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JP7095034B2 - エレベータのドア制御装置 - Google Patents
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JP7095034B2 - エレベータのドア制御装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、エレベータのドア制御装置に関する。
エレベータの乗りかごが各階の乗場に着床すると、かごドアが乗場ドアに係合して開閉動作する。駆動源であるドアモータは乗りかごに設置されている。このドアモータの駆動によりかごドアが開閉方向に移動し、乗場ドアはそのかごドアに追従して移動する。ここで、乗りかごが各階を移動しているときに、かごドアが振動等で開かないように、ドアモータに一定の制御量(戸閉保持力)が出力されている。
特開平8-26611号公報
ところが、地震が発生して乗りかごが揺れると、乗りかごのドアに上記制御量を超えた外力が働き、開閉動作を繰り返すことがある。その際、乗りかごに利用者が乗車していると、指などを挟む可能性がある。
本発明が解決しようとする課題は、地震発生時に乗りかごの揺れでドアが動くことを防いで、利用者の安全を確保するエレベータのドア制御装置を提供することである。
一実施形態に係るエレベータのドア制御装置は、地震検知器を備える。上記エレベータのドア制御装置は、乗りかごのドアを開閉動作させるためのドアモータと、上記乗りかご内の利用者の有無を検知する利用者検知手段と、上記地震検知器から出力される地震情報に基づいて、地震が検知されたか否かを判断し、地震が検知されていない場合と地震が検知された場合とに分けて、上記乗りかごの運転状態と上記利用者検知手段によって検知される利用者の乗車状態に応じて上記戸閉保持力を制御する制御手段とを具備する。
図1は第1の実施形態に係るエレベータシステムの構成を示す図である。 図2は上記エレベータシステムに備えられた乗りかご内の出入口周辺部分の構成を示す図である。 図3は上記乗りかご内を上から見た場合の模式図である。 図4は上記乗りかご内を上から見た場合の模式図である。 図5は上記第1の実施形態におけるドア制御量の一例を示す図である。 図6は上記第1の実施形態におけるドア制御装置の動作を示すフローチャートである。 図7は上記図6のステップS15で実行される第1のドア制御の詳細を示すフローチャートである。 図8は上記図6のステップS17で実行される第2のドア制御の詳細を示すフローチャートである。 図9は上記図6のステップS21で実行される第3のドア制御の詳細を示すフローチャートである。 図10は上記図6のステップS23で実行される第4のドア制御の詳細を示すフローチャートである。 図11は第2の実施形態に係るエレベータシステムの構成を示す図である。 図12は第3の実施形態におけるドア制御装置の動作を示すフローチャートである。 図13は上記第3の実施形態におけるドア制御量の一例を示す図である。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るエレベータシステムの構成を示す図である。本実施形態におけるエレベータシステムは、エレベータ制御装置10と、地震検知器11と、ドア制御装置20と、乗りかご30とを備える。
エレベータ制御装置10は、コンピュータからなり、図示せぬ機械室あるいは昇降路内に設置され、乗りかご30の運転制御を含むエレベータ全体の制御を行う。エレベータ制御装置10は、乗りかご30の運転状態(走行中,着床中など)を示す運転情報をドア制御装置20に出力する。
地震検知器11は、例えば図示せぬ昇降路のピット部や機械室などに設置される。地震検知器11は、地震が発生したことを検知し、地震レベルに応じた地震検知信号をエレベータ制御装置10に出力する。
エレベータ制御装置10は、地震検知器11から出力される地震検知信号に基づいて、乗りかご30の運転を制御する。具体的には、エレベータ制御装置10は、地震管制運転モードに切り替え、乗りかご30を最寄階までに移動させ、そこで戸開して待機するなどの制御を行う。また、エレベータ制御装置10は、地震が発生したことを示す地震情報をドア制御装置20に出力する。
