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JP7093097B2 - 繊維製品の製造方法 - Google Patents
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JP7093097B2 - 繊維製品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維製品の製造方法と繊維製品とに関し、詳しくは、両面に着色領域を有する繊維製品の製造方法と、この製造方法によって製造された繊維製品とに関する。
従来、両面に印刷が施されたパイル地の繊維製品が知られている(例えば特許文献1)。生地の両面に印刷を施す方法として、生地の表面に印刷を施した後、生地の裏面に印刷を施す方法がある。
実用新案登録第3107316号
生地の両面に同一の印刷を施す場合、表面の印刷位置と、裏面の印刷位置とが、一致していることが重要になる。しかしながら、特許文献1に記載されたような方法では、表面と裏面とで印刷位置がずれ易いという問題があった。
本発明の目的は、生地の表面の印刷位置と裏面の印刷位置とがずれにくい繊維製品の製造方法と、繊維製品とを提供することである。
本発明の一実施形態に係る繊維製品の製造方法は、一面及び他面に色糊で着色された着色領域を有する繊維製品の製造方法であって、印刷台の上の所定領域に、染料を含む前記色糊を印刷し、前記所定領域を覆い、かつ、前記色糊と生地の一面とが重なるように、前記印刷台の上に前記生地を配置し、前記生地の他面における前記所定領域に対応する領域の輪郭に沿って、染み出し抑制糊を配置し、前記染み出し抑制糊で囲まれる領域の内側に前記色糊を印刷する。
本発明の一実施形態に係る繊維製品は、一面及び他面に染料で着色されている着色領域を有し、前記一面の着色領域の輪郭と前記他面の着色領域の輪郭とが一致している。
本発明では、生地の表面の印刷位置と裏面の印刷位置とがずれにくい繊維製品の製造方法と、繊維製品とを提供することができる。
図1A及び図1Bは、本発明の一実施形態に係る繊維製品を示す概略の斜視図である。 図2は、図1に示す繊維製品を拡大した概略の断面図である。 図3は、スクリーン捺染機の一例が示された概略図である。 図4Aから図4Dは、一実施形態に係る繊維製品の製造方法の一例を示す概略の斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
1.繊維製品について
本実施形態の繊維製品は、バスタオル、ハンドタオル等のタオル、手ぬぐい、ハンカチなどが例示されるが、これに限定されない。
図1に示すように、本実施形態の繊維製品1は、一面11及び他面12に着色領域を有する。一面11は第一着色領域110を有し、他面12は第二着色領域120を有する。繊維製品1では、第一着色領域110の輪郭111と、第二着色領域120の輪郭121とが一致している。なお、本明細書において、輪郭111と輪郭121とが一致していることには、二つの輪郭111、121が完全に一致している場合と、二つの輪郭111、121が僅かにずれているが、殆ど一致してるとみなせる場合とが含まれる。着色領域の色、形状、面積、及び位置は、特に限定されない。但し、第一着色領域110と第二着色領域120とは、形状、面積、位置が同じである。
繊維製品1の生地10は繊維製である。この繊維は、アルカリ存在下で繊維と化学結合する反応性染料によって染色されやすいことが好ましく、例えば、木綿、麻などのセルロース繊維が好ましい。生地10は、一種のセルロース繊維のみから形成されてもよく、複数種のセルロース繊維から形成されてもよい。繊維として、例えば、綿番手で10~100番手のものを使用することができる。生地10は繊維製品の強度等を考慮すると織物であることが好ましい。織物の組織としては、繊維製品の使用目的等に応じて、適宜選択すればよく、特に限定されない。例えば、繊維製品がタオルである場合、生地10はパイル織物やタオル織物で形成されている。尚、生地10は編物や不織布であってもよい。
生地10がパイル織物である場合には、生地10はパイル13を有する(図2参照)。詳細には、パイル13は、一面11側にある第一パイル131と、他面12側にある第二パイル132とを含む。第一パイル131は地糸14の一面側に突出し、第二パイル132は地糸14の他面12側に突出している。地糸14は経糸141及び緯糸142から構成され、第一パイル131及び第二パイル132はパイル糸133から構成される。このため、繊維製品1の生地10は、パイル糸133、経糸141、及び緯糸142から構成される。
本実施形態では、パイル13が、シルケット加工されたパイル糸133から形成されることが好ましい。すなわち、第一パイル131及び第二パイル132がシルケット加工されたパイル糸133から形成されることが好ましい。この場合、色糊によってパイル13を着色しやすく、第一着色領域110及び第二着色領域120を形成しやすい。さらに経糸141及び緯糸142のうち、一方がシルケット加工されていてもよく、両方がシルケット加工されていてもよい。すなわち、地糸14がシルケット加工された糸から形成されていてもよい。この場合、色糊によって地糸14を着色しやすい。
