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JP7091682B2 - 画像形成装置および制御方法 - Google Patents
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JP7091682B2 - 画像形成装置および制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、定着器を備える画像形成装置およびその制御方法に関する。
定着器の温度制御において、PI制御やPID制御を用いるものが知られている。これらの制御では、目標温度と現在の温度との偏差の積分値を用いた積分制御を行うので、例えば、昇温時に積分値が大きくなり、加熱部の温度が目標温度を大きく上回るオーバーシュートが発生することがある。そこで、例えば、特許文献1には、温度検出器により検出した定着ベルトの加熱開始時の温度に応じてPID演算の演算式の比例係数を変更し、これによって、定着ベルトの昇温時におけるオーバーシュートを小さくする技術が開示されている。
特開2005-257945号公報
このように定着器の温度制御においては、昇温時のオーバーシュートが小さいことが望まれる。さらに言えば、昇温時のオーバーシュートを含む、定着ベルトや加熱ローラなどのような加熱部の温度変動が小さいことが望まれる。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、加熱部の温度変動を小さくすることができる画像形成装置および制御方法を提供することを目的とする。
前記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、シートに現像剤像を形成する現像剤像形成部と、シートを加熱する加熱部、および、加熱部を加熱するヒータを有し、シートに現像剤像を定着させる定着器と、加熱部の温度を検出する温度検出部と、制御部と、を備える。
制御部は、目標温度と検出温度との偏差に比例する比例項と、偏差の積分値に比例する積分項との和を含む操作量を算出する算出処理と、算出処理で算出した操作量に基づいてヒータに通電する通電処理と、を実行し、算出処理において、積分項で用いる偏差を所定範囲内に制限する。
このような構成によれば、積分項で用いる偏差の絶対値が大きくなりすぎないので、当該偏差から算出される積分値が急激に増大したり、減少したりするのを抑制することができる。これにより、加熱部の温度を上げるときにはオーバーシュートを抑制することができ、加熱部の温度を下げるときには加熱部の温度が目標温度を大きく下回るアンダーシュートを抑制することができる。すなわち、加熱部の温度変動を小さくすることができる。
前記した画像形成装置において、制御部は、算出処理において、検出温度が目標温度よりも低い切替温度未満の場合、比例項を含み、かつ、積分項を含まない操作量を算出し、検出温度が切替温度以上の場合、比例項と積分項との和を含む操作量を算出する構成とすることができる。
これによれば、加熱部の温度を上げるときに、偏差の積分値が急激に大きくなるのを抑制することができるので、操作量が急激に大きくなるのを抑制することができ、加熱部の温度が急激に増大するのをより抑制することができる。これにより、昇温時のオーバーシュートを良好に抑制することができる。
前記した画像形成装置において、制御部は、目標温度を所定値以上異なる新たな目標温度に変更した場合、積分値をリセットする構成とすることができる。
これによれば、目標温度を低い目標温度に変更した場合には、積分値のリセットにより、加熱部の温度を新たな目標温度に早く近づけることができる。また、目標温度を高い目標温度に変更した場合には、積分値のリセットにより、加熱部の温度が急激に大きくなるのを抑制することができるので、オーバーシュートを抑制することができる。
前記した画像形成装置において、制御部は、算出処理において、偏差の微分値に比例する微分項を加算した操作量を算出する構成とすることができる。
これによれば、応答を早くすることができるので、加熱部の温度変動をより小さくすることができる。
前記した画像形成装置において、制御部は、算出処理において、偏差として、目標温度から検出温度を引いた値を用い、検出温度が目標温度以下であって偏差が第1制限値以上の場合、積分項で用いる偏差として第1制限値を用い、検出温度が目標温度以上であって偏差が第2制限値以下の場合、積分項で用いる偏差として第2制限値を用いる構成とすることができる。
前記した画像形成装置において、第1制限値および第2制限値は、絶対値が2~8℃である構成とすることができる。
前記した画像形成装置において、第1制限値および第2制限値は、絶対値が等しい構成とすることができる。