ドア制御装置20は、コンピュータからなり、乗りかご30に設置され、かごドア31の開閉動作を制御する。本実施形態において、このドア制御装置20には、利用者検知部21、制御部22、駆動部23が備えられている。
利用者検知部21は、乗りかご30内の利用者の有無を検知する。詳しくは、利用者検知部21は、乗りかご30内に設置されたカメラ34の画像を解析処理する機能を有し、上記画像の解析結果に基づいて乗りかご30内の利用者の有無を検知し、その検知結果を示す利用者検知情報を制御部22に出力する。なお、この利用者検知部21の機能をエレベータ制御装置10に設けて、エレベータ制御装置10側で乗りかご30内の利用者の有無を検知する構成としても良い。
制御部22は、乗りかご30が任意の階で着床したときに、モータ駆動信号を駆動部23に出力してドアモータ32を駆動する。このドアモータ32の駆動により、かごドア31がドア開閉機構33を介して戸開方向または戸閉方向に移動する。駆動部23は、ドアモータ32を駆動するためのドライバである。また、制御部22は、地震検知器11によって地震が検知されたときに、乗りかご30の運転情報と利用者検知部21から出力される利用者検知情報とに基づいてドア制御を行う機能を有する。
詳しくは、制御部22は、地震が検知されたときに、乗りかご30の運転情報に基づいて乗りかご30が着床中であるか走行中であるかを判断すると共に、利用者検知情報に基づいて利用者が乗りかご30のドア付近に乗車しているか否かを判断する。「着床中」とは、乗りかご30が任意の階に停止した直後の状態を言う。このとき、かごドア31はまだ閉じた状態である。「走行中」とは、乗りかご30が各階を移動している状態のことを言う。
ここで、乗りかご30が着床中であり、利用者がドア付近に乗車している場合には、制御部22は、地震レベルに応じてドアモータ32の戸閉保持力を制御する。また、利用者がドア付近以外に乗車している場合には、制御部22は、ドアモータ32の戸閉保持力を標準値よりも上げる。一方、乗りかご30が走行中であり、利用者がドア付近に乗車している場合には、制御部22は、地震のレベルに応じてドアモータ32の戸閉保持力を制御し、地震のレベルに対する戸閉保持力を乗りかご30が着床中のときよりも上げる。利用者がドア付近以外に乗車している場合には、制御部22は、ドアモータ32の戸閉保持力を標準値よりも上げる。
乗りかご30には、かごドア31、ドアモータ32、ドア開閉機構33が設けられている。かごドア31は、例えば2枚のドアパネルからなり、乗りかご30の乗降口に開閉自在に設けられている。かごドア31の開閉方式(単にドア方式とも言う)が中央両開き方式であれば、かごドア31を構成する2枚のドアパネルは互いに逆方向に開閉動作する。片開き方式であれば、かごドア31を構成する2枚のドアパネルは同じ方向に開閉動作する。
乗場の乗降口に設置された乗場ドア40もかごドア31と同じドア方式であり、かごドア31の開閉動作に追従して同時に移動する。ドア開閉機構33は、例えば複数の滑車やこれらの滑車に巻回されるベルトなどを備え、ドアモータ32の回転力を戸開閉に必要な力に変換する。
図中のP1はモータ出力、P2は走行抵抗(摩擦力等の戸開動作を妨げる力)、P3は戸閉保持力(戸閉状態を保持するために必要な力)である。モータ出力P1は、ドアモータ32の回転速度とトルクによって決まる。ここでは、モータ出力P1の全てがかごドア31に伝達されることにする。モータ出力P1は、下記の(1)式で表すことができる。なお、走行抵抗P2は、予め据付け時に各階毎に測定されている。
P1=P2+P3
=P2+(M×a) ……(1)
Mはドア重量であり、かごドア31の重量と乗場ドア40の重量を含む。aは加速度である。
一般的なドア制御方式では、乗りかご30の運転中は、利用者の有無に関係なく、ドア重量によって戸閉保持力P3が制御される。つまり、乗りかご30に利用者が乗車していても乗車していなくても、一定の力で戸閉状態が保持されている。このため、消費電力が高く、長時間運転を続けていると、ドアモータ32が発熱して劣化する可能性がある。本実施形態では、乗りかご30内に設置されたカメラ34の画像から利用者を検知することで、乗りかご30が着床中と走行中とで戸閉保持力P3を制御する構成としている。
図2は乗りかご30内の出入口周辺部分の構成を示す図である。