本実施形態では、第一着色領域110及び第二着色領域120が、同一の色糊で着色されていることが好ましい。この色糊は、反応性染料を含有する。色糊は、必要に応じて、水、糊剤等を含有してもよい。
反応性染料は、生地のセルロースのOH基との化学結合によって、生地を着色する。反応性染料による着色は、幅広い染料を適用可能な一相法であることが好ましい。この一相法として、例えば、モノクロロトリアジン系染料による置換反応型の着色法、ビニルスルホン系染料による付加反応型の着色法、或いはモノクロロトリアジン系染料の官能基及びビニルスルホン系染料の官能基の両方を備えた染料による着色法が挙げられる。これらの着色法から、捺染適性、発色・保管安定性、洗浄性、染色堅牢度等の性質を考慮して、適宜の方法を採用することができる。尚、反応性染料による着色が、二相法であってもよい。反応性染料として、例えば、ダイスター(株)製のProcion Black PX―N Liq.40%(Reactive Black8)、Procion Blue PX―5R Liq.33%(Reactive Blue13)、Procion Brilliant Blue PX―3R Liq.40%(Reactive Blue49)、Procion Brilliant Brown PX―2KR Liq.25%、Procion Navy PX―2R Liq.33%(Reactive Blue10)、Procion Navy PX―G Liq.33%(Reactive Black39)、Procion Orange PX―RN Liq.40%、Procion Red PX―4B Liq.33%(Reactive Red3:1)、Procion Red PX―6B Liq.33%(Reactive Red218)、Procion Yellow PX―6GN Liq.(Reactive Yellow95)、Procion Yellow PX―R Liq.33%、Kayacion Black P―GS Liq.40%、Kayacion Black P―NBR Liq.40%、Kayacion Blue P―3R Liq.40%(Reactive Blue49)、Kayacion Blue P―GR Liq.40%(Reactive Blue5)、Kayacion Blue P―NFB Liq.50%、Kayacion Brown P―BDN Liq.33 %(Reactive Brown8)、Kayacion Brown P―N4R Liq.33%、Kayacion Navy P―N2R Liq.30%、Kayacion Orange P―G Liq.20%(Reactive Orange5)、Kayacion Red P―4BN Liq.25%(Reactive Red3:1)、Kayacion Red P―BN Liq.33%(Reactive Red24)、Kayacion Scarlet P―NA Liq.33%、Kayacion Turquoise P―3GF Liq.33%、Kayacion Violet P―3R Liq.33%(Reactive Violet1)、Kayacion YelloW P―5G Liq.33%(Reactive Yellow2)、Kayacion YelloW P―N3R Liq.33%(Reactive Orange99)、ハンツマン(株)製のNovacron Black P―GR Liq.40%、Novacron Black P―SG Liq.40%、Novacron Black P―SGN Liq.40%、Novacron Blue P―3R Liq.40%(Reactive Blue49)、Novacron Brown P―6R Liq.(Reactive Brown11)、Novacron Golden YelloW P―2RN Liq.33%(Reactive Orange12)、Novacron Navy P―2R Liq.(Reactive Blue10)、Novacron Orange P―2R Liq.40%(Reactive Orange13)、Novacron Orange P―4R Liq.40%(Reactive Orange35)、Novacron Red P―4B Liq.33%(Reactive Red3:1)、Novacron Red P―6B Liq.33%(Reactive Red218)、Novacron Red P―BN Liq.33%(Reactive Red24)、Novacron Turquoise P―GR Liq.50%(Reactive Blue72)、Novacron YelloW P―6GS Liq.33%(Reactive Yellow95)、住化テックス(株)製のSumifix Supra Brill. Yellow 3GF 150% gran.、Sumifix Supra Yellow 3RF 150% gran.(Reactive Yellow145)、Sumifix Supra Brill. Red BSF 150% gran.