前記した画像形成装置において、制御部は、通電処理において、交流正弦波の半波を単位とした波数制御により操作量に対応したデューティ比でヒータに通電し、操作量が所定操作量以上の場合、デューティ比を100%とし、操作量が0以下の場合、デューティ比を0%とする構成とすることができる。
また、前記した目的を達成するための本発明の制御方法は、シートに現像剤像を形成する現像剤像形成部と、シートを加熱する加熱部、および、加熱部を加熱するヒータを有し、シートに現像剤像を定着させる定着器と、を備えた画像形成装置の制御方法である。
この制御方法は、目標温度と加熱部の温度との偏差に比例する比例項と、偏差の積分値に比例する積分項との和を含む操作量を算出する算出処理と、算出処理で算出した操作量に基づいてヒータに通電する通電処理と、を含み、算出処理において、積分項で用いる偏差を所定範囲内に制限する。
このような方法によれば、積分項で用いる偏差の絶対値が大きくなりすぎないので、当該偏差から算出される積分値が急激に増大したり、減少したりするのを抑制することができる。これにより、加熱部の温度を上げるときにはオーバーシュートを抑制することができ、加熱部の温度を下げるときにはアンダーシュートを抑制することができるので、加熱部の温度変動を小さくすることができる。
本発明によれば、加熱部の温度変動を小さくすることができる。
発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。 定着器を制御するための構成を示す図である。 目標温度を第1の目標温度に設定した後、第1の目標温度よりも低い第2の目標温度に設定した場合の各種の温度、積分値およびフラグの変化を示す図である。 目標温度を第1の目標温度に設定した後、第1の目標温度よりも高い第3の目標温度に設定した場合の各種の温度およびフラグの変化を示す図である。 波数制御を説明するための図である。 操作量とデューティ比の関係を示すマップである。 制御部の動作を示すフローチャートである。 実施形態に係る、積分項偏差の大きさを制限する場合の検出温度と積分値の変化を示すタイムチャートである。 比較例に係る、積分項偏差の大きさを制限しない場合の検出温度と積分値の変化を示すタイムチャートである。
以下、発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのレーザプリンタ1は、本体筐体2と、シート供給部3と、露光装置4と、現像剤像形成部5と、定着器8と、温度検出部9と、制御部100とを主に備えている。
シート供給部3は、本体筐体2内の下部に設けられ、紙などのシートSが収容されるシートトレイ31と、圧板32と、シート供給機構33とを主に有している。シートトレイ31に収容されたシートSは、圧板32により上に寄せられ、シート供給機構33により現像剤像形成部5の感光体ドラム61と転写ローラ63との間に向けて供給される。
露光装置4は、本体筐体2内の上部に配置され、図示しない光源装置やポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを有している。露光装置4では、光源装置から出射される画像データに基づく光ビーム(二点鎖線参照)が、感光体ドラム61の表面で高速走査されることで、感光体ドラム61の表面を露光する。
現像剤像形成部5は、シートSに現像剤像を形成する部材であり、露光装置4の下方に配置されている。現像剤像形成部5は、プロセスカートリッジとして、本体筐体2の前部に設けられたフロントカバー21を開いたときにできる開口から本体筐体2に対して着脱可能に装着される構成となっている。現像剤像形成部5は、感光体カートリッジ6と、現像カートリッジ7とを有している。
感光体カートリッジ6は、感光体ドラム61と、コロナ帯電器である帯電器62と、転写ローラ63とを主に有している。現像カートリッジ7は、感光体カートリッジ6に対して着脱自在に構成され、現像ローラ71と、供給ローラ72と、層厚規制ブレード73と、乾式トナーからなる現像剤を収容する収容部74と、アジテータ75とを主に有している。
現像剤像形成部5では、感光体ドラム61の表面が、帯電器62により一様に帯電された後、露光装置4からの光ビームにより露光されることで、感光体ドラム61上に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、収容部74内の現像剤は、アジテータ75により攪拌されながら、供給ローラ72に供給され、供給ローラ72から現像ローラ71に供給される。そして、現像ローラ71の回転に伴って、現像ローラ71と層厚規制ブレード73の間に進入して一定厚さの薄層として現像ローラ71上に担持される。
