以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1乃至図3は、実施の形態1に係る駆動伝達機構及び駆動装置を適用した画像形成装置を示すものである。図1はその画像形成装置の全体の外観を示し、図2はその画像形成装置の全体の概略を示し、図3はその画像形成装置における要部(画像形成ユニット)を拡大して示している。なお、図中、矢印Xは水平方向に沿った奥行方向を、Yは鉛直方向を、Zは水平方向に沿った幅行方向をそれぞれ示している。
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えばモノクロプリンタとして構成されたものである。この画像形成装置1は、図1に示されるように、奥行きに比較して高さが相対的に低い略直方体状に形成された装置本体1aを備えている。装置本体1aには、操作者が画像形成装置1を操作する際の正面に開閉部材の一例としてのフロントカバー101が矢印B1,B2方向に沿って開閉可能に設けられている。フロントカバー101は、装置本体1aの正面に配置される正面部101aと、装置本体1aの上端面の一部(正面側)に配置される上面部101bとを有している。フロントカバー101の上面部101bは、正面部101aと別個に単独で装置本体1aに対して開閉可能に構成されている。また、装置本体1aの上端面には、画像が形成された記録媒体の一例としての記録用紙5を排出する用紙排出部36が傾斜した状態で設けられている。なお、装置本体1aは、支持構造部材やフロントカバー101を含む外装カバー102~104等で形成されている。
この画像形成装置1は、図2に示されるように、現像剤を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する作像装置10と、作像装置10の転写位置に供給すべき所要の記録用紙5を収容して供給する給紙装置20と、給紙装置20から供給された記録用紙5を図中に一点鎖線で示す搬送経路に沿って搬送する搬送装置30と、作像装置10で転写された記録用紙5上のトナー像を定着させる定着装置40等を備えている。
作像装置10は、画像形成手段(像保持手段)の一例としての回転する感光体ドラム11を備えている。この感光体ドラム11の周囲には、次のような画像形成手段の一例としての各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光体ドラム11の像形成が可能な周面(像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電装置12と、感光体ドラム11の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある静電潜像を形成する露光装置13と、その静電潜像をブラック色の現像剤のトナーで現像してトナー像にする現像装置14と、そのトナー像を記録用紙5に転写する転写装置15と、転写後における感光体ドラム11の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を取り除いて清掃するドラム清掃装置16等である。
感光体ドラム11は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光体ドラム11は、後述するように駆動装置から動力が伝達されて矢印Aで示す方向に回転するよう支持されている。
帯電装置12は、感光体ドラム11に接触した状態で配置される接触型の帯電ロールで構成される。帯電装置12には帯電用電圧が供給される。帯電用電圧としては、現像装置14が反転現像を行うものである場合、現像装置14から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性の電圧又は電流が供給される。なお、帯電装置12としては、感光体ドラム11の表面に非接触状態で配置されるスコロトロン等の非接触型の帯電装置を用いてもよい。
露光装置13は、感光体ドラム11の軸方向に沿って配列された複数の発光素子としてのLED(Light Emitting Diode)により感光体ドラム11に画像情報に応じた光を照射して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなる。露光装置13は、フロントカバー101の開閉動作に連動して感光体ドラム11に近接した露光位置と、感光体ドラム11の周面から離間した図2中に破線で示す退避位置とに移動可能となっている。なお、露光装置13としては、画像情報に応じて構成されるレーザー光を感光体ドラム11の軸方向に沿って偏向走査するものを用いても良い。露光装置13としてレーザー光を偏向走査するものを用いた場合には、感光体ドラム11の周面から離間した位置から露光可能であるため退避させる必要はない。
現像装置14は、図3に示されるように、開口部と現像剤4の収容室が形成された筐体140の内部に、現像剤4を保持して感光体ドラム11と向き合う現像領域まで搬送する現像剤保持手段の一例としての現像ロール141と、現像剤4を攪拌しながら現像ロール141を通過させるよう搬送する2つのスクリューオーガー等の攪拌搬送部材142,143と、現像ロール141に保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材144などを配置して構成したものである。この現像装置14には、現像ロール141と感光体ドラム11の間に現像バイアス電圧が図示しない電源装置から供給される。また、現像ロール141や攪拌搬送部材142,143は、後述するように、駆動装置から動力が伝達されて所要の方向に回転する。さらに、現像剤4としては、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。
転写装置15は、図2に示されるように、画像形成時に感光体ドラム11の周囲に記録用紙5を介して接触し回転するとともに転写用電圧が供給される転写ロールを備えた接触型の転写装置である。転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
ドラム清掃装置16は、図3に示されるように、一部が開口する容器状の本体160と、一次転写後の感光体ドラム11の周面に所要の圧力で接触するように配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板161と、清掃板161で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収容器に送り出すよう搬送するスクリューオーガー等の送出部材162等で構成されている。清掃板161としては、ゴム等の材料からなる板状の部材(例えばブレード)が使用される。
定着装置40は、図2に示されるように、記録用紙5の導入口及び排出口が形成された装置ハウジング43の内部に、矢印で示す方向に回転するとともに表面温度が所定の温度に保持されるよう加熱手段によって加熱されるロール形態又はベルト形態の加熱用回転体41と、この加熱用回転体41の軸方向にほぼ沿う状態で所定の圧力で接触して回転するベルト形態又はロール形態の加圧用回転体42などを配置して構成されたものである。この定着装置40では、加熱用回転体41と加圧用回転体42が接触する接触部が所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着処理部(ニップ部)Nとなる。
給紙装置20は、作像装置10の鉛直方向Yに沿った下方側の位置に存在するよう配置される。この給紙装置20は、所望のサイズ、種類等の記録用紙5を積載板21上に積載した状態で収容する単数(又は複数)の用紙収容体22と、用紙収容体22から記録用紙5を1枚ずつ送り出す送出装置23とで主に構成される。給紙装置20は、用紙収容体22の前面に設けられた把持部24を手で把持して引き出すことにより画像形成装置1の装置本体1aに対して着脱可能となっている。
記録用紙5としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙やトレーシングペーパー等の薄紙、あるいはOHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録用紙5の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等の坪量が相対的に大きい所謂厚紙なども好適に使用することができる。
給紙装置20と転写装置15との間には、図2に示されるように、給紙装置20から送り出される記録用紙5を転写位置まで搬送する複数(又は単数)の用紙搬送ロール対31a,31bや図示しない搬送ガイドで構成される給紙搬送路32が、装置本体1aの正面の鉛直方向Yに沿って上方に向かい、途中から装置本体1aの内部にX方向へ向けて湾曲した形状に設けられている。給紙搬送路32において転写位置の直前の位置に配置される用紙搬送ロール対31bは、例えば記録用紙5の搬送時期を調整するロール(レジストロール)として構成されている。また、転写装置15から定着装置40までは、転写装置15から送り出される転写後の記録用紙5を定着装置40へと搬送するため用紙搬送路33が水平方向Xに沿って設けられている。