、Sumifix Supra Brill. Red 3BF 150% gran.(Reactive Red195)、Sumifix Supra Red E―XF gran.、Sumifix Supra Red 4BNF 150% gran.、Sumifix Supra Blue BRF 150% gran.(Reactive Blue221)、Sumifix Supra Navy Blue BF gran.(Reactive Blue222)、Sumifix Supra Navy Blue 3GF 150% gran.、Sumifix Supra Navy Blue GNF gran.、Sumifix Yellow 2GL(A) conc.(Reactive Yellow37)、Sumifix Yellow GR 150%(Reactive Yellow15)、Sumifix Golden Yellow GG(A) 150%(Reactive Yellow76)、Sumifix Brill. Orange 3R 135% gran.(Reactive Orange16)、Sumifix Brill. Red G special(Reactive Red112)、Sumifix Red B 150%(Reactive Red22)、Sumifix Brill. Red BS(Reactive Red111)、Sumifix Brill. Red BB 150%(Reactive Red21)、Sumifix Brill. Blue R 150% gran.(Reactive Blue19)、Sumifix Blue KP liquid、Sumifix Turq. Blue G(N) conc.(Reactive Blue21)、Sumifix Black B 150%、Sumifix Black ENS 150% gran.、Sumifix Black EX conc.、Sumifix HF Yellow 3R gran.、Sumifix HF Scarlet 2G gran.、Sumifix HF Red G gran.、Sumifix HF Red 2B gran.、Sumifix HF Red 3G gran.、Sumifix HF Red 4B gran.、Sumifix HF Blue 2R gran.、Sumifix HF Blue BG gran.、Sumifix HF Navy 2G gran.等が挙げられる。色糊中の反応性染料の濃度は、反応性染料の種類、着色領域の濃淡等に応じて適宜設定可能である。
反応性染料で着色する場合に、黒色に着色する場合の染料及びこの染料の濃度の一例として、Procion Black PX―N Liq.40%を22.0%、Novacron Orange P―2R Liq.40%を1.5%、Novacron Golden YelloW P―2RN Liq.33%を1.5%が挙げられる。また、紺色に着色する場合の染料及びこの染料の濃度の一例として、Procion Navy PX―G Liq.33%を12.0%、Procion Red PX―6B Liq.33%を6.0%、Novacron Black P―SG Liq.40%を2.5%が挙げられる。また、ベージュ色で着色する場合の染料及びこの染料の濃度の一例として、Novacron Black P―SG Liq.40%を0.075%、Novacron Golden YelloW P―2RN Liq.33%を0.055%、Novacron Orange P―2R Liq.40%を0.045%が挙げられる。また、カラシ色で着色する場合の染料及びこの染料の濃度の一例として、Novacron Black P―SG Liq.40%を0.100%、Novacron Golden YelloW P―2RN Liq.33%を0.182%、Novacron Orange P―2R Liq.40%を0.045%が挙げられる。また、グレー色で着色する場合の染料及びこの染料の濃度の一例として、Novacron Black P―SG Liq.40%を2.000%、Novacron Golden YelloW P―2RN Liq.33%を0.242%、Novacron Orange P―2R Liq.40%を0.200%が挙げられ。また、エンジ色で着色する場合の染料及びこの染料の濃度の一例として、Novacron Black P―SG Liq.40%を1.875%、Novacron Golden YelloW P―2RN Liq.33%を1.515%、Novacron Orange P―2R Liq.40%を0.150%が挙げられる。また、オリーブ色で着色する場合の染料及びこの染料の濃度の一例として、Novacron Black P―SG Liq.40%を1.875%、Novacron Golden YelloW P―2RN Liq.33%を1.515%、Novacron Orange P―2R Liq.40%を0.150%が挙げられる。