現像ローラ71上に担持された現像剤は、現像ローラ71から感光体ドラム61上に形成された静電潜像に供給される。これにより、静電潜像が可視像化され、感光体ドラム61上に現像剤像が形成される。その後、感光体ドラム61と転写ローラ63の間をシートSが通過することで感光体ドラム61上の現像剤像がシートS上に転写される。
定着器8は、現像剤像形成部5の後方に配置され、加熱部81と、加圧部82と、ヒータ83とを主に有している。
加熱部81は、金属からなる円筒状の加熱ローラであり、シートSを加熱するように構成されている。
加圧部82は、芯金の周囲に弾性層が設けられた加圧ローラであり、加熱部81に接触して押圧された状態で配置されている。
ヒータ83は、加熱部81を加熱するハロゲンランプであり、加熱部81の内側に配置されている。
定着器8では、シートS上に転写された現像剤像を、シートSが加熱部81と加圧部82との間を通過する間に熱定着させている。現像剤像が熱定着されたシートSは、搬送ローラ23,24により排紙トレイ22上に排出される。
制御部100は、定着器8など、レーザプリンタ1の各部を制御する装置であり、単一または複数の電気回路で構成されている。制御部100は、レーザプリンタ1の各部に制御信号や駆動電圧を出力することで、各部の制御を実行する。具体的に、制御部100は、図2に示すように、CPU110、ROM120、RAM130、ヒータコントローラ140、スイッチング回路150などを備えている。
ROM120には、レーザプリンタ1の各部を制御するためのプログラムや各種設定情報などのデータが記憶されている。
RAM130は、CPU110が各種のプログラムを実行する際の作業領域や、データの一時的な記憶領域として利用される。
CPU110は、レーザプリンタ1の各部の動作タイミングを指令したり、ヒータコントローラ140に目標温度TTとしての指令値を送ったりする処理を行う。
ヒータコントローラ140は、目標温度TTと、温度検出部9が検出した検出温度Tとに基づき、スイッチング回路150のデューティ比を設定する。本実施形態において、CPU110とヒータコントローラ140は、単一の半導体素子として集積されている。
スイッチング回路150は、設定されたデューティ比で交流電圧をスイッチングすることで、ヒータ83に通電する。
温度検出部9は、加熱部81の温度を検出するためのセンサであり、加熱部81の表面との間に所定の間隔をあけた状態で加熱部81の表面に対向して配置されている。温度検出部9は、加熱部81の温度に応じた信号を制御部100に出力する。制御部100は、温度検出部9から出力された信号から、加熱部81の表面温度の検出値(検出温度T)を取得する。温度検出部9としては、例えば、温度に応じて電気抵抗が変化するサーミスタを用いることができる。
制御部100は、定着器8を制御する場合、ヒータ83の操作量Uを算出する算出処理と、算出処理で算出した操作量Uに基づいてヒータ83に通電する通電処理とを主に実行する。具体的には、制御部100は、ヒータコントローラ140が、操作量Uを算出し、算出した操作量Uに対応するデューティ比でヒータ83に通電するようにスイッチング回路150を駆動させる。
制御部100は、算出処理において、加熱部81の目標温度TTを設定し、温度検出部9が検出した加熱部81の温度である検出温度Tが、設定した目標温度TTに追従するようにヒータ83の操作量Uを設定する。具体的には、制御部100は、目標温度TTと検出温度Tとの偏差ΔTに比例する比例項と、偏差ΔTの積分値に比例する積分項との和を含む操作量Uを算出する。
詳しくは、制御部100は、目標温度TTを設定した後に検出温度Tが切替温度TSに到達する前は、比例項を含み、かつ、積分項を含まない操作量Uを算出する。また、制御部100は、目標温度TTを設定した後に検出温度Tが切替温度TSに到達した後は、比例項と積分項との和を含む操作量Uを算出する。切替温度TSは、現在設定されている目標温度TT以下の温度である。
本実施形態において、制御部100は、目標温度TTを設定した後に検出温度Tが切替温度TSに到達する前は、比例項KpΔTを含む以下の式(1)により操作量Uを算出する。
n=KpΔTn ・・・(1)
ここで、Kpは、予め設定した固定値としての比例ゲインであり、正の値である。また、各変数に付したnは、変数が今回値であることを示し、n-1は、前回値であることを示している。
本実施形態では、偏差ΔTとして、以下の式(2)で表される、目標温度TTから検出温度Tを引いた値を用いる。
ΔTn=TTn-Tn ・・・(2)
また、制御部100は、目標温度TTを設定した後に検出温度Tが切替温度TSに到達した後は、比例項KpΔTと積分項KiIとの和を含む以下の式(3)により操作量Uを算出する。