また、定着装置40の斜め上部には、1つの搬送ロールが共通に構成された2組の搬送ロール対34,35のうち、一方の搬送ロール対34を介して用紙排出部36へと搬送して排出する排出搬送路37が設けられている。用紙排出部36は、装置本体1aの上端面に傾斜した状態で設けられている。
排出搬送路37の出口37aには、記録用紙5を排出すると共に表裏を反転させる排出ロール対37bが配置されている。排出ロール対37bは、その回転方向が正転方向と逆転方向に切替可能となっている。
また、排出ロール対37bの手前には、記録用紙5の搬送方向を切り替える図示しない切替ゲートが設けられている。記録用紙5の両面に画像を形成する場合には、記録用紙5の搬送方向が図示しない切替ゲートによって排出搬送路37から両面搬送路38へと切り替えられる。このとき、排出ロール対37bは、排出方向に搬送される記録用紙5の後端が図示しない切替ゲートを通過した後、回転方向が正転方向(排出方向)から逆転方向に切り替わる。排出ロール対37bによって逆転方向に搬送される記録用紙5は、図示しない切替ゲートによって搬送経路が鉛直方向に切り替えられ、搬送ロール対35を介して画像形成装置1の装置本体1aの背面に沿って鉛直方向Yから水平方向Xに沿うよう湾曲して形成された両面搬送路38へと搬送される。両面搬送路38は、表裏を反転させた状態で記録用紙5を用紙搬送ロール対31bへと搬送する用紙搬送ロール対39a,39bや図示しない搬送ガイド等を備えている。
現像装置14の上部には、図3に示されるように、当該現像装置14に供給する少なくともトナーを含む現像剤を収容した現像剤収容容器の一例としてのトナーカートリッジ145が配置されている。トナーカートリッジ145の下方には、当該トナーカートリッジ145に収容されたトナーを現像装置14へ供給する供給ロール146を備えたトナー供給装置147が設けられている。トナーカートリッジ145の内部には、当該トナーカートリッジ145に収容されたトナーを撹拌しつつトナー供給装置147へと搬送する図示しないアジテーター等の撹拌搬送部材が回転可能に配置されている。現像装置14、トナーカートリッジ145の図示しないアジテーター及びトナー供給装置147は、後述するように、駆動装置から動力が伝達されて駆動される。
また、図2中符号200は、画像形成装置1の動作を統括的に制御する制御装置を示している。制御装置200は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、あるいはこれらCPUやROM等を接続するバス、通信インターフェイスなどを備えている。
<プロセスカートリッジ>
この実施の形態では、露光装置13及び転写装置15を除いた作像装置10が、画像形成装置1の装置本体1aに対して着脱可能な画像形成ユニットの一例としてのプロセスカートリッジ300を構成している。プロセスカートリッジ300は、図3及び図4に示されるように、感光体ドラム11と、帯電装置12と、現像装置14と、トナーカートリッジ145と、清掃装置16が一体的に装着されたカートリッジ本体301を備えている。カートリッジ本体301の一側には、トナーカートリッジ145を単独で着脱可能に収容する凹形状の収容部302が設けられている。また、カートリッジ本体301の一側面には、図4に示されるように、後述する駆動装置から動力が伝達される第2駆動伝達手段の一例としての感光体連結部材74と現像装置連結部材75とトナー供給連結部材76が側方へ向けて突出した状態で設けられている。
画像形成装置1の装置本体1aは、図2及び図5に示されるように、ユーザーが画像形成装置1を操作する操作面(前面)側に、プロセスカートリッジ300及びトナーカートリッジ145を着脱するための開口部105を有している。開口部105は、フロントカバー101により開閉される。フロントカバー101は、その下端部に配置された回転軸106を中心にして装置本体1aに図中の矢印B1,B2方向に沿って開閉可能に取り付けられている。装置本体1aは、フロントカバー101を開放した状態でプロセスカートリッジ300に対する装置本体1aの後述する駆動装置からの回転駆動力の伝達が解除され、プロセスカートリッジ300及びトナーカートリッジ145の着脱がそれぞれ可能となる。フロントカバー101の正面部101aの上端には、フロントカバー101の開閉動作を図示しない駆動装置に伝達するための接触作用腕17が内側へ向けて突出するよう設けられている。
なお、この実施の形態では、プロセスカートリッジ300と別個に定着装置40が装置本体1aに対して着脱可能に構成されている。定着装置40の着脱動作は、図示しないリアカバーを開閉することにより行われる。
<画像形成装置の基本的な動作>
以下、画像形成装置1による基本的な画像形成動作について説明する。
画像形成装置1は、制御装置200によって制御され、装置本体1aに装着された図示しない操作パネル、あるいは図示しないユーザインターフェイスやプリンタドライバ等からモノクロの画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、作像装置10、給紙装置20、搬送装置30及び定着装置40等が始動する。
そして、作像装置10においては、図2に示されるように、まず感光体ドラム11が矢印Aで示す方向に回転し、帯電装置12が感光体ドラム11の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位に帯電させる。続いて、露光装置13が、帯電後の感光体ドラム11の表面に対し、画像形成装置1に入力される画像の情報に基づいて発光される光を照射し、その表面に所要の電位差で構成される静電潜像を形成する。
続いて、現像装置14が、感光体ドラム11に形成された静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電されたブラック色のトナーを現像ロール141から供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、感光体ドラム11に形成された静電潜像は、ブラック色のトナーで現像されたトナー像として顕像化される。プロセスカートリッジ300の現像装置14には、所要のタイミングでトナーカートリッジ145からトナー供給装置147を介してトナーが供給される。
続いて、感光体ドラム11上に形成されたトナー像が転写位置まで搬送されると、転写装置15が、そのトナー像を記録用紙5に対して転写させる。
また、転写が終了した作像装置10では、ドラム清掃装置16が付着物を掻き取るように除去して感光体ドラム11の表面を清掃する。これにより、作像装置10は、次の作像動作が可能な状態にされる。
給紙装置20は、作像動作に合わせて所要の記録用紙5を給紙搬送路32に送り出す。給紙搬送路32では、レジストロールとしての用紙搬送ロール対31bが記録用紙5を転写時期に合わせて転写位置に送り出して供給する。
続いて、トナー像が転写された記録用紙5は、用紙搬送路33を介して定着装置40まで搬送される。定着装置40では、回転する加熱用回転体41と加圧用回転体42との間の定着処理部Nに転写後の記録用紙5を導入して通過させることにより、必要な定着処理(加熱及び加圧)を施して未定着のトナー像を記録用紙5に定着させる。定着が終了した後の記録用紙5は、その片面への画像の形成を行うだけの画像形成動作のときは、排出搬送路37に沿って排出ロール対37bにより装置本体1aの上端部に設けられた用紙排出部36へ排出される。
また、記録用紙5の両面に画像を形成する場合は、片面に画像が形成された記録用紙5を図示しない切替ゲートによって排出ロール対37bへと搬送し、排出ロール対37bによって記録用紙5が一旦排出方向に搬送される。その後、排出ロール対37bが記録用紙5の後端を挟持したままの状態で当該排出ロール対37bの回転方向を逆転させ、記録用紙5の表裏を反転させた後に両面搬送路38を介して再度転写装置15へと搬送し、記録用紙5の裏面にトナー像を転写する。裏面にトナー像が転写された記録用紙5は、用紙搬送路33を介して定着装置40へ搬送され、定着装置40により定着処理(加熱及び加圧)を施され、排出ロール対37bにより用紙排出部36へ排出される。
以上の動作により、モノクロ画像が形成された記録用紙5が出力される。
ところで、画像形成装置1は、画像形成動作に伴ってトナーカートリッジ145内に収容されたトナーが消費され、トナーカートリッジ145が空又は空に近い状態となった場合などには、トナーカートリッジ145が新しいトナーカートリッジ145と交換される。また、画像形成装置1では、画像形成動作に伴ってプロセスカートリッジ300の感光体ドラム11等が摩耗し、感光体ドラム11が寿命に達した場合などには、プロセスカートリッジ300が新しいものと交換される。
プロセスカートリッジ300やトナーカートリッジ145の交換は、画像形成装置1のフロントカバー101を開放した状態で行われる。そのため、プロセスカートリッジ300やトナーカートリッジ145を駆動する駆動装置は、フロントカバー101の開閉動作に連動して回転駆動力の伝達を解除(遮断)するよう構成されている。
<駆動伝達機構及び駆動装置の構成>
図6は、実施の形態1に係る駆動伝達機構を適用した駆動装置の構成図を示している。
