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JP7092002B2 - オレフィン重合用触媒成分の製造方法、オレフィン重合用触媒の製造方法およびそれを用いたオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents
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オレフィン重合用触媒成分の製造方法、オレフィン重合用触媒の製造方法およびそれを用いたオレフィン重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、オレフィン重合用触媒成分の製造方法、オレフィン重合用触媒の製造方法およびそれを用いたオレフィン重合体の製造方法に関する。更に詳しくは、酸処理濃度および酸処理によって溶出するアルミニウムの溶出率を制御したオレフィン重合用触媒成分の製造方法であって、高い重合活性を有し、製品中の輝点(フィッシュアイ)が少なく、流動性が良好で、良好な粒子性状の重合パウダーを得ることができる、オレフィン重合用触媒の製造方法に関する。
粘土又は粘土鉱物をオレフィン重合用触媒成分として利用した触媒の存在下に、オレフィンを重合してオレフィン重合体を製造することは公知である(例えば、特許文献1参照。)。
また、酸処理や塩類処理を行ったイオン交換性層状化合物を成分として含むオレフィン重合用触媒も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
また、これらのイオン交換性層状化合物は、助触媒としてのみならず、担体としても作用するためその粒子構造の制御は、生成するポリマーのパウダー粒子の形態に大きく影響し、これはポリマーの生産性を左右する重要な要素である。
従来は、イオン交換性層状化合物の粒子構造の制御方法として、酸処理、塩処理、アルカリ処理、等の化学処理が多く用いられてきた。
しかし、これらの技術だけでは、必ずしも良好な粒子構造を持つイオン交換性層状化合物粒子を製造はできなかった。
近年、メタロセン触媒を用いて軟質材料を気相プロセスで製造する技術が開発されてきている(例えば、特許文献3参照。)。このような軟質なポリマーを製造するためには、重合パウダーの粒径、ひいては触媒の粒径がより大きいものが求められている。その理由は、軟質材料は重合温度においては表面にべたつき成分がブリードアウトしやすくなり、パウダー粒子同士が凝集しやすくなるが、パウダーの粒径を大きくすると質量あたりの粒子表面の外表面積が小さくなるため、表面での粒子同士の凝集が起こりにくくなるためである。
また、一方では触媒粒子の形として球状粒子が求められている。その理由は、オレフィン重合触媒のような消費型触媒においては、触媒粒子の形がパウダー粒子の形とほぼ同様であり(いわゆるレプリカ効果)、球形のパウダーの方が嵩密度が大きく生産性に優れるとともに、パウダーの流動性、流れ性に優れ、プラントでのパウダーの気力輸送や重力落下移送が容易に行えるためである。
さらに、触媒の担体としては高い粒子強度が求められている。その理由は、粒子強度が強い場合は重合槽内での撹拌や流動中、粒子が擦れたり壁に当たったりしても、粒子が壊れて微粉状のパウダーが発生したり、異形のパウダーが生成したりする問題が無くなるためである。
特許文献4においては一旦造粒した後で酸処理を実施し、その後さらに造粒することで大粒径粒子を製造する方法が開示されている。しかし、粒子表面は凹凸が激しく粒子間の隙間が大きいため、このような表面形状の担体を用いてブロック共重合体を重合した場合には、ゴム成分が表面からブリードアウトし、凝集体を形成することが容易に推察される。
特許文献5においては、粉砕したモンモリロナイトを用いて造粒体を製造することによって、略球形の粒子形状、高い粒子強度を持ったスメクタイト粒子の製造法が開示されている。
また、特許文献6には、酸処理した粘土を粉砕し、再度造粒することで、粒子表面に凹凸がなく滑らかで、かつ真球状で大きな粒径を従来無かったような高いバランスで同時に実現させた粘土鉱物粒子の製造法が開示されている。しかしながら、これらの粒子は酸処理時の酸濃度が高いために、オレフィン重合用触媒として利用した場合に重合活性が低下するという問題があった。
特許文献7には特定の微小な細孔の量が全体の細孔量に対して60~100%を占めるイオン交換性層状珪酸塩を、オレフィン重合用触媒成分として使用することによって、触媒活性が顕著に向上することが記載されている。
また、特許文献8には、下式を満たす酸濃度(N)の酸で処理されるイオン交換性層状珪酸塩が高活性で、かつ、分散粒子を維持した状態で重合を進行させることが記載されている。
N≧6.0
[ここで示す酸濃度Nは、酸のモル数×酸の価数/酸水溶液の体積(単位:リットル)を示す]
さらに、特許文献9には予備重合均一化指数(H値)が60%以下となる予備重合触媒を用いた場合に製品外観を悪化させる触媒核(通常、輝点またはフィッシュアイと呼ばれる)の残存が少なくなることが記載されている。しかしながら、これらの触媒に使用しているイオン交換性層状珪酸塩の粒径は小さく、ブロック共重合体を重合した場合に、ゴム成分が表面からブリードアウトし、凝集体を形成することが容易に推察される。また、重合時の微粉発生量も多くなる。
特開平5-295022号公報 特開平7-228621号公報 特開2005-132979号公報 特開2005-335981号公報 特開2008-156395号公報 特開2012-126084号公報 特開2015-108138号公報 特開2002-037812号公報 特開2006-274277号公報
上記のように従来の技術では、製品中の輝点数、重合活性、ポリマーの粉体性状の3つの要求性能を従来無かったような高いレベルで同時に実現させたイオン交換性層状珪酸塩粒子およびそれを用いたオレフィン重合用触媒は製造できていない。
本願は、かかる従来技術の状況に鑑み、助触媒兼担体であるイオン交換性層状珪酸塩粒子を製造する際の酸処理濃度および酸処理によって溶出するアルミニウムの溶出率を制御することにより、従来では製造できなかった、ポリマー物性と重合性能を高いレベルで同時に実現させたオレフィン重合用触媒成分を含むオレフィン重合用触媒の製造方法を提供するものである。
具体的には、高い重合活性を示し、製品外観を悪化させる製品中の輝点(フィッシュアイ)が少なく、良好な粒子性状のポリマー粒子を製造できるオレフィン重合用触媒成分を含むオレフィン重合用触媒を提供することを目的とするものである。
本研究者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、20質量%未満の酸濃度で酸処理されたイオン交換性層状珪酸塩粒子が所望の特性を満たし、当該イオン交換性層状珪酸塩粒子をオレフィン重合用触媒成分として使用することによって、高い重合活性を発揮しながら、製品中の輝点(フィッシュアイ)が少なく、良好な粒子性状のポリマー粒子を製造できるオレフィン重合用触媒の製造方法を見出した。
本発明のオレフィン重合用触媒成分の製造方法は、イオン交換性層状珪酸塩からなるオレフィン重合用触媒成分の製造方法であって、
イオン交換性層状珪酸塩粒子を20質量%未満の酸濃度で酸処理する工程(1)を含み、
前記オレフィン重合用触媒成分が下記の特性(i)~(iii)を満たすことを特徴とする。
(i)平均粒径が26.0μm~200.0μmであること。
(ii)酸処理前に対するアルミニウムの溶出率が26%~64%であること。
(iii)圧壊強度が5.0MPa~100.0MPaであること。
本発明のオレフィン重合用触媒成分の製造方法においては、前記工程(1)後、前記イオン交換性層状珪酸塩粒子を塩基類で処理する工程(2)をさらに含んでもよい。
本発明のオレフィン重合用触媒成分の製造方法においては、前記オレフィン重合用触媒成分が下記の特性(iv)を満たしてもよい。
(iv)窒素吸着法により測定した直径が2~6nmの範囲にある細孔の細孔容積の総和が0.170cm/g以上、0.500cm/g以下であること。
本発明のオレフィン重合用触媒の製造方法は、下記成分[A]、成分[B]、及び成分[C]をオレフィンと接触させてなることを特徴とする。
成分[A]:前記記載の製造方法で得られるオレフィン重合用触媒成分
成分[B]:周期表第4族の遷移金属化合物
成分[C]:有機アルミニウム化合物
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、前記記載の製造方法で得られるオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィン重合を行うことを特徴とする。
20質量%未満の酸濃度で酸処理されたイオン交換性層状珪酸塩粒子が所望の特性を満たし、当該イオン交換性層状珪酸塩粒子をオレフィン重合用触媒成分として使用することによって、高い重合活性を発揮しながら、製品中の輝点(フィッシュアイ)が少なく、良好な粒子性状のポリマー粒子を製造できるオレフィン重合用触媒を得ることができる。
1.オレフィン重合用触媒成分の製造方法
本発明のオレフィン重合用触媒成分の製造方法は、イオン交換性層状珪酸塩からなるオレフィン重合用触媒成分の製造方法であって、
イオン交換性層状珪酸塩粒子を20質量%未満の酸濃度で酸処理する工程(1)を含み、
前記オレフィン重合用触媒成分が下記の特性(i)~(iii)を満たすことを特徴とする。
(i)平均粒径が26.0μm~200.0μmであること。
(ii)酸処理前に対するアルミニウムの溶出率が26%~64%であること。
(iii)圧壊強度が5.0MPa~100.0MPaであること。
特許文献8(特開2002-037812号公報)の段落0026~0030にはイオン交換性層状珪酸塩を、式:N≧6.0を満たす酸濃度(N)の酸で処理(この操作を「濃酸処理」と呼ぶ)することで、高活性で、かつ、分散粒子を維持した状態で重合を進行させることが可能となることが記載されている。
そのため、公知の技術では、低濃度の酸で特定量のアルミニウムを溶出させた担体が、高い触媒活性を発揮しながら、優れた粉体性状のポリマーを重合し、かつ製品中の輝点を減少できることは知られていない。
本願は、助触媒兼担体であるイオン交換性層状珪酸塩粒子の平均粒径と、製造する際の酸処理濃度および酸処理によって溶出するアルミニウムの溶出率を制御することにより、従来では製造できなかったような、ポリマー物性と重合性能を高いレベルで同時に実現させたオレフィン重合用触媒を製造する技術を完成するに至った。
以下、本発明のオレフィン重合用触媒成分の製造方法等について、項目毎に詳細に説明する。なお、本明細書において数値範囲を示す「~」とは、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
1.(1)イオン交換性層状珪酸塩
本発明のオレフィン重合用触媒成分は、イオン交換性層状珪酸塩からなる。
本発明におけるイオン交換性層状珪酸塩とは、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる珪酸塩化合物の一種であり、天然産のものに限らず、人工合成物であってもよい。