また、グリーン色で着色する場合の染料及びこの染料の濃度の一例として、Novacron Black P―SG Liq.40%を1.500%、Novacron Golden YelloW P―2RN Liq.33%を1.212%、Novacron Turquoise P―GR Liq.50%を0.606%が挙げられる。また、ライトグリーン色で着色する場合の染料及びこの染料の濃度の一例として、Novacron Black P―SG Liq.40%を0.250%、Novacron YelloW P―6GS Liq.33%を0.152%、Novacron Turquoise P―GR Liq.50%を1.515%が挙げられる。また、パープル色で着色する場合の染料及びこの染料の濃度の一例として、Novacron Black P―SG Liq.40%を0.150%、Novacron Red P―6B Liq.33%を1.364%、Kayacion Blue P―3R Liq.40%を0.375%が挙げられる。尚、本明細書において染料の濃度は重量%を意味する。
色糊に含まれる糊剤としては、例えば、反応染料用ハーフエマルジョン糊である古川化学(株)製の商品名「FDエマルジョン」が挙げられる。この場合、重色性が良好となる。その他の糊剤として、例えば、エマルジョン台糊、アルギン系台糊、又はエマルジョン系台糊とアルギン系台糊との混合物が挙げられる。
エマルジョン系台糊の処方例として、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムを主成分とする第一工業製薬(株)製の商品名「DKS ファインガム HES」を1.55%、非イオン界面活性剤を主成分とする乳化剤である日華化学(株)製の商品名「ST-50A」を0.80%、宇部興産(株)製の尿素を5.00%、メタニトロベンゼンスルホン酸ソーダを主成分とする還元防止剤であるダイスター(株)製の商品名「sera con M-LU gran」を1.00%、石油系炭化水素を主成分とする新日本石油製の商品名「灯油」を38.00%、及び水を51.65%を含むものが挙げられる。尚、本明細書において、各台糊に含まれる成分の割合は重量%を意味する。
アルギン系台糊の処方例として、例えば、アルギン酸ナトリウムを主成分とするキミカ(株)製の商品名「キミテックスα-3」を7.5%、カルボキシメチルセルロースナトリウムを主成分とする第一工業製薬(株)製の商品名「DKS ファインガム HES」を0.6%、旭硝子(株)製の重炭酸ソーダを5.0%、宇部興産(株)製の尿素を20.0%、メタニトロベンゼンスルホン酸ソーダを主成分とするダイスター(株)製の還元防止剤である商品名「Sera con M-LU gran」を2.5%、ヘキサメタ燐酸ナトリウムを主成分とする金属封鎖剤であるミテジマ化学(株)製の商品名「ヘキサメタ燐酸ソーダ」を0.6%、及び水を63.8%含むものが挙げられる。
色糊中のエマルジョン台糊、アルギン系台糊、染料、水の配合比率は柄、使用するスキージによって適宜調製される。この配合比率は特に限定されない。色糊中にエマルジョン系台糊単独が含まれる場合、エマルジョン系台糊の配合割合が50~90重量部の範囲内、染料の配合割合の上限値が15重量部、水の配合割合が10~50重量部の範囲内であることが好ましい。色糊中にアルギン系台糊単独が含まれる場合、アルギン系台糊の配合割合が30~70重量部の範囲内、染料の配合割合の上限値が15重量部、水の配合割合が30~70重量部の範囲内であることが好ましい。色糊中にエマルジョン台糊とアルギン系台糊の混合物が含まれる場合、エマルジョン系台糊の配合割合が20~60重量部の範囲内、アルギン系台糊の配合割合が20~60重量部の範囲内、染料の配合割合の上限値が15重量部、水の配合割合が20~50重量部の範囲内であることが好ましい。尚、色糊中の染料の配合割合は特に限定されず、少なくとも色糊中に染料が含まれていればよく、すなわち染料の配合割合が0質量部よりも大きければよい。更に、6%以上の濃色の染料を使用する場合、又は1%以上のターコイズブルー系の染料を使用する場合には、例えば、ソーダ石灰、尿素、水を1:2:3の割合で、色糊全量に対して8%程度追加することが好ましい。また、グレー、ベージュ等の染料を使用する場合には、芳香族スルホン酸塩を主成分とする液体還元防止剤であるセンカ(株)製の商品名「RESISTER LIQUID」を色糊全量に対して2%以上4%以下程度追加してもよい。
本実施形態の繊維製品1は、生地10の重量が180g/mであり、生地10のパイル13の長さ(パイル長)が20mm以上であることが好ましい。尚、パイル長とは、地糸14からパイル13の頂部までの突出長さを意味する。本実施形態の繊維製品1は、重量及びパイル長が上記の範囲であるような厚手の生地10であっても、一面11の第一着色領域110及び他面12の第二着色領域120によって着色することができると共に、第一着色領域110の輪郭111と、第二着色領域120の輪郭121とを一致させることができる。
2.繊維製品の製造方法について
そして、本実施の形態において、繊維製品1は以下のようにして製造される。
