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JP7097115B2 - ガラス焼結体の製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、貫通孔を有するガラス焼結体の製造方法に関し、特に光ファイバプリフォームとしてのガラス焼結体の製造方法に関する。
光ファイバは、屈折率の高いコアと、その周りを取り囲む、屈折率の低いクラッド層とから構成される。光ファイバのコア及びクラッド層はいずれも石英ガラス(シリカガラス)、フッ化物ガラス等の非金属無機物質を主な材料とする。従来一般的な通信用光ファイバは、信号伝送路となるコアが1個のシングルモードファイバであったところ、光通信システムにおける伝送容量の増大に伴い、1個の光ファイバ内に複数のコアを有するマルチコアファイバが開発されている。
光ファイバは、光ファイバプリフォーム(光ファイバ母材)を紡糸(線引き)することにより製造される。プリフォームの一般的な製造方法として孔開法がある。孔開法は、石英棒にドリルを用いて孔を開け、そこにコアロッドを挿入した後、紡糸する方法である。孔開法は、大形のプリフォームに高い寸法精度の孔を開けることが難しく、特にマルチコアファイバの場合は手間がかかる。
これに対して、スラリーキャスト(スラリーキャスティング)法と呼ばれる方法がある(特許文献1)。スラリーキャスト法では、石英ガラス粉体、溶媒、分散剤、硬化性樹脂を含むガラス原料溶液に硬化剤を混合してスラリーとし、このスラリーを、コア用の金属ロッドが配置された成形型に注入して硬化させる。硬化後、脱型し、金属ロッドを離脱させる。金属ロッドの離脱により形成された孔にコアロッドを挿入し、乾燥、脱脂、焼結することにより成形体に含まれる溶媒及び硬化性樹脂を更に除去してプリフォームを製造する。この方法では、成形型に配置する金属ロッドの形状、サイズ、位置を適切に設定することで、高い寸法精度のコアをクラッド層内に有する光ファイバプリフォームを得ることができる。
特開2014-094884号公報
スラリーキャスト法では、成形型から取り出された成形体が、ガラス焼結体であるプリフォームに至る過程で収縮し、寸法が変化する。成形体が大形の場合、寸法変化量の絶対値が大きくなるため、成形体に割れや変形が起きやすく、寸法精度を維持することが難しい。
なお、ここでは光通信用光ファイバのプリフォームについて説明したが、ファイバレーザ用やその他の光ファイバプリフォームをスラリーキャスト法により製造する場合も同様の問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、スラリーキャスト法によりガラス焼結体を製造する工程において得られる成形体やガラス焼結体に割れが発生しにくいようにすることである。
上記課題を解決するためになされた本発明の第1の態様は、
石英ガラス粉体、分散剤、硬化性樹脂及び溶媒を含むスラリーを、円柱状の孔形成用ロッドが配置された円筒状の収容部を有する成形型の前記収容部に充填し、前記硬化性樹脂を硬化させる工程と、
前記成形型内のスラリーが固化した後、前記スラリーの固化体から前記成形型及び前記孔形成用ロッドを脱離させて、両端面を貫通する貫通孔を有する円柱状の成形体を得る工程と、
前記成形体を乾燥させる工程と、
乾燥させた前記成形体を脱脂する工程と、
脱脂した前記成形体を焼結する工程と
を有する、貫通孔を有するガラス焼結体を製造する方法であって、
貫通孔を有するガラス焼結体の中心軸と垂直な横断面上において、前記ガラス焼結体の外周に内接し、且つ前記貫通孔に外接する仮想円のうち直径が最大となる最大仮想円が、14mm以上、58mm以下の直径を有するように、前記成形型の内径、前記孔形成用ロッドの直径が設定され、前記孔形成用ロッドが配置されているものである。
また、上記課題を解決するためになされた本発明の第2の態様は、
石英ガラス粉体、分散剤、硬化性樹脂及び溶媒を含むスラリーを、円柱状の孔形成用ロッドが配置された円筒状の収容部を有する成形型の前記収容部に充填し、前記硬化性樹脂を硬化させる工程と、
前記成形型内のスラリーが固化した後、前記スラリーの固化体から前記成形型及び前記孔形成用ロッドを脱離させて、両端面を貫通する貫通孔を有する円柱状の成形体を得る工程と、
前記成形体を乾燥させる工程と、
乾燥させた前記成形体を脱脂する工程と、
脱脂した前記成形体を焼結する工程と
を有する、貫通孔を有するガラス焼結体を製造する方法であって、
前記ガラス焼結体が複数の貫通孔を有しており、
前記ガラス焼結体の中心軸と垂直な横断面上の前記複数の貫通孔に囲まれた領域において、前記貫通孔の外周に外接する仮想円を第2仮想円と規定したとき、前記第2仮想円の直径が、14mm以上、58mm以下となるように、前記成形型の内径、前記孔形成用ロッドの直径が設定され、前記孔形成用ロッドが配置されているものである。
さらにまた、上記課題を解決するためになされた本発明の第3の態様は、
石英ガラス粉体、分散剤、硬化性樹脂及び溶媒を含むスラリーを、円柱状の孔形成用ロッドが配置された円筒状の収容部を有する成形型の前記収容部に充填し、前記硬化性樹脂を硬化させる工程と、