駆動装置50は、図1に示されるように、画像形成装置1の装置本体1aにおける一側面104(図示例では、右側面)の内部に装着される。駆動装置50は、図6に示されるように、装置本体1aの一側面に鉛直方向Yに沿って起立した状態で配置される装置基板51を備えている。装置基板51は、左上の角部が切り欠かれた正面略矩形の平板状に形成されている。装置基板51には、その下端部の一側(図示例では、左側)に駆動源の一例としての駆動モータ52が取り付けられている。駆動モータ52は、制御装置200の制御動作に基づいて駆動基板52aに実装された図示しない駆動回路により所要の速度で回転駆動される。駆動モータ52は、画像形成装置1の感光体ドラム11、現像装置14、トナーカートリッジ145、給紙装置20、搬送装置30及び定着装置40などの画像形成手段を回転駆動する。
駆動モータ52の回転軸には、ハスバ歯車等からなる駆動歯車53が一体的に形成されている。駆動モータ52の駆動歯車53には、プロセスカートリッジ300の感光体ドラム11にのみ回転駆動力を伝達する第1伝達歯車54と、プロセスカートリッジ300の現像装置14及びトナーカートリッジ145、更には装置本体1aの給紙装置20及び搬送装置30に回転駆動力を伝達する第2伝達歯車55が噛み合わされている。第1及び第2伝達歯車54,55は、軸方向の位置を異ならせて同軸状に独立して回転可能に配置された同一外径を有する2つのハスバ歯車からなる。図示例では、第1伝達歯車54が第2伝達歯車55の軸方向に沿った裏面側に配置されている。また、駆動モータ52の駆動歯車53には、装置本体1aの定着装置40に回転駆動力を伝達する第3伝達歯車56が噛み合わされている。
装置基板51には、プロセスカートリッジ300に装着された感光体ドラム11の軸方向に沿った一端部に対応した位置に、当該感光体ドラム11を回転駆動する駆動手段の一例としての感光体駆動歯車57が配置されている。感光体駆動歯車57は、第1伝達歯車54と直接噛み合わされて回転駆動力が伝達される。感光体ドラム11は、画像形成手段の中でも相対的に外径が大きい部材である。画像形成装置1のプロセス速度を一定とした場合には、外径が相対的に大きい感光体ドラム11を回転駆動する感光体駆動歯車57の回転速度が遅くなる。そのため、感光体駆動歯車57は、他の伝達歯車54,55などに比較して外径が大きく設定されている。
感光体駆動歯車57の一側面(装置本体1aの内側面)には、図7に示されるように、プロセスカートリッジ300に装着された現像装置14の現像ロール141の軸方向に沿った一端部に対応した位置に、当該現像ロール141などを回転駆動する駆動手段の一例としての現像装置駆動歯車58が配置されている。現像装置駆動歯車58には、図6に示されるように、第2伝達歯車55から複数の中間歯車59,60等を介して回転駆動力が伝達される。感光体駆動歯車57は、上述したように、他の伝達歯車54,55などに比較して外径が大きく設定されている。また、感光体駆動歯車57と現像装置駆動歯車58の軸間距離は、感光体ドラム11及び現像ロール141の外径で一律に決定される。そのため、図示の実施形態では、感光体駆動歯車57と現像装置駆動歯車58は同一平面に配置されておらず、感光体駆動歯車57の一側面に現像装置駆動歯車58が位置する関係となっている。現像装置駆動歯車58は、軸方向に沿った手前側(図面の表面側)に配置された第2伝達歯車55及び複数の中間歯車59,60と同一の平面(噛み合せ面)に配置されている。
感光体駆動歯車57及び現像装置駆動歯車58は、回転中心となる2つの回転軸C1,C2が感光体ドラム11と現像ロール141の軸間距離に対応した距離だけ離れて隣接した状態で配置されている。ここで、感光体駆動歯車57及び現像装置駆動歯車58の回転軸C1,C2とは、感光体駆動歯車57及び現像装置駆動歯車58の回転中心を意味し、部材としての回転軸を意味するものではない。
また、装置基板51には、図6に示されるように、その上部の中央において、トナーカートリッジ145の図示しないアジテーターの軸方向に沿った一端部に対応した位置に、当該トナーカートリッジ145のアジテーター(図示せず)を回転駆動する駆動手段の一例としてのトナー供給駆動歯車61が配置されている。トナー供給駆動歯車61には、第2伝達歯車55から現像装置14と一部共通する複数の中間歯車59,60,62等を介して回転駆動力が伝達される。
さらに、装置基板51には、その左側端部において、定着装置40の加熱用回転体41の軸方向に沿った一端部に対応した位置に、当該定着装置40の加熱用回転体41を回転駆動する駆動手段の一例としての定着装置駆動歯車63が配置されている。定着装置駆動歯車63には、駆動モータ52の駆動歯車53から第3伝達歯車56及び中間歯車64を介して回転駆動力が伝達される。
また、画像形成装置1の装置本体1aに配置される給紙装置20及び搬送装置30には、駆動モータ52の駆動歯車53から第2伝達歯車55及び現像装置14等と一部共通する複数の中間歯車(給紙装置20及び搬送装置30を駆動する駆動歯車を含む)59,60,62,651~658などを介して回転駆動力が伝達される。
ところで、画像形成装置1の装置本体1aに対して着脱されるプロセスカートリッジ300の感光体ドラム11、現像装置14及びトナーカートリッジ145には、図5に示されるように、プロセスカートリッジ300及びトナーカートリッジ145を装置本体1aの所要位置に装着することで、装置本体1a側の感光体駆動歯車57、現像装置駆動歯車58及びトナー供給駆動歯車61から駆動伝達機構70を介して回転駆動力が伝達される。駆動伝達機構70は、プロセスカートリッジ300及びトナーカートリッジ145を装置本体1aに着脱する際に開閉される画像形成装置1のフロントカバー101の開閉動作に連動して、感光体駆動歯車57、現像装置駆動歯車58及びトナー供給駆動歯車61から回転駆動力を伝達する状態と、回転駆動力の伝達を解除(遮断)する状態とに切り替えるよう構成されている。
駆動伝達機構70は、図7に示されるように、感光体駆動歯車57及び現像装置駆動歯車58の隣接する複数(2つ)の回転軸C1,C2の軸方向(同一方向)に沿ってそれぞれ移動可能に配置される複数の第1駆動伝達手段の一例としての感光体主カップリング71及び現像装置主カップリング72を備えている。また、駆動伝達機構70は、定着装置駆動歯車63の軸方向に沿って移動可能に配置される第1駆動伝達手段の一例としての定着装置主カップリング73を備えている。
感光体駆動歯車57は、図8に示されるように、その中心に一側面へ向けて突出した円筒形状に形成された軸芯部571を一体的に有している。軸芯部571には、感光体主カップリング71が感光体駆動歯車57の一側面の回転軸C1方向に沿って移動可能に装着されている。感光体主カップリング71は、図9に示されるように、外周にインボリュート歯車からなる平歯車が形成された円筒形状の第1歯車部711と、第1歯車部711の先端に当該第1歯車部711より外径が小さく設定され且つ外周にインボリュート歯車からなる平歯車が形成された円筒形状の第2歯車部712とを一体的に有している。第2歯車部712の先端には、先細り形状のテーパー部712aが設けられている。感光体主カップリング71は、第1歯車部711と第2歯車部712との間に半径方向外方へ向けて環状に突出した第1当接部713を備えている。
感光体駆動歯車57の軸芯部571には、感光体主カップリング71の第1歯車部711と噛み合わされるインボリュート歯車である平歯車からなる内歯車572が形成されている。感光体主カップリング71は、第1歯車部711が感光体駆動歯車57の内歯車572と噛み合わされて回転駆動力が伝達された状態で軸方向に沿って移動可能に構成されている。また、感光体主カップリング71の第2歯車部712は、図4及び図16に示されるように、プロセスカートリッジ300の感光体ドラム11の軸方向に沿った一端部に設けられた第2駆動伝達手段の一例としての感光体従カップリング74と噛合(結合)及び離間可能に構成されている。感光体従カップリング74は、その内周面に感光体主カップリング71の第2歯車部712と噛み合うインボリュート歯車である平歯車からなる内歯車741を備えた円筒形状に形成されている。内歯車741の開口端には、端部に向けて拡径されたテーパー部741aが設けられている。感光体従カップリング74は、感光体ドラム11の軸方向に沿った一端部に固定した状態で装着されている。プロセスカートリッジ300の側面には、感光体従カップリング74の外周に感光体従カップリング74を保護する円筒形状の保護部材303が側方へ向けて突出するよう設けられている。
なお、感光体主カップリング71としては、インボリュート歯車からなる第1及び第2歯車部711,712を備えたものに限定されるものではないが、感光体主カップリング71を介して回転駆動される感光体ドラム11は、画質に直接影響を与える部材であるため、速度変動等が少なく回転精度が高いことが望ましい。インボリュート歯車からなる第1及び第2歯車部711,712を備えた感光体主カップリング71は、相対的に高い回転精度で感光体ドラム11に回転駆動力を伝達することが可能であるため好適に使用される。
感光体主カップリング71は、図8に示されるように、感光体駆動歯車57の軸芯部571の内側端面と第1歯車部711の内部端面との間に介在された第1付勢手段の一例としての第1コイルスプリング714によって突出する方向に付勢されている。感光体主カップリング71は、感光体駆動歯車57の軸芯部571に装着された固定軸715によって感光体駆動歯車57の軸方向に沿った突出量が規制されている。