具体例としては、例えば、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)等に記載されているように、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイトが挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。多くのスメクタイトは、天然には、粘土鉱物の混合物として産出されるため、夾雑物(石英やクリストバライト等が挙げられる)が含まれることが多いが、それらを含んでいてもよい。好ましくは、主成分がモンモリロナイトであるものがよい。
また、これらの天然物を水簸により精製することがより好ましい。水簸を行うことで、比重の大きな石英や長石などの不純物が取り除かれる他、膨潤しない珪酸塩も取り除くことができ、好ましいイオン交換性層状珪酸塩を得ることができる。水簸方法としては、通常用いられる水簸方法を用いることができる。本発明で用いるスメクタイトは,水簸による不純物除去を行うことで得られる。
また、これらのイオン交換性層状珪酸塩は後述する化学処理が行われていてもよい。また本発明においては、化学処理を加える前段階でイオン交換性を有していれば、該処理によって物理的、化学的な性質が変化し、イオン交換性や層構造がなくなった珪酸塩もイオン交換性層状珪酸塩であるとして取り扱う。
本発明のイオン交換性層状珪酸塩の層間カチオン(イオン交換性層状珪酸塩の層間に含有される陽イオン)の種類としては、特に限定されないが、主成分として、リチウム、ナトリウム等の周期律表第1族のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等の周期律表第2族のアルカリ土類金属、あるいは鉄、コバルト、銅、ニッケル、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、イリジウム、白金、金等の遷移金属などが、工業原料として比較的容易に入手可能である点で好ましい。
本発明で用いるイオン交換性層状珪酸塩は、2:1型のイオン交換性層状珪酸塩であって、八面体シートが2八面体であり、下記の式(a)で示される。
(M、M2+ 0.5x+y(Y3+ 2-y、Y2+ )(Si4-x、Al)O10(OH)・・・式(a)
[上記式(a)中、MはNa及び/又はKイオンを表し、M2+はCaイオンを表し、Y3+はAl、Fe、Mn、Crのいずれか1種類以上の3価の金属イオンを表し、Y2+はMg、Fe、Mn、Ni、Znのいずれか1種類以上の2価の金属イオンを表す。]
ここで、式(a)において、(M、M2+ 0.5)は層間イオンを、(Y3+ 2-y、Y2+ )は八面体シートを、(Si4-x、Al)は四面体シートを表しており、これは粘土ハンドブック第3版(日本粘土学会、技報堂出版、2009年4月30日発行)65ページに記載されている。
2:1型のイオン交換性層状珪酸塩は、1枚の八面体シートを2枚の四面体シートが挟んで組み合った場合のイオン交換性層状珪酸塩のことを意味する。
また、イオン交換性層状珪酸塩は、層間に含まれる水分子を式(a)に追加して示される場合もあるが、ここでは省略している。
層間に含まれる水分子の量は、層間金属の種類により異なり、さらに外的環境の影響により常に変化する。そのため、nHOと記載され、定性的な量として示されることは少なく、nの範囲も不確定である。
しかしながら、nの値はイオン交換性層状珪酸塩を粉体として取り扱うことが可能な範囲にあると考えることもでき、最大でも20であり、10程度であることが好ましい。
イオン交換性層状珪酸塩の組成分析はJIS法による化学分析により検量線を作成し、蛍光X線測定にて定量する。
装置は、理学電機工業(株)ZSX-100eを使用する。
試料は、700℃で1時間焼成後、0.5gを分け取り、融剤(Li)4.5g、剥離剤(KBr)0.03gと混合し、ガラスビードを作成することで調製する。
それぞれの原子についての検量線範囲は、以下のとおり。
Si:19.8~44.22%、Al:2.01~19.4%、Mg:0.22~8.0%、Na:0.21~3.62%、Fe:0.53~5.83%。
本発明に用いるイオン交換性層状珪酸塩を水溶媒中に分散させて測定した原料粘土の平均粒径は2μm以下であってもよく、好ましくは1μm以下である。
この水分散径とは、次の方法で測定するメジアン径のことを示す。
測定方法は、まず、原料粘土(スメクタイト)を0.05g量りとり、これを蒸留水9.95gにスターラーで撹拌させながら、ゆっくり加え、均一な0.5質量%のスメクタイト/水スラリーを調製する。
これを液温が20~60℃の範囲で12時間以上放置した後、10分間超音波処理し、この粘土/水スラリーをサンプルとしてレーザー回折散乱式の粒度測定装置(例えば、堀場製作所製レーザー回折・散乱式粒子測定装置LA-920)を用い、分散媒を水、屈折率1.3、形状係数1.0の条件で測定する。
1.(2)イオン交換性層状珪酸塩の噴霧乾燥造粒
本発明に用いるイオン交換性層状珪酸塩は、噴霧乾燥造粒されてもよい。噴霧乾燥造粒を行う場合、原料スラリーの分散媒として、水あるいはメタノール、エタノール、クロロホルム、塩化メチレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の有機溶媒を用いる。好ましくは水を分散媒として用いる。
イオン交換性層状珪酸塩は水の含有量によって力学的性質が著しく変化し、噴霧乾燥造粒の原料スラリー液中におけるイオン交換性層状珪酸塩濃度とスラリー粘度とには一定の相関が見られる。このため球状粒子が得られる噴霧乾燥造粒の粘土/水スラリー粘度は0.1~200cp(≒0.0001~0.2Pa・s)であることが好ましく、さらに好ましくは1~200cp(≒0.001~0.2Pa・s)である。特に水溶媒中では1~200cp(≒0.001~0.2Pa・s)が好ましい。
粘土/水スラリーのスラリー濃度(粘土の固形分濃度)は、特に制限はないが、0.1~70質量%が好ましく、さらに好ましくは1~50質量%、特に好ましくは4~40質量%である。
噴霧乾燥造粒の熱風の入口の温度は、分散媒により異なるが、水を例にとると、80~260℃、好ましくは100~220℃で行う。
また、造粒の際に有機物、無機溶媒、無機塩、各種バインダーを用いてもよい。
用いられるバインダーとしては、例えば砂糖、デキストローズ、コーンシロップ、ゼラチン、グルー、カルボキシメチルセルロース類、ポリビニルアルコール、水ガラス、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム、アルコール類、グリコール、澱粉、カゼイン、ラテックス、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、タール、ピッチ、アルミナゾル、シリカゲル、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。
造粒前のイオン交換性層状珪酸塩の形状については、特に制限はなく、天然に産出する形状、人工的に合成した時点の形状でもよいし、
また、粉砕、造粒、分級などの操作によって形状を加工したイオン交換性層状珪酸塩を用いてもよい。
一方、造粒前のイオン交換性層状珪酸塩については、酸処理、塩処理などの化学処理を施さない方が好ましい。これらの処理を施すと造粒体の圧壊強度が低下するという悪影響が生じる。
また、造粒前にはイオン交換性層状珪酸塩が膨潤性である方が好ましい。膨潤性は、水を加えたときの層間距離が変化するかどうかで判定できる。なお、好ましくない造粒前の化学処理には、スメクタイトの精製のために固体状で行う塩処理は含まない。
1.(3)工程(1):イオン交換性層状珪酸塩粒子の酸処理
本発明で用いられるイオン交換性層状珪酸塩粒子は酸類を用いて酸処理されることを特徴とする。
酸処理は、イオン交換性層状珪酸塩を造粒等により形状を加工して得られるイオン交換性層状珪酸塩粒子に対して行われる。
酸処理は、表面の不純物を除く、あるいは層間に存在する陽イオンの交換を行うほか、結晶構造の中に取り込まれているAl、Fe、Mg等の陽イオンの一部又は全部を溶出させることによって表面積を増大させることができる。これは、イオン交換性層状珪酸塩粒子の酸強度を増大させ、また単位質量当たりの酸点量を増大させることに寄与する。
酸処理で用いられる酸類としては、塩酸、硫酸、硝酸、シュウ酸、安息香酸、ステアリン酸、プロピリオン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸などの無機酸および有機酸が例示される。その中でも、無機酸が好ましく、塩酸、硝酸、硫酸が好ましい。さらに好ましくは塩酸、硫酸であり、特に好ましくは硫酸である。
本発明の酸処理時の酸濃度(反応系全体質量に対する酸の質量百分率=[使用する酸の質量(g)/(粘土の質量(g)+水の質量(g)+使用する酸の質量(g))]×100)は、20質量%未満であり、下限値は好ましくは5質量%以上、より好ましくは9質量%以上であり、上限値は好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下である。酸濃度が低くなると、陽イオンの溶出速度が低下し、製造効率が低下する。一方で酸濃度が高いと処理が不均一に進行するため、過度に陽イオンの溶出が進行する部位が生じ、最適な構造ではなくなることにより、活性点が減少し、重合活性が低下すると考えている。
また、酸処理条件として、温度の下限値は好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、さらに好ましくは60℃以上であり、上限値は好ましくは102℃以下、より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは95℃以下である。あまり温度を低下させると、極端に陽イオンの溶出速度が低下し、製造効率が低下する。一方、温度を上げ過ぎると、操作上の安全性が低下する。
イオン交換性層状珪酸塩粒子の溶媒中の濃度は、3~50質量%で調製できる。濃度の下限値は好ましくは5質量%以上であり、上限値は好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。濃度が低くなると、工業的に生産する場合は大きな設備が必要となってしまう。一方、濃度が高い場合には、スラリーの粘度が上昇してしまい、均一な攪拌混合が困難になり、やはり製造効率が低下する。
酸処理条件として、酸処理時間は、下限値が500分以上であってもよく、好ましくは540分以上であってもよく、上限値が1600分以下であってもよく、好ましくは1000分以下であってもよく、より好ましくは960分以下であってもよい。上記範囲内であれば、助触媒として最適な構造を維持することができる。
上記酸処理を実施した後に、反応溶液中の反応物もしくは未反応物が残存することで、活性低下を招く可能性があるため、洗浄することが好ましい。
洗浄に使用する溶媒は、反応に用いた溶媒と同様の種類を使用することが好ましく、水やアルコール類を使用することがより好ましい。
1.(4).オレフィン重合用触媒成分の特性
本発明で得られるオレフィン重合用触媒成分は、次の特性(i)~(iii)の条件を満たすものである。
(i)平均粒径
本発明におけるオレフィン重合用触媒成分の平均粒径は、26.0μm~200.0μmである。