n=KpΔTn+Kin ・・・(3)
ここで、Kiは、予め設定した固定値としての積分ゲインであり、正の値である。
また、Iは、偏差ΔTの積分値であり、一例として、以下の式(4)により算出することができる。
n=In-1+tsΔTin ・・・(4)
ここで、tsは、サンプリングの時間間隔である。また、ΔTiは、積分項KiIで用いる偏差(以下、「積分項偏差」という。)である。積分項偏差ΔTiについては後述する。
また、制御部100は、目標温度TT(TTn-1)を所定値TTth以上異なる新たな目標温度TT(TTn)に変更した場合、積分値Iを第1の値にリセットする。本実施形態において、第1の値は0であり、リセットが行なわれると積分項KiIの値は0となる。また、所定値TTthは、10℃以上であることが望ましく、一例として、15~20℃に設定することができる。
以上の制御部100による制御をより具体的に説明すると、図3に示すように、制御部100は、目標温度TTを、例えば、第1の目標温度TT1に設定し、検出温度Tが第1の切替温度TS1に到達する前、すなわち、検出温度Tが第1の切替温度TS1未満の場合は、比例項KpΔTを含み、かつ、積分項KiIを含まない上記の式(1)により操作量Uを算出するP制御を実行する。
第1の切替温度TS1は、第1の目標温度TT1よりも低い温度として設定されている。一例として、第1の切替温度TS1は、第1の目標温度TT1よりも10~40℃低い温度として設定することができる。この場合、第1の切替温度TS1は、第1の目標温度TT1よりも15~20℃低い温度として設定することが望ましい。
制御部100は、目標温度TTを第1の目標温度TT1に設定した後に、検出温度Tが第1の切替温度TS1に到達した後、すなわち、検出温度Tが第1の切替温度TS1以上となった場合は、その後、比例項KpΔTと積分項KiIとの和を含む上記の式(3)により操作量Uを算出するPI制御を実行する。
また、制御部100は、目標温度TTを、第1の目標温度TT1から、所定値TTth以上低い(TT1-TT2≧TTthを満たす)新たな第2の目標温度TT2に変更した場合、積分値Iを0にリセットする。制御部100は、目標温度TTを第2の目標温度TT2に設定し、検出温度Tが第2の切替温度TS2に到達する前、すなわち、検出温度Tが第2の切替温度TS2よりも高い場合は、上記の式(1)により操作量Uを算出するP制御を実行する。
第2の切替温度TS2は、第2の目標温度TT2以下の温度として設定されている。本実施形態では、第2の目標温度TT2と第2の切替温度TS2は、等しい温度に設定されている。第1の目標温度TT1、第1の切替温度TS1、第2の目標温度TT2、第2の切替温度TS2は、以下の式(5)を満たすような値に設定されている。
TT1-TS1>TT2-TS2 ・・・(5)
制御部100は、目標温度TTを第2の目標温度TT2に設定した後に、検出温度Tが第2の切替温度TS2に到達した後、すなわち、検出温度Tが第2の切替温度TS2以下となった場合は、その後、上記の式(3)により操作量Uを算出するPI制御を実行する。
また、図4に示すように、制御部100は、目標温度TTを、第1の目標温度TT1から、所定値TTth以上高い(TT3-TT1≧TTthを満たす)新たな第3の目標温度TT3に変更した場合、積分値Iを0にリセットする(図示省略)。制御部100は、目標温度TTを第3の目標温度TT3に設定し、検出温度Tが第3の切替温度TS3に到達する前、すなわち、検出温度Tが第3の切替温度TS3未満の場合は、上記の式(1)により操作量Uを算出するP制御を実行する。
第3の切替温度TS3は、第3の目標温度TT3よりも低い温度として設定されている。一例として、第3の切替温度TS3は、第3の目標温度TT3よりも10~40℃低い温度として設定することができる。この場合、第3の切替温度TS3は、第3の目標温度TT3よりも15~20℃低い温度として設定することが望ましい。
制御部100は、目標温度TTを第3の目標温度TT3に設定した後に、検出温度Tが第3の切替温度TS3に到達した後、すなわち、検出温度Tが第3の切替温度TS3以上となった場合は、その後、上記の式(3)により操作量Uを算出するPI制御を実行する。
図3および図4に示すように、制御部100は、目標温度TT(TT1)を所定値TTth以上異なる新たな目標温度TT(TT2またはTT3)に変更し、積分値Iを0にリセットしたときにフラグFLを0とする。また、制御部100は、目標温度TTを設定した後に検出温度Tが切替温度TSに到達したときにフラグFLを1とする。制御部100は、フラグFLが0の場合、上記の式(1)により操作量Uを算出するP制御を実行し、フラグFLが1の場合、上記の式(3)により操作量Uを算出するPI制御を実行する。なお、フラグFLの初期値は0である。