前記成形型内のスラリーが固化した後、前記スラリーの固化体から前記成形型及び前記孔形成用ロッドを脱離させて、両端面を貫通する貫通孔を有する円柱状の成形体を得る工程と、
前記成形体を乾燥させる工程と、
乾燥させた前記成形体を脱脂する工程と、
脱脂した前記成形体を焼結する工程と
を有する、貫通孔を有するガラス焼結体を製造する方法であって、
ガラス焼結体が1個の貫通孔を有するとき、前記ガラス焼結体の中心軸と垂直な横断面上において、前記ガラス焼結体の外周に内接し、且つ前記貫通孔に外接する仮想円のうち直径が最大となる仮想円の直径を2a、前記ガラス焼結体の外径を2R、前記貫通孔の数をn、前記貫通孔の直径を2r、前記貫通孔間の最近接部の間隔を2S、前記スラリーに含まれる前記石英ガラス粉体の量を100重量部としたときの前記硬化性樹脂の重量部をCとしたときに、以下の式(1)で定義されるBth値が73.5以下になるように各工程が行われるものである。
th={aC(R-nr)/(R+nr)}/1000 ・・・(1)
(ただし、R≧15、C≧7.5。a、R、r、Sは単位をmmで表したときの値である。)
また、上記課題を解決するためになされた本発明の第4の態様は、
石英ガラス粉体、分散剤、硬化性樹脂及び溶媒を含むスラリーを、円柱状の孔形成用ロッドが配置された円筒状の収容部を有する成形型の前記収容部に充填し、前記硬化性樹脂を硬化させる工程と、
前記成形型内のスラリーが固化した後、前記スラリーの固化体から前記成形型及び前記孔形成用ロッドを脱離させて、両端面を貫通する貫通孔を有する円柱状の成形体を得る工程と、
前記成形体を乾燥させる工程と、
乾燥させた前記成形体を脱脂する工程と、
脱脂した前記成形体を焼結する工程と
を有する、貫通孔を有するガラス焼結体を製造する方法であって、
ガラス焼結体が複数の貫通孔を有するとき、前記ガラス焼結体の中心軸と垂直な横断面において、前記ガラス焼結体の外周に内接し、且つ前記貫通孔に外接する仮想円のうち直径が最大となる仮想円、及び、前記ガラス焼結体の中心軸と垂直な横断面上の前記複数の貫通孔に囲まれた領域において、前記貫通孔の外周に外接する仮想円のうち、直径が大きい仮想円の直径を2a、前記ガラス焼結体の外径を2R、前記貫通孔の数をn、前記貫通孔の直径を2r、前記貫通孔間の最近接部の間隔を2S、前記スラリーに含まれる前記石英ガラス粉体の量を100重量部としたときの前記硬化性樹脂の重量部をCとしたときに、以下の式(1)で定義されるBth値が73.5以下になるように各工程が行われるものである。
th={aC(R-nr)/(R+nr)}/1000 ・・・(1)
(ただし、R≧15、C≧7.5。a、R、r、Sは単位をmmで表したときの値である。)
さらにまた、上記課題を解決するためになされた本発明の第5の態様は、
石英ガラス粉体、分散剤、硬化性樹脂及び溶媒を含むスラリーを、孔形成用ロッドが配置された筒状の収容部を有する成形型の前記収容部に充填し、前記硬化性樹脂を硬化させる工程と、
前記成形型内のスラリーが固化した後、前記スラリーの固化体から前記成形型及び前記孔形成用ロッドを脱離させて、両端面を貫通する貫通孔を有する柱状の成形体を得る工程と、
前記成形体を乾燥させる工程と、
乾燥させた前記成形体を脱脂する工程と、
脱脂した前記成形体を焼結する工程と
を有する、貫通孔を有するガラス焼結体を製造する方法であって、
貫通孔を有するガラス焼結体の中心軸と垂直な横断面上において、前記ガラス焼結体の外周に内接し、且つ前記貫通孔に外接する仮想円のうち直径が最大となる最大仮想円が、14mm以上、58mm以下の直径を有するように、前記成形型の形状、前記孔形成用ロッドの形状が設定され、前記孔形成用ロッドが配置されているものである。
本発明に係るガラス焼結体の製造方法によれば、ガラス焼結体を製造する工程において、成形体やガラス焼結体に割れが発生することを抑制できる。
本発明に係るガラス焼結体の製造工程を示す図。 1個の貫通孔を有する成形体の仮想円を説明するための図。 2個の貫通孔を有する成形体の仮想円を説明するための図。 4個の貫通孔を有する成形体の仮想円を説明するための図。 5個の貫通孔を有する成形体の仮想円を説明するための図。 7個の貫通孔を有する成形体の仮想円を説明するための図。 製造例2のサンプル4~6の成形体の横断面を示す図(a)~(c)。
本発明の第1の態様は、
石英ガラス粉体、分散剤、硬化性樹脂及び溶媒を含むスラリーを、円柱状の孔形成用ロッドが配置された円筒状の収容部を有する成形型の前記収容部に充填し、前記硬化性樹脂を硬化させる工程と、
前記成形型内のスラリーが固化した後、前記スラリーの固化体から前記成形型及び前記孔形成用ロッドを脱離させて、両端面を貫通する貫通孔を有する円柱状の成形体を得る工程と、
前記成形体を乾燥させる工程と、
乾燥させた前記成形体を脱脂する工程と、
脱脂した前記成形体を焼結する工程と
を有する、貫通孔を有するガラス焼結体を製造する方法であって、
貫通孔を有するガラス焼結体の中心軸と垂直な横断面上において、前記ガラス焼結体の外周に内接し、且つ前記貫通孔に外接する仮想円のうち直径が最大となる最大仮想円が、14mm以上、58mm以下の直径を有するように、前記成形型の内径、前記孔形成用ロッドの直径が設定され、前記孔形成用ロッドが配置されているものである。
