレートの中高の分布が低減され、被加工膜のエッチングバラつきが抑制される。
これに対し、注入及び吸引部25によって放電空間12bから導電性液体103が吸引され内部の導電性液体103の量が減少した場合は、放電空間12bを透過して処理室11の中央部に透過するマイクロ波の電界の透過率が上昇し、処理室11の中心軸とその近傍における第1のプラズマ101の密度あるいは強度が増大して、下方の試料18上面の中心部のエッチングレートが外周側部に対して相対的に上昇する。このように、放電空間12に貯留される導電性液体103の量(厚さ、高さ)の増減あるいは有無によって、第1のプラズマ101の密度の径方向の分布が調節される。すなわち、制御部29からの指令信号に応じた注入及び吸引部25の動作に応じて試料18の半径方向についてのエッチングレートの分布が所望のものに調節される。
<変形例4>
次に図6を用いて、上記実施例1の更に別の変形例を説明する。図6は、変形例4に係るプラズマ処理装置100dの一部分の構成を模式的に示す断面図である。変形例4は、変形例1の変形例とも言える。図6でも、放電空間12c1および空間12c2を構成するマイクロ波導入窓8d及び仕切り板9の構成が、実施例1または変形例1と異なっており、実施例1または変形例1と同等の構成、作用を備えるものは説明を省略している。
図6に示すように、マイクロ波導入窓8dは、仕切り板9と対向する面に凹部30aを有している。図示しないが、凹部30aは、平面視にて、リング状となっている。また、凹部30aは、円形導波管6を上方から投影した領域から離れている。マイクロ波導入窓8dと仕切り板9との間には、空間12c2および放電空間12c1が形成されている。放電空間12c1および空間12c2の高さは、変形例1の放電空間12a1および空間12a2と同様である。変形例1とは異なり、放電空間12c1は、円形導波管6を上方から投影した投影領域の外側に、前記投影領域から離れて、前記投影領域を囲むように配置されている。変形例4は、例えば、円形TE01モード等のように、処理室11(図1参照)あるいは導波路28の外周側で電界の強度が大きくなるマイクロ波の電界のモードが形成される場合に有効となる。
円形TE01モードの場合、リング状の放電空間12c1の内部において、第2のプラズマ102が形成されていないと、導波路28の外周側部分での電界の強度が大きくなり、処理室11に形成される第1のプラズマ101は、その外周側部分において密度あるいは強度が大きい箇所がリング状となる。このため試料18上面の被加工膜のエッチングレートの分布は外高のものが得られやすい。一方、第2のガス供給部13から第2のガスを供給され放電空間12c1内にリング状に第2のプラズマ102が生成された場合には、マイクロ波の電界が第2のプラズマ102で吸収ないしは反射されるため、処理室11の外周側部にはマイクロ波の電界が到達しにくくなる。
このため、処理室11の外周側部分において、生成される第1のプラズマ101の強度あるいは密度が低減され、結果として処理室11の外周側部において高い密度の領域が形成された結果、外高となっていた被加工膜のエッチングレートの分布が緩和され、半径方向についての処理のバラつきが低減される。
変形例4は、上記の実施例1と同様の考え方であり、第1のプラズマ101生成の局在化を抑制できるように、マイクロ波導入窓8dの放電空間12c1を、処理室11内のマイクロ波の電界の強度または密度が高くなる箇所の上方に配置することものである。
なお、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
CA 中心軸
1 マイクロ波源
2 方形導波管
3 自動整合機
4 アイソレータ
5 円矩形変換器
6 円形導波管
7 空洞部
8、8a、8b マイクロ波導入窓
9 仕切り板
10 シャワープレート
11 処理室
12、12a1、12b、12c1 放電空間
12a2、12c2 空間
13 第2のガス供給部
14 コンダクタンス調整部
15 第2のガス排気部
16 圧力センサ
17 第1のガス供給部
18 試料
19 ステージ
20 コンダクタンス調節バルブ
21 真空ポンプ
22 自動整合機
23 バイアス電源
24 静磁界発生装置
25 注入及び吸引部
26 真空容器(チャンバ)
27 排気開口
28 導波路
29 制御部
30 凹部
31 第2のガス供給路
32 第2のガス排気路
33 第1のガス供給路
34a、34e 溝
35 流路
100、100a、100b、100c、100d プラズマ処理装置
101 第1のプラズマ
102 第2のプラズマ
103 導電性液体

Claims (8)

  1. その内部に第1のプラズマが形成される処理室と、
    マイクロ波の電界を前記処理室に伝送する円形導波管と、
    前記処理室内に配置され、その上面に試料が載置されるステージと、
    前記円形導波管と前記処理室との間に配置され、前記第1のプラズマを形成するための前記マイクロ波の電界が透過する第1の窓部材と、
    前記円形導波管と前記第1の窓部材との間に配置され、前記マイクロ波の電界が透過する第2の窓部材と
    前記第1の窓部材と前記第2の窓部材との間に備えられた、第2のプラズマを形成するための放電空間と、
    前記放電空間にガスを供給するガス供給部と、
    前記放電空間から前記ガスを排気するガス排気部と、
    前記ガスの流量を調節する調整部と、
    前記第1の窓部材と前記第2の窓部材との間であって、平面視にて前記放電空間を取り囲む空間と、
    を有し、
    前記空間の高さは、前記放電空間の高さよりも低く、
    前記空間は、前記第2の窓部材に形成された複数の溝と、前記第1の窓部材との間に形成され、
    前記複数の溝は、前記放電空間から前記第2の窓部材の外周まで延在しており、
    前記複数の溝の内の第1溝は、前記ガス供給部に連通され、
    前記第1溝に隣接する第2溝は、前記ガス排気部に連通されている、プラズマ処理装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記第2のプラズマを上方から投影した領域は、前記試料の外周縁より内側に位置している、プラズマ処理装置。
  3. 請求項1または2に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記円形導波管を上方から投影した領域は、前記第2のプラズマの外周縁より内側に位置している、プラズマ処理装置。
  4. 請求項に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記調整部は、前記処理室と前記ガス排気部とを連通するガス排気路に配置された、プラズマ処理装置。
  5. 請求項に記載のプラズマ処理装置であって、
    さらに、
    前記ガス排気路に配置された圧力センサと、
    前記圧力センサの情報に基づき、前記ガス供給部、前記ガス排気部および前記調整部を制御する制御部と、
    を有する、プラズマ処理装置。
  6. 請求項1に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記放電空間は、前記円形導波管を上方から投影した領域の外側に位置する、プラズマ処理装置。
  7. その内部に第1のプラズマが形成される処理室と、
    マイクロ波の電界を前記処理室に伝送する円形導波管と、
    前記処理室内に配置され、その上面に試料が載置されるステージと、
    前記円形導波管と前記処理室との間に配置され、前記第1のプラズマを形成するための前記マイクロ波の電界が透過する窓部材と、
    前記窓部材の内部に形成された空間と、
    前記空間に連通し、前記空間内に導電性の液体を供給する注入部と、
    を有する、プラズマ処理装置。
  8. 請求項に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記円形導波管を上方から投影した領域は、前記空間の内側に位置している、プラズマ処理装置。
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