また、現像装置駆動歯車58には、図8に示されるように、現像装置主カップリング72が回転軸C2の軸方向に沿って変位可能に装着されている。現像装置駆動歯車58は、図10及び図11に示されるように、その一側面に軸方向に沿って突出するように設けられた略円柱又は円筒形状の駆動伝達軸581を一体的に備えている。駆動伝達軸581の外周には、周方向に沿って複数(図示例では3つ)の断面略半円形状の第1凸部582が一体的に設けられている。また、3つの第1凸部582は、駆動伝達軸581の外周に互いに120度の角度をなす位置にそれぞれ配置されている。各第1凸部582は、駆動伝達軸581の軸方向に沿って全長にわたり形成されている。現像装置駆動歯車58には、駆動伝達軸581の外周に円筒形状に形成された第1軸支部583が設けられている。また、現像装置駆動歯車58には、駆動伝達軸581と反対側の側面に第1軸支部583よりも小径の円筒形状に形成された第2軸支部585が設けられている。第1軸支部583は、現像装置駆動歯車58の軸方向に沿った長さ(厚さ)と同程度の長さに設定されている。
現像装置主カップリング72は、略円筒形状に形成されている。現像装置主カップリング72は、その内周面に駆動伝達軸581の複数の第1凸部582と係合される複数の第1凹部722が形成された装着孔721を有している。現像装置主カップリング72は、その基端部に半径方向外方へ向けて環状に突出した第2当接部723を一体的に備えている。現像装置主カップリング72の先端には、周方向に沿って複数(図示例では3つ)の略半球形状の第2凸部724が側方に突出するよう一体的に設けられている。各第2凸部724は、現像装置主カップリング72の周方向に沿って第1凸部582と同一の位置に配置されている。
ところで、この実施の形態では、現像装置主カップリング72が現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581に対して相対的に傾斜を許容するよう構成されている。
すなわち、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581の第1凸部582を含む外径と、現像装置主カップリング72の第1凹部722を含む内径は、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581に対する現像装置主カップリング72の軸方向C2に沿った移動を許容する所要の内外径差を有するように設定されている。この場合、現像装置主カップリング72は、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581に対して所要の内外径差に応じて軸方向C2に沿った移動が可能である。しかし、現像装置主カップリング72は、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581に対して傾斜しようとすると、駆動伝達軸581の先端が現像装置主カップリング72の装着孔721に当接するとともに、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581の基端が現像装置主カップリング72の装着孔721に当接する。そのため、現像装置主カップリング72は、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581に対して、結果的に所要の内外径差に応じて僅かに傾斜し得るのみで、実質的な傾斜が許容されない。
この実施の形態では、図12及び図14に示されるように、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581の先端に、角部を全周にわたりアール形状に切り欠いて現像装置主カップリング72の装着孔721の内周面に対して傾斜を許容する間隙を形成する第1間隙形成部584が設けられている。同様に、現像装置主カップリング72の装着孔721の基端には、装着孔721の第1凹部722を含む全周にわたりテーパー状に切り欠いて現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581の外周面に対して傾斜を許容する間隙を形成する第2間隙形成部726が設けられている。
また、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581及び現像装置主カップリング72の装着孔721に第1及び第2間隙形成部584,726を形成した場合であっても、現像装置主カップリング72が現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581に対して相対的に長く装着されている場合には、現像装置主カップリング72が現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581に対して傾斜しようとしても、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581の第1間隙形成部584の外周が現像装置主カップリング72の装着孔721に接触するとともに、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581の外周面が現像装置主カップリング72の装着孔721の第2間隙形成部726の内周端に接触し、所要の傾斜が制限される状態となる。
いま、図13に示されるように、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581及び現像装置主カップリング72の装着孔721の断面形状を円形状で近似し、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581の外径をD1、現像装置主カップリング72の装着孔721の内径をD2、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581が現像装置主カップリング72に挿入された挿入長をL、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581の傾斜角をθとすると、次の関係式が成り立つ。
D2=D1cosθ+Lsinθ ・・・(1)
図13において、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581の外径D1を一定とした場合であっても、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581の先端に第1間隙形成部584を設けることは、駆動伝達軸581の外径D1が減少したことに相当する。また、現像装置主カップリング72の装着孔721の内径D2を一定とした場合であっても、現像装置主カップリング72の装着孔721の基端に第2間隙形成部726を設けることは、装着孔721の内径D2を拡大したことに相当する。そのため、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581の第1凸部582を含む外径と、現像装置主カップリング72の第1凹部722を含む内径を、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581に対する現像装置主カップリング72の軸方向C2に沿った移動を許容する所要の内外径差に設定した場合においても、第1及び第2間隙形成部584,726を設けることにより、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581が傾斜するのを許容することが可能となる。したがって、現像装置駆動歯車58と現像装置主カップリング72は、回転軸が傾斜した状態で回転駆動力を伝達可能な所謂ユニバーサルジョイントを構成している。なお、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581と現像装置主カップリング72の装着孔721との内外径差を、回転軸の傾斜を拡大するよう相対的に大きな値に設定しても良い。
また、現像装置主カップリング72の複数の第2凸部724は、図4及び図16に示されるように、プロセスカートリッジ300の現像ロール141の軸方向に沿った端部に設けられた第2駆動伝達手段の一例としての現像装置従カップリング75と噛合(結合)及び離間可能に構成されている。現像装置従カップリング75は、その内周面に現像装置カップリング72の複数の第2凸部724と係合される複数の第2凹部751を備えている。現像装置主カップリング72は、図8に示されるように、現像装置駆動歯車58の端面と第2当接部723の下端面との間に介在された第2付勢手段の一例としての第2コイルスプリング725によって突出する方向に付勢されている。現像装置主カップリング72は、図17に示されるように、現像ロール141の現像装置従カップリング75に接触して突出位置が規制された状態で回転可能に取り付けられている。プロセスカートリッジ300の側面には、現像装置従カップリング75の外周に当該現像装置従カップリング75を保護する保護部材304が側方に突出した状態で設けられている。なお、現像装置主カップリング72は、図示しない規制部材によって突出位置を規制するよう構成しても勿論良い。