スラリーキャスト法においては、スラリーを成形型に入れて固化させた後、固化体から成形型及び孔形成用ロッドを脱離して成形体を得る。このようにして得られた成形体は、乾燥工程、脱脂工程、焼結工程を経ることでガラス焼結体となる。乾燥工程では、スラリーに含まれる溶媒が主に成形体から除去される。脱脂工程では、前記スラリーに含まれる硬化性樹脂が主に成形体から除去される。
乾燥工程において、成形体の表面付近の溶媒に比べると内部の溶媒は成形体の外部に排出されるまでに時間がかかる。成形体の表面と内部の乾燥状態が異なる状態が長時間続くと、乾燥工程時に成形体に割れが発生する。また、脱脂工程において、成形体の内部の硬化性樹脂は成形体から除去されにくい。成形体に含まれる硬化性樹脂が十分に除去されず、成形体の内部に残留すると、脱脂工程時に成形体に割れが生じたり、焼結工程時に焼結体に割れが生じたりする。
貫通孔を有する成形体の場合、成形体に含まれる溶媒、硬化性樹脂は、成形体の外周面と貫通孔の内周面から排出される。そこで、本発明では、溶媒及び硬化性樹脂を排出し易くする指標としての最大仮想円を規定し、この最大仮想円が所定の大きさ(直径)となるように、前記成形型の内径、前記孔形成用ロッドの直径(外径)を設定し、前記孔形成用ロッドを配置することとした。最大仮想円は、本発明の製造方法で得られる最終製品としてのガラス焼結体の横断面上に規定される。したがって、乾燥、脱脂、焼結工程で生じる成形体の収縮を考慮して、前記成形型の内径、前記孔形成用ロッドの直径(外径)が設定され、前記孔形成用ロッドが配置されることになる。このような構成により、本発明では、乾燥工程及び脱脂工程において、成形体に含まれる溶媒、硬化性樹脂、分散剤を効率よく除去することができる。
また、本発明の第2の態様は、
石英ガラス粉体、分散剤、硬化性樹脂及び溶媒を含むスラリーを、円柱状の孔形成用ロッドが配置された円筒状の収容部を有する成形型の前記収容部に充填し、前記硬化性樹脂を硬化させる工程と、
前記成形型内のスラリーが固化した後、前記スラリーの固化体から前記成形型及び前記孔形成用ロッドを脱離させて、両端面を貫通する貫通孔を有する円柱状の成形体を得る工程と、
前記成形体を乾燥させる工程と、
乾燥させた前記成形体を脱脂する工程と、
脱脂した前記成形体を焼結する工程と
前記ガラス焼結体が複数の貫通孔を有しており、
前記ガラス焼結体の中心軸と垂直な横断面上の前記複数の貫通孔に囲まれた領域において、前記貫通孔の外周に外接する仮想円を第2仮想円と規定したとき、この第2仮想円の直径が14mm以上、58mm以下となるように、前記成形型の内径、前記孔形成用ロッドの直径が設定され、前記孔形成用ロッドが配置されているものである。
第1の態様と同様、第2の態様の製造方法においても、乾燥工程及び脱脂工程において、成形体に含まれる溶媒、硬化性樹脂、分散剤を一層、効率よく除去することができる。
第1又は第2の態様の製造方法においては、前記スラリーに含まれる前記石英ガラス粉体の量を100重量部としたとき、前記硬化性樹脂の量が7.5重量部以上、11.5重量部以下であることが好ましい。
スラリー中の硬化性樹脂の含有量を上記範囲に設定することで、成形体から成形型及び孔形成用ロッドを脱離することが可能な硬さにスラリーが固化される一方、脱脂工程において、成形体に含まれる硬化性樹脂の多くを除去することができる。このため、焼結工程における割れの発生を抑制することができる。
また、成形体に複数の貫通孔が形成される場合、隣り合う貫通孔の距離が近いとその箇所の強度が低下する。そのため、固化体から成形型及び孔形成用ロッドを脱離する工程、その後の乾燥工程、脱脂工程、焼結工程のいずれかで変形したり、割れが生じたりするおそれがある。
そこで、上述の製造方法においては、前記成形体が複数個の前記貫通孔を有しているときは、隣り合う2個の貫通孔の最近接部の間隔が3mm以上、58mm以下であることが好ましい。
ガラス焼結体が光ファイバのプリフォームとして利用される場合は、隣り合う2個の貫通孔の最近接部の間隔の下限値である3mmは、ガラス焼結体や成形体の強度が確保され、且つ、光が通過するコアを貫通孔に挿入する場合には、光ファイバのコア間のクロストークを発生させないような値に設定されたものであり、強度的に問題がなければ、上記の間隔は3mm未満にすることができる。
また、本発明の第3及び第4の態様は、
石英ガラス粉体、分散剤、硬化性樹脂及び溶媒を含むスラリーを、円柱状の孔形成用ロッドが配置された円筒状の収容部を有する成形型の前記収容部に充填し、前記硬化性樹脂を硬化させる工程と、
前記成形型内のスラリーが固化した後、前記スラリーの固化体から前記成形型及び前記孔形成用ロッドを脱離させて、両端面を貫通する貫通孔を有する円柱状の成形体を得る工程と、
前記成形体を乾燥させる工程と、
乾燥させた前記成形体を脱脂する工程と、
脱脂した前記成形体を焼結する工程と
を有する、貫通孔を有するガラス焼結体を製造する方法であって、