平均粒径の下限値は好ましくは30.0μm以上、より好ましくは34.3μm以上であり、上限値は好ましくは100.0μm以下、より好ましくは90.0μm以下、さらに好ましくは80.0μm以下、特に好ましくは46.9μm以下である。平均粒径が26.0μm未満であると微粉発生量が多くなると考える。また、粒子の流動性が悪く静電気付着しやすくなると考える。
さらに、オレフィン重合用触媒成分としてエチレン-プロピレンブロック共重合体などを製造するとゴム成分が表面に溶出し、パウダーのべたつきが生じることによって、ポリマー嵩密度の低下や流動性の悪化を引き起こすだけでなく、ゴム成分の局在化を引き起こす可能性がある。
一方で、平均粒径が200.0μmを超えても流動性の悪化や配管の閉塞の原因となる恐れがある。
ここで、本発明における平均粒径は、堀場製作所社製レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置LA-920を用い、分散溶媒をエタノール、屈折率1.0、形状係数1.0の条件で測定した体積基準のメジアン径の値を平均粒径とする。
(ii)アルミニウムの溶出率
本発明におけるオレフィン重合用触媒成分は、イオン交換性層状珪酸塩粒子の酸処理によって、八面体シートを構成するアルミニウムイオンを、酸処理、塩基処理等の化学処理前の含有量に対して、26~64%溶出させることを特徴とする。アルミニウムの溶出率の下限値は好ましくは40%以上、より好ましくは44%以上であり、上限値は好ましくは60%以下である。
ここで、アルミニウムの溶出率(%)は、以下の式で表される。
{[(化学処理前のアルミニウム/珪素(モル比))-(化学処理後のアルミニウム/珪素(モル比))]÷(化学処理前のアルミニウム/珪素(モル比))}×100
溶出率が小さいと、イオン交換性層状珪酸塩粒子を構成する構成粒子間の接着点数が多いため粒子強度が高くなると考えている。
その結果、重合時にイオン交換性層状珪酸塩粒子の分散性不良が起こるために、粒子成長が不均一に進行し、得られるポリマーの形状の異形化によるポリマー嵩密度の低下や微粉発生などの問題が生じる可能性があると考えている。
さらに、エチレン-プロピレンブロック共重合体などを製造する際に、一段目の粒子成長が不均一なために、二段目で製造されるゴム成分(高エチレン含量、高分子量のポリマー)が局在化し、輝点数が増加することが考えられる。
また、遷移金属錯体と反応してオレフィン重合用触媒の活性点はアルミニウムを主とする金属イオンの溶出によって形成されると考えており、溶出率が小さいと活性点は減少し、活性が低下することが考えられる。
一方で、溶出率が大きいとイオン交換性層状珪酸塩粒子を構成する構成粒子間の接着点数が減少するため粒子強度が低くなると考えている。その場合、粒子強度の低下によって重合中に微粉を発生させたり、パウダー性状の悪化を引き起こしたりする可能性が考えられる。
また、溶出率が大きいと金属イオンの過度な溶出により活性点が減少し、活性は低下すると考えている。
(iii)圧壊強度
本発明におけるオレフィン重合用触媒成分の圧壊強度は、5.0MPa以上100.0MPa以下である。圧壊強度の下限値は好ましくは8.0MPa以上、より好ましくは10.0MPa以上であり、上限値は好ましくは50.0MPa以下、より好ましくは25.0MPa以下である。圧壊強度が5.0MPa未満であるとオレフィン重合用触媒成分であるイオン交換性層状珪酸塩粒子が重合中に壊れて微粉が発生する問題が生じる。圧壊強度が100.0MPaを超えると重合中に粒子がレプリカ効果で成長せず、ひずみのあるパウダー粒子が生じたり、微粉が発生したり、初期活性が低下する問題が生じると考えている。
ここで、圧壊強度は、島津製作所(株)製の圧壊試験器「MCT-210」を用いて、任意に選んだ10個以上の粒子の圧壊強度を測定し、その平均値を採用することができる。
(iv)2~6nmの細孔容積
本発明におけるオレフィン重合用触媒成分は、さらに、下記特性(iv)を満たしてもよい。
本発明におけるオレフィン重合用触媒成分は、窒素吸着法により測定した直径が2~6nmの範囲にある細孔の細孔容積の総和が、0.170cm/g以上、0.500cm/g以下である。
直径が2~6nmの範囲にある細孔の細孔容積の総和は、下限値が0.170cm/g以上であればよく、0.170cm/gより大きいことが好ましく、0.173cm/g以上であることがより好ましく、上限値は、0.500cm/g以下であればよく、0.500cm/gより小さいことが好ましく、0.400cm/gより小さいことがより好ましく、0.247cm/gより小さいことが特に好ましい。
遷移金属錯体と反応してオレフィン重合用触媒の活性点は、メソ細孔領域に多く存在していると考えられており、2~6nmの範囲にある細孔の細孔容積の総和が0.170cm/g未満の細孔容積となった場合、活性が低下するおそれがあると考えられる。
また、2~6nmの範囲にある細孔が少ないと重合時にイオン交換性層状珪酸塩粒子の分散性不良が起こるために、粒子成長が不均一に進行し、得られるポリマーの形状の異形化によるポリマー嵩密度の低下や微粉発生などの問題が生じる可能性があると考えられる。
また、エチレン-プロピレンブロック共重合体などを製造する二段重合の際に、一段目の粒子成長が不均一なために、二段目で製造されるゴム成分が局在化し、輝点数が増加することが考えられる。
一方、2~6nmの範囲にある細孔の細孔容積の総和が0.500cm/gを超える細孔容積となった場合、粒子強度が低下し、重合中に微粉を発生したり、パウダー性状の悪化を引き起こしたりする可能性が考えられる。
1.(5)工程(2):イオン交換性層状珪酸塩粒子の塩基類による処理
本発明においては、前記工程(1)後、イオン交換性層状珪酸塩粒子に塩基類による処理を行うことが好ましい。
イオン交換性層状珪酸塩粒子と塩基類との接触は、イオン交換性層状珪酸塩を溶媒に分散させたスラリーで行うことが好ましい。
スラリー化のための溶媒としては、水、アルコール等の有機溶媒などが挙げられ、好ましくはアルコール、水で、より好ましくは水である。
塩基類の使用量は、塩基類との接触前のイオン交換性層状珪酸塩スラリーのpHにも依存するが、塩基類を添加した後のpHは、工程全体を通してpHが8以下であり、かつ工程を終了するときに、pHが4.5~8となる量を使用することが好ましい。
上記塩基類とは、ブレンステッド塩基として働く物質である。塩基類は、プロトンと反応して水を発生する(中和反応)性質を持つ物質であり、好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期表第3~14族の金属からなる群から選ばれる金属の水酸化物がある。さらに好ましくはアルカリ金属、アルカリ土類金属、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Al、Sn、Pbの水酸化物である。特に好ましくはアルカリ金属、アルカリ土類金属、Mg、Zn、Alの水酸化物である。
塩基類は、以下に限定されるわけではないが、具体例を挙げると、LiOH、NaOH、KOH、CsOH、RbOH、Be(OH)、Mg(OH)、Ca(OH)、Sr(OH)、Mn(OH)、Cu(OH)、Cu(OH)、Zn(OH)、Al(OH)、Sn(OH)、Pb(OH)、Ni(OH)、LiCO、NaCO、KCO、CsCO、RbCO、BeCO、MgCO、CaCO、MnCO、CuCO、Al(CO)、ZnCO、PbCO、LiHCO、NaHCO、RpHCO、CsHCO、Ca(HCO、Mg(HCOなどがある。
塩基類は、単独で用いても複数で用いてもよい。使用方法には、特に制限はない。
イオン交換性層状珪酸塩粒子と接触させる際の塩基類の状態は、溶媒に溶解させていても、固体のままでもよい。溶媒に溶解させて接触させる場合は、その濃度に、制限はなく、上限としては、飽和する濃度以下である。
塩基類による化学処理を行った後も、洗浄を行うことが好ましい。
洗浄に使用する溶媒は、反応に用いた溶媒と同様の種類を使用することが好ましく、水やアルコール類を使用することがより好ましい。
洗浄率としては、1/5~1/1000、1/100~1/1000が好ましい。
洗浄および脱水後は、乾燥を行うことが好ましい。
乾燥は、イオン交換性層状珪酸塩粒子の構造破壊を起こさないように行うことが好ましい。
乾燥温度は、一般的には、100~800℃、好ましくは150~600℃で実施可能であり、特に好ましくは150~300℃で実施することが好ましい。
これらのイオン交換性層状珪酸塩粒子は、構造破壊されなくとも乾燥温度により特性が変化するために、用途に応じて乾燥温度を変えることが好ましい。
乾燥時間は、通常1分~24時間、好ましくは5分~4時間である。
雰囲気は、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、又は減圧下であることが好ましい。
乾燥方法に関しては、特に限定されず、各種方法で実施可能である。
1.(6)その他の化学処理
本発明においては、イオン交換性層状珪酸塩粒子に、酸処理、塩基処理の他に、その他の化学処理を行ってもよい。
その他の化学処理としては、塩類、酸化剤、還元剤、あるいはイオン交換性層状珪酸塩粒子の層間にインターカレーションし得る化合物などを含有する処理剤との接触などが挙げられる。
インターカレーションとは、層状物質の層間に別の物質を導入することをいい、導入される物質をゲスト化合物という。
また、化学処理は複数回に分けて行うことも可能であり、処理の順序に制限はない。
化学処理による共通の影響として、層間陽イオンの交換を行うことが挙げられる。
また、インターカレーションや塩類処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと置換することにより、層間が拡大した状態の層状物質を得ることもできる。すなわち、嵩高いイオンが層状構造を支える支柱的な役割を担っており、ピラーと呼ばれる。以下に、処理剤の具体例を示す。
塩類としては、有機陽イオン、無機陽イオン、金属イオンからなる群から選ばれる陽イオンと、有機陰イオン、無機陰イオン、ハロゲン化物イオンからなる群から選ばれる陰イオンとから構成される塩類が例示される。例えば、周期律表第1~14族から選択される少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロゲンの陰イオン、無機ブレンステッド酸及び有機ブレンステッド酸の陰イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種の陰イオンとから構成される化合物が好ましい例として挙げられる。特に好ましくは、アニオンが無機ブレンステッド酸やハロゲンからなる化合物である。
このような塩類の具体例としては、
LiCl、LiBr、LiSO、Li(PO)、LiNO、Li(OOCCH)、
NaCl、NaBr、NaSO、Na(PO)、NaNO、Na(OOCCH)、
KCl、KBr、KSO、K(PO)、KNO、K(OOCCH)、
CaCl、CaSO、Ca(NO、Ca(C
Ti(OOCCH、Ti(CO、Ti(NO、Ti(SO、TiF、TiCl、TiBr、TiI
Zr(OOCCH、Zr(CO、Zr(NO、Zr(SO、ZrF、ZrCl、ZrBr、ZrI、ZrOCl、ZrO(NO、ZrO(ClO、ZrO(SO)、
Hf(OOCCH、Hf(CO、Hf(NO、Hf(SO、HfOCl、HfF、HfCl、HfBr、HfI
CuCl、CuBr、Cu(NO、CuC、Cu(ClO、CuSO、Cu(OOCCH