現像装置駆動歯車58は、図15に示されるように、感光体駆動歯車57を回転可能に支持する駆動装置50のハウジング501に、第2軸支部585が軸受部材586を介して回転可能に支持されている。また、現像装置駆動歯車58は、現像装置駆動歯車58などを覆う被覆手段の一例としての金属製のケーシング502に、摺動部の一例としての第1軸支部583が回転可能に支持されている。ケーシング502には、現像装置駆動歯車58の第1軸支部583を回転可能に支持する支持部502aが、第1軸支部583の外周面に接触するよう内側(第1軸支部583側)へ向けて湾曲した形状に設けられている。そのため、現像装置駆動歯車58を回転可能に支持する構造は、実質的に、現像装置駆動歯車58の軸方向に沿った長さと略同等の長さに収められている。なお、図15中、符号60aは、現像装置駆動歯車58と噛み合わされて回転駆動力を伝達する中間歯車を示している。
さらに、定着装置駆動歯車63には、図7に示されるように、第1駆動伝達手段の一例としての定着装置主カップリング73が軸方向に沿って変位可能に装着されている。定着装置駆動歯車63は、図18に示されるように、その一側面に軸方向に沿って突出するように設けられた円柱形状の駆動伝達軸631を一体的に備えている。駆動伝達軸631の外周には、周方向に沿って複数(図示例では4つ)の断面略半円形状の第3凸部632が一体的に設けられている。また、4つの第3凸部632は、駆動伝達軸631の外周に互いに90度の角度をなす位置にそれぞれ配置されている。各第3凸部632は、駆動伝達軸631の軸方向に沿って全長にわたり形成されている。定着装置駆動歯車63には、駆動伝達軸631の外周に円筒形状に形成された軸支部633が設けられている。
定着装置主カップリング73は、図18(b)に示されるように、略二重円筒形状に形成されている。定着装置主カップリング73は、その内周面に駆動伝達軸631の複数の第3凸部632と係合される複数の第3凹部732が形成された装着孔731を有している。定着装置主カップリング73は、その基端部に半径方向外方へ向けて環状に突出した第3当接部733を一体的に備えている。第3当接部733には、外周に向けて低くなるよう傾斜した傾斜面733aが設けられている。定着装置主カップリング73の先端部には、その周方向に沿って複数(図示例では6つ)の係合部734が一体的に設けられている。各係合部734は、軸方向に沿った平面734aと、平面734aの先端から基端に向けて傾斜した傾斜面734bから側面略直角三角形状に形成されている。
また、定着装置主カップリング73の複数の係合部734は、図18(a)に示されるように、駆動装置50の装置基板51に回転軸791を介して回転可能且つ位置を固定して装着された第2駆動伝達手段の一例としての定着装置従カップリング79と噛合(結合)及び離間可能に構成されている。定着装置従カップリング79は、外周面に歯車部792を有する歯車からなる。定着装置従カップリング79は、その軸方向に沿った一端部に定着装置主カップリング73の複数の第1係合部734と係合される複数(図示例では、6つ)の第2係合部793を備えている。複数の第2係合部793は、定着装置主カップリング73の係合部734と噛み合い可能な形状に形成されている。各係合部793は、軸方向に沿った平面793aと、平面793aの先端から基端に向けて傾斜した傾斜面793bから側面略直角三角形状に形成されている。定着装置主カップリング73は、定着装置駆動歯車63の端面と第3当接部733の下端面との間に介在された第3付勢手段の一例としての第3コイルスプリング795によって突出する方向に付勢されている。
一方、トナー供給駆動歯車61には、図19に示されるように、第1駆動伝達手段の一例としてのトナー供給主カップリング76が軸方向に沿って変位可能に装着されている。トナー供給駆動歯車61は、その一側面に軸方向に沿って突出するように設けられた駆動伝達軸611を一体的に備えている。駆動伝達軸611の外周には、周方向に沿って複数(図示例では3つ)の断面略半円形状の第4凸部612が一体的に設けられている。また、3つの第3凸部612は、駆動伝達軸611の外周に互いに120度の角度をなす位置にそれぞれ配置されている。各第4凸部612は、駆動伝達軸611の軸方向に沿って全長にわたり形成されている。
トナー供給主カップリング76は、略円筒形状に形成されている。トナー供給主カップリング76は、その内周面761に駆動伝達軸611の複数の第4凸部612と係合される複数の第4凹部762が形成された装着孔761を有している。トナー供給主カップリング76は、その基端部に半径方向外方へ向けて環状に突出した第4当接部763を一体的に備えている。トナー供給主カップリング76の先端には、周方向に沿って複数(図示例では6つ)の略半球形状の第5凸部764が側方に突出するよう一体的に設けられている。なお、トナー供給主カップリング76としては、感光体主カップリング71と同様に、第1及び第2歯車部を備えた円筒形状に形成したものを用いても良い。
また、トナー供給主カップリング76の複数の第5凸部764は、図20に示されるように、トナーカートリッジ145の図示しないアジテーターの軸方向に沿った端部に設けられた第2駆動伝達手段の一例としてのトナー供給従カップリング77と噛合(結合)及び離間可能に構成されている。トナー供給従カップリング77は、その周方向に沿ってトナー供給主カップリング76の複数の第5凸部764と係合される複数の第5凹部771を備えている。トナー供給主カップリング76は、図19に示されるように、トナー供給駆動歯車61の端面と第4当接部763の下端面との間に介在された第4付勢手段の一例としての第4コイルスプリング764によって突出する方向に付勢されている。
<カップリング退避部材(切替手段)>
駆動伝達機構70は、図6に示されるように、装置基板51に対して軸方向と交差する方向に沿った位置を維持しつつ軸方向に沿って変位(移動)可能な切替手段の一例としてのカップリング退避部材80を備えている。カップリング退避部材80は、感光体主カップリング71及び現像装置主カップリング72を回転軸C1,C2の軸方向に沿って変位(移動)させることにより、プロセスカートリッジ300の感光体従カップリング74及び現像装置従カップリング75に対する回転駆動力の伝達及び解除を切り替える。
また、駆動伝達機構70は、装置基板51に対して軸方向と交差する方向に沿った位置を維持するように配置され、定着装置主カップリング73を軸方向に沿って変位(移動)させ、装置本体1aの定着装置従カップリング79に対する回転駆動力の伝達及び解除を切り替える切替手段の一例としての回転カム85を備えている。回転カム85は、後述するように、カップリング退避部材80の軸方向に沿った移動を補助する機能をも有している。
カップリング退避部材80は、図7に示されるように、正面略平行四辺形の板状部材として形成されている。カップリング退避部材80は、上端縁及び下端縁に沿ってそれぞれ裏面側に折り曲げた状態で配置される上端面801及び下端面802と、上端面801及び下端面802の左端部に上端面801の左端部が鈍角をなすよう傾斜した状態で設けられる左側面803と、上端面801及び下端面802の右端部に左側面803より大きな角度で同一方向に沿って傾斜した状態で設けられる右側面804を備えている。カップリング退避部材80は、その下端面802の右側端部及び右側面804の全部が、現像装置駆動歯車58などを回転可能に支持するケーシング502との干渉を避けるため開口されている。カップリング退避部材80は、図6に示されるように、装置基板51に立設された複数の案内部材81,82を介して装置基板51の表面と交差する方向(軸方向)に沿ってのみ移動可能に装着されている。案内部材81,82は、カップリング退避部材80の上端面801の左端部と、下端面802の左端部に対応した位置に配置されている。
カップリング退避部材80の略中央部には、図7に示されるように、感光体主カップリング71の第2歯車部712及び現像装置主カップリング72をそれぞれ挿通する2つの円形状の挿通孔805,806が、感光体駆動歯車57及び現像装置駆動歯車58の回転軸C1,C2の軸間距離と等しい距離だけ隔てて隣接して開口されている。2つの挿通孔805,806の内径は、図8に示されるように、感光体主カップリング71の第2歯車部712及び現像装置主カップリング72の外径より大きく、且つ感光体主カップリング71及び現像装置主カップリング72の第1及び第2当接部713,723の外径より小さく設定されている。なお、一方の挿通孔806の内周面には、現像装置主カップリング72の複数の凸部724を挿通させる複数の逃げ部807が設けられている。また、2つの挿通孔805,806は、感光体主カップリング71及び現像装置主カップリング72の第1及び第2当接部713,723と当接して当該感光体主カップリング71及び現像装置主カップリング72を押し下げるタイミングを異ならせることにより、カップリング退避部材80を移動させる際の操作力を低減するよう構成されている。