乗りかご30の出入口にかごドア31が開閉自在に設けられている。図2の例では2枚戸両開きタイプのかごドア31が示されており、かごドア31を構成する2枚のドアパネル31a,31bが間口方向(水平方向)に沿って互いに逆方向に開閉動作する。なお、「間口」とは、乗りかご30の出入口と同じである。
乗りかご30の出入口の両側に正面柱41a,41bが設けられており、幕板30aと共に乗りかご30の出入口を囲っている。「正面柱」は、出入口柱あるいは出入口枠とも言い、裏側にはかごドア31を収納するための戸袋が設けられているのが一般的である。図2の例では、かごドア31が戸開したときに、一方のドアパネル31aが正面柱41aの裏側に設けられた戸袋42aに収納され、他方のドアパネル31bが正面柱41bの裏側に設けられた戸袋42bに収納される。
正面柱41a,41bの一方あるいは両方に表示器43や、行先階ボタン44などが配設された操作盤45、スピーカ46が設置されている。図2の例では、正面柱41aにスピーカ46、正面柱41bに表示器43、操作盤45が設置されている。
乗りかご30の出入口上部の幕板30aの中央部にカメラ34が設置されている。カメラ34は、例えば車載カメラ等の小型の監視用カメラであり、広角レンズもしくは魚眼レンズを有し、1秒間に数コマ(例えば30コマ/秒)の画像を連続的に撮影可能である。カメラ34は、かごドア31付近を含み、かご内全体を撮影し、その撮影画像を利用者検知部21に出力する。なお、カメラ34はかごドア31付近を含み、かご内全体を撮影できればよいため、図2のように幕板30aに設けられる態様に限定はされない。例えば、監視カメラのように、乗りかご30の天井に設けられていてもよい。
図3および図4は乗りかご30内を上から見た場合の模式図である。かごドア31の戸開閉方向をX軸方向、戸開閉方向と直交する方向をY軸方向とする。図中のQ1~Q3は利用者を表している。
カメラ34の撮影画像上でかごドア31の位置を基準にして検知エリアE1が設定されている。検知エリアE1は、かごドア31からY軸方向にL1のサイズを有する。X軸方向のサイズは乗りかご30の間口幅と同じW0である。図3に示すように、利用者Q1,Q2が検知エリアE1内で検知されない場合には、かごドア31から離れた場所に乗車しているものと判断される。一方、図4に示すように、利用者Q3が検知エリアE1内で検知される場合には、かごドア31の近くに乗車しているものと判断される。
検知エリアE1の範囲はかごドア31の近傍に設定されており、検知エリアE1のサイズは自由に変更可能としても良い。例えば、Y軸方向のL1のサイズは乗りかご30のY軸方向において、かごドア31側の半分以内に設定すると好適である。例えば、乗りかご30の容量が大きい場合は、Y軸方向のL1のサイズは、乗客数名分の幅のサイズとしても良い。検知エリアE1の値は、例えばドア制御装置20内またはエレベータ制御装置10内の図示せぬ記憶部に記憶されている。
図5はドア制御量の一例を示す図である。
「ドア制御量」とは、ここでは戸閉保持力の強さのことである(図1に示したP3)。「a」,「b」,「c」,「d」の順で戸閉保持力が大きくなる。具体的には、a:50N,b:100N(標準値),c:150N,d:200Nである(Nはニュートン)。「地震レベル」とは、地震の揺れの大きさのことである。「G1」,「G2」,「G3」の順で地震の揺れが大きくなる。例えば、「G1」は震度1~3、「G2」は震度4~5、「G3」は震度6~7である。
地震レベル「0」の場合、着床中/走行中に関係なく、戸閉保持力は利用者の乗車状態に応じて設定される。利用者が乗車していない場合、あるいは、利用者が乗車していてもドア付近にいない場合には、危険性が少ないため、戸閉保持力を標準値よりも下げておくことができる(戸閉保持力=「a」)。利用者がドア付近に乗車している場合には、利用者の手などが挟まれる可能性があるため、少なくとも標準値程度の力で閉めておくことが好ましい(戸閉保持力=「b」)。
一方、地震発生時には、着床中と走行中に分けて、戸閉保持力が調整される。着床中は、ドアを固定しておくために、地震レベルが高い場合には戸閉保持力を上げておくことが好ましい。走行中は、利用者の乗車の有無に関係なく、戸開を防ぐために戸閉保持力を上げておく必要がある。具体的には、以下のような条件で戸閉保持力が調整される。
