以下、本発明の乗客コンベア(以下「エスカレーター」を使用して説明する)の実施例を、図面を使用して、説明する。なお、各図において、実質的に同一又は類似の構成には、同一の符号を付し、説明が重複する場合には、その説明を省略する場合がある。
まず、本実施例に記載する乗客コンベア(エスカレーター)の概略構成を説明する。
図1は、本実施例に記載する乗客コンベア(エスカレーター)の概略構成を説明する説明図(側面図)である。
本実施例に記載するエスカレーター1は、建屋に、あらかじめ設置されている既存のもの(既設のもの)である。
エスカレーター1は、下階床と上階床との間に架設され、下階床に向かって延在する下部水平部2aと、上階床に向かって延在する上部水平部2bと、下部水平部2aと上部水平部2bとの間に形成される傾斜部2cと、を有する本体枠2を有する。
そして、エスカレーター1には、下部水平部2aの終端部には、下階床の建築梁に載置される受梁部、すなわち、下部支持アングル3が設置され、上部水平部2bの終端部には、上階床の建築梁に載置される受梁部、すなわち、上部支持アングル4が設置される。
本体枠2には、構成部品、例えば、無端状に連結され、乗降口間を循環移動する踏段(図示なし)や、踏段の進行方向に沿って踏段の側方に立設される欄干5などが設置される。
また、本体枠2の下部と建屋構造体との間には、本体枠2の中間部分を支持する既存の中間支持体10が設置される。
つまり、本実施例に記載するエスカレーター1は、建屋の一方側の建築梁と建屋の他方側の建築梁とに、両端の受梁部(例えば、下部支持アングル3及び上部支持アングル4)が支持される本体枠2と、本体枠2の下部と建屋構造体との間に設置され、本体枠2の中間部分を支持する中間支持体10と、を有する。
中間支持体10は、建築構造体に設置される支柱11と、本体枠2に固定されるリブ付きビーム13を設けている。
なお、本実施例に記載するエスカレーター1は、一つの中間支持体10を有するが、中間支持体10は、本体枠2の中間部分を支持するためのものであるため、特に、走行距離が長いエスカレーター1の傾斜部2cには、所定の間隔を置いて、複数の中間支持体10を設置してもよい。
次に、本実施例に記載する既存の中間支持体10を説明する。
図2は、本実施例に記載する既存の中間支持体10を説明する説明図(側面図)である。
既存の中間支持体10は、本体枠2の下部であって、建屋構造体6の所定の箇所に設置(固定)される支柱11と、本体枠2に固定されているリブ付きビーム13と、支柱11の上方で、リブ付きビーム13に鉛直方向に複数重ねて設置されるジスピ12と、リブ付きビーム13と複数のジスピ12とを一体的に結合する結合部材14と、を有する。
なお、リブ付きビーム13は、本体枠2の幅方向に設置され、ジスピ12の最上側に設置される。
すなわち、支柱11の上方に設置される複数のジスピ12は、高さ方向に複数枚が積層される。そして、本体枠2の所定の箇所の下面に溶接固定されるリブ付きビーム13は、本体枠2における傾斜部2cを支持するように、本体枠2の幅方向に設置される。
このような既存の中間支持体10は、本体枠2の中間部分に設置され、本体枠2の幅方向に対となって(左右に)、設置される。
このように本体枠2は、下部水平部2aの終端部に設置される下部支持アングル3及び上部水平部2bの終端部に設置される上部支持アングル4によって、建屋の建築梁に、支持されると共に、本体枠2の中間部分の傾斜部2cが、既存の中間支持体10によって、建屋構造体6との間で支持される。これによって、たとえ、走行距離が長いエスカレーター1であっても、耐震強度や支持強度が向上する。
次に、本実施例に記載する乗客コンベア(エスカレーター)のリニューアル時の本体枠の中間部を説明する。
図3は、本実施例に記載する乗客コンベア(エスカレーター)のリニューアル時の本体枠の中間部を説明する説明図(正面図)である。
エスカレーター1のリニューアル時には、対となって(左右に)設置されている既存の中間支持体10はそのままとする。そして、対となって設置されている既存の中間支持体10の間に、中間支持体に関する現行法規を満足する新規の中間支持体20を、本体枠2の幅方向に対となって(左右に)、設置する。
なお、新規の中間支持体20も、既存の中間支持体10のリブ付きビーム13を、共用する。
ここで、中間支持体に関する現行法規とは、たとえ、震度の大きい地震であっても、エスカレーター1を落下(本体枠2を脱落)させることがない寸法や強度を有することを意味する。
また、新規の中間支持体20は、基本的には既存の中間支持体10と同等の構造を有するが、それぞれのエスカレーター1に対して、中間支持体に関する現行法規を満足するように、寸法や強度などが設定される。
すなわち、新規の中間支持体20は、本体枠2の下部であって、建屋構造体6の所定の箇所に設置(固定)される支柱21と、本体枠2に固定されているリブ付きビーム13と、支柱21の上方で、リブ付きビーム13に鉛直方向に複数重ねて設置されるジスピ22と、リブ付きビーム13と複数のジスピ22とを一体的に結合する結合部材24と、を有する。
なお、既存の中間支持体10近傍には、支柱11の頭部と接触するように、リブ付きビーム13の下面にアングル15が設置される。このアングル15は、本体枠2の幅方向のブレを防止するものである。
また、新規の中間支持体20近傍には、支柱21の頭部と接触するように、リブ付きビーム13の下面にリブ付きアングル25が設置される。このリブ付きアングル25は、耐震強度や支持強度を向上させると共に、本体枠2の幅方向のブレを防止するもので、耐震強度を向上させたものである。