更に説明すると、カップリング退避部材80の2つの挿通孔805,806は、図8に示されるように、その下端面805a,806aの軸方向に沿った位置が異なるよう形成されている。図示の実施の形態では、一方の挿通孔805の軸方向に沿った下端面805aと感光体主カップリング71の第1当接部713との間隔G1が、他方の挿通孔806の軸方向に沿った下端面806aと現像装置主カップリング72の第2当接部733との間隔G2より小さく(G1<G2)設定されている。なお、図8は、カップリング退避部材80が駆動位置に移動し、感光体主カップリング71及び現像装置主カップリング72が感光体従カップリング74及び現像装置従カップリング75と結合された状態を示している。カップリング退避部材80は、図8中、下方に移動する際に、カップリング退避部材80の挿通孔805の下端面805aが感光体主カップリング71の第1当接部713と先に当接し、その後カップリング退避部材80の挿通孔806の下端面806aが現像装置主カップリング72の第2当接部723と当接する。
カップリング退避部材80の上端面801には、図7に示されるように、その右側端部に側方(上方)へ向けて略円柱形状に突出した第1押下部808が設けられている。また、カップリング退避部材80の上端面801には、第1押下部808の左側に所要の距離だけ離れて側方(上方)へ向け半円柱形状に突出した第1押上部809が設けられている。第1押上部809は、第1押下部808より上端面801の表面側に位置している。
また、カップリング退避部材80の下端面802には、その中央部に側方(下方)へ向けて略円柱形状に突出した第2押下部810が設けられている。第2押下部810は、第1押下部808より長く形成されている。カップリング退避部材80の下端面802には、第2押下部810の左側に所要の距離だけ離れて下向きに半円柱形状に突出した第2押上部811が設けられている。第2押上部811は、第2押下部810より下端面802の表面側に位置している。
カップリング退避部材80の左側面803には、図7及び図8に示されるように、左側面803に沿ってカップリング退避部材80の表面より一段低く形成された段差部812が設けられている。
回転カム85は、図7に示されるように、カップリング退避部材80と定着装置主カップリング73との間に回転可能に配置されている。回転カム85は、軸支部851aを介して回転可能となるよう支持され、円板状に形成されたカム本体851を備えている。カム本体851には、その外周端に軸方向の一方(図中、下方)に向けて湾曲した凸形状に形成された第1及び第2カム部852,853が設けられている。第1及び第2カム部852,853は、カム本体851の外周端に約180度の角度を成して対向するよう配置されている。第1カム部852は、カップリング退避部材80の段差部812に当接してカップリング退避部材80を押し下げるように作用する。一方、第2カム部853は、定着装置主カップリング73の第3当接部733に当接して定着装置主カップリング73を押し下げるように作用する。第1及び第2カム部852,853は、カップリング退避部材80の段差部812と、定着装置主カップリング73の第3当接部733の軸方向に沿った高低差を考慮して、第1カム部852が第2カム部853よりカム本体851の軸方向に沿った上方に突出した状態で配置されている。また、カム本体851には、図25に示されるように、後述するリンク部材90によって回転カム85を回転駆動させるための駆動軸854が軸支部851aからリンク部材90側に偏心した位置に設けられている。なお、カム本体851の外周には、組立時に、定着装置従カップリング79との干渉を避けるため、凹形状の切欠き部851bが設けられている。
また、回転カム85の第1及び第2カム部852,853は、カップリング退避部材80及び定着装置主カップリング73を押し下げるタイミングが異なるように構成されている。更に説明すると、第1カム部852は、回転カム85の回転に伴いカップリング退避部材80の押し下げを開始した後に、定着装置主カップリング73の押し下げを開始するように、当該第1及び第2カム部852,853の突出量及びカム本体851の周方向に沿った突出位置がそれぞれ設定されている。
<リンク部材(移動手段)>
装置基板51には、図6に示されるように、カップリング退避部材80を軸方向と交差する方向に沿った位置を維持しつつ軸方向に沿って変位(移動)させる移動手段の一例としてのリンク部材90が装着されている。リンク部材90は、回転カム85を回転させる機能を有している。さらに、リンク部材90は、トナー供給主カップリング76を軸方向に沿って移動させる機能をも有している。リンク部材90は、装置基板51の軸方向と交差する方向である当該装置基板51の表面に沿った矢印D1,D2方向に移動可能となるよう取り付けられている。リンク部材90は、図23に示されるように、カップリング退避部材80と略同一の平面に配置されている。
リンク部材90は、図21に示されるように、その正面形状が横向きの略Y字形状に形成されている。リンク部材90は、カップリング退避部材80の上端面801及び下端面802の外側に、当該上端面801及び下端面802と平行にそれぞれ配置される第1及び第2リンク部901,902と、第1リンク部901の先端部の側方(上方)にカップリング退避部材80の上端面801と平行に配置される略平板状のガイド部903と、第1リンク部901の長手方向に沿った右端部に直線状に配置される基端部904とを備えている。第2リンク部902は、カップリング退避部材80の右側面804に沿って略平行に配置される連結部905を介して基端部904と一体的に連結されている。
リンク部材90には、ガイド部材903の先端部に長孔906が設けられている。ガイド部材903の先端には、回転カム85を回転させるため図中下向きに開口した凹所907が形成されている。また、リンク部材90の基端部904の基端には、円柱形状の軸部908が設けられている。さらに、リンク部材90の基端部904には、その側方(上方)にトナー供給主カップリング76を軸方向に沿って移動させることで退避させるトナー供給退避部909が一体的に設けられている。
リンク部材90は、図6に示されるように、ガイド部903の先端部に設けられた長孔906を装置基板51に立設された円柱形状の軸支部91に挿入するとともに、第2リンク部902の下方の側面を装置基板51に立設された案内部材92によって案内することで、装置基板51に対して矢印D1,D2方向に沿って移動可能に取り付けられている。
リンク部材90は、図22に示されるように、第1リンク部901の先端にカップリング退避部材80側に向けて開口された第1傾斜面910を有している。第1傾斜面910は、リンク部材90の基端部904側が高く、ガイド部903側が低くなるよう装置基板51の表面と交差する方向に傾斜した状態で設けられている。第1傾斜面910の両端には、それぞれ平坦面911,912が設けられている。また、第1リンク部901の表面には、第1傾斜面910と略平行に傾斜して配置された1本の第1リブ913が設けられている。第1リブ913の上端部914は、平坦に形成されている。
また、リンク部材90は、図23に一部破断した断面が示されているように、第2リンク部902の先端にカップリング退避部材80側に向けて開口された第2傾斜面915を有している。第2傾斜面915は、リンク部材90の長手方向に沿った位置が異なるのみで、基本的に第1傾斜面910と同様に構成されている。第2傾斜面915は、基端部904側が高く、先端部側が低くなるよう装置基板51の表面に交差する方向に傾斜した状態で設けられている。第1傾斜面915の両端には、それぞれ平坦面916,917が設けられている。また、第2リンク部902の表面には、第2傾斜面915と略平行に傾斜した3本の第2リブ918が設けられている。第2リブ918の上端部919は、平坦に形成されている。
リンク部材90は、図24(a)に示されるように、図中右方向D2に移動すると、第1及び第2リンク部901,902の第1及び第2傾斜面910,915が、カップリング退避部材80の第1及び第2押下部808,810と接触して、第1及び第2押下部808,810を介してカップリング退避部材80を軸方向に沿った装置基板51の裏面側(図24中、下方)に移動させる。なお、図24では、便宜上、第2傾斜面915のみを図示しており、第1傾斜面910の対応する部位を括弧付きの符号で付記している。このとき、カップリング退避部材80の第1及び第2押下部808,810は、第1及び第2コイルスプリング714,725の付勢力によってリンク部材90の平坦面912,917に押し当てられた状態で停止している。
一方、リンク部材90は、図24(b)に示されるように、図中左方向D1に移動すると、第1及び第2リンク部901,902の第1及び第2リブ913,918が、カップリング退避部材80の第1及び第2押上部809,811と接触して、第1及び第2押上部809,811を介してカップリング退避部材80を軸方向に沿った表面側に移動させる。このとき、カップリング退避部材80の第1及び第2押下部809,811は、リンク部材90の平坦面914,919に接触した状態で停止している。また、カップリング退避部材80の第1及び第2押上部808,810は、リンク部材90の平坦面911,916から離間している。