ガラス焼結体が1個の貫通孔を有するとき、前記ガラス焼結体の中心軸と垂直な横断面上において、前記ガラス焼結体の外周に内接し、且つ前記貫通孔に外接する仮想円のうち直径が最大となる仮想円の直径を2a、前記ガラス焼結体の外径を2R、前記貫通孔の数をn、前記貫通孔の直径を2r、前記貫通孔間の最近接部の間隔を2S、前記スラリーに含まれる前記石英ガラス粉体の量を100重量部としたときの前記硬化性樹脂の重量部をCとしたときに、以下の式(1)で定義されるBth値が73.5以下になるように、
また、
ガラス焼結体が複数の貫通孔を有するとき、前記ガラス焼結体の中心軸と垂直な横断面において、前記ガラス焼結体の外周に内接し、且つ前記貫通孔に外接する仮想円のうち直径が最大となる仮想円、及び、前記ガラス焼結体の中心軸と垂直な横断面上の前記複数の貫通孔に囲まれた領域において、前記貫通孔の外周に外接する仮想円のうち、直径が大きい仮想円の直径を2a、前記ガラス焼結体の外径を2R、前記貫通孔の数をn、前記貫通孔の直径を2r、前記貫通孔間の最近接部の間隔を2S、前記スラリーに含まれる前記石英ガラス粉体の量を100重量部としたときの前記硬化性樹脂の重量部をCとしたときに、以下の式(1)で定義されるBth値が73.5以下になるように、各工程が行われるものである。
th={aC(R-nr)/(R+nr)}/1000 ・・・(1)
(ただし、R≧15、C≧7.5。a、R、r、Sは単位をmmで表したときの値である。)
成形体からガラス焼結体に至る過程で成形体に割れが生じる要因の一つに、脱脂工程において成形体に残留する硬化性樹脂の量がある。つまり、脱脂工程において成形体に含まれる硬化性樹脂を十分に除去することができなければ、脱脂工程あるいはその後の焼結工程で割れが生じやすくなる。成形体に含まれる硬化性樹脂の量が多いと、脱脂工程において成形体から硬化性樹脂を除去することが難しくなり、成形体中の硬化性樹脂の残留量が多くなる。また、成形体の体積に対する表面積の比(比表面積)が小さいと、成形体から硬化性樹脂が排出され難くなり、成形体中の硬化性樹脂の残留量が多くなる。本発明の第2の態様は、これらの知見に基づきなされたものであり、成形体における割れの発生しやすさ(あるいは割れの発生しにくさ)を表す指標として上記の式(1)で定義されるBth値を見出したものである。このBth値が73.5以下になるように、スラリー中の石英ガラス粉体の含有量に対する硬化性樹脂の含有量の割合と、最大仮想円及びガラス焼結体の直径(外径)、貫通孔の大きさ及び配置という、ガラス焼結体の形状に関する因子を、バランスよく、適切に管理することで、安定に割れの無い石英ガラス焼結体を製造できる。
次に、図面を参照して本発明を光ファイバプリフォームの製造方法に適用した実施形態を説明する。
光ファイバは光ファイバプリフォーム(以下、プリフォームとする)を紡糸することで形成される。そのため、通常、プリフォームは、その軸方向と直交する断面(横断面)が、光ファイバの横断面とほぼ相似形となるように設計される。光ファイバに対するプリフォームの相似比が大きいほど、プリフォームから形成される光ファイバが長くなる。
図1は、本実施形態に係るガラス焼結体の製造方法の工程図である。スラリーの調合工程(ステップ1)では、石英ガラスの粉体、溶媒、分散剤、硬化性樹脂をボールミルに入れ、所定時間かけて混合する。溶媒としては通常、蒸留水が用いられる。ボールミルから取り出されたスラリーは、硬化剤が添加された後、成形型に充填される(ステップ2)。成形型には、ガラス焼結体が有する貫通孔を形成するための孔形成用ロッドが配置されており、成形型の内部のうち孔形成用ロッドが配置されていない空間にスラリーが充填される。成形型に充填されたスラリーは室温下に放置されることで、硬化性樹脂が硬化する(ステップ3)。
硬化性樹脂の硬化により成形型内に成形体が形成されると、その成形体から成形型及び孔形成用ロッドが脱離される(ステップ4)。続いて、成形体は乾燥され(ステップ5)、脱脂され(ステップ6)、焼結される(ステップ7)。乾燥工程では成形体中の主に溶媒(蒸留水)が除去され、脱脂工程では成形体中の硬化性樹脂が主に除去される。また、焼結工程により成形体はガラス焼結体となる。ガラス焼結体の貫通孔にコア材が挿入されることによりプリフォームとなり、このプリフォームを紡糸することによって光ファイバが得られる。乾燥工程、脱脂工程、焼結工程のいずれにおいても、スラリーの組成に応じた適宜の温度条件が設定されている。
図2~6は、本実施形態に係るガラス焼結体の製造方法で得られた、貫通孔を有するガラス焼結体の横断面図である。図2には、1個の貫通孔10を有するガラス焼結体100の横断面が、図3には2個の貫通孔10を有するガラス焼結体200の横断面が、図4には4個の貫通孔10を有するガラス焼結体300の横断面が、図5には5個の貫通孔10を有するガラス焼結体400の横断面が、図6には7個の貫通孔10を有するガラス焼結体500の横断面がそれぞれ示されている。各成形体では、ガラス焼結体の中心軸と貫通孔10の中心軸が一致する位置に(図2、図6)、あるいはガラス焼結体の中心軸に関して回転対称な位置に(図3~6)、貫通孔10が配置されている。各ガラス焼結体の横断面のうち貫通孔10を除く領域(図2~6においてハッチングパターンが表示されている領域)は、光ファイバのクラッド層に対応する。以下、この領域をクラッド領域20という。