このように、エスカレーター1のリニューアル時には、本体枠2の幅方向に対となって(左右に)設置されている既存の中間支持体10をそのまま使用し、すなわち、既存の中間支持体10を取り外さずに、既存の中間支持体10の間(内側)に、新規の中間支持体20を、本体枠2の幅方向に対となって(左右に)設置(追設)する。
このとき、ジスピ22下面と支柱21上面との間には、僅かな隙間(間隙)を形成するように複数のジスピ22を配置する。このように、僅かな隙間を形成することによって、通常時には、建屋からの反力を既存の中間支持体10が受けることになる。
また、僅かな隙間を形成することによって、新規の中間支持体20を設置する際、ジャッキによる、この隙間の微調整が不要となる。なお、この隙間には、ジスピ22以外の極薄い介在部材を設置してもよい。
このように、通常時には、既存の中間支持体10が、リニューアル後もリニューアル前から引き続き、建屋からの反力を受ける。一方、震度の大きい地震などによって、既存の中間支持体10の破損時には、新規の中間支持体20が、建屋からの反力を受け、さらにジスピ22と支柱21上面との十分なかかり代により、本体枠2の脱落を防止することができる。
つまり、リニューアル後も、中間支持体に要求される中間支持体に関する現行法規を満足することができる。
次に、本実施例に記載する新規の中間支持体20を説明する。
図4は、本実施例に記載する新規の中間支持体20を説明する説明図(側面図)である。
新規の中間支持体20は、本体枠2の下部であって、建屋構造体6の所定の箇所に設置(固定)される支柱21と、本体枠2に固定されているリブ付きビーム13と、支柱21の上方で、リブ付きビーム13に鉛直方向に複数重ねて設置されるジスピ22と、リブ付きビーム13と複数のジスピ22とを一体的に結合する結合部材24と、を有する。すなわち、中間支持体20は、本体枠2側に取付けられる部分(本実施例ではリブ付きビーム13と、ジスピ22と結合部材24)と建築構造体6側に取付けられる部分(本実施例では支柱21)とに分離されている。
なお、ジスピ22の下面、すなわち本体枠2側に取付けられている部分の下面と、支柱21の上面、すなわち建築構造体6側に取付けられている部分の上面の間は、隙間を形成している。
このような新規の中間支持体20は、本体枠2の中間部分に設置され、本体枠2の幅方向に対となって(左右に)、設置される。
このように本体枠2の中間部分の傾斜部2cは、既存の中間支持体10及び新規の中間支持体20によって、建屋構造体6との間で支持される。これによって、中間支持体に関する現行法規を満足すると共に、たとえ、走行距離が長いエスカレーター1であっても、耐震強度や支持強度が向上する。
なお、新規の中間支持体20については、新設乗客コンベアと同様の構造を採用することで、中間支持体に関する現行法規を満足すると共に、設計および製作効率の向上を図ることもできる。例えば、支柱21は、支柱部211とリブ部212とを有することにより、支柱21の耐震強度や支持強度を向上させることができると共に、支柱21の上面の面積(ジスピ22が設置される面積)をおおきくすることできる。また支柱部211をエスカレーター1の走行方向に対して大きくすることでも、支柱21の上面の面積を大きくすることができる。
また、本実施例では、中間支持体10の支柱11上面のエスカレーター1の走行方向の幅113よりも、中間支持体20の支柱21上面のエスカレーター1の走行方向の幅213のほうが長い。これにより、ジスピ22と支柱21上面のかかり代を十分に確保できるため、本体枠2の脱落を防止することができる。
以上のように、本実施例に記載するエスカレーター(乗客コンベア)1は、建屋の一方側の建築梁と建屋の他方側の建築梁とに、両端(上端及び下端)の受梁部(上端支持アングル4及び下端支持アングル3)が支持される本体枠2と、本体枠2の下部と建屋構造体6との間に設置され、本体枠2の中間部分を支持する中間支持体10と、を有する。
そして、リニューアル時に、対となって設置されている既存の中間支持体10はそのままとすると共に、対となって設置されている既存の中間支持体10の間(内側)に、中間支持体に関する現行法規を満足する新規の中間支持体20を設置する。
つまり、通常時には、建屋からの反力を既存の中間支持体10が受けると共に、既存の中間支持体10の破損時には、建屋からの反力を新規の中間支持体20が受ける。
本実施例によれば、エスカレーター1のリニューアル時にも、既存の中間支持体10を取り外さずに、既存の中間支持体10をそのまま使用することができる。
そして、本体枠2の幅方向に対となって(左右に)設置されている既存の中間支持体10の間(内側)に、新規中間支持体20を、本体枠2の幅方向に対となって(左右に)、設置することによって、リニューアル後も、中間支持体に要求される中間支持体に関する現行法規を容易に満足することができる。
更に、本実施例によれば、ジスピ22下面と支柱21上面との間には、僅かな隙間を形成することによって、新規の中間支持体20を設置する際、ジャッキによる、この隙間の微調整を不要とすることができる。
なお、本発明は、上記した実施例に限定するものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成要件を有するものに限定するものではない。また、ある実施例の構成要件の一部を他の実施例の構成要件の一部に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成要件に他の実施例の構成要件を加えることも可能である。また、各実施例の構成要件の一部について、他の構成要件の追加し、削除し、置換することも可能である。