Zn(OOCH、Zn(CHCOCHCOCH、ZnCO、Zn(NO、Zn(ClO、Zn(PO、ZnSO、ZnF、ZnCl、nBr、ZnI
AlF、AlCl、AlBr、AlI、Al(SO、Al(C、Al(CHCOCHCOCH、Al(NO、AlPO
GeCl
Sn(OOCCH、Sn(SO、SnF、SnCl等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
有機陽イオンの例としては、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、ドデシルアンモニウム、N,N-ジメチルアニリニウム、N,N-ジエチルアニリニウム、N,N-2,4,5-ペンタメチルアニリニウム、N,N-ジメチルオクタデシルアンモニウム、オクタドデシルアンモニウム、N,N-2,4,5-ペンタメチルアニリニウム、N,N-ジメチル-p-n-ブチルアニリニウム、N,N-ジメチル-p-トリメチルシリルアニリニウム、N,N-ジメチル-1-ナフチルアニリニウム、N,N,2-トリメチルアニリニウム、2,6-ジメチルアニリニウム等のアンモニウム化合物、
ピリジニウム、キノリニウム、N-メチルピペリジニウム、2,6-ジメチルピリジニウム、2,2,6,6-テトラメチルピペリジニウム等の含窒素芳香族化合物、
ジメチルオキソニウム、ジエチルオキソニウム、ジフェニルオキソニウム、フラニウム、オキソラニウム等のオキソニウム化合物、
トリフェニルホスホニウム、トリ-o-トリルホスホニウム、トリ-p-トリルホスホニウム、トリメシチルホスホニウム等のホスホニウム化合物、
ホスファベンゾニウム、ホスファナフタレニウム等の含リン芳香族化合物等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
陰イオンの例としては、上に例示した陰イオン以外にも、ホウ素化合物、リン化合物からなる陰イオン、例えばヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレートなどが例示されるが、これらに限定されるものではない。
また、これらの塩類は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに酸類、アルカリ類、酸化剤、還元剤、イオン交換性層状珪酸塩の層間にインターカレーションする化合物等と組み合わせて用いてもよい。
これらの組み合わせは処理開始時に添加する処理剤について組み合わせて用いてもよいし、処理の途中で添加する処理剤について組み合わせて用いてもよい。
上述の塩類による化学処理は、適当な溶剤を使用し、そこに処理剤を溶解させて処理剤溶液として用いても良いし、処理剤自身を溶媒として用いてもよい。
使用できる溶剤としては、水、アルコール類、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エステル類、エーテル類、ケトン類、アルデヒド類、フラン類、アミン類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。好ましくは、水、アルコール類、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エステル類、エーテル類であり、より好ましくは水、アルコール類、脂肪族炭化水素、エーテル類であり、特に好ましくは水、アルコール類である。
また、処理剤溶液中の処理剤濃度は0.1~100質量%程度が好ましく、より好ましくは5~50質量%程度である。処理剤濃度がこの範囲内であれば処理に要する時間が短くなり効率的に生産が可能になるという利点がある。
塩類による化学処理を行った後も、洗浄を行うことが好ましい。
洗浄に使用する溶媒は、反応に用いた溶媒と同様の種類を使用することが好ましく、水やアルコール類を使用することがより好ましい。
洗浄率としては、1/5~1/1000、1/100~1/1000が好ましい。
2.オレフィン重合用触媒の製造方法
本発明のオレフィン重合用触媒の製造方法は、下記成分[A]、成分[B]、及び成分[C]をオレフィンと接触させてなることを特徴とする。
成分[A]:前記記載の製造方法で得られるオレフィン重合用触媒成分
成分[B]:周期表第4族の遷移金属化合物
成分[C]:有機アルミニウム化合物
2.(1)オレフィン重合用触媒
<成分[A]>
成分[A]は、上述の手法で得られた、オレフィン重合用触媒成分である。
<成分[B]>
本発明で使用する成分[B]の好ましい周期表第4族の遷移金属化合物は、共役五員環配位子を少なくとも一個有するメタロセン化合物である。かかる遷移金属化合物として好ましいものは、下記一般式(1)~(4)で表される化合物である。
Figure 0007092002000001
[上記一般式(1)~(4)中、
AおよびA’は、置換基を有してもよい共役五員環配位子(同一化合物内においてAおよびA’は同一でも異なっていてもよい)を示し、
Qは、二つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を示し、
Zは、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子またはイオウ原子を含む配位子、水素原子、ハロゲン原子、又は炭化水素基を示し、
Z’は、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子またはイオウ原子を含む配位子、又は炭化水素基を示す。
Q’は、共役五員環配位子の任意の位置とZを架橋する結合性基を示し、
Mは、周期表第4族から選ばれる金属原子を示し、
XおよびYは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基、アミノ基、リン含有炭化水素基または珪素含有炭化水素基(同一化合物内においてX及びYは、同一でも異なっていてもよい。)を示す。]
AおよびA’としては、例えば、シクロペンタジエニル基を挙げることができる。
シクロペンタジエニル基は、水素原子を五個有するもの[C-]であってもよく、また、その誘導体、すなわちその水素原子のいくつかが置換基で置換されているものであってもよい。
この置換基の例としては、炭素数1~40、好ましくは炭素数1~30の炭化水素基である。
この炭化水素基は、一価の基としてシクロペンタジエニル基と結合していても、また、これが複数存在するときに、その内の2個がそれぞれ他端(ω-端)で結合してシクロペンタジエニルの一部と共に環を形成していてもよい。
後者の例としては、2個の置換基がそれぞれω-端で結合して、該シクロペンタジエニル基中の隣接した2個の炭素原子を共有して縮合六員環を形成しているもの、即ちインデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基、および縮合七員環を形成しているもの、即ちアズレニル基、テトラヒドロアズレニル基等が挙げられる。
AおよびA’で示される共役五員環配位子の好ましい具体的例としては、置換または非置換のシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基、またはアズレニル基等が挙げられる。この中で、特に好ましいものは、置換または非置換のインデニル基、またはアズレニル基である。
シクロペンタジエニル基上の置換基としては、前記の炭素数1~40、好ましくは炭素数1~30の炭化水素基に加え、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子基、炭素数1~12のアルコキシ基、例えば、-Si(R)(R)(R)で示される珪素含有炭化水素基、-P(R)(R)で示されるリン含有炭化水素基、または-B(R)(R)で示されるホウ素含有炭化水素基が挙げられる。これらの置換基が複数ある場合、それぞれの置換基は同一でも異なっていてもよい。
上述のR、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、炭素数1~24、好ましくは炭素数1~18のアルキル基を示す。
さらに、シクロペンタジエニル基上の置換基として、少なくとも1つの第15~16族元素(すなわち、ヘテロ元素)を有しても良い。この場合、ヘテロ元素自身を活性点近傍に、しかも金属と結合、配位することなく存在させて、活性点の性質を向上させようという思想から、第15~16族元素と共役五員環配位子とを結合する原子数が1以下であるメタロセン錯体がさらに好ましい。
第15~16族元素の配位子上の位置は、特に制限は無いが、2位の置換基上に有することが好ましい。
さらに好ましくは2位の置換基が、5員又は6員環中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子、及びリン原子よりなる群から選択されるヘテロ原子を含有する単環式又は多環式であることが好ましい。
また、好ましくはケイ素もしくはハロゲンを含んでもよい炭素数4~20のヘテロ芳香族基であり、ヘテロ芳香族基は、5員環構造が好ましく、ヘテロ原子は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子が好ましく、酸素原子、硫黄原子がより好ましく、酸素原子がさらに好ましい。
Qは、二つの共役五員環配位子間を任意の位置で架橋する結合性基を、Q’は、共役五員環配位子の任意の位置とZで示される基を架橋する結合性基を表す。
QおよびQ’の具体例としては、次の基が挙げられる。
(イ)メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基、フェニルメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキシレン基等のアルキレン基類
(ロ)ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジプロピルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルエチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基、メチル-t-ブチルシリレン基、ジシリレン基、テトラメチルジシリレン基、シラシクロブチレン基等のシリレン基類
(ハ)ゲルマニウム、リン、窒素、ホウ素あるいはアルミニウムを含む炭化水素基類
さらに、具体的には、(CHGe、(CGe、(CH)P、(C)P、(C)N、(C)N、(C)B、(C)B、(C)Al、(CO)Alで示される基等である。好ましいものは、アルキレン基類、又は、シリレン基類である。
また、Mは、金属原子のことで、特に周期表第4族から選ばれる遷移金属原子を示し、例を挙げるならば、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等である。特に、ジルコニウム、ハフニウムが好ましい。
さらに、Zは、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子またはイオウ原子を含む配位子、水素原子、ハロゲン原子又は炭化水素基を示し、Z’は、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子またはイオウ原子を含む配位子、又は炭化水素基を示す。