各ガラス焼結体のクラッド領域20に、ガラス焼結体の外周に内接し、貫通孔10に外接する円を仮定し、この円のうち直径が最大となるものを以下、仮想円30と定義する。この仮想円30は、本発明の最大仮想円に相当する。例えば、1個の貫通孔10を有するガラス焼結体100であって、貫通孔10の中心軸とガラス焼結体100の中心軸が一致している場合、ガラス焼結体100の外周に内接し、貫通孔10に外接する円は1種類しかなく、この円が仮想円30となる。また、2個の貫通孔10を有するガラス焼結体200であって、ガラス焼結体200の中心軸に関して点対称な位置に2個の貫通孔10が配置されている場合は、ガラス焼結体200の外周に内接し、貫通孔10に外接する円(図5に符号30、31を付した円)は複数種類存在する。それらのうち直径が最大のものが仮想円30となる。貫通孔10が4個のガラス焼結体300の場合も、同様にして仮想円30が設定される。
本実施形態の製造方法では、ガラス焼結体のクラッド領域20に設定される仮想円30の直径が所定の範囲に収まるように、成形体からガラス焼結体に至るまでの成形体の収縮を考慮して、成形体の外径、貫通孔の内径及び配置が設計される。
図2に示される、1個の貫通孔10を有するガラス焼結体100の場合、その外径を2R、貫通孔10の内径を2r、仮想円30の直径を2aとすると、2aは、以下の式(2)で表される。
2a=R-r ・・・(2)
図3に示される、2個の貫通孔10を有するガラス焼結体200の場合、2個の貫通孔10の最近接部の間隔を2Sとすると、仮想円30の直径2aは、以下の式(3)で表される。
2a=(R+S+2rS)/(R+r)・・・(3)
図4に示される、4個の貫通孔10を有するガラス焼結体300の場合、4個の貫通孔10の最近接部の間隔を2Sとすると、仮想円30の直径2aは、以下の式(4)で表される。
2a=(R-2(S+r)R+(2S+r+4rS))/(R-S)・・・(4)
なお、上述した式(2)~(4)では、数字とアルファベットの間、アルファベットとアルファベットの間の乗算記号(×)を省略している。
図5に示される、5個の貫通孔10を有するガラス焼結体400の場合、隣り合う2個の貫通孔10の最近接部の間隔を2Sとすると、仮想円30の直径2aは、以下の式(5)で表される。
2a=(R-2.75(S+r)R+(2.89S+1.89r+5.79Sr))/(R-1.38S-0.38r)・・・(5)
ただし、図5に示すガラス焼結体400の場合、5個の貫通孔10の内側に、貫通孔10の外周に接する円31を考えることができる。この円31は、ガラス焼結体400の外周に内接しないため、定義上、仮想円には相当しないが、この円31の直径2bが上記仮想円30の直径2aよりも大きい場合には、仮想円30に代えて円31の直径2bが所定の範囲に収まるように、成形体400の外径、貫通孔10の内径及び配置が設計される。円31の直径2bは次の式(6)で表される。
2b=3.40S+1.40r・・・(6)
また、図6に示される、7個の貫通孔10を有するガラス焼結体500の場合、隣り合う2個の貫通孔10の最近接部の間隔を2Sとすると、仮想円30の直径2aは、以下の式(7)で表される。
2a=(R-3.46(S+r)R+(4S+3r+8Sr))/(R-1.73S-0.73r)・・・(7)
図2~図6には、ガラス焼結体の横断面において、ガラス焼結体の中心軸に関して回転対称の位置に貫通孔が配置され、かつ、貫通孔が複数ある場合には、それらの貫通孔の直径が等しい例を示した。これに対して、直径が異なる貫通孔を有する場合、あるいは、回転対称ではない位置に貫通孔が存在するガラス焼結体の場合は、仮想円の直径は、上記の式では表すことができない。このような場合は、ガラス焼結体の横断面の形状から、最大仮想円を特定し、その直径を計測すればよい。さらに、ガラス焼結体の中心軸に関して回転対象の位置に貫通孔が配置されている場合であっても、そのガラス焼結体の横断面の形状から、最大仮想円を特定し、その直径を計測しても良い。この方法では、貫通孔の数がいくつであっても、また、貫通孔の形状や配置が不均一であっても、仮想円の直径を求めることができる。
また、本実施形態の製造方法では、上述した式(1)で表されるBth値が73.5以下となるようにして、脱型から焼結までの各工程が行われる。式(1)においては、ガラス焼結体が有する貫通孔に、他の貫通孔とは径が異なる貫通孔が含まれる場合や、貫通孔の配置がガラス焼結体の中心軸に関して回転対称ではない場合には、式(1)に含まれる変数である貫通孔の直径2rを、複数の貫通孔の直径の平均値とし、隣り合う貫通孔の間隔のうち最小値を、間隔Sとすると良い。
次に、図1に示した方法で実際にガラス焼結体を製造した例について、説明する。
[製造例1]
製造例1では、サンプル1及びサンプル2という2種類のガラス焼結体を製造した。サンプル1、2のスラリーに含まれる石英ガラス粉末、蒸留水、硬化性樹脂、分散剤の処方、乾燥工程、脱脂工程及び焼結工程の温度条件は以下の表1に示した通りである。温度条件は、いずれもピーク温度を示している。