まず、生地10を形成するための繊維を用意する。繊維としては、木綿、麻などのセルロース繊維が例示される。この繊維から、パイル糸133、経糸141、及び緯糸142を形成する。本実施形態では、パイル糸133、経糸141、及び緯糸142のうち、少なくともパイル糸133を、シルケット加工することが好ましい。パイル糸133をシルケット加工する場合、例えば、パイル糸133に張力を掛けた状態で、パイル糸133を高濃度の苛性ソーダ溶液で処理する。処理後には、硫酸などによって中和した後、アンモニアで逆中和することが好ましい。パイル糸133のシルケット加工では、パイル糸133を構成する繊維が膨潤した状態で張力を掛けることが好ましい。これにより、繊維の断面形状が楕円形に変化して、パイル糸133の光沢が向上する。また繊維に張力が掛けられることにより、繊維の形状が安定化されて繊維の非晶領域が増加し、パイル糸133が染料によって着色されやすくなり、染色されたパイル糸133を濃色化することができる。またパイル糸133のシルケット加工では、張力を掛ける代わりに高濃度アルカリ処理を行ってもよい。パイル糸133に加えて、経糸141または緯糸142をシルケット加工してもよく、経糸141及び緯糸142をシルケット加工してもよい。この場合、経糸141及び緯糸142を含む地糸14まで着色しやすい。
次に、整経工程が行われる。この工程では、整経機を使用して、経糸141の必要な本数、長さ、張力を揃える。
次に、織り工程が行われる。この工程では、経糸141、緯糸142、及びパイル糸133を織ることにより、生地10が作製される。
次に、縁縫い工程が行われる。この工程では、生地10の縁縫いがオーバーミシン等で行われる。
次に、精練・糊抜工程が行われる。この工程に用いる処理浴には、例えば苛性ソーダが1.5g/Lの濃度で含まれ、過酸化水素が8g/Lの濃度で含まれる。処理浴の浴比は、例えば1:13である。処理条件は、例えば、温度が90℃以上95℃以下、時間が約90分間である。
次に、塩素晒工程が行われる。この工程に用いる処理浴には、例えば次亜塩素酸ソーダが12g/Lの濃度で含まれる。処理浴の浴比は、例えば1:13である。処理条件は、例えば、温度は常温で、時間は60分間である。
次に、洗い・柔軟工程が行われる。この工程では、例えば、連続ウインスが用いられ、る。処理条件は、例えば温度が約70℃で、時間が20から30分間である。
次に、脱水工程が行われる。この工程では、遠心脱水機などを用いて、生地10の脱水が行われる。
次に、乾燥工程が行われる。この工程では、連続乾燥機などを用いて、生地10の乾燥が行われる。処理条件は、例えば温度が100から120℃であり、時間が10分間である。
次に、切断工程が行われる。この工程では、長尺な生地10を所定長さに切断する。これにより、所定面積の生地10が得られる。また切断工程では、切断した生地10の状態、品質を確認することが好ましい(中間検査)。
次に、プリント工程が行われる。この工程では、色糊が生地10に印刷される。生地10への印刷は、例えば、スクリーン捺染機20で行われる。スクリーン捺染機20は謄写版方式で印刷を行う。
図3に示すスクリーン捺染機20は、印刷台であるコンベアベルト21を有する。コンベアベルト21の上方には、複数のプリント型22がコンベアベルト21の進行方向に沿って、設けられている。複数のプリント型22には、第一プリント型221、第二プリント型222、第三プリント型223が含まれる。プリント型22は、額縁状の枠体23に、スクリーン(紗)24を貼り付けることによって形成される。またスクリーン24にはメッシュ部25が設けられている。メッシュ部25は所望の形状に形成されている。プリント型22の上方には、ゴム製等のスキージ26が配置されている。スキージ26はコンベアベルト21の進行方向と直交する方向で往復移動できるように形成されている。
本実施形態のプリント工程は、第一工程から第五工程を含む。これら第一工程から第五工程について、図4Aから図4Dを参照しながら説明する。
まず第一工程では、印刷台の上の所定領域に、染料を含む色糊を印刷する。具体的には、図4Aに示すように、第一プリント型221を用いて、コンベアベルト21上に反応性染料を含む色糊30を印刷する。色糊30はアルカリ性である。第一プリント型221のスクリーン24は、第二着色領域120と同形状のメッシュ部25を有する。第一プリント型221のスクリーン24上に色糊30を供給した後に、スキージ26を移動させることにより、色糊30の一部はメッシュ部25を通過することができる。メッシュ部25を通過した色糊30は、メッシュ部25と同じ形状のままコンベアベルト21上に供給される。
次に第二工程では、所定領域を覆い、かつ、色糊と生地10の一面11とが重なるように、印刷台の上に生地を配置する。具体的には、図4Bに示すように、コンベアベルト21上の色糊30と、生地10の一面11とが重なるように、コンベアベルト21上に生地10を配置する。これにより、一面11に色糊30が吸着される。一面11における色糊30が吸着している領域が、上述の第一着色領域110となる。本実施形態では、パイル13がシルケット加工されたパイル糸133から形成されているため、一面11側に位置する第二パイル132を色糊30で着色しやすい。また一面11の第一着色領域110以外の領域に色糊30が付着すること(白場汚染)を抑制することができる。またコンベアベルト21上に配置された色糊30上に生地10を配置しているため、パイル13の表面だけでなく、パイル13の内部まで着色しやすい。また地糸14を構成する経糸141及び緯糸142のうち少なくとも一方がシルケット加工されている場合には、コンベアベルト21上に配置された色糊30によって、地糸14を着色しやすい。