(1)乗りかご30が着床中で、利用者が乗車していない場合
地震レベルが低いときは、戸閉保持力を標準値bよりも下げておく。
地震レベル「G1」のときは、戸閉保持力=「a」
地震レベル「G2」,「G3」のときは、戸閉保持力=「b」
(2)乗りかご30が着床中で、利用者がドア付近以外に乗車している場合
地震レベルに応じて戸閉保持力を標準値bから段階的に上げる。
地震レベル「G1」,「G2」のときは、戸閉保持力=「b」
地震レベル「G3」のときは、戸閉保持力=「c」
(3)乗りかご30が着床中で、利用者がドア付近に乗車している場合
地震レベルに応じて戸閉保持力を段階的に上記(2)よりもさらに上げる。
地震レベル「G1」,「G2」のときは、戸閉保持力=「c」
地震レベル「G3」のときは、戸閉保持力=「d」
(4)乗りかご30が走行中で、利用者が乗車していない場合
戸閉保持力を着床中のときよりも上げる。
地震レベル「G1」のときは、戸閉保持力=「b」
地震レベル「G2」,「G3」のときは、戸閉保持力=「c」
(5)乗りかご30が走行中で、利用者がドア付近以外に乗車している場合
上記(4)と同様
地震レベル「G1」のときは、戸閉保持力=「b」
地震レベル「G2」,「G3」のときは、戸閉保持力=「c」
(6)乗りかご30が走行中で、利用者がドア付近に乗車している場合
戸閉保持力を上記(4),(5)よりもさらに上げる。
地震レベル「G1」のときは、戸閉保持力=「c」
地震レベル「G2」,「G3」のときは、戸閉保持力=「d」
地震が発生していない場合には地震発生時よりも低めの設定になる。具体的には、以下のような条件で戸閉保持力が調整される。
・乗りかご30が着床中/走行中で、利用者が乗車していない場合
戸閉保持力=「a」
・乗りかご30が着床中/走行中で、利用者がドア付近以外に乗車している場合
戸閉保持力=「a」
・乗りかご30が着床中/走行中で、利用者がドア付近に乗車している場合
戸閉保持力=「b」
つまり、地震が発生していない場合には、利用者がドア付近に乗車しているか否かで戸閉保持力が異なる。
なお、図5は一例であり、ドア重量や、地震発生時の乗りかご30の揺れ量などに応じて、戸閉保持力の値を任意に設定することができる。また、地震レベルも3つ以上に分けて、各レベル毎に戸閉保持力の値を細かく設定することでも良い。
次に、第1の実施形態の動作について説明する。
図6は第1の実施形態におけるドア制御装置20の動作を示すフローチャートである。図7~図10はそれぞれ、図6に示す第1のドア制御~第4のドア制御の詳細を示すフローチャートである。以下では、地震発生時と平常時に分けて、かごドア31の戸閉を保持するための戸閉保持力の制御について説明する。
(a)地震発生時
地震が発生すると、地震検知器11から地震の揺れの大きさを示す地震情報がエレベータ制御装置10を介してドア制御装置20に与えられる。ドア制御装置20に備えられた制御部22は、地震情報により地震が発生したことを検知すると(ステップS11のYes)、エレベータ制御装置10から乗りかご30の運転情報を取得し(ステップS12)、乗りかご30が着床中であるか走行中であるか否かを判断する(ステップS13)。
乗りかご30が着床中であった場合には(ステップS13のYes)、制御部22は、利用者検知部21を起動して利用者検知処理を実行する(ステップS14)。なお、乗りかご30の運転状態に関係なく、常に利用者検知部21によって利用者の有無を検知する構成としても良い。制御部22は、利用者検知処理の結果を受けて第1のドア制御を実行し、かごドア31の戸閉を保持するための戸閉保持力を調整する(ステップS15)。
詳しくは、図7に示すように、乗りかご30に利用者が乗車していなかった場合には(ステップS31のNo)、制御部22は、危険性が低いと判断し、戸閉保持力を下げて、ドアモータ32を戸閉方向に駆動する(ステップS33)。ただし、着床中でも地震レベルが高い場合には、かごドア31を固定しておく必要があるため、戸閉保持力を強くする。図5の例では、地震レベル「G1」のときは、戸閉保持力が標準値bよりも下げられている。地震レベル「G2」以上のときは、戸閉保持力が標準値bに切り替えられる(図中の(1)参照)。