Figure 0007097115000001
サンプル1では、外径(直径)が30mm、軸方向長さが400mmであり、貫通孔を有していない円柱状のガラス焼結体が得られるような成形型が用いられた。サンプル2では、外径が90mm、軸方向長さが160mmであり、貫通孔を有していない円柱状のガラス焼結体が得られるような成形型が用いられた。これらサンプル1,2について、乾燥工程、脱脂工程、焼結工程における割れの発生の有無を調べたところ、サンプル1では、いずれの工程でも割れが発生しなかったのに対して、サンプル2では、焼結工程時に割れが発生した。これは、ガラス焼結体の外径寸法が大きく、そのため成形体の外径寸法が大きいサンプル2では、脱脂工程で硬化性樹脂が十分に除去されず内部に残留したためであると推測された。
以上の結果から、表1に示すような従来のスラリーの処方、表1に示すような従来のスラリーキャスト法により円柱状のガラス焼結体を製造する場合は、ガラス焼結体の外径が30mm以下となるように成形型の寸法を設定すれば、いずれの工程でも割れが生じないことが分かった。また、製造例1より、割れの生じ易さに成形体の軸方向長さはほぼ影響を及ぼさないことが推測された。
貫通孔を有しないガラス焼結体の外径は、図2~6に示した、貫通孔を有するガラス焼結体の横断面のクラッド領域20に設定される仮想円30の直径とみなすことができる。つまり、製造例1の結果から、仮想円の直径が30mm以下となるように成形体の外径、貫通孔の内径、貫通孔の配置を設計すれば、成形体に含まれる蒸留水を乾燥工程で除去でき、硬化性樹脂を脱脂工程で除去できることが推測された。
[製造例2]
製造例2ではサンプル3~5という3種類のガラス焼結体を製造した。サンプル3~5のスラリーに含まれる石英ガラス粉末、蒸留水、硬化性樹脂、分散剤の処方、乾燥工程、脱脂工程及び焼結工程の温度条件は以下の表2に示す通りである。なお、製造例2の乾燥工程及び焼結工程の温度条件は製造例1と同じであるが、脱脂工程の温度条件は製造例1と製造例2とで若干異なる。すなわち、製造例1,2とも脱脂工程のピーク温度が850℃である点で共通するが、製造例2の方が製造例1よりもピーク温度に達するまでの時間を長くした。
Figure 0007097115000002
サンプル3では、外径(直径)が90mm、軸方向長さが70mmであり、貫通孔を有していない円柱状のガラス焼結体が得られるような成形型が用いられた。サンプル4では、外径(直径)が90mm、軸方向長さが160mmであり、且つ、内部に内径が20mmの貫通孔を4個有する、円柱形状のガラス焼結体が得られるような成形型が用いられた。サンプル5では、外径(直径)が90mm、軸方向長さが160mmであり、且つ、内部に内径が20mmの貫通孔を7個有する、円柱形状のガラス焼結体が得られるような成形型が用いられた。つまり、サンプル4では、4個の孔形成用ロッドが内部に配置された成形型が用いられ、サンプル5では、7個の孔形成用ロッドが内部に配置された成形型が用いられた。
図7の(a)~(c)は、サンプル3~5のガラス焼結体601,610,620の横断面を示している。図7(b)に示すように、サンプル4では、ガラス焼結体410のクラッド領域20に設定される仮想円30の直径が26mm、隣り合う貫通孔10の最近接部の間隔が6mmとなるように、4個の孔形成用ロッドが配置された成形型を用いた。
また、サンプル5では、ガラス焼結体420のクラッド領域20に設定される仮想円30の直径が18mm、隣り合う貫通孔10の最近接部の間隔が5mmとなるように、7個の孔形成用ロッドが配置された成形型を用いた。
以上のサンプル3~5について、乾燥工程、脱脂工程、焼結工程における割れの発生の有無を調べたところ、サンプル3及びサンプル4は、乾燥工程では成形体に割れは生じなかったが、脱脂工程で成形体にヒビが発生し、その後の焼結工程においてガラス焼結体に割れが生じた。一方、サンプル5では、いずれの工程でも、成形体、ガラス焼結体に割れは生じなかった。以上の結果から、製造例2の処方、各工程の温度条件では、ガラス焼結体の横断面に規定される仮想円の直径が18mm以下となるようにすることが、割れの発生を抑える点で好ましいといえる。
[製造例3]
製造例3では5種類のサンプル4,6~9のガラス焼結体を製造した。サンプル4,6~9のスラリーに含まれる石英ガラス粉末、蒸留水、硬化性樹脂、分散剤の処方、乾燥工程、脱脂工程及び焼結工程の温度条件は以下の表3に示す通りである。乾燥工程及び焼結工程の温度プロファイルは製造例1,2と同じにした。脱脂工程の温度プロファイルは製造例2と同じにした。サンプル4は、製造例2で用いたサンプル4と同じ条件でガラス焼結体を製造したものである。
Figure 0007097115000003
これら5種類のサンプルは、スラリーに含まれる石英ガラス100gに対する樹脂の量が異なる以外は全て同じ条件とした。