Z及びZ’の好ましい具体例としては、炭素数1~40、好ましくは炭素数1~18の酸素含有炭化水素基、炭素数1~40、好ましくは炭素数1~18のイオウ含有炭化水素基、炭素数1~40、好ましくは炭素数1~18のケイ素含有炭化水素基、炭素数1~40、好ましくは炭素数1~18の窒素含有炭化水素基、炭素数1~40、好ましくは炭素数1~18のリン含有炭化水素基、炭素数1~20の炭化水素基が挙げられ、Zの好ましい具体例としては、水素原子、塩素原子、臭素原子が更に追加される。
XおよびYは、各々水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10の炭化水素基、炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10のアルコキシ基、アミノ基、ジフェニルフォスフィノ基等の炭素数1~20、好ましくは炭素数1~12のリン含有炭化水素基、またはトリメチルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基等の炭素数1~20、好ましくは炭素数1~12のケイ素含有炭化水素基である。
XとYは同一でも異なってもよい。これらのうちハロゲン原子、炭素数1~10の炭化水素基、および炭素数1~12のアミノ基が特に好ましい。
一般式(1)で表される化合物としては、例えば、
(1)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(2)ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(3)ビス(1、3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(4)ビス(1-n-ブチル-3-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(5)ビス(1-メチル-3-トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(6)ビス(1-メチル-3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(7)ビス(1-メチル-3-フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(8)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(9)ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(10)ビス(2-メチル-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
等が挙げられる。
一般式(2)で表される化合物としては、例えば、
(1)ジメチルシリレンビス{1-(2-メチル-4-イソプロピル-4H-アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(2)ジメチルシリレンビス{1-(2-メチル-4-フェニル-4H-アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(3)ジメチルシリレンビス〔1-{2-メチル-4-(4-フルオロフェニル)-4H-アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(4)ジメチルシリレンビス[1-{2-メチル-4-(2、6-ジメチルフェニル)-4H-アズレニル}]ジルコニウムジクロリド、
(5)ジメチルシリレンビス{1-(2-メチル-4、6-ジイソプロピル-4H-アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(6)ジフェニルシリレンビス{1-(2-メチル-4-フェニル-4H-アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(7)ジメチルシリレンビス{1-(2-エチル-4-フェニル-4H-アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(8)エチレンビス{1-[2-メチル-4-(4-ビフェニリル)-4H-アズレニル]}ジルコニウムジクロリド、
(9)ジメチルシリレンビス{1-[2-エチル-4-(2-フルオロ-4-ビフェニリル)-4H-アズレニル]}ジルコニウムジクロリド、
(10)ジメチルシリレンビス{1-[2-メチル-4-(2’、6’-ジメチル-4-ビフェニリル)-4H-アズレニル]}ジルコニウムジクロリド、
(11)ジメチルシリレン{1-[2-メチル-4-(4-ビフェニリル)-4H-アズレニル]}{1-[2-メチル-4-(4-ビフェニリル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、
(12)ジメチルシリレン{1-(2-エチル-4-フェニル-4H-アズレニル)}{1-(2-メチル-4、5-ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(13)ジメチルシリレンビス{1-(2-エチル-4-フェニル-7-フルオロ-4H-アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(14)ジメチルシリレンビス{1-(2-エチル-4-インドリル-4H-アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(15)ジメチルシリレンビス[1-{2-エチル-4-(3、5-ビストリフルオロメチルフェニル)-4H-アズレニル}]ジルコニウムジクロリド、
(16)ジメチルシリレンビス{1-(2-メチル-4-フェニル-4H-アズレニル)}ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホン酸)、
(17)ジメチルシリレンビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(18)ジメチルシリレンビス{1-(2-メチル-4、5-ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(19)ジメチルシリレンビス〔1-{2-メチル-4-(1-ナフチル)インデニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(20)ジメチルシリレンビス{1-(2-メチル-4、6-ジイソプロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(21)ジメチルシリレンビス{1-(2-エチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(22)エチレン-1、2-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(23)エチレン-1、2-ビス{1-(2-エチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(24)イソプロピリデンビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(25)エチレン-1、2-ビス{1-(2-メチル-4-フェニル-4H-アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(26)イソプロピリデンビス{1-(2-メチル-4-フェニル-4H-アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(27)ジメチルゲルミレンビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(28)ジメチルゲルミレンビス{1-(2-エチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(29)フェニルホスフィノビス{1-(2-エチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(30)ジメチルシリレンビス[3-(2-フリル)-2、5-ジメチル-シクロペンタジエニル]ジルコニウムジクロリド、
(31)ジメチルシリレンビス[2-(2-フリル)-3、5-ジメチル-シクロペンタジエニル]ジルコニウムジクロリド、
(32)ジメチルシリレンビス[2-(2-フリル)-インデニル]ジルコニウムジクロリド、
(33)ジメチルシリレンビス[2-(2-(5-メチル)フリル)-4、5-ジメチル-シクロペンタジエニル]ジルコニウムジクロリド、
(34)ジメチルシリレンビス[2-(2-(5-トリメチルシリル)フリル)-4、5-ジメチル-シクロペンタジエニル]ジルコニウムジクロリド、
(35)ジメチルシリレンビス[2-(2-チエニル)-インデニル]ジルコニウムジクロリド、
(36)ジメチルシリレン[2-(2-(5-メチル)フリル)-4-フェニルインデニル][2-メチル-4-フェニルインデニル]ジルコニウムジクロリド、
(37)ジメチルシリレンビス(2、3、5-トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(38)ジメチルシリレンビス(2、3-ジメチル-5-エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(39)ジメチルシリレンビス(2、5-ジメチル-3-フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(40)ジクロロシラシクロブチレン ビス[2-(5-メチル-2-フリル)-4-フェニル-5,6-ジメチル-1-インデニル]ジルコニウムジクロリド
(41)ジクロロシラシクロブチレン ビス[2-(4,5-ジメチル-2-フリル)-4-フェニル-5,6-ジメチル-1-インデニル]ジルコニウムジクロリド
(42)ジクロロシラシクロブチレン ビス[2-(5-t-ブチル-2-フリル)-4-フェニル-5,6-ジメチル-1-インデニル]ジルコニウムジクロリド
(43)ジクロロシラシクロブチレン ビス[2-(5-フェニル-2-フリル)-4-フェニル-5,6-ジメチル-1-インデニル]ジルコニウムジクロリド
(44)ジクロロシラシクロブチレン ビス[2-(2-チエニル)-4-フェニル-5,6-ジメチル-1-インデニル]ジルコニウムジクロリド
(45)ジクロロシラシクロブチレン ビス[2-(5-メチル-2-チエニル)-4-フェニル-5,6-ジメチル-1-インデニル]ジルコニウムジクロリド
(46)ジクロロシラシクロブチレン ビス[2-(5-メチル-2-フリル)-4-(4-フルオロフェニル)-5,6-ジメチル-1-インデニル]ジルコニウムジクロリド(47)ジクロロシラシクロブチレン ビス[2-(5-メチル-2-フリル)-4-(4-クロロフェニル)-5,6-ジメチル-1-インデニル]ジルコニウムジクロリド
(48)ジクロロシラシクロブチレン ビス[2-(5-メチル-2-フリル)-4-(4-メチルフェニル)-5,6-ジメチル-1-インデニル]ジルコニウムジクロリド
(49)ジクロロシラシクロブチレン ビス[2-(5-メチル-2-フリル)-4-(4-t-ブチルフェニル)-5,6-ジメチル-1-インデニル]ジルコニウムジクロリド