また、リンク部材90には、図25に示されるように、ガイド部903の先端に設けられた凹所907に、回転カム85の駆動軸854の先端が係合されている。なお、図25は、リンク部材90が矢印D1方向の端部に移動した状態を示している。その際、ガイド部903の凹所907の内側面907aと偏心軸854の外周面との間には、間隙G3が存在するように設定されている。この状態において、リンク部材90が矢印D2方向に向けて移動を開始すると、間隙G3に相当する距離だけ移動した後に、凹所907の内側面907aが回転カム85の駆動軸854に接触して押動し、回転カム85を図中時計回り方向に沿って回転させる動作を開始する。このように、回転カム85は、リンク部材90の移動に対して間隙G3に相当するタイミングだけ遅れて回転を開始し、第1カム部852によってカップリング退避部材80の段差部812の押し下げを開始する。さらに、回転カム85は、上述したように、第1カム部852がカップリング退避部材80の押し下げを開始した後に、第2カム部853が定着装置カップリング73の第3当接部733の押し下げを開始するよう構成されている。
さらに、リンク部材90は、図21及び図26に示されるように、トナー供給退避部909を備えている。トナー供給退避部909は、トナー供給主カップリング76が挿通された状態で移動する通路を有する第3傾斜面920と、第3傾斜面920の両端部に設けられた通路と連通する円形状の開口部を有する平坦面921,922とから構成されている。第3傾斜面920は、リンク部材90の基端部904側の平坦面921が高く、ガイド部903側の平坦面922が低くなるように、装置基板51の表面と交差する方向に傾斜した状態で設けられている。
リンク部材90は、図26に示されるように、図中、矢印D2方向に移動すると、トナー供給主カップリング76の第3当接部763が第3傾斜面920に沿って移動し、第3傾斜面920の一端部に設けられた平坦部922へと移動する。そのため、トナー供給主カップリング76は、第4コイルスプリング764の付勢力に抗して装置基板51の表面に近接する方向に移動して、トナー供給従カップリング77との結合が解除される。
一方、リンク部材90は、図中、矢印D1方向に移動すると、トナー供給主カップリング76の第3当接部763が第3傾斜面920に沿って移動し、第3傾斜面920の一端部に設けられた平坦面921へと移動する。そのため、トナー供給主カップリング76は、第4コイルスプリング764の付勢力によって装置基板51の表面から離間する方向に移動して、トナー供給従カップリング77と結合される。
<リンク部材の移動機構>
リンク部材90は、図6に示されるように、その基端部904に設けられた軸部908に連結された作動アーム66を介して、フロントカバー101の開閉動作によって所要の回転角にわたり矢印E1,E2方向に沿って回転する回動体67と連結されている。
装置基板51は、図27(a)に示されるように、その正面側(図中、右側)の上端部に、フロントカバー101に設けられた接触作用部17が接触することにより回転可能な回動体67を備えている。回動体67には、図28に示されるように、その中心に円筒形状の軸支部671aを備えた本体671と、軸支部671aの側方に突出した作用突部672と、接触作用部17が接触する被接触部673と、被接触部673と対向する位置に設けられ、図示しないコイルスプリング等の付勢手段を係止する係止部674が設けられている。なお、図示しないコイルスプリングは、回動体67の周方向に沿った回転位置が特定の中立位置を矢印E1方向に超えた場合には、回動体67を矢印E1方向に付勢し、回動体67の周方向に沿った回転位置が特定の中立位置を矢印E2方向に超えた場合には、回動体67を矢印E2方向に付勢するよう係止部674に係止されている。また、被接触部673に隣接する位置には、作動アーム66の端部が軸支されている。
接触作用部17は、図28に示されるように、フロントカバー101の内面における一端部の所定位置に直立状に配置される板状の本体部170と、本体部170の先端側に斜め下方に延びる曲げ先端部171と、本体部170と曲げ先端部171の境界部分に下方に向けて拡がる形状で切り欠いた窪み部172を有する形状からなる部材で構成されている。また、接触作用部17には、曲げ先端部171の先端に、フロントカバー101を閉じる際に回動体67の被接触部673と接触して押すための接触面部173が設けられている。
さらに、接触作用部17は、窪み部172のうち接触面部173寄りの内壁面を、下方外側にむけて傾斜させた斜面からなり、フロントカバー101を開ける際に回動体67の作用突部672と接触する引出し用斜面部174として形成している。しかも、その窪み部172のうち接触面部173の反対側にある内壁面を、下方外側にむけて傾斜させた斜面からなり、フロントカバー101を閉じる際に回動体67の作用突部672と接触する押込み用斜面部175として形成している。
図27(a)に示されるように、フロントカバー101を矢印B1で示す方向に回転させて開け始めると、フロントカバー101にある接触作用部17の引出し用傾斜面174が回動体67の作用突部672に接触し、回動体67が矢印E1で示す方向に回動し始める。回動体67は、上述したように、図示しないコイルスプリングによって付勢され、矢印E1で示す方向に所定位置まで回転した状態で停止する。これにより、回動体67が矢印E1で示す方向に回動することで生じる回転運動による動力が、作用アーム66を介してリンク部材90に伝達される。リンク部材90は、作用アーム66を介して矢印D2方向に所要量だけ移動する。
一方、フロントカバー101を矢印B2で示す方向に回転させて閉じると、図27(b)に示されるように、フロントカバー101にある接触作用部17の接触面部173が回動体67の作用突部672に接触し、回動体67が矢印E2で示す方向に回動し始める。回動体67は、上述したように、図示しないコイルスプリングによって付勢され、矢印E2で示す方向に所定位置まで回転した状態で停止する。これにより、回動体67が矢印E2で示す方向に回動することで生じる回転運動による動力が、作用アーム66を介してリンク部材90に伝達される。リンク部材90は、作用アーム66を介して矢印D1方向に所要量だけ移動する。なお、図27中、符号51aは、装置基板51のフロント側のフランジ部に開口された接触作用部17を挿通させるための開口部を示している。
<駆動伝達機構及び駆動装置の動作>
この実施の形態1に係る画像形成装置1では、次のようにして、装置本体1aのフロントカバー101の開閉動作に連動して、駆動装置50の駆動伝達機構70によりプロセスカートリッジ300及びトナーカートリッジ145などへの回転駆動力の伝達及び解除が切り替えられる。
すなわち、この実施の形態1に係る画像形成装置1では、図5に示されるように、トナーカートリッジ145やプロセスカートリッジ300を新たに装着する際や交換する際など、フロントカバー101が矢印B1方向に開かれて開口部105が開放される。画像形成装置1は、図27(b)に示されるように、フロントカバー101が矢印B1方向に開かれると、当該フロントカバー101に設けられた接触作用部17が回動体67から離間する方向に退避する。接触作用部17が回動体67から退避すると、回動体67は、図示しないコイルスプリングの付勢力によって図中矢印E1方向に所要の角度だけ回転して停止する。回動体67の回転動作は、作動アーム66を介してリンク部材90に伝達され、リンク部材90は、矢印D2方向に沿って所要量だけ移動して停止する。
図29は、フロントカバー101を開放することにより、リンク部材90が矢印D2方向に沿って所要量だけ移動して停止した状態における駆動装置50を示している。
リンク部材90は、図29に示されるように、矢印D2方向に沿って所要量だけ移動すると、当該リンク部材90の移動に伴ってカップリング退避部材80が装置基板51の表面に近接する方向(図29の裏面側)に変位する。
すなわち、リンク部材90の矢印D2方向に沿った移動力は、図24(a)に示されるように、リンク部材90の第1及び第2傾斜面910,915に接触する第1及び第2押下部808,810を介してカップリング退避部材80に伝達される。カップリング退避部材80は、第1及び第2押下部808,810がリンク部材90の第1及び第2傾斜面910,915と接触して押し下げられることに伴い、図24中の下方である装置基板51の表面に近接する方向に変位した退避位置で停止する。
カップリング退避部材80は、図30に示されるように、退避位置に移動する動作に伴って、2つの挿通孔805,806に挿通された感光体主カップリング71及び現像装置主カップリング72を第1及び第2コイルスプリング714,725の付勢力に抗して押し下げ、感光体主カップリング71及び現像装置主カップリング72を感光体従カップリング74及び現像装置従カップリング75から離間させる。その結果、駆動伝達機構70は、図16に示されるように、装置本体1a側の感光体主カップリング71及び現像装置主カップリング72から、プロセスカートリッジ300側の感光体従カップリング74及び現像装置従カップリング75への回転駆動力の伝達が解除される。
その際、回転カム85は、図23に示されるように、リンク部材90の矢印D2方向に沿った移動に伴って回転駆動され、回転カム85の第1カム部852がカップリング退避部材80の段差部812を押し下げることにより、リンク部材90によるカップリング退避部材80の移動を補助する。回転カム85がカップリング退避部材80の移動を補助するタイミングは、リンク部材90がカップリング退避部材80の退避位置への移動を開始した後に設定されている。