製造例2の欄で説明した通り、サンプル4は、乾燥工程では成形体に割れは生じなかったが、脱脂工程で成形体にヒビが発生し、その後の焼結工程においてガラス焼結体に割れが生じた。また、サンプル8,9では、乾燥工程において成形体に割れが生じた(そのため、乾燥工程後の脱脂工程、焼結工程を行うことができなかった。)。一方、サンプル6,7では、いずれの工程でも、成形体、ガラス焼結体に割れは生じなかった。
以上の結果から、スラリーに含まれる硬化性樹脂の量が多いと脱脂工程において硬化性樹脂を十分に除去することができず、その結果、焼結工程で割れが生じることが分かった。また、硬化性樹脂の量が少ないと、乾燥工程で成形体に割れが生じることが分かった。言い換えると、スラリーに含まれる硬化性樹脂の量を適切に設定することにより、成形体からガラス焼結体に至る工程における割れの発生を抑えることができることが分かった。
製造例1~3の結果に基づき、乾燥工程、脱脂工程、焼結工程のいずれかにおいて成形体、ガラス焼結体に割れが生じた理由を検討した。理由の検討にあたり、サンプル1~9の、最大仮想円の直径2a(mm)、Bth値の計算値を参考にした。サンプル1~9の、最大仮想円の直径2a(mm)、Bth値の計算値を表4に示す。表4には、サンプル1~9の最大仮想円の直径2a(mm)、Bth値の計算値の他に、各サンプルのスラリーに含まれる石英ガラス粉末、蒸留水、硬化性樹脂、分散剤の処方、乾燥工程、脱脂工程及び焼結工程の温度条件等も示されている。
Figure 0007097115000004
なお、貫通孔を有していないガラス焼結体の場合は、該ガラス焼結体の外径を、最大仮想円の直径とした。
上記サンプル1~9のうち、石英ガラス100gに対する樹脂の量が11.7gであるサンプル1~5において、乾燥工程、脱脂工程、焼結工程のいずれにおいても割れが生じなかったサンプル1,5のBth値はそれぞれ30.7,14.2であったが、割れが生じたサンプル2~4のBth値は276.7、276.7、34.0であった。このことから、Bth値が34以下となるような条件でガラス焼結体を製造すれば、割れの無い良好なガラス焼結体が得られることが推測された。
一方、サンプル8のBth値は12.3、サンプル9のBth値は8.7と、いずれもBth値が34以下であったが、乾燥工程時に割れが生じた。サンプル8及びサンプル9は、石英ガラス100gに対する樹脂の量が7.1g、5.8gであり、他のサンプルに比べると樹脂の割合が低い。石英ガラス100gに対する樹脂の量が少ないと、乾燥に時間がかかることから、乾燥工程の途中で成形体に割れが生じたものと思われる。
[製造例4]
製造例4では、7個のサンプル10~16のガラス焼結体を製造した。サンプル10~16のスラリー含まれる石英ガラス粉末、蒸留水、硬化性樹脂、分散剤の処方、乾燥工程、脱脂工程及び焼結工程の温度条件は以下の表5に示す通りである。また、製造例4では、乾燥工程の温度プロファイルを製造例1~3と同じにし、脱脂工程の温度プロファイルを製造例2,3と同じにした。
Figure 0007097115000005
製造例4では、焼結工程の温度プロファイルは、ピーク温度が異なる以外は製造例1~3と同じにした。具体的には、製造例1~3では焼結工程のピーク温度を1500℃に設定していたが、製造例4では、焼結工程のピーク温度を1550℃に設定した。
また、表5には、サンプル10~16の最大仮想円の直径2a(mm)、Bth値の計算値も示した。
表5の「割れ(〇:なし、×:あり)」の欄に「×」が付されているサンプルは、乾燥工程、脱脂工程、焼結工程のいずれかで割れが生じたことを表しており、割れが生じた工程を備考欄に記載した。
表5に示されている通り、サンプル14は、乾燥工程では成形体に割れは生じなかったが、脱脂工程で成形体にヒビが発生し、その後の焼結工程においてガラス焼結体に割れが生じた。サンプル15は、乾燥工程では成形体に割れは生じなかったが、脱脂工程で成形体にワレが生じた(そのため、脱脂工程後の焼結工程を行わなかった)。サンプル16は、乾燥工程において成形体に割れが生じた(そのため、乾燥工程後の脱脂工程、焼結工程を行うことができなかった。)。一方、サンプル10~13では、いずれの工程でも、成形体、ガラス焼結体に割れは生じなかった。
製造例1~4の結果から、割れのない良好なガラス焼結体を得るための条件として、以下が推測された。
(1)最大仮想円の直径が58.0mm以下であること。
(2)スラリーに含まれる石英ガラス100gに対する樹脂の量を7.1gよりも多くすし、且つ11.7g以下にすること。
(3)Bth値が73.5以下になるように、ガラス焼結体の形状を設定すること。
(4)ガラス焼結体が複数の貫通孔を有している場合は、隣り合う貫通孔の最近接部の間隔が58.0mm以下であること。
なお、最大仮想円の直径の下限値、Bth値の下限値、隣り合う貫通孔の最近接部の間隔の下限値は、ガラス焼結体に求められる機械的強度に応じて決定される。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく適宜の変更が可能である。
例えば上記実施形態では、断面が円形状のガラス焼結体(つまり、円柱状のガラス焼結体)の製造例について説明したが、それに限らず、断面が多角形の柱状のガラス焼結体を製造する場合、断面形状は概ね円形状であるが、外周面の一部が平坦面であるような柱状のガラス焼結体を製造する場合にも、本発明の製造方法を適用することが可能である。