次に第三工程では、生地10の他面12における所定領域に対応する領域の輪郭に沿って、染み出し抑制糊31を配置する。具体的には、図4Cに示すように、第二プリント型222を用いて、第一着色領域110の輪郭111に沿って、生地10の他面12上に染み出し抑制糊31を印刷する。第二プリント型222のスクリーン24は、輪郭111に沿ったメッシュ部25を有するため、第二プリント型222のスクリーン24上に染み出し抑制糊31を供給した後にスキージ26を移動させることにより、染み出し抑制糊31の一部がメッシュ部25を通過することができる。メッシュ部25を通過した染み出し抑制糊31は、メッシュ部25と同じ形状のまま他面12上に印刷される。これにより、輪郭121に沿って他面12上に染み出し抑制糊31が配置される。第三工程では、染み出し抑制糊31がずれないように、生地10にテンションをかけることが好ましい。生地10にテンションをかけた状態では、生地10に皺が寄らないようにすることが好ましい。
染み出し抑制糊31は、防染薬剤を含む。染み出し抑制糊31は、台糊、水などを含んでもよい。染み出し抑制糊31が防染薬剤を含むことにより、染み出し抑制糊31を酸性にすることができる。防染薬剤は、染み出し抑制糊を酸性にすることができれば特に限定されないが、例えば、クエン酸である。染み出し抑制糊31全重量に対する防染薬剤の割合は、1%以上5%以下であることが好ましく、1.5%以上2.5%以下であることがより好ましい。染み出し抑制糊31は、台糊を含むことが好ましい。台糊によって染み出し抑制糊31の粘度を向上させることができる。染み出し抑制糊の粘度を向上させることにより、染み出し抑制糊31の形状を維持し易い。台糊は、染み出し抑制糊31の粘度を向上させることができれば特に限定されないが、例えば、新中村工業株式会社製の「ビスコン S 500HN」などを用いることができる。染み出し抑制糊31全重量に対する台糊の割合は、2%以上10%以下であることが好ましく、3%以上7%以下であることがより好ましい。この範囲内であれば、染み出し抑制糊31の形状を特に維持し易い。染み出し抑制糊31を塗布しやすくするため、染み出し抑制糊31は水を含むことが好ましい。染み出し抑制糊31全重量に対する水の割合は、85%以上97%以下であることが好ましく、90%以上95%以下であることが好ましい。
次に第四工程では、染み出し抑制糊31で囲まれる領域の内側に色糊32を印刷する。具体的には、図4Dに示すように、第三プリント型223を用いて、他面12上の染み出し抑制糊31で囲まれる領域の内側に色糊32を印刷する。本実施形態では、色糊32は、色糊30と同一の組成を有する。尚、これに限定されず、色糊32が色糊30とは異なる組成を有していてもよい。第三プリント型223のスクリーン24は、第二着色領域120と同形状のメッシュ部25を有する。第三プリント型223のスクリーン24上に色糊32を供給した後にスキージ26を移動させることにより、色糊32の一部がメッシュ部25を通過することができる。他面12上に印刷された色糊32は、他面12に吸着される。他面12における色糊32が吸着した領域が第二着色領域120となる。反応性染料を含む色糊32はアルカリ性であり、防染薬剤を含む染み出し抑制糊31は酸性であるため、アルカリ性の色糊32が、染み出し抑制糊31によって中和される。色糊32に含まれる反応性染料はアルカリの存在下で生地10と化学結合するため、色糊32が中和されることにより、色糊32による生地10の着色が抑制される。メッシュ部25の位置が、第一着色領域110及び染み出し抑制糊31で囲まれる領域と同じ場所であるため、色糊32は、染み出し抑制糊31で囲まれる領域よりも外側には染み出しにくい。このため、色糊30で形成された第一着色領域110の輪郭111と、色糊32で形成された第二着色領域120の輪郭121と、を一致させることができる。また第四工程では、色糊32の印刷がずれないように、生地10にテンションをかけることが好ましい。また本実施形態では、パイル13がシルケット加工されたパイル糸133から形成されているため、他面12側に位置する第二パイル132を色糊32で着色しやすい。また他面12の第二着色領域120以外の領域に色糊32が付着すること(白場汚染)を抑制することができる。また第二工程で生地10の一面11側のパイル13を着色した後に、第四工程で他面12側のパイル13を着色しているため、パイル13の表面だけでなく、パイル13の内部まで着色しやすい。このため、パイル13の表面のみに印刷されて、パイル13の表面がかすれたように着色されることを抑制することができる。また地糸14を構成する経糸141及び緯糸142のうち少なくとも一方がシルケット加工されている場合には、色糊32によっても、地糸14を着色しやすい。