乗りかご30の検知エリアE1以外に利用者が乗車していた場合、つまり、かごドア31付近以外に利用者が乗車していた場合には(ステップS32のNo)、制御部22は、危険性がやや高いと判断し、戸閉保持力を標準値b以上に上げてドアモータ32を戸閉方向に駆動する(ステップS34)。この場合、地震レベルに応じて戸閉保持力を段階的に上げる。図5の例では、地震レベル「G1」,「G2」のときは、戸閉保持力=「b」である。地震レベル「G3」のときは、戸閉保持力=「c」に切り替えられる(図中の(2)参照)。
また、乗りかご30の検知エリアE1に利用者が乗車していた場合、つまり、かごドア31付近に利用者が乗車していた場合には(ステップS32のYes)、制御部22は、危険性が高いと判断し、戸閉保持力を利用者がドア付近に乗車していないときよりもさらに上げてドアモータ32を戸閉方向に駆動する(ステップS35)。その際、地震レベルに応じて戸閉保持力を段階的に上げる。図5の例では、地震レベルG1,G2のときは、戸閉保持力=「c」である。地震レベルG3のときは、のときは、戸閉保持力=「d」に切り替えられる(図中の(3)参照)。
戸閉保持力は、例えばかご重量などから求められる。「戸閉保持力を標準値よりも上げる」とは、戸閉状態を保持するために必要なトルクを通常よりも上げることである。これにより、かごドア31が強い力で閉まり、地震の揺れなどの外的な力がかごドア31に加えられても簡単には開かないようになる。
「戸閉保持力を標準値よりも下げる」とは、戸閉状態を保持するために必要なトルクを通常よりも下げることである。これにより、戸閉保持に必要な電力が抑えられる。したがって、利用者に危険がない場合には、戸閉保持力を「a」に下げておくことで、ドアモータ32の温度上昇による劣化を防ぐことができる。
図6に戻って、乗りかご30が走行中であった場合には(ステップS13のNo)、制御部22は、利用者検知部21を起動して利用者検知処理を実行し(ステップS16)、その利用者検知処理の結果を受けて第2のドア制御を実行する(ステップS17)。第2のドア制御は、乗りかご30が着床中のときよりも戸閉保持力を上げて、かごドア31を強く閉める。
すなわち、図8に示すように、乗りかご30に利用者が乗車していなかった場合には(ステップS41のNo)、制御部22は、地震レベルに応じて戸閉保持力を標準値bから段階的に上げて、ドアモータ32を戸閉方向に駆動する(ステップS43)。図5の例では、地震レベル「G1」のときは、戸閉保持力=「b」である。地震レベル「G2」,「G3」のときは、戸閉保持力=「c」に切り替えられる(図中の(4)参照)。
乗りかご30の検知エリアE1以外に利用者が乗車していた場合、つまり、かごドア31付近以外に利用者が乗車していた場合には(ステップS42のNo)、制御部22は、乗車なしの場合と同様に、地震レベルに応じて戸閉保持力を標準値bから段階的に上げてドアモータ32を戸閉方向に駆動する(ステップS44)。図5の例では、地震レベル「G1」のときは、戸閉保持力=「b」である。地震レベル「G2」,「G3」のときは、戸閉保持力=「c」に切り替えられる(図中の(5)参照)。
ここで、乗りかご30の検知エリアE1に利用者が乗車していた場合、つまり、かごドア31付近に利用者が乗車していた場合には(ステップS42のYes)、制御部22は、危険性が高いと判断し、戸閉保持力をさらに上げてドアモータ32を戸閉方向に駆動する(ステップS45)。図5の例では、地震レベル「G1」のときは、戸閉保持力=「c」である。地震レベル「G2」,「G3」のときは、戸閉保持力=「d」に切り替えられる(図中の(6)参照)。
(b)平常時
地震が発生していない場合、つまり、平常時には、以下のような処理が実行される。
すなわち、ドア制御装置20に備えられた制御部22は、エレベータ制御装置10から乗りかご30の運転情報を取得し(ステップS18)、乗りかご30が任意の階に着床中であるか各階の間を走行中であるか否かを判断する(ステップS19)。
乗りかご30が着床中であった場合には(ステップS19のYes)、制御部22は、利用者検知部21を起動して利用者検知処理を実行する(ステップS20)。なお、乗りかご30の運転状態に関係なく、常に利用者検知部21によって利用者の有無を検知する構成としても良い。制御部22は、利用者検知処理の結果を受けて第3のドア制御を実行し、かごドア31の戸閉を保持するための戸閉保持力を調整する(ステップS21)。