(50)ジクロロシラシクロブチレン ビス[2-(5-メチル-2-フリル)-4-(3,5-ジメチルフェニル)-5,6-ジメチル-1-インデニル]ジルコニウムジクロリド
(51)ジクロロシラシクロブチレン ビス[2-(5-メチル-2-フリル)-4-(3,5-ジt-ブチルフェニル)-5,6-ジメチル-1-インデニル]ジルコニウムジクロリド
(52)ジクロロシラシクロブチレン ビス[2-(5-メチル-2-フリル)-4-(1-ナフチル)-5,6-ジメチル-1-インデニル]ジルコニウムジクロリド
(53)ジクロロシラシクロブチレン ビス[2-(5-メチル-2-フリル)-4-(2-ナフチル)-5,6-ジメチル-1-インデニル]ジルコニウムジクロリド
(54)ジクロロシラシクロブチレン ビス[2-(5-メチル-2-フリル)-4-(4-ビフェニリル)-5,6-ジメチル-1-インデニル]ジルコニウムジクロリド
等が挙げられる。
一般式(3)で表される化合物としては、例えば、
(1)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(ビスt-ブチルアミド)ジクロリド、
(2)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(ビスイソプロピルアミド)ジクロリド、
(3)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(ビスシクロドデシルアミド)ジクロリド、
(4)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム{ビス(トリメチルシリル)アミド)}ジクロリド、
(5)(2-メチル-4-フェニル-4H-アズレニル)チタニウム{ビス(トリメチルシリル)アミド}ジクロリド、
(6)(2-メチルインデニル)チタニウム(ビスt-ブチルアミド)ジクロリド、
(7)(フルオレニル)チタニウム(ビスt-ブチルアミド)ジクロリド、
(8)(3、6-ジイソプロピルフルオレニル)チタニウム(ビスt-ブチルアミド)ジクロリド、
(9)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(フェノキシド)ジクロリド、(10)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(2、6-ジイソプロピルフェノキシド)ジクロリド、
等が挙げられる。
一般式(4)で表される化合物としては、例えば、
(1)ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(t-ブチルアミド)チタニウムジクロリド、
(2)ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(シクロドデシルアミド)チタニウムジクロリド、
(3)ジメチルシランジイル(2-メチルインデニル)(t-ブチルアミド)チタニウムジクロリド、
(4)ジメチルシランジイル(フルオレニル)(t-ブチルアミド)チタニウムジクロリド、等が挙げられる。
これらの例示化合物のジクロリドは、ジブロマイド、ジフルオライド、ジメチル、ジフェニル、ジベンジル、ビスジメチルアミド、ビスジエチルアミド等に置き換えた化合物も、同様に例示される。さらに、例示化合物中のジルコニウムは、ハフニウムまたはチタニウムに、チタニウムは、ハフニウムまたはジルコニウムに置き換えた化合物も、同様に、例示される。
本発明で使用する遷移金属化合物としては、一般式(2)で示される化合物が好ましい。
なお、メタロセン化合物は、一種類を用いることも、二種類以上を併用して用いることもできる。
二種類以上を併用して用いる場合は、上記一般式(1)~(4)のうちいずれか一つの一般式に含まれる化合物群の中から二種類以上を選ぶことができ、一つの一般式に含まれる化合物群の中から選ばれる一種または二種以上と他の一般式に含まれる化合物群の中から選ばれる一種または二種以上とを選ぶこともできる。
<成分[C]>
成分[C]としては、一般式(AlR3-nで表される有機アルミニウム化合物が使用される。式中、Rは炭素数1~20のアルキル基を表し、Xはハロゲン、水素、アルコキシ基又はアミノ基を表し、nは1~3の、mは1~2の整数を各々表す。有機アルミニウム化合物は、単独であるいは複数種を組み合わせて使用することができる。
有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、トリノルマルデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムクロライド等が挙げられる。
これらのうち、好ましくは、m=1、n=3のトリアルキルアルミニウム及びアルキルアルミニウムヒドリドである。
さらに好ましくは、Rが炭素数1~8であるトリアルキルアルミニウムである。
2.(2)オレフィン重合用触媒の調製、予備重合
本発明のオレフィン重合用触媒は、成分[B]と成分[A]及び成分[C]を接触させて触媒とする。
接触方法は特に限定されないが、以下のような順序で接触させることができる。
また、この接触は、触媒調製時だけでなく、オレフィンによる予備重合時またはオレフィンの重合時に行ってもよい。これらの接触において接触を充分に行うため溶媒を用いてもよい。
溶媒としては脂肪族飽和炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族不飽和炭化水素やこれらのハロゲン化物、予備重合モノマーなどが例示される。
1)成分[B]と成分[A]を接触させる
2)成分[B]と成分[A]を接触させた後に成分[C]を添加する
3)成分[B]と成分[C]を接触させた後に成分[A]を添加する
4)成分[A]と成分[C]を接触させた後に成分[B]を添加する
その他、三成分を同時に接触させてもよい。
好ましい接触方法は、上記4)の成分[A]と成分[C]を接触させた後、未反応の成分[C]を洗浄等で除去し、その後再度必要最小限の成分[C]を成分[A]に接触させ、その後成分[B]を接触させる方法である。この場合のAl/遷移金属のモル比は0.1~1,000、好ましくは1~100、さらに好ましくは4~50の範囲である。
成分[B]と成分[C]を接触させる(その場合成分[A]が存在していても良い)温度は0℃~100℃が好ましく、さらに好ましくは20~80℃、特に好ましくは30~60℃である。この範囲より低い場合は反応が遅く、また高い場合は成分[B]の分解反応が進行するという欠点がある。
また成分[B]と成分[C]を接触させる(その場合成分[A]が存在していても良い)場合には有機溶媒を溶媒として存在させることが好ましい。この場合の成分[B]の有機溶媒中での濃度は高い方が良く、好ましくは3~50mM、より好ましくは4~40mM、さらに好ましくは6~30mMである。
成分[A]1gにつき、遷移金属錯体0.001~10ミリモル、好ましくは0.001~1ミリモルの範囲である。
成分[A]は酸点を持つことが好ましい。好ましい酸点の量の下限は成分[A]1gにつきpKa<-8.2以下の強酸点が30μモル、より好ましくは50μモル、さらに好ましくは100μモル、特に好ましくは150μモルである。酸点の量は特開2000-158707の記載に従い測定する。
これらは重合槽内で、あるいは重合槽外で接触させオレフィンの存在下で予備重合を行ってもよい。
本発明においてオレフィンとは、炭素間二重結合を少なくとも1個含む炭化水素をいい、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、3-メチルブテン-1、スチレン、ジビニルベンゼン等が例示されるが、特に種類に制限はなく、これらと他のオレフィンとの混合物を用いてもよい。好ましくは炭素数3以上のオレフィンがよい。
本発明のオレフィン重合用触媒は、粒子性の改良のために、予めオレフィンを接触させて少量重合されることからなる予備重合処理に付すことが好ましい。
使用するオレフィンは、特に限定はないが、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレンなどを使用することが可能であり、特にプロピレンを使用することが好ましい。
オレフィンの供給方法は、オレフィンを反応槽に定速的にあるいは定圧状態になるように維持する供給方法やその組み合わせ、段階的な変化をさせるなど、任意の方法が可能である。
予備重合時間は、特に限定されないが、5分~24時間の範囲であることが好ましい。
また、予備重合量は、予備重合ポリマー量が成分[A]1部に対し、好ましくは0.01~100、さらに好ましくは0.1~50である。
予備重合を終了した後に、触媒の使用形態に応じ、そのまま使用することが可能であるが、必要ならば乾燥を行ってもよい。
予備重合温度は特に制限は無いが、0℃~100℃が好ましく、より好ましくは10~70℃、特に好ましくは20~60℃、さらに好ましくは30~50℃である。この範囲を下回ると反応速度が低下したり、活性化反応が進行しないという弊害が生じる可能性があり、上回ると予備重合ポリマーが溶解したり、予備重合速度が速すぎて粒子性状が悪化したり、副反応のため活性点が失活するという弊害が生じる可能性がある。
予備重合時には有機溶媒等の液体中で実施することも出来、かつこれが好ましい。
予備重合時の固体触媒の濃度には特に制限は無いが、好ましくは10~100g/L、より好ましくは20~80g/L以上、特に好ましくは25~70g/L以上である。濃度が高い方がメタロセンの活性化が進行し、高活性触媒となる。
さらに、上記各成分の接触の際、もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの重合体やシリカ、チタニアなどの無機酸化物固体を共存させることも可能である。
予備重合後に触媒を乾燥してもよい。
乾燥方法には特に制限は無いが、減圧乾燥や加熱乾燥、乾燥ガスを流通させることによる乾燥などが例示され、これらの方法を単独で用いても良いし2つ以上の方法を組み合わせて用いてもよい。
乾燥工程において触媒を攪拌、振動、流動させてもよいし静置させてもよい。
3.オレフィン重合体の製造方法
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、前記記載の製造方法で得られるオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィン重合を行うことを特徴とする。
本発明において、前記成分[A]、成分[B]、及び、成分[C]からなるオレフィン重合用触媒を用いておこなう重合は、オレフィン単独あるいは当該オレフィンと他のコモノマーとを混合接触させることにより行われる。
共重合の場合、反応系中の各モノマーの量比は経時的に一定である必要はなく、各モノマーを一定の混合比で供給することも便利であるし、供給するモノマーの混合比を経時的に変化させることも可能である。また、共重合反応比を考慮してモノマーのいずれかを分割添加することもできる。
重合し得るオレフィンとしては、炭素数2~20程度のものが好ましく、具体的にはエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、スチレン、ジビニルベンゼン、7-メチル-1,7-オクタジエン、シクロペンテン、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン等が挙げられる。好ましくは炭素数2~8のα-オレフィンである。