制御部100は、上記の式(3)により操作量Uを算出するPI制御において、積分項偏差ΔTiを所定範囲内に制限する。具体的には、制御部100は、検出温度Tが目標温度TT以下(すなわち、ΔT≧0)であって偏差ΔTが第1制限値L1以上の場合(ΔT≧L1)、積分項偏差ΔTiとして第1制限値L1を用いる。また、制御部100は、検出温度Tが目標温度TT以上(すなわち、ΔT≦0)であって偏差ΔTが第2制限値-L2以下の場合(ΔT≦-L2(L2は正の値とする。))、積分項偏差ΔTiとして第2制限値-L2を用いる。
また、制御部100は、偏差ΔTが第2制限値-L2よりも大きく、かつ、第1制限値L1未満の場合(-L2<ΔT<L1)、積分項偏差ΔTiとして偏差ΔTを用いる。このように、制御部100は、積分項偏差ΔTiを、第1制限値L1以下、かつ、第2制限値-L2以上の範囲内に制限する(-L2≦ΔTi≦L1)。
本実施形態において、第1制限値L1および第2制限値-L2は、予め設定された温度差を示す値である。第1制限値L1および第2制限値-L2は、絶対値L1,L2が2~8℃であることが望ましい。また、本実施形態において、第1制限値L1および第2制限値-L2は、絶対値L1,L2が等しい値に設定されている(L1=L2)。一例として、第1制限値L1および第2制限値-L2は、絶対値L1,L2が5℃である。
図2に示すように、制御部100は、通電処理において、算出処理で算出した操作量Uに対応したデューティ比を設定し、設定したデューティ比に基づいてヒータ83への通電を制御する。図5に示すように、制御部100は、交流正弦波SWの半波HWを単位とした波数制御により、設定したデューティ比でヒータ83に通電する。
一例として、制御部100は、デューティ比が33%の場合、連続する3つの半波HWのうち1つの半波HWで通電を行い、他の2つの半波HWで通電を行わない。また、デューティ比が40%の場合、連続する5つの半波HWのうち2つの半波HWで通電を行い、他の3つの半波HWで通電を行わない。また、制御部100は、デューティ比が43%の場合、連続する7つの半波HWのうち3つの半波HWで通電を行い、他の4つの半波HWで通電を行わない。また、デューティ比が50%の場合、連続する2つの半波HWのうち一方の半波HWで通電を行い、他方の半波HWで通電を行わない。
制御部100のヒータコントローラ140は、図6に示すようなマップによってスイッチング回路150を駆動させる。図6に示すように、制御部100は、算出処理で算出した操作量Uが所定操作量Uth以上の場合、デューティ比を100%とする。また、制御部100は、操作量Uが所定操作量Uth未満の場合、図6のマップに基づき、デューティ比を段階的に小さい値とする。また、制御部100は、操作量Uが0以下の場合、デューティ比を0%とする。
次に、制御部100の動作(レーザプリンタ1の制御方法)について説明する。制御部100は、図7に示す動作を所定の制御サイクル(時間ts)ごとに繰り返し実行している。
図7に示すように、制御部100は、目標温度TTnが目標温度TTn-1に対し所定値TTth以上であるか否かを判定する(S11)。
目標温度TTnが目標温度TTn-1に対し所定値TTth以上である場合(S11,Yes)、すなわち、目標温度TTn-1を所定値TTth以上異なる新たな目標温度TTnに変更した場合、制御部100は、積分値Inを0にリセットし(S12)、フラグFLを0とする(S13)。その後、制御部100は、ステップS15に進む。
また、目標温度TTnが目標温度TTn-1に対し所定値TTth以上でない場合(S11,No)、具体的には、目標温度TTnを目標温度TTn-1から変更していない場合や、目標温度TTnを目標温度TTn-1から変更はしたが変更幅が所定値TTth未満である場合、制御部100は、フラグFLが1であるか否かを判定する(S14)。そして、フラグFLが1でない場合(S14,No)、すなわち、フラグFLが0である場合、制御部100は、ステップS15に進む。
ステップS15において、制御部100は、検出温度Tnが切替温度TSに到達したか否かを判定する(S15)。そして、検出温度Tnが切替温度TSに到達していない場合(S15,No)、制御部100は、ステップS23に進み、積分値Inが0であるため、上記の式(1)により操作量Unを算出する算出処理を実行する(S23)。
一方、ステップS15において、検出温度Tnが切替温度TSに到達した場合(S15,Yes)、制御部100は、フラグFLを1とし(S16)、ステップS17に進む。また、ステップS14において、フラグFLが1である場合(S14,No)、制御部100は、ステップS17に進む。