詳しくは、図9に示すように、乗りかご30に利用者が乗車していなかった場合には(ステップS51のNo)、制御部22は、危険性が低いと判断し、戸閉保持力を標準値bよりも下げて、ドアモータ32を戸閉方向に駆動する(ステップS53)。同様に、乗りかご30の検知エリアE1以外に利用者が乗車していた場合、つまり、かごドア31付近以外に利用者が乗車していた場合(ステップS52のNo)、制御部22は、危険性が低いと判断し、戸閉保持力を標準値bよりも下げて、ドアモータ32を戸閉方向に駆動する(ステップS54)。図5の例では、「乗車なし」と「ドア付近に乗車なし」の場合に、戸閉保持力=「a」に設定されている。
また、乗りかご30の検知エリアE1に利用者が乗車していた場合、つまり、かごドア31付近に利用者が乗車していた場合には(ステップS52のYes)、制御部22は、危険性がやや高いと判断し、戸閉保持力を「a」よりも上げてドアモータ32を戸閉方向に駆動する(ステップS55)。図5の例では、「ドア付近に乗車あり」の場合に、戸閉保持力=「b」に設定されている。
戸閉保持力を上げることでかごドア31が強い力で閉まるので、地震の揺れがなくても、例えば利用者の悪戯などの外的な力がかごドア31に加えられても簡単には開かないようになる。
特に、かごドア31が2枚戸片開き方式であった場合、一方のドアパネルと他方のドアパネルとの重なり部分に利用者が寄り掛かるなどすると、かごドア31が開いてしまうことがある。このような場合に、戸閉保持力を上げておけば、利用者の寄り掛かりなどによる戸開を防ぐことができる。
図6に戻って、乗りかご30が走行中であった場合には(ステップS19のNo)、制御部22は、利用者検知部21を起動して利用者検知処理を実行し(ステップS22)、その利用者検知処理の結果を受けて第4のドア制御を実行する(ステップS23)。第4のドア制御は、第3のドア制御と同様である。
すなわち、図10に示すように、乗りかご30に利用者が乗車していなかった場合には(ステップS61のNo)、制御部22は、危険性が低いと判断し、戸閉保持力を標準値bよりも下げて、ドアモータ32を戸閉方向に駆動する(ステップS63)。同様に、乗りかご30の検知エリアE1以外に利用者が乗車していた場合、つまり、かごドア31付近以外に利用者が乗車していた場合(ステップS52のNo)、制御部22は、危険性が低いと判断し、戸閉保持力を標準値bよりも下げて、ドアモータ32を戸閉方向に駆動する(ステップS64)。図5の例では、「乗車なし」と「ドア付近に乗車なし」の場合に、戸閉保持力=「a」に設定されている。
また、乗りかご30の検知エリアE1に利用者が乗車していた場合、つまり、かごドア31付近に利用者が乗車していた場合には(ステップS62のYes)、制御部22は、危険性がやや高いと判断し、戸閉保持力を「a」よりも上げてドアモータ32を戸閉方向に駆動する(ステップS65)。図5の例では、「ドア付近に乗車あり」の場合に、戸閉保持力=「b」に設定されている。
このように第1の実施形態によれば、地震が発生した場合に、着床中と走行中とに分け、それぞれに利用者の乗車状態に応じて戸閉保持力を調整することで、地震の揺れでかごドア31が開くことを防いで利用者の安全を確保できる。特に、地震レベルに応じて戸閉保持力を段階的に上げることで、大きな揺れが生じたときの戸開を確実に防いで、利用者の安全を確保できる。一方、利用者が乗車していない場合には、戸閉保持力を下げておくことで、電力消費を抑え、ドアモータ32の温度上昇による劣化を防ぐことができる。
また、平常時であっても、利用者の乗車状態に応じて戸閉保持力を調整することで、利用者の悪戯などによる戸開を防ぐことができる。一方、利用者が乗車していない場合には、戸閉保持力を下げておくことで、電力消費を抑え、ドアモータ32の温度上昇による劣化を防ぐことができる。
なお、上記第1の実施形態では、平常時は着床中と走行中に関係なく、ドア付近に利用者が乗車しているか否かで戸閉保持力を切り替える構成としたが、走行中は着床中よりも利用者の安全性が求められるため、ドアの戸閉保持力を少し上げるようにしても良い。つまり、図5の例で、走行中にドア付近に乗車なしのときは戸閉保持力=「b」、走行中にドア付近に乗車ありのときは戸閉保持力=「c」とする。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