共重合の場合、用いられるコモノマーの種類は、前記オレフィンとして挙げられるものの中から、主成分となるもの以外のオレフィンを選択して用いることができる。
重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式を採用しうる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒として用いる方法、溶液重合法あるいは実質的に液体溶媒を用いず各モノマーをガス状に保つ気相法などが採用できる。また、連続重合、回分式重合、又は予備重合を行う方法も適用される。
スラリー重合の場合は、重合溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族又は芳香族炭化水素の単独又は混合物が用いられる。
重合温度は、通常、0~150℃である。
また、分子量調節剤として補助的に水素を用いることができる。
重合圧力は0~2000kg/cmG(≒0~196.14MPaG)、好ましくは0~60kg/cmG(≒0~5.88MPaG)が適当である。
本発明の製造方法で得られるオレフィン重合体は、製品外観を悪化させる輝点が少ない。
本発明の製造方法で得られるオレフィン重合体は、輝点数が少なければ少ないほど良く、0~100個/900mmであってもよく、好ましくは0~70個/900mmであってもよい。
本発明の製造方法で得られるオレフィン重合体は、ポリマー嵩密度が0.39~0.60g/cmであってもよく、好ましくは0.40~0.50g/cmであってもよく、0.40~0.47g/cmであってもよい。
本発明の製造方法で得られるオレフィン重合体は、微粉率(212μm以下の割合)が0~0.04質量%であってもよく、好ましくは0~0.01質量%であってもよい。
本発明の製造方法で得られるオレフィン重合体は、ポリマー平均粒径が800~2000μmであってもよく、好ましくは900~1500μmであってもよい。
なお、上記各特性の測定方法は、後述するためここでの記載は省略する。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれらの実施例によって制約を受けるものではない。なお、本実施例における測定法は次の通りである。
(各種物性測定法)
[イオン交換性層状珪酸塩の組成分析]
JIS法による化学分析により検量線を作成し、蛍光X線測定にて定量した。
装置は、理学電機工業(株)ZSX-100eを使用した。
試料は、700℃で1時間焼成後、0.5gを分け取り、融剤(Li)4.5g、剥離剤(KBr)0.03gと混合し、ガラスビードを作成することで調製した。
それぞれの原子についての検量線範囲は、以下のとおりである。
Si:19.8%~44.22%、Al:2.01%~19.4%
[細孔分布測定および比表面積測定]
窒素吸着法による細孔分布および比表面積を測定した。
液体窒素温度下で吸着等温線を測定した。
得られた吸着等温線を用いてBET多点法解析を実施し、比表面積を求めた。
また、吸着等温線を用いて、BJH(Barrett,Joyner,Hallender)法解析により、直径が2~6nmの細孔の細孔容積を求めた。
装置:カンタークローム社製オートソーブ3B
測定手法:窒素ガス吸着法
前処理条件:試料を200℃、真空下(1.3MPa以下)で2時間減圧加熱
試料量:約0.2g
ガス液化温度:77K
[平均粒径の測定]
堀場製作所社製レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置LA-920を用い、分散溶媒をエタノール、屈折率1.3、形状係数1.0の条件で測定した。平均粒径は、体積基準のメジアン径のことをいう。
[MFR(メルトマスフローレート)]
タカラ社製メルトインデクサーを用い、JIS K7210の「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレート(MFR)及びメルトボリュームフローレート(MVR)の試験方法」の試験条件:230℃、2.16kg荷重に準拠して測定した。
[ポリマー嵩密度]
ASTM D1895-69に準拠し測定した。
[微粉率の算出]
微粉率は、上記[粒径の測定]で得られた粒径分布から、粒径が212μm以下の割合を算出した。
[輝点数の測定]
下記(e)プロピレン-エチレンブロック共重合体の製造で得られる重合体を13g測り取り、Xplore混練(DSM社製 Xplore microcompounder)(条件:200℃、50rpm、2min)を行いペレット状にした後、該ペレットを5g量り取って、0.2mm厚のプレス(予熱:190℃、0MPa、2分、加熱:190℃、10MPa、1分、冷却:30℃、15MPa、2分)を実施してシートを得た。
上記シートをスキャナー(Canon製 canoscan9000F mark2)で画像(600dpi)として取り込み、取り込んだ画像をImage Jを使った画像解析(30mm×30mmの正方形の範囲(900mm)において、均一なマトリックス部と、輝点に二値化し、輝点の数を求めた)を行った。この測定を異なる3視野で行い、その平均値を輝点数とした。
[Alの溶出率(ΔAl量)の計算方法]
Alの溶出率(%)={[(化学処理前のアルミニウム/珪素(モル比))-(化学処理後のアルミニウム/珪素(モル比))]÷(化学処理前のアルミニウム/珪素(モル比))}×100。
[酸濃度の計算方法]
酸濃度(質量%)=[使用する酸の質量(g)/(粘土の質量(g)+水の質量(g)+使用する酸の質量(g))]×100
使用する酸溶液に含まれる酸の質量%濃度が100質量%でないときは、当該酸溶液に水が含まれていることを意味する。このとき、使用する酸の質量(g)は、酸溶液の質量(g)に、当該酸溶液に含まれる酸の質量%濃度を掛けることで求められる。
(実施例1)
[オレフィン重合用触媒成分の製造]
(a)イオン交換性層状珪酸塩粒子の酸処理および塩基処理
原料として、2:1型層構造のスメクタイト族モンモリロナイトを主成分とするイオン交換性層状珪酸塩粒子(水澤化学工業社製「ベンクレイSL」、平均粒径46.9μm)を使用した。
この原料の化学組成(質量%)は、Al=9.09、Si=32.80、Fe=2.63、Mg=2.12、Na=2.39、Al/Si=0.289であった。
[酸処理]
撹拌翼と還流装置を取り付けた2Lフラスコに、蒸留水1300gを投入し、96%硫酸168gを滴下した。
内温が95℃になるまでオイルバスで加熱し、目標温度に到達したところで、原料であるイオン交換性層状珪酸塩200gを添加後撹拌した。
その後95℃を保ちながら840分反応させた。
この反応溶液を2Lの純水に注ぐことで反応を停止し、さらに、このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過した。
ろ過後のケーキ状のイオン交換性層状珪酸塩粒子を1Lの蒸留水でリンスした。
上記ケーキに、902.1gの蒸留水を加え、スラリー化させた。
この時のスラリーのpHは、1.7だった。
[塩基処理]
40℃まで昇温し、水酸化リチウム・一水和物3.54gを42.11gの蒸留水に溶解させた水酸化リチウム水溶液全量を徐々に加えていき、90分間撹拌を継続し、反応させた。
90分経過後のスラリーpHは、5.68であった。
工程中にスラリーのpHは、8を超えなかった。
反応スラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過し、2Lの蒸留水で3回洗浄した。
[その他の化学処理]
回収したケーキを110℃で1晩乾燥し、140.8gの化学処理イオン交換性層状珪酸塩粒子を得た。
この化学処理イオン交換性層状珪酸塩粒子を容積1Lのフラスコに入れ、200℃で減圧乾燥させ、ガスの発生が収まってからさらに2時間減圧乾燥し、本発明のオレフィン重合用触媒成分を得た。結果を表1に示す。
[オレフィン重合用触媒の製造]
(b)オレフィン重合用触媒成分の有機アルミニウム処理
内容積1000mLのフラスコに上記(a)で得た化学処理イオン交換性層状珪酸塩粒子(オレフィン重合用触媒成分)10gを秤量し、ヘプタン36ml、成分[C]としてトリノルマルオクチルアルミニウム(TnOA)のヘプタン溶液64ml(25mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。
その後、ヘプタンで残液率1/100まで洗浄し、最後にスラリー量を50mLに調製した。
(c)プロピレンによる予備重合
上記(b)で調製したTnOA処理したイオン交換性層状珪酸塩粒子のヘプタンスラリーに、TnOAのヘプタン溶液31mL(12.2mmol)を加えた。
ここに、別のフラスコ(容積200mL)中で、成分[B]として(r)-ジクロロシラシクロブチレン ビス[2-(5-メチル-2-フリル)-4-(4-t-ブチルフェニル)-5,6-ジメチル-1-インデニル]ジルコニウムジクロリド283mg(300μmol)にトルエン(30mL)を加えたスラリーを加えて、40℃で60分間撹拌した。
次に、上記イオン交換性層状珪酸塩粒子のヘプタンスラリーに、さらにヘプタン189mLを追加して全量を300mLに調製し、充分に窒素置換を行った内容積1Lの撹拌式オートクレーブに導入した。
オートクレーブ内の温度が40℃に安定したところでプロピレンを10g/時間の速度で供給し、温度を維持した。
120分後にプロピレンの供給を停止し、さらに60分間、40℃を維持した。
その後、残存モノマーをパージして予備重合触媒スラリーをオートクレーブより回収した。
回収した予備重合触媒スラリーを静置し、上澄み液を抜き出した。
続いて成分[C]としてトリイソブチルアルミニウム(TiBA)のヘプタン溶液8.3mL(6mmol)を室温にて加え、その後、減圧乾燥して、オレフィン重合用の固体触媒(予備重合触媒)を35.83g回収した。
予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)は2.42であった。
(実施例2)
原料として、実施例1に記載の2:1型層構造のスメクタイト族モンモリロナイトを主成分とするイオン交換性層状珪酸塩粒子(水澤化学工業社製「ベンクレイSL」)を分級によって平均粒径を38.1μmに調製した。平均粒径38.1μmのイオン交換性層状珪酸塩粒子を使用したこと以外は実施例1と同様にイオン交換性層状珪酸塩粒子を化学処理し、その後、オレフィン重合用の固体触媒(予備重合触媒)を得た。結果を表1に示す。
(実施例3)
酸処理時間を540分とした以外は、実施例1と同様に化学処理を行い、その後、オレフィン重合用の固体触媒(予備重合触媒)を得た。結果を表1に示す。
(実施例4)
酸処理時間を960分とし、原料に実施例2のイオン交換性層状珪酸塩粒子を使用した以外は、実施例1と同様に化学処理を行い、その後、オレフィン重合用の固体触媒(予備重合触媒)を得た。結果を表1に示す。
(比較例1~5)
表1に記載の酸処理条件で処理したこと以外は実施例1と同様にイオン交換性層状珪酸塩粒子を化学処理し、その後、オレフィン重合用の固体触媒(予備重合触媒)を得た。結果を表1に示す。
(比較例6)
オレフィン重合用触媒成分として、特許文献5(特開2008-156395号公報)に記載の実施例1に従って化学処理モンモリロナイトの調製を実施した。