ステップS17において、制御部100は、偏差ΔTnが第1制限値L1以上であるか否かを判定する(S17)。そして、制御部100は、偏差ΔTnが第1制限値L1以上である場合(S17,Yes)、積分項偏差ΔTinを第1制限値L1とし(S19)、偏差ΔTnが第1制限値L1以上でない場合(S17,No)、偏差ΔTnが第2制限値-L2以下であるか否かを判定する(S18)。制御部100は、偏差ΔTnが第2制限値-L2以下である場合(S18,Yes)、積分項偏差ΔTinを第2制限値-L2とし(S21)、偏差ΔTnが第2制限値-L2以下でない場合(S18,No)、積分項偏差ΔTinを偏差ΔTnとする(S20)。
ステップS19~S21において、積分項偏差ΔTinを決定した後、制御部100は、積分値Inを算出する(S22)。そして、制御部100は、上記の式(3)により操作量Unを算出する算出処理を実行する(S23)。
算出処理を実行した後、制御部100は、算出した操作量Unと図6のマップからデューティ比を設定する(S24)。そして、制御部100は、波数制御により設定したデューティ比でヒータ83に通電する通電処理を実行し(S25)、今回の動作を終了する。
以上説明した本実施形態によれば、積分項偏差ΔTiを所定範囲内(-L2≦ΔTi≦L1)に制限することで、例えば、図8に示すような、加熱部81の温度を上げる場合において、積分項偏差ΔTiが大きくなりすぎないので、当該積分項偏差ΔTiから算出される積分値Iが急激に増大するのを抑制することができる。なお、図9は、積分項偏差ΔTiとして偏差ΔTを用い、積分項偏差ΔTiを制限しない場合のシミュレーション結果であるが、積分値Iが、図8に示した実施形態の場合よりも大きくなっている。本実施形態では、積分値Iが急激に増大するのを抑制できることで、加熱部81の温度を上げるときに、図9に示す積分項偏差ΔTiを制限しない場合と比較して、オーバーシュート(特に一番最初のオーバーシュート)を抑制することができる。
また、本実施形態では、検出温度Tが目標温度TTよりも低い切替温度TS未満の場合、積分項KiIを含まない上記の式(1)により操作量Uを算出するので、加熱部81の温度を上げるときに積分値Iが急激に大きくなるのを抑制することができる。これにより、操作量Uが急激に大きくなるのを抑制することができるので、加熱部81の温度が急激に増大するのをより抑制することができ、昇温時のオーバーシュートを良好に抑制することができる。
また、図示は省略するが、目標温度TTを低い新たな目標温度TTに設定して、加熱部81の温度を下げる場合においても、積分項偏差ΔTiを所定範囲内(-L2≦ΔTi≦L1)に制限することで、積分項偏差ΔTiの絶対値が大きくなりすぎないので、当該積分項偏差ΔTiから算出される積分値Iが急激に減少するのを抑制することができる。これにより、加熱部81の温度を下げるときに、アンダーシュートを抑制することができる。このように、本実施形態によれば、加熱部81の温度を上げるとき、下げるときのいずれもおいても、加熱部81の温度変動を小さくすることができる。
また、本実施形態では、目標温度TTを所定値TTth以上異なる新たな目標温度TTに変更した場合に積分値Iをリセットするので、目標温度TTを低い目標温度TTに変更した場合には、積分値Iのリセットにより、加熱部81の温度を新たな目標温度TTに早く近づけることができる。また、目標温度TTを高い目標温度TTに変更した場合には、積分値Iのリセットにより、加熱部81の温度が急激に大きくなるのを抑制することができるので、オーバーシュートを抑制することができる。
以上に発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、下記のように発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、制御部100は、算出処理において、偏差ΔTの微分値に比例する微分項KdDを加算した操作量Uを算出する構成であってもよい。
具体的には、制御部100は、目標温度TTを設定した後に検出温度Tが切替温度TSに到達する前は、以下の式(1)’により操作量Uを算出するPD制御を実行する。すなわち、制御部100は、比例項KpΔTと、微分項KdDとの和を含む操作量Uを算出する。
n=KpΔTn+Kdn ・・・(1)’
ここで、Kdは、予め設定した固定値としての微分ゲインであり、負の値である。
また、Dは、偏差ΔTの微分値であり、一例として、以下の式(6)により算出することができる。
n=(Tn-Tn-1)/ts ・・・(6)