また、回転カム85は、図31に示されるように、第2カム部853が定着装置主カップリング73の第3当接部733と接触して定着装置主カップリング73を第3コイルスプリング735の付勢力に抗して押し下げることにより、当該定着装置主カップリング73を定着装置従カップリング79から離間させ、定着装置主カップリング73と定着装置従カップリング79との係合状態を解除する。こうすることにより、駆動伝達機構70は、定着装置主カップリング73から定着装置従カップリング79への回転駆動力の伝達が解除される。
さらに、リンク部材90の矢印D2方向に沿った移動力は、図26に示されるように、トナー供給退避部909の第3傾斜面920を介してトナー供給主カップリング76を押し下げることにより、トナー供給主カップリング76を第4コイルスプリング764の付勢力に抗してトナー供給従カップリング77から離間させる。こうすることにより、駆動伝達機構70は、図20に示されるように、トナー供給主カップリング76からトナー供給従カップリング77への回転駆動力の伝達を解除する。
このように、画像形成装置1は、フロントカバー101の開放動作に伴って、駆動伝達機構70によるプロセスカートリッジ300及びトナーカートリッジ145、更には定着装置40などへの回転駆動力の伝達が解除される。そのため、画像形成装置1では、図5に示されるように、プロセスカートリッジ300及びトナーカートリッジ145が装置本体1aから着脱可能となり、プロセスカートリッジ300及びトナーカートリッジ145の装着や交換などが行われる。
一方、画像形成装置1では、トナーカートリッジ145やプロセスカートリッジ300の交換作業などが終了すると、フロントカバー101が閉じられる。
フロントカバー101が閉じられると、図27(a)に示されるように、フロントカバー101にある接触作用部17の引出し用傾斜面174が回動体67の作用突部673に接触し、回動体67が矢印E2で示す方向に回動し始める。これにより、回動体67が矢印E2で示す方向に回動することで生じる回転運動による作動力が、作用アーム66を介してリンク部材90に伝達され、リンク部材90は、矢印D1方向に沿って所要量だけ移動する。
リンク部材90は、図6に示されるように、矢印D1方向に沿って所要量だけ移動すると、当該リンク部材90の移動に伴ってカップリング退避部材80が装置基板51の表面から離間する方向に変位する。
すなわち、リンク部材90の矢印D1方向に沿った移動力は、図24(b)に示されるように、リンク部材90の第1及び第2リブ913,918に接触するカップリング退避部材80の第1及び第2押上部809,811を介してカップリング退避部材80に伝達される。カップリング退避部材80は、リンク部材90が矢印D1方向に沿って移動すると、第1及び第2押上部809,811がリンク部材90の第1及び第2リブ913,918に接触して押し上げられ、図24中の上方である装置基板51の表面から離間する方向に変位して、第1及び第2押下部808,810がリンク部材90の平坦面914,919に接触した状態である駆動位置で停止する。
カップリング退避部材80は、図8に示されるように、装置基板51の表面から離間する方向である駆動位置に移動する動作に伴って、感光体主カップリング71及び現像装置主カップリング72が第1及び第2コイルスプリング714,725の付勢力によって感光体従カップリング74及び現像装置従カップリング75と結合される駆動位置に変位する。こうすることにより、駆動伝達機構70は、図17に示されるように、装置本体1a側の感光体主カップリング71及び現像装置主カップリング72が、プロセスカートリッジ300側の感光体従カップリング74及び現像装置従カップリング75と係合されて回転駆動力が伝達可能な状態となる。
その際、回転カム85は、図32に示されるように、リンク部材90の矢印D1方向に沿った移動に伴って回転駆動され、第1カム部852が段差部812から離間してカップリング退避部材80の上方への移動を許容する。回転カム85がカップリング退避部材80の移動を許容するタイミングは、カップリング退避部材80の第1及び第2押上部809,811がリンク部材90の第1及び第2傾斜面911,915に沿って移動を開始した後に設定されている。
また、回転カム85は、図32に示されるように、第2カム部853が定着装置カップリング73の第3当接部733から離間して定着装置主カップリング73の押し下げを解除することにより、当該定着装置主カップリング73が第3コイルスプリング795の付勢力によって定着装置従カップリング79と結合される。こうすることにより、駆動伝達機構70は、定着装置主カップリング73から定着装置従カップリング79への回転駆動力が伝達される状態とされる。
さらに、リンク部材90の矢印D1方向に沿った移動力は、図26に示されるように、トナー供給退避部909の第3傾斜面920を介してトナー供給主カップリング76の押し下げ状態を解除することにより、トナー供給主カップリング76が第4コイルスプリング764の付勢力によってトナー供給従カップリング77と結合される。こうすることにより、駆動伝達機構70は、トナー供給主カップリング76からトナー供給従カップリング77へ回転駆動力が伝達される。
このように、上記実施の形態に係る駆動伝達機構70を適用した駆動装置50では、装置本体1a側の感光体主カップリング71及び現像装置主カップリング72が、プロセスカートリッジ300側の感光体従カップリング74及び現像装置従カップリング75と係合されて回転駆動力が伝達可能な状態となる動作、及び装置本体1a側の感光体主カップリング71及び現像装置主カップリング72が、プロセスカートリッジ300側の感光体従カップリング74及び現像装置従カップリング75から離間して回転駆動力の伝達が解除される動作の双方が、感光体主カップリング71及び現像装置主カップリング72を軸方向に沿って変位させるカップリング退避部材80によって実行される。
そのため、装置本体1a側の感光体主カップリング71及び現像装置主カップリング72は、カップリング退避部材80の変位に伴い、プロセスカートリッジ300側の感光体従カップリング74及び現像装置従カップリング75と係合及び離間される際に回転軸C1,C2の軸方向に沿って移動し、回転軸C1,C2に対して傾斜した状態で移動することが回避される。その結果、感光体主カップリング71及び現像装置主カップリング72は、感光体従カップリング74及び現像装置従カップリング75と係合及び離間される際に、回転軸C1,C2に対して傾斜した状態で感光体従カップリング74及び現像装置従カップリング75と接触する、所謂抉る動作が回避される。
このように、この実施の形態に係る駆動伝達機構70を適用した駆動装置50では、感光体主カップリング71及び現像装置主カップリング72が、感光体従カップリング74及び現像装置従カップリング75に対して抉る動作が回避されるため、感光体主カップリング71及び現像装置主カップリング72や、感光体従カップリング74及び現像装置従カップリング75が偏摩耗して、回転駆動力の伝達精度が低下することが防止乃至抑制され、長期間にわたりプロセスカートリッジ300に装着される感光体ドラム11や現像装置14の現像ロール14等を精度良く回転駆動することが可能となる。
また、この実施の形態に係る駆動伝達機構70を適用した駆動装置50では、図12に示されるように、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581に第1間隙形成部584を設けるとともに、現像装置主カップリング72に第2間隙形成部726を設けるという簡素な構成で、現像装置駆動歯車58の駆動伝達軸581に対する現像装置主カップリング72の傾斜を許容した状態で、現像装置駆動歯車58から現像装置主カップリング72へ回転駆動力を伝達することができる。
そのため、現像装置駆動歯車58には、回転駆動力を伝達する連結部材を別途設ける必要がなく、回転駆動力の伝達及び解除を行う現像装置駆動歯車58及び現像装置主カップリング72の軸方向に沿った寸法を小さくすることが可能となる。
比較例
これに対して、前述した特許文献1の場合には、駆動源によって回転駆動される第1駆動ギアと、第1駆動ギアに対して偏心方向及び軸方向に移動可能で且つ回転伝達可能に連結する連結部材とを備え、第1駆動ギアの軸方向に沿ってコイルスプリングによって連結部材を偏心方向及び軸方向に移動可能で且つ回転伝達可能に支持する必要があり、軸方向に沿った寸法が大きくならざるを得ない。
なお、前記実施の形態では、画像形成装置としてモノクロの画像を形成する画像形成装置について説明したが、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像を形成するフルカラー画像形成装置についても同様に適用できることは勿論である。
また、前記実施の形態では、隣接する複数の回転軸の軸方向に沿ってそれぞれ移動可能に配置される第1駆動伝達手段として、感光体カップリング及び現像装置カップリングを例にして説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、隣接する複数の回転軸を有する複数の感光体ドラムなどに対しても適用することができることは勿論である。