また第四工程における第三プリント型223を用いた他面12への色糊32の供給は、二度以上行われることも好ましい。すなわち、第三プリント型223のスクリーン24上に色糊32を供給した後にスキージ26を移動させる工程を、二度以上行うことが好ましい。この場合、他面12に色糊32を吸着させるだけでなく、一面11まで色糊32を染み込ませることができる。これにより、第一着色領域110及び第二着色領域120の色ムラ、色抜けを抑制することができる。
次に、乾燥工程が行われる。この工程では、プリント工程後の生地10の乾燥が行われる。乾燥工程における処理条件は、過乾燥の防止により後述の洗い・柔軟工程における脱糊性を向上させるため、例えば、温度が110から120℃が好ましく、時間は10分程度が好ましい。
次にミシン工程が行われる。この工程では、生地10にミシン掛けを行うことにより、生地10における、上述の切断工程で切断された部分を、つなぐことができる。
次に、蒸熱工程が行われる。この工程では、連続スチーマーを用いて、生地10の飽和蒸気または加熱蒸気による加熱が行われる。蒸熱工程により、生地10を構成するセルロースのOH基と、色糊30、32中の反応性染料とが化学結合して、第一着色領域110及び第二着色領域120が着色させることができる。蒸熱工程における処理条件は、例えば、温度が100から130℃であり、時間が10分程度である。
次に、洗い・柔軟工程が行われる。この工程では、例えば、連続ウインスが用いられ、生地10の湯洗及び水洗が行われる。これにより、生地10の他面12に付着した染み出し抑制糊31、及び色糊30、32に含まれる台糊(例えばアルギン酸ソーダ)、未反応の反応性染料などを取り除くことができる。洗い・柔軟工程において、湯洗は例えば2回行われる。1回目の湯洗の処理条件は、温度が60℃であり、時間が10分である。2回目の湯洗の処理条件は、温度が90℃であり、時間は10分間である。また湯洗の後に水洗を行うことが好ましい。また水洗は3回以上行うことが好ましい。水洗における処理浴には、必要に応じて柔軟剤が1g/Lが含まれることも好ましい。柔軟剤としては、例えば、一方社油脂工業(株)製の商品名「ロイヤルソフト」を使用することができる。
次に、乾燥工程が行われる。この工程では、タンブラー乾燥機などが用いられ、生地10の乾燥が行われる。乾燥工程における処理条件は、例えば温度80から100℃であり、時間は30分間である。この後、ヘムミシン工程や検査工程を経て、タオルなどの繊維製品が製造される。
上記の工程によって製造された繊維製品1においては、一面11の着色領域(第一着色領域110)のパイル糸133と、他面12の着色領域(第二着色領域120)のパイル糸133と、の色差ΔEa**が1.0以下であることが好ましい。また一面11の着色領域(第一着色領域110)のパイル糸133と、一面11の着色領域(第一着色領域110)の経糸141又は緯糸142と、の色差ΔEa**が18以下であることが好ましい。また他面12の着色領域(第二着色領域120)のパイル糸133と、他面12の着色領域(第二着色領域120)の経糸141又は緯糸142と、の色差ΔEa**が18以下であることが好ましい。この場合、繊維製品1の使用者が、第一着色領域110の色と第二着色領域120の色とが同じと感じやすい。
また本実施形態の繊維製品1の製造方法では、第一着色領域110及び第二着色領域120を反応性染料を含む色糊30、32から形成している。このため、第一着色領域110及び第二着色領域120を顔料等から形成する場合と比べて、繊維製品1の吸水性を確保しやすい。具体的には、繊維製品1は、JIS L 1907 沈降法による吸水性が1秒以下であることが好ましい。
3.本発明の態様
本発明の第一の態様に係る繊維製品(1)の製造方法は、一面(11)及び他面(12)に色糊(30、32)で着色された着色領域(110、120)を有する繊維製品(1)の製造方法であって、印刷台(21)の上の所定領域に、染料を含む色糊(30)を印刷し、所定領域を覆い、かつ、色糊(30)と生地(10)の一面とが重なるように、印刷台(21)の上に生地10を配置し、生地10の他面(12)における所定領域に対応する領域の輪郭に沿って、染み出し抑制糊(31)を配置し、染み出し抑制糊(31)で囲まれる領域の内側に色糊(32)を印刷する。
この構成によれば、生地(10)の一面(11)に設けられた第一着色領域(110)の輪郭(111)と、他面(12)に設けられた第二着色領域(120)の輪郭(121)とを一致させることができる。
本開示の第二の態様に係る繊維製品(1)の製造方法では、第一の態様において、生地(10)がパイル(13)を有し、パイル(13)は、シルケット加工されたパイル糸(133)から形成される。
この構成によれば、色糊(31、32)によって、パイル(13)を染色しやすく、一面(11)における第一着色領域(110)以外の領域が着色されることを抑制することができ、かつ、他面(12)における第二着色領域(120)以外の領域が着色されることを抑制することができる。また一面(11)側及び他面(12)側のパイル(13)の内部まで着色しやすい。