また、制御部100は、目標温度TTを設定した後に検出温度Tが切替温度TSに到達した後は、以下の式(3)’により操作量Uを算出するPID制御を実行する。すなわち、制御部100は、比例項KpΔTと、積分項KiIと、微分項KdDとの和を含む操作量Uを算出する。
n=KpΔTn+Kin+Kdn ・・・(3)’
このような構成によれば、応答を早くすることができるので、加熱部81の温度変動をより小さくすることができる。
また、前記実施形態では、第1制限値L1および第2制限値-L2の絶対値L1,L2が等しい値であったが、これに限定されず、第1制限値および第2制限値は、絶対値が異なる値であってもよい。
また、前記実施形態では、第2の目標温度TT2と第2の切替温度TS2が等しい温度であったが、これに限定されず、第2の切替温度TS2は、第2の目標温度TT2よりも低い温度であってもよい。
また、前記実施形態では、目標温度TTを所定値TTth以上異なる新たな目標温度TTに変更した場合に積分値Iを0にリセットしたが、これに限定されない。例えば、0以外の値にリセットしてもよい。また、目標温度を所定値以上異なる新たな目標温度に変更した場合も積分値をリセットせずに、そのときの積分値をそのまま保持し、次のPI制御が開始されたときに、保持していた積分値を用いて操作量を算出するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、温度検出部9が、加熱部81の温度を直接検出するように設けられていたが、これに限定されない。例えば、温度検出部は、加圧部に対向して配置され、加熱部から熱が伝達される加圧部の温度を検出することで、加圧部を介して加熱部の温度を間接的に検出するものであってもよい。また、温度検出部は、ヒータの温度を直接検出するように設けられていてもよい。また、温度検出部は、サーミスタ以外の温度センサなどであってもよい。なお、温度センサは、非接触式の温度センサであってもよいし、接触式の温度センサであってもよい。
また、前記実施形態では、加熱部81として加熱ローラを例示したが、これに限定されず、例えば、加熱部は、ベルト定着方式の定着器に設けられる無端状の定着ベルトなどであってもよい。また、前記実施形態では、加圧部82として加圧ローラを例示したが、これに限定されず、例えば、加圧部は、ベルト状の部材などであってもよい。
また、前記実施形態では、ヒータ83として、輻射熱を利用するハロゲンランプを例示したが、これに限定されず、例えば、抵抗体の発熱を利用するセラミックヒータやカーボンヒータなどであってもよい。また、ヒータは、加熱部を誘導加熱するIHヒータなどであってもよい。また、ヒータは、加熱部の内側ではなく、加熱部の外側に配置されていてもよい。
また、前記実施形態では、画像形成装置として、シートSにモノクロの画像を形成するレーザプリンタ1を例示したが、これに限定されず、例えば、シートにカラーの画像を形成可能に構成されたプリンタであってもよい。また、画像形成装置は、プリンタに限定されず、例えば、フラットベッドスキャナなどの原稿読取装置を備える複写機や複合機などであってもよい。
また、前記実施形態では、現像剤像形成部5としてプロセスカートリッジを例示したが、これに限定されない。例えば、画像形成装置が、シートにカラーの画像を形成可能であり、配列された複数の感光体ドラムを有するプロセスユニットと、複数の感光体ドラムに形成された現像剤像をシートに転写するための転写ベルトなどを有する転写ユニットとを備える場合には、現像剤像形成部は、プロセスユニットと転写ユニットを含む構成とすることができる。
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素は、適宜組み合わせて実施することが可能である。
1 レーザプリンタ
5 現像剤像形成部
8 定着器
9 温度検出部
81 加熱部
83 ヒータ
100 制御部
S シート

Claims (10)

  1. シートに現像剤像を形成する現像剤像形成部と、
    シートを加熱する加熱部、および、前記加熱部を加熱するヒータを有し、シートに現像剤像を定着させる定着器と、
    前記加熱部の温度を検出する温度検出部と、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記ヒータの操作量を算出する算出処理と、
    前記算出処理で算出した操作量に基づいて前記ヒータに通電する通電処理と、を実行し、
    前記算出処理において、
    目標温度と検出温度との偏差に比例する比例項を含み、かつ、前記偏差の積分値に比例する積分項を含まない操作量を算出するP制御と、
    前記比例項と前記積分項との和を含む操作量を算出するPI制御と、を実行可能であり、
    前記積分項で用いる偏差を所定範囲内に制限し、