また、本発明の製造方法の乾燥工程で得られた円柱状の成形体の外周面の一部、あるいは全体を削って平坦面にした、その成形体を脱脂し、焼結してガラス焼結体を得るようにしてもよい。
10…貫通孔
20…クラッド領域
30…仮想円
100、200、300、400、500、601、610、620…ガラス焼結体

Claims (4)

  1. 石英ガラス粉体、分散剤、硬化性樹脂及び溶媒を含むスラリーを、円柱状の孔形成用ロッドが配置された円筒状の収容部を有する成形型の前記収容部に充填し、前記硬化性樹脂を硬化させる工程と、
    前記成形型内のスラリーが固化した後、前記スラリーの固化体から前記成形型及び前記孔形成用ロッドを脱離させて、両端面を貫通する貫通孔を有する円柱状の成形体を得る工程と、
    前記成形体を乾燥させる工程と、
    乾燥させた前記成形体を脱脂する工程と、
    脱脂した前記成形体を焼結する工程と
    を有する、貫通孔を有するガラス焼結体を製造する方法であって、
    前記スラリーに含まれる前記石英ガラス粉体の量を100重量部としたとき、前記硬化性樹脂の量が7.5重量部以上、11.5重量部以下であり、
    前記ガラス焼結体が複数の貫通孔を有しており、
    前記ガラス焼結体の中心軸と垂直な横断面上において、前記ガラス焼結体の外周に内接し、且つ前記貫通孔に外接する仮想円、及び、前記横断面上の前記複数の貫通孔に囲まれた領域において、前記貫通孔の外周に外接する仮想円のうち、直径が最大となる最大仮想円の直径が、14mm以上、58mm以下となるように、前記成形型の内径、前記孔形成用ロッドの直径が設定され、前記孔形成用ロッドが配置されている、ガラス焼結体の製造方法。
  2. 請求項に記載のガラス焼結体の製造方法において、
    隣り合う2個の貫通孔の最近接部の間隔が3mm以上、58mm以下である、ガラス焼結体の製造方法。
  3. 石英ガラス粉体、分散剤、硬化性樹脂及び溶媒を含むスラリーを、円柱状の孔形成用ロッドが配置された円筒状の収容部を有する成形型の前記収容部に充填し、前記硬化性樹脂を硬化させる工程と、
    前記成形型内のスラリーが固化した後、前記スラリーの固化体から前記成形型及び前記孔形成用ロッドを脱離させて、両端面を貫通する貫通孔を有する円柱状の成形体を得る工程と、
    前記成形体を乾燥させる工程と、
    乾燥させた前記成形体を脱脂する工程と、
    脱脂した前記成形体を焼結する工程と
    を有する、貫通孔を有するガラス焼結体を製造する方法であって、
    前記スラリーに含まれる前記石英ガラス粉体の量を100重量部としたとき、前記硬化性樹脂の量が7.5重量部以上、11.5重量部以下であり、
    ガラス焼結体が1個の貫通孔を有するとき、前記ガラス焼結体の中心軸と垂直な横断面上において、前記ガラス焼結体の外周に内接し、且つ前記貫通孔に外接する仮想円のうち直径が最大となる仮想円の直径を2a、前記ガラス焼結体の外径を2R、前記貫通孔の数をn、前記貫通孔の直径を2r、前記貫通孔間の最近接部の間隔を2S、前記スラリーに含まれる前記石英ガラス粉体の量を100重量部としたときの前記硬化性樹脂の重量部をCとしたときに、以下の式(1)で定義されるB th 値が73.5以下になるように各工程が行われる、ガラス焼結体の製造方法。
    th ={aC (R -nr )/(R+nr)}/1000 ・・・(1)
    (ただし、R≧15、C≧7.5。a、R、r、Sは単位をmmで表したときの値である。)
  4. 石英ガラス粉体、分散剤、硬化性樹脂及び溶媒を含むスラリーを、孔形成用ロッドが配置された筒状の収容部を有する成形型の前記収容部に充填し、前記硬化性樹脂を硬化させる工程と、
    前記成形型内のスラリーが固化した後、前記スラリーの固化体から前記成形型及び前記孔形成用ロッドを脱離させて、両端面を貫通する貫通孔を有する柱状の成形体を得る工程と、
    前記成形体を乾燥させる工程と、
    乾燥させた前記成形体を脱脂する工程と、
    脱脂した前記成形体を焼結する工程と
    を有する、貫通孔を有するガラス焼結体を製造する方法であって、
    前記スラリーに含まれる前記石英ガラス粉体の量を100重量部としたとき、前記硬化性樹脂の量が7.5重量部以上、11.5重量部以下であり、
    前記ガラス焼結体が複数の貫通孔を有しており、
    前記ガラス焼結体の中心軸と垂直な横断面上において、前記ガラス焼結体の外周に内接し、且つ前記貫通孔に外接する仮想円、及び、前記横断面上の前記複数の貫通孔に囲まれた領域において、前記ガラス焼結体の外周に内接せず、且つ前記貫通孔の外周に外接する仮想円のうち、直径が最大となる最大仮想円の直径が、14mm以上、58mm以下となるように、前記成形型の内径、前記孔形成用ロッドの直径が設定され、前記孔形成用ロッドが配置されている、ガラス焼結体の製造方法。
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