本開示の第三の態様に係る繊維製品(1)の製造方法では、第一または第二の態様において、染料が反応性染料であり、染み出し抑制糊が酸性である。
この構成によれば、反応性染料を含むアルカリ性の色糊(32)は、酸性の染み出し抑制糊(31)によって中和させるため、他面(12)上に色糊(32)を印刷して第二着色領域(120)を形成する際に、色糊(32)が染み出し抑制糊(31)で囲まれる領域よりも外側に染み出すことを抑制することができる。これにより、第二着色領域(120)の輪郭(121)と、第一着色領域(110)の輪郭(111)とを一致させやすい。
また繊維製品(1)の製造方法では、第一から第三のいずれか一の態様において、生地(10)の重量が180g/m以上であり、生地(10)のパイル長が20mm以上であることも好ましい。
この構成によれば、重量及びパイル長が上記範囲内にあるような厚手の生地(10)であっても、一面(11)の着色領域(110)(第一着色領域)及び他面(12)の着色領域(120)(第二着色領域)を着色することができると共に、第一着色領域(110)の輪郭(111)と、第二着色領域(120)の輪郭(121)とを一致させやすい。
本開示の第四の態様に係る繊維製品(1)は、一面(11)及び他面(12)に染料で着色されている着色領域(110、120)を有し、着色領域(110)の輪郭(111)と他面(12)の着色領域(120)の輪郭(121)とが一致している。
この構成によれば、一面(11)の印刷位置と他面(12)の印刷位置とにずれがない繊維製品(1)が得られる。
本開示の第五の態様に係る繊維製品(1)では、第四の態様において、生地(10)の重量が180g/m以上であり、生地(10)のパイル長が20mm以上である。
この構成によれば、重量及びパイル長が上記範囲内にあるような厚手の生地(10)であっても、一面(11)の着色領域(110)及び他面(12)の着色領域(120)を十分に着色することができる共に、第一着色領域(110)の輪郭(111)と、第二着色領域(120)の輪郭(121)とを一致させやすい。
本開示の第六の態様に係る繊維製品(1)は、第四または第五の態様において、生地(10)がパイル(13)を有し、かつ、パイル糸(133)、経糸(141)、及び緯糸(142)から構成され、一面(11)の着色領域(110)のパイル糸(133)と、他面(12)の着色領域(120)のパイル糸(133)と、の色差ΔEa**が1.0以下であり、一面(11)の着色領域(110)のパイル糸(133)と、一面(12)の着色領域(120)の経糸(141)又は緯糸(142)と、の色差ΔEa**が18以下であり、他面(12)の着色領域(120)のパイル糸(133)と、他面(12)の着色領域(120)の経糸(141)又は緯糸(142)と、の色差ΔEa**が18以下である。
この構成によれば、一面(11)の着色領域(110)(第一着色領域)の色と、他面(12)の着色領域(120)(第二着色領域)の色との差を少なくすることができ、繊維製品(1)の使用者が、第一着色領域(110)と第二着色領域(120)との間で色の差を感じにくくすることができる。
本開示の第七の態様に係る繊維製品(1)は、第四から第六のいずれか一の態様において、JIS L 1907 沈降法による吸水性が1秒以下である。
この構成によれば、吸水性に優れた繊維製品(1)が得られる。
本開示の第八の態様に係る繊維製品(1)は、第四から第七のいずれか一の態様において、一面(11)の着色領域(110)のパイル糸(133)及び他面(12)の着色領域(120)のパイル糸(133)の、彩度が16以上であり、明度が4.5以下である。
この構成によれば、繊維製品(1)の使用者が、一面(11)の着色領域(110)(第一着色領域)と他面(12)の着色領域(120)(第二着色領域)との間で、色の差を感じにくくすることができると共に、第一着色領域(110)及び第二着色領域(120)の発色を向上させることができる。
1 繊維製品
10 生地
11 一面
12 他面
13 パイル
133 パイル糸
141 経糸
142 緯糸
21 印刷台(コンベアベルト)
30 色糊
31 染み出し抑制糊
32 色糊

Claims (3)

  1. 一面及び他面に色糊で着色された着色領域を有する繊維製品の製造方法であって、
    印刷台の上の所定領域に、染料を含む前記色糊を印刷し、
    前記所定領域を覆い、かつ、前記色糊と生地の一面とが重なるように、前記印刷台の上に
    前記生地を配置し、
    前記生地の他面における前記所定領域に対応する領域の輪郭に沿って、染み出し抑制糊を
    配置し、
    前記染み出し抑制糊で囲まれる領域の内側に前記色糊を印刷する、
    繊維製品の製造方法。
  2. 前記生地がパイルを有し、
    前記パイルは、シルケット加工されたパイル糸から形成される、
    請求項1に記載の繊維製品の製造方法。
  3. 前記染料が反応性染料であり、
    前記染み出し抑制糊が酸性である、
    請求項1または2に記載の繊維製品の製造方法。
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