    前記目標温度を、第1の目標温度から、所定値以上低い第2の目標温度に変更し、前記第2の目標温度で前記PI制御を実行して前記加熱部の温度を前記第2の目標温度に維持する場合、
    前記検出温度が前記第2の目標温度以下の切替温度よりも高い場合は、前記P制御を実行し、
    前記検出温度が前記切替温度以下となった場合は、前記PI制御を実行することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御部は、前記算出処理において、
    前記目標温度を、前記第1の目標温度から、所定値以上高い第3の目標温度に変更し、前記第3の目標温度で前記PI制御を実行して前記加熱部の温度を前記第3の目標温度に維持する場合、
    前記検出温度が前記第3の目標温度よりも低い切替温度未満の場合は、前記P制御を実行し、
    前記検出温度が前記切替温度以上となった場合は、前記PI制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記算出処理において、
    前記目標温度を、前記第1の目標温度に設定し、前記第1の目標温度で前記PI制御を実行して前記加熱部の温度を前記第1の目標温度に維持する場合、
    前記検出温度が前記第1の目標温度よりも低い切替温度未満の場合は、前記P制御を実行し、
    前記検出温度が前記切替温度以上となった場合は、前記PI制御を実行することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部は、前記目標温度を所定値以上異なる新たな目標温度に変更した場合、前記積分値をリセットすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御部は、前記算出処理において、前記偏差の微分値に比例する微分項を加算した操作量を算出することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御部は、前記算出処理において、
    前記偏差として、前記目標温度から前記検出温度を引いた値を用い、
    前記検出温度が前記目標温度以下であって前記偏差が第1制限値以上の場合、前記積分項で用いる偏差として前記第1制限値を用い、
    前記検出温度が前記目標温度以上であって前記偏差が第2制限値以下の場合、前記積分項で用いる偏差として前記第2制限値を用いることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記第1制限値および前記第2制限値は、絶対値が2~8℃であることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  8. 前記第1制限値および前記第2制限値は、絶対値が等しいことを特徴とする請求項または請求項に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御部は、前記通電処理において、
    交流正弦波の半波を単位とした波数制御により操作量に対応したデューティ比で前記ヒータに通電し、
    操作量が所定操作量以上の場合、デューティ比を100%とし、
    操作量が0以下の場合、デューティ比を0%とすることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. シートに現像剤像を形成する現像剤像形成部と、シートを加熱する加熱部、および、前記加熱部を加熱するヒータを有し、シートに現像剤像を定着させる定着器と、を備えた画像形成装置の制御方法であって、
    前記ヒータの操作量を算出する算出処理と、
    前記算出処理で算出した操作量に基づいて前記ヒータに通電する通電処理と、を含み、
    前記算出処理において、
    目標温度と検出温度との偏差に比例する比例項を含み、かつ、前記偏差の積分値に比例する積分項を含まない操作量を算出するP制御と、
    前記比例項と前記積分項との和を含む操作量を算出するPI制御と、を実行可能であり、
    前記積分項で用いる偏差を所定範囲内に制限し、
    前記目標温度を、第1の目標温度から、所定値以上低い第2の目標温度に変更し、前記第2の目標温度で前記PI制御を実行して前記加熱部の温度を前記第2の目標温度に維持する場合、
    前記検出温度が前記第2の目標温度以下の切替温度よりも高い場合は、前記P制御を実行し、
    前記検出温度が前記切替温度以下となった場合は、前記PI制御を実行することを特徴とする制御方法。
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