図11は第2の実施形態に係るエレベータシステムの構成を示す図である。なお、上記第1の実施形態における図1の構成と同じ部分は同一符号を付して、その詳しい説明は省力するものとする。
第2の実施形態では、乗りかご30に3軸の加速度センサ35が設置されている。加速度センサ35は、xyz方向の加速度を検知する。地震発生時において、乗りかご30の揺れは、建物の構造や、乗りかご30の位置によっても異なり、地震検知器11で検知される地震レベルよりも大きく揺れることがある。そこで、第2の実施形態では、地震発生時に加速度センサ35を用いて乗りかご30の揺れ量を検出し、その揺れ量をドア制御に反映させる構成とする。
詳しくは、図7で説明した第1のドア制御において、制御部22は、加速度センサ35から出力されるかご揺れ情報に基づいて、乗りかご30の水平方向(xy方向)の揺れ量が所定値以上であるか否かを判断する。所定値以上であった場合には、制御部22は、地震検知器11で検知される地震レベルよりも乗りかご30が大きく揺れていると判断し、戸閉保持力を少なくとも1段階上げて、ドアモータ32を戸閉方向に駆動する。例えば、地震レベルG1で戸閉保持力=「c」に設定されていた場合には、戸閉保持力=「d」に変更する。これにより、地震レベルよりも乗りかご30が大きく揺れている場合に戸閉保持力をさらに強くして戸開を防ぐことができる。
図8で説明した第2のドア制御でも同様であり、乗りかご30の水平方向(xy方向)の揺れ量が一定値以上であった場合には、制御部22は、戸閉保持力を少なくとも1段階上げて、ドアモータ32を戸閉方向に駆動する。
このように第2の実施形態によれば、地震発生時に乗りかご30の揺れ量を考慮して戸閉保持力を決めることで、例えば乗りかご30が最上階に着床中あるいは最上階付近を走行中で、建物と共に大きく揺れているような場合に戸閉保持を強化して、利用者の安全を確保できる。
なお、乗りかご30の揺れは、地震に限らず、例えば強風などによっても建物と共に大きく揺れることがある。したがって、平常時に乗りかご30の揺れ量が一定値以上であった場合には戸閉保持力を基準値aよりも上げて、ドアモータ32を戸閉方向に駆動することが好ましい。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
通常、乗りかご30が任意の階に着床して全開すると、かごドア31の戸開方向に一定の力が加わり、戸開状態が保持される。このときの力を「戸開保持力」と呼び、図1に示した戸閉保持力P3とは逆方向に働く。ここで、地震が発生したときに、そのときの揺れでかごドア31が戸閉方向に動き、乗りかご30から降車する利用者にぶつかる可能性がある。そこで、第3の実施形態では、戸開中に地震が発生した場合に、利用者の乗車状態に応じて戸開保持力を制御する構成としたものである。
図12は第3の実施形態におけるドア制御装置20の動作を示すフローチャートである。
いま、乗りかご30が任意の階で戸開中にあり、上述した戸開保持力によって戸開状態が保持されているとする(ステップS71)。このときの戸開保持力は標準値ka、時間時間は一定時間taである。
ここで、戸開中に地震が発生すると、地震検知器11から地震の揺れの大きさを示す地震情報がエレベータ制御装置10を介してドア制御装置20に与えられる。ドア制御装置20に備えられた制御部22は、地震情報により地震が発生したことを検知すると(ステップS72のYes)、以下のような処理を実行する。
すなわち、まず、制御部22は、利用者検知部21を起動して利用者検知処理を実行する(ステップS73)。利用者検知処理の結果、乗りかご30のドア付近を含め、利用者が乗車していた場合には(ステップS74のYes)、制御部22は、戸開時間を延長するとともに(ステップS75)、戸開保持力を上げて、ドアモータ32を戸開方向に駆動する(ステップS76)。
「戸開時間を延長する」とは、戸開状態を保持している時間(戸開待機時間)を予め設定された時間taよりも長くすることである。「戸開保持力を上げる」とは、予め設定された標準値kaよりも上げることである。