この化学処理モンモリロナイトの平均粒径は、46.0μm、ΔAl量(Alの溶出率)は46%、圧壊強度は17.0MPa、2~6nmの細孔容積は0.125cm/gであった。
その後のオレフィン重合用の固体触媒(予備重合触媒)の調製は実施例1と同様に調製した。結果を表1に示す。
(比較例7)
オレフィン重合用触媒成分として、特許文献6(特開2012-126084号公報)に記載の実施例1に従って化学処理モンモリロナイト粒子の調製を実施した。
この化学処理モンモリロナイトの平均粒径は、70.5μm、ΔAl量は40%、圧壊強度は4.0MPa、2~6nmの細孔容積は0.150cm/gであった。
その後のオレフィン重合用の固体触媒(予備重合触媒)の調製は実施例1と同様に調製した。結果を表1に示す。
(比較例8)
オレフィン重合用触媒成分として、特許文献7(特開2015-108138号公報)に記載の実施例4に従って化学処理モンモリロナイトの調製を実施した。
この化学処理モンモリロナイトの平均粒径は、13.0μm、ΔAl量は46%、圧壊強度は25.0MPa、2~6nmの細孔容積は0.247cm/gであった。
その後のオレフィン重合用の固体触媒(予備重合触媒)の調製は実施例1と同様に調製した。結果を表1に示す。
(比較例9)
オレフィン重合用触媒成分として、特許文献8(特開2002-037812号公報)に記載の珪酸塩の化学処理-Bの製造方法に従って化学処理モンモリロナイトの調製を実施した。
この化学処理モンモリロナイトの平均粒径は、25.0μm、ΔAl量は49%、圧壊強度は15.1MPa、2~6nmの細孔容積は0.146cm/gであった。
その後のオレフィン重合用の固体触媒(予備重合触媒)の調製は実施例1と同様に調製した。結果を表1に示す。
(比較例10)
オレフィン重合用触媒成分として、特許文献9(特開2006-274277号公報)に記載の実施例1に従って化学処理モンモリロナイトの調製を実施した。
この化学処理モンモリロナイトの平均粒径は、25.0μm、ΔAl量は57%、圧壊強度は13.0MPa、2~6nmの細孔容積は0.119cm/gであった。
その後のオレフィン重合用の固体触媒(予備重合触媒)の調製は実施例1と同様に調製した。結果を表1に示す。
Figure 0007092002000002
(実施例5)
(d)プロピレンの重合
内容積3Lの攪拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分置換した後に、成分[C]としてTiBAのヘプタン溶液5.6mL(4.04mmol)を加え、水素675mL、液体プロピレン750mLを導入し、65℃に昇温しその温度を維持した。
上記実施例1の(c)で得られた予備重合触媒をヘプタンにスラリー化し、固体触媒として(予備重合ポリマーの質量は除く)15.0mgを圧入し重合を開始した。
内温を65℃に維持したまま、1時間重合を継続した。
その後、エタノール5mLを加え重合反応を停止させた。
残ガスをパージしてポリマーを得た。
得られたポリマーを90℃で1時間乾燥した。
その結果、216gのポリマーが得られた。
触媒活性は、14,400g-PP/g-触媒であった。
MFRは87g/10分、ポリマーの嵩密度は0.44g/cmであった。
結果を表2に示す。
(実施例6~8)
実施例2~4で得られた予備重合触媒を用いて、表2に記載の条件の通りに、触媒量および水素量が異なる以外は実施例5と同様の方法でオレフィン重合体を得た。結果を表2に示す。
(比較例11~19)
表2に記載の条件の通りに、予備重合触媒、触媒量、及び水素量の少なくともいずれか1つの条件が異なる以外は実施例5と同様の方法でオレフィン重合体を得た。結果を表2に示す。
Figure 0007092002000003
(実施例9)
(e)プロピレン-エチレンブロック共重合体の製造
(e-i)第1段重合:プロピレン重合体のバルク重合法による製造
内容積3Lの撹拌機付オートクレーブ内をプロピレンで充分置換した後に、成分[C]としてTiBAのヘプタン溶液5.6mL(4.04mmol)を加え、水素702ml、続いて液体プロピレン750gを導入し、65℃に昇温した。
上記実施例1の(c)で得られた予備重合触媒をヘプタンにスラリー化し、固体触媒として14.0mg(予備重合ポリマーを除く正味の固体触媒の量)をヘプタン5mlと共に圧入して重合を開始した。
触媒投入後、60分間槽内温度を65℃に維持したあと残モノマーのパージを行い、アルゴンを0.5MPaまで加圧後パージする操作を5回行い、槽内をアルゴン置換した。
撹拌を停止させ、アルゴンをフローさせながら、テフロン(登録商標)管を槽内に差し込み、ポリプロピレンを少量抜き出した。
抜き出し量は15.6gであった。
(e-ii)第2段重合:プロピレン-エチレンランダム共重合体の気相重合法による製造
重合槽の撹拌を再開し内部温度を60℃にした後、エチレンとプロピレンを50:50のモル比で圧力1.8MPaまで供給した。
その後、内温を80℃に昇温し、さらに46分間80℃を保持し、圧力を2.0MPaに保つようにエチレンとプロピレンを45:55のモル割合で供給し、気相共重合を実施した。
重合終了後、回収したポリマーを90℃で1時間乾燥した。
その結果、193gのポリマーが得られた。
MFRは20g/10分、ポリマーの嵩密度は0.40g/cmであった。
結果を表3~4に示す。
(実施例10~12)
実施例2~4で得られた予備重合触媒を用いて、表3~4に記載の条件の通りに、触媒量、1段目水素量および抜出し量、2段目重合時間の少なくともいずれか1つの条件が異なる以外は実施例9と同様の方法でオレフィン重合体を得た。結果を表3~4に示す。
(比較例20~27)
表3~4に記載の条件の通りに、予備重合触媒、触媒量、1段目水素量、1段目抜出し量、及び、2段目重合時間の少なくともいずれか1つの条件が異なる以外は実施例9と同様の方法でオレフィン重合体を得た。結果を表3~4に示す。
Figure 0007092002000004
Figure 0007092002000005
[実施例と比較例の対比]
実施例5~8および実施例9~12と比較例11および比較例20との比較では、実施例5~8および実施例9~12で用いた実施例1~4のイオン交換性層状珪酸塩粒子が本願の特性(ii)の酸処理前に対するアルミニウムの溶出率の範囲を満たしているため、実施例5~8および実施例9~12は、それぞれアルミニウムの溶出率が65%であり特性(ii)の範囲を超えている比較例1を用いた比較例11および比較例20よりも触媒活性が高く、性能が向上していることがわかる。
実施例9と比較例21との比較では、実施例9で用いた実施例1のイオン交換性層状珪酸塩粒子が本願の特性(ii)の酸処理前に対するアルミニウムの溶出率の範囲を満たしているため、アルミニウムの溶出率が25%であり特性(ii)の範囲を下回る比較例2を用いた比較例21よりも実施例9は、触媒活性は劣るが、輝点数が減少しており、全体的な性能が向上していることがわかる。
実施例5~6および実施例9~12と比較例12~19および比較例22~26との比較では、実施例5~6および実施例9~12で用いた実施例1~4のイオン交換性層状珪酸塩粒子の製造条件が本願の酸濃度の範囲を満たし、且つ、特性(i)の平均粒径の範囲を満たしているため、実施例5~6および実施例9~12は、当該酸濃度及び特性(i)の少なくともいずれか一方の条件を満たさない比較例3~10をそれぞれ用いた比較例12~19および比較例22~26よりも触媒活性が高く、性能が向上していることがわかる。
実施例5~8と比較例17~19との比較では、実施例5~8で用いた実施例1~4のイオン交換性層状珪酸塩粒子が本願の特性(i)の平均粒径の範囲を満たしているため、実施例5~8は、本願の特性(i)の平均粒径の範囲を下回る比較例8~10をそれぞれ用いた比較例17~19よりも微粉率が減少しており、性能が向上していることがわかる。
実施例9~12と比較例22~26との比較では、実施例9~12で用いた実施例1~4のイオン交換性層状珪酸塩粒子の製造条件が本願の酸濃度の範囲を満たしているため、当該酸濃度の範囲を超えた条件で製造された比較例3~7をそれぞれ用いた比較例22~26よりも輝点数が減少していることがわかる。
実施例9~12と比較例27との比較では、実施例9~12で用いた実施例1~4は、本願特性(i)のイオン交換性層状珪酸塩粒子の平均粒径の範囲を満たしているため、実施例9~12は、本願の特性(i)の平均粒径の範囲を下回る比較例8を用いた比較例27よりも輝点数が減少しており、性能が向上していることがわかる。
また、実施例10~12と比較例20~27との比較では、実施例10~12は、比較例20~27よりも輝点数が減少していることがわかる。
本発明の製造方法で得られるイオン交換性層状珪酸塩からなるオレフィン重合用触媒成分は、助触媒兼担体であるイオン交換性層状珪酸塩粒子を製造する際の酸処理濃度および酸処理によって溶出するアルミニウムの溶出率を制御することにより、従来では製造できなかったような、ポリマー物性と重合性能を高いレベルで同時に実現させている。
そして、本発明のオレフィン重合用触媒成分をオレフィン重合用触媒に利用すると、高い重合活性を発揮しながら、製品中の輝点(フィッシュアイ)を削減でき、良好な粒子性状のポリオレフィンパウダーを得ることが出来るので、生産効率、生産安定性が向上し、産業上優れた効果を有する。

Claims (5)

  1. イオン交換性層状珪酸塩からなるオレフィン重合用触媒成分の製造方法であって、
    イオン交換性層状珪酸塩粒子を20質量%未満の酸濃度で酸処理する工程(1)を含み、
    前記オレフィン重合用触媒成分が下記の特性(i)~(iii)を満たすことを特徴とする、オレフィン重合用触媒成分の製造方法。
    (i)平均粒径が26.0μm~200.0μmであること。
    (ii)酸処理前に対するアルミニウムの溶出率が26%~64%であること。
    (iii)圧壊強度が5.0MPa~100.0MPaであること。
  2. 前記工程(1)後、前記イオン交換性層状珪酸塩粒子を塩基類で処理する工程(2)をさらに含む、請求項1に記載のオレフィン重合用触媒成分の製造方法。
  3. 前記オレフィン重合用触媒成分が下記の特性(iv)を満たす、請求項1又は2に記載のオレフィン重合用触媒成分の製造方法。
    (iv)窒素吸着法により測定した直径が2~6nmの範囲にある細孔の細孔容積の総和が0.170cm/g以上、0.500cm/g以下であること。
  4. 下記成分[A]、成分[B]、及び成分[C]をオレフィンと接触させてなることを特徴とするオレフィン重合用触媒の製造方法。
    成分[A]:前記請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法で得られるオレフィン重合用触媒成分
    成分[B]:周期表第4族の遷移金属化合物
    成分[C]:有機アルミニウム化合物
  5. 請求項4に記載の製造方法で得られるオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィン重合を行うことを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
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