なお、戸開時間と戸開保持力をどの程度上げるのかは任意に設定可能である。また、例えば図13に示すように、戸開時間と戸開保持力を地震レベルに応じて段階的に変えても良い。図13の例では、利用者が乗車している場合に、地震レベルが上がるのに従って、戸開時間がtaからtb,tc,tdに順に上がり、戸開保持力がkaからkb,kc,kdに順に上がることが示されている。
一方、戸開中に地震が検知されなかった場合(ステップS72のNo)、あるいは、乗りかご30に利用者が乗車していなかった場合には(ステップS74のNo)、制御部22は、戸開時間をta、戸開保持力をkaに設定して、通常の戸閉制御を行う(ステップS77)。
このように第3の実施形態によれば、戸開中に地震が発生した場合に、利用者の乗車状態に応じて戸開時間および戸開保持力が調整される。したがって、利用者が乗車していた場合には、地震の揺れでかごドア31が動かないように戸開状態を保持し、また、戸開時間を通常よりも延長することで、利用者を安全に降車させることができる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、地震発生時に乗りかごの揺れでドアが動くことを防いで、利用者の安全を確保するエレベータのドア制御装置を提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…エレベータ制御装置、11…地震検知器、20…ドア制御装置、21…利用者検知部、22…制御部、23…駆動部、30…乗りかご、31…かごドア、32…ドアモータ、33…ドア開閉機構、34…カメラ、35…加速度センサ、40…乗場ドア。

Claims (9)

  1. 地震検知器を備えたエレベータのドア制御装置において、
    乗りかごのドアを開閉動作させるためのドアモータと、
    上記乗りかご内の利用者の有無を検知する利用者検知手段と、
    上記地震検知器から出力される地震情報に基づいて、地震が検知されたか否かを判断し、地震が検知されていない場合と地震が検知された場合とに分けて、上記乗りかごの運転状態と上記利用者検知手段によって検知される利用者の乗車状態に応じて上記戸閉保持力を制御する制御手段と
    を具備することを特徴とするエレベータのドア制御装置。
  2. 上記制御手段は、
    上記乗りかごが着床中であり、上記利用者が上記乗りかごに乗車している場合に、上記地震のレベルに応じて上記ドアモータの戸閉保持力を制御することを特徴とする請求項1記載のエレベータのドア制御装置。
  3. 上記制御手段は、
    上記利用者が上記ドア付近に乗車している場合には、上記ドアモータの戸閉保持力を上記利用者が上記ドア付近以外に乗車しているときよりも上げることを特徴とする請求項2記載のエレベータのドア制御装置。
  4. 上記制御手段は、
    上記乗りかごが走行中の場合には、上記利用者の乗車の有無に関係なく、上記地震のレベルに応じて上記ドアモータの戸閉保持力を制御することを特徴とする請求項1記載のエレベータのドア制御装置。
  5. 上記制御手段は、
    上記利用者が上記ドア付近に乗車している場合には、上記ドアモータの戸閉保持力を上記利用者が上記ドア付近以外に乗車しているときよりも上げることを特徴とする請求項4記載のエレベータのドア制御装置。
  6. 上記乗りかごの揺れを検知する加速度センサを備え、
    上記制御手段は、
    上記加速度センサによって検知された上記乗りかごの揺れの大きさを考慮して、上記ドアモータの戸閉保持力を制御することを特徴とする請求項1記載のエレベータのドア制御装置。
  7. 上記制御手段は、
    上記地震が検知されていない状態でも、上記乗りかごの一定値以上の揺れが検知されている場合には、上記ドアモータの戸閉保持力を基準値よりも上げることを特徴とする請求項6記載のエレベータのドア制御装置。
  8. 上記制御手段は、
    上記乗りかごが任意の階で戸開中のときに、上記地震が検知された場合に、上記利用者の乗車の有無に応じて上記ドアモータの戸開保持力を制御することを特徴とする請求項1記載のエレベータのドア制御装置。
  9. 上記制御手段は、
    上記利用者が上記乗りかごに乗車している場合に上記ドアの戸開時間を延長すると共に、上記ドアモータの戸開保持力を基準値よりも上げることを特徴とする請求項8記載のエレベータのドア制御装置。
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